JP3837821B2 - 化合物半導体レーザを用いた光ピックアップ装置 - Google Patents

化合物半導体レーザを用いた光ピックアップ装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、情報の記録媒体として光ディスク等の光学記録媒体を用いた例えばコンピューターの記憶装置、音楽・画像情報記憶装置等の、光学記録装置、光学再生装置、或いは光学記録再生装置に用いる光ピックアップ装置に係わる。
【0002】
【従来の技術】
例えば光ディスク、光磁気ディスク等の光学記録媒体に対する記録・再生の高記録密度化及び高解像度化の要求のために、緑色ないしは青色発光の半導体レーザの要求が高まっている。即ち、コンピューターの記憶装置や、画像情報のパッケージメディアとして用いる目的で、光ディスクの高記録密度化が進み、この高記録密度化を実現する1つの手段として光源の短波長化がある。
【0003】
現在、光源として実用化されている半導体レーザには、例えばGaAs/AlGaAs系レーザがある。このレーザは、波長が780nm〜830nm程度で、いわゆるコンパクトディスク(CD)用光ピックアップ装置の光源として実用化されて久しい。しかし、このレーザは波長が長いため、記録密度は上がらず、直径12cmのディスクに対して650MB(メガバイト)程度の記録情報しか入らない。
【0004】
そこで、波長の短いGaInP/AlGaInP系レーザが実用化された。このレーザは、波長が635〜690nmと赤色領域で上述のコンパクトディスク用レーザよりも短いため、技術を結集した結果、直径12cmのディスクに対して4.7GBまで記録容量が高まった。
しかしながら、赤色はまだ他の可視光と比較して波長が長いために、高密度記録には限界がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述の光ピックアップ装置においては、短波長化による高い記録密度が充分達成されているとは言えない。
【0006】
上述のような比較的長い波長の光源を使用した光ピックアップ装置を、高記録密度化させるのは容易ではない。光源の波長はそのままで、記録密度を上げる1つの手段として、例えば対物レンズのN.A.(開口数)を上げる方法があるが、このとき、対物レンズと光ディスクとの距離が縮まることにより、光ディスクの非水平性(スキュー)や非平坦性に対するマージンすなわち裕度がとりにくくなる。従って、サーボ機構の精度を大幅に上げる等の工夫が必要となる。
また、光ディスクに付着するごみ等による影響も大きくなって、エラーの発生原因となりやすい。
【0007】
本発明は、上述した問題の解消がはかられた高い記録密度を実現することができるようにした、化合物半導体レーザを用いた光ピックアップ装置を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、光源からの出射光を対物レンズを通じて光学記録媒体に照射し、光学記録媒体からの戻り光を出射光と分離して、受光素子で戻り光を検出する光ピックアップ装置であって、発振波長580nm以下の化合物半導体レーザを光源とし、化合物半導体レーザがゲインガイド型構造を有し、そのストライプ幅が5μm以下とされ、この化合物半導体レーザの駆動において、200MHz〜1GHzの高周波重畳を行う構成の、化合物半導体レーザを用いた光ピックアップ装置である。
【0010】
上述の本発明の構成によれば、発振波長580nm以下の短波長レーザを光ピックアップの光源とするので高密度記録が可能となり、これに伴いN.A.を抑えることができることから、例えば光ディスクのスキューの問題、平坦性の問題、ゴミの問題を改善することができる。
【0011】
また、化合物半導体レーザの駆動において、200MHz〜1GHzの高周波重畳を行う構成を採ることにより、戻り光ノイズを小さくできるため、端面反射率を大きくできることと相まって、光学記録媒体からの戻り光等のノイズの影響を抑制することができる。
【0012】
本発明による光ピックアップ装置は、光源からの出射光を対物レンズを通じて光学記録媒体に照射し、光学記録媒体からの戻り光を出射光と分離して、受光素子で戻り光を検出し、発振波長580nm以下の化合物半導体レーザを光源とし、化合物半導体レーザがゲインガイド型構造を有し、そのストライプ幅が5μm以下とされ、化合物半導体レーザの駆動において、200MHz〜1GHzの高周波重畳、すなわち高周波電圧あるいは高周波電流重畳を行う構成とする。
【0014】
また本発明による光ピックアップ装置は、上記化合物半導体レーザが、GaAs基板上に積層されたn型のZnMgSSe層により構成される第1のクラッド層と、第1のクラッド層上に積層されたZnSSe混晶層により構成される第1のガイド層と、第1のガイド層上に積層された単一量子井戸構造を有したZnCdSe混晶により構成される活性層と、活性層上に積層されたZnSSe混晶層により構成される第2のガイド層と、第2のガイド層上に積層されたp型のZnMgSSe混晶層により構成される第2のクラッド層とを有し、第2のクラッド層上に、上記ゲインガイド型構造の上記ストライプを構成する、コンタクト層・超格子構造・キャップ層の積層膜が形成されている構成とする。
【0020】
以下、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の光ピックアップ装置の一例を説明する。図中100は、本発明による光ピックアップ装置を全体として示す。
この光ピックアップ装置100は、光源としての半導体レーザ101からの出射光をディスク200へ導くと共に、ディスク200からの反射光、即ち信号光を再生するための公知の光学系、即ちコリメートレンズ102、偏光ビームスプリッタ(PBS)103、1/4波長板104、対物レンズ105、検出レンズ106、信号光を検出する、フォトダイオード等の受光素子107を具備して成る。108は光を非等方に変形するアナモルフィックプリズム、109は光を回折させるグレーティング、110は光路を変更するプリズムをそれぞれ示す。
【0021】
そして、その光源の半導体レーザ101を、例えば図2にその概略構成図を示す化合物半導体レーザ20によって構成する。この化合物半導体レーザ20は、第1導電型例えばn型の化合物半導体基板1の上に、第1のバッファ層2、第2のバッファ層3、第3のバッファ層4、第1導電型のクラッド層5、第1のガイド層6、活性層7、第2のガイド層8、第2導電型(p型)のクラッド層9、半導体層10及びコンタクト層11、超格子構造14、キャップ層15が順次エピタキシャル成長によって積層形成されている。半導体層10及びコンタクト層11、超格子構造14及びキャップ層15は、所定の幅のストライプ状リッジ部をリッジ状に残してその両側を例えばエッチングによって削除し、このストライプ構造のリッジの両側のエッチング溝内に電流狭窄層12が埋込み形成されている。
そして、表面にはp側電極13が、化合物半導体基板1の裏面にはn側電極16が、それぞれ形成されて半導体レーザ20を構成している。
【0022】
この半導体レーザ20は、発振波長を580nm以下、内部損失αi を8〔cm-1〕以下とするものであり、このとき高密度記録が可能となる。そして、例えばII−IV族化合物半導体レーザあるいはIII −V族化合物半導体レーザによって構成する。
【0023】
半導体レーザ20(101)として、II−IV族化合物半導体レーザを用いる場合には、II族元素としてZn,Be,Mg,CdまたはHgのうちの少なくとも1種類以上の元素を含み、IV族元素としてSe,S,Teのうちの少なくとも1種類以上の元素を含む構成とする。
この場合の半導体レーザ20の構成例を次に示す。
【0024】
化合物半導体基板1は、例えば、積層方向の厚さ(以下単に厚さとする)が350μmであり、n型不純物としてSiを添加したn型のGaAs層により構成される。第1のバッファ層2は、例えば、厚さが20nmであり、n型不純物として塩素Clを添加したn型のZnSe層により構成される。第2のバッファ層3は、例えば、厚さが50nmであり、n型不純物として塩素を添加したn型のZnSSe層により構成される。第1導電型のクラッド層5は、例えば、厚さが1μmであり、n型不純物としてClを添加したn型のZnMgSSe混晶層により構成される。
【0025】
第1のガイド層6は、例えば、厚さが45nmであり、n型不純物としてClを添加した、或いは何も添加しないZnSSe混晶層により構成される。この第1のガイド層6を構成するZnSSe混晶のVI族元素の組成比は、例えば硫黄Sを6%、セレンSeを94%とする。
【0026】
活性層7は、例えば、厚さが6nmの単一量子井戸構造を有したZnCdSe混晶により構成される。この活性層7を構成するZnCdSe混晶のII族元素の組成比は、例えば亜鉛Znを80%、カドミウムCdを20%とする。このとき、活性層7の格子定数が、化合物半導体基板1のGaAsの格子定数より若干大きくなる。
【0027】
第2のガイド層8は、例えば、厚さが45nmであり、p型不純物として窒素Nを添加した、或いは何も添加しないZnSSe混晶層により構成される。この第2のガイド層8を構成するZnSSe混晶のVI族元素の組成比は、例えばSを6%、Seを94%とする。
【0028】
第2導電型のクラッド層9は、例えば、厚さが1μmであり、p型不純物として窒素Nを添加したp型のZnMgSSe混晶層により構成される。
半導体層10は、例えば、厚さが1μmであり、p型不純物として窒素Nを添加したp型のZnSSe混晶層により構成される。
コンタクト層11は、例えば、厚さが100nmであり、p型不純物として窒素Nを添加したp型のZnSe層により構成される。
超格子構造14は、例えば、p型不純物として窒素を添加したp型のZnSe/ZnTeの超格子構造により構成される。
キャップ層15は、例えば、厚さが30nmであり、p型不純物として窒素を添加したp型のZnTe層により構成される。
【0029】
また、コンタクト層11は、幅が2〜10μmの帯状のストライプ構造を形成し、電流狭窄をするように構成される。
そして、コンタクト層11が形成されていない半導体層10上の領域には、例えばアルミナ(Al2 3 )による絶縁層からなる電流狭窄層12が形成される。この場合、電流狭窄層12は活性層7から1μm以上の距離にあって、この半導体レーザ20はゲインガイド構造とされる。
【0030】
電流狭窄層12及びコンタクト層11の上に形成されたp側電極13は、例えば厚さが10nmのパラジウム(Pd)、例えば厚さが厚さが100nmの白金(Pt)及び、例えば厚さが300nmの金(Au)をコンタクト層11側から順次積層して形成される。
また化合物半導体基板1の裏面に形成されたn側電極16は、例えばインジウム(In)により形成される。
【0031】
さらに、半導体レーザ20全体を、600μmの幅に劈開を行うことにより、劈開面を共振器端面とする。
そして、所定の反射率が得られるように、共振器端面には、例えば誘電体膜を被着形成して前方端面の反射率が70%、後方端面の反射率が90%となるように端面コートを行う。
【0032】
図3にこの半導体レーザ20の放射角分布特性を示す。
活性層に平行な方向の放射角(曲線IIa)の半値全幅FWHM‖が1.9°、活性層に垂直な方向の放射角(曲線I)の半値全幅FWHM⊥が27°で、アスペクト比FWHM⊥/FWHM‖が10以上となる。FWHM‖が小さいのは、ストライプ幅が10μmと大きいためである。
【0033】
そこで、好ましくは、ストライプ幅を5μm以下、より好ましくは3μm以下とする。ストライプ幅が5μm以下の場合には、活性層に平行な方向の放射角(曲線IIb)の半値全幅FWHM‖が8〜10°と拡がって、アスペクト比も小さくなる。
【0034】
アスペクト比の小さい半導体レーザとしては、その他、図4Aに概略構成図を示すような、インデックスガイド構造の半導体レーザ40を用いることができる。
【0035】
この半導体レーザ40は、例えばGaAsからなる化合物半導体基板21上に、例えばZnSe層からなるバッファ層22を介して、例えばMgZnSSe層からなる第1のクラッド層23が形成され、例えばZnSSe層からなるガイド層24に挟まれて、例えばZnCdSeの量子井戸からなる活性層25が形成されて成る。またガイド層24の上には、例えばMgZnSSe層からなる第2のクラッド層26、例えばZnSe層からなるキャップ層28、Au層29が形成され、これら第2のクラッド層26、キャップ層28、Au層29はエッチング等により、所定幅の断面台形状のストライプリッジ構造が形成されていて、そのリッジ構造の両側には例えばZnS層からなる屈折率差を形成する層27が形成されている。
表面には、例えばTi−Auからなる電極30が形成されている。化合物半導体基板21の裏面にも図示しないが電極が形成される。
【0036】
この半導体レーザ40は、屈折率差形成層27によって屈折率差を形成して、これにより導波を行う、インデックスガイド型構造の半導体レーザとすることができる。すなわち、この場合、屈折率差形成層27は電流狭窄効果も生じるが、この層27は、活性層25の至近距離にあってインデックスガイド構造とされている。
これにより、図4Bに放射角分布特性を示すように、活性層に平行な方向の放射角(θ‖)と、活性層に垂直な方向の放射角(θ⊥)が近づいて、アスペクト比が小さくなる。
【0037】
上述した化合物半導体レーザ20,40を用いて構成された光ピックアップ装置100において、ノイズ低減の効果を見るために、高周波重畳を行ったものと行わなかったものとについて比較を行った。
図5Aが高周波重畳を行わない場合のRF(高周波)信号、図5Bはこれに高周波重畳を行って得られたRF信号を示す。
図5Aの高周波重畳を行わない場合は、いわゆる戻り光によるモードホップノイズ等により信号の変動や信号の不連続が現れている。
これに対して、図5Bを見て明らかなように、高周波重畳を行うことにより、信号の変動が非常に小さくなると共に信号の不連続がなくなることがわかる。
【0038】
高周波重畳の周波数は、重畳の効果が充分得られるように、好ましくは200MHz〜1GHzとする。
【0039】
このように、高周波重畳によって、ノイズの改善が図られるのは、この高周波重畳によって空間的コヒーレンスが短くなることに因る。
そして、この高周波重畳は、図6中曲線50または曲線51に示すように、高周波電圧、または高周波電流としての重畳によることができる。
また、これら、高周波電圧の重畳は、曲線50または曲線51に示すように、閾値電圧Vthの近傍において、また、高周波電流の重畳は閾値電流Ithの近傍において、小さい振幅をもって印加することができる。
【0040】
そして、この場合、半導体レーザとして短波長のレーザが用いられることによってその活性層のバンドギャップしたがってガイド層およびクラッド層のバンドギャップは大であり、これによって不純物Nのドーピング量が充分得られず動作電圧VOPが大きくなるが、上述したように、Vth、もしくはIth近傍で小さい振幅で与えることにするので高速応答を阻害することがない。
【0041】
また、このように、高周波重畳によってノイズの改善を図るようにすることによって、戻り光ノイズに問題のあるインデックス型構造の半導体レーザを用いるとき、より有利となる。
しかしながら、例えばパルセーションレーザを光源として用いる場合は、高周波重畳を行わないことも考えられる。
【0042】
また、ここで、戻り光によるノイズに対する強さは、半導体レーザの端面反射率を変えることにより制御することができる。
このとき、必要に応じて、前方端面の反射率Rf と後方端面の反射率Rr を異なる値に設定することもある。
特に、高出力動作をさせる時には、後方端面の反射率Rr を高く、前方端面の反射率Rf を低く設定する。
【0043】
ここで、図6の光出力−電流特性における立ち上がりの傾きに相当する、外部微分量子効率ηd について、次の数1の関係が成り立つ。
【0044】
【数1】
ηd =ηi ・αi /(αm +αi
【0045】
数1において、内部微分効率ηi は、動作時においては約1である。また、αi は共振器内部損失αm は共振器端面におけるミラー損失を示す。αm については、数2の関係が成り立つ。
【0046】
【数2】
αm =(1/2L)・ln(1/Rf r
L:共振器長 Rf :前方端面の反射率 Rr :後方端面の反射率
【0047】
ここで、
従来のGaAs/AlGaAs系化合物半導体レーザの場合のミラー損失及び内部損失の値を、それぞれαm I 及びαi I
上述したII−IV族化合物半導体レーザもしくはNを含むナイトライド系III −V族半導体レーザの場合のミラー損失及び内部損失の値を、αm 及びαi
とそれぞれ表すことにする。
同じ外部微分量子効率ηd を得ようとするとき、ηi ≒1であるから、数1より、数3の関係が成り立つ。
【0048】
【数3】
ηd =αi I /(αm I +αi I )=αi /(αm +αi
【0049】
ここで、αi ≧8とし得るものであり、これは、αi I の約1/2の値であるので、
a=αi I =αi I /2とおくと、数4の関係となる。
【0050】
【数4】
2a/(αm I +2a)=a/(αm +a)
【0051】
数4より右辺、左辺ともに逆数を取ると、
1+αm I /2a=1+αm /a
∴ 2・αm =αm I
が成り立つ。これより次の数5の関係が導かれる。
【0052】
【数5】
2ln(1/Rf r )=ln(1/Rf I r I
∴ (Rf r 2 =Rf I r I
【0053】
f I ,Rr I は従来のGaAs/AlGaAs系半導体レーザにおける前面反射率、後面反射率である。
従って、上記II−IV族化合物半導体レーザの方が、従来のGaAs/AlGaAs系化合物半導体レーザよりも、同じ電流−光出力特性の傾きを得るための反射率Rf ,Rr が大きく、そのため、端面コートによる反射率が大きいため、戻り光が端面で外部に反射して内部に取り込まれにくいことから戻り光の影響を少なくすることができる。
【0054】
また、更に本発明を光ディスクの再生装置に適用した場合の特性について説明する。
図7はMTF(Modulation Transfer Function)を示す。実線が実測値、点線が理論値である。2000lines /mm程度まで変調がなされている。
また、図8に、本発明の光ピックアップ装置によって、N.A.=0.6の状態で7.7GBの容量の光ディスクを再生したときのアイパターンを示す。図8のアイパターンより、光ディスクに書き込まれた情報が正しく再生されることがわかる。
【0055】
そして、本発明によれば、上述の半導体レーザを用いることにより、光ディスクの記録密度を、従来の赤色レーザを光ピックアップに用いた場合の、約2倍まで拡大させることができる。
【0056】
上述の例では、本発明の化合物半導体レーザを用いた光ピックアップ装置を、光ディスクの再生装置に適用した例であったが、光ディスクの記録装置、光ディスクの記録再生装置等、その他の装置にも適用することができる。
特に、高温で動作する必要がある装置、例えば車載用の半導体レーザ装置を有する装置にも適用することができる。
【0057】
また、上述の半導体レーザの例は、いずれも化合物半導体レーザをII−IV族化合物半導体レーザにより構成したが、化合物半導体レーザを、発振波長580nm以下で内部損失αi が8〔cm-1〕以下のIII −V族化合物半導体レーザによって構成してもよい。
【0058】
化合物半導体レーザを、III −V族化合物半導体レーザによって構成する場合には、好ましくはIII 族としてAl,Ga,Inのうち少なくとも1種類以上の元素、V族としてNを含む化合物半導体レーザとする。
構造としては、例えばサファイヤ基板の(0001)面上に、クラッド層をGaAlN層、活性層をGaInN層、ガイド層をGaN層として化合物半導体レーザを構成する。
【0059】
尚、上述した例では半導体レーザが、ガイド層を有するいわゆるSCH(Separate Confinment Heterostructure )構造とした場合であるが、ガイド層を設けないいわゆるDH(Double Hetero )構造とすることができるなど種々の構造を採ることができ、また本発明の化合物半導体レーザを用いた光ピックアップ装置は、アナモルフィックプリズムを省略した構造とするなど、そのほか種々の構造の光ピックアップ装置に適用する等、上述の例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲でその他様々な構成が取り得る。
【0060】
【発明の効果】
上述の本発明によれば、発振波長580nm以下の短波長レーザを光ピックアップの光源とするので高密度記録が可能となり、これに伴いN.A.を抑えることができることから、例えば光ディスクのスキューの問題、平坦性の問題、ゴミの問題を改善することができる。
【0061】
また、化合物半導体レーザの駆動において、200MHz〜1GHzの高周波重畳を行うことにより、戻り光ノイズを小さくできるため、端面反射率を大きくできることと相まって、光学記録媒体からの戻り光等のノイズの影響を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光ピックアップ装置の一例を示す概略構成図である。
【図2】本発明の光ピックアップ装置に用いる半導体レーザの一例の概略構成図である。
【図3】図2の半導体レーザの遠視野像の放射角分布特性図である。
【図4】A 本発明の光ピックアップ装置に用いる半導体レーザの他の例の概略構成図である。B 図4Aの半導体レーザの遠視野像の放射角分布特性図である。
【図5】本発明の光ピックアップ装置による高周波重畳の効果を示す図である。A 高周波重畳を行わない場合のRF信号である。B 高周波重畳を行った場合に得られるRF信号である。
【図6】電圧−電流特性及び光出力−電流特性を示す図である。
【図7】本発明の光ピックアップ装置のMTF(Modulation Transfer function)を示す図である。
【図8】本発明の光ピックアップ装置により光ディスクの再生を行った時のアイパターンを示す図である。
【符号の説明】
1,21 化合物半導体基板、2 第1のバッファ層、3 第2のバッファ層、4 第3のバッファ層、5 第1導電型のクラッド層、6 第1のガイド層、7,25 活性層、8 第2のガイド層、9 第2導電型のクラッド層、10 半導体層、11 コンタクト層、12 電流狭窄層、13 p側電極、14 超格子構造、15,28 キャップ層、16 n側電極、20,40,101 半導体レーザ、22 バッファ層、23 第1のクラッド層、24 ガイド層、26第2のクラッド層、27 屈折率差形成層、29 Au層、30 電極、100 光ピックアップ装置、102 コリメートレンズ、103 偏光ビームスプリッタ(PBS)、104 1/4波長板、105 対物レンズ、106 検出レンズ、107 受光素子、108 アナモルフィックプリズム、109 グレーティング、110 プリズム、200 ディスク

Claims (2)

  1. 光源からの出射光を対物レンズを通じて光学記録媒体に照射し、該光学記録媒体からの戻り光を出射光と分離して、受光素子で戻り光を検出する光ピックアップ装置であって、
    発振波長580nm以下の化合物半導体レーザを上記光源とし、該化合物半導体レーザがゲインガイド型構造を有し、そのストライプ幅が5μm以下とされ、
    該化合物半導体レーザの駆動において、200MHz〜1GHzの高周波重畳を行う
    ことを特徴とする化合物半導体レーザを用いた光ピックアップ装置。
  2. 上記化合物半導体レーザが、GaAs基板上に積層されたn型のZnMgSSe層により構成される第1のクラッド層と、該第1のクラッド層上に積層されたZnSSe混晶層により構成される第1のガイド層と、該第1のガイド層上に積層された単一量子井戸構造を有したZnCdSe混晶により構成される活性層と、該活性層上に積層されたZnSSe混晶層により構成される第2のガイド層と、該第2のガイド層上に積層されたp型のZnMgSSe混晶層により構成される第2のクラッド層とを有し、該第2のクラッド層上に、上記ゲインガイド型構造の上記ストライプを構成する、コンタクト層・超格子構造・キャップ層の積層膜が形成されている構成であることを特徴とする請求項1に記載の化合物半導体レーザを用いた光ピックアップ装置。
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