JPH10283651A - 化合物半導体レーザを用いた光ピックアップ装置 - Google Patents

化合物半導体レーザを用いた光ピックアップ装置

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JPH10283651A
JPH10283651A JP9087063A JP8706397A JPH10283651A JP H10283651 A JPH10283651 A JP H10283651A JP 9087063 A JP9087063 A JP 9087063A JP 8706397 A JP8706397 A JP 8706397A JP H10283651 A JPH10283651 A JP H10283651A
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晃 石橋
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い記録密度を実現することができる、化合
物半導体レーザを用いた光ピックアップ装置を提供す
る。 【解決手段】 発振波長580nm以下で、内部損失α
i が8〔cm-1〕以下の化合物半導体レーザ20を光源
とする、化合物半導体レーザを用いた光ピックアップ装
置100を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、情報の記録媒体と
して光ディスク等の光学記録媒体を用いた例えばコンピ
ューターの記憶装置、音楽・画像情報記憶装置等の、光
学記録装置、光学再生装置、或いは光学記録再生装置に
用いる光ピックアップ装置に係わる。
【0002】
【従来の技術】例えば光ディスク、光磁気ディスク等の
光学記録媒体に対する記録・再生の高記録密度化及び高
解像度化の要求のために、緑色ないしは青色発光の半導
体レーザの要求が高まっている。即ち、コンピューター
の記憶装置や、画像情報のパッケージメディアとして用
いる目的で、光ディスクの高記録密度化が進み、この高
記録密度化を実現する1つの手段として光源の短波長化
がある。
【0003】現在、光源として実用化されている半導体
レーザには、例えばGaAs/AlGaAs系レーザが
ある。このレーザは、波長が780nm〜830nm程
度で、いわゆるコンパクトディスク(CD)用光ピック
アップ装置の光源として実用化されて久しい。しかし、
このレーザは波長が長いため、記録密度は上がらず、直
径12cmのディスクに対して650MB(メガバイ
ト)程度の記録情報しか入らない。
【0004】そこで、波長の短いGaInP/AlGa
InP系レーザが実用化された。このレーザは、波長が
635〜690nmと赤色領域で上述のコンパクトディ
スク用レーザよりも短いため、技術を結集した結果、直
径12cmのディスクに対して4.7GBまで記録容量
が高まった。しかしながら、赤色はまだ他の可視光と比
較して波長が長いために、高密度記録には限界がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述の光ピックアップ
装置においては、短波長化による高い記録密度が充分達
成されているとは言えない。
【0006】上述のような比較的長い波長の光源を使用
した光ピックアップ装置を、高記録密度化させるのは容
易ではない。光源の波長はそのままで、記録密度を上げ
る1つの手段として、例えば対物レンズのN.A.(開
口数)を上げる方法があるが、このとき、対物レンズと
光ディスクとの距離が縮まることにより、光ディスクの
非水平性(スキュー)や非平坦性に対するマージンすな
わち裕度がとりにくくなる。従って、サーボ機構の精度
を大幅に上げる等の工夫が必要となる。また、光ディス
クに付着するごみ等による影響も大きくなって、エラー
の発生原因となりやすい。
【0007】本発明は、上述した問題の解消がはかられ
た高い記録密度を実現することができるようにした、化
合物半導体レーザを用いた光ピックアップ装置を提供す
るものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、発振波長58
0nm以下で内部損失αi が8〔cm-1〕以下の化合物
半導体レーザを光源とする化合物半導体レーザを用いた
光ピックアップ装置である。
【0009】また、本発明は、発振波長580nm以下
の化合物半導体レーザを光源とし、この化合物半導体レ
ーザの駆動において、200MHz〜1GHzの高周波
重畳を行う構成の、化合物半導体レーザを用いた光ピッ
クアップ装置である。
【0010】上述の本発明の構成によれば、発振波長5
80nm以下の短波長レーザを光ピックアップの光源と
するので高密度記録が可能となる、これに伴いN.A.
を抑えることができることから、例えば光ディスクのス
キューの問題、平坦性の問題、ゴミの問題を改善するこ
とができる。また、後述するところから明らかなよう
に、内部損失αi が8〔cm-1〕以下の化合物半導体レ
ーザを光源とすることにより、戻り光に対する端面反射
率を大とすることができる。
【0011】また、化合物半導体レーザの駆動におい
て、200MHz〜1GHzの高周波重畳を行う構成を
採ることにより、戻り光ノイズを小さくできるため、端
面反射率を大きくできることと相まって、光学記録媒体
からの戻り光等のノイズの影響を抑制することができ
る。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明による光ピックアップ装置
は、その光源を、発振波長580nm以下で内部損失α
i が8〔cm-1〕以下の化合物半導体レーザとする。
【0013】本発明による光ピックアップ装置は、発振
波長580nm以下の化合物半導体レーザを光源として
用い、化合物半導体レーザの駆動において、200MH
z〜1GHzの高周波重畳、すなわち高周波電圧あるい
は高周波電流重畳を行う。
【0014】また本発明による光ピックアップ装置は、
その光源を、II族元素としてZn,Be,Mg,Cdま
たはHgのうちの少なくとも1種類以上の元素を含み、
IV族元素としてSe,S,Teのうちの少なくとも1種
類以上の元素を含むII−IV族化合物半導体レーザ構成と
する。
【0015】また本発明による光ピックアップ装置は、
その光源を、III 族元素としてAl,GaまたはInの
うちの少なくとも1種類以上の元素を含み、V族元素と
して少なくともNを含むIII −V族化合物半導体レーザ
構成とする。
【0016】また本発明による光ピックアップ装置は、
その光源の化合物半導体レーザの共振器端面が、前方端
面と後方端面とで異なる反射率とされた構成とする。
【0017】また本発明による光ピックアップ装置は、
その光源の化合物半導体レーザがゲインガイド型構造を
有する構成とする。尚、このゲインガイド型構造とは、
文字どおりゲインガイド構造を有するものであって、そ
の電流狭窄効果を有する部分が、共振器を構成する活性
層から1μm以上隔てた位置にある構成のものを指称す
る。
【0018】また本発明による光ピックアップ装置は、
その光源の化合物半導体レーザが上述したゲインガイド
型構造を有し、そのストライプ幅が5μm以下とされた
構成とする。
【0019】また本発明による光ピックアップ装置は、
その光源の化合物半導体レーザがインデックス型構造を
有する構成とする。尚、このインデックス型構造とは、
その屈折率差を生じさせる手段として、電流狭窄効果を
有する領域を設ける場合においても、この領域は活性層
と200nm以下の至近距離に設けられるものを指称す
る。
【0020】以下、図面を参照して説明する。図1は、
本発明の光ピックアップ装置の一例を説明する。図中1
00は、本発明による光ピックアップ装置を全体として
示す。この光ピックアップ装置100は、光源としての
半導体レーザ101からの出射光をディスク200へ導
くと共に、ディスク200からの反射光、即ち信号光を
再生するための公知の光学系、即ちコリメートレンズ1
02、偏光ビームスプリッタ(PBS)103、1/4
波長板104、対物レンズ105、検出レンズ106、
信号光を検出する、フォトダイオード等の受光素子10
7を具備して成る。108は光を非等方に変形するアナ
モルフィックプリズム、109は光を回折させるグレー
ティング、110は光路を変更するプリズムをそれぞれ
示す。
【0021】そして、その光源の半導体レーザ101
を、例えば図2にその概略構成図を示す化合物半導体レ
ーザ20によって構成する。この化合物半導体レーザ2
0は、第1導電型例えばn型の化合物半導体基板1の上
に、第1のバッファ層2、第2のバッファ層3、第3の
バッファ層4、第1導電型のクラッド層5、第1のガイ
ド層6、活性層7、第2のガイド層8、第2導電型(p
型)のクラッド層9、半導体層10及びコンタクト層1
1、超格子構造14、キャップ層15が順次エピタキシ
ャル成長によって積層形成されている。半導体層10及
びコンタクト層11、超格子構造14及びキャップ層1
5は、所定の幅のストライプ状リッジ部をリッジ状に残
してその両側を例えばエッチングによって削除し、この
ストライプ構造のリッジの両側のエッチング溝内に電流
狭窄層12が埋込み形成されている。そして、表面には
p側電極13が、化合物半導体基板1の裏面にはn側電
極16が、それぞれ形成されて半導体レーザ20を構成
している。
【0022】この半導体レーザ20は、発振波長を58
0nm以下、内部損失αi を8〔cm-1〕以下とするも
のであり、このとき高密度記録が可能となる。そして、
例えばII−IV族化合物半導体レーザあるいはIII −V族
化合物半導体レーザによって構成する。
【0023】半導体レーザ20(101)として、II−
IV族化合物半導体レーザを用いる場合には、II族元素と
してZn,Be,Mg,CdまたはHgのうちの少なく
とも1種類以上の元素を含み、IV族元素としてSe,
S,Teのうちの少なくとも1種類以上の元素を含む構
成とする。この場合の半導体レーザ20の構成例を次に
示す。
【0024】化合物半導体基板1は、例えば、積層方向
の厚さ(以下単に厚さとする)が350μmであり、n
型不純物としてSiを添加したn型のGaAs層により
構成される。第1のバッファ層2は、例えば、厚さが2
0nmであり、n型不純物として塩素Clを添加したn
型のZnSe層により構成される。第2のバッファ層3
は、例えば、厚さが50nmであり、n型不純物として
塩素を添加したn型のZnSSe層により構成される。
第1導電型のクラッド層5は、例えば、厚さが1μmで
あり、n型不純物としてClを添加したn型のZnMg
SSe混晶層により構成される。
【0025】第1のガイド層6は、例えば、厚さが45
nmであり、n型不純物としてClを添加した、或いは
何も添加しないZnSSe混晶層により構成される。こ
の第1のガイド層6を構成するZnSSe混晶のVI族元
素の組成比は、例えば硫黄Sを6%、セレンSeを94
%とする。
【0026】活性層7は、例えば、厚さが6nmの単一
量子井戸構造を有したZnCdSe混晶により構成され
る。この活性層7を構成するZnCdSe混晶のII族元
素の組成比は、例えば亜鉛Znを80%、カドミウムC
dを20%とする。このとき、活性層7の格子定数が、
化合物半導体基板1のGaAsの格子定数より若干大き
くなる。
【0027】第2のガイド層8は、例えば、厚さが45
nmであり、p型不純物として窒素Nを添加した、或い
は何も添加しないZnSSe混晶層により構成される。
この第2のガイド層8を構成するZnSSe混晶のVI族
元素の組成比は、例えばSを6%、Seを94%とす
る。
【0028】第2導電型のクラッド層9は、例えば、厚
さが1μmであり、p型不純物として窒素Nを添加した
p型のZnMgSSe混晶層により構成される。半導体
層10は、例えば、厚さが1μmであり、p型不純物と
して窒素Nを添加したp型のZnSSe混晶層により構
成される。コンタクト層11は、例えば、厚さが100
nmであり、p型不純物として窒素Nを添加したp型の
ZnSe層により構成される。超格子構造14は、例え
ば、p型不純物として窒素を添加したp型のZnSe/
ZnTeの超格子構造により構成される。キャップ層1
5は、例えば、厚さが30nmであり、p型不純物とし
て窒素を添加したp型のZnTe層により構成される。
【0029】また、コンタクト層11は、幅が2〜10
μmの帯状のストライプ構造を形成し、電流狭窄をする
ように構成される。そして、コンタクト層11が形成さ
れていない半導体層10上の領域には、例えばアルミナ
(Al2 3 )による絶縁層からなる電流狭窄層12が
形成される。この場合、電流狭窄層12は活性層7から
1μm以上の距離にあって、この半導体レーザ20はゲ
インガイド構造とされる。
【0030】電流狭窄層12及びコンタクト層11の上
に形成されたp側電極13は、例えば厚さが10nmの
パラジウム(Pd)、例えば厚さが厚さが100nmの
白金(Pt)及び、例えば厚さが300nmの金(A
u)をコンタクト層11側から順次積層して形成され
る。また化合物半導体基板1の裏面に形成されたn側電
極16は、例えばインジウム(In)により形成され
る。
【0031】さらに、半導体レーザ20全体を、600
μmの幅に劈開を行うことにより、劈開面を共振器端面
とする。そして、所定の反射率が得られるように、共振
器端面には、例えば誘電体膜を被着形成して前方端面の
反射率が70%、後方端面の反射率が90%となるよう
に端面コートを行う。
【0032】図3にこの半導体レーザ20の放射角分布
特性を示す。活性層に平行な方向の放射角(曲線IIa)
の半値全幅FWHM‖が1.9°、活性層に垂直な方向
の放射角(曲線I)の半値全幅FWHM⊥が27°で、
アスペクト比FWHM⊥/FWHM‖が10以上とな
る。FWHM‖が小さいのは、ストライプ幅が10μm
と大きいためである。
【0033】そこで、好ましくは、ストライプ幅を5μ
m以下、より好ましくは3μm以下とする。ストライプ
幅が5μm以下の場合には、活性層に平行な方向の放射
角(曲線IIb)の半値全幅FWHM‖が8〜10°と拡
がって、アスペクト比も小さくなる。
【0034】アスペクト比の小さい半導体レーザとして
は、その他、図4Aに概略構成図を示すような、インデ
ックスガイド構造の半導体レーザ40を用いることがで
きる。
【0035】この半導体レーザ40は、例えばGaAs
からなる化合物半導体基板21上に、例えばZnSe層
からなるバッファ層22を介して、例えばMgZnSS
e層からなる第1のクラッド層23が形成され、例えば
ZnSSe層からなるガイド層24に挟まれて、例えば
ZnCdSeの量子井戸からなる活性層25が形成され
て成る。またガイド層24の上には、例えばMgZnS
Se層からなる第2のクラッド層26、例えばZnSe
層からなるキャップ層28、Au層29が形成され、こ
れら第2のクラッド層26、キャップ層28、Au層2
9はエッチング等により、所定幅の断面台形状のストラ
イプリッジ構造が形成されていて、そのリッジ構造の両
側には例えばZnS層からなる屈折率差を形成する層2
7が形成されている。表面には、例えばTi−Auから
なる電極30が形成されている。化合物半導体基板21
の裏面にも図示しないが電極が形成される。
【0036】この半導体レーザ40は、屈折率差形成層
27によって屈折率差を形成して、これにより導波を行
う、インデックスガイド型構造の半導体レーザとするこ
とができる。すなわち、この場合、屈折率差形成層27
は電流狭窄効果も生じるが、この層27は、活性層25
の至近距離にあってインデックスガイド構造とされてい
る。これにより、図4Bに放射角分布特性を示すよう
に、活性層に平行な方向の放射角(θ‖)と、活性層に
垂直な方向の放射角(θ⊥)が近づいて、アスペクト比
が小さくなる。
【0037】上述した化合物半導体レーザ20,40を
用いて構成された光ピックアップ装置100において、
ノイズ低減の効果を見るために、高周波重畳を行ったも
のと行わなかったものとについて比較を行った。図5A
が高周波重畳を行わない場合のRF(高周波)信号、図
5Bはこれに高周波重畳を行って得られたRF信号を示
す。図5Aの高周波重畳を行わない場合は、いわゆる戻
り光によるモードホップノイズ等により信号の変動や信
号の不連続が現れている。これに対して、図5Bを見て
明らかなように、高周波重畳を行うことにより、信号の
変動が非常に小さくなると共に信号の不連続がなくなる
ことがわかる。
【0038】高周波重畳の周波数は、重畳の効果が充分
得られるように、好ましくは200MHz〜1GHzと
する。
【0039】このように、高周波重畳によって、ノイズ
の改善が図られるのは、この高周波重畳によって空間的
コヒーレンスが短くなることに因る。そして、この高周
波重畳は、図6中曲線50または曲線51に示すよう
に、高周波電圧、または高周波電流としての重畳による
ことができる。また、これら、高周波電圧の重畳は、曲
線50または曲線51に示すように、閾値電圧Vthの近
傍において、また、高周波電流の重畳は閾値電流Ith
近傍において、小さい振幅をもって印加することができ
る。
【0040】そして、この場合、半導体レーザとして短
波長のレーザが用いられることによってその活性層のバ
ンドギャップしたがってガイド層およびクラッド層のバ
ンドギャップは大であり、これによって不純物Nのドー
ピング量が充分得られず動作電圧VOPが大きくなるが、
上述したように、Vth、もしくはIth近傍で小さい振幅
で与えることにするので高速応答を阻害することがな
い。
【0041】また、このように、高周波重畳によってノ
イズの改善を図るようにすることによって、戻り光ノイ
ズに問題のあるインデックス型構造の半導体レーザを用
いるとき、より有利となる。しかしながら、例えばパル
セーションレーザを光源として用いる場合は、高周波重
畳を行わないことも考えられる。
【0042】また、ここで、戻り光によるノイズに対す
る強さは、半導体レーザの端面反射率を変えることによ
り制御することができる。このとき、必要に応じて、前
方端面の反射率Rf と後方端面の反射率Rr を異なる値
に設定することもある。特に、高出力動作をさせる時に
は、後方端面の反射率Rr を高く、前方端面の反射率R
f を低く設定する。
【0043】ここで、図6の光出力−電流特性における
立ち上がりの傾きに相当する、外部微分量子効率ηd
ついて、次の数1の関係が成り立つ。
【0044】
【数1】ηd =ηi ・αi /(αm +αi
【0045】数1において、内部微分効率ηi は、動作
時においては約1である。また、αi は共振器内部損失
αm は共振器端面におけるミラー損失を示す。αm につ
いては、数2の関係が成り立つ。
【0046】
【数2】αm =(1/2L)・ln(1/Rf r ) L:共振器長 Rf :前方端面の反射率 Rr :後方
端面の反射率
【0047】ここで、従来のGaAs/AlGaAs系
化合物半導体レーザの場合のミラー損失及び内部損失の
値を、それぞれαm I 及びαi I 、上述したII−IV族化
合物半導体レーザもしくはNを含むナイトライド系III
−V族半導体レーザの場合のミラー損失及び内部損失の
値を、αm 及びαi 、とそれぞれ表すことにする。同じ
外部微分量子効率ηd を得ようとするとき、ηi ≒1で
あるから、数1より、数3の関係が成り立つ。
【0048】
【数3】ηd =αi I /(αm I +αi I )=αi
(αm +αi
【0049】ここで、αi ≧8とし得るものであり、こ
れは、αi I の約1/2の値であるので、a=αi I
αi I /2とおくと、数4の関係となる。
【0050】
【数4】2a/(αm I +2a)=a/(αm +a)
【0051】数4より右辺、左辺ともに逆数を取ると、 1+αm I /2a=1+αm /a ∴ 2・αm =αm I が成り立つ。これより次の数5の関係が導かれる。
【0052】
【数5】 2ln(1/Rf r )=ln(1/Rf I r I ) ∴ (Rf r 2 =Rf I
【0053】R ,Rr I は従来のGaAs/A
lGaAs系半導体レーザにおける前面反射率、後面反
射率である。従って、上記II−IV族化合物半導体レーザ
の方が、従来のGaAs/AlGaAs系化合物半導体
レーザよりも、同じ電流−光出力特性の傾きを得るため
の反射率Rf ,Rr が大きく、そのため、端面コートに
よる反射率が大きいため、戻り光が端面で外部に反射し
て内部に取り込まれにくいことから戻り光の影響を少な
くすることができる。
【0054】また、更に本発明を光ディスクの再生装置
に適用した場合の特性について説明する。図7はMTF
(Modulation Transfer Function)を示す。実線が実測
値、点線が理論値である。2000lines /mm程度ま
で変調がなされている。また、図8に、本発明の光ピッ
クアップ装置によって、N.A.=0.6の状態で7.
7GBの容量の光ディスクを再生したときのアイパター
ンを示す。図8のアイパターンより、光ディスクに書き
込まれた情報が正しく再生されることがわかる。
【0055】そして、本発明によれば、上述の半導体レ
ーザを用いることにより、光ディスクの記録密度を、従
来の赤色レーザを光ピックアップに用いた場合の、約2
倍まで拡大させることができる。
【0056】上述の例では、本発明の化合物半導体レー
ザを用いた光ピックアップ装置を、光ディスクの再生装
置に適用した例であったが、光ディスクの記録装置、光
ディスクの記録再生装置等、その他の装置にも適用する
ことができる。特に、高温で動作する必要がある装置、
例えば車載用の半導体レーザ装置を有する装置にも適用
することができる。
【0057】また、上述の半導体レーザの例は、いずれ
も化合物半導体レーザをII−IV族化合物半導体レーザに
より構成したが、化合物半導体レーザを、発振波長58
0nm以下で内部損失αi が8〔cm-1〕以下のIII −
V族化合物半導体レーザによって構成してもよい。
【0058】化合物半導体レーザを、III −V族化合物
半導体レーザによって構成する場合には、好ましくはII
I 族としてAl,Ga,Inのうち少なくとも1種類以
上の元素、V族としてNを含む化合物半導体レーザとす
る。構造としては、例えばサファイヤ基板の(000
1)面上に、クラッド層をGaAlN層、活性層をGa
InN層、ガイド層をGaN層として化合物半導体レー
ザを構成する。
【0059】尚、上述した例では半導体レーザが、ガイ
ド層を有するいわゆるSCH(Separate Confinment He
terostructure )構造とした場合であるが、ガイド層を
設けないいわゆるDH(Double Hetero )構造とするこ
とができるなど種々の構造を採ることができ、また本発
明の化合物半導体レーザを用いた光ピックアップ装置
は、アナモルフィックプリズムを省略した構造とするな
ど、そのほか種々の構造の光ピックアップ装置に適用す
る等、上述の例に限定されるものではなく、本発明の要
旨を逸脱しない範囲でその他様々な構成が取り得る。
【0060】
【発明の効果】上述の本発明によれば、発振波長580
nm以下の短波長レーザを光ピックアップの光源とする
ので高密度記録が可能となる、これに伴いN.A.を抑
えることができることから、例えば光ディスクのスキュ
ーの問題、平坦性の問題、ゴミの問題を改善することが
できる。また、後述するところから明らかなように、内
部損失αi が8〔cm-1〕以下の化合物半導体レーザを
光源とすることにより、戻り光に対する端面反射率を大
とすることができる。
【0061】また、化合物半導体レーザの駆動におい
て、200MHz〜1GHzの高周波重畳を行うことに
より、戻り光ノイズを小さくできるため、端面反射率を
大きくできることと相まって、光学記録媒体からの戻り
光等のノイズの影響を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光ピックアップ装置の一例を示す概略
構成図である。
【図2】本発明の光ピックアップ装置に用いる半導体レ
ーザの一例の概略構成図である。
【図3】図2の半導体レーザの遠視野像の放射角分布特
性図である。
【図4】A 本発明の光ピックアップ装置に用いる半導
体レーザの他の例の概略構成図である。B 図4Aの半
導体レーザの遠視野像の放射角分布特性図である。
【図5】本発明の光ピックアップ装置による高周波重畳
の効果を示す図である。 A 高周波重畳を行わない場合のRF信号である。 B 高周波重畳を行った場合に得られるRF信号であ
る。
【図6】電圧−電流特性及び光出力−電流特性を示す図
である。
【図7】本発明の光ピックアップ装置のMTF(Modula
tion Transfer function)を示す図である。
【図8】本発明の光ピックアップ装置により光ディスク
の再生を行った時のアイパターンを示す図である。
【符号の説明】
1,21 化合物半導体基板、2 第1のバッファ層、
3 第2のバッファ層、4 第3のバッファ層、5 第
1導電型のクラッド層、6 第1のガイド層、7,25
活性層、8 第2のガイド層、9 第2導電型のクラ
ッド層、10 半導体層、11 コンタクト層、12
電流狭窄層、13 p側電極、14 超格子構造、1
5,28 キャップ層、16 n側電極、20,40,
101 半導体レーザ、22 バッファ層、23 第1
のクラッド層、24 ガイド層、26第2のクラッド
層、27 屈折率差形成層、29 Au層、30 電
極、100 光ピックアップ装置、102 コリメート
レンズ、103 偏光ビームスプリッタ(PBS)、1
04 1/4波長板、105 対物レンズ、106 検
出レンズ、107 受光素子、108 アナモルフィッ
クプリズム、109 グレーティング、110 プリズ
ム、200 ディスク

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発振波長580nm以下で内部損失αi
    が8〔cm-1〕以下の化合物半導体レーザを光源とする
    ことを特徴とする化合物半導体レーザを用いた光ピック
    アップ装置。
  2. 【請求項2】 発振波長580nm以下の化合物半導体
    レーザを光源とし、該化合物半導体レーザの駆動におい
    て、200MHz〜1GHzの高周波重畳を行うことを
    特徴とする化合物半導体レーザを用いた光ピックアップ
    装置。
  3. 【請求項3】 上記化合物半導体レーザが、II族元素と
    してZn,Be,Mg,CdまたはHgのうちの少なく
    とも1種類以上の元素を含み、IV族元素としてSe,
    S,Teのうちの少なくとも1種類以上の元素を含むII
    −IV族化合物半導体レーザであることを特徴とする請求
    項1に記載の化合物半導体レーザを用いた光ピックアッ
    プ装置。
  4. 【請求項4】 上記化合物半導体レーザが、III 族元素
    としてAl,Ga、またはInのうちの少なくとも1種
    類以上の元素を含み、V族元素として少なくともNを含
    むIII −V族化合物半導体レーザであることを特徴とす
    る請求項1に記載の化合物半導体レーザを用いた光ピッ
    クアップ装置。
  5. 【請求項5】 上記化合物半導体レーザの共振器端面
    が、前方端面と後方端面とで異なる反射率とされたこと
    を特徴とする請求項1に記載の化合物半導体レーザを用
    いた光ピックアップ装置。
  6. 【請求項6】 上記化合物半導体レーザがゲインガイド
    型構造を有することを特徴とする請求項1に記載の化合
    物半導体レーザを用いた光ピックアップ装置。
  7. 【請求項7】 上記化合物半導体レーザがゲインガイド
    型構造を有し、そのストライプ幅が5μm以下とされた
    ことを特徴とする請求項1に記載の化合物半導体レーザ
    を用いた光ピックアップ装置。
  8. 【請求項8】 上記化合物半導体レーザがインデックス
    型構造を有することを特徴とする請求項1に記載の化合
    物半導体レーザを用いた光ピックアップ装置。
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US6151290A (en) * 1998-02-05 2000-11-21 Sony Corporation Inexpensive safe light beam recorder

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