JP2008192799A - 半導体発光素子およびこれを用いたレーザプロジェクタ - Google Patents

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Abstract

【課題】 p型クラッド層における電子の溢れ出しを抑制し、温度特性を向上させると共に、活性層への光閉じ込めが可能な半導体発光素子を提供する。
【解決手段】 n型GaAsからなる基板10上に、AlGa1-xPからなるn型クラッド層12、GaInPからなる活性層13、およびAlGa1-xPからなるp型クラッド層15を有する。活性層13とp型クラッド層15との間にGaPからなる電子障壁層14が設けられる。クラッド層と活性層との間の屈折率差を確保することができると同時に、伝導帯におけるバンド不連続を大きくとることができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、赤色半導体レーザなどに好適な半導体発光素子およびこの半導体発光素子を用いたレーザプロジェクタに関する。
赤色半導体レーザは、DVD(Digital Versatile Disk)等の光ピックアップや、医療用途などの非常に多岐の産業に応用されている。特に近年では、ガスレーザや固体レーザでは高出力を得ることが難しい赤色レーザについて、半導体レーザを用いた赤色高出力レーザが注目を集めており、この赤色半導体レーザをプロジェクションディスプレイ等の装置の光源に用いた新しいアプリケーションも生まれつつある。このように、様々な用途で赤色レーザが利用されるようになってきている。
一般に、半導体レーザでは、電子と正孔とが活性層で再結合することにより光を放射する。しかし、半導体レーザの構成材料によっては、活性層で再結合を起こすためにとどまっていなければならない電子や正孔が活性層から溢れ出すオーバーフローという現象がみられる。特に、赤色レーザではそれが顕著である。これは、通信用レーザや赤色レーザの構成材料の制限から活性層への電子の閉じ込めが十分にできないことによるものである。このような活性層への電子の閉じ込めの強さは、活性層とクラッド層との間の伝導帯での不連続(ΔEc)が小さいことによる。オーバーフローが生ずると、半導体レーザの温度特性などの信頼性が不十分なものとなり、良好な特性が得られない。
このような特性温度を改善するため、例えば、GaPの電子障壁を考慮したクラッド層を備えた素子構造が提案されている(特許文献1参照)。
S.チワリ(S.Tiwari)、外1名,III−V族化合物系におけるバンド不連続性および障壁高さの実験データ一覧(Empirical fit to band discontinuities and barrier heights in III-V alloy systems),「アプライド・フィジクス・レターズ(Applied Physics Letters )」,(米国),American Institute of Physics ,1992年2月3日,第60巻,第5号,p.630−632,FIG.1 特開平4−369874号公報
上述のように、特許文献1の発光素子では、GaPの電子障壁を考慮することにより活性層からp型クラッド層への電子のオーバーフローを抑制することができる。しかしながら、このような構成では、電子のオーバーフローを抑制できたとしても、活性層への光の閉じ込めがほぼ不可能となってしまう。従って、ただ単にクラッド層をGaPにより構成すればよいというわけではない。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、p型クラッド層における電子の溢れ出しを抑制し、温度特性を向上させることができると共に、活性層での光閉じ込めを確実にした半導体発光素子、およびこれを用いたレーザプロジェクタを提供することにある。
本発明による半導体発光素子は、基板上に、活性層を間にしてn型クラッド層およびp型クラッド層を備えた半導体発光素子であって、活性層はGaInP混晶、n型クラッド層およびp型クラッド層はAlGaP混晶により構成されると共に、活性層とp型クラッド層との間に電子障壁層を備えたものである。
電子障壁層は、具体的には、p型GaPにより構成されている。あるいは、p型AlGaPにより構成され、より具体的には、p型Al0.06Ga0.94Pにより構成されている。
本発明による半導体発光素子では、GaInP混晶により構成された活性層に対して、n型クラッド層およびp型クラッド層がAlGaP混晶により構成されることにより、活性層とクラッド層との間の屈折率の差が大きくなり、活性層において発光した光の閉じ込めが確保される。一方、活性層とp型クラッド層との間に電子障壁層を備えていることにより、電子障壁層の活性層に対するΔEcが大きくなり、p型クラッド層における電子の溢れ出しが確実に抑制される。
本発明によるレーザプロジェクタは、上記本発明の半導体発光素子を備えたものである。
本発明の半導体発素子によれば、基板上に、活性層を間にしてn型クラッド層およびp型クラッド層を備え、活性層はGaInP混晶、n型クラッド層およびp型クラッド層はAlGaP混晶により構成されると共に、活性層とp型クラッド層との間に電子障壁層を備えるようにしたので、p型クラッド層における電子の溢れ出しを抑制し、温度特性を向上させることができると共に、活性層での光閉じ込めを確実にすることができる。従って、信頼性が向上し、より実用的な半導体素子を作製することができる。
本発明のレーザプロジェクタによれば、上記本発明による半導体レーザを備えるようにしたので、温度特性および信頼性が向上し、広い温度範囲で安定して使用することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
〔第1の実施の形態〕
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る半導体レーザの構造を表すものである。この半導体レーザは、例えば、基板10の一面側に、バッファ層11,n型クラッド層12,活性層13,電子障壁層14,p型クラッド層15,中間層16およびp側コンタクト層17がこの順に積層された構成を有している。
基板10は、例えば、積層方向における厚さ(以下、単に厚さという)が100μmであり、ケイ素(Si)あるいはセレン(Se)などのn型不純物を添加したn型GaAsにより構成されている。なお、基板10は例えばGaPにより構成するようにしてもよい。バッファ層11は、バンドの不連続を緩和して電子の輸送を効率的に行うもので、例えば、GaInPにより構成されている。n型クラッド層12は、例えば、厚さが2.0μmであり、ケイ素あるいはセレンなどのn型不純物を添加したn型AlGa1-x P混晶により構成されている。
活性層13は、例えば、厚みが50nmであり、GaInP混晶により構成されている。活性層13に含まれるインジウム組成は、例えば0.2以上0.8以下である。より好ましくは、ガリウム組成が0.6である。すなわち、活性層13がGa0.6In0.4Pにより構成されていることにより、臨界膜厚の条件を満たす。
電子障壁層14は、活性層13からp型クラッド層15側への電子の溢れ出しを抑制するためのものであり、本実施の形態では、伝導帯のバンド端の絶対値が活性層13のGaInP混晶よりも大きな材料、例えば、GaPにより構成されている。これにより、この半導体レーザでは、電子障壁層14の活性層13に対するバンド不連続(ΔEc)を確実に大きくすることができ、p型クラッド層15への電子の溢れ出しを確実に抑制することができるようになっている。特に、電子障壁層を、伝導帯のバンド端の絶対値が最も大きなガリウムリン(GaP)により構成することにより、電子障壁層の活性層に対するΔEcを最大とすることができる。なお、GaPにより構成した場合の電子障壁層14の厚みについては、電子がトンネルしない程度の厚みがあれば十分であり、例えば、10nm以下である。
p型クラッド層15は、例えば、厚さが0.4μmであり、亜鉛またはマグネシウムなどのp型不純物を添加したp型AlxGa1-xP混晶により構成されており、後述のように活性層13との間の屈折率差を大きくし、活性層13への光の閉じ込めを確実にできるようになっている。ここで、図11に、AlxGa1-xPにおいて、屈折率等のAl組成に対する依存性についての特性図を示す。図から明らかなように、Al組成を大きくする程、屈折率を小さくすることができるため、活性層との屈折率差をより大きくとることができる。ただし、このAl組成は、材料の酸化を考慮して最大0.8程度であり、活性層の発光波長により、その組成は下げることが可能である。
中間層16は、p型クラッド層15とp側コンタクト層17との間のバンドギャップをなくすために設けられる層であり、例えばGaPにより構成されている。p側コンタクト層17は、例えば、厚さが0.3μmであり、亜鉛またはマグネシウムなどのp型不純物を添加したp型GaAsにより構成されている。
なお、図示しないが、p側コンタクト層17の表面には、例えばチタン(Ti),白金(Pt)および金(Au)が順次積層された構造を有するp側電極が形成されている。一方、基板10の裏側には、n側電極が形成される。このn側電極は、例えばAuGe:Niおよび金(Au)を順次積層して熱処理により合金化した構造を有しており、基板10と電気的に接続されている。
更に、この半導体レーザでは、共振器方向において対向する一対の側面が共振器端面となっており、一対の共振器端面には一対の反射鏡膜(図示せず)がそれぞれ形成されている。これら一対の反射鏡膜のうち一方は低反射率となるように、他方は高反射率となるように反射率がそれぞれ調整されている。これにより、活性層13において発生した光は一対の反射鏡膜の間を往復して増幅され、低反射率側の反射鏡膜からレーザビームとして出射するようになっている。
この半導体レーザは、次のようにして製造することができる。
まず、例えば、上述した厚さおよび材料よりなる基板10の表側に、例えばMOCVD法により、それぞれ上述した厚さおよび材料よりなるバッファ層12,n型クラッド層12,活性層13,電子障壁層14,p型クラッド層15,中間層16およびp側コンタクト層17を順に積層する。その際、活性層13をGaInPにより形成すると共に、電子障壁層14を、伝導帯のバンド端の絶対値が活性層13よりも大きな材料、例えばGaP、n型クラッド層12およびp型クラッド層15をそれぞれAlxGa1-xP混晶により形成する。
そののち、公知の方法により、基板10の裏側にn側電極、p側コンタクト層17上にp側電極をそれぞれ形成し、次いでn側電極およびp側電極を形成したのち、基板10を所定の大きさに整え、p側コンタクト層17の長さ方向において対向する一対の共振器端面に反射鏡膜を形成する。これにより半導体レーザが完成する。
上述のように、本実施の形態では、n型GaAsからなる基板10上に、GaInPからなる活性層13を間にして、AlxGa1-xPからなるn型クラッド層12、AlxGa1-x Pからなるp型クラッド層15を配置すると共に、活性層13とp型クラッド層15との間にGaPからなる電子障壁層14を設けたものである。以下、図3および図4を参照してその作用効果について説明する。
図3は、III−V族各種材料のバンドギャップ(eV)と格子定数(Å)との相関の一例を表したものである。この図は非特許文献1のFIG.1に基づいて作成したものである。なお、非特許文献1のFIG.1は、二元および三元系のIII−V族化合物半導体について、歪みのない状態での不連続性、障壁高さおよびバンドギャップを含む実験データを集約した図である。
ここで、n型クラッド層12およびp型クラッド層15を構成するAlxGa1-xPは、図3において、伝導帯および価電子帯それぞれにおいてAlPとGaPとを結ぶ線上にある。この線をたどれば分かるように、GaInPからなる活性層13に対して伝導帯でのバンド不連続を大きくするためには、AlxGa1-x P混晶でのGa組成を大きくしなければならないことが分かる。例えば、Ga組成を最大としたときにはGaPとなるが、そのとき伝導帯でのバンド不連続は最大となり、価電子帯での不連続は最低ないし若干凹凸を有する形状となる。
次に、AlxGa1-xP混晶の屈折率について述べる。GaPとAlPとの混晶であるAlxGa1-xPの屈折率については、GaPおよびAlPそれぞれの屈折率からその組成の比率を考慮することで算出することができ、図4に示したように依存性を有する。波長640nmのレーザのクラッド層として用いるときのGaPおよびAlPそれぞれの屈折率は、それぞれ3.314,2.848であり、AlGaP混晶を用いることで非常に広範囲な屈折率の材料をレーザ構造に使えることになる。
しかし、活性層に用いられるGaInP(Eg=1.98eVのとき)の屈折率は3.35であり、GaPの屈折率と非常に近くなり、活性層に光を閉じ込めることはできない。ちなみに、図14は前述の特許文献1の実施例の構造、図15はその構造のバンドダイアグラムと屈折率とを表したものである。この図からも明らかなように、伝導帯ではバンド不連続は非常に大きくとることができているが、活性層とクラッド層との間では屈折率差が殆どなく、光の閉じ込めができない構造となっている。また、この構造では、価電子帯においては不連続部分が形成されないため、ホールキャリアの閉じ込めができず、活性層領域でのホール漏れによるリークが発生するという問題がある。
これに対して本実施の形態では、GaInPからなる活性層13に対して、p型クラッド層15をAlxGa1-xPにより構成すると共に、活性層13とp型クラッド層15との間の電子障壁層14を伝導帯でのバンド不連続を最大にできるGaPとしたものである。図2はこのときのバンド構造を表したものであり、この構造では、バンド不連続は伝導帯および価電子帯ともに十分であり、しかも活性層13とクラッド層13,16との屈折率差も十分にとれている。GaPからなる電子障壁層14は、電子がトンネルしない程度の厚み、例えば数10nmの厚みがあれば十分である。また、AlxGa1-xPからなるクラッド層12,16のAl組成(x)は、材料の酸化を考慮すると最大0.8程度でよいが、活性層13の発光波長によって下げることができる。一般的には活性層とクラッド層との間には屈折率差が0.2程度あれば十分であるので、この場合にAl組成(x)は0.35以上あればよい。
本実施の形態の半導体レーザでは、図示しないn側電極とp側電極との間に所定の電圧が印加されると、活性層13に電流が注入されて、電子−正孔再結合により発光が起こる。この光は、図示しない一対の反射鏡膜により反射され、その間を往復してレーザ発振を生じ、レーザビームとして外部に射出される。ここでは、電子障壁層14が、伝導帯のバンド端の絶対値が活性層13よりも大きな材料、例えばGaPにより構成されているので、電子障壁層14の活性層13に対するバンド不連続が大きく、p型クラッド層15への電子の溢れ出しが確実に抑制される。よって、温度変化による動作電流の変化が小さくなる。また、発光に寄与しないリーク電流成分が減り、動作電流の低減も可能となる。これにより、素子の発熱が抑制され、例えば高温環境での動作が可能となり、信頼性が向上する。加えて、本実施の形態では、p型クラッド層15をAlxGa1-xPにより構成するようにしているので、光の活性層13への閉じ込めが十分となる。これにより、レーザの閾値、スロープ効率が改善され、実用的な半導体レーザを実現することが可能になる。
特に、本実施の形態では、電子障壁層14を、伝導帯のバンド端の絶対値が最も大きなGaPにより構成したことにより、電子障壁層14の活性層13に対するバンド不連続を最大とすることができる。これにより、伝導帯におけるバンド不連続が最大となり、より効果的に電子の溢れ出しが抑制される。
以下、本発明の他の実施の形態について説明する。なお、各実施の形態の説明において、第1の実施の形態と同一構成要素には、同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。
〔第2の実施の形態〕
第2の実施の形態に係る半導体レーザは、図5に示したように、電子障壁層24を第1の実施の形態で用いたGaPの代わりにAl0.06Ga0.94P混晶により構成したことを除いては、上記第1の実施の形態に係る半導体レーザと同一の構成を有するものである。
本実施の形態では、電子障壁層14がAl0.06Ga0.94P混晶により構成されていることにより、図6に示したように、第1の実施の形態と同様に、電子障壁層14の活性層13に対するΔEcを大きくとることができ、p型クラッド層15における電子の溢れ出しを抑制し、温度特性を向上させることができ、高温環境での動作が可能になり、また、発光に寄与しないリーク電流成分を減らすことができ、動作電流の低減も可能となると共に、活性層13での光閉じ込めを確実にすることができるようになる。
〔第3の実施の形態〕
図7は本発明の第3の実施の形態に係る半導体レーザの構成を表すものである。本実施の形態では、p型クラッド層35が電子障壁層24であるAl0.06Ga0.94P混晶からクラッド層の最高Al組成であるAl0.8 Ga0.2P混晶までのグレーデッド層により構成されていることを除いては、上記第2の実施の形態に係る半導体レーザと同一の構成を有している。
本実施の形態では、電子障壁層24がAl0.06Ga0.94P混晶により構成されると共に、p型クラッド層35がグレーデッド層により構成されていることにより、この半導体レーザにおいては、図8に示したように、電子はAl0.06Ga0.94P混晶からなる電子障壁層24でブロックされ、光はグレーテッド層(p型クラッド層35)により閉じ込められる。よって、本実施の形態においても第2の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
〔第4の実施の形態〕
図9は本発明の第4の実施の形態に係る半導体レーザの構成を表すものである。本実施の形態では、第1の実施の形態のバッファ層11の代わりにGaPからなる低温バッファ層41を用いたことを除いては、上記第1の実施の形態に係る半導体レーザと同一の構成を有している。
本実施の形態では、GaAsからなる基板10とAlGaPからなるクラッド層との約4%の格子不整を解消するために、図10に示したように、基板10とデバイス構造との間に、低温(例えば400℃〜500℃)で成長させた多結晶GaPをバッファ層として形成し、そののちこの低温バッファ層41上に通常の成長温度(例えば,700℃〜800℃)でデバイスを形成するものである。
このような2段階成長法を用いることにより、GaAsからなる基板10上に安定したレーザ構造を実現することができる。すなわち、十分なプロセス技術が蓄積されているGaAsウエハを用いて、赤色半導体レーザを実現することができる。なお、低温バッファ層41を形成するのに先立ち、基板10の表面を例えば温度600℃〜800℃で加熱し、クリーニングしておくことが望ましい。
また、上記実施の形態では、低温バッファ層41をGaPにより構成したが、その他、例えばGaAs/GaAsPの歪超格子、GaP/AlPの超格子を用いるようにしてもよい。なお、これらの場合には、それぞれの最適温度、例えば750℃で結晶成長を行うようにすればよい。
以下,上記半導体レーザの各種デバイスへの適用例として、レーザプロジェクタについて説明する。
図12は、レーザプロジェクタの構成を示すブロック図である。このレーザプロジェクタは、例えば、光源1、光合成モジュール2、光偏光部3、拡大投影系4、およびスクリーン5を備えており、スクリーン5上に光を投射して映像を表示させる表示装置である。なお、スクリーン5は、プロジェクタの外部に設置するようにいてもよく、プロジェクタ一体的に設けるようにしてもよい。また、表示方式は、前面投射型(フロントプロジェクタ)あるいは背面投射型(リアプロジェクタ)のいずれにも適用可能である。
光源1は、光を発光し、発光した光を光合成モジュール2に入射するものである。この光源1は、例えば、三原色(赤、青、緑)のレーザ光をそれぞれ発光するレーザ光源である。特に、本発明に係る半導体レーザは、光源1の赤色光源として好適に用いられる。
光合成モジュール2は、例えば、赤、青、緑の三原色の光をそれぞれ変調する複数の素子を一方向に配列した1次元の光変調素子、変調された光を合成する色合成ミラー、合成された光から投影像を形成する投影光学系等から構成されている。なお、光変調素子としては、特に限定されないが、例えば、マイクロリボンアレイを用いたGLV(Grating Light Value)(商標)や、DMD(Digital Micro mirror Device)(商標)、LCOS(Liquid Crystal on Silicon)等が好適に用いられる。また、一次元の光変調素子に限定されず、2次元の変調素子を用いるようにしてもよい。
光偏光部3は、光合成モジュール2で形成された光に対して走査を行うことで、2次元像を形成するものである。光偏光部3では、光合成モジュール2からの出射光を、この出射光により形成される1次元の投影像の長さ方向と直交する方向を含む面内において、光走査することで、2次元像が得られる。この光偏光部3は、例えば、回転反射鏡(ガルバノミラー等)により構成されている。
拡大投影系4は、光偏光部3によって形成された2次元像を、スクリーン5上に拡大して投影する光学系である。この拡大投影系4は、例えば、投射レンズにより構成されている。なお、この拡大投影系4の代わりに、等倍投影系あるいは縮小投影系を用いるようにしてもよい。
次に、図13は、例えばDVD等による高密度記録再生用の光ピックアップ100への適用例を表したものである。この光ピックアップ100は、光源1としての半導体レーザと、この半導体レーザとDVD等の記録媒体101との間に設けられた光学系とを備えている。記録媒体101の表面には、数μmの大きさの多数のピット(突起)が形成されている。光学系110は、半導体レーザから記録媒体101への光路中に配設され、例えば、グレーティング(GRT)111,偏光ビームスプリッタ(PBS)112,平行化レンズ(CL)113,4分の1波長板114,対物レンズ(OL)115,円柱レンズ(CyL)116およびフォトダイオードなどの受光素子(PD)117を有している。
この光ピックアップ100では、光源(半導体レーザ)1からの光は、グレーティング111,偏光ビームスプリッタ112,平行化レンズ113,4分の1波長板114および対物レンズ115を通って記録媒体101に焦点を結び、記録媒体101の表面のピットで反射される。反射された光は、対物レンズ115,4分の1波長板114,平行化レンズ113,偏光ビームスプリッタ112,円柱レンズ116を通って受光素子117に入り、ピット信号、トラッキング信号およびフォーカス信号の読取りが行われる。
このように本実施の形態の光ピックアップ100では、光源として上記実施の形態の半導体レーザを用いるようにしたので、その温度特性および信頼性が高く、広い温度範囲で安定して使用することができる。なお、光ピックアップ100としては、再生専用のものに限らず、記録再生が可能な光ディスク装置であってもよい。
以上、実施の形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、種々変形が可能である。例えば、上記実施の形態において説明した各層の材料および厚さ、または成膜方法および成膜条件などは限定されるものではなく、他の材料および厚さとしてもよく、または他の成膜方法および成膜条件としてもよい。例えば、電子障壁層14の構成材料としては、上記第1ないし第4の実施の形態において説明したものの外にも、AlP混晶、GaInP混晶、GaPSb混晶、AlInAs混晶、AlInSb混晶、AlGaPSb混晶等も挙げられる。AlInAs混晶は、AlInSb混晶に比べて第1基準線Lsubに近く、基板10に対する歪みが小さくて済むので好ましい。
また、例えば、上記実施の形態の図3を参照することにより、電子障壁層を導入したい半導体レーザにおける基板の構成材料、活性層の構成材料、混晶組成または基板に対する歪み量などに応じて、電子障壁層の構成材料を適切に選択することが可能である。従って、本発明は単に上述した赤色レーザに限定されず、さまざまな材料系または波長域の半導体レーザへの応用の可能性を有している。
また、例えばGaAsよりなる基板上にAlGaAs混晶よりなる活性層を有する光ディスク用レーザは、一般的に高い温度特性を示すが、本発明を適用することにより温度特性や信頼性を更に向上させることが可能である。
また、例えば、上記実施の形態では、半導体レーザの構成を具体的に挙げて説明したが、全ての層を備える必要はなく、また、バッファ層など他の層を更に備えていてもよい。
また、上記実施の形態では、n型の基板上に、n型クラッド層、活性層、p型クラッド層をこの順に積層する構成としているが、これに限定されず、p型の基板上に各層を積層した構成とした場合であっても、本発明と同様の効果は達成される。
本発明による半導体レーザは、上記レーザプロジェクタや光ディスクの他、例えば、光ファイバ通信あるいは光配線の光源、レーザプリンタの光源などの用途に適用することができる。
本発明の第1の実施の形態に係る半導体レーザの構成を表す断面図である。 図1に示した半導体レーザのバンドダイアグラムと屈折率を説明するための図である。 III−V族各種材料のバンドギャップ(eV)と格子定数(Å)との相関の一例を表した図である。 AlGaP混晶の屈折率を説明するための図である。 本発明の第2の実施の形態に係る半導体レーザの構成を表す図である。 図5に示した半導体レーザのバンドダイアグラムと屈折率を説明するための図である。 本発明の第3の実施の形態に係る半導体レーザの構成を表す図である。 図7に示した半導体レーザのバンドダイアグラムと屈折率を説明するための図である。 本発明の第4の実施の形態に係る半導体レーザの構成を表す図である。 図9に示した半導体レーザの製造プロセスを説明するための図である。 AlGaP混晶において、屈折率等のAl組成に対する依存性を表す特性図である。 図1に示した半導体レーザを備えたレーザプロジェクタの構成の一例を表すブロック図である。 図1に示した半導体レーザを備えた光ピックアップの構成の一例を示す図である。 従来の半導体レーザの構成を表す断面図である。 図14に示した半導体レーザのバンドダイアグラムと屈折率を説明するための図である。
符号の説明
10…基板、11…バッファ層、12…n型クラッド層、13…活性層、14…電子障壁層、15…p型クラッド層、16…中間層、17…コンタクト層、24…電子障壁層、41…低温バッファ層

Claims (14)

  1. 基板上に、活性層を間にしてn型クラッド層およびp型クラッド層を備えた半導体発光素子であって、
    前記活性層はGaInP混晶、前記n型クラッド層およびp型クラッド層はAlGaP混晶により構成されると共に、前記活性層と前記p型クラッド層との間に電子障壁層を備えた
    ことを特徴とする半導体発光素子。
  2. 前記電子障壁層は、p型GaPにより構成されている
    ことを特徴とする請求項1記載の半導体発光素子。
  3. 前記電子障壁層は、p型AlGaPにより構成されている
    ことを特徴とする請求項1記載の半導体発光素子。
  4. 前記電子障壁層は、p型Al0.06Ga0.94Pにより構成されている
    ことを特徴とする請求項1記載の半導体発光素子。
  5. 前記p型クラッド層は、Al0.8 Ga0.2 Pにより構成されている
    ことを特徴とする請求項4記載の半導体発光素子。
  6. 前記p型クラッド層は、前記電子障壁層の側のAl0.06Ga0.94PからAl0.8Ga0.2Pへ順次変化するグレーデッド層である
    ことを特徴とする請求項4記載の半導体発光素子。
  7. 前記活性層は、Ga0.4In0.6P層により構成されている
    ことを特徴とする請求項1記載の半導体発光素子。
  8. 前記基板はGaAsにより構成されている
    ことを特徴とする請求項1記載の半導体発光素子。
  9. 前記基板と前記n型クラッド層との間にバッファ層を有する
    ことを特徴とする請求項8記載の半導体発光素子。
  10. 前記バッファ層は、400℃〜500℃の温度条件下で形成されたGaP層である
    ことを特徴とする請求項10記載の半導体発光素子。
  11. 前記バッファ層は、GaAs/GaAsPの超格子層,またはGaP/AlPの超格子層により構成されている
    ことを特徴とする請求項9記載の半導体発光素子。
  12. 赤色領域の発振波長を有する
    ことを特徴とする請求項1記載の半導体発光素子。
  13. 光源として半導体発光素子を備えたレーザプロジェクタであって、
    前記半導体発光素子は、基板上に、活性層を間にしてn型クラッド層およびp型クラッド層を備え、前記活性層はGaInP混晶、前記n型クラッド層およびp型クラッド層はAlGaP混晶により構成されると共に、前記活性層と前記p型クラッド層との間に電子障壁層を備えた
    ことを特徴とするレーザプロジェクタ。
  14. 前記電子障壁層は、p型のGaPまたはAlGaPにより構成されている
    ことを特徴とする請求項13記載のレーザプロジェクタ。
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