JP2010166036A - 半導体レーザ装置および表示装置 - Google Patents

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Saburo Nakajima
三郎 中島
Masayuki Hata
雅幸 畑
Yasumitsu Kuno
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Abstract

【課題】素子形成時の歩留まりを向上させることが可能な半導体レーザ装置を提供する。
【解決手段】この半導体レーザ装置100は、n型GaN基板2、n型クラッド層11、MQW活性層12、p型クラッド層13およびp側パッド電極16を含む青色半導体レーザ素子10と、n型GaN基板2、n型クラッド層31、MQW活性層32、p型クラッド層33およびp側パッド電極36を含む緑色半導体レーザ素子30とを備える。そして、n型GaN基板2の下面2bからp型クラッド層13の上面までの厚みをt1、n型GaN基板2の下面2bからp型クラッド層33までの厚みをt2、p側オーミック電極14の下面からp側パッド電極16の上面までの厚みをt3およびp側オーミック電極34の下面からp側パッド電極36の上面までの厚みをt4とした場合、t1<t2のときt3>t4の関係を有し、t1>t2のときt3<t4の関係を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体レーザ装置および表示装置に関し、特に、複数の半導体レーザ素子を集積化した半導体レーザ装置および表示装置に関する。
従来、プロジェクタ装置等の表示装置に搭載される、青色半導体レーザ素子および緑色半導体レーザ素子がモノリシックに形成された2波長半導体レーザ素子が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
上記特許文献1では、青色光(B)を出射する青色半導体レーザ素子および緑色光(G)を出射する緑色半導体レーザ素子を共通の基板上にモノリシックに形成した2波長半導体レーザ素子が、いわゆるジャンクションダウン方式で赤色光(R)を出射する赤色半導体レーザ素子上に接合されている。これにより、赤色(R)、緑色(G)および青色(B)を出射するRGB3波長半導体レーザ装置が構成されている。このRGB3波長半導体レーザ装置を光源として用いて光学系等と組み合わせることにより、スクリーン等に画像を投影することができる表示装置を構成することができる。
特開2008−252069号公報
しかしながら、上記特許文献1に開示された半導体レーザ装置では、青色半導体レーザ素子および緑色半導体レーザ素子の厚みが異なっている場合には、2波長半導体レーザ素子を赤色半導体レーザ素子の表面上にジャンクションダウン方式で接合する際に、赤色半導体レーザ素子の表面に対して傾いて接合される虞がある。これにより、表示装置に用いる場合には、光学系との位置調整等を困難にするという問題がある。
また、上記2波長半導体レーザ素子の接合時の傾きを補正するために、青色半導体レーザ素子および緑色半導体レーザ素子の厚みの差により生じる段差を接合に用いるはんだ膜の厚みによって吸収する場合には、はんだ膜を必要としない領域にまではみ出してしまう虞がある。また、はみ出したはんだ膜が隣接する他のレーザ素子などに融着した場合、発振波長の異なるレーザ素子同士が電気的に短絡するという不都合が生じる。このため、半導体レーザ装置を形成する際の歩留まりが低下するという問題点がある。
また、上記複数の半導体レーザ素子を集積化した半導体レーザ装置を、光ピックアップ装置やプロジェクタ装置等の表示装置等の光学装置に搭載する場合には、上記半導体レーザ装置の不具合に伴って、光学装置を製造する際の歩留まりも低下するという問題点がある。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、素子形成時の歩留まりを向上させることが可能な半導体レーザ装置を提供することである。
この発明のもう1つの目的は、製造歩留まりが向上した半導体レーザ装置を備えた表示装置を提供することである。
上記目的を達成するために、この発明の第1の局面による半導体レーザ装置は、半導体基体の一方側の表面上に形成され、半導体基体側から第1活性層、第1半導体層および第1電極の順に積層された青色光を出射する青色半導体レーザ素子と、青色半導体レーザ素子に対して隣接して並ぶように形成され、半導体基体側から第2活性層、第2半導体層および第2電極の順に積層された緑色光を出射する緑色半導体レーザ素子と、第1電極上に第1融着層を介して、かつ、第2電極上に第2融着層を介して形成された支持基台とを備え、半導体基体は、一方側と反対側に他方側の表面を有し、他方側の表面から一方側の第1半導体層の表面までの青色半導体レーザ素子の厚みをt1、他方側の表面から一方側の第2半導体層の表面までの緑色半導体レーザ素子の厚みをt2、第1電極の厚みをt3および第2電極の厚みをt4とした場合、t1<t2およびt3>t4の関係を有する。
また、この発明の第2の局面による半導体レーザ装置は、半導体基体の一方側の表面上に形成され、半導体基体側から第1活性層、第1半導体層および第1電極の順に積層された青色光を出射する青色半導体レーザ素子と、青色半導体レーザ素子に対して隣接して並ぶように形成され、半導体基体側から第2活性層、第2半導体層および第2電極の順に積層された緑色光を出射する緑色半導体レーザ素子と、第1電極上に第1融着層を介して、かつ、第2電極上に第2融着層を介して形成された支持基台とを備え、半導体基体は、一方側と反対側に他方側の表面を有し、他方側の表面から一方側の第1半導体層の表面までの青色半導体レーザ素子の厚みをt1、他方側の表面から一方側の第2半導体層の表面までの緑色半導体レーザ素子の厚みをt2、第1電極の厚みをt3および第2電極の厚みをt4とした場合、t1>t2およびt3<t4の関係を有する。
この発明の第1および第2の局面による半導体レーザ装置では、上記のように、t1<t2のときt3>t4の関係を有し、t1>t2のときt3<t4の関係を有するように構成することによって、青色半導体レーザ素子の半導体基体の他方側の表面から第1半導体層の一方側の表面までの厚みt1と、緑色半導体レーザ素子の半導体基体の他方側の表面から第2半導体層の一方側の表面までの厚みt2とに差が生じる場合であっても、第1電極および第2電極によって、第1電極を含めた青色半導体レーザ素子の厚み(t1+t3)と第2電極を含めた緑色半導体レーザ素子の厚み(t2+t4)との差をより小さくすることができる。すなわち、青色半導体レーザ素子および緑色半導体レーザ素子における半導体基体から第1半導体層または第2半導体層までの各々の厚みt1およびt2に差が生じても、その差(厚みt1と厚みt2との差)を第1電極および第2電極の厚みの違いを利用して調整することができる。これにより、共通の半導体基体を含む青色半導体レーザ素子および緑色半導体レーザ素子の厚みを揃えることができるので、この半導体レーザ装置をジャンクションダウン方式などにより融着層(第1および第2融着層)を介して支持基台に接合する場合、融着層に半導体レーザ素子の厚みの差を吸収させる必要がないので、融着層を必要最小限の量に抑えることができる。この結果、接合後に余分な融着層がはみ出すことに起因してレーザ素子同士の電気的な短絡が生じるという不都合が抑制されるので、半導体レーザ素子を形成する際の歩留まりを向上させることができる。
上記第1および第2の局面による半導体レーザ装置において、好ましくは、第1電極は、第1パッド電極を含み、第2電極は、第2パッド電極を含む。このように構成すれば、第1パッド電極および第2パッド電極の厚みをそれぞれ適切に調整することにより、共通の半導体基体の一方側の表面上に形成された青色半導体レーザ素子および緑色半導体レーザ素子の厚みを容易に揃えることができる。
上記第1の局面による半導体レーザ装置において(t3>t4の場合)、好ましくは、第1パッド電極の厚みは、第2パッド電極の厚みよりも大きい。また、上記第2の局面による半導体レーザ装置において(t3<t4の場合)、好ましくは、第2パッド電極の厚みは、第1パッド電極の厚みよりも大きい。このように構成すれば、第1パッド電極および第2パッド電極の厚みを上記の条件に応じて調整することにより、共通の半導体基体の一方側の表面上に形成された青色半導体レーザ素子および緑色半導体レーザ素子の厚みが揃えられるので、この半導体レーザ装置をジャンクションダウン方式により融着層を介してサブマウントに接合する場合、使用する融着層を2つの半導体レーザ素子においてそれぞれ必要最小限の量に抑えることができる。
また、上記第1の局面による半導体レーザ装置において(t1<t2の場合)、好ましくは、第2半導体層の厚みは、第1半導体層の厚みよりも大きい。また、上記第2の局面による半導体レーザ装置において(t1>t2の場合)、好ましくは、第1半導体層の厚みは、第2半導体層の厚みよりも大きい。
また、上記支持基台を備える構成において、好ましくは、支持基台は、サブマウントである。このように構成すれば、この半導体レーザ装置をジャンクションダウン方式により融着層(第1および第2融着層)を介してサブマウントに接合する場合、使用する融着層を2つの半導体レーザ素子においてそれぞれ必要最小限の量に抑えることができる。したがって、歩留まりが向上する半導体レーザ装置を容易に形成することができる。
また、上記支持基台を備える構成において、好ましくは、支持基台は、半導体レーザ素子である。このように構成すれば、支持基台である半導体レーザ素子として約595nm〜約780nmの波長の赤色光(R)を出射する赤色半導体レーザ素子を用い、青色光(B)および緑色光(G)を出射する2波長半導体レーザ素子を赤色半導体レーザ素子に接合して、上記赤色(R)、緑色(G)および青色(B)を出射するRGB3波長半導体レーザ装置を形成する場合においても、使用する融着層を必要最小限の量に抑えることができる。これにより、RGB3波長半導体レーザ装置を形成する際の歩留まりを向上させることができる。
この発明の第3の局面による表示装置は、半導体基体の一方側の表面上に形成され、半導体基体側から第1活性層、第1半導体層および第1電極の順に積層された青色光を出射する青色半導体レーザ素子と、青色半導体レーザ素子に対して隣接して並ぶように形成され、半導体基体側から第2活性層、第2半導体層および第2電極の順に積層された緑色光を出射する緑色半導体レーザ素子と、第1電極上に第1融着層を介して形成され、かつ、第2電極上に第2融着層を介して形成された支持基台とを有する半導体レーザ装置と、半導体レーザ装置からの光の変調を画像信号に基づいて行う変調手段とを備える表示装置であって、半導体基体は、一方側と反対側に他方側の表面を有し、他方側の表面から一方側の第1半導体層の表面までの青色半導体レーザ素子の厚みをt1、他方側の表面から一方側の第2半導体層の表面までの緑色半導体レーザ素子の厚みをt2、第1電極の厚みをt3および第2電極の厚みをt4とした場合、t1<t2およびt3>t4の関係を有する。
また、この発明の第4の局面による表示装置は、半導体基体の一方側の表面上に形成され、半導体基体側から第1活性層、第1半導体層および第1電極の順に積層された青色光を出射する青色半導体レーザ素子と、青色半導体レーザ素子に対して隣接して並ぶように形成され、半導体基体側から第2活性層、第2半導体層および第2電極の順に積層された緑色光を出射する緑色半導体レーザ素子と、第1電極上に第1融着層を介して形成され、かつ、第2電極上に第2融着層を介して形成された支持基台とを有する半導体レーザ装置と、半導体レーザ装置からの光の変調を画像信号に基づいて行う変調手段とを備える表示装置であって、半導体基体は、一方側と反対側に他方側の表面を有し、他方側の表面から一方側の第1半導体層の表面までの青色半導体レーザ素子の厚みをt1、他方側の表面から一方側の第2半導体層の表面までの緑色半導体レーザ素子の厚みをt2、第1電極の厚みをt3および第2電極の厚みをt4とした場合、t1>t2およびt3<t4の関係を有する。
この発明の第3および第4の局面による表示装置では、上記のように、t1<t2のときt3>t4の関係を有し、t1>t2のときt3<t4の関係を有するように半導体レーザ装置を構成することによって、青色半導体レーザ素子の半導体基体の他方側の表面から第1半導体層の一方側の表面までの厚みt1と、緑色半導体レーザ素子の半導体基体の他方側の表面から第2半導体層の一方側の表面までの厚みt2とに差が生じる場合であっても、第1電極および第2電極によって、第1電極を含めた青色半導体レーザ素子の厚み(t1+t3)と第2電極を含めた緑色半導体レーザ素子の厚み(t2+t4)との差をより小さくすることができる。すなわち、青色半導体レーザ素子および緑色半導体レーザ素子における半導体基体から第1半導体層または第2半導体層までの各々の厚みt1およびt2に差が生じても、その差(厚みt1と厚みt2との差)を第1電極および第2電極の厚みの違いを利用して調整することができる。
これにより、共通の半導体基体を含む青色半導体レーザ素子および緑色半導体レーザ素子の厚みを揃えることができるので、この半導体レーザ装置をジャンクションダウン方式などにより融着層(第1および第2融着層)を介して支持基台に接合する場合、融着層に半導体レーザ素子の厚みの差を吸収させる必要がないので、融着層を必要最小限の量に抑えることができる。この結果、接合後に余分な融着層がはみ出すことに起因してレーザ素子同士の電気的な短絡が生じるという不都合が抑制されるので、半導体レーザ素子を形成する際の歩留まりを向上させることができる。これにより、製造歩留まりが向上した半導体レーザ装置を備えた表示装置を提供することができる。
なお、本発明において、半導体基体は、半導体基板により構成される場合と、半導体層により構成される場合との両方の場合を含んでいる。また、本発明において、青色光とは、約380nm〜約485nmの波長の光を意味し、緑色光とは、約495nm〜約555nmの波長の光を意味する。
本発明によれば、素子形成時の歩留まりを向上させることが可能な半導体レーザ装置を提供することができる。また、製造歩留まりが向上した半導体レーザ装置を備えた表示装置を提供することができる。
本発明の第1実施形態による半導体レーザ装置の構造を示した正面図である。 図1に示した第1実施形態による半導体レーザ装置の構造を示した平面図である。 図1に示した第1実施形態による半導体レーザ装置の製造プロセスを説明するための図である。 図1に示した第1実施形態による半導体レーザ装置の製造プロセスを説明するための図である。 図1に示した第1実施形態による半導体レーザ装置の製造プロセスを説明するための図である。 図1に示した第1実施形態による半導体レーザ装置の製造プロセスを説明するための図である。 図1に示した第1実施形態による半導体レーザ装置の製造プロセスを説明するための図である。 図1に示した第1実施形態による半導体レーザ装置の製造プロセスを説明するための図である。 本発明の第1実施形態の第1変形例による半導体レーザ装置の構造を示した正面図である。 本発明の第1実施形態の第2変形例による半導体レーザ装置の構造を示した正面図である。 図10に示した第1実施形態の第2変形例による半導体レーザ装置の製造プロセスを説明するための図である。 図10に示した第1実施形態の第2変形例による半導体レーザ装置の製造プロセスを説明するための図である。 図10に示した第1実施形態の第2変形例による半導体レーザ装置の製造プロセスを説明するための図である。 図10に示した第1実施形態の第2変形例による半導体レーザ装置の製造プロセスを説明するための図である。 本発明の第1実施形態の第3変形例による半導体レーザ装置の構造を示した正面図である。 本発明の第2実施形態による半導体レーザ装置の構造を示した正面図である。 本発明の第3実施形態による半導体レーザ装置の構造を示した正面図である。 本発明の第3実施形態による半導体レーザ装置の構造を示した平面図である。 図17に示した第3実施形態による半導体レーザ装置の製造プロセスを説明するための図である。 図17に示した第3実施形態による半導体レーザ装置の製造プロセスを説明するための図である。 本発明の第1実施形態の第4変形例による半導体レーザ装置の構造を示した正面図である。 本発明の第1実施形態の第5変形例による半導体レーザ装置の構造を示した正面図である。 図22に示した第1実施形態の第5変形例による半導体レーザ装置の製造プロセスを説明するための図である。 図22に示した第1実施形態の第5変形例による半導体レーザ装置の製造プロセスを説明するための図である。 本発明の第1実施形態の第6変形例による半導体レーザ装置の構造を示した正面図である。 本発明の第4実施形態による半導体レーザ装置の構造を示した正面図である。 本発明の第5実施形態によるプロジェクタ装置の構成を示した構成図である。 図27の本発明の第5実施形態によるプロジェクタ装置に用いるレーザ光源のキャップを外した状態でレーザ光の出射方向から見た際の正面図である。 本発明の第6実施形態によるプロジェクタ装置の構成を示した構成図である。 図29の本発明の第6実施形態によるプロジェクタ装置に用いるレーザ光源のキャップを外した状態でレーザ光の出射方向から見た際の正面図である。 図29のレーザ光源301を駆動するためのタイミングチャート示した図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態による半導体レーザ装置の構造を示した正面図である。図2は、図1に示した第1実施形態による半導体レーザ装置の構造を示した平面図(下面図)である。まず、図1および図2を参照して、本発明の第1実施形態による半導体レーザ装置100の構造について説明する。
本発明の第1実施形態による半導体レーザ装置100では、図1に示すように、2波長半導体レーザ素子60が、AuSn半田などからなり、約0.9μmの厚みを有する導電性接着層1(1aおよび1b)を介して、AlNなどの絶縁性材料からなり、約240μmの厚みを有するサブマウント90の下面上に接合されている。また、2波長半導体レーザ素子60は、約460nmの発振波長を有する青色半導体レーザ素子10と約530nmの発振波長を有する緑色半導体レーザ素子30とが、約100μmの厚みを有するn型GaN基板2の上面2a上に各レーザ光の出射方向(紙面垂直方向)から見て、n型GaN基板2の上面2aに平行な方向(B方向)に所定の間隔を隔てて隣接して並ぶように形成されている。なお、n型GaN基板2は、本発明の「半導体基体」の一例であり、導電性接着層1aおよび1bは、それぞれ、本発明の「第1融着層」および「第2融着層」の一例である。また、サブマウント90は、本発明の「支持基台」の一例である。また、n型GaN基板2の上面2aは、本発明の「半導体基体の一方側の表面」の一例である。
青色半導体レーザ素子10を概略的に説明すると、第1導電型の半導体基体上に、第1活性層と第2導電型の第1半導体層とが順に形成されている。ここで、半導体基体の第1活性層側には、第1導電型の第3半導体層が形成されていてもよい。また、第3半導体層に、バッファ層や第1導電型のクラッド層が形成されていてもよい。この第1導電型のクラッド層と半導体基体との間に、第1導電型のコンタクト層が形成されていてもよい。また、第1導電型のクラッド層と第1活性層との間に、光ガイド層やキャリアブロック層が形成されていてもよい。また、第1半導体層には、第2導電型のクラッド層が形成されている。また、第2導電型のクラッド層の第1活性層とは反対側に、第2導電型のコンタクト層が形成されていてもよい。また、第2導電型のクラッド層と第1活性層との間に、光ガイド層やキャリアブロック層が形成されていてもよい。なお、それぞれのコンタクト層および光ガイド層は、クラッド層よりもバンドギャップが小さい。また、キャリアブロック層は、クラッド層よりもバンドギャップが大きいことが好ましい。
青色半導体レーザ素子10は、具体的には、n型GaN基板2の上面2a上に、約2μmの厚みを有するn型AlGaNからなるn型クラッド層11と、約5nmの厚みを有する2層のInGaNからなる量子井戸層および約30nmの厚みを有する3層のGaNからなる障壁層が交互に積層され、約100nmの厚みを有するMQW活性層12と、約0.3μmの厚みを有するp型AlGaNからなるp型クラッド層13とが形成されている。なお、MQW活性層12およびp型クラッド層13は、それぞれ、本発明の「第1活性層」および「第1半導体層」の一例である。
また、p型クラッド層13は、その上面に図1の紙面垂直方向に延びる凸部13aと、凸部13aの両側(B1方向およびB2方向)に延びる平坦部とを有している。このp型クラッド層13の凸部13aによって、光導波路を構成するためのリッジ20が形成されている。なお、凸部13aの上面は、本発明の「第1半導体層の表面」の一例であって、上記p型クラッド層13の厚みは、凸部13a上での厚みを示している。またリッジ20上に、p型クラッド層13から近い順に、約1nmの厚みを有するPt層、約9nmの厚みを有するPd層および約30nmの厚みを有するPt層からなり、約40nmの厚みを有するp側オーミック電極14が形成されている。また、p型クラッド層13の平坦部とリッジ20の側面とを覆うように、SiOからなる電流ブロック層15が形成されている。また、リッジ20および電流ブロック層15の上面上に、p側オーミック電極14から近い順に、約10nmの厚みを有するTi層、約100nmの厚みを有するPd層および約1500nmのAu層からなり、約1610nmの厚みt13を有するp側パッド電極16が形成されている。ここで、上記p側パッド電極16の厚みは、凸部13a上での厚みを示している。なお、p側パッド電極16は、本発明の「第1パッド電極」の一例である。
また、緑色半導体レーザ素子30を概略的に説明すると、第1導電型の半導体基体上に、第2活性層と第2導電型の第2半導体層とが順に形成されている。ここで、半導体基体の第2活性層側には、第1導電型の第4半導体層が形成されていてもよい。また、第4半導体層に、第1導電型のクラッド層が形成されていてもよい。この第1導電型のクラッド層と半導体基体との間に、バッファ層や第1導電型のコンタクト層が形成されていてもよい。また、第1導電型のクラッド層と第2活性層との間に、光ガイド層やキャリアブロック層が形成されていてもよい。また、第2半導体層には、第2導電型のクラッド層が形成されている。また、第2導電型のクラッド層の第2活性層とは反対側に、第2導電型のコンタクト層が形成されていてもよい。また、第2導電型のクラッド層と第2活性層との間に、光ガイド層やキャリアブロック層が形成されていてもよい。
緑色半導体レーザ素子30は、具体的には、n型GaN基板2の上面2a上に、約3μmの厚みを有するn型AlGaNからなるn型クラッド層31と、約7.5nmの厚みを有する2層のInGaNからなる量子井戸層および約45nmの厚みを有する3層のGaNからなる障壁層が交互に積層され、約150nmの厚みを有するMQW活性層32と、約0.45μmの厚みを有するp型AlGaNからなるp型クラッド層33とが形成されている。なお、MQW活性層32およびp型クラッド層33は、それぞれ、本発明の「第2活性層」および「第2半導体層」の一例である。
また、p型クラッド層33は、その上面に図1の紙面垂直方向に延びる凸部33aと、凸部33aの両側(B1方向およびB2方向)に延びる平坦部とを有している。このp型クラッド層33の凸部33aによって、光導波路を構成するためのリッジ40が形成されている。なお、凸部33aの上面は、本発明の「第2半導体層の表面」の一例であって、上記p型クラッド層33の厚みは、凸部33a上での厚みを示している。またリッジ40上に、p型クラッド層33から近い順に、約1nmの厚みを有するPt層、約9nmの厚みを有するPd層および約30nmの厚みを有するPt層からなり、約40nmの厚みを有するp側オーミック電極34が形成されている。また、p型クラッド層33の平坦部とリッジ40の側面とを覆うように、青色半導体レーザ素子10から延びる電流ブロック層15が形成されている。また、リッジ40および電流ブロック層15の上面上に、p側オーミック電極34から近い順に、約10nmの厚みを有するTi層、約100nmの厚みを有するPd層および約300nmのAu層からなり、約410nmの厚みt14を有するp側パッド電極36が形成されている。ここで、上記p側パッド電極36の厚みは、凸部33a上での厚みを示している。なお、p側パッド電極36は、本発明の「第2パッド電極」の一例である。
なお、p側オーミック電極14(第1オーミック電極層)およびp側パッド電極16(第1パッド電極)は、本発明の「第1電極」の一例であり、p側オーミック電極34(第2オーミック電極層)およびp側パッド電極36(第2パッド電極)は、本発明の「第2電極」の一例である。ここで、第1半導体層と第1パッド電極との間に第1オーミック電極層を備え、第2半導体層と第2パッド電極との間に第2オーミック電極層を備えることにより、青色半導体レーザ素子10および緑色半導体レーザ素子30のp側の接触抵抗を低減することができる。また、n型GaN基板2の下面2b上に、n型GaN基板2側からTi層、Pt層およびAu層の順に積層されたn側電極3が形成されている。
また、図2に示すように、サブマウント90のリッジ20および40が延びる方向(A方向)の長さは、2波長半導体レーザ素子60の共振器長(リッジ20および40のA方向の長さ)よりも大きく形成されている。そして、サブマウント90(図1参照)の下面上には、p側パッド電極16および36に対応する位置に、Auからなる電極層91および92がそれぞれ形成されている。また、電極層91および92は、A方向(図2参照)に短冊状に延びるとともに2波長半導体レーザ素子60の共振器長よりも長く形成されている。したがって、2波長半導体レーザ素子60の青色半導体レーザ素子10および緑色半導体レーザ素子30は、図2に示すように、電極層91および92のうちの2波長半導体レーザ素子60が接合されていない領域91aおよび92aにワイヤボンディングされる金属線(図示せず)を介して外部と接続されるように構成されている。
ここで、第1実施形態では、図1に示すように、青色半導体レーザ素子10と緑色半導体レーザ素子30とを比較した場合、青色半導体レーザ素子10におけるn型GaN基板2の下面2bからp型クラッド層13の凸部13aの上面までの半導体素子層の厚みt1(約102.4μm)よりも、緑色半導体レーザ素子30におけるn型GaN基板2の下面2bからp型クラッド層33の凸部33aの上面までの半導体素子層の厚みt2(約103.6μm)が大きくなる(t1<t2であり、t2−t1=約1.2μm)ように構成されている。したがって、青色半導体レーザ素子10のp側オーミック電極14の下面(凸部13aの上面)からp側パッド電極16の上面までの厚みt3(約1650nm)は、緑色半導体レーザ素子30のp側オーミック電極34の下面(凸部33aの上面)からp側パッド電極36までの厚みt4(約450nm)よりも大きく(t3>t4であり、t3−t4=約1.2μm)形成されている。これにより、青色半導体レーザ素子10のn型GaN基板2の下面2bからp側パッド電極16の上面までの厚み(t1+t3)と、緑色半導体レーザ素子30のn型GaN基板2の下面2bからp側パッド電極36の上面までの厚み(t2+t4)とは略同じ厚み(約104.05μm)を有している。
また、第1実施形態では、上記t3>t4の関係に加えて、p側パッド電極16の厚みt13が、p側パッド電極36の厚みt14よりも大きく(t13>t14)形成されている。また、緑色半導体レーザ素子30のp型クラッド層33の厚みが青色半導体レーザ素子10のp型クラッド層13の厚みよりも大きく、かつ、緑色半導体レーザ素子30のn型クラッド層31の厚みが青色半導体レーザ素子10のn型クラッド層11の厚みよりも大きく形成されている。
また、第1実施形態では、p側パッド電極16とp側パッド電極36との上面(C2側)は、それぞれ、略同一平面(破線で示す)に揃えられている。これにより、2波長半導体レーザ素子60は、n型GaN基板2の上面2aに対して直交する方向(C方向)に略同じ厚み(約0.9μm)を有する導電性接着層1aおよび1bを介してサブマウント90に固定されている。なお、n型GaN基板2の下面2bは、本発明の「半導体基体の他方側の表面」の一例である。
また、青色半導体レーザ素子10および緑色半導体レーザ素子30には、共振器方向(図2のA方向)の両端部に、光出射面10aおよび30aと、光反射面10bおよび30bとがそれぞれ形成されている。また、各半導体レーザ素子の光出射面10aおよび30a(図2のA2側の面)には、低反射率の誘電体多層膜が形成されているとともに、光反射面10bおよび30b(図2のA1側の面)には、高反射率の誘電体多層膜が形成されている。ここで、誘電体多層膜としては、GaN、AlN、BN、Al、SiO、ZrO、Ta、Nb、La、SiN、AlONおよびMgFや、これらの混成比の異なる材料であるTiやNbなどからなる多層膜を用いることができる。
図3〜図8は、図1に示した第1実施形態による半導体レーザ装置の製造プロセスを説明するための図である。次に、図1〜図8を参照して、第1実施形態による半導体レーザ装置100の製造プロセスについて説明する。
第1実施形態による半導体レーザ装置100の製造プロセスでは、まず、図3に示すように、フォトリソグラフィを用いて、n型GaN基板2の上面2a上に、SiOからなる選択成長用のマスク41をパターニングする。マスク41は、上面2aに対して平行なB方向に所定の間隔を隔てた状態で、B方向と直交するA方向(紙面垂直方向)に延びるようにパターニングされる。その後、図4に示すように、MOCVD法を用いて、マスク41の開口部41aから露出するn型GaN基板2の上面2a上に、n型クラッド層11、MQW活性層12およびp型クラッド層13を選択的に成長させて半導体素子層10cを形成する。
その後、マスク41を除去する。次に、図5に示すように、フォトリソグラフィを用いて、n型GaN基板2の上面2aの所定領域および青色半導体レーザ素子10となる半導体素子層10cの表面全体を覆うマスク42をパターニングする。マスク42には、隣接する半導体素子層10cの間に、A方向(紙面垂直方向)に延びる開口部42aが形成される。この状態で、MOCVD法を用いて、マスク42の開口部42aから露出するn型GaN基板2の上面2a上に、n型クラッド層31、MQW活性層32およびp型クラッド層33を選択的に成長させて半導体素子層30cを形成する。この際、半導体素子層30cは、青色半導体レーザ素子10となる半導体素子層10cよりも厚みが約1.2μm大きくなるように形成される。その後、マスク42を除去する。
その後、図6に示すように、p型クラッド層13および33の表面上に、Pt層、Pd層およびPt層をこの順に積層することにより、p側オーミック電極14および34をそれぞれ形成した後、フォトリソグラフィを用いて、p側オーミック電極14および34上に、A方向(紙面垂直方向)にストライプ状に延びるレジスト(図示せず)をパターニングするとともに、そのレジストをマスクとしてドライエッチングすることにより、p型クラッド層13および33の部分にリッジ20および40を形成する。これにより、n型GaN基板2(上面2a)上に、青色半導体レーザ素子10の素子構造と緑色半導体レーザ素子30の素子構造とが、B方向に所定の間隔を隔てて隣接して並ぶように形成される。
その後、図7に示すように、プラズマCVD法などを用いて、p側オーミック電極14および34の上面以外の半導体素子層10cおよび30cの側面を覆うように電流ブロック層15を形成する。
その後、フォトリソグラフィを用いて、電流ブロック層15の表面の所定領域を覆うようにレジスト43をパターニングする。この際、図7に示すように、レジスト43には、リッジ20および40の上方と、リッジ20および40のそれぞれの両側に続く電流ブロック層15の所定領域のみが露出するようにパターニングされた開口部43aが形成される。また、レジスト43は、半導体素子層10cおよび30cのC方向の厚みに対応して形成されるので、青色半導体レーザ素子10の素子構造領域と緑色半導体レーザ素子30の素子構造領域とでn型GaN基板2の上面2aからレジスト43の上面までの高さが異なるように形成される。そして、この状態で、レジスト43の開口部43a(p側オーミック電極14および34が露出した部分)に、真空蒸着法を用いて、Ti層、Pd層およびAu層をこの順に積層することにより、金属層45(45aおよび45b)を堆積させる。これにより、開口部43aは金属層45で略完全に埋め込まれる。
そして、レジスト43(図7参照)を除去した後、図8に示すように、化学的機械的研磨(CMP)により、金属層45の上面(C2側)が略同一平面となるように金属層45の厚みを調整する。この際、まず、緑色半導体レーザ素子30が形成される側の金属層45bの上面から先に、n型GaN基板2の上面2aの方向(C1方向)に向かって研磨が開始される。そして、n型GaN基板2の上面2aから金属層45bの上面までの高さH1が、n型GaN基板2の上面2aから金属層45aの上面までの高さH2と略等しくなったところ(金属層45bの最上層に位置するAu層の厚みが300nmになったところ)でCMP工程を終了する。なお、この時点で、金属層45aがp側パッド電極16(厚みt13)となり、金属層45bがp側パッド電極36(厚みt14)となる。これにより、n型GaN基板2の下面2bからp側パッド電極16(36)の上面までの高さが略等しい2波長半導体レーザ素子60が得られる。続いて、n型GaN基板2が約100μmの厚みを有するようにn型GaN基板2の下面2bを研磨した後、n型GaN基板2の下面2b上にn側電極3を形成する。これにより、ウェハ状態の2波長半導体レーザ素子60が形成される。
その後、A方向(紙面垂直方向)に約600μmの共振器長を有するようにウェハをA方向と直交するB方向にバー状に劈開するとともに、破線800の位置でA方向(紙面垂直方向)に素子分割することにより、2波長半導体レーザ素子60(図1参照)の複数個のチップが形成される。
一方、図2に示すように、短冊状の電極層91および92が表面上に形成されるとともに所定の形状に形成されたサブマウント90を準備する。その際、電極層91および92の表面上に、約1μmの厚みを有する導電性接着層1を予め形成しておく。そして、図1に示すように、2波長半導体レーザ素子60とサブマウント90とを対向させながら熱圧着により接合する。この際、p側パッド電極16が電極層91に対応するとともに、p側パッド電極36が電極層92に対応するように接合する。また、図2に示すように、各レーザ光の光出射側となるサブマウント90のA2側の端部と2波長半導体レーザ素子60のA2側の共振器端面とが略同一平面を有するように2波長半導体レーザ素子60とサブマウント90とを接合する。このようにして、第1実施形態による半導体レーザ装置100(図1参照)が形成される。
第1実施形態では、上記のように、p側オーミック電極14の下面(凸部13aの上面)からp側パッド電極16の上面までの厚みt3とp側オーミック電極34の下面(凸部33aの上面)からp側パッド電極36までの厚みt4とが、t3>t4の関係を有することによって、青色半導体レーザ素子10のn型GaN基板2の下面2bからp型クラッド層13の凸部13aの上面までの厚みt1と緑色半導体レーザ素子30のn型GaN基板2の下面2bからp型クラッド層33の凸部33aの上面までの厚みt2とに差が生じた場合であっても、p側電極層の部分に厚みの差(図1における厚みt3と厚みt4との差)を設けているので、青色半導体レーザ素子10の厚み(t1+t3)と緑色半導体レーザ素子30の厚み(t2+t4)との差をより小さくすることができる。すなわち、青色半導体レーザ素子10および緑色半導体レーザ素子30における半導体素子層の厚みt1およびt2に差が生じても、その差(厚みt1と厚みt2との差)をp側電極層の厚みの差(厚みt3と厚みt4との差)を利用して適切に調整することができる。これにより、共通のn型GaN基板2を含む青色半導体レーザ素子10および緑色半導体レーザ素子30の厚みを略揃えることができるので、p側パッド電極16および36の各上面(C2側の面)を略同一平面(破線で示す)に揃えることができる。この結果、この半導体レーザ装置100をジャンクションダウン方式で導電性接着層1を介してサブマウント90に接合する際、導電性接着層1に半導体レーザ素子の厚みの差を吸収させる必要がないので、導電性接着層1(1aおよび1b)を必要最小限の量に抑えることができる。これにより、接合後に余分な導電性接着層1がはみ出すことに起因してレーザ素子同士の電気的な短絡が生じるという不都合が抑制されるので、半導体レーザ装置100を形成する際の歩留まりを向上させることができる。
また、第1実施形態では、p側パッド電極16の厚みt13と、p側パッド電極36の厚みt14とが、t13>t14の関係を有することによって、青色半導体レーザ素子10と緑色半導体レーザ素子30との厚みの差を小さくすることができる。これにより、この半導体レーザ装置100をジャンクションダウン方式でサブマウント90に接合する際、導電性接着層1を必要最小限の量に抑えることができる。
また、第1実施形態では、導電性接着層1aの厚みと導電性接着層1bの厚みとが略同じであることによって、使用する導電性接着層1を、青色半導体レーザ素子10および緑色半導体レーザ素子30とサブマウント90との接合部分において、共に必要最小限の量に抑えることができる。また、接合後にはみ出す余分な導電性接着層1aおよび1bの量も低減することができる。
また、第1実施形態では、p側パッド電極16および36は、それぞれ、p側オーミック電極14およびp側オーミック電極34に接触するパッド電極であるように構成することによって、p側パッド電極16および36の厚みをそれぞれ適切に調整することにより、共通のn型GaN基板2の表面上(上面2a上)に形成された青色半導体レーザ素子10および緑色半導体レーザ素子30の厚みを容易に揃えることができる。
また、第1実施形態では、緑色半導体レーザ素子30のp型クラッド層33の厚みを青色半導体レーザ素子10のp型クラッド層13の厚みよりも大きく形成することによって、一般的に青色半導体レーザ素子におけるp型クラッド層の光閉じ込め効果よりも弱い傾向にある緑色半導体レーザ素子のp型クラッド層の光閉じ込め効果を向上させることができる。
(第1実施形態の第1変形例)
図9は、本発明の第1実施形態の第1変形例による半導体レーザ装置の構造を示した正面図である。図9を参照して、この第1実施形態の第1変形例では、上記第1実施形態と異なり、p側パッド電極16aの上面位置とp側パッド電極36aの上面位置とに若干のずれ(Δt)が生じた状態で2波長半導体レーザ素子65をサブマウント90に接合する場合について説明する。なお、p側パッド電極16aおよび36aは、それぞれ、本発明の「第1パッド電極」および「第2パッド電極」の一例である。
ここで、第1実施形態の第1変形例では、図9に示すように、緑色半導体レーザ素子30のp側オーミック電極34の下面(凸部33aの上面)からp側パッド電極36aの上面までの厚みt4(約460nm)が、上記第1実施形態の場合(約410nm)よりも若干厚く形成されている。具体的には、p側パッド電極36aの最上層に位置するAu層が約350nmの厚みを有している。なお、p側パッド電極36aのその他の構成は、第1実施形態のp側パッド電極36と同様である。また、p側パッド電極16aの構成は、第1実施形態のp側パッド電極16と同様である。これにより、p側パッド電極16aの上面がp側パッド電極36aの上面よりもC1方向に若干(Δt、約50nm)下がった位置に形成されている。したがって、この上面位置のずれΔt(図9参照)を補うように、導電性接着層1cの厚みt15が導電性接着層1dの厚みt16よりもΔtだけ大きくなるように2波長半導体レーザ素子65をサブマウント90に接合している。なお、上面位置のずれΔtの大きさは、緑色半導体レーザ素子30の厚みt2と青色半導体レーザ素子10の厚みt1との差(t2−t1)、および、p側パッド電極16aの厚みt13とp側パッド電極36aの厚みt14との差(t13−t14)よりも小さく、導電性接着層1cおよび1dは、略同じ使用量が用いられている。したがって、導電性接着層1cと1dとで使用量が顕著に異なる場合と異なり、導電性接着層1は必要最小限の量に抑えられる。これにより、接合後に余分な導電性接着層1がはみ出すことに起因してレーザ素子同士の電気的な短絡などが発生することもなく、半導体レーザ装置100形成時の歩留まりも低下しない。なお、導電性接着層1cおよび1dは、それぞれ、本発明の「第1融着層」および「第2融着層」の一例である。
第1実施形態の第1変形例におけるその他の構成は、上記第1実施形態と同様であり、第1実施形態の第1変形例における効果についても、上記第1実施形態と同様である。
(第1実施形態の第2変形例)
図10は、本発明の第1実施形態の第2変形例による半導体レーザ装置の構造を示した正面図である。図11〜図14は、図10に示した第1実施形態の第2変形例による半導体レーザ装置の製造プロセスを説明するための図である。まず、図10を参照して、この第1実施形態の第2変形例では、上記第1実施形態と異なり、基板の上面に段差部4cが形成されたn型GaN基板4を用いて2波長半導体レーザ素子160を形成する場合について説明する。
ここで、第1実施形態の第2変形例では、図10に示すように、約100μmの厚みを有するn型GaN基板4の上面4aには、約0.5μmの段差を有する段差部4cが形成されており、上面4bは、上面4aに対して約0.5μmだけC1方向に下がった位置に形成されている。2波長半導体レーザ素子160は、n型GaN基板4の上面4aの領域上に青色半導体レーザ素子110が形成されるとともに、上面4bの領域上に緑色半導体レーザ素子130が形成されている。なお、n型GaN基板4は、本発明の「半導体基体」の一例である。
また、第1実施形態の第2変形例では、青色半導体レーザ素子110と緑色半導体レーザ素子130とを比較した場合、青色半導体レーザ素子110におけるn型GaN基板4の下面4dからp型クラッド層13の凸部13aの上面までの半導体素子層の厚みt21(約102.4μm)よりも、緑色半導体レーザ素子130におけるn型GaN基板4の下面4dからp型クラッド層33の凸部33aの上面までの半導体素子層の厚みt22(約103.1μm)が大きく(t21<t22)なるように構成されている。したがって、青色半導体レーザ素子110のp側オーミック電極14の下面(凸部13aの上面)からp側パッド電極16bの上面までの厚みt23(約1150nm)は、緑色半導体レーザ素子130のp側オーミック電極34の下面(凸部33aの上面)からp側パッド電極36bまでの厚みt24(約450nm)よりも大きく(t23>t24)形成されている。これにより、青色半導体レーザ素子110のn型GaN基板4の下面4dからサブマウント90の下面までの厚み(t21+t23)と、緑色半導体レーザ素子130のn型GaN基板4の下面4dからサブマウント90の下面までの厚み(t22+t24)とは略同じ厚みを有している。また、上記t23>t24の関係に加えて、p側パッド電極16bの厚みt25が、p側パッド電極36bの厚みt26よりも大きく(t25>t26)形成されている。
具体的には、p側パッド電極16bの最上層に位置するAu層は、約1000nmの厚みを有している。第1実施形態の第2変形例における半導体レーザ装置120のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
また、この第2変形例の半導体レーザ装置120をプロジェクタ装置等の表示装置あるいは他の光学装置に搭載する場合、好ましくは、半導体レーザ装置120は、サブマウント90の上面側を各装置のベース等に接合するように固定される。この場合、第1実施形態の第2変形例では、n型GaN基板4の上面に段差部4cが形成されているので、緑色半導体レーザ素子130のMQW活性層32の位置をn型GaN基板4側(C1側)に近づけることができる。これにより、青色半導体レーザ素子110および緑色半導体レーザ素子130の各々の発光位置の高さ(サブマウント90の上面(2波長半導体レーザ素子160が接合されている表面とは反対側の面)から、MQW活性層12の下面(n型クラッド層11と接する面)までの距離T1およびMQW活性層32の下面(n型クラッド層31と接する面)までの距離T2)を近づけることができる。その結果、半導体レーザ装置120の搭載面(サブマウント90の上面)からの各半導体レーザ素子の発光位置の高さを近づけることができるので、この第2変形例の半導体レーザ装置120と光学系とを組み合わせる際に、光学系を容易に調整することができる。
また、第1実施形態の第2変形例では、p側パッド電極16bの上面とp側パッド電極36bの上面(C2側)とが略同一平面に揃えられている。これにより、2波長半導体レーザ素子160は、C方向に略同じ厚みの導電性接着層1aおよび1bを介してサブマウント90に固定されている。なお、p側パッド電極16bおよび36bは、それぞれ、本発明の「第1パッド電極」および「第2パッド電極」の一例である。また、下面4dは、本発明の「他方側の表面」の一例である。
次に、図10〜図14を参照して、第1実施形態の第2変形例による半導体レーザ装置120の製造プロセスについて説明する。
第1実施形態の第2変形例による半導体レーザ装置120の製造プロセスでは、まず、図11に示すように、MOCVD法を用いて、n型GaN基板4の上面4a上に、n型クラッド層11、MQW活性層12およびp型クラッド層13を順次成長させて半導体素子層10cを形成する。続いて、フォトリソグラフィを用いて、p型クラッド層13の表面上にB方向に所定の間隔を隔てた状態でA方向(紙面垂直方向)に延びるレジスト51をパターニングする。
その後、図12に示すように、パターニングされたレジスト51をマスクとして、半導体素子層10cの一部をドライエッチングすることにより、上面4aよりもC1方向に下がった位置におけるn型GaN基板4の上面4bを露出させる。その後、レジスト51を除去する。
その後、図13に示すように、フォトリソグラフィを用いて、n型GaN基板4の上面4aの所定領域および青色半導体レーザ素子110となる半導体素子層10cの表面全体を覆うマスク52をパターニングする。この状態で、MOCVD法を用いて、マスク52から露出するn型GaN基板4の上面4b上に、n型クラッド層31、MQW活性層32およびp型クラッド層33を選択的に成長させて半導体素子層30cを形成する。なお、半導体素子層30cは、マスク52上にも積層される。その後、マスク52上に積層された半導体素子層30cの部分およびマスク52を除去する。
その後、p側オーミック電極14および34を形成した後、フォトリソグラフィおよびドライエッチングを用いてリッジ20および40を形成する。このようにして、図14に示すように、n型GaN基板4上に、青色半導体レーザ素子110の素子構造と緑色半導体レーザ素子130の素子構造とがB方向に所定の間隔を隔てて形成される。
なお、図14に示すように、半導体素子層10cおよび30cを形成する際、n型GaN基板4の下面4dからp型クラッド層13の上面およびp型クラッド層33の上面までのC方向の厚みが互いに異なるので、上記第1実施形態の製造プロセスと同様に、p側パッド電極16bの厚みt25とp側パッド電極36bの厚みt26とを異ならせて形成する(図10参照)ことにより、p側パッド電極16bおよび36bの上面の位置(図10において破線で示す)を略揃えている。なお、図7および図8を参照して、第1実施形態の第2変形例による半導体レーザ装置120の製造プロセスでは、金属層45(45aおよび45b)は、p側オーミック電極14および34上に、約10nmの厚みを有するTi層、約100nmの厚みを有するPd層および約1000nmのAu層をこの順に積層した後、金属層45bの上面が金属層45aの上面と略同一平面になるように、金属層45bの上面(最上層のAu層)の研磨を行うことにより形成している。
その後、上記第1実施形態と同様の製造プロセスを用いて、チップ化された2波長半導体レーザ素子160(図10参照)を形成する。最後に、導電性接着層1(1aおよび1b)を用いて2波長半導体レーザ素子160とサブマウント90とを接合することにより、半導体レーザ装置120(図10参照)が形成される。
第1実施形態の第2変形例では、上記のように、段差部4cにより上面4aおよび4bを有するn型GaN基板4を用いて2波長半導体レーザ素子160を形成する場合においても、p側電極層の部分の厚みt23およびt24(図10参照)が、t23>t24の関係を有することによって、青色半導体レーザ素子110の下面4dからp型クラッド層13の凸部13aの上面までの厚みt21と緑色半導体レーザ素子130の下面4dからp型クラッド層33の凸部33aの上面までの厚みt22とに差が生じる一方、p側電極層の部分に厚みの差(図10における厚みt23と厚みt24との差)を設けているので、青色半導体レーザ素子110の厚み(t21+t23)と緑色半導体レーザ素子130の厚み(t22+t24)との差をより小さくすることができる。これにより、共通のn型GaN基板4を含む青色半導体レーザ素子110および緑色半導体レーザ素子130の厚みを略揃えることができるので、この半導体レーザ装置120をジャンクションダウン方式で導電性接着層1を介してサブマウント90に接合する際、導電性接着層1に半導体レーザ素子の厚みの差を吸収させる必要がないので、導電性接着層1(1aおよび1b)を必要最小限の量に抑えることができる。したがって、上記第1実施形態の効果と同様に、半導体レーザ装置120を形成する際の歩留まりを向上させることができる。
第1実施形態の第2変形例におけるその他の構成は、上記第1実施形態と同様であり、第1実施形態の第2変形例における効果についても、上記第1実施形態と同様である。
(第1実施形態の第3変形例)
図15は、本発明の第1実施形態の第3変形例による半導体レーザ装置の構造を示した正面図である。図9および図15を参照して、この第1実施形態の第3変形例では、上記第1実施形態の第1変形例と異なり、p側パッド電極の厚みが差を有することに加えて、p側オーミック電極の厚みにも差を有する2波長半導体レーザ素子66を形成する場合について説明する。
ここで、第1実施形態の第3変形例では、図15に示すように、青色半導体レーザ素子10のp側オーミック電極14の厚みt11(約70nm)が緑色半導体レーザ素子30のp側オーミック電極34の厚みt12(約40nm)よりも大きくなる(t11>t12)ように構成されている。具体的には、p側オーミック電極14の最上層に位置するPt層が約60nmの厚みを有している。その他のp側オーミック電極14の構成は、第1実施形態の第1変形例におけるp側オーミック電極14と同様である。また、p側パッド電極16a(厚みt17)および36a(厚みt18)の構成は、第1実施形態の第1変形例のp側パッド電極16aおよび36aと同様である(すなわち、t17=t13、t18=t14)。したがって、p側オーミック電極14と34とに厚みの差を設ける分、p側パッド電極16aおよび36aの上面位置のずれΔt、すなわち、t1+t3とt2+t4との差が、上記第1実施形態の第1変形例における2波長半導体レーザ素子65(図9参照)におけるずれΔtよりも小さくなるように構成されている。
第1実施形態の第3変形例では、上記のように、p側オーミック電極14の厚みt11とp側オーミック電極34の厚みt12とが、t11>t12の関係を有することによって、青色半導体レーザ素子10の厚みと緑色半導体レーザ素子30の厚みとの差をより小さくすることができる。これにより、この半導体レーザ装置100をジャンクションダウン方式でサブマウント90に接合する際、導電性接着層1を必要最小限の量に抑えることができる。
第1実施形態の第3変形例におけるその他の構成は、上記第1実施形態の第1変形例と同様であり、第1実施形態の第3変形例における効果についても、上記第1実施形態の第1変形例と同様である。
(第2実施形態)
図16は、本発明の第2実施形態による半導体レーザ装置の構造を示した正面図である。図7、図10および図16を参照して、この第2実施形態では、上記第1実施形態およびその変形例と異なり、青色半導体レーザ素子210のn型GaN基板5を含めた厚みが、緑色半導体レーザ素子230のn型GaN基板5を含めた厚みよりも大きく形成されている場合について説明する。
本発明の第2実施形態による半導体レーザ装置200では、図16に示すように、約100μmの厚みを有するn型GaN基板5の上面5aには、約1.5μmの段差を有する段差部5cが形成されており、上面5bは、後述するエッチングによって、上面5aに対して約1.5μmだけC1方向に下がった位置に形成されている。なお、n型GaN基板5は、本発明の「半導体基体」の一例である。
ここで、第2実施形態では、2波長半導体レーザ素子260は、n型GaN基板5の上面5aの領域上に青色半導体レーザ素子210が形成されるとともに、上面5bの領域上に緑色半導体レーザ素子230が形成されている。また、段差部5cの大きさ(上面5aと5bとの隔たり)は、上記第1実施形態の第2変形例で用いたn型GaN基板4の段差部4c(図10参照)よりも大きく形成されている。
したがって、青色半導体レーザ素子210と緑色半導体レーザ素子230とを比較した場合、図16に示すように、青色半導体レーザ素子210におけるn型GaN基板5の下面5dからp型クラッド層13の凸部13aの上面までの半導体素子層の厚みt31(約102.4μm)よりも、緑色半導体レーザ素子230におけるn型GaN基板5の下面5dからp型クラッド層33の凸部33aの上面までの半導体素子層の厚みt32(約102.1μm)が小さく(t31>t32)なるように構成されている。また、上記の関係に対応するように、青色半導体レーザ素子210のp側電極層の厚みt33(p側オーミック電極14の下面(凸部13aの上面)からp側パッド電極216の上面までの厚み:約450nm)は、緑色半導体レーザ素子230のp側電極層の厚みt34(p側オーミック電極34の下面(凸部33aの上面)からp側パッド電極236の上面までの厚み:750nm)よりも小さく(t33<t34)形成されている。具体的には、p側パッド電極216は、p側オーミック電極14から近い順に、約10nmの厚みを有するTi層、約100nmの厚みを有するPd層および約340nmの厚みを有するAu層からなる。また、p側パッド電極236は、p側オーミック電極34から近い順に、約10nmの厚みを有するTi層、約100nmの厚みを有するPd層および約640nmの厚みを有するAu層からなる。これにより、青色半導体レーザ素子210のn型GaN基板5の下面5dからp側パッド電極216の上面までの厚み(t31+t33)と、緑色半導体レーザ素子230のn型GaN基板5の下面5dからp側パッド電極236の上面までの厚み(t32+t34)とは略同じ厚みを有している。すなわち、p側パッド電極216および236の上面(C2側)は略同一平面に揃えられるので、2波長半導体レーザ素子260は、C方向に略同じ厚みの導電性接着層1aおよび1bを介してサブマウント90に固定されている。なお、p側パッド電極216および236は、それぞれ、本発明の「第1パッド電極」および「第2パッド電極」の一例であり、下面5dは、本発明の「他方側の表面」の一例である。なお、第2実施形態における半導体レーザ装置200のその他の構成は、上記第1実施形態の第2変形例と同様である。
また、本発明の第2実施形態における半導体レーザ装置200の製造プロセスでは、n型GaN基板5に段差部5cを形成する際、エッチング時間を制御することにより、上記第1実施形態の第2変形例で用いたn型GaN基板4の段差部4c(図10参照)よりも大きな段差部5cを形成する。この結果、レーザ素子形成後の青色半導体レーザ素子210と緑色半導体レーザ素子230とでは、半導体素子層10cの厚みよりも半導体素子層30cの厚みが大きいにもかかわらず、青色半導体レーザ素子210におけるn型GaN基板5の下面5dからp型クラッド層13の凸部13aの上面までの厚みt31よりも緑色半導体レーザ素子230におけるn型GaN基板5の下面5dからp型クラッド層33の凸部33aの上面までの厚みt32が小さい関係を有するように形成される。したがって、p側パッド電極216および236を形成するCMP工程では、青色半導体レーザ素子210側に形成された金属層45(45a、図7参照)から先に研磨されて、緑色半導体レーザ素子230側の金属層45(45b)とC2方向の位置が略等しくなったところでCMP研磨を終了する。このようにして、2波長半導体レーザ素子260は形成される。なお、第2実施形態の効果は、上記第1実施形態の第2変形例と同様である。
(第3実施形態)
図17および図18は、それぞれ、本発明の第3実施形態による半導体レーザ装置の構造を示した正面図および平面図(下面図)である。図17および図18を参照して、この第3実施形態では、上記第1実施形態と異なり、2波長半導体レーザ素子60に導電性接着層1aおよび1bを介して赤色半導体レーザ素子70を接合して、赤色(R)、緑色(G)および青色(B)を出射するRGB3波長半導体レーザ装置300を形成する場合について説明する。なお、赤色半導体レーザ素子70は、本発明の「支持基台」および「半導体レーザ素子」の一例である。
本発明の第3実施形態によるRGB3波長半導体レーザ装置300では、図17に示すように、2波長半導体レーザ素子60が、AuSn半田などからなる導電性接着層1aおよび1bを介して約640nmの発振波長を有する赤色半導体レーザ素子70の下面上に接合されている。
また、赤色半導体レーザ素子70は、n型GaAs基板6の下面上に、SiドープAlGaInPからなるn型クラッド層71と、AlGaInP障壁層およびGaInP井戸層が交互に積層されたMQW活性層72と、ZnドープAlGaInPからなるp型クラッド層73とが形成されている。
また、p型クラッド層73は、その下面に図17の紙面垂直方向に延びる凸部と、凸部の両側(B方向)に延びる平坦部とを有している。また、このp型クラッド層73の凸部によって、光導波路を構成するためのリッジ80が形成されている。またリッジ80の下面上に、p型クラッド層73から近い順に、Cr層およびAu層からなるp側オーミック電極74が形成されている。また、p型クラッド層73の平坦部とリッジ80の側面とを覆うように、SiOからなる電流ブロック層75が形成されている。また、リッジ80および電流ブロック層75の下面上に、所定の厚みt5を有するAuなどからなるp側パッド電極76が形成されている。また、n型GaAs基板6の上面上に、n型GaAs基板6側からAuGe層、Ni層およびAu層の順に積層されたn側電極77が形成されている。
ここで、第3実施形態では、赤色半導体レーザ素子70が有するp側パッド電極76の厚みt5が、緑色半導体レーザ素子30のp側パッド電極36の厚みt14と導電性接着層1bの厚みとの合計厚みt6よりも小さく構成されている。したがって、赤色半導体レーザ素子70は、p側パッド電極76の下面が2波長半導体レーザ素子60(電流ブロック層15の部分)と接触することなく接合されている。
また、図18に示すように、赤色半導体レーザ素子70の共振器長(リッジ80のA方向の長さ)は、2波長半導体レーザ素子60の共振器長(リッジ20および40のA方向の長さ)よりも大きく形成されている。そして、赤色半導体レーザ素子70(図17参照)の下面(電流ブロック層75の下面)上には、p側パッド電極16および36に対応する位置に、Auからなる電極層391および392がそれぞれ形成されている。また、電極層391および392は、A方向(図18参照)に短冊状に延びるとともに2波長半導体レーザ素子60の共振器長よりも長く形成されている。したがって、2波長半導体レーザ素子60の青色半導体レーザ素子10および緑色半導体レーザ素子30は、図18に示すように、電極層391および392のうちの2波長半導体レーザ素子60が接合されていない領域391aおよび392aにワイヤボンディングされる金属線(図示せず)を介して外部に接続されるように構成されている。なお、第3実施形態によるRGB3波長半導体レーザ装置300のその他の構造は、上記第1実施形態と同様である。
図19および図20は、図17および図18に示した第3実施形態による半導体レーザ装置の製造プロセスを説明するための図である。次に、図8および図17〜図20を参照して、第3実施形態によるRGB3波長半導体レーザ装置300の製造プロセスについて説明する。
まず、上記第1実施形態と同様の製造プロセスを用いてウェハ状態の2波長半導体レーザ素子60(図8参照)を形成する。
次に、図19に示すように、MOCVD法を用いて、n型GaAs基板6の上面上に、n型クラッド層71、MQW活性層72およびp型クラッド層73を順次成長させて半導体素子層を形成する。その後、フォトリソグラフィとドライエッチングとを用いて、p型クラッド層73に、紙面垂直方向に延びるリッジ80を形成するとともに、リッジ80の上面上にp側オーミック電極74を形成する。その後、電流ブロック層75およびp側パッド電極76を順次形成する。
また、リッジ80の両側の電流ブロック層75の上面上に、リッジ80の延びる方向と平行なA方向に延びる電極層391および392を形成する。さらに、電極層391および392の表面上の所定領域に、約1μmの厚みを有する導電性接着層1(1aおよび1b)を形成しておく。その後、n型GaAs基板6が約100μmの厚みを有するようにn型GaAs基板6の下面を研磨した後、n型GaAs基板6の下面上にn側電極77を形成する。その後、n型GaAs基板6とn側電極77とを合金化するため、窒素雰囲気中で熱処理を行う。このようにして、ウェハ状態の赤色半導体レーザ素子70が形成される。
その後、図20に示すように、ウェハ状態の2波長半導体レーザ素子60と赤色半導体レーザ素子70とを、半導体素子層が形成された側同士を対向させながら熱圧着により接合する。この際、p側パッド電極16が電極層391に対応するとともに、p側パッド電極36が電極層392に対応するように接合してRGB3波長半導体レーザ装置300のウェハを作製する。
その後、赤色半導体レーザ素子70が約800μmの共振器長を有するようにウェハをB方向に劈開する。さらに、2波長半導体レーザ素子60の共振器長を赤色半導体レーザ素子70の共振器長よりも約200μmだけ短くするために、n型GaN基板2の裏面側(n側電極3が形成された側)をB方向に沿ってスクライブして2波長半導体レーザ素子60の一部を除去する。これにより、図19に示した2波長半導体レーザ素子60と赤色半導体レーザ素子70とで共振器長が異なるRGB3波長半導体レーザ装置300のバーが形成される。
最後に、破線810の位置でA方向(共振器方向)に沿って素子分割を行うことにより、チップ化されたRGB3波長半導体レーザ装置300(図17参照)が多数形成される。
第3実施形態では、上記のように、赤色半導体レーザ素子70が有するp側パッド電極76の厚みt5を、p側パッド電極36の厚みt14と導電性接着層1bの厚みとの合計厚みt6よりも小さく構成することによって、p側パッド電極76と青色半導体レーザ素子10および緑色半導体レーザ素子30とが接触しないので、容易に、RGB3波長半導体レーザ装置300を形成することができる。なお、第3実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
(第1実施形態の第4変形例)
図21は、本発明の第1実施形態の第4変形例による半導体レーザ装置の構造を示した正面図である。図21を参照して、この第1実施形態の第4変形例では、上記第1実施形態の第2変形例と異なり、青色半導体レーザ素子110および緑色半導体レーザ素子130の発光位置の高さが略等しくされている場合について説明する。
ここで、第1実施形態の第4変形例では、図21に示すように、n型GaN基板4の上面に形成されている段差部4cは、約1μmの段差を有しており、第1実施形態の第2変形例よりも大きな段差となっている。また、この段差部4cの段差(約1μm)は、n型クラッド層11および31の厚みの差に等しく設定されている。
また、第1実施形態の第4変形例では、p側パッド電極16cの厚みt25およびp側パッド電極36cの厚みt26を、それぞれ、約610nmおよび約410nmとしている。すなわち、第1実施形態の第2変形例と比較して、p側パッド電極16cの最上層に位置するAu層の厚みを、約500nmとした以外は、第1実施形態の第2変形例におけるp側パッド電極16bおよび36bと同様の構成を有している。これにより、p側パッド電極16cおよび36cの各上面(C2側の面)が略同一平面(破線で示す)に揃うようにされている。第1実施形態の第4変形例における半導体レーザ装置121のその他の構成は、上記第1実施形態の第2変形例と同様である。
この第1実施形態の第4変形例の半導体レーザ装置121をプロジェクタ装置等の表示装置あるいは他の光学装置に搭載する場合にも、好ましくは、半導体レーザ装置121は、サブマウント90の上面側を各装置のベース等に接合するように固定される。この場合、この第4変形例では、上記のように、n型クラッド層11および31の厚みの差に等しい段差を有する段差部4cがn型GaN基板4の上面に形成されている。これにより、青色半導体レーザ素子110および緑色半導体レーザ素子130の発光位置の高さ(サブマウント90の上面(2波長半導体レーザ素子160が接合されている表面とは反対側の面)からMQW活性層12の下面(n型クラッド層11と接する面)およびMQW活性層32の下面(n型クラッド層31と接する面)までのそれぞれの距離T1およびT2)を略同じにすることができる。その結果、半導体レーザ装置121の搭載面(サブマウント90の上面)からの各半導体レーザ素子の発光高さを略同じにすることができるので、この第4変形例の半導体レーザ装置121と光学系とを組み合わせる際に、光学系をさらに容易に調整することができる。第1実施形態の第4変形例におけるその他の効果は、上記第1実施形態の第2変形例と同様である。
(第1実施形態の第5変形例)
図22は、本発明の第1実施形態の第5変形例による半導体レーザ装置の構造を示した正面図である。図23および図24は、図22に示した第1実施形態の第5変形例による半導体レーザ装置の製造プロセスを説明するための図である。まず、図22を参照して、この第1実施形態の第4変形例では、上記第1実施形態の第2変形例と異なり、青色半導体レーザ素子110および緑色半導体レーザ素子130とn型GaN基板2の上面との間に、それぞれ、バッファ層が形成されている場合について説明する。
ここで、第1実施形態の第5変形例では、図22に示すように、n型GaN基板2の上面2a上には、約3μmの厚みを有するn型Al0.01Ga0.99Nからなる第1バッファ層7が形成されている。また、第1バッファ層7の上面7aには、約2μmの段差を有する段差部7cが形成されており、上面7bは、上面7aに対して約2μmだけC1方向に下がった位置に形成されている。さらに、第1バッファ層7の上面7bの領域上には、約1μmの厚みを有するn型GaNからなる第2バッファ層8が形成されている。ここで、第1バッファ層7の段差部7cの段差と第2バッファ層8との厚みとの差(約1μm)は、n型クラッド層11および31の厚みの差に等しく設定されている。
そして、この第5変形例の2波長半導体レーザ素子161を構成する青色半導体レーザ素子110は、第1バッファ層7の上面7aの領域上に直接形成されるとともに、緑色半導体レーザ素子130は、第2バッファ層8上に形成されている。また、電流ブロック層15は、青色半導体レーザ素子110および緑色半導体レーザ素子130が形成されていない第1バッファ層7の上面7a上にまで形成されている。第1実施形態の第5変形例における半導体レーザ装置122のその他の構成は、上記第1実施形態の第4変形例と同様である。
この第1実施形態の第5変形例では、上記のように、基板2とn型クラッド層11および31との間に、それぞれ、第1バッファ層7および第2バッファ層8を形成しているので、n型クラッド層11および31の結晶性を改良することができる。第1実施形態の第5変形例におけるその他の効果は、上記第1実施形態の第2変形例と同様である。
次に、図22〜図24を参照して、第1実施形態の第5変形例による半導体レーザ装置160の製造プロセスについて説明する。
第1実施形態の第5変形例による半導体レーザ装置122の製造プロセスでは、まず、図23に示すように、MOCVD法を用いて、n型GaN基板2の上面2a上に、第1バッファ層7、n型クラッド層11、MQW活性層12およびp型クラッド層13を順次形成する。続いて、フォトリソグラフィを用いて、p型クラッド層13の表面上にB方向に所定の間隔を隔てた状態でA方向(紙面垂直方向)に延びるレジスト51をパターニングする。
その後、パターニングされたレジスト51をマスクとして、半導体素子層10c(n型クラッド層11、MQW活性層12およびp型クラッド層13)の一部をドライエッチングすることにより、第1バッファ層7の上面7aよりもC1方向に下がった位置における第1バッファ層7の上面7bを露出させる。その後、レジスト51を除去する。
次に、図24に示すように、フォトリソグラフィを用いて、第1バッファ層7の上面7aの所定領域および青色半導体レーザ素子110となる半導体素子層10cの表面全体を覆うマスク52をパターニングする。この状態で、MOCVD法を用いて、マスク52から露出する第1バッファ層7の上面7b上に、選択的に第2バッファ層8を形成する。続いて、第2バッファ層8の上面およびマスク52の表面全体を覆うように、n型クラッド層31、MQW活性層32およびp型クラッド層33からなる半導体素子層30cを形成する。その後、マスク52上に積層された半導体素子層30cの部分およびマスク52を除去する。
その後は、第1実施形態の第2変形例と同様の製造プロセスを用いて、図21に示すような2波長半導体レーザ素子161とサブマウント90とが接合された半導体レーザ装置122が形成される。
第1実施形態の第5変形例では、第1バッファ層7の段差部7cの段差と第2バッファ層8との厚みとの差がn型クラッド層11および31の厚みの差に等しくなるように、第1バッファ層7および第2バッファ層8を形成しているので、青色半導体レーザ素子110および緑色半導体レーザ素子130の発光位置(サブマウント90の上面(2波長半導体レーザ素子160が接合されている表面とは反対側の面)からMQW活性層12までの距離T1およびMQW活性層32までの距離T2)を容易に略同じにすることができる。第1実施形態の第5変形例におけるその他の効果は、上記第1実施形態の第2変形例と同様である。
(第1実施形態の第6変形例)
図25は、本発明の第1実施形態の第6変形例による半導体レーザ装置の構造を示した正面図である。図25を参照して、この第1実施形態の第6変形例では、上記第1実施形態の第4変形例と異なり、p側パッド電極の上面位置のずれに対して、サブマウントに段差部を形成する場合について説明する。
ここで、第1実施形態の第6変形例では、p側パッド電極16dの厚みt25が、第1実施形態の第4変形例のp側パッド電極16cの厚みより小さくなっている。具体的には、p側パッド電極16dの最上層に位置するAu層の厚みが約400nmであって、その他の構成は、第1実施形態の第4変形例のp側パッド電極16cと同様である。また、p側パッド電極36dの構成は、第1実施形態の第4変形例のp側パッド電極36cと同様である。これにより、p側パッド電極16dおよび36dの各上面(C2側の面)の位置にずれ(Δt=約0.1μm)が生じている。これに対して、サブマウント90の下面90a(C1側の面)には、Δtに略等しい約0.1μmの段差を有する段差部90cが形成されており、下面90bは、下面90aに対して約0.1μmだけC2方向に上がった位置に形成されている。また、p側パッド電極36dは、下面90b上に形成されている電極層92および導電性接着層1(1b)を介して、サブマウント90に接合されている。第1実施形態の第6変形例における半導体レーザ装置122のその他の構成は、上記第1実施形態の第4変形例と同様である。
この第1実施形態の第6変形例では、上記のように、p側パッド電極16dおよび36dの各上面位置にずれ(Δt)が生じた場合であっても、サブマウント90の下面90aにΔtの段差を有する段差部90cが形成されているので、サブマウント90に対して、2波長半導体レーザ素子162を傾けることなく、容易に接合することができる。これにより、青色半導体レーザ素子110および緑色半導体レーザ素子130の発光高さ(サブマウント90の上面(2波長半導体レーザ素子162が接合されている表面とは反対側の面)からMQW活性層12の下面(n型クラッド層11と接する面)までの距離T1およびMQW活性層32の下面(n型クラッド層31と接する面)までの距離T2)を容易に略同じにすることができる。
また、この場合、導電性接着層1aおよび1bは、それぞれ、厚みを変える必要はなく、略同じ厚みに設定することができる。これにより、導電性接着層1aおよび1bを必要最小限の量に抑えることができるので、接合後にはみ出す余分な導電性接着層1aおよび1bの量も低減することができる。第1実施形態の第6変形例におけるその他の効果は、上記第1実施形態の第2変形例と同様である。
(第4実施形態)
図26は、本発明の第4実施形態による半導体レーザ装置の構造を示した正面図である。図26を参照して、この第4実施形態では、n型GaN基板2の同一面側に形成した青色半導体レーザ素子110、緑色半導体レーザ素子130および赤色半導体レーザ素子170を備えたRGB3波長半導体レーザ素子164を、サブマウント90にジャンクションダウン方式で接合した場合について説明する。
本発明の第4実施形態による半導体レーザ装置400では、図22を参照して、第1実施形態の第5変形例と同様に、n型GaN基板4の上面4a上に形成されたバッファ層7上に青色半導体レーザ素子110および緑色半導体レーザ素子130を備えている。また、n型GaN基板4の上面4a上には、約0.5μmの段差を有する段差部4cが形成されており、上面4bは、上面4aに対して約0.5μmだけC1方向に下がった位置に形成されている。さらに、n型GaN基板4の上面4bの領域上には、約1μmの厚みを有するn型GaNからなる第3バッファ層9が形成されている。
青色半導体レーザ素子110のp側パッド電極16eは、最上層に位置するAu層の厚みが約600nmである以外は、第1実施形態の第5変形例のp側パッド電極16cと同様の構成を有している。また、緑色半導体レーザ素子130のp側パッド電極36eは、最上層に位置するAu層の厚みが約400nmである以外は、第1実施形態の第5変形例ののp側パッド電極36cと同様の構成を有している。
赤色半導体レーザ素子170は、第3バッファ層9上に形成されており、具体的には、第3バッファ層9の上面上に、約4.5μmの厚みを有するn型AlGaNからなるn型クラッド層171と、約10nmの厚みを有する2層のInGaNからなる量子井戸層および約50nmの厚みを有する3層のInGaNからなる障壁層が交互に積層され、
約170nmの厚みを有するMQW活性層172と、約0.53μmの厚みを有するp型AlGaNからなるp型クラッド層173とが形成されている。
また、p型クラッド層173は、その上面に図26の紙面垂直方向に延びる凸部173aと、凸部173aの両側(B1方向およびB2方向)に延びる平坦部とを有している。このp型クラッド層173の凸部33aによって、光導波路を構成するためのリッジ140が形成されている。なお、上記p型クラッド層173の厚みは、凸部173a上での厚みを示している。またリッジ140上に、p型クラッド層173から近い順に、約1nmの厚みを有するPt層、約9nmの厚みを有するPd層および約30nmの厚みを有するPt層からなるp側オーミック電極174が形成されている。
また、p型クラッド層173の平坦部とリッジ140の側面とを覆うように、青色半導体レーザ素子110および緑色半導体レーザ素子130から延びる電流ブロック層15が形成されている。なお、電流ブロック層15は、青色半導体レーザ素子110、緑色半導体レーザ素子130および赤色半導体レーザ素子170が形成されていないn型GaN基板4の上面4bおよび第1バッファ層7の上面7a上にも形成されている。また、リッジ140および電流ブロック層15の上面上に、p側オーミック電極174から近い順に、約10nmの厚みを有するTi層、約100nmの厚みを有するPd層および約300nmのAu層からなり、約410nmの厚みt29を有するp側パッド電極176が形成されている。ここで、上記p側パッド電極176の厚みは、凸部173a上での厚みを示している。
サブマウント90の下面上には、p側パッド電極176に対応する位置に、リッジ140が延びる方向に平行に短冊状に延びるAuからなる電極層93が形成されている。また、p側パッド電極176と電極層93との間には、約0.9μmの厚みを有する導電性接着層1(1e)が形成されており、導電性接着層1(1e)を介して、赤色半導体レーザ素子170とサブマウント90とが接合されている。第4実施形態における半導体レーザ装置400のその他の構成は、上記第1実施形態の第5変形例と同様である。
この第4実施形態では、上記のように、赤色半導体レーザ素子170の高さ(n型GaN基板4の下面4dからp型クラッド層173の上面までの高さt30と、p側電極の厚みt28(p側パッド電極176の厚みt29およびp側オーミック電極174の厚みの和)との和)を青色半導体レーザ素子110の高さ(n型GaN基板4の下面4dからp型クラッド層13の上面までの高さt21と、p側電極の厚みt23(p側パッド電極16eの厚みt25およびp側オーミック電極14の厚みの和)との和)および緑色半導体レーザ素子130(n型GaN基板4の下面4dからp型クラッド層33の上面までの高さt27と、p側電極の厚みt24(p側パッド電極36eの厚みt26およびp側オーミック電極34の厚みの和)との和)と略等しくすることにより、p側パッド電極16e、36eおよび176の各上面(C2側の面)を略同一平面(破線で示す)に揃えることができる。この結果、この半導体レーザ装置400をジャンクションダウン方式で導電性接着層1を介してサブマウント90に接合する際、導電性接着層1に半導体レーザ素子の厚みの差を吸収させる必要がないので、導電性接着層1(1a、1bおよび1e)を必要最小限の量に抑えることができる。これにより、接合後に余分な導電性接着層1がはみ出すことに起因してレーザ素子同士の電気的な短絡が生じるという不都合が抑制されるので、半導体レーザ装置400を形成する際の歩留まりを向上させることができる。
また、この第4実施形態では、上記のように、n型クラッド層11および171の厚みの差を、n型GaN基板上の段差部4cの段差および第1バッファ層7の厚みの和と、第3バッファ層9の厚みとの差に略等しくしている。これにより、青色半導体レーザ素子110、緑色半導体レーザ素子130および赤色半導体レーザ素子170の発光高さ(サブマウント90の上面からMQW活性層12、MQW活性層32およびMQW活性層172のそれぞれの下面(n型クラッド層11、31および171と接する面)までの距離T1、T2およびT3)を略同じにすることができる。その結果、この第4実施形態の3波長半導体レーザ素子400と光学系とを組み合わせる際に、光学系を容易に調整することができる。
また、この第4実施形態では、上記のように、青色半導体レーザ素子110、緑色半導体レーザ素子130および赤色半導体レーザ素子170が、いずれもサブマウント90に対してジャンクションダウンで接合されているので、例えば、第3実施形態のRGB3波長半導体レーザ装置300と比べて、放熱性が良好である。これにより、青色半導体レーザ素子110、緑色半導体レーザ素子130および赤色半導体レーザ素子170の高出力時あるいは長時間使用時においても熱的安定性に優れており、信頼性を向上させることができる。
また、この第4実施形態では、上記のように、青色半導体レーザ素子110、緑色半導体レーザ素子130および赤色半導体レーザ素子170を、いずれも窒化物系半導体材料を用いて形成している。これにより、同一のn型GaN基板4上に3つの半導体レーザ素子110、130および170を作製することができるので、半導体レーザ装置400を小型にできるとともに、各半導体レーザ素子110、130および170から出射されるビームの間隔を精密に作製することができる。第4実施形態におけるその他の効果は、上記第1実施形態の第5変形例と同様である。
(第5実施形態)
図27は、本発明の第5実施形態によるプロジェクタ装置の構成を示した構成図である。図28は、図27の本発明の第5実施形態によるプロジェクタ装置に用いるレーザ光源のキャップを外した状態でレーザ光の出射方向から見た際の正面図である。図27及び図28を参照して、第5実施形態では、本発明の第4実施形態による半導体レーザ装置400を含むプロジェクタ装置1000の構成について説明する。なお、プロジェクタ装置1000は、本発明の「表示装置」の一例である。
プロジェクタ装置1000では、図27に示すように、レーザ光源401と、複数の光学部品からなる光学系500と、レーザ光源401および光学系500を制御する制御部550とを備えている。レーザ光源401から出射されたレーザ光は、光学系500により変調された後、外部のスクリーンSなどに投影されるように構成されている。なお、光学系500は、本発明の「変調手段」の一例である。
また、レーザ光源401は、図28に示すように、前面にヘッダ411aが一体的に形成されている導電性材料からなるベース411を有しており、ヘッダ411aの上面には、第4実施形態の半導体レーザ装置400が接合されている。このとき、半導体レーザ装置400は、図26を参照して、サブマウント90の下面とヘッダ411aの上面とが半田からなる接合層(図示せず)により接合されている。
また、ベース411には、後面からリード412、413、414及び415が取り付けられており、リード412〜415は、ベース411を貫通するとともに、絶縁部材(図示せず)を介して、互いに電気的に絶縁するように固定されている。さらに、リード412、413および414は、それぞれ、ワイヤー(図示せず)を介して、電極層91、92および93(図26参照)の上面に電気的に接続されている。
また、リード415は、ベース411と一体的に形成されている。青色半導体レーザ素子110、緑色半導体レーザ素子130および赤色半導体レーザ素子170のn側電極3は、ワイヤー(図示せず)を介して、ヘッダ411aの上面に電気的に接続されており、青色半導体レーザ素子110、緑色半導体レーザ素子130、および、赤色半導体レーザ素子170は、カソードコモンの結線でリード415と電気的に接続されている。
また、レーザ光源401では、ベース411の前面に光学窓を有するキャップ(図示せず)を配置することにより、内部の半導体レーザ装置400の封止を行っている。なお、各半導体レーザ素子からのレーザ光は、この光学窓を介して出射される。
次に、レーザ光源401から出射されたレーザ光は、光学系500において、凹レンズと凸レンズとからなる分散角制御レンズ501により所定ビーム径を有する平行光に変換された後、フライアイインテグレータ502に入射される。また、フライアイインテグレータ502では、蝿の目状のレンズ群からなる2つのフライアイレンズが向き合うように構成されており、液晶パネル503、504および505に入射する際の光量分布が均一となるように分散角制御レンズ501から入射される光に対してレンズ作用を付与する。すなわち、フライアイインテグレータ502を透過した光は、液晶パネル503、504および505のサイズに対応したアスペクト比(たとえば16:9)の広がりをもって入射できるように調整されている。
また、フライアイインテグレータ502を透過した光は、コンデンサレンズ506によって集光される。また、コンデンサレンズ506を透過した光のうち、赤色半導体レーザ素子170から出射された赤色光のみがダイクロイックミラー507によって反射される一方、緑色半導体レーザ素子130から出射された緑色光、および、青色半導体レーザ素子110から出射された青色光はダイクロイックミラー507を透過する。
そして、赤色光は、ミラー508を経てレンズ509による平行化の後に入射側偏光板510を介して液晶パネル503に入射される。この液晶パネル503は、赤色用の画像信号(R画像信号)に応じて駆動されることにより赤色光を変調する。
また、ダイクロイックミラー511では、ダイクロイックミラー507を透過した光のうちの緑色光のみが反射される一方、青色光はダイクロイックミラー511を透過する。
そして、緑色光は、レンズ512による平行化の後に入射側偏光板513を介して液晶パネル504に入射される。この液晶パネル504は、緑色用の画像信号(G画像信号)に応じて駆動されることにより緑色光を変調する。
また、ダイクロイックミラー511を透過した青色光は、レンズ514、ミラー515、レンズ516およびミラー517を経て、さらにレンズ518によって平行化がなされた後、入射側偏光板519を介して液晶パネル505に入射される。この液晶パネル505は、青色用の画像信号(B画像信号)に応じて駆動されることにより青色光を変調する。
その後、液晶パネル503、504および505によって変調された赤色光、緑色光および青色光は、ダイクロイックプリズム520により合成された後、出射側偏光板521を介して投写レンズ522へと入射される。また、投写レンズ522は、投写光を被投写面(スクリーンS)上に結像させるためのレンズ群と、レンズ群の一部を光軸方向に変位させて投写画像のズームおよびフォーカスを調整するためのアクチュエータを内蔵している。
また、プロジェクタ装置1000では、制御部550によって赤色半導体レーザ素子170の駆動に関するR信号、緑色半導体レーザ素子130の駆動に関するG信号および青色半導体レーザ素子110の駆動に関するB信号としての定常的な電圧が、半導体レーザ装置400の各レーザ素子に供給されるように制御される。これによって、半導体レーザ装置400の赤色半導体レーザ素子170、緑色半導体レーザ素子130および青色半導体レーザ素子110は、実質的に同時に発振されるように構成されている。また、制御部550からのR画像信号、G画像信号およびB画像信号によって液晶パネル503、503および505をそれぞれ駆動することで、半導体レーザ装置400の赤色半導体レーザ素子170、緑色半導体レーザ素子130および青色半導体レーザ素子110から出射されたの各々の光の強度を制御する。これによって、スクリーンSに投写される画素の色相や輝度などが制御されるように構成されている。これらの結果、制御部550によって所望の画像がスクリーンSに投写される。
(第6実施形態)
図29は、本発明の第6実施形態によるプロジェクタ装置の構成を示した構成図である。図30は、図29の本発明の第6実施形態によるプロジェクタ装置に用いるレーザ光源のキャップを外した状態でレーザ光の出射方向から見た際の正面図である。図31は、図29のレーザ光源301を駆動するためのタイミングチャート示した図である。図29〜図31を参照して、第6実施形態では、本発明の第3実施形態による半導体レーザ装置300を含むプロジェクタ装置2000の構成について説明する。なお、プロジェクタ装置2000は、本発明の「表示装置」の一例である。
プロジェクタ装置2000は、図29に示すように、レーザ光源301と光学系600と、半導体レーザ装置401および光学系600を制御する制御部650とを備えている。これにより、レーザ光源301からのレーザ光が、光学系600により変調された後、スクリーンSなどに投影されるように構成されている。なお、光学系600は、本発明の「変調手段」の一例である。
また、レーザ光源301は、図30に示すように、前面にヘッダ311aが一体的に形成されている導電性材料からなるベース311を有しており、ヘッダ311aの上面には、第3実施形態の半導体レーザ装置300が接合されている。このとき、半導体レーザ装置300は、図17を参照して、赤色半導体レーザ素子70のn側電極77とヘッダ311aの上面とが半田からなる接合層(図示せず)により接合されている。
また、ベース311には、後面からリード312、313、314及び315が取り付けられており、リード312〜315は、ベース311を貫通するとともに、絶縁部材(図示せず)を介して、互いに電気的に絶縁するように固定されている。さらに、リード312および314は、それぞれ、ワイヤー(図示せず)を介して、電極層392(392a)および391(391a)(図18参照)の上面に電気的に接続されている。また、リード313は、2波長半導体レーザ素子60側(C1側)から見て、露出されたp側パッド電極76(図18参照)の上面に電気的に接続されている。
また、リード315は、ベース311と一体的に形成されている。青色半導体レーザ素子10および緑色半導体レーザ素子30のn側電極3は、ワイヤー(図示せず)を介して、ヘッダ311aの上面に電気的に接続されており、青色半導体レーザ素子10、緑色半導体レーザ素子30、および、赤色半導体レーザ素子70は、カソードコモンの結線でリード315と電気的に接続されている。
また、レーザ光源301では、ベース311の前面から光学窓を有するキャップ(図示せず)により、内部の半導体レーザ装置300の封止を行っている。なお、各半導体レーザ素子からのレーザ光は、この光学窓を介して出射される。
また、光学系600において、レーザ光源301から出射されたレーザ光は、それぞれ、レンズ601により平行光に変換された後、ライトパイプ602に入射される。
ライトパイプ602は内面が鏡面となっており、レーザ光は、ライトパイプ602の内面で反射を繰り返しながらライトパイプ602内を進行する。この際、ライトパイプ602内での多重反射作用によって、ライトパイプ602から出射される各色のレーザ光の強度分布が均一化される。また、ライトパイプ602から出射されたレーザ光は、リレー光学系603を介してデジタルマイクロミラーデバイス(DMD)素子604に入射される。
DMD素子604は、マトリクス状に配置された微小なミラー群からなる。また、DMD素子604は、各画素位置の光の反射方向を、投写レンズ605に向かう第1の方向Aと投写レンズ605から逸れる第2の方向Bとに切り替えることにより各画素の階調を表現(変調)する機能を有している。各画素位置に入射されるレーザ光のうち第1の方向Aに反射された光(ON光)は、投写レンズ605に入射されて被投写面(スクリーンS)に投写される。また、DMD素子604によって第2の方向Bに反射された光(OFF光)は、投写レンズ605には入射されずに光吸収体606によって吸収される。
また、プロジェクタ装置2000では、制御部650によりパルス電源がレーザ光源301に供給されるように制御されることによって、半導体レーザ装置300の赤色半導体レーザ素子70、緑色半導体レーザ素子30および青色半導体レーザ素子10は、時系列的に分割されて1素子ずつ周期的に駆動されるように構成されている。また、制御部650によって、光学系600のDMD素子604は、赤色半導体レーザ素子70、緑色半導体レーザ素子30および青色半導体レーザ素子10の駆動状態とそれぞれ同期しながら、各画素(R、GおよびB)の階調に合わせて光を変調するように構成されている。
具体的には、図31に示すように、赤色半導体レーザ素子70(図17参照)の駆動に関するR信号、緑色半導体レーザ素子30(図17参照)の駆動に関するG信号、および青色半導体レーザ素子10(図17参照)の駆動に関するB信号が、互いに重ならないように時系列的に分割された状態で、制御部650(図32参照)によって、半導体レーザ装置300の各レーザ素子に供給される。また、このB信号、G信号およびR信号に同期して、制御部650からB画像信号、G画像信号、R画像信号がそれぞれDMD素子603に出力される。
これにより、図31に示したタイミングチャートにおけるB信号に基づいて、青色半導体レーザ素子10の青色光が発光されるとともに、このタイミングで、B画像信号に基づいて、DMD素子603により青色光が変調される。また、B信号の次に出力されるG信号に基づいて、緑色半導体レーザ素子30の緑色光が発光されるとともに、このタイミングで、G画像信号に基づいて、DMD素子603により緑色光が変調される。さらに、G信号の次に出力されるR信号に基づいて、赤色半導体レーザ素子70の赤色光が発光されるとともに、このタイミングで、R画像信号に基づいて、DMD素子603により赤色光が変調される。その後、R信号の次に出力されるB信号に基づいて、青色半導体レーザ素子10の青色光が発光されるとともに、このタイミングで、再度、B画像信号に基づいて、DMD素子604により青色光が変調される。上記の動作が繰り返されることによって、B画像信号、G画像信号およびR画像信号に基づいたレーザ光照射による画像が、被投写面(スクリーンS)に投写される。
第5実施形態および第6実施形態では、それぞれ、第4実施形態および第3実施形態の半導体レーザ装置400および300を含むレーザ光源401および301を用いているので、プロジェクタ装置1000および2000を製造する際の歩留まりを向上させることができる。また、レーザ光源401および301内にモノリシックに形成された第4実施形態および第3実施形態の半導体レーザ装置400および300を用いているので、光学系500および600と組み合わせる際に、光学系500および600を容易に調整することができる。
また、第5実施形態では、上記のように、赤色半導体レーザ素子170、緑色半導体レーザ素子130および青色半導体レーザ素子110が常時同時発振される。これにより、各半導体レーザ素子110、130および170からの発熱が特に顕著となる。これに対して、本実施形態では、レーザ光源401に第4実施形態による半導体レーザ装置400を用いているので、放熱性を向上させることができる。これにより、青色半導体レーザ素子110、緑色半導体レーザ素子130および赤色半導体レーザ素子170の高出力時あるいは長時間使用時においても熱的安定性を向上させることができる。その結果、プロジェクタ装置の信頼性を向上させることができる。第5および第6実施形態におけるその他の効果は、上記各実施形態と同様である。
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
たとえば、上記実施形態では、共に1つの発光部を有する青色半導体レーザ素子10と緑色半導体レーザ素子30とによって2波長半導体レーザ素子を構成した例について示したが、本発明はこれに限らず、複数個の発光部を有する青色半導体レーザ素子および緑色半導体レーザ素子を集積化した2波長半導体レーザ素子を構成するとともに、この2波長半導体レーザ素子をサブマウント90などに接合するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、n型GaN基板の表面上に青色半導体レーザ素子および緑色半導体レーザ素子を形成した例について示したが、本発明はこれに限らず、成長用基板の表面上に剥離層や共通のn型コンタクト層などを形成した後に青色半導体レーザ素子および緑色半導体レーザ素子を形成してもよい。そして、この2波長半導体レーザ素子を支持基台または赤色半導体レーザ素子に接合した後に、成長用基板のみを剥離することにより、本発明の「半導体基体」が、n型コンタクト層などのみからなる半導体レーザ装置を形成してもよい。なお、この場合、成長用基板の剥離後のn型コンタクト層の下面にn側電極が形成される。また、この場合、共通のn型コンタクト層は、一方のレーザ素子のn型クラッド層を兼ねていてもよい。
また、上記第1実施形態の第1変形例では、p側パッド電極16aの上面がp側パッド電極36aの上面よりもC1方向に若干下がった位置に形成された例について示したが、本発明はこれに限らず、p側パッド電極16aの上面がp側パッド電極36aの上面よりもC2方向に若干上がった位置に形成されていてもよい。また、この場合、第6変形例と同様に、サブマウント90の下面に段差部を形成することにより、p側パッド電極16aに対応するサブマウント90の下面の領域を上面方向に上がった位置に形成してもよい。
また、上記実施形態では、緑色半導体レーザ素子のp型クラッド層33の厚みを青色半導体レーザ素子のp型クラッド層13の厚みよりも大きく形成した例について示したが、本発明はこれに限らず、青色半導体レーザ素子の厚み(n型GaN基板の下面からp型クラッド層の上面までの厚み)が緑色半導体レーザ素子の厚み(n型GaN基板の下面からp型クラッド層の上面までの厚み)よりも大きい場合、青色半導体レーザ素子のp型クラッド層(第1半導体層)の厚みを緑色半導体レーザ素子のp型クラッド層(第2半導体層)の厚みよりも大きくなるように形成してもよい。
また、上記第3実施形態では、2波長半導体レーザ素子60を赤色半導体レーザ素子70に接合してRGB3波長半導体レーザ装置300を形成した例について示したが、本発明はこれに限らず、赤色半導体レーザ素子以外のたとえば紫外光半導体レーザなどを用いて多波長半導体レーザ装置を形成してもよい。
また、上記実施形態では、誘電体のブロック層を有するリッジ導波型半導体レーザによって2波長半導体レーザ素子またはRGB3波長半導体レーザ素子について示したが、本発明はこれに限らず、半導体のブロック層を有するリッジ導波型半導体レーザや、埋め込みヘテロ構造(BH)の半導体レーザや、平坦な上部クラッド層上にストライプ状の開口部を有する電流ブロック層を形成した利得導波型の半導体レーザを形成してもよい。
また、上記実施形態では、電極層の厚みは、いずれも等しくされていたが、本発明はこれに限らず、各層の厚みに応じて、変えてもよい。これにより、基板やサブマウントに段差部を設けた場合や、バッファ層を形成した場合と同様の効果を奏することができる。
また、上記第1実施形態の第5変形例および第4実施形態では、各半導体レーザ素子とn型GaN基板との間にバッファ層を形成したが、本発明はこれに限らず、バッファ層を形成せずにn型GaN基板の上面に直接形成された半導体レーザ素子を含んでいてもよい。
また、上記第5実施形態および第6実施形態では、第3実施形態および第4実施形態のモノリシック型のRGB3波長半導体レーザ装置を用いたが、本発明はこれに限らず、第1実施形態および第2実施形態の2波長半導体レーザ装置と赤色半導体レーザ素子とをそれぞれ組み込んだレーザ光源を用いてもよい。
また、上記第1実施形態の第4変形例〜第6変形例および第4実施形態では、各半導体レーザ素子の発光位置の高さ(サブマウントの上面から各活性層の下面までの距離)を略同じにしていたが、本発明はこれに限らず、サブマウントの上面から各活性層の上面までの距離を略同じにしてもよい。この場合も、同様の効果を奏することができる。
また、上記第1実施形態の第4変形例〜第6変形例および第4実施形態では、n型GaN基板の下面から各半導体レーザ素子の活性層の下面までの距離も等しくされている。これにより、各半導体レーザ装置をプロジェクタ装置等の表示装置あるいは他の光学装置に搭載する場合に、半導体レーザ装置をn型GaN基板の下面側を各装置のベース等に接合するように固定してもよい。この場合においても、半導体レーザ装置の搭載面(n型GaN基板の下面)からの各半導体レーザ素子の発光高さを略同じにすることができるので、半導体レーザ装置と光学系とを組み合わせる際に、光学系をさらに容易に調整することができる。
また、上記第5および第6実施形態では、レーザ光源401および301に、それぞれ、第4実施形態の半導体レーザ装置400および第3実施形態の半導体レーザ装置300を用いていたが、本発明はこれに限らず、それぞれ、第3実施形態の半導体レーザ装置300および第4実施形態の半導体レーザ装置400を用いてよい。
また、上記第5および第6実施形態では、レーザ光源として、赤色半導体レーザ素子とともに本発明の半導体レーザ装置を用いた表示装置を例示したが、本発明はこれに限らず、他の光学機器にも用いることができる。この場合、光学機器のレーザ光源として、本発明の半導体レーザ装置を単独で用いてもよく、あるいは、赤外光等の他の波長の光を出射する半導体レーザ素子とともに用いてもよい。
1a、1c 導電性接着層(第1融着層)
1b、1d 導電性接着層(第2融着層)
2、4、5 n型GaN基板(半導体基体)
2b、4d、5d 下面(他方側の表面)
10 青色半導体レーザ素子
12 MQW活性層(第1活性層)
13 p型クラッド層(第1半導体層)
14 p側オーミック電極(第1電極)
16、16a、16b、216 p側パッド電極(第1電極、第1パッド電極)
30 緑色半導体レーザ素子
32 MQW活性層(第2活性層)
33 p型クラッド層(第2半導体層)
34 p側オーミック電極(第2電極)
36、36a、36b、236 p側パッド電極(第2電極、第2パッド電極)
70 赤色半導体レーザ素子(支持基台、半導体レーザ素子)
90 サブマウント(支持基台)

Claims (12)

  1. 半導体基体の一方側の表面上に形成され、前記半導体基体側から第1活性層、第1半導体層および第1電極の順に積層された青色光を出射する青色半導体レーザ素子と、
    前記青色半導体レーザ素子に対して隣接して並ぶように形成され、前記半導体基体側から第2活性層、第2半導体層および第2電極の順に積層された緑色光を出射する緑色半導体レーザ素子と、
    前記第1電極上に第1融着層を介して形成され、かつ、前記第2電極上に第2融着層を介して形成された支持基台とを備え、
    前記半導体基体は、前記一方側と反対側に他方側の表面を有し、
    前記他方側の表面から前記一方側の前記第1半導体層の表面までの前記青色半導体レーザ素子の厚みをt1、前記他方側の表面から前記一方側の前記第2半導体層の表面までの前記緑色半導体レーザ素子の厚みをt2、前記第1電極の厚みをt3および前記第2電極の厚みをt4とした場合、t1<t2およびt3>t4の関係を有する、半導体レーザ装置。
  2. 前記第1電極は、第1パッド電極を含み、前記第2電極は、第2パッド電極を含む、請求項1に記載の半導体レーザ装置。
  3. 前記第1パッド電極の厚みは、前記第2パッド電極の厚みよりも大きい、請求項2に記載の半導体レーザ装置。
  4. 前記第2半導体層の厚みは、前記第1半導体層の厚みよりも大きい、請求項1〜3のいずれか1項に記載の半導体レーザ装置。
  5. 半導体基体の一方側の表面上に形成され、前記半導体基体側から第1活性層、第1半導体層および第1電極の順に積層された青色光を出射する青色半導体レーザ素子と、
    前記青色半導体レーザ素子に対して隣接して並ぶように形成され、前記半導体基体側から第2活性層、第2半導体層および第2電極の順に積層された緑色光を出射する緑色半導体レーザ素子と、
    前記第1電極上に第1融着層を介して形成され、かつ、前記第2電極上に第2融着層を介して形成された支持基台とを備え、
    前記半導体基体は、前記一方側と反対側に他方側の表面を有し、
    前記他方側の表面から前記一方側の前記第1半導体層の表面までの前記青色半導体レーザ素子の厚みをt1、前記他方側の表面から前記一方側の前記第2半導体層の表面までの前記緑色半導体レーザ素子の厚みをt2、前記第1電極の厚みをt3および前記第2電極の厚みをt4とした場合、t1>t2およびt3<t4の関係を有する、半導体レーザ装置。
  6. 前記第1電極は、第1パッド電極を含み、前記第2電極は、第2パッド電極を含む、請求項5に記載の半導体レーザ装置。
  7. 前記第2パッド電極の厚みは、前記第1パッド電極の厚みよりも大きい、請求項6に記載の半導体レーザ装置。
  8. 前記第1半導体層の厚みは、前記第2半導体層の厚みよりも大きい、請求項5〜7のいずれか1項に記載の半導体レーザ装置。
  9. 前記支持基台は、サブマウントである、請求項1〜8のいずれか1項に記載の半導体レーザ装置。
  10. 前記支持基台は、半導体レーザ素子である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の半導体レーザ装置。
  11. 半導体基体の一方側の表面上に形成され、前記半導体基体側から第1活性層、第1半導体層および第1電極の順に積層された青色光を出射する青色半導体レーザ素子と、前記青色半導体レーザ素子に対して隣接して並ぶように形成され、前記半導体基体側から第2活性層、第2半導体層および第2電極の順に積層された緑色光を出射する緑色半導体レーザ素子と、前記第1電極上に第1融着層を介して形成され、かつ、前記第2電極上に第2融着層を介して形成された支持基台とを有する半導体レーザ装置と、
    前記半導体レーザ装置からの光の変調を画像信号に基づいて行う変調手段とを備える表示装置であって、
    前記半導体基体は、前記一方側と反対側に他方側の表面を有し、
    前記他方側の表面から前記一方側の前記第1半導体層の表面までの前記青色半導体レーザ素子の厚みをt1、前記他方側の表面から前記一方側の前記第2半導体層の表面までの前記緑色半導体レーザ素子の厚みをt2、前記第1電極の厚みをt3および前記第2電極の厚みをt4とした場合、t1<t2およびt3>t4の関係を有する、表示装置。
  12. 半導体基体の一方側の表面上に形成され、前記半導体基体側から第1活性層、第1半導体層および第1電極の順に積層された青色光を出射する青色半導体レーザ素子と、前記青色半導体レーザ素子に対して隣接して並ぶように形成され、前記半導体基体側から第2活性層、第2半導体層および第2電極の順に積層された緑色光を出射する緑色半導体レーザ素子と、前記第1電極上に第1融着層を介して形成され、かつ、前記第2電極上に第2融着層を介して形成された支持基台とを有する半導体レーザ装置と、
    前記半導体レーザ装置からの光の変調を画像信号に基づいて行う変調手段とを備える表示装置であって、
    前記半導体基体は、前記一方側と反対側に他方側の表面を有し、
    前記他方側の表面から前記一方側の前記第1半導体層の表面までの前記青色半導体レーザ素子の厚みをt1、前記他方側の表面から前記一方側の前記第2半導体層の表面までの前記緑色半導体レーザ素子の厚みをt2、前記第1電極の厚みをt3および前記第2電極の厚みをt4とした場合、t1>t2およびt3<t4の関係を有する、表示装置。
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