JP2913946B2 - 量子井戸型半導体レーザ - Google Patents

量子井戸型半導体レーザ

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JP2913946B2
JP2913946B2 JP3270353A JP27035391A JP2913946B2 JP 2913946 B2 JP2913946 B2 JP 2913946B2 JP 3270353 A JP3270353 A JP 3270353A JP 27035391 A JP27035391 A JP 27035391A JP 2913946 B2 JP2913946 B2 JP 2913946B2
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浩史 今本
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は量子井戸型半導体レーザ
に関する。具体的にいうと、本発明は、ファブリペロー
型共振器構造をもつ多重量子井戸型半導体レーザに関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来の一般的な半導体レーザでは、周囲
温度の上昇に伴って活性層のバンドギャップが縮小する
ため、発光波長が長波長側へシフトすること(正特性)
が知られており、温度による波長変動(例えば、約0.
27nm/℃)が大きかった。
【0003】半導体レーザから放射されるレーザ光の発
光波長に温度依存性が存在すると、例えばレンズを用い
てレーザ光を集光もしくはコリメートする場合、温度変
化によって焦点位置がずれるという問題を引き起こす。
このため、半導体レーザは、周囲温度の変化に対する波
長変動の小さいこと(温度安定性)が要求される。
【0004】一方、OQE(Optical Quantum Electron
ics);1991,Vol.14(電子情報通信学会発行)
に掲載された論文によれば、量子井戸内に2以上の量子
準位を有する1重量子井戸構造の半導体レーザを用い、
共振器長を最適化することによって特定の温度範囲で波
長の変化が負特性を示すことが報告されている。
【0005】図7はこの負特性を原理的に説明するため
の図である。図7(a)に示すような2準位系の1重量
子井戸構造を考えると、その発光波長の温度特性は図7
(b)で示される。いま、量子準位間の遷移を考慮しな
ければ、最低準位(基底準位)E0にある電子が誘導放
出するレーザ光の発光波長λは正特性を示し、図7
(b)の破線イに示すように、温度Tが上昇すると発光
波長λが長くなる。同様に、上の準位(第1励起準位)
1にある電子が誘導放出するレーザ光の発光波長λも
正特性を示すが、最低準位E0よりもエネルギーが大き
いので、破線イよりも短波長側へシフトした破線ロのよ
うな特性になる。ところが、共振器長を短くすると、上
の量子準位E1への遷移が起こり易くなり、低温で最低
準位E0にあった電子は温度Tの上昇に伴って次第に上
の準位E1へ遷移する。半導体レーザは、この遷移過程
においても発光するので、発光波長λの温度特性を示す
曲線は破線イから破線ロへ移行し、実曲線ハのような特
性カーブで表わされる。したがって、破線イから破線ロ
へ変化する途中では負特性を示し、温度Tの上昇に伴っ
て発光波長λが短くなる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記のように負特性を
示す量子井戸レーザにおいては、正特性から負特性へ移
行する境界領域R1、あるいは負特性から正特性へ移行
する境界領域R2で発光波長λの温度変動が少なくなっ
ている。しかし、このような量子井戸レーザでは、波長
変動の少ない温度領域が狭いという問題がある。
【0007】本発明は叙上の従来技術の問題点に鑑みて
なされたものであり、その目的とするところは、広い温
度領域にわたって温度安定性が高い量子井戸型反導体レ
ーザを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の量子井戸型半導
体レーザは、ファブリペロー型多重量子井戸半導体レー
ザにおいて、互いに井戸幅の異なる2以上の量子井戸を
設け、高次の量子準位に対応する発光波長での反射率ほ
ど高反射率となった端面コートを少なくとも一方の出射
端面に施したことを特徴としている。
【0009】
【作用】本発明にあっては、井戸幅の異なる2以上の量
子井戸を設けているので、各量子井戸毎に量子準位が異
なる。このため、電子(正孔)は、エネルギーレベルの
異なる多数の量子準位を占有することが可能になる。さ
らに、高次の量子準位に対応する発光波長ほど高反射率
となった端面コートを少なくとも一方の出射端面に施し
ているので、短波長側でゲインが高くなって電子が高次
の量子準位へ遷移し易くなる。この結果、温度が上昇し
てゆくと小さな間隔で正特性の領域と負特性の領域が繰
り返され、全体として温度による発光波長の変動が小さ
くなる。
【0010】
【実施例】図1は本発明の一実施例によるファブリペロ
ー型共振器構造を有する多重量子井戸型半導体レーザ素
子1の構造を示す断面図である。これは、n−GaAs
基板2の上に例えば分子線エピタキシャル成長(MB
E)法によりn−AlGaAs下部クラッド層3、厚み
3μmの活性層4、p−AlGaAs上部クラッド層
5、p−GaAsキャップ層6を順次成長させ、キャッ
プ層6の上面にp型電極7を設け、基板2の下面にn型
電極8を設けたものである。
【0011】上記活性層4は多重量子井戸構造(図2及
び図3では4重量子井戸構造となっている。)となって
おり、井戸層と障壁層とが交互に積層されたSCH構造
となっている。この量子井戸構造はAlxGa1-xAsの
Al組成xを変化させることによって実現されている。
図2は活性層4付近におけるAl組成比xを表わしてお
り、上下クラッド層5,3ではAl組成がx=0.6で
あるのに対し、障壁層10a,10bではAl組成x=
0.3、井戸層9a〜9dではAl組成x=0(GaA
s)となっている。また、GaAs井戸層9a〜9dの
厚み(井戸幅)は互いに異なり、それぞれS1=100
Å、S2=50Å、S3=150Å、S4=70Åの井
戸幅となっている。井戸層9a〜9d間のAlGaAs
障壁層10bの厚み(障壁幅)はS0=50Åとなって
いる。
【0012】図3は図2のようにAl組成を変化させる
ことによって形成された活性層4の多重量子井戸構造を
示しており、各井戸層9a〜9d内には離散的な量子準
位が生成している。しかも、この量子準位は、井戸幅が
狭いほど高くなるので、各井戸層9a〜9d毎に量子準
位が異なっている。仮に、井戸層9aにおける量子準位
をE1,E4,E9とし、井戸層9bにおける量子準位を
7,E8とし、井戸層9cにおける量子準位をE0
2,E5とし、井戸層9dにおける量子準位をE3
6,E10とすると、電子はトンネル効果によって障壁
層10bを透過して隣の井戸層へ滲み出すので、活性層
4内の電子は多数の量子準位E0,E1,E2,…,E10
を取ることができる。
【0013】また、当該半導体レーザ素子1の共振器長
は300μmであって、両出射端面(へき開面)11に
は、図1に示すように、最低準位E0に対応する発光波
長λから最高準位E10に対応する発光波長λまでの波長
領域で短波長側ほど高反射率となるように例えばSiO
2やAl23等の誘電体膜からなる端面コート12を施
してある。例えば、図4は、中心波長λ0=750nm
においてSiO2とAl23をそれぞれλ0/4の膜厚で
6層づつ積層した端面コート12の反射率(計算値)を
750nm〜870nmの範囲で示している。図3で示
した活性層4内に局在する量子準位E0〜E10はすべて
この波長領域に入っている。
【0014】図5は上記実施例による発光波長λの温度
特性を示す説明図である。上記のように活性層4内には
縮退していない多数の量子準位E0〜E10が存在し、し
かも、高次の量子準位に対応する発光波長λほど端面コ
ート12の反射率が高くなっているので、温度Tの上昇
と共に高次の量子準位が支配的となる。このため、発光
波長λは図5に示す曲線ホのように各量子準位E0〜E
10における正特性と、量子準位E0〜E10間の移行時に
おける負特性を交互に繰り返し、この結果広い温度範囲
にわたって波長変動が小さくなる。特に、量子準位数を
多くして準位間の間隔を小さくすれば、図5の破線ヘの
ようにほぼフラットな特性を実現することも可能にな
る。
【0015】図6は本発明の別な実施例によるファブリ
ペロー型共振器構造をもつ多重量子井戸型半導体レーザ
素子21の断面図を示す。この実施例のように、端面コ
ート12はいずれか一方の出射端面11だけでも差し支
えない。
【0016】なお、上記実施例では、AlGaAs系の
材料を用いて説明したが、本発明はこの材料系にのみ限
定されるものでなく、長波長レーザ用材料のInGaA
sP系、可視光レーザ用材料のAlGaInP系にも適
用可能である。
【0017】
【発明の効果】本発明によれば、活性層内に多数の量子
準位を形成することができ、しかも、短波長側でゲイン
が高くなって高次の量子準位へ遷移し易くなっているの
で、正特性と負特性とが打ち消し合って全体として温度
による発光波長の変動が小さくなる。従って、温度安定
性の高い半導体レーザ素子を製作することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例によるファブリペロー型多重
量子井戸半導体レーザ素子の構造を示す断面図である。
【図2】同上の半導体レーザ素子の活性層におけるAl
組成の変化を示す図である。
【図3】同上の多重量子井戸構造におけるポテンシャル
及び量子準位を示す図である。
【図4】同上の半導体レーザ素子における端面コートの
反射率と波長の関係を示す図である。
【図5】同上の実施例における発光波長の温度特性の一
例を示す概略説明図である。
【図6】本発明の別な実施例によるファブリペロー型多
重量子井戸半導体レーザ素子の構造を示す断面図であ
る。
【図7】(a)は2準位系の1重量子井戸を示す図、
(b)はその発光波長の温度特性を示す図である。
【符号の説明】
4 活性層 9a〜9d 井戸層 10a,10b 障壁層 11 出射端面 12 端面コート E0〜E10 量子準位

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ファブリペロー型多重量子井戸半導体レ
    ーザにおいて、 互いに井戸幅の異なる2以上の量子井戸を設け、高次の
    量子準位に対応する発光波長での反射率ほど高反射率と
    なった端面コートを少なくとも一方の出射端面に施した
    ことを特徴とする量子井戸型半導体レーザ。
JP3270353A 1991-09-20 1991-09-20 量子井戸型半導体レーザ Expired - Lifetime JP2913946B2 (ja)

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