JP3642711B2 - 半導体レーザ素子 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は半導体レーザ素子の光出射面に形成される反射膜の形成に関し、さらに詳しくは1つのチップにおいて2つの波長の異なるレーザ光を出力し、さらに波長によって光出力の最大値が異なる半導体レーザ素子における良好な反射膜の形成に関する。
【0002】
【従来の技術】
CD−Rディスク再生可能なDVD−ROM装置は、DVD−ROMディスクの再生に使う650nm帯の半導体レーザパッケージに加えて、記録膜に波長依存性があり650nmのレーザ光では再生不可能なCD−Rディスクの再生のために780nm帯の半導体レーザパッケージも備えている。780nm帯の半導体レーザパッケージのみを備えたCD−ROM装置と異なり、この場合は2つの半導体レーザパッケージから出力されるレーザ光を光ディスクに照射する必要があり、そのためにプリズムなどの部品点数が多くなるという問題があった。
【0003】
この問題を解決するために、650nm帯の半導体レーザと780nm帯のレーザの両方を1つのパッケージに納めた2波長レーザの開発が現在活発に行われている。2波長レーザを使用するとDVD−ROM装置は2つの半導体レーザパッケージを用いることなく、1つの半導体レーザパッケージのみでDVD−ROMディスクとCD−Rディスクを読み出す事が可能となり、プリズムなどの部品を削減する事ができる。
【0004】
2波長レーザには二つの方式がある。一つは、2つの波長の異なる半導体レーザチップを横に並べて実装して1つのパッケージ品とする方式である。この方式ではレーザチップが機械的に実装されるため、発光点間隔のバラツキが大きくなりやすいという欠点がある。もう一方は、1つのレーザチップに2つの波長の異なる半導体レーザを作り込む方式である(以下、「1チップ2波長レーザ」と呼ぶ。)。この方式は発光点間隔のバラツキが半導体プロセスの加工誤差で決まるために非常に小さくなり、使用上問題の無いレベルとなる。
【0005】
また2波長レーザにおいて、波長の異なるレーザのうち、一方が高出力までレーザ発振が可能であれば、次に述べるような利点がある。すなわち780nm帯のレーザが高出力まで発振可能であれば、CD−RまたはCD−RWディスクの書き込みが可能となる。また650nm帯のレーザが高出力まで発振可能であれば、DVD−RまたはDVD−RWディスクの書き込みが可能となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
一方の波長のレーザ光が高出力まで発振可能な2波長レーザにおいて、2つのチップを実装して1つのパッケージ品とする方式では、それぞれの波長に対応した膜種、膜厚、および層数の端面コーティング膜をそれぞれのチップに別々に形成した後にパッケージすれば良い。しかし1つのレーザチップに2つの波長の異なる半導体レーザを作り込む方式では、一方の波長の発光点と他方の波長の発光点の間隔が約50μm以下と非常に短いために、発光点の場所で異なる膜種、膜厚、および層数の端面コーティング膜を形成する事はほぼ不可能である。
【0007】
1チップ2波長レーザの場合で650nm帯レーザと780nm帯レーザの発振が可能な素子において、例として650nm帯レーザが高出力まで出力可能な場合での課題について述べる。650nm帯の出力が高出力まで発振させるためには、外部微分量子効率を上げるために光出射面の前面に6%程度の低反射率の膜を、後面に90%程度の高反射率の膜をそれぞれ形成する必要がある。従来の技術の場合、前面に図1の領域3で示されるように屈折率がおよそ1.66のアルミナ膜を約80nmの膜厚で形成していた。1チップ2波長レーザの場合、前記アルミナ膜が780nmレーザの発光点においても形成される事になり、780nmのレーザ光に対する反射率は11%程度となる。780nm帯レーザは10mWまでの低出力で発振させるので、30%以下の低反射率の膜が形成されるとレーザ発振のしきい電流値が大きくなってしまうという問題があった。
【0008】
次に別の例として780nm帯レーザが高出力まで出力可能な場合での課題について述べる。780nm帯の出力が高出力まで発振させるためには、外部微分量子効率を上げるために光出射面の前面に12%程度の低反射率の膜を、後面に90%程度の高反射率の膜をそれぞれ形成する必要がある。従来の技術の場合、前面に図1の領域4で示されるように屈折率がおよそ1.66のアルミナ膜を約156nmの膜厚で形成していた。1チップ2波長レーザの場合、前記アルミナ膜が650nmレーザの発光点においても形成される事になり、650nmのレーザ光に対する反射率は26%程度となる。650nm帯レーザは10mWまでの低出力で発振させるので、30%以下の低反射率の膜が形成されるとレーザ発振のしきい電流値が大きくなってしまうという問題があった。
【0009】
本発明は上述する問題を解決するためになされたもので、少なくとも2波長のレーザを1チップ化する際、それぞれの波長によって発振する光出力の最大値が異なる場合であっても、即ち、一方のレーザ発振が良好に発振する状況下においても、他方のレーザ発振の素子特性の悪化を引き起こすことがない、半導体レーザ素子の構造を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る半導体レーザ素子は、一つの基板上に、異なる発振波長の半導体レーザ共振器を、複数個並置してなる半導体レーザ素子であって、
前記半導体レーザ共振器の各光出射端面には略同一の膜厚の反射膜が形成されてなることによって、上記の目的を達成する。
【0011】
このように、異なる発振波長の半導体レーザ共振器であっても、そのレーザ光出射端面の反射膜の膜厚を略同一にすることによって、単一のプロセスで、異なる波長の半導体レーザ共振器に反射膜を形成することが可能になる。
【0012】
この発明に係る半導体レーザ素子は、光出力の最大値が異なる半導体レーザ共振器を、複数個備えた半導体レーザ素子であって、
前記半導体レーザ共振器の各光出射端面には略同一の膜厚の反射膜が形成されてなることによって、上記の目的を達成する。
【0013】
このように、光出力の最大値が異なる(即ち、より高出力なレーザは書き込み、読み出し可能であり、より低出力なレーザは読み出し専用となる)半導体レーザ共振器であってもそのレーザ光出射端面の反射膜の膜厚を略同一にすることによって、単一のプロセスで、光出力の最大値が異なる半導体レーザ共振器に反射膜を形成することが可能になる。
【0014】
この発明に係る半導体レーザ素子は、前記光出射端面のうち前面に形成される反射膜が、光出力の最大値がより低出力のレーザの発振波長に対する反射率が30%以上であり、かつ、光出力の最大値がより高出力のレーザの発振波長に対する反射率が15%以下であることによって、上記の目的を達成する。
【0015】
ここで、より低出力とは、最大光出力が3〜10mWの範囲にある半導体レーザを指し、より高出力とは、最大光出力が10mWを越えるような半導体レーザを指す。
【0016】
本願発明においては、光出射端面の膜厚を単一にして、素子作成の利便を図ることが主な目的であるが、そのために、まず、高出力でも低出力でも用いるより高出力のレーザが良好に発振するよう、光出射面の反射膜の膜厚を設定し、その膜厚が、同時に、低出力でしか用いないより低出力のレーザの発振閾値が上昇しない値に設定することに特徴がある。
【0017】
書き込みにも用いる、より高出力な半導体レーザを、複数個ある半導体レーザ共振器のどの波長域のものに求めるかは、ユーザの自由であるが、例えば、CD-R、CD-RWに対応した発振波長780nm帯の半導体レーザと、DVD-R、DVD-RWに対応した発振波長650nm帯の半導体レーザとでは、650nm帯の半導体レーザを、より高出力な半導体レーザとする方が、メリットが多く、1チップ2波長レーザとしては、好ましい。
【0018】
この発明に係る半導体レーザ素子は、前記反射膜が、単層のアルミナ膜であることによって、上記の目的を達成する。
【0019】
即ち、レーザ共振器の光出射端面に形成する反射膜は、複数の層であっても、単層であっても構わないが、本願においては、単層であり、且つアルミナ膜であることにより、複数の層よりも作成が容易であり、また、半導体レーザチップの屈折率の平方根に近いので低い反射率が得られることとなり、より好ましい。
【0020】
この発明に係る半導体レーザ素子は、前記より低出力のレーザの波長を780nm帯、前記より高出力のレーザの波長を650nm帯とするとき、前記光出射端面のうち、前面に形成される反射膜は、その膜厚が450nm乃至490nmであることによって、上記の目的を達成する。
【0021】
ここで、780nm帯とは、より詳しくは770〜790nmの範囲に収まるレーザの波長域を指し、650nm帯とは、より詳しくは635〜660nmの範囲に収まるレーザの波長域を指す。
【0022】
この発明に係る半導体レーザ素子は、前記より低出力のレーザの波長を650nm帯、前記より高出力のレーザの波長を780nm帯とするとき、前記光出射端面のうち、前面に形成される反射膜は、その膜厚が、370nm乃至400nmであることによって、上記の目的を達成する。
【0023】
この発明に係る半導体レーザ素子は、前記光出射端面のうち、後面に形成される反射膜は、その反射率が、より高出力のレーザの波長に対して90%以上であることによって、上記の目的を達成する。
【0024】
このように、後面の反射率をより高出力のレーザの波長に対して90%以上と設定することにより、前面からの光出力を大きくすることができるので、低い駆動電流で高い出力が得られることとなり、より好ましい。
【0025】
最初に650nm帯レーザが高出力まで出力可能な場合での解決手段について述べる。レーザチップの前面に図1の領域1で示されるように、屈折率がおよそ1.66のアルミナ膜を約470nmの膜厚で、さらに詳しくは450〜490nmの膜厚で形成する。またレーザチップの後面に、第1層膜としてλ/4nの厚さのアルミナ膜を、第2層膜としてλ/4nの厚さのシリコン膜を、第3層膜として光学膜厚λ/4nの厚さのアルミナ膜を、第4層膜としてλ/4nの厚さのシリコン膜を、第5層膜としてλ/2nの厚さのアルミナ膜を形成する(ここでλは高出力まで出力可能な波長、すなわち650nmを、nはアルミナあるいはシリコンの屈折率を表す)。
【0026】
次に780nm帯レーザが高出力まで出力可能な場合での解決手段について述べる。レーザチップの前面に図1の領域2で示されるように屈折率がおよそ1.66のアルミナ膜を約390nmの膜厚で、さらに詳しくは370〜400nmの膜厚で形成する。またレーザチップの後面に、第1層膜としてλ/4nの厚さのアルミナ膜を、第2層膜としてλ/4nの厚さのシリコン膜を、第3層膜として光学膜厚λ/4nの厚さのアルミナ膜を、第4層膜としてλ/4nの厚さのシリコン膜を、第5層膜としてλ/2nの厚さのアルミナ膜を形成する(ここでλは高出力まで出力可能な波長、すなわち780nmを、nはアルミナあるいはシリコンの屈折率を表す)。
【0027】
次に本発明の作用を説明する。
【0028】
最初に650nm帯レーザが高出力まで出力可能な場合での作用について述べる。レーザチップの前面に屈折率がおよそ1.66のアルミナ膜を約470nmの厚さで形成すると、図1の領域1で示されるように650nmの光に対する反射率はおよそ7%程度に、780nmの光に対する反射率はおよそ32%程度となる。またレーザチップの後面に、第1層膜としてλ/4nの厚さのアルミナ膜を、第2層膜としてλ/4nの厚さのシリコン膜を、第3層膜として光学膜厚λ/4nの厚さのアルミナ膜を、第4層膜としてλ/4nの厚さのシリコン膜を、第5層膜としてλ/2nの厚さのアルミナ膜を形成する(ここでλは高出力まで出力可能な波長、すなわち650nmを、nはアルミナあるいはシリコンの屈折率を表す)と、650nmの光に対する反射率はおよそ97%程度に、780nmの光に対する反射率はおよそ93%程度となる。
【0029】
屈折率がおよそ1.66のアルミナ膜を約80nmの膜厚でレーザチップの前面に形成して、780nmの光に対する反射率が11%程度となっていた、図1の領域3で示されるような従来の場合と異なり、本発明においては780nmの光に対して32%の反射率が達成されている事により、780nmのレーザ発振を行うためのしきい電流値は780nm単体の半導体レーザと同等の値となる。
【0030】
次に780nm帯レーザが高出力まで出力可能な場合での作用について述べる。レーザチップの前面に図1の領域2で示されるように屈折率がおよそ1.66のアルミナ膜を約390nmの厚さで形成すると、780nmの光に対する反射率はおよそ11%程度に、650nmの光に対する反射率はおよそ34%程度となる。またレーザチップの後面に、第1層膜としてλ/4nの厚さのアルミナ膜を、第2層膜としてλ/4nの厚さのシリコン膜を、第3層膜として光学膜厚λ/4nの厚さのアルミナ膜を、第4層膜としてλ/4nの厚さのシリコン膜を、第5層膜としてλ/2nの厚さのアルミナ膜を形成する(ここでλは高出力まで出力可能な波長、すなわち780nmを、nはアルミナあるいはシリコンの屈折率を表す)と、780nmの光に対する反射率はおよそ97%程度に、650nmの光に対する反射率はおよそ91%程度となる。
【0031】
屈折率がおよそ1.66のアルミナ膜を約156nmの膜厚でレーザチップの前面に形成して、650nmの光に対する反射率が26%程度となっていた、図1の領域4で示されるような従来の場合と異なり、本発明においては650nmの光に対して34%の反射率が達成されている事により、650nmのレーザ発振を行うためのしきい電流値は650nm単体の半導体レーザと同等の値となる。
【0032】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)
発振波長の異なる半導体レーザを同一基板上に作るために、最初GaAs基板上にMOCVD法あるいはMBE法により780帯半導体レーザ向け結晶であるAlXGa1-XAs結晶を成長させる。図2に示すようにGaAs基板5上にn型AlXGa1-XAs層6、AlXGa1-XAs多重量子井戸層7、p型AlXGa1-XAs層8を成長させる。次に図3に示すように650帯半導体レーザの形成領域を確保するためにAlXGa1-XAs層の一部のエッチングを行う。次にMOCVD法あるいはMBE法により650帯半導体レーザ向け結晶である(AlYGa1-YXIn1-XP結晶を成長させる。
【0033】
図4に示すようにAlXGa1-XAs層のエッチングが終わったGaAs基板上にn型(AlYGa1-YXIn1-XP層9、(AlYGa1-YXIn1-XP多重量子井戸層10、p型(AlYGa1-YXIn1-XP層11を成長させる。このとき(AlYGa1-YXIn1-XP結晶はエッチングされた領域以外に780帯半導体レーザ向け結晶であるAlXGa1-XAs結晶上にも形成される。次に図5に示すようにこのAlXGa1-XAs結晶上に形成された不要な(AlYGa1-YXIn1-XP結晶を取り除くためと、780nm帯半導体レーザ部分と650nm帯半導体レーザ部分の分離を行うために(AlYGa1-YXIn1-XP結晶のエッチングを行う。次に図6に示すように780nm帯半導体レーザと650nm帯半導体レーザの光導波路の形成と、電極12の形成を行う。
【0034】
次に光導波路と垂直な方向にGaAs基板を分割して複数のレーザバーを切り出す。複数個のレーザバーの光出射面が同一平面上に並ぶようにした後、電子ビーム蒸着法あるいはスパッタ法などにより光出射面への成膜を行う。
【0035】
最初に650nm帯レーザが高出力まで出力可能な場合について述べる。レーザバーの光出射面の前面に屈折率がおよそ1.66のアルミナ膜を約470nmの厚さで形成する。またレーザバーの光出射面の後面に、第1層膜としてλ/4nの厚さのアルミナ膜を、第2層膜としてλ/4nの厚さのシリコン膜を、第3層膜として光学膜厚λ/4nの厚さのアルミナ膜を、第4層膜としてλ/4nの厚さのシリコン膜を、第5層膜としてλ/2nの厚さのアルミナ膜を形成する(ここでλは高出力まで出力可能な波長、すなわち650nmを、nはアルミナあるいはシリコンの屈折率を表す)。
【0036】
このことにより図1の領域1で示されるように、レーザバーの前面においては650nmの光に対する反射率はおよそ7%程度に、780nmの光に対する反射率はおよそ32%程度となる。またレーザバーの後面においては650nmの光に対する反射率はおよそ97%程度に、780nmの光に対する反射率はおよそ93%程度となる。
【0037】
次に780nm帯レーザが高出力まで出力可能な場合について述べる。レーザバーの光出射面の前面に屈折率がおよそ1.66のアルミナ膜を約390nmの厚さで形成する。またレーザバーの光出射面の後面に、第1層膜としてλ/4nの厚さのアルミナ膜を、第2層膜としてλ/4nの厚さのシリコン膜を、第3層膜として光学膜厚λ/4nの厚さのアルミナ膜を、第4層膜としてλ/4nの厚さのシリコン膜を、第5層膜としてλ/2nの厚さのアルミナ膜を形成する(ここでλは高出力まで出力可能な波長、すなわち780nmを、nはアルミナあるいはシリコンの屈折率を表す)。
【0038】
このことにより図1の領域2で示されるように、レーザバーの前面においては780nmの光に対する反射率はおよそ11%程度に、650nmの光に対する反射率はおよそ34%程度となる。またレーザバーの後面においては780nmの光に対する反射率はおよそ97%程度に、650nmの光に対する反射率はおよそ91%程度となる。
【0039】
このようにして形成したレーザバーを光導波路と平行に、650nm帯半導体レーザと780nm帯半導体レーザを各1個ずつ含むように分割して、図7に示すようにチップ化した後に、パッケージを行う。このようにして波長により発振する光出力の最大値が異なる、1チップ2波長レーザである半導体レーザ素子を作成する。
【0040】
アルミナ以外に酸化チタン、酸化シリコン等を用いても良い(アルミナの屈折率が半導体レーザチップの屈折率の平方根に最も近い)。
【0041】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、波長によって発振する光出力の最大値が異なる1チップ2波長レーザにおいて、高出力レーザにおける前面の反射率を15%以下でなおかつ低出力レーザにおける前面の反射率を30%以上に、また高出力レーザにおける後面の反射率を90%以上でなおかつ低出力レーザにおける後面の反射率をおよそ90%とすることができる。
【0042】
従って高出力レーザが良好に発振する状況下においても、低出力レーザの発振しきい電流値が増大するなどの素子特性の悪化を引き起こすような事が無い。
【図面の簡単な説明】
【図1】アルミナの膜厚と反射率の関係を示す図である。実線が650nmのレーザ光に対する反射率を、破線が780nmのレーザ光に対する反射率を示す。
【図2】1チップ2波長レーザにおいて780nm帯半導体レーザ向け結晶を成長した時点の断面図である。
【図3】1チップ2波長レーザにおいて780nm帯半導体レーザ向け結晶の一部をエッチングした時点の断面図である。
【図4】1チップ2波長レーザにおいて650nm帯半導体レーザ向け結晶を成長した時点の断面図である。
【図5】1チップ2波長レーザにおいて650nm帯半導体レーザ向け結晶の不要部分をエッチングした時点の断面図である。
【図6】1チップ2波長レーザにおいて光導波路と電極を形成した時点の断面図である。
【図7】本実施例における、1チップ2波長レーザの斜視図である。
【符号の説明】
1 650nm帯レーザが高出力まで出力可能な1チップ2波長レーザにおける本発明でのアルミナ膜厚の領域
2 780nm帯レーザが高出力まで出力可能な1チップ2波長レーザにおける本発明でのアルミナ膜厚の領域
3 650nm帯レーザが高出力まで出力可能な1チップ2波長レーザにおける従来技術でのアルミナ膜厚の領域
4 780nm帯レーザが高出力まで出力可能な1チップ2波長レーザにおける従来技術でのアルミナ膜厚の領域
5 GaAs基板
6 n型AlXGa1-XAs層
7 AlXGa1-XAs多重量子井戸層
8 p型AlXGa1-XAs層
9 n型(AlYGa1-YXIn1-XP層
10 (AlYGa1-YXIn1-XP多重量子井戸層
11 p型(AlYGa1-YXIn1-XP層
12 電極

Claims (4)

  1. 光出力の最大値が異なる半導体レーザ共振器を、複数個備えた半導体レーザ素子であって、前記半導体レーザ共振器の各光出射端面には略同一の膜厚の反射膜が形成されてなり、光出力の最大値がより低出力のレーザの波長を780nm帯、光出力の最大値がより高出力のレーザの波長を650nm帯とするとき、前記光出射端面のうち、前面に形成される反射膜は、単層のアルミナ膜であり、その膜厚が450nm乃至490nmであることを特徴とすることを特徴とする半導体レーザ素子。
  2. 光出力の最大値が異なる半導体レーザ共振器を、複数個備えた半導体レーザ素子であって、前記半導体レーザ共振器の各光出射端面には略同一の膜厚の反射膜が形成されてなり、光出力の最大値がより低出力のレーザの波長を650nm帯、光出力の最大値がより高出力のレーザの波長を780nm帯とするとき、前記光出射端面のうち、前面に形成される反射膜は、単層のアルミナ膜であり、その膜厚が、370nm乃至400nmであることを特徴とすることを特徴とする半導体レーザ素子。
  3. 前記光出射端面のうち前面に形成される反射膜は、光出力の最大値がより低出力のレーザの発振波長に対する反射率が30%以上であり、かつ、光出力の最大値がより高出力のレーザの発振波長に対する反射率が15%以下である請求項1又は2に記載の半導体レーザ素子。
  4. 前記光出射端面のうち、後面に形成される反射膜は、その反射率が、より高出力のレーザの波長に対して90%以上であることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の半導体レーザ素子。
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