JP2002223030A - 半導体レーザ装置 - Google Patents

半導体レーザ装置

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JP2002223030A
JP2002223030A JP2001016266A JP2001016266A JP2002223030A JP 2002223030 A JP2002223030 A JP 2002223030A JP 2001016266 A JP2001016266 A JP 2001016266A JP 2001016266 A JP2001016266 A JP 2001016266A JP 2002223030 A JP2002223030 A JP 2002223030A
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face
face film
film
wavelength
refractive index
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JP2001016266A
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Inventor
Makoto Okada
田 眞 琴 岡
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Toshiba Corp
Toshiba Development and Engineering Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Toshiba Electronic Engineering Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 製造コストを高めることなく、また製造のサ
イクルタイムを長期化することもなく、さらに等別な器
具を付加することなく、互いに波長の異なるレーザ光の
反射率の所望の組合せを選択することができる半導体レ
ーザ装置を提供する。 【解決手段】 本発明による半導体レーザ装置は、少な
くとも二つのクラッド層とダブルへテロ接合され、波長
λ1の第1のレーザ光および波長λ1とは異なる波長λ
2の第2のレーザ光をそれぞれ生ずる第1の活性層およ
び第2の活性層と、第1の活性層および第2の活性層の
光を取り出す面に積層される第1の端面膜と、第1の端
面膜の屈折率と異なる屈折率を有し、第1の端面膜の上
に積層される第2の端面膜とを備える。第1の端面膜お
よび第2の端面膜はともに屈折率が約1.7以下であり、
第2の端面膜の屈折率は第1の端面膜の屈折率よりも小
さい。第1の端面膜の膜厚dは、ほぼ、d=(1/2+
j)*(λ1+λ2)/2(ただし、jは整数)を満た
す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体レーザ装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】コンピュータ類の内部または外部の記憶
装置として、CD−ROM、CD−R、CD−R/Wや
DVD−ROM等が近年において普及しつつある。CD
を媒体とする記憶装置およびDVDを媒体とする記憶装
置は両者ともに媒体の表面に形成されたピットや相変化
部等にレーザ光を照射し、それらによって反射されたレ
ーザ光で情報を検出する。それにより、それらの記憶装
置に接続されたコンピュータ等がデータを読み取ること
ができる。また、媒体の表面に比較的強いエネルギのレ
ーザ光を照射してピット等を形成することによって、記
憶装置はコンピュータ等のデータを記憶させることがで
きる。
【0003】一般に、DVDの媒体はCDの媒体と比較
するとピットが小さく、トラック間隔が狭い。従って、
媒体の表面に照射するレーザ光の波長は、通常、CDの
媒体を読み取る場合には約780nmの帯域と比較的長く、
DVDの媒体を読み取る場合には約650nmの帯域と比較
的短い。
【0004】1つの記憶装置がCD媒体およびDVD媒
体からデータを検出することができるようにするにため
には、その記憶装置は約780nm帯域のレーザ光と約650nm
帯域のレーザ光との2つの光源を必要とする。近年にお
いては、省スペース化および軽量化等の要請により、1
つの半導体チップに二種類の波長のレーザ光を発振する
ことができる二波長型の半導体レーザ装置が普及してい
る。
【0005】図5は、従来の二波長型の半導体レーザ装
置500の斜視図である。半導体レーザ装置500は、
650nm帯域のレーザ光15を発振する650nm多重量子井戸
構造体(以下、650nmMQWという)10と780nm帯域の
レーザ光25を発振する780nm多重量子井戸構造体(以
下、780nmMQWという)20とが互いに隣り合うよう
にして形成されている。
【0006】650nmMQW10および780nmMQW20は
ともにP側電極30とN側電極40との間に挟まれるよ
うに形成される。650nmMQW10および780nmMQW2
0はP側電極30およびN側電極40により電位を与え
られることによって、それぞれ650nm帯域のレーザ光1
5および780nm帯域のレーザ光25を発振する。
【0007】半導体レーザ装置500はレーザ光を取り
出すための前端面50およびレーザ光を前端面50へ反
射させる後端面60を有する。前端面50には、650nm
帯域のレーザ光15および780nm帯域のレーザ光25の
それぞれを取り出す光取り出し口17および光取り出し
口27が設けられている。
【0008】後端面60にはレーザ光を前端面50へ反
射させるために多層にした多層端面膜80が積層されて
いる。一方、前端面50にはレーザ光を効率的に取り出
すため、通常、後端面60に設けられた多層端面膜80
の反射率よりも低い反射率の単層端面膜70が積層され
ている。
【0009】一般に、現在のところ、DVD−ROMに
使用される650nm帯域のレーザ光15の前端面50での
反射率は、DVDの媒体から反射するレーザ光の影響お
よび前端面50からレーザ光を取り出す効率を考慮する
と、約20%であることが好ましい。一方で、CD−RO
M等に使用される780nm帯域のレーザ光25の前端面5
0での反射率は、高い出力のレーザ光を取り出すため
に、約5%以下であることが好ましい。
【0010】半導体レーザ装置を大量に量産するために
は、端面膜70および端面膜80は、650nm帯域のレー
ザ光15と780nm帯域のレーザ光25とを区別すること
なく、それぞれ前端面50および後端面60に形成され
ることが望まれる。即ち、前端面50には、端面膜70
が一括形成されることが望まれる。それによって、半導
体レーザ装置の製造コストおよび製造のサイクルタイム
を低減できる。
【0011】一般に、レーザ光の反射率は該レーザ光の
波長および通過する端面膜の膜厚に依存して周期的に変
化する。また、レーザ光の波長の相違によってその周期
が異なる。従って、端面膜70に対する650nm帯域のレ
ーザ光15の反射率と780nm帯域のレーザ光25の反射
率は、端面膜70の膜厚の増減によって互いに異なった
周期で変化する。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかし、端面膜70の
膜厚を増減させた場合でも650nm帯域のレーザ光15の
反射率と780nm帯域のレーザ光25の反射率との差も周
期的に変化するのみである。従って、650nm帯域のレー
ザ光15の反射率が約20%であり、かつ780nm帯域のレ
ーザ光25の前端面50での反射率が約5%以下である
という所望の反射率の組合せは、特別な光学的な器具を
付加することなく、端面膜70の膜厚を増減させること
のみによっては実現することができなかった。
【0013】また、650nm帯域のレーザ光15と780nm帯
域のレーザ光25とが通過する前端面50の端面膜をそ
れぞれ別個に形成することは製造コストを高め、製造の
サイクルタイムを長期化させていた。
【0014】そこで、本発明は、製造コストを高めるこ
となく、また製造のサイクルタイムを長期化することも
なく、さらに特別な器具を付加することなく、互いに波
長の異なるレーザ光の反射率の組合せを任意に選択する
ことができる半導体レーザ装置を提供することを目的と
する。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明による半導体レー
ザ装置は、少なくとも二つのクラッド層とダブルへテロ
接合され、波長λ1の第1のレーザ光および波長λ1と
は異なる波長λ2の第2のレーザ光をそれぞれ生ずる第
1の活性層および第2の活性層と、第1の活性層および
第2の活性層の光を取り出す面に積層される第1の端面
膜と、第1の端面膜の屈折率と異なる屈折率を有し、第
1の端面膜の上に積層される第2の端面膜とを備える。
【0016】第1の端面膜および第2の端面膜はともに
屈折率が約1.7以下であることが好ましい。さらに、第
2の端面膜の屈折率は第1の端面膜の屈折率よりも小さ
いことが好ましい。第1の端面膜の膜厚dは、ほぼ、d
=(1/2+j)*(λ1+λ2)/2(ただし、jは
整数)を満たし、第2の端面膜の膜厚を変更することに
より、第2の端面膜における第1のレーザ光の反射率と
第2のレーザ光の反射率との組合せを任意に選択するこ
とができる。j=0が好ましい。
【0017】現在のところ、波長λ1が約650nmであっ
て波長λ2が約780nmの場合に、第1のレーザ光の反射
率が約20%であって第2のレーザ光の反射率が約5%
以下であるという反射率の組合せが好ましい。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、図を参照しつつ実施の形態
を説明する。ただし、本発明は以下の実施の形態に限定
するものではない。
【0019】図1は、本発明に従った実施の形態として
の半導体レーザ装置100の斜視図である。半導体レー
ザ装置100は、半導体基板300(図3を参照)の上
に650nmMQW10と780nmMQW20とが互いに隣り合
うように一体形成されている。半導体基板としては、G
aAs基板やSi基板などがある。650nmMQW10お
よび780nmMQW20はともにP側電極30とN側電極
40との間に挟まれるように形成されている。半導体レ
ーザ装置100は前端面50および後端面60を有し、
前端面50には、650nm帯域のレーザ光15および780nm
帯域のレーザ光25のそれぞれを取り出す光取り出し口
17および光取り出し口27が設けられている。後端面
60には多層端面膜80が積層されている。一方、前端
面50には端面膜70が積層されている。さらに、端面
膜70の表面上には端面膜72が積層されている。本実
施例において、多層端面膜80、端面膜70、72の材
料としてはSiOまたはAlなどが使用され
る。
【0020】図2は、半導体レーザ装置100の平面図
である。後端面60には多層端面膜80が積層され、前
端面50には端面膜70および端面膜72が積層されて
いることがわかる。
【0021】図3(A)および図3(B)は、図2のA
−A′線に沿った半導体レーザ装置100の拡大断面図
である。理解をしやすくするために、650nmMQW10
と780nmMQW20とを分けて記載している。実際に
は、650nmMQW10および780nmMQW20は同一のG
aAs半導体基板300の上に一体形成されている。
【0022】650nmMQW10および780nmMQW20は
同一のGaAs半導体基板300に形成される。しか
し、650nmMQW10と780nmMQW20との間をGaA
s半導体基板300までエッチングして溝90(図1を
参照)を形成することによって、650nmMQW10と780
nmMQW20とが分離される。それよって、650nmMQ
W10と780nmMQW20とのいずれか一方から生ずる
熱が他方に影響を与えないようにして、半導体レーザ装
置100の寿命を長期化することができる。また、溝9
0によって650nmMQW10と780nmMQW20とが電気
的に絶縁され、電気的な漏れを防止することができる。
【0023】この溝90を境界として、図3(A)は65
0nmMQW10の断面図を示し、図3(B)は780nmMQ
W20の断面図を示す。
【0024】以下、650nmMQW10および780nmMQW
20の構成を説明する。650nmMQW10および780nmM
QW20は第1のクラッド層320および第2のクラッ
ド層360を有し、第1のクラッド層320と第2のク
ラッド層360との間に活性層を有する。650nmMQW
10の活性層340および780nmMQW20の活性層3
42は第1のクラッド層320および第2のクラッド層
360とによってダブルへテロ接合を形成している。第
1のクラッド層320および第2のクラッド層360と
活性層340または活性層342との間には、光取り出
し口17および光取り出し口27(図1参照)へレーザ
光を案内するための光ガイド層330および光ガイド層
350がそれぞれ存在する。GaAs半導体基板300
と第1のクラッド層320との間にはそれらの間の電気
的な接続を確実に得るためにバッファ層310が設けら
れている。また、第2のクラッド層360の上に形成さ
れる第3のクラッド層390を選択的にエッチングする
ときに第2のクラッド層360をオーバーエッチングし
ないようにするために、電流ブロック層380と第2の
クラッド層360との間にエッチング・ストップ層37
0が設けられている。第3のクラッド層390の上には
第3のクラッド層390と電気的に接続する導電層39
5が形成されている。第3のクラッド層390および導
電層395は同一のエッチング工程においてエッチング
される。また、第3のクラッド層390および導電層3
95の周りには、導電層395の上に形成されるコンタ
クト層398と第2のクラッド層360とを絶縁する電
流ブロック層380が形成されている。さらに、コンタ
クト層398の上にはコンタクト層398との電気的な
接続を容易にするために電極30が形成されている。ま
た、GaAs半導体基板300のMQWが形成される面
と反対の面にはGaAs半導体基板300との電気的な
接続を容易にするために電極40が形成されている。
【0025】本実施例において、GaAs半導体基板3
00は高抵抗のN型である。バッファ層310もN型の
GaAsを堆積することによって形成される。また、第
1のクラッド層320、第2のクラッド層360および
第3のクラッド層390はそれぞれN型のInGaPお
よびP型のInGaPを堆積することによって形成され
る。また、光ガイド層330および光ガイド層350は
それぞれN型のInGaAlおよびP型のInGaAl
を堆積することによって形成される。650nmMQW10
の活性層340は、InGaAlとInGaAlPとの
多重量子井戸構造(MQW)を形成する。780nmMQW
20の活性層342は、GaAlAsとInGaAlP
とのMQWを形成する。これらのMQWを組成する材料
の相違または材料の組成比の相違によって、活性層34
0および活性層342はそれぞれ波長の異なるレーザ光
を発振することができる。エッチング・ストップ層37
0はInGaPによって形成されており、電流ブロック
層380はN型のGaAsを堆積することによって形成
される。導電層395はP型のInGaPによって形成
されている。さらに、コンタクト層398はP型のGa
Asを堆積することによって形成される。電極30およ
び電極40はAu、ZnまたはGe若しくはこれらを含
む導電性の材料で形成されている。
【0026】以下、650nmMQW10および780nmMQW
20の動作を簡単に説明する。電極30および電極40
に電位が与えられることによって、電流がコンタクト層
398から導電層395を介して第3のクラッド層39
0に流れる。その電流はさらに第2のクラッド層360
等を通過して活性層340および活性層342に流れ
る。それによって、活性層340および活性層342
は、それぞれ650nmの波長のレーザ光および780nmの波長
のレーザ光を発する。これらのレーザ光は光ガイド層3
30および350によって案内され、光取り出し口17
および光取り出し口27(図1参照)から発振される。
【0027】尚、第3のクラッド層390を選択的に形
成し、活性層340および活性層342に与えられる電
流を集中させることによって、活性層340および活性
層342の輝度が高められる。また、第3のクラッド層
390を選択的に形成し、SBR(Selective Buried R
idge)構造を形成することによって、リッジ幅内でレー
ザ光が集中しやすい。また、それにより半導体レーザ装
置は、高出力時における単一の横モードを維持すること
ができるレーザ光を発振させることができ、レーザ光を
狭い領域へ照射することができる。
【0028】本実施例において、活性層340と活性層
342は異なる組成の材料を使用している。しかし、活
性層以外の要素の材料は650nmMQW10と780nmMQW
20とにおいて異ならない。従って、活性層以外の各要
素は、それぞれ同じ製造工程で650nmMQW10および7
80nmMQW20が形成される部分に形成することができ
る。従って、製造のサイクルタイムを短縮することがで
き、コストを低減することができる。
【0029】図3の650nmMQW10および780nmMQW
20の後端面60には多層端面膜80が積層され、前端
面50には端面膜70が積層される。さらに、端面膜7
0の表面上には端面膜72が積層される。それによって
図1に示す半導体レーザ装置100が形成される。
【0030】端面膜70と端面膜72とは異なる屈折率
を有する。本実施例においては、端面膜70としてAl
が使用され、端面膜72としてSiOが使用さ
れている。Alの屈折率およびSiOの屈折率
はそれぞれ約1.67および約1.47である。よってAl
およびSiOは、ともに屈折率が1.7より小さく、
低屈折率の材料である。従って、前端面50が後端面6
0へ反射するレーザ光を低減することができる。よっ
て、半導体レーザ装置100は効率良くレーザ光を取り
出すことができる。
【0031】図4は、本実施の形態による半導体レーザ
装置100の端面膜70の膜厚および端面膜72の膜厚
に対する端面での反射率の相関曲線を示したグラフを示
す図である。
【0032】図4において、715nmの波長のレーザ光に
ついての反射率の相関曲線を実線l で示す。また、65
0nmの波長のレーザ光についての反射率の相関曲線を波
線l で示し、715nmの波長のレーザ光についての反射
率の相関曲線を波線lで示す。
【0033】650nmの波長のレーザ光および780nmの波長
のレーザ光はともに半導体レーザ装置100の前端面5
0では約31%の反射率で取り出されている。前端面50
に設けられた端面膜70の厚さを0nmから増加すると、
反射率は約31%をピークに周期的に増減する。また、反
射率の増減の周期はレーザ光の波長に従い干渉すること
によって生ずる。従って、650nmの波長のレーザ光と780
nmの波長のレーザ光とでは反射率の増減の周期の位相が
ずれる。従って、通常、端面膜70および端面膜72の
材料や膜厚等の設計をするために、λ1=650nmとλ2
=780nmとした場合に、それらの中間の(λ1+λ2)
/2=715nmの波長のレーザ光が利用される。
【0034】また、端面膜70の膜厚の誤差によって反
射率が大きく変化することを防止するために、端面膜7
0はその膜厚に対して端面反射率の変化が小さいときの
膜厚にする。即ち、端面膜70の膜厚は実線lのうち
傾きが0に近い膜厚であることが望まれる。よって、λ
=715nmとし端面膜70の膜厚dとすると、膜厚d
は、 d=λ*m/4 (式1) を満たすことが望まれる。ただし、mは自然数である。
【0035】さらに、半導体レーザ装置100の小型化
および軽量化のために、かつレーザ光の取り出しを早く
するために端面膜70の膜厚および端面膜72の膜厚の
和が小さい方が望ましい。即ち、式1のmの値は小さい
方が望ましい。
【0036】しかし、m=1すなわち端面膜70の膜厚
d=λ/4とすると、図4からわかるように、レーザ
光は端面反射率が低下した状態から端面膜72に入射す
る。端面反射率が低下した状態から端面反射率が増加す
る間、即ち、図4のλ/4とλ/2との間に、端面
膜72内で650nmの波長のレーザ光および780nmの波長の
レーザ光のそれぞれの反射率が約20%および約5%以下
となる所望の反射率の組合せが実現する場合はない。従
って、いったん波長715nmのレーザ光の反射率が約31%
のピークに達した後、さらに所望の反射率の組合せを満
たす端面膜72の膜厚が求められる。
【0037】また、本実施の形態においては端面膜72
として使用されるSiOの屈折率は約1.47であり、端
面膜70として使用されるAlの屈折率約1.67よ
り小さいので、端面膜に対する端面反射率の増減の周期
は端面膜70よりも端面膜72において長くなる。従っ
て、端面膜70の膜厚および端面膜72の膜厚の和を考
慮すると、SiO内、即ち端面膜72内を通過するレ
ーザ光の波数は可能な限り少ない方が望ましい。
【0038】しかし、端面膜70の膜厚d=λ/4と
すると、上述のようにいったん波長715nmのレーザ光の
反射率が約31%のピークに達した後、さらに所望の反射
率の組合せを満たす端面膜72の膜厚が求められる端面
膜72を通過するレーザ光の波数が増加し、端面膜70
の膜厚と端面膜72の膜厚との和は結果的に大きくなっ
てしまう。
【0039】一方で、m=2すなわち端面膜70の膜厚
d=λ/2とした場合には、波長715nmのレーザ光
の反射率が約31%のピークから低下するときに、端面膜
72にレーザ光が入射する。レーザ光の反射率は端面膜
72が増加するに従っていったん低下し、再び増加す
る。波長715nmのレーザ光の反射率が約10%に達した
ときに、端面膜72内で650nmの波長のレーザ光および7
80nmの波長のレーザ光のそれぞれの反射率が約20%およ
び約5%以下となる反射率の組合せが実現した。このと
き、端面膜72の膜厚は約150nmである。
【0040】従って、650nmの波長のレーザ光および780
nmの波長のレーザ光のそれぞれの反射率が約20%および
約5%以下となる反射率の組合せを得るためには、端面
膜70の膜厚dは、 d=(1/2+j)*λ (式2) を満たす端面膜70の膜厚dが必要である。ただし、j
は整数である。
【0041】尚、jは0以外の整数であっても端面膜7
0の膜厚および端面膜72の膜厚を考慮せずに所望の反
射率の組合せを得ることは可能であると考えられる。し
かし、好ましくはj=0である。j=0であることによ
って、端面膜70の膜厚と端面膜72の膜厚との和が他
の整数jのときの端面膜70の膜厚と端面膜72の膜厚
との和に比べて小さくなる。
【0042】また、端面膜70と端面膜72との材料を
変え、端面膜70としてSiOを使用し、端面膜72
としてAlを使用することが考えられる。しか
し、GaAs半導体基板を使用する場合、SiOはGa
Asと密着性が悪く基板から端面膜が剥離しやすくなっ
てしまう。従って、端面膜70としてSiOを使用
し、端面膜72としてAlを使用することは困難
である。
【0043】本実施の形態においては、端面膜の材料と
してAlおよびSiOが使用されている。しか
し、本発明はこれらの材料に限定することなく他の材料
を端面膜として使用でき、また、該端面膜の膜厚を変更
することができる。また、本実施の形態においては、端
面膜が二層に形成されているが、さらに端面膜を二層以
上にすることができる。それによって、650nmの波長の
レーザ光および780nmの波長のレーザ光のそれぞれの反
射率が約20%および約5%以下となる反射率の組合せ以
外の反射率の組合せを得ることができる。即ち、互いに
異なる波長を有する少なくとも2つのレーザ光の反射率
の所望の組合せを選択することができる。
【0044】
【発明の効果】本発明による半導体レーザ装置は、製造
コストを高めることなく、また製造のサイクルタイムを
長期化することもなく、さらに等別な器具を付加するこ
となく、互いに波長の異なるレーザ光の反射率の所望の
組合せを選択することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従った実施の形態としての半導体レー
ザ装置の斜視図。
【図2】半導体レーザ装置100の平面図。
【図3】図2のA−A′線に沿った半導体レーザ装置1
00の拡大断面図。
【図4】本実施の形態による半導体レーザ装置の端面膜
の膜厚に対する端面での反射率の相関曲線を示したグラ
フを示す図。
【図5】従来の二波長型の半導体レーザ装置の斜視図。
【符号の説明】 10 650nmMQW 20 780nmMQW 30、40 電極 50 前端面 60 後端面 70、72 端面膜 80 多層端面膜 15、25 レーザ光 17、27 光取り出し口 90 溝 300 GaAs半導体基板 310 バッファ層 320、360、390 クラッド層 340、340 活性層 330、350 光ガイド層 370 エッチング・ストップ層 380 電流ブロック層

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも二つのクラッド層とダブルへテ
    ロ接合され、波長λ1の第1のレーザ光および前記波長
    λ1とは異なる波長λ2の第2のレーザ光をそれぞれ生
    ずる第1の活性層および第2の活性層と、 前記第1の活性層および前記第2の活性層の光を取り出
    す面に積層される第1の端面膜と、 前記第1の端面膜の屈折率と異なる屈折率を有し、前記
    第1の端面膜の上に積層される第2の端面膜と、 を備える半導体レーザ装置。
  2. 【請求項2】前記第1の端面膜および前記第2の端面膜
    はともに屈折率が約1.7以下であることを特徴とする請
    求項1に記載の半導体レーザ装置。
  3. 【請求項3】前記第2の端面膜の屈折率は前記第1の端
    面膜の屈折率よりも小さいことを特徴とする請求項1に
    記載の半導体レーザ装置。
  4. 【請求項4】前記第1の端面膜の膜厚dは、ほぼ、d=
    (1/2+j)*(λ1+λ2)/2(ただし、jは整
    数)を満たすことを特徴とする請求項2または請求項3
    に記載の半導体レーザ装置。
  5. 【請求項5】j=0であることを特徴とする請求項4に
    記載の半導体レーザ装置。
  6. 【請求項6】前記波長λ1は約650nmであり、前記波長
    λ2は約780nmであり、 前記組合せは、前記第2の端面膜における前記第1のレ
    ーザ光に対する反射率が約20%であり、前記第2のレ
    ーザ光に対する反射率が約5%以下であることを特徴と
    する請求項5に記載の半導体レーザ装置。
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