JP2001230495A - 半導体レーザ素子 - Google Patents

半導体レーザ素子

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JP2001230495A JP2000039165A JP2000039165A JP2001230495A JP 2001230495 A JP2001230495 A JP 2001230495A JP 2000039165 A JP2000039165 A JP 2000039165A JP 2000039165 A JP2000039165 A JP 2000039165A JP 2001230495 A JP2001230495 A JP 2001230495A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 2波長1チップレーザの、より量産に適した
構造を提供する。 【解決手段】 一つの基板上に、異なる波長の半導体レ
ーザ共振器を、複数個並置してなる半導体レーザ素子で
あって、前記半導体レーザ共振器の各光出射端面には略
同一の膜厚の反射膜が形成されてなることを特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は半導体レーザ素子
の光出射面に形成される反射膜の形成に関し、さらに詳
しくは1つのチップにおいて2つの波長の異なるレーザ
光を出力し、さらに波長によって光出力の最大値が異な
る半導体レーザ素子における良好な反射膜の形成に関す
る。
【0002】
【従来の技術】CD−Rディスク再生可能なDVD−R
OM装置は、DVD−ROMディスクの再生に使う65
0nm帯の半導体レーザパッケージに加えて、記録膜に
波長依存性があり650nmのレーザ光では再生不可能
なCD−Rディスクの再生のために780nm帯の半導
体レーザパッケージも備えている。780nm帯の半導
体レーザパッケージのみを備えたCD−ROM装置と異
なり、この場合は2つの半導体レーザパッケージから出
力されるレーザ光を光ディスクに照射する必要があり、
そのためにプリズムなどの部品点数が多くなるという問
題があった。
【0003】この問題を解決するために、650nm帯
の半導体レーザと780nm帯のレーザの両方を1つの
パッケージに納めた2波長レーザの開発が現在活発に行
われている。2波長レーザを使用するとDVD−ROM
装置は2つの半導体レーザパッケージを用いることな
く、1つの半導体レーザパッケージのみでDVD−RO
MディスクとCD−Rディスクを読み出す事が可能とな
り、プリズムなどの部品を削減する事ができる。
【0004】2波長レーザには二つの方式がある。一つ
は、2つの波長の異なる半導体レーザチップを横に並べ
て実装して1つのパッケージ品とする方式である。この
方式ではレーザチップが機械的に実装されるため、発光
点間隔のバラツキが大きくなりやすいという欠点があ
る。もう一方は、1つのレーザチップに2つの波長の異
なる半導体レーザを作り込む方式である(以下、「1チ
ップ2波長レーザ」と呼ぶ。)。この方式は発光点間隔
のバラツキが半導体プロセスの加工誤差で決まるために
非常に小さくなり、使用上問題の無いレベルとなる。
【0005】また2波長レーザにおいて、波長の異なる
レーザのうち、一方が高出力までレーザ発振が可能であ
れば、次に述べるような利点がある。すなわち780n
m帯のレーザが高出力まで発振可能であれば、CD−R
またはCD−RWディスクの書き込みが可能となる。ま
た650nm帯のレーザが高出力まで発振可能であれ
ば、DVD−RまたはDVD−RWディスクの書き込み
が可能となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】一方の波長のレーザ光
が高出力まで発振可能な2波長レーザにおいて、2つの
チップを実装して1つのパッケージ品とする方式では、
それぞれの波長に対応した膜種、膜厚、および層数の端
面コーティング膜をそれぞれのチップに別々に形成した
後にパッケージすれば良い。しかし1つのレーザチップ
に2つの波長の異なる半導体レーザを作り込む方式で
は、一方の波長の発光点と他方の波長の発光点の間隔が
約50μm以下と非常に短いために、発光点の場所で異
なる膜種、膜厚、および層数の端面コーティング膜を形
成する事はほぼ不可能である。
【0007】1チップ2波長レーザの場合で650nm
帯レーザと780nm帯レーザの発振が可能な素子にお
いて、例として650nm帯レーザが高出力まで出力可
能な場合での課題について述べる。650nm帯の出力
が高出力まで発振させるためには、外部微分量子効率を
上げるために光出射面の前面に6%程度の低反射率の膜
を、後面に90%程度の高反射率の膜をそれぞれ形成す
る必要がある。従来の技術の場合、前面に図1の領域3
で示されるように屈折率がおよそ1.66のアルミナ膜
を約80nmの膜厚で形成していた。1チップ2波長レ
ーザの場合、前記アルミナ膜が780nmレーザの発光
点においても形成される事になり、780nmのレーザ
光に対する反射率は11%程度となる。780nm帯レ
ーザは10mWまでの低出力で発振させるので、30%
以下の低反射率の膜が形成されるとレーザ発振のしきい
電流値が大きくなってしまうという問題があった。
【0008】次に別の例として780nm帯レーザが高
出力まで出力可能な場合での課題について述べる。78
0nm帯の出力が高出力まで発振させるためには、外部
微分量子効率を上げるために光出射面の前面に12%程
度の低反射率の膜を、後面に90%程度の高反射率の膜
をそれぞれ形成する必要がある。従来の技術の場合、前
面に図1の領域4で示されるように屈折率がおよそ1.
66のアルミナ膜を約156nmの膜厚で形成してい
た。1チップ2波長レーザの場合、前記アルミナ膜が6
50nmレーザの発光点においても形成される事にな
り、650nmのレーザ光に対する反射率は26%程度
となる。650nm帯レーザは10mWまでの低出力で
発振させるので、30%以下の低反射率の膜が形成され
るとレーザ発振のしきい電流値が大きくなってしまうと
いう問題があった。
【0009】本発明は上述する問題を解決するためにな
されたもので、少なくとも2波長のレーザを1チップ化
する際、それぞれの波長によって発振する光出力の最大
値が異なる場合であっても、即ち、一方のレーザ発振が
良好に発振する状況下においても、他方のレーザ発振の
素子特性の悪化を引き起こすことがない、半導体レーザ
素子の構造を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明に係る半導体レ
ーザ素子は、一つの基板上に、異なる発振波長の半導体
レーザ共振器を、複数個並置してなる半導体レーザ素子
であって、前記半導体レーザ共振器の各光出射端面には
略同一の膜厚の反射膜が形成されてなることによって、
上記の目的を達成する。
【0011】このように、異なる発振波長の半導体レー
ザ共振器であっても、そのレーザ光出射端面の反射膜の
膜厚を略同一にすることによって、単一のプロセスで、
異なる波長の半導体レーザ共振器に反射膜を形成するこ
とが可能になる。
【0012】この発明に係る半導体レーザ素子は、光出
力の最大値が異なる半導体レーザ共振器を、複数個備え
た半導体レーザ素子であって、前記半導体レーザ共振器
の各光出射端面には略同一の膜厚の反射膜が形成されて
なることによって、上記の目的を達成する。
【0013】このように、光出力の最大値が異なる(即
ち、より高出力なレーザは書き込み、読み出し可能であ
り、より低出力なレーザは読み出し専用となる)半導体
レーザ共振器であってもそのレーザ光出射端面の反射膜
の膜厚を略同一にすることによって、単一のプロセス
で、光出力の最大値が異なる半導体レーザ共振器に反射
膜を形成することが可能になる。
【0014】この発明に係る半導体レーザ素子は、前記
光出射端面のうち前面に形成される反射膜が、光出力の
最大値がより低出力のレーザの発振波長に対する反射率
が30%以上であり、かつ、光出力の最大値がより高出
力のレーザの発振波長に対する反射率が15%以下であ
ることによって、上記の目的を達成する。
【0015】ここで、より低出力とは、最大光出力が3
〜10mWの範囲にある半導体レーザを指し、より高出力
とは、最大光出力が10mWを越えるような半導体レー
ザを指す。
【0016】本願発明においては、光出射端面の膜厚を
単一にして、素子作成の利便を図ることが主な目的であ
るが、そのために、まず、高出力でも低出力でも用いる
より高出力のレーザが良好に発振するよう、光出射面の
反射膜の膜厚を設定し、その膜厚が、同時に、低出力で
しか用いないより低出力のレーザの発振閾値が上昇しな
い値に設定することに特徴がある。
【0017】書き込みにも用いる、より高出力な半導体
レーザを、複数個ある半導体レーザ共振器のどの波長域
のものに求めるかは、ユーザの自由であるが、例えば、
CD-R、CD-RWに対応した発振波長780nm帯の半導体レー
ザと、DVD-R、DVD-RWに対応した発振波長650nm帯の半
導体レーザとでは、650nm帯の半導体レーザを、より
高出力な半導体レーザとする方が、メリットが多く、1
チップ2波長レーザとしては、好ましい。
【0018】この発明に係る半導体レーザ素子は、前記
反射膜が、単層のアルミナ膜であることによって、上記
の目的を達成する。
【0019】即ち、レーザ共振器の光出射端面に形成す
る反射膜は、複数の層であっても、単層であっても構わ
ないが、本願においては、単層であり、且つアルミナ膜
であることにより、複数の層よりも作成が容易であり、
また、半導体レーザチップの屈折率の平方根に近いので
低い反射率が得られることとなり、より好ましい。
【0020】この発明に係る半導体レーザ素子は、前記
より低出力のレーザの波長を780nm帯、前記より高
出力のレーザの波長を650nm帯とするとき、前記光
出射端面のうち、前面に形成される反射膜は、その膜厚
が450nm乃至490nmであることによって、上記
の目的を達成する。
【0021】ここで、780nm帯とは、より詳しくは
770〜790nmの範囲に収まるレーザの波長域を指
し、650nm帯とは、より詳しくは635〜660n
mの範囲に収まるレーザの波長域を指す。
【0022】この発明に係る半導体レーザ素子は、前記
より低出力のレーザの波長を650nm帯、前記より高
出力のレーザの波長を780nm帯とするとき、前記光
出射端面のうち、前面に形成される反射膜は、その膜厚
が、370nm乃至400nmであることによって、上
記の目的を達成する。
【0023】この発明に係る半導体レーザ素子は、前記
光出射端面のうち、後面に形成される反射膜は、その反
射率が、より高出力のレーザの波長に対して90%以上
であることによって、上記の目的を達成する。
【0024】このように、後面の反射率をより高出力の
レーザの波長に対して90%以上と設定することによ
り、前面からの光出力を大きくすることができるので、
低い駆動電流で高い出力が得られることとなり、より好
ましい。
【0025】最初に650nm帯レーザが高出力まで出
力可能な場合での解決手段について述べる。レーザチッ
プの前面に図1の領域1で示されるように、屈折率がお
よそ1.66のアルミナ膜を約470nmの膜厚で、さ
らに詳しくは450〜490nmの膜厚で形成する。ま
たレーザチップの後面に、第1層膜としてλ/4nの厚
さのアルミナ膜を、第2層膜としてλ/4nの厚さのシ
リコン膜を、第3層膜として光学膜厚λ/4nの厚さの
アルミナ膜を、第4層膜としてλ/4nの厚さのシリコ
ン膜を、第5層膜としてλ/2nの厚さのアルミナ膜を
形成する(ここでλは高出力まで出力可能な波長、すな
わち650nmを、nはアルミナあるいはシリコンの屈
折率を表す)。
【0026】次に780nm帯レーザが高出力まで出力
可能な場合での解決手段について述べる。レーザチップ
の前面に図1の領域2で示されるように屈折率がおよそ
1.66のアルミナ膜を約390nmの膜厚で、さらに
詳しくは370〜400nmの膜厚で形成する。またレ
ーザチップの後面に、第1層膜としてλ/4nの厚さの
アルミナ膜を、第2層膜としてλ/4nの厚さのシリコ
ン膜を、第3層膜として光学膜厚λ/4nの厚さのアル
ミナ膜を、第4層膜としてλ/4nの厚さのシリコン膜
を、第5層膜としてλ/2nの厚さのアルミナ膜を形成
する(ここでλは高出力まで出力可能な波長、すなわち
780nmを、nはアルミナあるいはシリコンの屈折率
を表す)。
【0027】次に本発明の作用を説明する。
【0028】最初に650nm帯レーザが高出力まで出
力可能な場合での作用について述べる。レーザチップの
前面に屈折率がおよそ1.66のアルミナ膜を約470
nmの厚さで形成すると、図1の領域1で示されるよう
に650nmの光に対する反射率はおよそ7%程度に、
780nmの光に対する反射率はおよそ32%程度とな
る。またレーザチップの後面に、第1層膜としてλ/4
nの厚さのアルミナ膜を、第2層膜としてλ/4nの厚
さのシリコン膜を、第3層膜として光学膜厚λ/4nの
厚さのアルミナ膜を、第4層膜としてλ/4nの厚さの
シリコン膜を、第5層膜としてλ/2nの厚さのアルミ
ナ膜を形成する(ここでλは高出力まで出力可能な波
長、すなわち650nmを、nはアルミナあるいはシリ
コンの屈折率を表す)と、650nmの光に対する反射
率はおよそ97%程度に、780nmの光に対する反射
率はおよそ93%程度となる。
【0029】屈折率がおよそ1.66のアルミナ膜を約
80nmの膜厚でレーザチップの前面に形成して、78
0nmの光に対する反射率が11%程度となっていた、
図1の領域3で示されるような従来の場合と異なり、本
発明においては780nmの光に対して32%の反射率
が達成されている事により、780nmのレーザ発振を
行うためのしきい電流値は780nm単体の半導体レー
ザと同等の値となる。
【0030】次に780nm帯レーザが高出力まで出力
可能な場合での作用について述べる。レーザチップの前
面に図1の領域2で示されるように屈折率がおよそ1.
66のアルミナ膜を約390nmの厚さで形成すると、
780nmの光に対する反射率はおよそ11%程度に、
650nmの光に対する反射率はおよそ34%程度とな
る。またレーザチップの後面に、第1層膜としてλ/4
nの厚さのアルミナ膜を、第2層膜としてλ/4nの厚
さのシリコン膜を、第3層膜として光学膜厚λ/4nの
厚さのアルミナ膜を、第4層膜としてλ/4nの厚さの
シリコン膜を、第5層膜としてλ/2nの厚さのアルミ
ナ膜を形成する(ここでλは高出力まで出力可能な波
長、すなわち780nmを、nはアルミナあるいはシリ
コンの屈折率を表す)と、780nmの光に対する反射
率はおよそ97%程度に、650nmの光に対する反射
率はおよそ91%程度となる。
【0031】屈折率がおよそ1.66のアルミナ膜を約
156nmの膜厚でレーザチップの前面に形成して、6
50nmの光に対する反射率が26%程度となってい
た、図1の領域4で示されるような従来の場合と異な
り、本発明においては650nmの光に対して34%の
反射率が達成されている事により、650nmのレーザ
発振を行うためのしきい電流値は650nm単体の半導
体レーザと同等の値となる。
【0032】
【発明の実施の形態】(実施の形態1)発振波長の異なる
半導体レーザを同一基板上に作るために、最初GaAs
基板上にMOCVD法あるいはMBE法により780帯
半導体レーザ向け結晶であるAlXGa1-XAs結晶を成
長させる。図2に示すようにGaAs基板5上にn型A
XGa1-XAs層6、AlXGa1-XAs多重量子井戸層
7、p型AlXGa1-XAs層8を成長させる。次に図3
に示すように650帯半導体レーザの形成領域を確保す
るためにAlXGa1-XAs層の一部のエッチングを行
う。次にMOCVD法あるいはMBE法により650帯
半導体レーザ向け結晶である(AlYGa1 -YXIn1-X
P結晶を成長させる。
【0033】図4に示すようにAlXGa1-XAs層のエ
ッチングが終わったGaAs基板上にn型(AlYGa
1-YXIn1-XP層9、(AlYGa1-YXIn1-XP多
重量子井戸層10、p型(AlYGa1-YXIn1-XP層
11を成長させる。このとき(AlYGa1-YXIn1-X
P結晶はエッチングされた領域以外に780帯半導体レ
ーザ向け結晶であるAlXGa1-XAs結晶上にも形成さ
れる。次に図5に示すようにこのAlXGa1-XAs結晶
上に形成された不要な(AlYGa1-YXIn1-XP結晶
を取り除くためと、780nm帯半導体レーザ部分と6
50nm帯半導体レーザ部分の分離を行うために(Al
YGa1-YXIn1-XP結晶のエッチングを行う。次に図
6に示すように780nm帯半導体レーザと650nm
帯半導体レーザの光導波路の形成と、電極12の形成を
行う。
【0034】次に光導波路と垂直な方向にGaAs基板
を分割して複数のレーザバーを切り出す。複数個のレー
ザバーの光出射面が同一平面上に並ぶようにした後、電
子ビーム蒸着法あるいはスパッタ法などにより光出射面
への成膜を行う。
【0035】最初に650nm帯レーザが高出力まで出
力可能な場合について述べる。レーザバーの光出射面の
前面に屈折率がおよそ1.66のアルミナ膜を約470
nmの厚さで形成する。またレーザバーの光出射面の後
面に、第1層膜としてλ/4nの厚さのアルミナ膜を、
第2層膜としてλ/4nの厚さのシリコン膜を、第3層
膜として光学膜厚λ/4nの厚さのアルミナ膜を、第4
層膜としてλ/4nの厚さのシリコン膜を、第5層膜と
してλ/2nの厚さのアルミナ膜を形成する(ここでλ
は高出力まで出力可能な波長、すなわち650nmを、
nはアルミナあるいはシリコンの屈折率を表す)。
【0036】このことにより図1の領域1で示されるよ
うに、レーザバーの前面においては650nmの光に対
する反射率はおよそ7%程度に、780nmの光に対す
る反射率はおよそ32%程度となる。またレーザバーの
後面においては650nmの光に対する反射率はおよそ
97%程度に、780nmの光に対する反射率はおよそ
93%程度となる。
【0037】次に780nm帯レーザが高出力まで出力
可能な場合について述べる。レーザバーの光出射面の前
面に屈折率がおよそ1.66のアルミナ膜を約390n
mの厚さで形成する。またレーザバーの光出射面の後面
に、第1層膜としてλ/4nの厚さのアルミナ膜を、第
2層膜としてλ/4nの厚さのシリコン膜を、第3層膜
として光学膜厚λ/4nの厚さのアルミナ膜を、第4層
膜としてλ/4nの厚さのシリコン膜を、第5層膜とし
てλ/2nの厚さのアルミナ膜を形成する(ここでλは
高出力まで出力可能な波長、すなわち780nmを、n
はアルミナあるいはシリコンの屈折率を表す)。
【0038】このことにより図1の領域2で示されるよ
うに、レーザバーの前面においては780nmの光に対
する反射率はおよそ11%程度に、650nmの光に対
する反射率はおよそ34%程度となる。またレーザバー
の後面においては780nmの光に対する反射率はおよ
そ97%程度に、650nmの光に対する反射率はおよ
そ91%程度となる。
【0039】このようにして形成したレーザバーを光導
波路と平行に、650nm帯半導体レーザと780nm
帯半導体レーザを各1個ずつ含むように分割して、図7
に示すようにチップ化した後に、パッケージを行う。こ
のようにして波長により発振する光出力の最大値が異な
る、1チップ2波長レーザである半導体レーザ素子を作
成する。
【0040】アルミナ以外に酸化チタン、酸化シリコン
等を用いても良い(アルミナの屈折率が半導体レーザチ
ップの屈折率の平方根に最も近い)。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、波
長によって発振する光出力の最大値が異なる1チップ2
波長レーザにおいて、高出力レーザにおける前面の反射
率を15%以下でなおかつ低出力レーザにおける前面の
反射率を30%以上に、また高出力レーザにおける後面
の反射率を90%以上でなおかつ低出力レーザにおける
後面の反射率をおよそ90%とすることができる。
【0042】従って高出力レーザが良好に発振する状況
下においても、低出力レーザの発振しきい電流値が増大
するなどの素子特性の悪化を引き起こすような事が無
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】アルミナの膜厚と反射率の関係を示す図であ
る。実線が650nmのレーザ光に対する反射率を、破
線が780nmのレーザ光に対する反射率を示す。
【図2】1チップ2波長レーザにおいて780nm帯半
導体レーザ向け結晶を成長した時点の断面図である。
【図3】1チップ2波長レーザにおいて780nm帯半
導体レーザ向け結晶の一部をエッチングした時点の断面
図である。
【図4】1チップ2波長レーザにおいて650nm帯半
導体レーザ向け結晶を成長した時点の断面図である。
【図5】1チップ2波長レーザにおいて650nm帯半
導体レーザ向け結晶の不要部分をエッチングした時点の
断面図である。
【図6】1チップ2波長レーザにおいて光導波路と電極
を形成した時点の断面図である。
【図7】本実施例における、1チップ2波長レーザの斜
視図である。
【符号の説明】 1 650nm帯レーザが高出力まで出力可能な1チッ
プ2波長レーザにおける本発明でのアルミナ膜厚の領域 2 780nm帯レーザが高出力まで出力可能な1チッ
プ2波長レーザにおける本発明でのアルミナ膜厚の領域 3 650nm帯レーザが高出力まで出力可能な1チッ
プ2波長レーザにおける従来技術でのアルミナ膜厚の領
域 4 780nm帯レーザが高出力まで出力可能な1チッ
プ2波長レーザにおける従来技術でのアルミナ膜厚の領
域 5 GaAs基板 6 n型AlXGa1-XAs層 7 AlXGa1-XAs多重量子井戸層 8 p型AlXGa1-XAs層 9 n型(AlYGa1-YXIn1-XP層 10 (AlYGa1-YXIn1-XP多重量子井戸層 11 p型(AlYGa1-YXIn1-XP層 12 電極

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一つの基板上に、異なる発振波長の半導
    体レーザ共振器を、複数個並置してなる半導体レーザ素
    子であって、 前記半導体レーザ共振器の各光出射端面には略同一の膜
    厚の反射膜が形成されてなることを特徴とする半導体レ
    ーザ素子。
  2. 【請求項2】 光出力の最大値が異なる半導体レーザ共
    振器を、複数個備えた半導体レーザ素子であって、 前記半導体レーザ共振器の各光出射端面には略同一の膜
    厚の反射膜が形成されてなることを特徴とする半導体レ
    ーザ素子。
  3. 【請求項3】 前記光出射端面のうち前面に形成される
    反射膜は、光出力の最大値がより低出力のレーザの発振
    波長に対する反射率が30%以上であり、かつ、光出力
    の最大値がより高出力のレーザの発振波長に対する反射
    率が15%以下であることを特徴とする請求項1又は2
    に記載の半導体レーザ素子。
  4. 【請求項4】 前記反射膜は、単層のアルミナ膜である
    ことを特徴とする請求項3に記載の半導体レーザ素子。
  5. 【請求項5】 前記より低出力のレーザの波長を780
    nm帯、前記より高出力のレーザの波長を650nm帯
    とするとき、前記光出射端面のうち、前面に形成される
    反射膜は、その膜厚が450nm乃至490nmである
    ことを特徴とする請求項2乃至4のいずれかに記載の半
    導体レーザ素子。
  6. 【請求項6】 前記より低出力のレーザの波長を650
    nm帯、前記より高出力のレーザの波長を780nm帯
    とするとき、前記光出射端面のうち、前面に形成される
    反射膜は、その膜厚が、370nm乃至400nmであ
    ることを特徴とする請求項2乃至4のいずれかに記載の
    半導体レーザ素子。
  7. 【請求項7】 前記光出射端面のうち、後面に形成され
    る反射膜は、その反射率が、より高出力のレーザの波長
    に対して90%以上であることを特徴とする請求項2乃
    至6のいずれかに記載の半導体レーザ素子。
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