JP2001073642A - 建具における中方立 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 反りや曲げの発生を阻止した建具における中
方立を安価に提供すること。 【解決手段】 中方立５の引き戸走行側に面する側面５
ａに長さ方向に反った溝７を設けて、この溝７に長尺の
金属補強材８を嵌め込み固定し、この金属補強材８を覆
い隠す装飾プレート９を中方立５の表面と面一となるよ
うに貼り付けた構造。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明が属する技術分野】本発明は、建具における中方
立に関する。

【０００２】

【従来の技術】一般に、家屋の部屋を区切る隔壁に引き
戸を設ける場合、図１に示すように左右の隔壁１，１の
間に開口部２を形成し、この開口部に引き違いの引き戸
を設けるか、或いは図示のように、引き戸一枚分の中間
固定壁４を設けてこの中間固定壁４にそって一枚の引き
戸３を開閉させる方式がある。そして通常業界では中間
固定壁４の先端に設けられた柱枠５を中方立又は半方立
（以下本発明においてこれを中方立という）と呼び、左
右隔壁１，１の先端に取り付けられた柱枠６，６を方立
と呼んでいる。

【０００３】而して上記した一枚の引き戸３を中間固定
壁４に沿って開閉させる場合、中方立５の引き戸走行側
に面する側面と引き戸３との間に隙間があると遮蔽効果
が劣化するので、できるだけこの隙間を小さく設定する
ことが要求される。しかし、中方立は木材で作られてい
るため長期使用中に小さな反りや曲げが生じることがあ
り、この反りが引き戸側にあらわれると引き戸に当たっ
て開閉に支障が来す等の問題点ある。したがって従来で
は中方立と引き戸との隙間をある程度大きく設定せざる
を得なかった。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は反りや
曲げの発生を阻止した中方立を安価に提供することを主
たる目的とする。更に本発明の第二の目的は、反りや曲
げの発生を阻止すると共に、引き戸との隙間を効果的に
埋めるシール部材を備えた中方立を提供することにあ
る。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成する為に
本発明では次のような技術的手段を講じた。即ち、本発
明にかかるな中方立にあっては、中方立５の引き戸走行
側に面する側面５ａに長さ方向に反った溝７を設けてこ
の溝７に長尺の金属補強材８を嵌め込み固定し、この金
属補強材８を覆い隠す装飾プレート９を中方立５の表面
と面一となるように貼り付けて構成した。

【０００６】

【発明の実施の形態】前記金属補強材８は例えばステン
レススチール等の硬性のある材料で断面Ｔ型、Ｌ型、コ
型或いは中空状のもの等、曲げ力に強い形態で形成した
ものがよい。

【０００７】また前記装飾プレート９の表面には、引き
戸３との隙間を隠す柔軟なシール部材１０が長さ方向に
沿って設けるのがよい。このシール部材１０は実施図面
で示すような植毛体のほか、柔らかいシート状のもので
形成することができる。

【０００８】

【実施例】以下本発明の実施例を図１〜図２に基づき説
明する。図において符号１は家屋における隔壁であって
この隔壁の中間部は切開されて開口部２が形成されてい
る。この開口部２に、引き戸一枚分の中間固定壁４が設
けられ、この中間固定壁４にそって一枚の引き戸３が上
框１１と下敷居１２との間でスライドして開口部２を開
閉できるように取り付けられている。前記中間固定壁４
の先端には中方立５が固定されている。

【０００９】前記中方立５の引き戸走行側に面する側面
５ａに長さ方向に反った溝７が設けられ、この溝７に長
尺の金属補強材８が嵌め込まれてビス１３で固定されて
いる。該金属補強材８はステンレススチール等の硬性の
ある材料で形成され、その断面形状が実施例で示すよう
なＴ型のものやＬ型、コ型或いは中空状のもの等、曲げ
力に強い形態で形成されている。更に、前記金属補強材
８の露出面を覆い隠す装飾プレート９が中方立５の表面
と面一となるように貼り付けられている。尚、金属補強
材８を溝７にはめ込んだときに、図２に示すように装飾
プレート９の厚み分だけ溝７が残留するように該溝７の
深さが予め設定されている。したがって装飾プレート９
を金属補強材８の露出面に貼り付けたときにこの装飾プ
レート９の表面が中方立５の表面と面一となる。このよ
うな配慮により中方立５の表面に金属補強材８が露出す
ることなく体裁良く仕上げることができる。

【００１０】また前記装飾プレート９の表面には、引き
戸３との隙間を隠す柔軟なシール部材１０が長さ方向に
沿って設けられている。これにより中方立５と引き戸３
との隙間を塞いで遮蔽効果を一層高めることができる。
更に装飾プレート９は金属補強材８のカバーとしての役
目と、シール部材１０の取り付け基盤としての役目を兼
用する。また形態や色の異なった各種のたシール部材１
０を備えた装飾プレート９を数種類容易しておいて、ユ
ーザーの希望に応じてこれを使い分けるようにすれば低
コストで多様なタイプのものを提供することができよ
う。尚実施例ではシール部材１０として植毛体で形成し
たが、これに代えて、柔らかいシート状のもので形成し
てもよい。

【００１１】以上本発明の一実施例について説明した
が、本発明は必ずしもこれらの実施例構造のみに限定さ
れるものではない。例えば、装飾プレート９の表面のシ
ール部材１０は省略することもできる。その他本発明で
はその構成要件を備え、かつ本発明の目的を達成し、下
記の効果を奏する範囲内において適宜改変して実施する
ことができるものである。

【００１２】

【発明の効果】本発明は上記の如く構成されたものであ
るから、金属補強材によって中方立の反りや曲げの発生
を押さえることができると共に、装飾プレートの表面が
中方立の表面と面一となるように金属補強材の露出面に
貼り付けられているから、金属補強材が外部に露出する
ことがなく中方立を体裁良く仕上げることができる。ま
た請求項２の構成とすることによって、装飾プレートが
金属補強材のカバーとしての役目と、シール部材の取り
付け基盤としての役目を兼用すると共に、柔軟なシール
部材により中方立と引き戸との隙間が塞がれて遮蔽効果
を一層高めることができる、といった種々の効果があ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る中方立の一実施例を示す斜視図。

【図２】本発明の要部を示す拡大斜視図。

【符号の説明】

５ 中方立 ５ａ 側面 ７ 溝 ８ 金属補強材 ９ 装飾プレート １０ シール部材

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 中方立(5)の引き戸走行側に面する側面
   (5a)に長さ方向に反った溝を(7)設けてこの溝(7)に長尺
   の金属補強材(8)を嵌め込み固定し、この金属補強材(8)
   を覆い隠す装飾プレート(9)を中方立(5)の表面と面一と
   なるように貼り付けてなる、建具における中方立。
2. 【請求項２】 前記装飾プレート(9)の表面に、引き戸
   との隙間を塞ぐ柔軟なシール部材(10)を長さ方向に沿っ
   て設けてある請求項１に記載の建具における中方立。