JP2001072409A - 高純度シリカの製造方法および利用方法 - Google Patents

高純度シリカの製造方法および利用方法

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Motomu Miwa
求 三輪
Shunsuke Shimada
俊介 島田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 アルカリ金属珪酸塩をイオン交換樹脂または
イオン交換膜により脱アルカリ処理し、造粒の後、さら
に上述脱アルカリ処理を繰り返すことにより、ナトリウ
ムを実質的に含有しない、長期間にわたって安定な高純
度シリカを得る。得られた高純度シリカは液体の状態
で、研摩剤、凝集剤、増粘剤、分散剤、沈降防止剤、保
形剤、接着剤等として利用され、また、粉末状態で、吸
着剤、固結防止剤、増粘剤、補強剤、減摩剤、滑り止め
剤または粉砕助剤として利用される。 【構成】 次の(A)〜(C)の工程から構成される。 (A)アルカリ金属珪酸塩水溶液をイオン交換樹脂と接
触し、またはイオン交換膜で電気透析して脱アルカリ処
理し、低アルカリシリカまたは酸性の活性珪酸を得る工
程。 (B)得られた低アルカリシリカ、または得られた活性
珪酸にアルカリを添加してなる低アルカリシリカを造粒
してコロイダルシリカ母液とする工程。 (C)このコロイダルシリカ母液を再度、イオン交換樹
脂と接触し、またはイオン交換膜で電気透析して脱アル
カリ処理し、高純度シリカ液または粉末を得る工程。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルカリ金属珪酸
塩をイオン交換樹脂またはイオン交換膜により脱アルカ
リ処理して長期間にわたって安定な高純度シリカを製造
する方法、および得られた高純度シリカの研摩剤、凝集
剤、増粘剤、固結防止剤等への利用方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、水ガラスあるいは水ガラスを脱ア
ルカリ処理して得られるコロイダルシリカは各種用途に
使用されてきた。特に、コロイダルシリカ中のシリカ分
を利用する場合、このコロイダルシリカ中に含有されて
いるナトリウム金属等は必要ではなく、これが含まれる
と逆にコロイダルシリカを配合した製品あるいはこれを
使用して得られる製品における他の性能を阻害すること
にもなる。
【0003】例えば、コロイダルシリカをシリコンウエ
ハの研摩剤として使用する場合、ナトリウムは不純物と
して働き、半導体の歩留りを低下させてしまう。しかし
ながらナトリウムイオンはコロイダルシリカ製造の際の
造粒工程では必要な物質であり、活性珪酸製造後ナトリ
ウムイオンをわざわざ添加していた。
【0004】また、用途によってはアルカリ性の水ガラ
スでは充分な性能が得られないために、水ガラスを酸で
中和して中性あるいは酸性のシリカ液として使用する場
合もあるが、その製造には特殊な装置が必要であり、し
かもこのようにして得られたシリカ液は安定性が悪く、
グラウトのような特定の用途にしか使用されていなかっ
た。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】コロイダルシリカの安
定性については、「シリカゾル(コロイダルシリカ)は
少量のアルカリによって安定化されている。また、シリ
カゾル粒子の安定性はpHの上昇とともに増し、Na+
の増加とともに減少する」(「新しい工業材料の科学
永井彰一郎編 金原出版株式会社」昭和42年発行)と記
されるように、ナトリウムイオンはシリカの安定化のた
めに必須の成分と思われていた。
【0006】したがって、現在工業的に製造市販されて
いるコロイダルシリカはpH9〜10程度のアルカリ性
である。半導体分野ではこのようなコロイダルシリカを
使用しているため、少量のNa+ でも不純物として働
き、製品の性能、歩留りが大きく左右されている。
【0007】そこで、本発明者等は高純度のシリカ、好
ましくはコロイドとして安定に水に分散しているシリカ
を製造すべく検討した。しかしながら、水ガラスからイ
オン交換樹脂で脱アルカリ処理した場合には、得られた
シリカは活性が大きく、1日でゲル化してしまう。
【0008】さらに、本発明者等は、活性珪酸を造粒し
て製造されたコロイダルシリカからナトリウムを除去し
て得られる高純度シリカが比較的安定であることを発見
し、本発明を完成させたのである。
【0009】本発明の目的はアルカリ金属珪酸塩をイオ
ン交換樹脂またはイオン交換膜により脱アルカリ処理
し、造粒の後、さらに上述脱アルカリ処理を繰り返すこ
とにより、ナトリウムを実質的に含有しない、長期間に
わたって安定な高純度シリカを得、上述の公知技術に存
する欠点を改良した高純度シリカの製造方法およびこの
利用方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
め、本発明の高純度シリカの製造方法によれば、次の
(A)〜(C)の工程からなることを特徴とする。 (A)アルカリ金属珪酸塩水溶液をイオン交換樹脂と接
触し、またはイオン交換膜で電気透析して脱アルカリ処
理し、低アルカリシリカを得る工程。 (B)得られた低アルカリシリカを造粒してコロイダル
シリカ母液とする工程。 (C)このコロイダルシリカ母液を再度、イオン交換樹
脂と接触し、またはイオン交換膜で電気透析して脱アル
カリ処理し、高純度シリカ液を得る工程。
【0011】さらに上述の目的を達成するため、本発明
の高純度シリカの製造方法によれば、次の(a)〜
(c)の工程からなることを特徴とする。 (a)アルカリ金属珪酸塩水溶液をイオン交換樹脂と接
触し、またはイオン交換膜で電気透析して脱アルカリ処
理し、酸性の活性珪酸を得る工程。 (b)得られた活性珪酸にアルカリを添加して低アルカ
リシリカとした後、造粒してコロイダルシリカ母液とす
る工程。 (c)このコロイダルシリカ母液を再度、イオン交換樹
脂と接触し、またはイオン交換膜で電気透析して脱アル
カリ処理し、高純度シリカ液を得る工程。
【0012】さらに、上述の目的を達成するため、本発
明の利用方法によれば、上述方法によって得られた高純
度シリカ液を研摩剤、凝集剤、増粘剤、分散剤、沈降防
止剤、保形剤または接着剤として用いることを特徴とす
る。
【0013】さらに、上述の目的を達成するため、本発
明の高純度シリカの製造方法によれば、上述の方法によ
って得られた高純度シリカ液を乾燥し、粉末としてなる
ことを特徴とする。
【0014】さらに、上述の目的を達成するため、本発
明の利用方法によれば、上述の方法によって得られた高
純度シリカ粉末を吸着剤、固結防止剤、増粘剤、補強
剤、減摩剤、滑り止め剤または粉砕助剤として用いるこ
とを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の態様】以下、本発明を具体的に詳述す
る。
【0016】本発明は上述のとおり、アルカリ金属珪酸
塩の水溶液からイオン交換樹脂またはイオン交換膜(特
に限定のない場合はイオン交換樹脂)により脱アルカリ
処理して低アルカリシリカを得、次いで加熱等によって
造粒し、必要に応じて濃縮し、さらに再度上記と同様に
脱アルカリ処理して、高純度のシリカ液を製造する。な
お、イオン交換樹脂を使用する場合には、陰イオン交換
樹脂を用いて、陰イオンも除去し、より高純度のシリカ
とすることもできる。
【0017】得られた高純度のシリカ液は弱酸性であ
り、種々の用途に使用された場合でも反応によってナト
リウムイオンが遊離しない(もともとナトリウムイオン
がない)ため、混合物あるいは被処理物をアルカリ性に
することがなく、したがって、アルカリによる劣化もな
い。
【0018】本発明に用いられるアルカリ金属珪酸塩は
珪酸ナトリウム、珪酸カリウム等の水溶液(水ガラス)
であり、好ましくはJIS3号水ガラス、工業的に製造
され、市販されているモル比3.5〜4.5の水ガラス等で
ある。
【0019】このような水ガラスは本発明にかかる後述
の脱アルカリ処理を受ける場合には、水によって希釈さ
れた水溶液とすることが好ましい。これはイオン交換樹
脂等の活性珪酸によるゲル化を防ぐためであり、さらに
は、安定な活性珪酸を得るためである。
【0020】イオン交換樹脂による脱アルカリ処理とし
ては、カラム法、混合法等が用いられる。カラム法はイ
オン交換樹脂を塔に充填し、この中を水で希釈した水ガ
ラスを通過させて水ガラスとイオン交換樹脂とを接触さ
せ脱アルカリを行う方法である。混合法はイオン交換樹
脂と水で希釈した水ガラス(水ガラス水溶液)とを混合
し、数分経過後に混合液からイオン交換樹脂を沈降させ
て除去し、あるいは網で掬って除去する方法である。こ
の場合、まず、水ガラスを水で希釈して希釈水ガラスと
し、この希釈水ガラスをイオン交換樹脂の充填された塔
に通過させ、水ガラス中のアルカリを除去して活性珪酸
を得る。
【0021】イオン交換膜による脱アルカリ処理として
は、上述の水で希釈された希釈水ガラスを陰陽両電極間
にイオン交換膜を複数枚、間隔をあけて設置された電気
透析槽に充填し、両電極間に通電して水ガラスの電気透
析を行い、水ガラス中の陽イオンを除去して活性珪酸を
得る。これは特に、低アルカリシリカの製造に適してい
る。この場合、水で希釈された水ガラスのSiO2 濃度
は2〜15%が好ましく、電流密度は約3アンペア/dm
2 程度が好ましい。
【0022】上述のようにして得られる活性珪酸に、水
ガラスあるいは苛性ソーダ等のアルカリを添加してpH
を8.5〜10程度のアルカリ性にし、SiO2 濃度を3
〜5%程度に調整した後、70〜95℃程度で所定時間
(通常1〜5時間程度)加熱、造粒してコロイダルシリ
カ母液を得る。
【0023】このコロイダルシリカ母液を必要に応じて
濃縮し、再度脱アルカリ処理して高純度のシリカ液を得
る。なお、濃縮工程は再度脱アルカリ処理した後でもよ
い。さらに、造粒は特に加熱せず常温程度で長期間(例
えば1週間以上)養生して造粒してもよく、その場合に
は養生する液のpHは弱酸性〜弱アルカリ性でよい。
【0024】なお、上述の本発明において、活性珪酸に
アルカリを添加する代わりに、直接、前述の混合法ある
いはイオン交換膜法で低アルカリシリカを製造して養生
をしてもよい。ただし、加熱による造粒工程は脱アルカ
リ処理によって得られた高純度シリカ液を安定に保つた
めに必要である。
【0025】高純度のシリカの粉末を製造する場合に
は、高純度シリカ液をゲル化させ、必要に応じて水洗
後、粉砕、乾燥する。なお、高純度シリカ液をゲル化さ
せる場合には、低アルカリシリカを製造後、活性の高い
段階(例えば1週間以内)で脱アルカリ処理をすれば、
ゲル化剤を添加しなくても高純度シリカ液をゲル化させ
ることができる。
【0026】本発明の方法によって得られた高純度シリ
カの水分散液は、増粘剤、分散剤、沈降防止剤、保形
剤、接着剤として使用できる。ここに保形剤とは、芳香
剤、殺菌剤等の気体、液体あるいは粉末をコロイダルシ
リカと混合ゲル化させて、一定の形とするものである。
【0027】また、本発明の方法によって得られた高純
度シリカの乾燥した粉末は、吸着剤、固結防止剤、増粘
剤、補強剤、減摩剤、滑り止め剤、粉砕助剤等として使
用できる。具体的には、農薬、肥料、顔料の粉末に少量
添加して、固結防止用としたり、水和剤や乳剤に添加し
て沈降防止、増粘用とすることができる。
【0028】さらに、この粉末は精密鋳造における鋳砂
のバインダーとして使用することもできる。この場合、
使用後の鋳砂はほぼ中性であるため、使用後に容易に廃
棄することができる。
【0029】さらに、上述粉末は塗料や印刷インキに添
加して増粘剤、艶消剤としたり、合成樹脂に添加して補
強剤とすることもでき、接着剤に添加して接着強度補強
剤、粘度調整剤、剥離防止剤とすることもできる。さら
には、紙のサイズ材として使用し、白度、不透明度、光
沢、手触り、印刷性、摩耗性を改良したり、繊維分野に
おいて紡糸の際の増摩剤、繊維の艶消し、耐磨耗性の改
良、滑り止め等として用いることもできる。さらには、
油脂、潤滑油等の増粘剤、触媒の坦体、等としても使用
できる。
【0030】さらに上述の高純度シリカ粉末はシリコン
ウエハの研摩剤としても使用できる。これを詳述すると
次のとおりである。
【0031】従来から、半導体用のシリコンウエハの鏡
面研摩剤としてコロイダルシリカ、パウダーシリカ等が
使用されているが、アルカリ性のコロイダルシリカを使
用した場合には、シリコンウエハの表面にヘイズが生
じ、パウダーシリカを使用した場合には細かい傷(スク
ラッチ)が生じていた。また、アルカリ性のコイロイダ
ルシリカを使用した場合、アルカリが中和あるいは除去
されると、シリカは活性になり、ゲルを生成し易くなる
が、本発明の高純度シリカはアルカリを除去した後、時
間経過により安定化したものであり、研摩剤としてリサ
イクル使用が可能である。
【0032】本発明高純度シリカ粉末を研摩剤として使
用する場合には、平均粒径7〜100ミリミクロンが好
ましい。また、シリカ濃度は0.5〜20%、好ましくは
1〜10%であり、この濃度になるように水で希釈して
使用する。さらに、液の安定性を損なわない範囲で界面
活性剤、アミン類等を添加することもできる。これらを
添加する場合には、ノニオン界面活性剤、アミン類が好
ましく、その添加量はノニオン界面活性剤の場合、シリ
カ固形分に対して1ppm 〜1.0%、アミン類の場合には
有機水溶性アミンが好ましく、シリカ固形分に対し5〜
400重量部である。
【0033】
【発明の実施例】以下、本発明を実施例によって詳述す
るが、本発明はこれらの実施例によって限定されるもの
ではない。
【0034】この実施例で使用する水ガラスは、3号水
ガラス:比重(20℃)1.39、SiO2 29.2%、N
2 O 9.5%、モル比 3.17のJIS3号水ガラス
である。
【0035】また、本実施例における平均粒径の測定は
次のようにして行なった。 平均粒径の測定 柴田科学器械工業(株)製迅速表面積測定装置SA−1
000型により表面積を測定の後、比表面積を算出し、
次式により平均粒径を求めた。
【数1】
【0036】実施例1 (活性珪酸から高純度シリカの製造)水ガラスJIS3
号品を水で希釈し、SiO2 5.84%、Na2 O 1.9
%の希釈水ガラスを調製した。この水溶液を、あらかじ
め10%塩酸を用いて通常の方法で再生された水素型陽
イオン交換樹脂(オルガノ(株)製品、アンバーライト
IR−120B)塔に通液し、SiO2 5.8%の活性珪
酸水溶液を得た。この活性珪酸のpHは2.5であった。
これと3号水ガラスの水希釈液(同上)を混合してpH
8.1の低アルカリシリカを得た。この低アルカリシリカ
を1週間、室温で養生後、シリカの平均粒径を測定した
ところ、5ミリミクロンであった。
【0037】このシリカ液を上記再生された樹脂の充填
されたイオン交換樹脂塔に通液し、高純度シリカを得
た。このシリカのpHは2.4であった。同様にして表1
の試料No.1〜3の高純度シリカを得た。これらの性状を
表1に示す。
【0038】
【表1】
【0039】実施例2 (コロイダルシリカから高純度シリカの製造)水ガラス
JIS3号品を水で希釈し、SiO2 5.84%、Na2
O 1.90%の希釈品を得、これを水素型陽イオン交換
樹脂(オルガノ(株)製品、アンバーライトIR−12
0B)塔に通液し、SiO2 5.8%の活性珪酸を得た。
この液をアルカリ水中に投入し、SiO2 濃度4%、p
H9とした後、90℃まで加熱し、2時間攪拌してコロ
イダルシリカ母液を得た。この母液を濃縮してSiO2
含量30%のコロイダルシリカとした。得られたコロイ
ダルシリカの平均粒径は20ミリミクロンであった。
【0040】このコロイダルシリカを上記と同様に、再
生された樹脂の充填されたイオン交換樹脂塔に通液し高
純度シリカを得た。得られた高純度シリカのpHは2.4
であった。同様にして表2の試料No.1〜3の高純度シリ
カを得た。これらの性状を表2に示す。
【0041】
【表2】
【0042】本発明の高純度シリカの用途については一
部の実施例を除き以下に詳細な説明をし、実施例に代え
る。
【0043】本発明の高純度シリカ液を繊維の紡織過程
で使用すると、繊維の摩擦係数を大きくし、繊維間の滑
りを止め、繊維の歩留りを大きくする。また、繊維の仕
上げ剤として使用すると、繊維の風合いを変え、耐摩耗
性を改善する。繊維および繊維製品は通常中性であり、
アルカリ性のコロイダルシリカを使用した場合には、中
和、洗浄等が必要であるが、本発明の高純度シリカ液は
弱酸性であり、処理された繊維はほぼ中性となる。
【0044】本発明の高純度シリカ液を床ワックスエマ
ルジョンに配合すると、滑り止めとなり、安定性、乾燥
時間、光沢性、耐水性等には影響を受けない。しかしな
がら、アルカリ性のコロイダルシリカを使用するとエマ
ルジョンの安定性が悪くなる場合がある。
【0045】実施例3および比較例1 (滑り止め剤)ダンボール紙に実施例2のNo.2の高純度
シリカ液をスプレーした。SiO2 の付着量は0.5g/m
2 であった。乾燥後、摩擦角を測定したところ、36°
であった。したがって、輸送および保管中の荷崩れを防
止できることが分かる。また、印刷適正もよく、印刷し
たものはにじみ等もなく、汚れ防止効果も有していた。
【0046】これに対し、無処理のダンボールは、摩擦
角が26°と小さく、また、印刷した際、にじみが見ら
れた。さらに、市販のコロイダルシリカを同じ条件でス
プレーしたものは、印刷インキの色が1週間後に変色し
ていた。
【0047】実施例4および比較例2 (凝集剤)超微粒子セメント3gをイオン交換水で50
0mlにし、家庭用ミキサーで10秒間攪拌した。次い
で、この懸濁液99mlと実施例1のNo.1の高純度シリカ
液を1ml混合し、100mlのメスシリンダーで静置し
た。フロックは粗く、20分で22mlまで沈降した。上
澄み液のpHは8.5であった。コロイダルシリカを使用
して同様に試験したところ、20分で24cmまで沈降し
たが、上澄み液のpHは11.9とアルカリ性であった。
【0048】実施例5および比較例3 (研摩剤)高純度シリカ(表2のNo.1) をシリカ濃度3
%に水で希釈し研摩液とした。この研摩液を10l/時
で流し、1次ポリッシングシリコンウエハを加工圧力1
00g/cm2 で研摩した。1時間後洗浄、乾燥したとこ
ろヘイズは発生していなかった。同様にコロイダルシリ
カ(実施例2の中間品)で研摩したところ、ややヘイズ
がみられた。
【0049】
【発明の効果】以上のとおり、本発明はアルカリ金属珪
酸塩をイオン交換樹脂またはイオン交換膜により脱アル
カリ処理し、造粒の後、さらに上述脱アルカリ処理を繰
り返すことにより、ナトリウムを実質的に含有しない、
長期間にわたって安定な高純度シリカを得る。
【0050】得られた高純度シリカは液体の状態で、研
摩剤、凝集剤、増粘剤、分散剤、沈降防止剤、保形剤、
接着剤等として利用され、また、粉末状態で吸着剤、固
結防止剤、増粘剤、補強剤、減摩剤、滑り止め剤または
粉砕助剤として利用される。
フロントページの続き Fターム(参考) 4D015 BA03 BB05 DA31 DA35 EA15 EA32 4G072 AA26 AA27 AA28 BB05 CC04 CC10 EE01 EE02 GG02 GG03 HH21 MM14 MM31 RR15 TT20 UU07 UU11 4J037 AA18 EE17

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の(A)〜(C)の工程からなる高純
    度シリカの製造方法。 (A)アルカリ金属珪酸塩水溶液をイオン交換樹脂と接
    触し、またはイオン交換膜で電気透析して脱アルカリ処
    理し、低アルカリシリカを得る工程。 (B)得られた低アルカリシリカを造粒してコロイダル
    シリカ母液とする工程。 (C)このコロイダルシリカ母液を再度、イオン交換樹
    脂と接触し、またはイオン交換膜で電気透析して脱アル
    カリ処理し、高純度シリカ液を得る工程。
  2. 【請求項2】 次の(a)〜(c)の工程からなる高純
    度シリカの製造方法。 (a)アルカリ金属珪酸塩水溶液をイオン交換樹脂と接
    触し、またはイオン交換膜で電気透析して脱アルカリ処
    理し、酸性の活性珪酸を得る工程。 (b)得られた活性珪酸にアルカリを添加して低アルカ
    リシリカとした後、造粒してコロイダルシリカ母液とす
    る工程。 (c)このコロイダルシリカ母液を再度、イオン交換樹
    脂と接触し、またはイオン交換膜で電気透析して脱アル
    カリ処理し、高純度シリカ液を得る工程。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において、前記造粒が
    加熱により行なわれ、粒径1ミリミクロン以上の大きさ
    のコロイド状とする請求項1または2のいずれかに記載
    の高純度シリカの製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1または2において、得られた高
    純度シリカ液を乾燥し、粉末としてなる請求項1または
    2のいずれかに記載の高純度シリカの製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1または2の方法によって得られ
    た高純度シリカ液を研摩剤、凝集剤、増粘剤、分散剤、
    沈降防止剤、保形剤または接着剤として用いることを特
    徴とする高純度シリカ液の利用方法。
  6. 【請求項6】 請求項4の方法によって得られた高純度
    シリカ粉末を吸着剤、固結防止剤、増粘剤、補強剤、減
    摩剤、滑り止め剤または粉砕助剤として用いることを特
    徴とする高純度シリカ粉末の利用方法。
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