JP2001071919A - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

電動パワーステアリング装置

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JP2001071919A JP25303499A JP25303499A JP2001071919A JP 2001071919 A JP2001071919 A JP 2001071919A JP 25303499 A JP25303499 A JP 25303499A JP 25303499 A JP25303499 A JP 25303499A JP 2001071919 A JP2001071919 A JP 2001071919A
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裕巳 稲垣
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昌克 堀
Tatsuhiro Tomari
辰弘 泊
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信司 大熊
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明裕 岩崎
Takashi Kuribayashi
隆司 栗林
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電動パワーステアリング装置のモータを駆動
する目標電流を補正する電流補正量が異常になったとき
に、ドライバーが受ける違和感を軽減する。 【解決手段】 目標電流設定手段M9は、電動パワース
テアリング装置のモータを駆動する目標電流IMSを操舵
トルクTQ に基づいて算出する。減算手段33は、外部
の制御手段U1 で算出した電流補正量ΔIおよび前記目
標電流IMSから補正目標電流IMS′を算出する。電流補
正量減少手段M15は、前記電流補正量ΔIを車速Vの
増加に応じて減少させる。外部の制御手段U1 が故障し
て電流補正量ΔIが異常になっても、ステアリングの効
きが敏感になる高車速時に電流補正量ΔIが減少するた
め、異常な電流補正量ΔIの影響を小さくしてドライバ
ーが受ける違和感を軽減することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、操舵トルクから算
出したモータ制御信号をモータ制御信号補正量で補正し
た補正モータ制御信号に基づいてモータを駆動する電動
パワーステアリング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】エンジンの駆動力を左右の駆動輪に配分
する比率を可変とし、旋回外輪に配分する駆動力を増加
するとともに旋回内輪に配分する駆動力を減少させるこ
とにより、旋回方向のヨーモーメントを発生させて旋回
性能を高める技術は公知である。かかる駆動力配分装置
を備えた車両において、左右の駆動輪に配分する駆動力
を変化させると、操舵輪を兼ねる左右の駆動輪に望まし
くない操舵力が発生してしまう問題がある(トルクステ
ア現象)。そこで、車両に備えられた電動パワーステア
リング装置を利用し、その電動パワーステアリング装置
に前記望ましくない操舵力を打ち消すような操舵補助ト
ルクを発生させてトルクステア現象を軽減するものが、
本出願人により既に提案されている(特願平11−63
114号参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで上記従来のも
のは、駆動力配分装置を制御する制御手段が駆動力の配
分量に応じてトルクステア現象を打ち消すためのモータ
制御信号補正量を算出し、電動パワーステアリング装置
の制御手段がモータ制御信号を前記モータ制御信号補正
量で補正した結果に基づいてモータを駆動するので、駆
動力配分装置を制御する制御手段が故障して異常なモー
タ制御信号補正量を出力した場合に、モータが不適切な
操舵補助トルクを発生してドライバーに違和感を与える
可能性がある。特に、車両の高速走行時にはステアリン
グの効きが敏感になるため、ドライバーが受ける違和感
も大きなものとなる。
【0004】本発明は前述の事情に鑑みてなされたもの
で、電動パワーステアリング装置のモータ制御信号を補
正するモータ制御信号補正量が異常になったときに、ド
ライバーが受ける違和感を軽減することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載された発明によれば、少なくとも操
舵トルク検出手段で検出した操舵トルクに基づいて、操
舵補助トルクを発生するモータを駆動するモータ制御信
号を算出するモータ制御信号算出手段と、外部の制御手
段で算出したモータ制御信号補正量および前記モータ制
御信号から補正モータ制御信号を算出する補正モータ制
御信号算出手段と、補正モータ制御信号算出手段で算出
した補正モータ制御信号に基づいてモータを駆動する駆
動手段と、を備えた電動パワーステアリング装置におい
て、前記モータ制御信号補正量を車速の増加に応じて減
少させるモータ制御信号補正量減少手段を備えたことを
特徴とする電動パワーステアリング装置が提案される。
【0006】上記構成によれば、外部の制御手段で算出
したモータ制御信号補正量でモータ制御信号を補正した
補正モータ制御信号によってモータを駆動するので、前
記外部の制御手段が故障してモータ制御信号補正量が異
常になると補正モータ制御信号も異常になり、電動パワ
ーステアリング装置が適切な操舵補助トルクを発生する
ことができなくなる。特に、車両の高速走行時にはステ
アリングの効きが敏感になるため、不適切な操舵補助ト
ルクを発生するとドライバーが受ける違和感も大きくな
る。しかしながら、モータ制御信号補正量減少手段が車
速の増加に応じてモータ制御信号補正量を減少させるこ
とにより、異常なモータ制御信号補正量の影響を小さく
してドライバーが受ける違和感を減少させることができ
る。
【0007】尚、実施例の目標電流IMSは本発明のモー
タ制御信号に対応し、実施例の補正目標電流IMS′は本
発明の補正モータ制御信号に対応し、実施例の電流補正
量ΔIは本発明のモータ制御信号補正量に対応し、実施
例の目標電流設定手段M9は本発明のモータ制御信号算
出手段に対応し、実施例の電流補正量減少手段M15は
本発明のモータ制御信号補正量減少手段に対応し、実施
例の第1電子制御ユニットU1 は本発明の外部の制御手
段に対応し、実施例のモータドライバ32は本発明の駆
動手段に対応し、実施例の減算手段33は本発明の補正
モータ制御信号算出手段に対応する。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、添
付図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。
【0009】図1〜図9は本発明の第1実施例を示すも
ので、図1は駆動力配分装置の構造を示す図、図2は第
1電子制御ユニットの回路構成を示すブロック図、図3
は中低車速域での右旋回時における駆動力配分装置の作
用を示す図、図4は中低車速域での左旋回時における駆
動力配分装置の作用を示す図、図5は電動パワーステア
リング装置の構造を示す図、図6は第2電子制御ユニッ
トの回路構成を示すブロック図、図7はトルク配分量か
ら電流補正量あるいはオフセット電流を検索するマップ
を示す図、図8は車速から電流補正量の上限値を検索す
るマップを示す図、図9は電動パワーステアリング装置
の作動禁止領域を検索するマップを示す図である。
【0010】図1に示すように、フロントエンジン・フ
ロントドライブの車両の車体前部に横置きに搭載したエ
ンジンEの右端にトランスミッションMが接続されてお
り、これらエンジンEおよびトランスミッションMの後
部に駆動力配分装置Tが配置される。駆動力配分装置T
の左端および右端から左右に延びる左ドライブシャフト
L および右ドライブシャフトAR には、それぞれ左前
輪WFLおよび右前輪W FRが接続される。
【0011】駆動力配分装置Tは、トランスミッション
Mから延びる入力軸1に設けた入力ギヤ2に噛み合う外
歯ギヤ3から駆動力が伝達される差動装置Dを備える。
差動装置Dはダブルピニオン式の遊星歯車機構よりな
り、前記外歯ギヤ3と一体に形成されたリングギヤ4
と、このリングギヤ4の内部に同軸に配設されたサンギ
ヤ5と、前記リングギヤ4に噛み合うアウタプラネタリ
ギヤ6および前記サンギヤ5に噛み合うインナプラネタ
リギヤ7を、それらが相互に噛み合う状態で支持するプ
ラネタリキャリヤ8とから構成される。差動装置Dは、
そのリングギヤ4が入力要素として機能するとともに、
一方の出力要素として機能するサンギヤ5が左出力軸9
L を介して左前輪WFLに接続され、また他方の出力要素
として機能するプラネタリキャリヤ8が右出力軸9R
介して右前輪WFRに接続される。
【0012】左出力軸9L の外周に回転自在に支持され
たキャリヤ部材11は、円周方向に90°間隔で配置さ
れた4本のピニオン軸12を備えており、第1ピニオン
13、第2ピニオン14および第3ピニオン15を一体
に形成した3連ピニオン部材16が、各ピニオン軸12
にそれぞれ回転自在に支持される。
【0013】左出力軸9L の外周に回転自在に支持され
て前記第1ピニオン13に噛み合う第1サンギヤ17
は、差動装置Dのプラネタリキャリヤ8に連結される。
また左出力軸9L の外周に固定された第2サンギヤ18
は前記第2ピニオン14に噛み合う。更に、左出力軸9
L の外周に回転自在に支持された第3サンギヤ19は前
記第3ピニオン15に噛み合う。
【0014】実施例における第1ピニオン13、第2ピ
ニオン14、第3ピニオン15、第1サンギヤ17、第
2サンギヤ18および第3サンギヤ19の歯数は以下の
とおりである。
【0015】 第1ピニオン13の歯数 Z2 =17 第2ピニオン14の歯数 Z4 =17 第3ピニオン15の歯数 Z6 =34 第1サンギヤ17の歯数 Z1 =32 第2サンギヤ18の歯数 Z3 =28 第3サンギヤ19の歯数 Z5 =32 第3サンギヤ19は左油圧クラッチCL を介してケーシ
ング20に結合可能であり、左油圧クラッチCL の係合
によってキャリヤ部材11の回転数が増速される。また
キャリヤ部材11は右油圧クラッチCR を介してケーシ
ング20に結合可能であり、右油圧クラッチCR の係合
によってキャリヤ部材11の回転数が減速される。そし
て前記右油圧クラッチCR および左油圧クラッチC
L は、マイクロコンピュータを含む第1電子制御ユニッ
トU1 により制御される。
【0016】図2に示すように、第1電子制御ユニット
1 には、エンジントルクTE を検出するエンジントル
ク検出手段S1 と、エンジンEの回転数Neを検出する
エンジン回転数検出手段S2 と、車速Vを検出する車速
検出手段S3 と、操舵角θを検出する操舵角検出手段S
4 とからの信号が入力される。第1電子制御ユニットU
1 は前記各検出手段S1 〜S4 からの信号を所定のプロ
グラムに基づいて演算処理し、前記左油圧クラッチCL
および右油圧クラッチCR を制御する。
【0017】第1電子制御ユニットU1 は、ドライブシ
ャフトトルク算出手段M1と、ギヤレシオ算出手段M2
と、左右配分補正係数算出手段M3と、目標ヨーレート
算出手段M4と、横加速度算出手段M5と、左右配分補
正係数算出手段M6と、左右前輪トルク算出手段M7
と、電流補正量算出手段M8と、オフセット電流算出手
段M13とを備える。
【0018】ドライブシャフトトルク算出手段M1は、
ギヤレシオ算出手段M2においてエンジン回転数Neと
車速Vとから求めたギヤレシオNiをエンジントルクT
E に乗算することにより、ドライブシャフトトルクTD
(すなわち、左右の前輪WFL,WFRに伝達されるトクル
の総和)を算出する。尚、エンジントルクTE は吸気圧
(又はアクセル開度)とエンジン回転数Neとから求め
ることが可能であり、ドライブシャフトトルクTD は前
述した以外に動力伝達系に設けたトルク検出手段や車両
の前後加速度から求めることができる。また、車速Vは
車輪速度から求める以外に空間フィルターを用いて光学
的に求めても良く、ドップラーレーダーを用いて求めて
も良い。
【0019】左右配分補正係数算出手段M3は、ドライ
ブシャフトトルクTD に基づいて第1左右配分補正係数
T をマップ検索するとともに、車速Vに基づいて第2
左右配分補正係数KV をマップ検索する。目標ヨーレー
ト算出手段M4は、操舵角θに基づいて目標ヨーレート
Yの操舵角成分Y1 をマップ検索するともに、車速Vに
基づいて目標ヨーレートYの車速成分Y2 をマップ検索
し、それら操舵角成分Y1 および車速成分Y2 を乗算し
て目標ヨーレートYを算出する。横加速度算出手段M5
は、前記目標ヨーレートYに車速Vを乗算することによ
り横加速度YGを算出し、左右配分補正係数算出手段M
6は、前記横加速度YG に基づいて左右配分補正係数G
をマップ検索する。
【0020】而して、左右前輪トルク算出手段M7にお
いて、左前輪WFLに配分すべきトルク配分量TL と右前
輪WFRに配分すべきトルク配分量TR とが、次式に基づ
いて算出される。
【0021】 TL =(TD /2)×(1+KW ×KT ×KV ×G) …(1) TR =(TD /2)×(1−KW ×KT ×KV ×G) …(2) ここで、KT ,KV は左右配分補正係数算出手段M3で
求めた左右配分補正係数、Gは左右配分補正係数算出手
段M6で求めた左右配分補正係数、KW は定数である。
【0022】また、(1)式および(2)式の右辺の
(1±KW ×KT ×KV ×G)は左右の前輪WFL,WFR
間でのトルク配分比を決定する項であって、一方の前輪
FL,WFRのトルク配分が所定量だけ増加すると、他方
の前輪WFL,WFRのトルク配分が前記所定量だけ減少す
る。
【0023】上述のようにして左右の前輪WFL,WFR
配分すべきトルク配分量TL ,TRが求められると、左
右の前輪WFL,WFRに前記トルク配分量TL ,TR が伝
達されるように左油圧クラッチCL および右油圧クラッ
チCR が制御される。
【0024】電流補正量算出手段M8には、左右前輪ト
ルク算出手段M7で算出した左右の前輪WFL,WFRに配
分されるトルク配分量TL ,TR が入力される。電流補
正量算出手段M8はトルク配分量TL ,TR を図7のマ
ップに適用し、後述する電動パワーステアリング装置S
のモータ27の電流補正量ΔIを検索する。この電流補
正量ΔIは、駆動力配分装置Tが発生するトルク配分量
L ,TR に起因するトルクステア現象を打ち消し得る
操舵トルクを電動パワーステアリング装置Sが発生する
電流に相当する。
【0025】図7から明らかなように、電流補正量ΔI
はトルク配分量TL ,TR が20kgfmから70kg
fmに増加する間に0Aから22Aまでリニアに増加
し、トルク配分量TL ,TR が70kgfmを越えると
上限値の22Aに保持される。操舵アシストのために電
動パワーステアリング装置Sのモータ27に供給される
電流の最大値は85Aであるが、電流補正量ΔIの上限
値である22Aはそれよりも小さく設定される。
【0026】オフセット電流算出手段M13は、電流補
正量算出手段M8で算出した電流補正量ΔIを所定の比
率で減少させてオフセット電流ΔIOSを算出する。図7
から明らかなように、本実施例ではオフセット電流ΔI
OSは電流補正量ΔIの0.7倍の大きさに設定される。
尚、電動パワーステアリング装置Sの特性として高車速
時ほどアシスト電流が小さいため、車速が70km/h
未満のときはオフセット電流ΔIOSを電流補正量ΔIの
0.7倍に設定し、車速が70km/h以上のときはオ
フセット電流ΔIOSを電流補正量ΔIの0.8倍に設定
しても良い。
【0027】而して、第1電子制御ユニットU1 からの
指令により、車両の直進走行時には右油圧クラッチCR
および左油圧クラッチCL が共に非係合状態とされる。
これにより、キャリヤ部材11および第3サンギヤ19
の拘束が解除され、左ドライブシャフト9L 、右ドライ
ブシャフト9R 、差動装置Dのプラネタリキャリヤ8お
よびキャリヤ部材11は全て一体となって回転する。こ
のとき、図1に斜線を施した矢印で示したように、エン
ジンEのトルクは差動装置Dから左右の前輪W FL,WFR
に均等に伝達される。
【0028】さて、車両の中低車速域での右旋回時に
は、図3に示すように第1電子制御ユニットU1 からの
指令により右油圧クラッチCR が係合し、キャリヤ部材
11をケーシング20に結合して停止させる。このと
き、左前輪WFLと一体の左出力軸9L と、右前輪WFR
一体の右出力軸9R (即ち、差動装置Dのプラネタリキ
ャリヤ8)とは、第2サンギヤ18、第2ピニオン1
4、第1ピニオン13および第1サンギヤ17を介して
連結されているため、左前輪WFLの回転数NL は右前輪
FRの回転数NR に対して次式の関係で増速される。
【0029】 NL /NR =(Z4 /Z3 )×(Z1 /Z2 ) =1.143 …(3) 上述のようにして、左前輪WFLの回転数NL が右前輪W
FRの回転数NR に対して増速されると、図3に斜線を施
した矢印で示したように、旋回内輪である右前輪WFR
トルクの一部を旋回外輪である左前輪WFLに伝達するこ
とができる。
【0030】尚、キャリヤ部材11を右油圧クラッチC
R により停止させる代わりに、右油圧クラッチCR の係
合力を適宜調整してキャリヤ部材11の回転数を減速す
れば、その減速に応じて左前輪WFLの回転数NL を右前
輪WFRの回転数NR に対して増速し、旋回内輪である右
前輪WFRから旋回外輪である左前輪WFLに任意のトルク
を伝達することができる。
【0031】一方、車両の中低車速域での左旋回時に
は、図4に示すように第1電子制御ユニットU1 からの
指令により左油圧クラッチCL が係合し、第3ピニオン
15が第3サンギヤ19を介してケーシング20に結合
される。その結果、左出力軸9 L の回転数に対してキャ
リヤ部材11の回転数が増速され、右前輪WFRの回転数
R は左前輪WFLの回転数NL に対して次式の関係で増
速される。
【0032】 NR /NL ={1−(Z5 /Z6 )×(Z2 /Z1 )} ÷{1−(Z5 /Z6 )×(Z4 /Z3 )} =1.167 …(4) 上述のようにして、右前輪WFRの回転数NR が左前輪W
FLの回転数NL に対して増速されると、図4に斜線を施
した矢印で示したように、旋回内輪である左前輪WFL
トルクの一部を旋回外輪である右前輪WFRに伝達するこ
とができる。この場合にも、左油圧クラッチCL の係合
力を適宜調整してキャリヤ部材11の回転数を増速すれ
ば、その増速に応じて右前輪WFRの回転数NR を左前輪
FLの回転数NL に対して増速し、旋回内輪である左前
輪WFLから旋回外輪である右前輪WFRに任意のトルクを
伝達することができる。而して、車両の中低速走行時に
は旋回外輪に旋回内輪よりも大きなトルクを伝達して旋
回性能を向上させることが可能である。尚、高速走行時
には前記中低速走行時に比べて旋回外輪に伝達されるト
ルクを少なめにしたり、逆に旋回外輪から旋回内輪にト
ルクを伝達して走行安定性能を向上させることが可能で
ある。そして、それらは第1電子制御ユニットU1 の左
右配分補正係数算出手段M3において、車速Vに対する
第2左右配分補正係数KV のマップの設定により達成さ
れる。
【0033】(3)式および(4)式を比較すると明ら
かなように、第1ピニオン13、第2ピニオン14、第
3ピニオン15、第1サンギヤ17、第2サンギヤ18
および第3サンギヤ19の歯数を前述の如く設定したこ
とにより、右前輪WFRから左前輪WFLへの増速率(約
1.143)と、左前輪WFLから右前輪WFRへの増速率
(約1.167)とを略等しくすることができる。
【0034】ところで、エンジンEから駆動力配分装置
Tを介して左右の前輪WFL,WFRに配分される駆動力が
変化すると、操舵輪である左右の前輪WFL,WFRにいわ
ゆるトルクステア現象によって望ましくない操舵力が発
生してしまう。電動パワーステアリング装置Sを備えた
車両では、駆動力配分装置Tの作動によりトルクステア
現象が発生したときに、トルクステア現象による操舵力
を打ち消すように電動パワーステアリング装置Sを作動
させて逆方向の操舵補助トルクを発生させることによ
り、前記トルクステア現象を軽減することができる。
【0035】次に、図5に基づいて車両の操舵系を説明
する。
【0036】ドライバーによってステアリングホイール
21に入力された操舵トルクは、ステアリングシャフト
22、連結軸23およびピニオン24を介してラック2
5に伝達され、更にラック25の往復動は左右のタイロ
ッド26,26を介して左右の前輪WFL,WFRに伝達さ
れて該前輪WFL,WFRを転舵する。操舵系に設けられた
電動パワーステアリング装置Sは、モータ27の出力軸
に設けた駆動ギヤ28と、この駆動ギヤ28に噛み合う
従動ギヤ29と、この従動ギヤ29と一体のスクリュー
シャフト30と、このスクリューシャフト30に噛み合
うとともに前記ラック25に連結されたナット31とを
備える。
【0037】第2電子制御ユニットU2 は、単独で電動
パワーステアリング装置Sの作動を制御するものではな
く、駆動力配分装置Tの作動と関連して電動パワーステ
アリング装置Sの作動を協調制御する。
【0038】図6に示すように、第2電子制御ユニット
2 は、目標電流設定手段M9と、駆動制御手段M10
と、駆動禁止手段M11と、駆動禁止判定手段M12
と、上限チェック手段M14と、電流補正量減少手段M
15と、算出チェック手段M16と、減算手段33とを
備える。
【0039】上限チェック手段M14は、第1電子制御
ユニットU1 から入力される電流補正量ΔIおよびオフ
セット電流ΔIOSが間違いなく22A以下であることを
チェックし、更に算出チェック手段M16は、オフセッ
ト電流ΔIOSが間違い無く電流補正量ΔIの0.7倍の
大きさであることをチェックする。尚、上記チェックに
より異常が認められれば、故障判定を行って例えば駆動
力配分装置Tの作動を停止する。
【0040】電流補正量減少手段M15は、上限チェッ
ク手段M14から入力された電流補正量ΔIを、車速検
出手段S3 で検出した車速Vに基づいて減少させる。図
8から明らかなように、電流補正量ΔIの制限値が、車
速Vが0km/hから80km/hまでの低・中車速領
域では22Aに設定され、車速Vが80km/h以上の
高車速領域では22Aからリニアに減少するように設定
される。そして上限チェック手段M14から電流補正量
減少手段M15に入力された電流補正量ΔIが図8の制
限値を越える場合には、その電流補正量ΔIが制限値に
制限されることにより減少する。即ち、電流補正量ΔI
は車速Vの増加に応じて減少することになる。
【0041】目標電流設定手段M9は、車速検出手段S
3 から入力される車速Vと、操舵トルク検出手段S5
ら入力される操舵トルクTQ とに基づいて、電動パワー
ステアリング装置Sのモータ27を駆動する目標電流I
MSをマップ検索する。目標電流IMSは操舵トルクTQ
増加するに伴って増加し、かつ車速Vが減少するに伴っ
て増加するように設定されており、この特性により車両
の運転状態に応じた操舵補助トルクを発生させることが
できる。
【0042】目標電流設定手段M9が出力する目標電流
MSと電流補正量減少手段M15が出力する電流補正量
ΔI′とが減算手段33に入力され、そこで目標電流I
MSから電流補正量ΔI′が減算されて補正目標電流
MS′(=IMS−ΔI′)が算出される。尚、駆動力配
分装置Tの作動によりドライバーのステアリング操作と
同方向の操舵力が作用する場合には、目標電流IMSから
電流補正量ΔI′を減算して補正目標電流IMS′を算出
するが、ドライバーのステアリング操作と逆方向の操舵
力が作用する場合には、目標電流IMSに電流補正量Δ
I′を加算して補正目標電流IMS′を算出する場合もあ
る。
【0043】駆動制御手段M10は補正目標電流IMS
をモータ駆動信号VD に変換し、そのモータ駆動信号V
D を駆動禁止手段M11に出力する。駆動禁止手段M1
1は、駆動禁止判定手段M12から駆動禁止信号が入力
されないときには、前記モータ駆動信号VD をモータド
ライバ32に出力してモータ電圧VM でモータ27を駆
動することにより、電動パワーステアリング装置Sに操
舵補助トルクを発生させる。而して、目標電流IMSおよ
び電流補正量ΔI′から算出した補正目標電流IMS′に
基づいて電動パワーステアリング装置Sを制御すること
により、電動パワーステアリング装置Sの本来の機能で
あるドライバーのステアリング操作のアシストと、トル
クステア現象の軽減とを同時に行わせることができる。
【0044】電流補正量減少手段M15から減算手段3
3に入力される電流補正量ΔI′は車速Vの増加に応じ
て減少するので(図8参照)、ステアリングの効きが敏
感になる高車速時に駆動力配分装置Tの第1電子制御ユ
ニットU1 の故障により誤った電流補正量ΔIが出力さ
れた場合に、電動パワーステアリング装置Sがドライバ
ーに違和感を与えるような操舵トルクを発生することが
防止される。例えば、車両が直進走行していて駆動力配
分装置Tが不作動状態にあるとき、トルク配分量TL
R が0であるために電流補正量ΔIも0になる筈であ
る。このようなときに第1電子制御ユニットU1 の故障
により電流補正量ΔIが出力されると、電動パワーステ
アリング装置Sが不必要な操舵トルクを発生するが、電
流補正量減少手段M15が電流補正量ΔIを車速Vの増
加に応じて減少させた電流補正量ΔI′を減算手段33
に出力するので、高車速時に電動パワーステアリング装
置Sが発生する不必要な操舵トルクを減少させてドライ
バーが受ける違和感を軽減することができる。
【0045】一方、制御系の故障等の異常事態が発生し
た場合には、駆動禁止判定手段M12から駆動禁止手段
M11に駆動禁止信号が入力され、駆動禁止手段M11
は前記モータ駆動信号VD の出力を禁止して電動パワー
ステアリング装置Sの作動を禁止し、電動パワーステア
リング装置Sがドライバーの予期せぬ操舵補助トルクを
発生するのを防止するようになっている。
【0046】駆動禁止判定手段M12には、電流検出手
段S6 で検出したモータ27に供給されるモータ実電流
M と、操舵トルク検出手段S5 で検出した操舵トルク
Qと、算出チェック手段M16が出力するオフセット
電流ΔIOSとが入力される。駆動禁止判定手段M12
は、オフセット電流ΔIOSに基づいて補正されたマップ
にモータ実電流IM および操舵トルクTQ を適用するこ
とにより、電動パワーステアリング装置Sの駆動を禁止
するか否かを判定する。
【0047】図9(A)は上記判定を行うための従来の
マップであって、本来このマップは駆動力配分装置Tを
備えていない車両、つまり電動パワーステアリング装置
Sおよび駆動力配分装置Tの協調制御を行わない車両に
対して設定されたものである。ここで、横軸は操舵トル
ク検出手段S5 で検出した操舵トルクTQ を、縦軸は電
流検出手段S6 で検出したモータ実電流IM を表してい
る。横軸の原点よりも右側の操舵トルクTQ が(+)の
領域はステアリングホイール21に右旋回方向の操舵ト
ルクが入力された場合に対応し、横軸の原点よりも左側
の操舵トルクT Q が(−)の領域はステアリングホイー
ル21に左旋回方向の操舵トルクが入力された場合に対
応する。また縦軸の原点よりも上側のモータ実電流IM
が(+)の領域はモータ27が右旋回方向のトルクを出
力する場合に対応し、縦軸の原点よりも下側のモータ実
電流IM が(−)の領域はモータ27が左旋回方向のト
ルクを出力する場合に対応する。そして操舵トルクTQ
およびモータ実電流IM が斜線を施したアシスト禁止領
域にあるとき、駆動禁止判定手段M12は駆動禁止手段
M11にモータ27の駆動を禁止する指令を出力する。
【0048】例えば、ドライバーがステアリング操作を
行っていないにも拘わらず、第2電子制御ユニットU2
の故障によってモータ27が大きな電流で右旋回方向に
駆動されたとすると、そのときのモータ実電流IM
(+)領域のaになる。モータ27が右旋回方向に勝手
に駆動されたことにより、ドライバーはステアリングホ
イール21に左旋回方向の強い操舵トルクTQ を加えて
車両を直進させようとするため、操舵トルク検出手段S
5 が検出する操舵トルクTQ は(−)領域のbになる。
その結果、モータ実電流IM および操舵トルクTQ は図
9にP点で示す関係になって斜線を施したアシスト禁止
領域に入り、駆動禁止判定手段M12がモータ27の駆
動を禁止する指令を出力することにより、電動パワース
テアリング装置Sが望ましくない操舵補助トルクを発生
するのを防止することができる。
【0049】以上の説明は、電動パワーステアリング装
置Sおよび駆動力配分装置Tの協調制御を行わない車両
に対して当てはまるものであるが、協調制御を行う車両
では以下のような不具合が発生する。即ち、協調制御を
行う車両では、モータ実電流IM にドライバーのステア
リング操作をアシストするための電流成分と、トルクス
テア現象を軽減するための電流成分とが含まれるため、
トルクステア現象を軽減するための電流成分を考慮して
いない図9(A)のマップをそのまま使用すると、誤判
定が発生して電動パワーステアリング装置Sの作動が必
要なときに作動が禁止されたり、電動パワーステアリン
グ装置Sの作動が不要なときに作動が許可されたりする
可能性がある。
【0050】例えば、協調制御を行う車両では、操舵ト
ルクTQ の方向とモータ実電流IMの方向とが逆になる
領域(図9(A)の第2象限および第4象限)において
も操舵アシストを許可する場合がある。なぜならば、駆
動力配分装置Tの作動によって操舵方向と同方向のトル
クステア現象が発生しており、このトルクステア現象を
打ち消すための逆方向の電流補正量ΔIが電動パワース
テアリング装置Sの目標電流IMSよりも大きい場合を考
える。この場合に図9(A)のマップをそのまま使用す
ると、操舵アシストが禁止されるためにトルクステア現
象を打ち消すことができなくなる。
【0051】これを回避するには、図9(B)に示すよ
うに、アシスト禁止領域を縦軸方向に電流補正量ΔIの
分だけ平行移動させれば良い。これにより、電動パワー
ステアリング装置Sに電流補正量ΔIの分だけ操舵方向
と逆方向の操舵トルクを発生させ、駆動力配分装置Tの
作動に伴うトルクステア現象を打ち消すことができる。
【0052】しかしながら、上述のように電動パワース
テアリング装置Sの駆動禁止を判定するマップを縦軸方
向に電流補正量ΔIの分だけ平行移動すると、次のよう
な新たな問題が発生する。例えば、車両が直進走行して
いて駆動力配分装置Tが発生するトルク配分量TL ,T
R が0であり、かつドライバーがステアリング操作をし
ていないために目標電流IMSが0である場合、本来0で
ある筈の電流補正量ΔIが第1電子制御ユニットU1
異常によって出力されてしまったとする。この異常な電
流補正量ΔIは上限チェック手段M14で22Aを越え
る分はカットされるが、上限チェック手段M14を通過
した最大値で22Aの電流補正量ΔIによって電動パワ
ーステアリング装置Sが作動してしまい、ドライバーに
違和感を与える可能性がある。特に、車両の高速走行時
にはステアリング操作による車両挙動の変化が大きいた
め、ドライバーの受ける違和感が大きくなる。
【0053】この問題を解消すべく本実施例では、駆動
力配分装置Tの第1電子制御ユニットU1 に設けたオフ
セット電流算出手段M13で電流補正量ΔIを減少させ
たオフセット電流ΔIOSを算出し(図7参照)、アシス
ト禁止領域を縦軸方向に前記オフセット電流ΔIOSの分
だけ平行移動させている。その結果、電動パワーステア
リング装置Sの駆動禁止を判定するマップは図9(C)
に示すものとなる。
【0054】図9(B)および図9(C)を比較すると
明らかなように、アシスト禁止領域を縦軸方向に電流補
正量ΔIの分だけ平行移動した図9(B)のものでは、
電流補正量ΔI(最大で22A)よりも大きい逆方向の
操舵アシスト力が発生すると電動パワーステアリング装
置Sの駆動禁止が判定されるが、前記22Aより僅かで
も小さい逆方向の操舵アシスト力が発生した場合には、
電動パワーステアリング装置Sの駆動が許可される場合
がある。それに対して、電流補正量ΔIの70%の大き
さに減少させたオフセット電流ΔIOSを採用した図9
(C)のものでは、アシスト禁止領域の縦軸方向の平行
移動量は図9(B)のものの70%になり、最大値で2
2A×0.7=15.4Aを越える逆方向の操舵アシス
ト力が発生すると電動パワーステアリング装置Sの駆動
禁止が判定される。
【0055】以上のように、電流補正量ΔIに比べてオ
フセット電流ΔIOSを小さく設定することにより、モー
タ実電流IM がオフセット電流ΔIOSを越えた時点で電
動パワーステアリング装置Sの作動が禁止され、ドライ
バーが受ける違和感を軽減することができる。これによ
り、駆動力配分装置Tおよび電動パワーステアリング装
置Sの協調制御を可能にしながら、駆動力配分装置Tの
第1電子制御ユニットU1 の故障時に電動パワーステア
リング装置Sが大きな操舵アシスト力を発生してドライ
バーに違和感を与えるのを防止することができる。
【0056】次に、図10に基づいて本発明の第2実施
例を説明する。
【0057】上述した第1実施例では、電動パワーステ
アリング装置Sのモータ27の駆動禁止の判定にモータ
実電流IM を使用しているが、駆動制御手段M10が出
力するモータ駆動信号VD は前記モータ実電流IM と比
例関係にあることに鑑み、本実施例ではモータ実電流I
M に代えてモータ駆動信号VD を使用して第1実施例と
同様の作用効果を得るようになっている。
【0058】具体的には、駆動力配分装置Tの第1電子
制御ユニットU1 が補正電流ΔIと、この補正電流ΔI
に相当するオフセット信号ΔVOSとを算出し、電動パワ
ーステアリング装置Sの第2電子制御ユニットU2 の上
限チェック手段M14および算出チェック手段M16で
オフセット信号ΔVOSが所定の上限値以下であることを
チェックする。そして駆動制御手段M10が出力するモ
ータ駆動信号VD と、駆動トルク検出手段S5 が出力す
る駆動トルクTQ と、前記オフセット信号ΔV OSとが入
力される駆動禁止判定手段M12において、モータ駆動
信号VD および駆動トルクTQ がアシスト禁止領域にあ
るか否かを判定する。その際に使用されるマップは第1
実施例で使用したマップ(図9(C)参照)と実質的に
同じものであり、その縦軸を「モータ実電流IM 」から
「モータ駆動信号VD 」に変更し、かつ縦軸方向の平行
移動量を「オフセットΔIOS」から「オフセット信号Δ
OS」に変更したものに相当する。
【0059】而して、本第2実施例によっても、駆動力
配分装置Tおよび電動パワーステアリング装置Sの協調
制御を可能にしながら、駆動力配分装置Tの第1電子制
御ユニットU1 が故障して異常な補正電流ΔIが出力さ
れたときに、電動パワーステアリング装置Sの作動を的
確に禁止してドライバーが受ける違和感を軽減すること
ができる。
【0060】以上、本発明の実施例を詳述したが、本発
明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行う
ことが可能である。
【0061】例えば、実施例では電動パワーステアリン
グ装置を駆動力配分装置と協調制御しているが、本発明
の電動パワーステアリング装置は駆動力配分装置以外の
装置と協調制御するものであっても良い。
【0062】
【発明の効果】以上のように請求項1に記載された発明
によれば、外部の制御手段で算出したモータ制御信号補
正量でモータ制御信号を補正した補正モータ制御信号に
よってモータを駆動するので、前記外部の制御手段が故
障してモータ制御信号補正量が異常になると補正モータ
制御信号も異常になり、電動パワーステアリング装置が
適切な操舵補助トルクを発生することができなくなる。
特に、車両の高速走行時にはステアリングの効きが敏感
になるため、不適切な操舵補助トルクを発生するとドラ
イバーが受ける違和感も大きくなる。しかしながら、モ
ータ制御信号補正量減少手段が車速の増加に応じてモー
タ制御信号補正量を減少させることにより、異常なモー
タ制御信号補正量の影響を小さくしてドライバーが受け
る違和感を減少させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】駆動力配分装置の構造を示す図
【図2】第1電子制御ユニットの回路構成を示すブロッ
ク図
【図3】中低車速域での右旋回時における駆動力配分装
置の作用を示す図
【図4】中低車速域での左旋回時における駆動力配分装
置の作用を示す図
【図5】電動パワーステアリング装置の構造を示す図
【図6】第2電子制御ユニットの回路構成を示すブロッ
ク図
【図7】トルク配分量から電流補正量あるいはオフセッ
ト電流を検索するマップを示す図
【図8】車速から電流補正量の上限値を検索するマップ
を示す図
【図9】電動パワーステアリング装置の作動禁止領域を
検索するマップを示す図
【図10】本発明の第2実施例に係る第2電子制御ユニ
ットの回路構成を示すブロック図
【符号の説明】
MS 目標電流(モータ制御信号) IMS′ 補正目標電流(補正モータ制御信号) ΔI 電流補正量(モータ制御信号補正量) M9 目標電流設定手段(モータ制御信号算出手
段) M15 電流補正量減少手段(モータ制御信号補正
量減少手段) S5 操舵トルク検出手段 TQ 操舵トルク U1 第1電子制御ユニット(外部の制御手段) V 車速 27 モータ 32 モータドライバ(駆動手段) 33 減算手段(補正モータ制御信号算出手段)
フロントページの続き (72)発明者 堀 昌克 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 (72)発明者 泊 辰弘 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 (72)発明者 大熊 信司 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 (72)発明者 岩崎 明裕 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 (72)発明者 栗林 隆司 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 (72)発明者 和田 一浩 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 Fターム(参考) 3D032 CC08 CC12 CC35 DA15 DA23 DA64 DB02 DC08 DC34 DD02 DE09 EA01 EB11 EC23 EC24 FF05 GG01 3D033 CA03 CA11 CA13 CA16 CA17 CA21 CA31 CA32

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも操舵トルク検出手段(S5
    で検出した操舵トルク(TQ )に基づいて、操舵補助ト
    ルクを発生するモータ(27)を駆動するモータ制御信
    号(IMS)を算出するモータ制御信号算出手段(M9)
    と、 外部の制御手段(U1 )で算出したモータ制御信号補正
    量(ΔI)および前記モータ制御信号(IMS)から補正
    モータ制御信号(IMS′)を算出する補正モータ制御信
    号算出手段(33)と、 補正モータ制御信号算出手段(33)で算出した補正モ
    ータ制御信号(IMS′)に基づいてモータ(27)を駆
    動する駆動手段(32)と、を備えた電動パワーステア
    リング装置において、 前記モータ制御信号補正量(ΔI)を車速(V)の増加
    に応じて減少させるモータ制御信号補正量減少手段(M
    15)を備えたことを特徴とする電動パワーステアリン
    グ装置。
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