JP2001068319A - フェライト磁石 - Google Patents
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Abstract
クロ組織にしたことにより、高いBr及び高い角形比Hk/i
Hcを有する高性能フェライト磁石を提供する。 【解決手段】 (A1−xRx)O・n[(Fe
1−yMy)2O3](原子比率) (ただし、AはSr及び/又はBaであり、RはYを含
む希土類元素の少なくとも1種でありLaを必ず含み、
MはCo又はCoとZnであり、x,y及びnはそれぞ
れ下記条件:0≦n≦6.4,0.01≦x≦0.4,及び0.005≦
y≦0.04を満たす数字である。)により表される主要成
分組成を有し、かつ実質的にマグネトプランバイト型結
晶構造を有し、La又はCoの低濃度領域が少なくとも
直径0.2μmの円が入る範囲で存在することを特徴とす
るフェライト磁石。
Description
ランバイト型結晶構造を有し、かつ従来に比べてLa及
び/又はCoを不均一に分布させたミクロ組織にしたこ
とにより、高い残留磁束密度Br及び高い角形比Hk/iHcを
有するようにした高性能フェライト磁石に関する。又本
発明は、n=5.8〜6.2、x=0.2〜0.3、(x/2ny)=1.0超
1.3以下の主要成分組成を選択し、CaO含有量=0.5〜1.5
重量%及びSiO2含有量=0.25〜0.55重量%であり、ア
スペクト比(d/t)=2.5〜3.0である高性能フェライ
ト磁石に関する。
回転機を含む種々の用途に使用されている。最近、自動
車用回転機分野では小型・軽量化を目的とし、電気機器
用回転機分野では高効率化を目的としてより高い磁気特
性を有するフェライト磁石が求められている。従来の高
性能フェライト磁石は以下のように製造されていた。例
えば、酸化鉄とSr又はBaの炭酸塩とを混合後、仮焼
してフェライト化する。次に、仮焼物を粗粉砕し、次い
で微粉砕する。微粉砕時に焼結性を制御する添加物とし
てSiO 2,SrCO3及びCaCO3,さらに残留磁束密度Br及
び固有保磁力iHcを制御する添加物としてAl2O3あるい
はCr2O3等を所定量添加し、所望の平均粒径まで微粉
砕する。次いで、前記微粉を用いて配向磁界を印加しつ
つ圧縮成形し、焼結する。その後所定寸法に加工してフ
ェライト磁石製品とする。
合、フェライト磁石の高性能化の手段は以下の5つに大
きく分類される。第1の手段は微粒化である。フェライ
ト磁石の焼結体のc面(実用上最も高いBrの得られる磁
気異方性付与方向に対し直角な面と定義する)の結晶粒
径が、マグネトプランバイト(M)型フェライト磁石の
臨界単磁区粒子径(約0.9μm)に近いほどiHcは大きく
なる。よって、焼結時の結晶粒成長を見込んで、微粉砕
の平均粒径を例えば0.7μm以下に微粒化すればよい。
しかし、この方法によると、微粒化するほど成形性及び
湿式成形では脱水特性が悪くなり、工業生産効率が落ち
るという問題を有する。第2の手段は焼結体のc面の結
晶粒径分布を約0.9μm近傍の狭い分布にすることであ
る。0.9μmより大きな結晶粒も小さな結晶粒もiHcの低
下を招くからである。このための具体的な手段は微粉砕
粉の粒径分布を改善することであるが、工業生産上ボー
ルミル又はアトライターなどの既存の粉砕機を用いざる
を得ないので微粉砕粉の粒径分布の改善は自ずと制限さ
れる。次に、近年、化学的沈殿法により狭い粒径分布に
調整したフェライト微粒子を用いて高性能フェライト磁
石を作製する試みがなされているが、実用化には至って
いない。第3の手段は磁気異方性化度を左右するフェラ
イト磁石の配向度を向上することであり、具体的には成
形体の配向度の向上及び焼結による配向度の向上があ
る。界面活性剤を微粉砕スラリーに添加してスラリー中
のフェライト微粒子の分散性を改善するか、あるいは配
向磁界強度を増大して成形体の配向度を向上する方法が
考えられる。あるいは仮焼時のフェライト化反応の促進
及び/又は成形体の緻密な焼結に寄与する添加物(SiO
2,CaCO3等)を所定量添加して焼結体の配向度を向上
することが考えられる。第4の手段は焼結体の密度を向
上することである。Srフェライト磁石の理論密度は5.
15Mg/m3(g/cm3)である。実用に供されているSrフ
ェライト磁石の密度は約4.9〜5.0Mg/m3(g/cm3)であ
り、対理論密度比で95〜97%に相当する。高密度化すれ
ばBrが向上するが、前記密度範囲を超えてさらに高密度
化するにはHIP等の特殊な高密度化手段が必要である。
しかし、このような特殊なプロセスの導入は製造原価を
増大させる。第5の手段はM型フェライト磁石を構成す
る主相のフェライト化合物(M相)自体の飽和磁化σs
あるいは結晶磁気異方性定数を向上することである。σ
sが向上すればBrが向上し、結晶磁気異方性定数が向上
すれば保磁力Hc,iHcが向上することが期待される。近
年、M型フェライト磁石より大きなσsを有するW型フ
ェライト磁石の開発が行われているが、雰囲気制御の困
難さのため実用化には至っていない。次に、特開平9-11
5715号公報には、A1−xRx(Fe12−yMy)zO19、
(AはSr,Ba,Ca及びPbの少なくとも1種であ
り、RはY及びBiを含む希土類元素の少なくとも1種
であってLaを必ず含み、MはZn及び/又はCdであ
り、モル比で、0.04≦x≦0.45,0.04≦y≦0.45,0.7
≦z≦1.2 で表される主要成分及び六方晶マグネトプ
ランバイト型フェライトの主相を有するフェライト磁石
が開示されている。しかし、本発明者らの検討によれ
ば、このフェライト磁石では199.0kA/m(2.5kOe)超の高
いiHcを実現困難なことがわかった。次に、国際公開番
号:WO98/38654には、Sr,Ba,Ca及びPbから選
択される少なくとも1種であってSrを必ず含むものを
Aとし、Y及びBiを含む希土類元素の少なくとも1種
であってLaを必ず含むものをRとし、CoであるかC
o及びZnをMとしたとき、A,R,Fe及びMそれぞ
れの金属元素の総計の構成比率が、全金属元素量に対
し、A:1〜13原子%、R:0.05〜10原子%、Fe:80
〜95原子%、M:0.1〜5原子%である主要成分組成を
有するフェライト磁石が開示されている。このフェライ
ト磁石は従来に比べて高いBr及びiHcを有する高性能フ
ェライト磁石であり、各種磁石応用製品分野へ採用され
つつある。しかし、本発明者らの検討によれば、 WO9
8/38654に記載の製造条件に従い作製したフェライト磁
石は例えば後述の表1、比較例1(x=0.15)→比較例
2(x=0.20)に示す通り、角形比Hk/iHcがLa(C
o)置換量の増大とともに顕著に劣化し、高効率の要求
される回転機又は高精細の静電現像装置のマグネットロ
ール等に用いたときに要求仕様を十分満足できない場合
を発生した。Hkは4πI(磁化の強さ)−H(磁界の強
さ)曲線の第2象限において、4πI値が0.95Brになる
位置のH値であり、減磁曲線の矩形性の尺度である。Hk
を4πI−H曲線のiHcで除した値を角形比(Hk/iHc)と
定義する。次に、国際公開番号:WO99/16087には、A
(AはSr,Ba又はCa),Co及びR[Rは希土類
元素(Yを含む)及びBiから選択される少なくとも1
種を表す]を含有する六方晶フェライトの主相を有する
焼結磁石であって、少なくとも2つの異なるキュリー温
度を有し、この2つのキュリー温度は400〜480℃の範囲
に存在し、かつこれらの差の絶対値が5℃以上である焼
結磁石を開示している。又この六方晶フェライトの主相
を有する焼結磁石はその構成元素の一部又は全部を、少
なくともSr,Ba又はCaを含有する六方晶フェライ
トを主相とする粒子に添加し、その後、成形し、本焼成
を行うことにより製造され、角形比Hk/iHcを顕著に高め
たことが記載されている。しかし、WO99/16087には高い
角形比Hk/iHcを実現するための好適なミクロ組織を推測
する記述があるのみで、具体的な解明はなされていなか
った。特に、置換量xが0.2〜0.3において高い角形比Hk
/iHcを得られるミクロ組織について何ら解明されていな
かった。
第5の手段によるフェライト磁石であって、従来に比べ
てLa及び/又はCoを不均一に分布させたミクロ組織
にしたことにより、高いBr及び高い角形比Hk/iHcを有す
る高性能フェライト磁石を提供することである。又本発
明は、n=5.8〜6.2、x=0.2〜0.3、(x/2ny)=1.0超1.
3以下という主要成分組成を選択し、CaO含有量=0.5〜
1.5重量%及びSiO2含有量=0.25〜0.55重量%であり、
アスペクト比(d/t)=2.5〜3.0とした高性能フェラ
イト磁石を提供することである。
明のフェライト磁石は、 (A1−xRx)O・n[(Fe1−yMy)2O3](原
子比率) (ただし、AはSr及び/又はBaであり、RはYを含
む希土類元素の少なくとも1種でありLaを必ず含み、
MはCo又はCoとZnであり、x,y及びnはそれぞ
れ下記条件: 5.0≦n≦6.4 0.01≦x≦0.4,及び 0.005≦y≦0.04 を満たす数字である。)により表される主要成分組成を
有し、かつ実質的にマグネトプランバイト型結晶構造を
有するフェライト磁石であって、 EPMAにより前記フェライト磁石のc面をLa又はC
oについて面分析し、計数されたLa又はCoLevelの
最大値(Level,max)と最小値(Level,min)とから求め
た中間値:( Level,max+ Level,min)/2 よりもL
a又はCoLevelの高い部分を高濃度領域とし、かつ前
記中間値以下のLa又はCoLevelの部分を低濃度領域
と定義したとき、La又はCoの低濃度領域が少なくと
も直径0.2μmの円が入る範囲で存在するミクロ組織を
有する。
子比率) (ただし、AはSr及び/又はBaであり、RはYを含
む希土類元素の少なくとも1種でありLaを必ず含み、
MはCo又はCoとZnであり、x,y及びnはそれぞ
れ下記条件: 5.7≦n≦6.2, 0.2≦x≦0.3,及び 1.0<x/2ny≦1.3 を満たす数字である。)により表される主要成分組成を
有し、かつマグネトプランバイト型結晶構造を有するフ
ェライト磁石であって、CaO含有量が0.5〜1.5重量%で
あり、SiO2含有量が0.25〜0.55重量%であり、かつc
軸に平行な断面組織におけるマグネトプランバイト型フ
ェライト結晶粒のa軸方向の最大径(d)及びc軸方向
の最大厚み(t)で定義するアスペクト比(d/t)が
2.5〜3.0というミクロ組織を呈し、従来に比べてHk/iHc
を高めることができる。アスペクト比(d/t)は2.6〜
2.9がより好ましく、2.65〜2.85が特に好ましい。
量%としたとき、Al2O3に換算したAl含有量及び/
又はCr2O3に換算したCr含有量が0.3〜1.5重量%の
ときに従来と同等以上のBr及びHk/iHcを有し、かつiHc
を高めることができる。Al2O3に換算したAl含有量
及び/又はCr2O3に換算したCr含有量が0.3重量%未
満ではiHcを高める効果が得られず、1.5重量%超ではBr
及びHk/iHcが大きく低下する。
方式あるいは前/後添加方式により作製することができ
る。まず、後添加方式について説明する。仮焼後にAO・
nFe2O3(原子比率)(ただし、AはSr及び/又はB
aであり、n=5.0〜6.4)で示される主要成分組成にな
るように配合した混合原料を作製する。次いで順次、仮
焼、粗砕、粗粉砕及び微粉砕を行い、空気透過法による
平均粒径で0.3〜0.8μmの微粉を得る。微粉砕の平均粒
径が0.3μm未満では焼結時に異常結晶粒成長を生じて
磁気特性が低下し、かつ成形性及び湿式成形法を採用し
た場合では脱水特性が大きく悪化する。平均粒径が0.8
μm超では粗大な結晶粒が相対的に多くなり、iHc等が
低下する。次に、湿式または乾式の磁界中成形(無磁界
で成形してもよい)を行うが、仮焼後から成形前までの
製造工程でLaを含むR元素及びM元素を所定量添加
し、本発明のフェライト磁石の最終主要成分組成に調整
する。次いで、成形体を焼結後、所定寸法に加工し本発
明のフェライト磁石を得られる。この方式を後添加方式
という。工業生産上、Laを含むR元素及びM元素の添
加をバッチ方式の湿式又は乾式の粉砕装置を用いて微粉
砕時に行うことにより、粉砕バッチ毎に多様な主要成分
組成のフェライト磁石製品アイテムに対応できるので実
用性が高い。前/後添加方式とは、上記本発明のフェラ
イト磁石におけるR元素又はM元素の全含有量に対し、
仮焼前にLaを含むR元素及び/又はM元素を0原子%
超で90原子%以下の割合で添加し、均一混合後、仮焼す
る。次いで仮焼後から成形前までの製造工程でLaを含
むR元素及び/又はM元素の残量を添加し、上記本発明
のフェライト磁石の主要成分組成に調整する方式であ
る。なお、前添加方式とは、仮焼前の混合時において上
記本発明のフェライト磁石の主要成分組成に対応する混
合物組成に調整し、仮焼し、次いで順次粗砕、粗粉砕、
微粉砕、成形及び焼結する方式である。前/後添加方式
によるフェライト磁石は、前添加方式及び後添加方式の
フェライト磁石のほぼ中間的なミクロ組織を呈する。前
/後添加方式において、仮焼後の粉砕物(特に微粉砕
時)に添加するR元素が全R含有量の10原子%以上でか
つ100原子%未満のときにHk/iHc及びBrを高めることが
できる。又前/後添加方式において、仮焼後の粉砕物
(特に微粉砕時)に添加するM元素が全M含有量の10原
子%以上でかつ100原子%未満のときにHk/iHc及びBrを
高めることができる。後添加方式又は前/後添加方式の
採用により、モル比nが5.0未満になることが懸念され
る。これは仮焼後から成形前までの製造工程で添加する
R元素によりモル比nが顕著に低下するためである。モ
ル比nを5.0〜6.4に調整するために、仮焼後から成形前
までの製造工程で、本発明のフェライト磁石の全鉄含有
量に対し0.1〜11重量%の鉄に相当する鉄化合物を添加
することが好ましい。鉄の添加量が0.1重量%未満では
モル比nを増大することが困難であり、11原子%超では
成形体の配向性が低下し、Hk/iHc及びBrが大きく低下す
る。前記鉄化合物として磁性鉄化合物が特に好ましい。
明のフェライト磁石は、焼結段階において、仮焼後から
成形前までの製造工程で添加されたLaを含むR元素及
び/又はM元素がSr及び/又はBaフェライト結晶粒
内に拡散し、置換していく。しかし、Sr及び/又はB
aフェライト結晶粒内に十分に拡散し、均一に置換する
までには至らない。このためLaを含むR元素及び/又
はM元素の濃度分布が不均一なフェライト焼結磁石の組
織を呈する。即ち、Sr及び/又はBaフェライト結晶
粒において、相対的に、La濃度及び/又はCo濃度が
高い部分と、La濃度及び/又はCo濃度が低い部分と
を有することによりHk/iHc及びBrが高められる。Hk/iHc
及びBrが高められるメカニズムは明らかではないが、L
a及びCoの置換が不十分かあるいは全く置換されない
M型フェライト結晶粒部分によるiHcの低下分を、La
及びCoが十分に置換されたM型フェライト結晶粒部分
が補い、総合的に前添加方式によるフェライト磁石と略
同等のiHcを有し、かつHk/iHc及びBrが向上するものと
判断される。
るために、Rに占めるLaの比率を、好ましくは50原子
%以上、より好ましくは70原子%以上、特に好ましくは
99原子%以上とすることがよい。理想的には不可避的不
純物以外はRがLaからなるのがよい。従って、例え
ば、R元素供給原料として、Laを50原子%以上含み、
残部がPr,Nd及びCeの少なくとも1種並びに不可
避的不純物からなる安価なミッシュメタル(混合希土類
金属)の酸化物を用いることが実用性が高い。その場合
のRはLaとNd,Pr及びCeの少なくとも1種と不
可避的不純物とから構成される。
nは5.0〜6.4とする必要があり、5.5〜6.3がより好まし
く、5.7〜6.2が特に好ましい。nが6.4超ではM相以外
の異相(α−Fe2O3等)の存在によりiHc等が大きく低下
し、nが5.0未満ではBrが大きく低下する。xは0.01〜
0.4が好ましく、0.1〜0.3がより好ましく、0.15〜0.25
が特に好ましい。xが0.01未満では添加効果が認められ
ず、0.4超では逆に磁気特性が低下する。yとxとの間
には、電荷補償のために理想的には y=x/(2.0n)
の関係が成立する必要があるが、yがx/(2.6n)以
上、x/(1.6n)以下であれば高いBr及び高いHk/iHc
を具備するフェライト磁石を作製可能である。なお、y
がx/(2.0n)からずれた場合、Fe2+を含む場合が
あるが、何ら支障はない。典型的な例では、yの好まし
い範囲は0.04以下であり、特に0.005〜0.03である。
又、5.7≦n≦6.2,0.2≦x≦0.3及び1.0<x/2ny≦1.3
というR過剰の主要成分組成を選択し、かつCaO含有
量が0.5〜1.5重量%及びSiO2含有量が0.25〜0.55重量
%のときに従来に比べてHk/iHcを顕著に高めることがで
きる。
結性を制御する添加物としてSiO2及びCaO(CaCO3)を所
定量含有することが実用上重要である。SiO2は焼結時
の結晶粒成長を抑制する添加物であり、本発明のフェラ
イト磁石の総重量を100重量%としてSiO2含有量を0.05
〜0.55重量%とすることが好ましく、0.25〜0.55重量が
より好ましい。SiO2含有量が0.05重量%未満では焼結
時に結晶粒成長が過度に進行し保磁力が大きく低下し、
0.55重量%超では結晶粒成長が過度に抑制され結晶粒成
長による配向度の改善が不十分となりBrが大きく低下す
る。CaOは結晶粒成長を促進する添加物であり、本発明
のフェライト磁石の総重量を100重量%としてCaO含有量
は0.35〜1.5重量%が好ましく、0.4〜1.5重量%がより
好ましく、0.5〜1.5重量%が特に好ましい。CaO含有量
が1.5重量%超では焼結時に結晶粒成長が過度に進行
し、保磁力が大きく低下し、0.35重量%未満では結晶粒
成長が過度に抑制され、結晶粒成長による配向度の改善
が不十分となりBrが大きく低下する。
に、湿式微粉砕したスラリーを濃縮後あるいは乾燥し、
解砕後、混練し、次いで順次湿式磁界中成形、焼結及び
加工する製造工程を採用することが好ましい。あるいは
フェライト微粉末がスラリー中で凝集しないように、微
粉砕スラリーを乾燥後水を足すか又は濃縮して高濃度の
スラリー状態にし、続いて分散剤を所定量添加し、混練
することにより、凝集が解かれ、湿式磁界中成形した場
合に成形体の配向性が顕著に向上する。分散剤は界面活
性剤、高級脂肪酸、高級脂肪酸石鹸又は高級脂肪酸エス
テルが好ましく、アニオン系界面活性剤の1種であるポ
リカルボン酸系分散剤がより好ましく、ポリカルボン酸
アンモニウム塩が特に好ましい。分散剤の添加量は、フ
ェライト微粉末の総重量に対し、0.2〜2重量%が好ま
しい。分散剤の添加量が0.2重量%未満ではBrが向上で
きず、2重量%超ではBrが逆に低下する。前記混練時に
おいて本発明のフェライト磁石の主要成分組成になるよ
うにLaを含むR元素及び/又はM元素を所定量追添加
し、次いで順次成形、焼結及び加工を行えば後添加方式
又は前/後添加方式による本発明のフェライト磁石を作
製可能である。
えばLa2O3等の酸化物,La(OH)3(水酸化物),La2(CO
3)3・8H2O(炭酸塩の水和物)、La(CH3CO2)3・1.5
H2O及びLa2(C2O4)3・10H2O(有機酸塩)の少なくと
も1種が挙げられる。又、La,Nd,Pr,Ce及び
不可避的不純物からなる混合希土類の酸化物、水酸化
物、炭酸塩及び有機酸塩の少なくとも1種が挙げられ
る。本発明に用いるCoの化合物として、例えばCo3O
4又はCoO等の酸化物,Co(OH)2,Co3O4・m1H2O(m
1は正の値)等の水酸化物,CoCO3等の炭酸塩及びm2Co
CO3・m3Co(OH)2・ m4H2O(m2,m3及びm4は正
の値) 等の塩基性炭酸コバルトの少なくとも1種が挙げ
られる。本発明に用いるZnの化合物としてZnの酸化
物、水酸化物又は炭酸塩が挙げられる。本発明に用いる
鉄化合物として、例えばFe3O4,α−Fe2O3,FeO又
はγ−Fe2O3等の酸化物,Fe(OH)2,Fe(OH)3及
びFeO(OH)等の水酸化物の少なくとも1種が挙げら
れ、特にFe3O4に代表される磁性鉄化合物が好まし
い。
びZnからなる場合、Co含有量は(Co+Zn)含有
量に対し10〜90原子%であることが好ましく、50〜90原
子%がより好ましく、70〜90原子%が特に好ましい。C
o含有量が90原子%超ではZnの含有によるBrの向上効
果が得られず、10原子%未満では安定してiHc>199.0kA
/m(2.5kOe)を実現困難である。
又はBaをAとし、希土類元素の少なくとも1種であっ
てLaを必ず含むものをRとし、CoであるかCo及び
ZnをMとしたとき、A,R,Fe及びMそれぞれの金
属元素の総計の構成比率が、全金属元素量に対し、A:
4.35〜9原子%、R:0.07〜3.64原子%、Fe:86.36
〜92.70原子%、M:0.05〜4.64原子%である主要成分
組成を有するフェライト磁石として表示される。なお、
実質的にマグネトプランバイト型結晶構造を有するフェ
ライト磁石とは磁気特性発現相がマグネトプランバイト
相のみの場合に限定されず、主相がマグネトプランバイ
ト相である場合を包含する。
発明はそれら実施例に限定されるものではない。 (実施例1)SrCO3粉末(不純物としてBa,Caを含
む)及びα−Fe2O3粉末を用いて、仮焼後に原子比率
で SrO・5.9Fe2O3 になるように湿式混合後、大気
中、1300℃で2時間仮焼した。次にローラーミルで粗粉
砕し粗粉とした。次にアトライターにより湿式微粉砕を
行い、平均粒径(空気透過法)0.8μmの微粉砕粉を含
むスラリーを得た。微粉砕初期にLa2O3粉末,Co3O4
粉末及びFe3O4粉末を微粉砕に投入した粗粉重量を基
準にしてそれぞれ2.50重量%,1.15重量%及び6.0重量
%添加し、原子比率で (Sr0.85La0.l5)O・5.5
[(Fe0.986Co0.014)2O3] に相当する組成
に調整した。又微粉砕初期に焼結助剤として、CaCO3粉
末及びSiO2粉末を微粉砕に投入した粗粉重量を基準に
してそれぞれ0.80重量%(CaO換算で0.45重量%)及び0.4
5重量%添加した。この微粉砕スラリーにより、磁界強
度:795.8kA/m(10kOe)、成形圧力:39.2MPa(0.4ton/
cm2)の条件で磁界中圧縮成形を行い成形体を得た。成
形体を1200〜1220℃で2時間焼結し、後添加方式による
フェライト磁石を得た。次いで各フェライト磁石を10mm
×10mm×20mmの形状に加工し、B−Hトレーサーにより
20℃で磁気特性を測定した結果を表1に示す。又各フェ
ライト磁石をX線回折した結果、いずれもマグネトプラ
ンバイト相のX線回折ピークのみが観察された。次に、
1210℃で焼結した前記フェライト磁石から所定サイズの
試料を切り出し、試料のc面が表面になるようにしてラ
ップ研磨後、さらに鏡面研磨した。次いで、結晶粒界を
露呈するために塩酸でエッチング後、水洗し、乾燥し
た。次いで前記試料を電子プローブマイクロアナライザ
(JEOL:日本電子製のEPMA、JXA-8900R型)にセットし、
c面の代表的な断面組織写真を撮影した。断面組織写真
を図1に示す。また図1に対応する視野においてLa,
Co,Fe及びSrの相対濃度分布を調査するためにEP
MAにより面分析した。面分析は下記の条件で行った。分
光結晶は、La及びCoの分析では高感度型ふっ化リチウム
(LiF)を、Srの分析ではヘ゜ンタエリスリトール(PET、C(CH2
OH)4)を、Feの分析ではふっ化リチウム(LiF)を用い
た。検出器はキセノン封入型を用いた。倍率:5,000倍、加
速電圧:15kV、照射電流:0.3μA、プローブ径:約2μ
m、画素(面分析範囲の基本単位)サイズ:縦0.04μm
×横0.04μmの矩形、1画素あたりの計数時間:30mse
c、計測画素数:縦(X)方向及び横(Y)方向がとも
に400画素である。面分析結果を図2に示す。図2の右
側に各元素のLevel及び各LevelのArea%を示す。EPMAに
より前記フェライト磁石のc面をLa,Co,Fe及び
Srについて各々面分析したとき、各検出器からLa,
Co,Fe及びSrの各計数値が出力される。調整さ
れた各出力値の最大値(Level,max)及び最小値(Level,mi
n)並びに(Level,max)と(Level,min)とを等間隔で16分割
したものが各元素のLevelである。全画素に対し各Level
の画素の占める面積比率がArea%である。本発明ではL
a,Co,Fe及びSrの各々において、Levelの最大
値(Level,max)と最小値(Level,min)とから求めた中
間値:( Level,max+ Level,min)/2 よりもLevel
の高い部分を高濃度領域とし、かつ前記中間値以下のLe
velの部分を低濃度領域と定義した。この定義により、
例えば図2において、Laの低濃度領域はLevelが36.5
以下の部分であり、Coの低濃度領域はLevelが82.5以
下の部分である。図2では直径0.5μmの円が入るLa
及びCoの低濃度領域が形成されていることがわかる。
なお、図1の走査型電子顕微鏡(SEM)で撮影した断面組
織写真には試料作製時に導入された脱落部が認められる
が、本発明者らは脱落部の影響を考慮し面分析結果を解
析した。
a,Caを含む)及びα−Fe2O3粉末を用いて、仮焼
後に SrO・6Fe2O3 になるように湿式混合し、1300
℃で2時間、大気中で仮焼した。次いで仮焼物をローラ
ーミルで乾式粉砕し、粗粉とした。次にアトライターに
より湿式微粉砕を行い、平均粒径(空気透過法)0.8μ
mの微粉砕粉を含むスラリーを得た。微粉砕初期にLa2
O3粉末,Co3O4粉末及びα−Fe2O3粉末を、微粉砕
に投入した粗粉重量を基準にしてそれぞれ3.33重量%,
1.53重量%及び12.0重量%添加し、原子比率で、(Sr
0.80La0.20)O・5.6[(Fe 0.982Co
0.018)2O3] に相当する主要成分組成に調整し
た。又微粉砕初期に焼結助剤としてCaCO3粉末及びSiO
2粉末を微粉砕に投入した粗粉重量を基準にしてそれぞ
れ0.80重量%及び0.45重量%添加した。得られた微粉砕
スラリーにより、795.8kA/m(10kOe)の磁界中で圧縮成形
を行い成形体を得た。成形体を1200〜1220℃で2時間焼
結し、次いで10mm×10mm×20mmの形状に加工し、後添加
方式によるフェライト磁石の室温(20℃)の磁気特性を
測定した結果を表1に示す。又各フェライト磁石をX線
回折した結果、いずれもマグネトプランバイト相のX線
回折ピークのみが観察された。次に1210℃で焼結した前
記焼結体から所定サイズの試料を切り出し、以降は実施
例1と同様にしてc面の断面組織写真の撮影及び面分析
を行った。断面写真を図3に示す。又図3に対応する視
野における各成分の相対的な濃度分布を図4に示す。図
4より、直径0.2μmの円が入るLa及びCoの低濃度
領域が存在していることがわかる。
a,Caを含む),α−Fe2O3粉末,La2O3粉末及び
Co3O4粉末を用いて、仮焼後に下記式 (Sr1−xLax)O・n[(Fe1−yCoy)2O3] x=2ny,x=0.10,n=5.8 で示される主要成分組成になるように配合し、湿式混合
した。次いで1250℃で2時間、大気中で仮焼した。仮焼
物をローラーミルで乾式粉砕し粗粉を得た。次いで、ア
トライターにより湿式微粉砕を行い、平均粒径が0.8μ
mの微粉砕粉を含むスラリーを得た。微粉砕初期にLa2
O3粉末,Co3O4粉末及びFe3O4粉末を微粉砕に投入
した粗粉に対する重量比でそれぞれ1.67重量%、0.8重
量%及び3重量%添加した。又微粉砕初期に焼結助剤と
して、SrCO3粉末,CaCO3粉末及びSiO2粉末を微粉砕
に投入した粗粉に対する重量比でそれぞれ0.1重量%,
1.0重量%及び0.3重量%添加した。得られた微粉砕スラ
リーにより795.8kA/m(10kOe)の磁界中で圧縮成形を行
い、成形体を得た。成形体を1200〜1220℃の温度範囲で
2時間焼結し、前/後添加方式による焼結体を得た。各
焼結体の主要成分組成は概略下記式で示される。 (Sr1−xLax)O・n[(Fe1−yCoy)2O3] x=2ny,x=0.20,n=5.5 焼結体を10mmx10mmx20mmの形状に加工し、室温(20
℃)の磁気特性を測定した結果を表1に示す。又各フェ
ライト磁石をX線回折した結果、いずれもマグネトプラ
ンバイト相のX線回折ピークのみが観察された。次に、
1210℃で焼結した前記焼結体から所定サイズの試料を切
り出し、以降は実施例1と同様にしてc面の断面組織写
真の撮影及び面分析を行った。その結果、直径0.3μm
の円が入るLa及びCoの低濃度領域が観察された。
末,La2O3粉末及びCo3O4粉末を用いて、原子比率で
(Sr0.85La0.15)O・5.9[(Fe0.987Co
0.013)2O 3] に相当する主要成分組成に混合後、
1300℃で2時間、大気中で仮焼した。仮焼物をローラー
ミルで乾式粉砕し粗粉を得た。次いで、アトライターに
より湿式微粉砕を行い、平均粒径0.8μmの微粉砕粉を
含むスラリーを得た。微粉砕初期に、焼結助剤として、
SrCO3粉末,CaCO3粉末及びSiO2粉末を微粉砕に投入
した粗粉の重量に対しそれぞれ0.50重量%,0.80重量%
及び0.45重量%添加した。次に作製した微粉砕スラリー
により795.8kA/m(10kOe)の磁界中で圧縮成形を行い、成
形体を得た。成形体を1200〜1220℃で2時間焼結し、前
添加方式による焼結体を得た。各焼結体を10mm×10mm×
20mmの形状に加工し、室温(20℃)の磁気特性を測定し
た結果を表1に示す。次に、1210℃で焼結した前記焼結
体から所定サイズの試料を切り出し、以降は実施例1と
同様にしてc面の断面組織写真の撮影及び面分析を行っ
た。断面写真を図5に示す。また、図5に対応するL
a,Co,Fe及びSrの相対濃度分布を図6に示す。
図6より、この前添加方式によるフェライト磁石のL
a,Co,Fe及びSrはほぼ均一に分布していること
がわかる。
で、(Sr0.80La0.20)O・5.9[(Fe0.98 3Co
0.017)2O3] の主要成分組成を有するフェライ
ト磁石を作製した。このフェライト磁石の室温(20℃)
の磁気特性を表1に示す。次に、作製した前記フェライ
ト磁石の任意のものから所定サイズの試料を切り出し、
以降は実施例1と同様にして撮影したc面の断面組織写
真を図7に、又図7に対応するLa,Co,Fe及びS
rの相対濃度分布を図8に示す。図8より、この前添加
方式によるフェライト磁石のLa,Co,Fe及びSr
はほぼ均一に分布していることがわかる。
組成を有するSrフェライト磁石の磁気特性を表1に示
す。
と、後添加方式による実施例1のフェライト磁石は前添
加方式による比較例1に比べて、Hk/iHc及びBrが大き
く、iHcはやや低いことがわかる。次に、表1において
x=0.20の組成でかつ同一焼結温度で比較した場合、後
添加方式による実施例2のフェライト磁石は前添加方式
による比較例2に比べて、Hk/iHc及びBrが高く、iHcは
やや低いことがわかる。又、実施例2(x=0.20)では
実施例1(x=0.15)に比べてHk/iHcの顕著な低下がが
認められる。次に、前/後添加方式による実施例3のフ
ェライト磁石(x=0.20)は比較例2に比べて高いBr,
iHc及びHk/iHcを有することがわかる。
ェライト磁石の磁化−温度曲線の測定結果を説明する。
実施例1〜3及び比較例1〜3で作製したフェライト磁
石から、各々3mm×3mm×5mm(磁化方向)の直方体形
状の試料を切り出した。次に振動試料型磁力計(東英工
業(株)製、VSM−3型)に各試料を順次セットし、500
℃まで加熱後、2〜5℃/分の降温速度で冷却しつつ磁
化M(emu/g)−温度T(℃)曲線を描いた。実施例1の
フェライト磁石の磁化−温度曲線を図9の下側に、実施
例2のフェライト磁石の磁化−温度曲線を図10の下側
に、実施例3のフェライト磁石の磁化−温度曲線を図1
1の下側に、比較例1〜3のフェライト磁石の磁化−温
度曲線を図12の下側に示す。また、図9〜12の上側
に各々(dM/dT)−温度T曲線を示す。図9〜11より、
実施例1〜3のフェライト磁石はいずれも磁化Mの温度T
に対する変化率(dM/dT)−T曲線が2つの極小点及び1つ
の極大点を有することがわかる。図9に例示するよう
に、極小点P,R及び極大点Qに対応する磁化−温度曲
線の接点P’,Q’及びR’から磁化−温度曲線の接線
L1,L2及びL3を引いたとき、接線L1とL2との
交点S2の温度を第2キュリー点(Tc2)、接線L3と
磁化=0の横軸(温度T軸)との交点S1を第1キュリ
ー点(Tc1)と定義した。実施例1のフェライト磁石は
2つのTcを有しており、Tc1=453℃,Tc2=441℃であっ
た。同様にして、図10(実施例2)のフェライト磁石
のTc1=452℃、Tc2=437℃であった。図11(実施例
3)のフェライト磁石のTc1=450℃,Tc2=439℃であっ
た。これに対し、図12の比較例1〜3のフェライト磁
石の磁化−温度曲線はいずれも1つのTcのみを有し、か
つ(dM/dT)−温度T曲線は1つの極小点のみを有するこ
とがわかる。この極小点に対応する各磁化−温度曲線の
位置を接点として各磁化−温度曲線に接線を引き、各接
線と温度T軸との交点を読取り、キュリー点(Tc)を求
めた。比較例3(x=0)ではTc=453℃,比較例1
(x=0.15)ではTc=443℃,比較例2(x=0.20)で
はTc=439℃であった。
a,Caを含む)及びα−Fe2O3粉末を用いて、仮焼
後に原子比率で SrO・5.9Fe2O3 の組成になるよう
に湿式混合後、大気中、1300℃で2時間仮焼した。次に
ローラーミルで粗粉砕し粗粉を得、次いでアトライター
により湿式微粉砕を行い、平均粒径0.8μmの微粉砕粉
を含むスラリーを得た。微粉砕初期にLa2O3粉末,Co
3O4粉末,Fe3O4粉末及びAl2O3粉末を微粉砕に投
入した粗粉に対する重量比でそれぞれ2.50重量%,1.15
重量%,6.0重量%及び0.7重量%添加した。又微粉砕初
期に焼結助剤として、CaCO3粉末及びSiO2粉末を微粉
砕に投入した粗粉に対する重量比でそれぞれ0.80重量%
及び0.45重量%添加した。作製した微粉砕スラリーによ
り、磁界強度:795.8kA/m(10kOe)、成形圧力:39.2MPa
(0.4ton/cm2)の条件で磁界中圧縮成形を行い成形体を
得た。成形体を1200〜1220℃で2時間焼結し、得られた
後添加方式による焼結体は下記の主要成分組成を有し、
前記焼結体の総重量を100重量%としてAl2O3に換算し
たAl含有量は0.6重量%であった。 (Sr1−xLax)O・n[(Fe1−yCoy)2O3] x=2ny=0.15,n=5.6 次に、前記焼結体を10mm×10mm×20mmの形状に加工し、
室温(20℃)の磁気特性を測定した結果を表2に示す。
又各フェライト磁石をX線回折した結果、いずれもマグ
ネトプランバイト相のX線回折ピークのみが観察され
た。次に、1210℃で焼結した前記焼結体から所定サイズ
の試料を切り出し、以降は実施例1と同様にしてc面の
断面組織写真の撮影及び面分析を行った。その結果、直
径0.2μmの円が入るLa及びCoの低濃度領域が観察
された。
a,Caを含む),α−Fe2O3粉末,Co3O4粉末及び
La2O3粉末を用いて、仮焼後に原子比率で (Sr1−x
Lax)O・N[(Fe1−yCoy)2O3],n=6,x=2n
y=0.075 の主要成分組成になるように湿式混合後、1
200℃で2時間、大気中で仮焼した。仮焼物をローラー
ミルで乾式粉砕し粗粉を得た。次いで、アトライターに
より湿式微粉砕を行い、平均粒径0.8μmの微粉砕粉を
含むスラリーを得た。微粉砕の初期にx=2ny=0.1
5,n=5.7 の最終組成になるようにLa2O3粉末,Co
3O4粉末及びFe3O4粉末を添加した。又微粉砕初期に
Cr2O3粉末を微粉砕に投入した粗粉の重量に対し1.1重
量%添加した。又微粉砕初期に焼結助剤としてCaCO3粉
末及びSiO2粉末を微粉砕に投入した粗粉の重量に対し
0.80重量%及び0.45重量%添加した。作製した微粉砕ス
ラリーにより、磁界強度:795.8kA/m(10kOe)、成形圧
力:39.2MPa(0.4ton/cm2)の条件で磁界中圧縮成形を行
い成形体を得た。成形体を1200〜1220℃で2時間焼結
し、得られた前/後添加方式による焼結体は下記の主要
成分組成を有し、前記焼結体の総重量を100重量%とし
てCr2O3に換算したCr含有量は1.1重量%であった。
(Sr1−xLax)O・n[(Fe1−yCoy)2O3],x=2
ny=0.15,n=5.7次に、前記焼結体を10mm×10mm×2
0mmの形状に加工し、室温(20℃)の磁気特性を測定し
た結果を表2に示す。又各焼結体をX線回折した結果、
いずれもマグネトプランバイト相のX線回折ピークのみ
が観察された。次に、1210℃で焼結した前記焼結体から
所定サイズの試料を切り出し、以降は実施例1と同様に
してc面の断面組織写真の撮影及び面分析を行った。そ
の結果、直径0.3μmの円が入るLa及びCoの低濃度
領域が観察された。
a,Caを含む)及びα−Fe2O3粉末を用いて、仮焼
後に SrO・6Fe2O3 の主要成分組成になるように湿
式混合し、次いで1200℃で2時間、大気中で仮焼した。
次いで仮焼物をローラーミルで乾式粉砕し粗粉を得た。
次いでアトライターにより湿式微粉砕を行い、平均粒径
0.8μmの微粉砕粉を含むスラリーを得た。微粉砕初期
に、(Sr1−xLax)O・n[(Fe1−yCoy/2Zny/2)
2O3],x=2ny=0.15,n=5.7 の最終組成にな
るようにLa2O3粉末,Co3O4粉末,ZnO粉末及びFe3O
4粉末を所定量ずつ追添加した。又微粉砕初期に焼結助
剤として、SrCO3粉末,SiO2粉末及びCaCO3粉末を微
粉砕に投入した粗粉の重量対比でそれぞれ0.50重量%,
0.40重量%及び0.8重量%添加した。得られた微粉砕ス
ラリーにより、磁界強度:795.8kA/m(10kOe)、成形圧
力:39.2MPa(0.4ton/cm2)の条件で磁界中圧縮成形を行
い成形体を得た。次いで成形体を1200〜1220℃で2時間
焼結し、後添加方式による焼結体を得た。次いで10mmx
10mmx20mmの形状に加工し、以降は実施例1と同様にし
て磁気特性を測定した結果を表2に示す。又各フェライ
ト磁石をX線回折した結果、いずれもマグネトプランバ
イト相のX線回折ピークのみが観察された。次に、1210
℃で焼結した前記焼結体から所定サイズの試料を切り出
し、以降は実施例1と同様にしてc面の断面組織写真の
撮影及び面分析を行った。その結果、直径0.4μmの円
が入るLa及びCoの低濃度領域が観察された。
a,Caを含む),α−Fe2O3粉末,La2O3粉末,Co
3O4粉末及びZnO粉末を用いて、仮焼後に原子比率で
(Sr1−xLax)O・n[(Fe1−yCoy/2Zny/2)2O
3]、n=6,x=2ny=0.075 の組成になるよう
に湿式混合後、1200℃で2時間、大気中で仮焼した。仮
焼物をローラーミルで乾式粉砕し粗粉を得た。次に、ア
トライターにより湿式微粉砕し、平均粒径0.8μmの微
粉砕粉を含むスラリーを得た。微粉砕初期に、x=2n
y=0.15,n=5.7 の最終主要成分組成になるようにL
a2O3粉末,Co3O4粉末,ZnO粉末及びFe3O4粉末を
所定量ずつ追添加した。又微粉砕初期に焼結助剤として
SrCO3粉末,SiO2粉末及びCaCO3粉末を微粉砕に投入
した粗粉の重量対比でそれぞれ0.50重量%,0.40重量%
及び0.80重量%添加した。得られた微粉砕スラリーによ
り、磁界強度:795.8kA/m(10kOe)、成形圧力:39.2MPa
(0.4ton/cm2)の条件で磁界中圧縮成形を行い成形体を
得た。成形体を1200〜1220℃で2時間焼結し、前/後添
加方式による焼結体を得た。次いで10mmx10mmx20mmの
形状に加工し、以降は実施例1と同様にして磁気特性を
測定した結果を表2に示す。又各フェライト磁石をX線
回折した結果、いずれもマグネトプランバイト相のX線
回折ピークのみが観察された。次に、1210℃で焼結した
前記焼結体から所定サイズの試料を切り出し、以降は実
施例1と同様にしてc面の断面組織写真の撮影及び面分
析を行った。その結果、直径0.3μmの円が入るLa及
びCoの低濃度領域が観察された。
末,La2O3粉末及びCo3O4粉末を用いて、仮焼後に原
子比率で (Sr1−xLax)O・n[(Fe1−yCoy)2O3]
,x=2ny=0.15,n=5.9 の主要成分組成になる
ように混合後、1300℃で2時間、大気中で仮焼した。仮
焼物をローラーミルで乾式粉砕し粗粉を得た。次いでア
トライターにより湿式微粉砕を行い、平均粒径0.8μm
の微粉砕粉を含むスラリーを得た。微粉砕初期に、焼結
助剤としてSrCO3粉末,CaCO3粉末,SiO2粉末及びAl
2O3粉末を微粉砕に投入した粗粉重量に対してそれぞ
れ0.50重量%,0.80重量%,0.45重量%及び0.7重量%
添加した。次いで作製した微粉砕スラリーにより、磁界
強度:795.8kA/m(10kOe)、成形圧力:39.2MPa(0.4ton/c
m2)の条件で磁界中圧縮成形を行い成形体を得た。次い
で成形体を1200〜1220℃で2時間焼結し、前添加方式に
よる焼結体を得た。焼結体を10mm×10mm×20mmの形状に
加工し、室温(20℃)の磁気特性を測定した結果を表2
に示す。
末,La2O3粉末,Co3O4粉末及びZnO粉末を用いて、
仮焼後に原子比率で (Sr1−xLax)O・n[(Fe1−yCo
y/2Zny/2)2O 3],x=2ny=0.15,n=5.9
の主要成分組成になるように混合後、1300℃で2時間、
大気中で仮焼した。仮焼物をローラーミルで乾式粉砕し
粗粉を得た。次いで、アトライターにより湿式微粉砕を
行い、平均粒径が0.8μmの微粉砕粉を含むスラリーを
得た。微粉砕初期に、焼結助剤として、SrCO3粉末,Ca
CO3粉末及びSiO2粉末を微粉砕に投入した粗粉重量に
対してそれぞれ0.50重量%,0.80重量%及び0.45重量%
添加した。次に微粉砕したスラリーにより、磁界強度:
795.8kA/m(10kOe)、成形圧力:39.2MPa(0.4ton/cm2)の
条件で磁界中圧縮成形を行い成形体を得た。次いで成形
体を1200〜1220℃で2時間焼結し、前添加方式による焼
結体を得た。各焼結体を10mm×10mm×20mmの形状に加工
し、室温(20℃)の磁気特性を測定した結果を表2に示
す。次に、1210℃で焼結した前記焼結体から所定サイズ
の試料を切り出し、以降は実施例1と同様にしてc面の
断面組織写真の撮影及び面分析を行った。その結果、前
記前添加方式によるフェライト磁石はLa,Co,Fe
及びSrがほぼ均一に分布していることがわかった。
後添加方式によるフェライト磁石でありAl2O3を所定
量含有することにより、0.417T(4170G)以上のBrと33
8.2kA/m(4250Oe)以上のiHcと82.4%以上のHk/iHcを得
られることがわかる。又実施例5と比較例4との比較か
ら、前/後添加方式によるフェライト磁石でありCr2O
3を所定量含有することにより、0.406T(4060G)以
上のBrと370.0kA/m(4650Oe)以上のiHcと83.3%以上の
Hk/iHcを得られることがわかる。次に、M=Co+Zn
であり、後添加方式による実施例6のフェライト磁石
は前添加方式による比較例5に比べてiHcはやや低い
が、Hk/iHc及びBrを高められていることがわかる。次
に、M=Co+Zn であり、前/後添加方式による実
施例7のフェライト磁石は前添加方式による比較例5と
後添加方式による実施例6との略中間の磁気特性を有す
ることがわかる。
イト磁石の磁化−温度曲線の測定結果を説明する。実施
例4,6及び比較例5のフェライト磁石から各々3mm×
3mm×5mm(磁化方向)の直方体形状の試料を切り出
し、以降は実施例1と同様にして磁化−温度曲線を描い
た。実施例4の後添加方式によるフェライト磁石の磁化
−温度曲線を図13の下側に、実施例6の後添加方式に
よるフェライト磁石の磁化−温度曲線を図14の下側
に、比較例5の前添加方式によるフェライト磁石の磁化
−温度曲線を図15の下側に示す。また、図13〜15
の上側に各磁化−温度曲線の微分値(dM/dT)−温度T曲
線を示す。図13,14より、実施例4,6のフェライ
ト磁石はいずれも(dM/dT)−T曲線が2つの極小点及び1
つの極大点を有し、かつ2つのキュリー点を有すること
がわかる。図13のTc1=443℃,Tc2=431℃であった。
図14のTc1=451℃、Tc2=436℃ であった。これに対
し、図15では磁化−温度曲線が1つのTcのみを有し、
かつ(dM/dT)−温度T曲線は1つの極小点のみを有する
ことがわかる。図15のTc=434℃であった。
イト磁石のx−Tcの関係を図16の(−○−)で示す。
又本発明の代表的な前/後添加方式によるフェライト磁
石のx−Tcの関係を図16の(−△−)で示す。又比較
材として、前添加方式によるフェライト磁石のx−Tcの
関係を図16の(−●−)で示す。図16から、後添加
方式又は前/後添加方式により作製された本発明のフェ
ライト磁石は2つのキュリー点(Tc1,Tc2)を有し、Tc1
とTc2との温度差はxに比例して増大し、後添加方式の
ものが最も大きいことがわかる。このことは、上述の通
り、後添加方式又は前/後添加方式により作製した本発
明のフェライト磁石のLa濃度及び/又はCo濃度が相
対的に高いM型結晶粒部分と、La濃度及び/又はCo
濃度が相対的に低いM型結晶粒部分とを有する不均一な
ミクロ組織性状を反映したものといえる。さらにいえ
ば、相対的にLa濃度及び/又はCo濃度が高いM型結
晶粒部分がTc2に主に寄与し、相対的にLa濃度及び/
又はCo濃度が低いか全く置換されていないM型結晶粒
部分がTc1に主に寄与していると判断される。
O4粉末)及び非磁性酸化鉄原料(α−Fe2O3粉末)の
効果を比較した実施例を以下に説明する。 (実施例8)SrCO3粉末(不純物としてBa,Caを含
む)及びα−Fe2O3粉末を用いて、仮焼後に原子比率
で SrO・5.85Fe2O3 になるように湿式混合後、大気
中、1300℃で2時間仮焼した。次にローラーミルで粗粉
砕し粗粉とした。次にアトライターにより湿式微粉砕を
行い、平均粒径(空気透過法)0.8μmの微粉砕粉を含
むスラリーを得た。微粉砕初期に微粉砕に投入した粗粉
重量を基準にしてLa2O3粉末及びCo3O4粉末の所定
量、並びにFe3O4粉末を18〜26重量%追添加し、最終
主要成分組成が原子比率で (Sr0.8La0.2)O・n
[(Fe1−yCoy)2O 3],x=0.2,n=5.75〜6.18,x
/2ny=1.07(R過剰組成)になるように調整した。
又微粉砕初期に焼結助剤として、CaCO3粉末及びSiO2
粉末を微粉砕に投入した粗粉重量を基準にしてそれぞれ
1.60重量%及び0.40重量%添加した。得られた微粉砕ス
ラリーの全重量に対する微粉の比率(スラリー濃度)を
50重量%に調整後、磁界強度:795.8kA/m(10kOe)、成
形圧力:39.2MPa(0.4ton/cm2)の条件で磁界中圧縮成
形し成形体を得た。成形体を1220℃で2時間焼結し、後
添加方式によるフェライト磁石を得た。次いで各フェラ
イト磁石を10mm×10mm×20mmの形状に加工し、B−Hト
レーサーにより20℃で磁気特性を測定した結果を図17
に示す。又密度は5.05〜5.06Mg/m3(g/cm3)であった。
図17及び表1の実施例2(x=0.20=2ny,n=5.
6,CaO=0.45重量%,SiO2=0.45重量%,α−Fe2O3
を微粉砕時に12.0重量%追添加)に比べて、Hk/iHc及び
Brが向上していることがわかる。又作製した各フェライ
ト磁石をX線回折した結果、いずれもマグネトプランバ
イト相のX線回折ピークのみが観察された。次に、前記
焼結体から所定サイズの試料を切り出し、以降は実施例
1と同様にしてc面の断面組織写真の撮影及び面分析を
行った結果、直径0.3μmの円が入るLa及びCoの低
濃度領域が観察された。 (実施例9)微粉砕初期に追添加する酸化鉄原料として
Fe3O4粉末に替えてα−Fe2O3粉末を用いた以外は実
施例8と同様にして後添加方式によるフェライト磁石を
作製し、磁気特性を測定した結果を図17に示す。又密
度は5.00〜5.01Mg/m3(g/cm 3)であった.。
た実施例8のフェライト磁石の(●,▲,■,▼)プロ
ットが、α−Fe2O3粉末を追添加し作製した実施例9
のフェライト磁石の(○,△,□,▽)プロットよりも
ほぼ同一のモル比n及びiHc値で比較したとき、Brが高
く、かつ高いHk/iHcになっていることがわかる。
のうち最終主要成分組成が原子比率で (Sr0.8La
0.2)O・n[(Fe1−yCoy)2O3],x=0.2,n=5.8
4,x/2ny=1.07(R過剰組成) になるように調整
したものの微粉砕終了直前に、さらに微粉砕初期に投入
した粗粉重量に対し0.5重量%の分散剤(ポリカルボン
酸アンモニウム塩)を添加し、平均粒径0.6μmの微粉
砕粉を含むスラリー濃度70重量%のスラリー(1)を作製
した。又さらに、スラリー(1)を加熱してスラリー濃度
を85重量%まで濃縮し、冷却後、その濃縮スラリーを混
練しつつポリカルボン酸アンモニウム塩を0.1重量%添
加し、混練後水を加えてスラリー濃度を70重量%に調整
したスラリー(2)を作製した。又さらに、ポリカルボン
酸アンモニウム塩の混練時の添加量を0.2重量%とした
以外はスラリー(2)と同様にしてスラリー(3)を作製し
た。これらスラリー(1)〜(3)を用い、以降は実施例8と
同様にして成形、焼結及び加工を行い、磁気特性を測定
した結果を図18に示す。 (実施例11)実施例9の微粉砕スラリーのうち最終主
要成分組成が原子比率で (Sr0.8La0.2)O・n[(Fe
1−yCoy)2O3],x=0.2,n=5.84,x/2ny=
1.07(R過剰組成)になるように調整したものの微粉砕
終了直前に、さらに微粉砕初期に投入した粗粉重量に対
し0.5重量%の分散剤(ポリカルボン酸アンモニウム
塩)を添加し、平均粒径0.6μmの微粉砕粉を含むスラ
リー濃度70重量%のスラリー(4)を作製した。又さら
に、スラリー(4)を加熱してスラリー濃度を85重量%ま
で濃縮し、冷却後、その濃縮スラリーを混練しつつポリ
カルボン酸アンモニウム塩を0.1重量%添加し、混練後
水を加えてスラリー濃度を70重量%に調整したスラリー
(5)を作製した。又さらに、ポリカルボン酸アンモニウ
ム塩の混練時の添加量を0.2重量%とした以外はスラリ
ー(5)と同様にしてスラリー(6)を作製した。これらスラ
リー(4)〜(6)を用い、以降は実施例9と同様にして成
形、焼結及び加工を行い、磁気特性を測定した結果を図
18に示す。
時及び混練時に所定量添加することにより、表1の実施
例2に比べて高いBr及び高いHk/iHcを得られることがわ
かる。特にα−Fe2O3に比較してFe3O4を追添加した
場合のBr及びHk/iHcの改善効果が顕著であることがわか
る。
c面を鏡面研磨し、研磨面を光学顕微鏡で観察し、断面
写真を撮影した。断面写真を図19に示す。図19よ
り、実施例8のフェライト磁石( Fe3O4追添加)の研
磨面では1mm2あたりのボイド数(直径10μmの円が入
るボイドを1個とカウント)が0個であったのに対し、
実施例9のフェライト磁石( Fe2O3追添加)の研磨面
では1mm2あたりのボイド数は10個であった。さらに実
施例8,9の研磨面の視野を変えてそれぞれ10視野ずつ
のボイドの発生状況を観察した結果、実施例8のフェラ
イト磁石(Fe3O 4追添加)の研磨面では1mm2あたりの
ボイド数は0〜3個であったのに対し、実施例9のフェ
ライト磁石( Fe2O3追添加)の研磨面では1mm2あた
りのボイド数は8〜18個であった。従って、 Fe3O4を
追添加した場合にはボイドの発生が少なく、かつ図1
7,18に示すようにBr及びHk/iHcを顕著に向上できる
ことがわかった。
0.20,n=5.92,x/2ny=1.07, 追添加Fe3O4:22重
量%,CaO:0.90重量%,SiO2:0.40重量%)及び比較
例2のフェライト磁石(前添加,焼結温度1220℃,x=
0.20=2ny,n=5.9, CaO:0.45重量%,SiO2:0.
45重量%)をサンプリングし、それぞれのc軸に平行な
断面組織においてマグネトプランバイト型フェライト結
晶粒のa軸方向の最大径(d)及びc軸方向の最大厚み
(t)を測定し、(d/t)で定義するアスペクト比を
求めた。まず各フェライト磁石の断面組織写真の1視野
(倍率10,000倍)において各フェライト結晶粒の(d,
t)値を60個分測定し、それらを平均した値(d1),
(t1)及び(d1/t1)を求めた。同様にして合計5視
野分の(d1,d2,d3,d4,d5),(t1,
t2,t3,t4,t5)及び(d1/t1,d2/t2,
d3/t3,d4/t4,d5/t5)を求めた、それら平
均値の範囲を表3に示す。
ものについて表3と同様にして求めたアスペクト比(d
/t)は2.5〜3.0の範囲にあり、比較例2に比べて大き
いことがわかった。又、実施例8のフェライト磁石の結
晶粒界のR濃度がフェライト結晶粒内のR濃度より高い
傾向が認められた。
O3粉末,Co3O4粉末及びFe3O4粉末の量を変えて、
最終主要成分組成が原子比率で (Sr0.8La0.2)O
・5.92[(Fe1−yCo y)2O3],x=0.2,x/2ny=
1.16,1.26(R過剰組成) になるように調整した以外
は実施例8と同様にして後添加によるフェライト磁石を
作製し、磁気特性を測定した。その結果、x/2ny=
1.16では図17中の(■)プロットと同等のBr及びHk/i
Hcが得られ、x/2ny=1.26では同一のiHcで比較した
とき図17中の(□)プロットより高いBr及びHk/iHcが
得られた。又、実施例8〜12に関連した検討から、n
=5.7〜6.2,x=0.2〜0.3及び1.0<x/2ny≦1.3の主要
成分組成を有し、かつCaO含有量が0.6〜1.2重量%であ
り、SiO2含有量が0.30〜0.50重量%のときに、c軸に
平行な断面組織におけるマグネトプランバイト型フェラ
イト結晶粒のa軸方向の最大径(d)及びc軸方向の最
大厚み(t)で定義するアスペクト比(d/t)が2.5〜
3.0になり、図17とほぼ同等の高いBr及び高いHk/iHc
を得られることがわかった。
が、A=(Sr+Ba)又はA=Baの場合でも同様の
効果を得られることが確認された。
品分野、例えば各種の回転機、静電現像方式のプリンタ
あるいは複写機等に用いるマグネットロール、音響用ス
ピーカ、ブザー、吸着用磁石又は磁界発生用磁石等の小
型化、高性能化に貢献できる極めて有用なものである。
及び/又はCoが不均一に分布することにより、Br及び
Hk/iHcを高めた高性能フェライト磁石を提供することが
できる。
=0.15)の断面組織写真の一例を示す図である。
対濃度分布の一例を示す図である。
(x=0.20)の断面組織写真の一例を示す図である。
対濃度分布の一例を示す図である。
織写真の一例を示す図である。
対濃度分布の一例を示す図である。
織写真の一例を示す図である。
対濃度分布の一例を示す図である。
な磁化−温度曲線及び(dM/dT)−温度曲線を示す図で
ある。
代表的な磁化−温度曲線及び(dM/dT)−温度曲線を示
す図である。
20)の代表的な磁化−温度曲線及び(dM/dT)−温度曲
線を示す図である。
び(dM/dT)−温度曲線を示す図である。
(x=0.15)の代表的な磁化−温度曲線及び(dM/dT)
−温度曲線を示す図である。
石(x=0.15)の代表的な磁化−温度曲線及び(dM/d
T)−温度曲線を示す図である。
石(x=0.15)の磁化−温度曲線及び(dM/dT)−温度
曲線を示す図である。
とxとの相関の一例を示す図である。
料とiHc,Br及びHk/iHcの関係の一例を示す図である。
及び分散剤と、iHc,Br及びHk/iHcの関係の一例を示す
図である。
を示す光学顕微鏡写真である。
Claims (6)
- 【請求項1】 (A1−xRx)O・n[(Fe1−yM
y)2O3](原子比率) (ただし、AはSr及び/又はBaであり、RはYを含
む希土類元素の少なくとも1種でありLaを必ず含み、
MはCo又はCoとZnであり、x,y及びnはそれぞ
れ下記条件: 5.0≦n≦6.4 0.01≦x≦0.4,及び 0.005≦y≦0.04 を満たす数字である。)により表される主要成分組成を
有し、かつ実質的にマグネトプランバイト型結晶構造を
有するフェライト磁石であって、 EPMAにより前記フェライト磁石のc面をLa又はC
oについて面分析し、計数されたLa又はCoLevelの
最大値(Level,max)と最小値(Level,min)とから求め
た中間値:( Level,max+ Level,min)/2 よりもL
a又はCoLevelの高い部分を高濃度領域とし、かつ前
記中間値以下のLa又はCoLevelの部分を低濃度領域
と定義したとき、 La又はCoの低濃度領域が少なくとも直径0.2μmの
円が入る範囲で存在することを特徴とするフェライト磁
石。 - 【請求項2】 前記フェライト磁石の磁化M(単位emu/g
)−温度T(単位℃)曲線が複数のキュリー点(Tc)及
び微分値(dM/dT)の極小値を有する請求項1に記載の
フェライト磁石。 - 【請求項3】 前記フェライト磁石の総重量を100重量
%としたとき、Al2O 3に換算したAl含有量及び/又
はCr2O3に換算したCr含有量が0.3〜1.5重量%であ
る請求項1又は2に記載のフェライト磁石。 - 【請求項4】 (A1−xRx)O・n[(Fe1−yM
y)2O3](原子比率) (ただし、AはSr及び/又はBaであり、RはYを含
む希土類元素の少なくとも1種でありLaを必ず含み、
MはCo又はCoとZnであり、x,y及びnはそれぞ
れ下記条件: 5.7≦n≦6.2, 0.2≦x≦0.3,及び 1.0<x/2ny≦1.3 を満たす数字である。)により表される主要成分組成を
有し、かつマグネトプランバイト型結晶構造を有するフ
ェライト磁石であって、 CaO含有量が0.5〜1.5重量%であり、SiO2含有量が0.25
〜0.55重量%であり、かつc軸に平行な断面組織におけ
るマグネトプランバイト型フェライト結晶粒のa軸方向
の最大径(d)及びc軸方向の最大厚み(t)で定義す
るアスペクト比(d/t)が2.5〜3.0であることを特徴
とする特徴とするフェライト磁石。 - 【請求項5】 成形体から焼結体に至る異方性付与方向
の収縮率(Sh//)及び異方性付与方向に対し直角方向の
収縮率(Sh⊥)で定義する収縮比(Sh//)/ (Sh⊥)が2.2
〜2.8である請求項4に記載のフェライト磁石。 - 【請求項6】 前記フェライト磁石の総重量を100重量
%としたとき、Al2O 3に換算したAl含有量及び/又
はCr2O3に換算したCr含有量が0.3〜1.5重量%であ
る請求項4又は5に記載のフェライト磁石。
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