JP2003133119A - フェライト磁石及びその製造方法 - Google Patents

フェライト磁石及びその製造方法

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JP2003133119A
JP2003133119A JP2001323522A JP2001323522A JP2003133119A JP 2003133119 A JP2003133119 A JP 2003133119A JP 2001323522 A JP2001323522 A JP 2001323522A JP 2001323522 A JP2001323522 A JP 2001323522A JP 2003133119 A JP2003133119 A JP 2003133119A
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ferrite magnet
ferrite
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atomic
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Takashi Takami
崇 高見
Shigeo Tanigawa
茂穂 谷川
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Hitachi Metals Ltd
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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F1/00Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties
    • H01F1/01Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials
    • H01F1/03Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity
    • H01F1/032Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity of hard-magnetic materials
    • H01F1/10Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity of hard-magnetic materials non-metallic substances, e.g. ferrites, e.g. [(Ba,Sr)O(Fe2O3)6] ferrites with hexagonal structure

Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来のフェライト磁石を超える高い(BH)max
を有する新しい高性能フェライト磁石を提供する。 【解決手段】 A(AはSr、BaまたはCaであ
る。)、Co及びZnを含有するW型フェライトの主相
を有するフェライト磁石であって、それぞれの金属元素
(A,Fe,Co及びZn)の総計の構成比率が、全金
属元素量に対し、A:1〜13原子%、Fe:78〜95原子
%、Co:0.5〜15原子%、及びZn:0.5〜15原子%で
ある基本組成を有することを特徴とするフェライト磁
石。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、広範囲な磁石応用
製品分野、例えば各種の回転機、マグネットロール、音
響用スピーカ、ブザー、吸着または磁界発生用磁石等に
好適に使用されるW型フェライトを主相とするフェライ
ト磁石及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】WO98/38654(PCT/JP98/00764)には、
マグネトプランバイト型フェライトを主相とし、かつS
r、Ba、Ca及びPbから選択される少なくとも1種
の元素であって、Srを必ず含むものをAとし、希土類
元素(Yを含む)及びBiから選択される少なくとも1
種の元素であってLaを必ず含むものをRとし、Coで
あるかCo及びZnをMとしたとき、A,R、Fe及び
Mそれぞれの金属元素の総計の構成比率が、全金属元素
量に対し、A:1〜13原子%、R:0.05〜10原子%、F
e:80〜90原子%、M:0.1〜5原子%である組成を有
するフェライト磁石が記載されている。しかし、このフ
ェライト磁石はマグネトプランバイト型フェライトを主
相とするので最大エネルギー積(BH)maxが39.8kJ/m3(5.
0MGOe)超のものを製造するのが困難であった。
【0003】特開平9−260124号公報には、還元
剤としてカーボンを添加するとともに非酸化性雰囲気中
で仮焼し、焼結することにより、組成式:SrO・2
(FeO)・nFeで表され、残留磁束密度Brが
0.48T,固有保磁力iHcが199kA/m(2.5kOe),及び(BH)max
が42.2kJ/m3 (5.3MGOe)のW型フェライト磁石が得られ
た旨の記載がある。しかし、このW型フェライト磁石は
Fe2+の生成量を厳密に制御するために仮焼及び焼結
を非酸化性雰囲気で行うとともに、成形体を100〜200℃
で乾燥させる必要がある。このような煩雑な製造条件を
反映し、このW型フェライト磁石は従来のマグネトプラ
ンバイト型フェライト磁石に比較してコスト高となり実
用性に劣るものであった。
【0004】特開2000−235910号公報には、
Aを2価のアルカリ土類金属イオンまたはPbとし、B
を2価の金属イオンとした組成式:AO・2(BO)・
8Feで表されるW型フェライト相と、組成式:
Feで表されるマグネタイト相を含み、該W型フ
ェライト相のモル比が60%以上である複合フェライト磁
石が開示されている。AはBa,Sr,Ca及びPbの
群から選択される少なくとも1種であり、BはFe,C
o,Ni,Mn,Mg,Cr,Cu及びZnの群から選
択される少なくとも1種である。しかし、本発明者らの
検討によるとこの複合フェライト磁石はiHcが199kA/m
(2.5kOe)未満になり、フェライト磁石として実用に耐え
ないことがわかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明が
解決しようとする課題は、従来のフェライト磁石を超え
る高い(BH)maxを有する新しい高性能フェライト磁石を
提供することである。また本発明の課題は、大気中仮焼
及び/または大気中焼結により前記高性能フェライト磁
石を製造できる方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決した本発
明のフェライト磁石は、A(AはSr、BaまたはCa
である。)、Co及びZnを含有するW型フェライトの
主相を有するフェライト磁石であって、それぞれの金属
元素(A,Fe,Co及びZn)の総計の構成比率が、
全金属元素量に対し、A:1〜13原子%、Fe:78〜95
原子%、Co:0.5〜15原子%、及びZn:0.5〜15原子
%である基本組成を有することを特徴とする。
【0007】また本発明のフェライト磁石は、A(Aは
Sr、BaまたはCaである。)、Co及びZnを含有
するW型フェライトの主相を有するフェライト磁石であ
って、 下記一般式:ACoαZnβFeγ27(原子比率) (但し、x、α、β及びγはそれぞれ下記条件: 0.01≦x<1.2, 0.01≦α≦2, 0.01≦β≦2,及び 16≦γ≦18 を満たす数字である。)により表される基本組成を有す
ることを特徴とする。
【0008】本発明のフェライト磁石は従来のフェライ
ト磁石に比べて高い(BH)maxを有するものである。Aが
Ba及び/またはSrの場合に(BH)maxをより高められる
ので好ましい。本発明のフェライト磁石の基本組成が、 0.01≦x<1.2, 0.01≦α≦2, 0.01≦β≦2, 0.5≦(α+β)≦2, (α/β)>0.5,及び 16.5≦γ<18 を満たす数字により表されるとき(BH)maxをより高めら
れるので好ましい。
【0009】上記本発明において、Feが2価及び3価
の鉄で構成され、Feγ=Fe2+ δ+Fe3+ γ−δ
であり、2価のCo2+ α及びZn2+ βとの間に、α
+β+δ≦2という関係にあることが望ましい。また、
本発明のフェライト磁石は、異方性フェライト焼結磁石
として用いることができ、回転機やマグロールなどに適
用することができる。
【0010】本発明のフェライト磁石の製造方法は、A
(AはSr、BaまたはCaである。)、Co及びZn
を含有するW型フェライトの主相を有するとともに、そ
れぞれの金属元素(A,Fe,Co及びZn)の総計の
構成比率が、全金属元素量に対し、A:1〜13原子%、
Fe:78〜95原子%、Co:0.5〜15原子%、及びZ
n:0.5〜15原子%である基本組成を有するフェライト
磁石の製造方法であって、前記基本組成の仮焼物を形成
し、次いで粉砕し、成形し、焼結することを特徴とす
る。本発明のフェライトの製造方法を採用すると大気雰
囲気中で仮焼及び焼結を行った場合でもW相が安定して
得られるので実用性に富んでいる。勿論、非酸化性雰囲
気(窒素ガス又はアルゴンガス雰囲気等)中で仮焼及び
焼結を行った場合はW相を安定に得ることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明のフェライト磁石の組成限
定理由を以下に説明する。本発明のフェライト磁石は、
A(AはSr、BaまたはCaである。)、Co及びZ
nを含有するW型フェライトの主相を有し、それぞれの
金属元素(A,Fe,Co及びZn)の総計の構成比率
が、全金属元素量に対し、A:1〜13原子%、Fe:78
〜95原子%、Co:0.5〜15原子%、及びZn:0.5〜15
原子%である基本組成を有するものとして表すことがで
きる。Aの含有量は1〜13原子%であり、3〜7原子%
とするのが好ましい。Aの含有量が1原子%未満及び13
原子%超ではW相を主相にするのが困難であり高い(BH)
maxを得られない。Coの含有量は0.5〜15原子%であ
り、1.5〜10原子%とするのが好ましい。Coの含有量
が0.5原子%未満では添加効果が得られず、15原子%超
ではW相が不安定になる。Znの含有量は0.5〜15原子
%であり、1.5〜5原子%とするが好ましい。Coの含
有量が0.5原子%未満では添加効果が得られず、15原子
%超ではW相が不安定になる。
【0012】本発明のフェライト磁石が、 一般式:ACoαZnβFeγ27(原子比率)で表
されるとともにW型フェライトの主相を有し、AはS
r、BaまたはCaであり、x、z、α、β及びγはそ
れぞれ下記条件: 0.01≦x<1.2, 0.01≦α≦2, 0.01≦β≦2,及び 16≦γ≦18 を満たす数字である。)により表される基本組成を有す
る場合の組成限定理由を以下に説明する。(x+z)が
0.9未満及び1.2超ではW相が不安定になり、(BH)maxが
大きく低下する。xが0.01未満及び1.1.8超ではW相が
不安定になり、(BH)maxが大きく低下する。xの好まし
い範囲は0.1以上である。A=(Ba+Sr)のときは
前記一般式は;(Sr+Ba)CoαZnβFeγ
27(原子比率)で表され、0.01≦(Sr+Ba)<1.18
でかつ0.01≦Sr,及び0.01≦Baとするのが実用性に
富む。αが0.01未満では添加効果が得られず、磁気異方
性定数を高められない。αが2超では磁気特性が大きく
低下する。αの好ましい範囲は0.05〜1である。βが0.
01未満では添加効果が得られず、また2超では磁気特性
が大きく低下する。βの好ましい範囲は0.05〜1であ
る。特に0.5≦(α+β)≦2でかつ(α/β)>0.5と
するのが(BH)maxを高めるために好ましい。γが16未満
及び18超ではW相が不安定になり、(BH)maxが大きく低
下する。γの好ましい範囲は16.5〜18である。なお、W
相が安定して主相であるためには、2価の鉄Fe2+ δ
はその含有量を制限することが好ましい。さらに2価の
CoやZnとの価数バランスを考慮すると、α+β+δ
≦2であることが望ましい。前記一般式において、酸素
(O)の原子数は27になっているが、これは本発明のフ
ェライト磁石の存在し得る範囲(W相を主相とする範
囲)が、一般式:A2+O・nM2+O・mFe3+2
O3(但し、n=1.2〜2.5,m=7.4〜8.8であり、Aは
Sr,Ba及びCaの群から選択される少なくとも1種
であり、MはCo及びZnであるかあるいはCo,Zn
及びFeである。)で表されるとともにn=2でかつM
=8の化学量論組成の場合を示している。しかし、実際
の酸素の原子数は化学量論組成から多少偏碕していても
よい。
【0013】本発明のフェライト磁石が緻密な焼結体組
織を有するために適量のSiO及びCaOを含有する
のが好ましい。SiOは焼結時の結晶粒成長を抑制す
る添加物であり、含有量を0.05〜0.5重量%とするのが
好ましく、0.3〜0.4重量%とするのがより好ましい。S
iOの含有量が0.05重量%未満では焼結時に結晶粒成
長が過度に進行し、(BH)max,iHcが大きく低下する。S
iOの含有量が0.5重量%を超えると結晶粒成長が過
度に抑制され、結晶粒成長とともに進行する配向度の改
善が不十分となり、Br,(BH)maxが大きく低下する。Ca
Oは結晶粒成長を促進する元素であり、CaOの含有量
は0.3〜1重量%とするのが好ましく、0.4〜0.7重量%
とするのがより好ましい。CaOの含有量が1重量%を
超えると焼結時に結晶粒成長が過度に進行し、iHcが大
きく低下する。CaOの含有量が0.3重量%未満では結
晶粒成長が抑制され、結晶粒成長とともに進行する配向
度の改善が不十分となり、Br,(BH)maxの低下が顕著にな
る。
【0014】本発明のフェライト磁石の代表的な製造条
件を以下に説明する。前記基本組成物は、「混合→仮焼
→粉砕→成形→焼結」という製造工程により製造するの
が実用的である。Co及びZnの供給原料としてこれら
の酸化物、水酸化物または炭酸塩を用いることができ
る。仮焼は大気中または窒素ガス雰囲気中で1300〜1450
℃×1〜10時間加熱する条件で行うのが好ましい。1300
℃×1時間未満ではW化が十分ではなく、1450℃×10時
間超では仮焼物が硬くなり粉砕性が低下する他スピネル
相やヘマタイト相などの異相が生成する。公知の粗粉砕
機及び微粉砕機を適宜合わせて平均粒径0.4〜1μm
(空気透過法により測定。)に微粉砕する。平均粒径が
0.4μm未満では焼結時に異常な結晶粒成長が生じて最
終的に得られるフェライト磁石のiHc,(BH)maxが低下
し、また成形性が悪化する。平均粒径が1μm超では焼
結体組織の粗大粒の比率が増加し、フェライト磁石のiH
c,(BH)maxが大きく低下する。次に微粉末または微粉末
を分散したスラリーにより乾式または湿式の磁場中成形
を行う。乾式磁場中成形による場合は予め異方性造粒し
た成形原料にしておくのが有効である。通常磁場中成形
時の成形圧力は29.4〜49.0MPa(0.3〜0.5トン/cm2)程
度、及び配向磁場強度は238.7〜1193.7kA/m(3〜15kO
e)程度に設定する。本発明の製造方法を採用すると成
形体の乾燥温度(Fe2+の変動)による磁気特性の変
化をほぼ無視することができるので室温〜200℃の任意
温度で乾燥可能である。焼結は大気中または窒素ガス雰
囲気中で1170〜1250℃×1〜10時間加熱する条件で行う
のが好ましい。1170℃×1時間未満では焼結体密度が十
分に上がらないのでBr,(BH)maxが低くなり、1250℃×10
時間超ではW相フェライト結晶粒が粗大化するかあるい
はスピネル相等の異相が生成しiHc、(BH)maxが大きく低
下する。
【0015】本発明のフェライト磁石を高性能にするた
めに以下の製造方法によるのが好ましい。得られた仮焼
物を平均粒径0.4〜1μm(空気透過法による。)に湿
式微粉砕する。得られた微粉砕スラリーを濃縮する(ス
ラリー中のフェライト粒子の濃度を80重量%以上にす
る)か、あるいは乾燥し、解砕する。次に前記濃縮スラ
リーまたは解砕物を混練して個々のフェライト粒子の凝
集を解く。凝集を解いた前記濃縮スラリーまたは解砕微
粉末に所定量の水を加えてスラリー濃度を調整し、成形
に供する。以降湿式磁場中成形し、焼結する。この製造
方法を適用し、得られるフェライト磁石は磁場中成形時
の成形体の配向度が向上し、もってフェライト焼結磁石
のBr,(BH)maxを高めることができる。さらに好ましいの
は、成形に供するスラリー中のフェライト微粒子の凝集
防止のために混練時に所定量の分散剤を添加する製造方
法である。分散剤として界面活性剤、高級脂肪酸、高級
脂肪酸石鹸あるいは高級脂肪酸エステル等が知られてい
る。これらのうちアニオン系界面活性剤の一種であるポ
リカルボン酸系分散剤を使用することによりフェライト
微粒子の分散性が向上し、もってフェライト微粒子の凝
集を抑えることができる。ポリカルボン酸系分散剤にも
種々あるが、フェライト微粒子の分散性向上に特に有効
なものはポリカルボン酸アンモニウム塩である。分散剤
の添加量はスラリ−中のフェライト微粒子の総重量に対
し0.2〜2重量%とするのが好ましい。分散剤の添加量
が0.2重量%未満では添加効果が得られず、2%超では
逆にBr,(BH)maxが低下する。
【0016】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳しく説明する
が、それら実施例により本発明が限定されるものではな
い。
【0017】(実施例1)BaCO粉末(不純物とし
てSr,Caを含む。)、α−Fe粉末(不純物
としてMn,Cr,Si,Clを含む。)、酸化コバル
ト粉末及び酸化亜鉛粉末を使用し、仮焼後に表1の基本
組成になるように対応する混合組成の混合粉を作製し
た。次いで混合粉を大気中、1375℃で2時間仮焼した。
得られた仮焼物をX線回折(CuKα1線使用。)した
結果、図1に示すようにW相のX線回折ピークのみが検
出され、W相フェライトの単相になっているのがわかっ
た。次に仮焼物をクラッシャーで粗砕し、次いで100メッシ
ュアンタ゛ーに篩分して平均粒径10μm(Sympatec社製レーザ
ー回折型粒径分布測定装置:ヘロス・ロードスにより測
定。)の粗粉を得た。試料振動型磁力計により室温でこ
の粗粉の飽和磁化σs及び保磁力Hcを測定した。測定時
の着磁磁場強度を955.0kA/m(20kOe)とし、測定し得られ
た磁化(σ)及び印加磁場強度(H)とを(σ−1/H
)プロットし、外挿法によりσsを求めた。結果を表
1に示す。
【0018】(実施例2〜4、参考例1、比較例1)表
1の各基本組成とした以外は実施例1と同様にして仮焼
を行った。得られた各仮焼物をX線回折した結果を表1
に示す。また実施例1と同様にして平均粒径10μmの粗
粉を作製し、σs及びHcを測定した。これらの結果を表
1に示す。
【0019】
【表1】
【0020】表1より、実施例1〜3の基本組成を選択
するとW相フェライト単相の仮焼物が得られることがわ
かる。また実施例4の基本組成を選択するとW相フェラ
イトを主相とする仮焼物が得られることがわかる。また
各実施例の仮焼物は参考例1や比較例1の仮焼物に比べ
てσs及びHcが高く、新規なフェライト磁石材料として
高いポテンシャルを有することがわかった。
【0021】(実施例5)SrCO粉末(不純物とし
てBa,Caを含む。)、α−Fe粉末(不純物
としてMn,Cr,Si,Clを含む。)、酸化コバル
ト粉末及び酸化亜鉛粉末を使用し、仮焼後に表2の基本
組成になるように対応する混合組成の混合物を作製し
た。次いで混合粉を大気中、1375℃で2時間仮焼した。
得られた仮焼物をX線回折した結果、W相のX線回折ピ
ークのみが検出され、W相フェライトの単相になってい
るのがわかった。次に得られた仮焼物をクラシャーで粗
砕し、次いで100メッシュアンタ゛ーに篩分して平均粒径10μm
(ヘロス・ロードスにより測定。)の粗粉を得た。試料
振動型磁力計により室温でこの粗粉の保磁力Hcを測定し
た。測定時の着磁磁場強度を955.0kA/m(20kOe)とし、測
定し得られた磁化(σ)及び印加磁場強度(H)とを
(σ−1/H)プロットし、外挿法によりσsを求め
た。結果を表2に示す。
【0022】(実施例6〜8、参考例2、比較例2)表
2の各基本組成とした以外は実施例5と同様にして仮焼
を行った。得られた各仮焼物をX線回折した結果を表2
に示す。また実施例5と同様にして平均粒径10μmの粗
粉を作製し、σs及びHcを求めた結果を表2に示す。
【0023】
【表2】
【0024】表2より、実施例6〜7の基本組成を選択
するとW相フェライト単相の仮焼物が得られることがわ
かる。また実施例5及び8の基本組成を選択するとW相
フェライトを主相とする仮焼物が得られることがわか
る。また各実施例の仮焼物は参考例2や比較例2の仮焼
物に比べてσs及びHcが高く、新規なフェライト磁石材
料として高いポテンシャルを有することがわかった。
【0025】(実施例9)実施例2で作製した仮焼物を
クラッシャーで粗砕し、次いでローラーミルで粗粉砕し
た。次にアトライターで湿式微粉砕し、平均粒径0.6μ
m(空気透過法による。)の微粉を分散したスラリーを
得た。この微粉砕工程の初期に焼結助剤として1.0重量
%のCaCO及び0.3重量%のSiOを添加した。
得られたスラリーにより成形圧力:44.1MPa(0.45トン/cm
2)、印加磁場強度:795.8kA/m(10kOe)で磁場中圧縮
成形した。次に成形体を室温で乾燥し、次いで大気中で
1230℃×2時間焼結して本発明のフェライト磁石を得
た。このフェライト磁石をX線回折した結果W相単相にな
っていた。得られた焼結フェライト磁石を縦:10mm、
横:10mm、厚み:10mmの立方体形状に加工し、B-Hト
レーサーにより20℃で磁気特性を測定した。このフェラ
イト磁石の(BH)max=39.8kJ/m3(5.0MGOe)、iHc=159.
2kA/m(2.0kOe)が得られた。
【0026】(実施例10)実施例5で作製した仮焼物
をクラッシャーで粗砕し、次いでローラーミルで粗粉砕
した。次にアトライターで湿式微粉砕し、平均粒径0.4
μm(空気透過法による。)の微粉を分散したスラリー
を得た。この微粉砕工程の初期に焼結助剤として0.8重
量%のCaCO及び0.4重量%のSiOを添加し
た。得られたスラリーにより成形圧力:34.3MPa(0.35ト
ン/cm2)、印加磁場強度:955.0kA/m(20kOe)で磁場中
圧縮成形した。次に成形体を室温で乾燥し、次いで大気
中で1220℃×2時間燒結し、本発明のフェライト磁石を
得た。このフェライト磁石をX線回折した結果W相単相に
なっていた。得られた焼結フェライト磁石を縦:10m
m、横:10mm、厚み:10mmの立方体形状に加工し、B-
Hトレーサーにより20℃で磁気特性を測定した。このフ
ェライト磁石の(BH)max=41.4kJ/m3(5.2MGOe)、iHc=
175.1kA/m(2.2kOe)が得られた。
【0027】(実施例11)実施例2及び7で作製した
2種の仮焼粗粉を(50:50)の重量比率で混合した。こ
の混合仮焼粗粉を用いて、以降は実施例10と同様にし
て異方性フェライト焼結磁石を作製した。このフェライ
ト磁石の基本組成はBa0.52Sr0.52Co0.94Zn0.31Fe16.75
27であり、X線回折の結果W相単相になっていた。20℃
で測定した磁気特性は(BH)max=40.6J/m3(5.1MGOe)、
iHc=175.1kA/m(2.2kOe)であった。上記実施例ではW相
単相のBa系及びSr系仮焼物が得られたことを記載し
たが、特に限定されず上記基本組成を選択すればW相単
相の(Ba+Sr)系仮焼物及び(Ba+Sr)系フェ
ライト焼結磁石を得ることができる。
【0028】
【発明の効果】以上記述の通り、本発明によれば、従来
のフェライト磁石を超える高い(BH)maxを有する新しい
高性能フェライト磁石を提供することができる。また大
気中で仮焼し、大気中焼結した場合に前記高性能フェラ
イト磁石を製造することができるので実用性に富むもの
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のフェライト磁石の代表的なX線回折の
一例を示す図である。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 A(AはSr、BaまたはCaであ
    る。)、Co及びZnを含有するW型フェライトの主相
    を有するフェライト磁石であって、 それぞれの金属元素(A,Fe,Co及びZn)の総計
    の構成比率が、全金属元素量に対し、 A:1〜13原子%、 Fe:78〜95原子%、 Co:0.5〜15原子%、及び Zn:0.5〜15原子% である基本組成を有することを特徴とするフェライト磁
    石。
  2. 【請求項2】 AはBa及び/またはSrである請求項
    1に記載のフェライト磁石。
  3. 【請求項3】 A(AはSr、BaまたはCaであ
    る。)、Co及びZnを含有するW型フェライトの主相
    を有するフェライト磁石であって、 下記一般式:ACoαZnβFeγ27(原子比率) (但し、x、α、β及びγはそれぞれ下記条件: 0.01≦x<1.2, 0.01≦α≦2, 0.01≦β≦2,及び 16≦γ≦18 を満たす数字である。)により表される基本組成を有す
    ることを特徴とするフェライト磁石。
  4. 【請求項4】 AはBa及び/またはSrである請求項
    3に記載のフェライト磁石。
  5. 【請求項5】 請求項3または4に記載のフェライト磁
    石の基本組成が、 0.01≦x<1.2, 0.01≦α≦2, 0.01≦β≦2, 0.5≦(α+β)≦2, (α/β)>0.5,及び 16.5≦γ<18 を満たす数字により表されるフェライト磁石。
  6. 【請求項6】 請求項3乃至5のいずれかに記載のフェ
    ライト磁石は、Feが2価及び3価の鉄で構成され、F
    γ=Fe2+ δ+Fe3+ γ−δであり、2価のCo
    2+ α及びZn2+ βとの間に、α+β+δ≦2という
    関係にあることを特徴とするフェライト磁石。
  7. 【請求項7】 A(AはSr、BaまたはCaであ
    る。)、Co及びZnを含有するW型フェライトの主相
    を有するとともに、 それぞれの金属元素(A,Fe,Co及びZn)の総計
    の構成比率が、全金属元素量に対し、 A:1〜13原子%、 Fe:78〜95原子%、 Co:0.5〜15原子%、及び Zn:0.5〜15原子% である基本組成を有するフェライト磁石の製造方法であ
    って、 前記基本組成の仮焼物を形成し、次いで粉砕し、成形
    し、焼結することを特徴とするフェライト磁石の製造方
    法。
  8. 【請求項8】 大気中仮焼を行う請求項7に記載のフェ
    ライト磁石の製造方法。
  9. 【請求項9】 大気中焼結を行う請求項7または8に記
    載のフェライト磁石の製造方法。
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