JP2001064817A - 改良された人工毛髪用繊維束及びそれからなる頭飾製品 - Google Patents

改良された人工毛髪用繊維束及びそれからなる頭飾製品

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JP2001064817A
JP2001064817A JP2000174732A JP2000174732A JP2001064817A JP 2001064817 A JP2001064817 A JP 2001064817A JP 2000174732 A JP2000174732 A JP 2000174732A JP 2000174732 A JP2000174732 A JP 2000174732A JP 2001064817 A JP2001064817 A JP 2001064817A
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artificial hair
hair
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JP2000174732A
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Koichi Nishiura
浩一 西浦
Nobuyuki Nishi
信行 西
Masaaki Yokoe
雅章 横江
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アクリロニトリルを30重量%以上含有する
アクリル系共重合体を含む合成繊維からなる繊維束で、
かつら、ヘアピース、ウィービング商品に要求されるカ
ール特性と風合いのバランスが取れた人工毛髪用繊維束
を提供する。 【解決手段】単繊維繊度20〜80デニール(22.2
〜88.9dtex)、かつ繊維断面形状の円形充足度係数
が1.8以下である合成繊維が、該繊維束中に35〜9
0重量%含有していることを特徴とする人工毛髪用繊維
束。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、かつら、ヘアピー
ス、エクステンションヘアー(ウィービング)、人形用
ヘアー等に用いられる人工毛髪用繊維束に関し、更にカ
ール特性と風合いのバランスのとれた人毛代替用途に好
適な人工毛髪用繊維束に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に人工毛髪用繊維としてアクリル系
繊維、塩化ビニル系繊維、あるいはポリエステル繊維な
ど多数の繊維が市販されている。しかしながら、これら
の繊維には、耐熱性、カーリング性、触感等の人工毛髪
用繊維として必要な特性の全てを同時に備えるものがな
いため、頭飾製品を製造する時、単独の繊維では種々の
特性を満足させる製品を作ることが出来ず、各繊維の特
性に応じた製品が作られ使用されているのが実情であ
る。
【0003】このため、例えば、従来のアクリル系合成
繊維の特徴と塩化ビニル系繊維の特徴とを合わせ持たせ
るために、組成の面から検討が行われ、特開平2−53
910号公報では、共重合体中の組成をアクリロニトリ
ル15〜30重量%、塩化ビニル85〜70重量%の組
成で、かつ断面形状がH形〜亜鈴型であり、且つ単糸繊
度を40〜70d(44.4〜77.8dtex)にするこ
とにより美容特性に優れた毛髪用繊維が提案されている
が、上記の組成では、耐熱性の低い共重合体が生成しや
すい問題があり、その解決のために生産性が低下するな
どの問題があった。また、断面形状がH型〜亜鈴型であ
るため、円形充足度係数がすべて1.8以下となり、カ
ールが強く剛直であるため触感の柔らかさが欠けたり、
風合いがともなわないなどの問題があった。また一方で
風合いの改善のためには、特開平08−296115号
公報で、アクリル系重合体繊維表面に特定の凹凸を生じ
せしめるといった方法が提案されているが、この発明で
は放射状に突出する3個以上の突出部を有する断面形状
が好ましいとされており、こういったものはブレード用
人工毛髪繊維が提案されているが、カール保持性が劣
り、かつら、ヘアピース、ウィービング商品に対して
は、スタイルがまとまりにくく商品性が不十分であっ
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、前記
問題を解決し頭飾製品に本来最も適しているアクリロニ
トリルを30重量%以上含有するアクリル系共重合体を
含む合成繊維からなる繊維束で、かつら、ヘアピース、
エクステンション(ウィービング)に要求されるカール
特性と風合いのバランスが取れた人工毛髪用繊維束を提
供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、アクリル
系共重合体を用いた人工毛髪用繊維の断面形状に着目
し、単繊維の断面形状がH〜亜鈴型といった略円形の断
面を主とし、一部に不規則型断面を含む繊維束によって
課題を解決できることを見出した。すなわち本発明は、
アクリロニトリルを30重量%以上含有するアクリル系
共重合体を含む合成繊維からなる人工毛髪用繊維束であ
って、前記合成繊維(A)が、単繊維繊度20〜80デ
ニール(22.2〜88.9dtex)、かつ繊維断面形状
の円形充足度係数が1.8以下で、該繊維束中に35〜
90重量%含有していることを特徴とする人工毛髪用繊
維束。である。上記の繊維束中に、前記合成繊維(A)
を35〜90%と、繊維断面形状の円形充足度係数が
2.0以上であり単繊維繊度が20〜80デニール(2
2.2〜88.9dtex)である繊維(B)を10〜65
%とを複合してなるのが好ましい。
【0006】尚、前記合成繊維(A)が、アクリロニト
リル30〜80重量%とハロゲン含有ビニル系単量体2
0〜70重量%とこれらと重合可能な他のビニル系単量
体0〜10重量%を含有してなるアクリル系共重合体を
含むものであるのがより好ましい。
【0007】また前記合成繊維(A)としては、カルボ
キシキル基及びカルボニル基から選択される1種を含む
置換基を有するオレフィン系化合物をアクリル系共重合
体100重量部に対し0.5〜10重量部含有するのが
好ましい。
【0008】さらに上記の人工毛髪用繊維を用いた頭飾
製品として、かつら、ヘアピース、エクステンションヘ
アー(ウィービング)及び人形用ヘアーからなる群より
選択される少なくとも1種の頭飾製品とすることができ
る。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳細に説明する。
本発明でいうアクリル共重合体とは、アクリロニトリル
を30重量%以上含有するアクリロニトリルと対オレフ
ィンの共重合体であって、共重合体可能な単量体として
はハロゲン含有ビニル系単量体が好ましく、アクリロニ
トリル30〜80重量%と前記ハロゲン含有ビニル系単
量体20〜70重量%からなる共重合体が好ましい。ハ
ロゲン含有ビニル系単量体の具体例としては、塩化ビニ
ル、塩化ビニリデン等が例示されるが、これらに限定さ
れるものではない。また、さらにこれらと共重合可能な
ビニル系単量体を0〜10重量%の割合で含んでも良
い。アクリロニトリルが30重量%未満及び80重量%
を超えると獣毛性が低下するので好ましくない。
【0010】本発明の人工毛髪用繊維に於ける単繊維繊
度は20〜80デニール(22.2〜88.9dtex)が
好ましいが、さらに好ましくは30〜70デニール(3
3.3〜77.8dtex)、最も好ましくは40〜60デ
ニール(44.4〜66.7dtex)がよい。前記繊度が
20デニール(22.2dtex)未満では、繊維の剛性が
弱くなり、カール特性が劣り、触感の面でも腰が弱くな
る傾向にあり、80デニール(88.9dtex)を超える
とカール特性は強くなっても剛直な触感となり、しかも
加工性が悪くなる傾向にあるので、好ましくない。
【0011】本発明でいう繊維断面形状の円形充足度係
数とは、単繊維の断面形状の最大径の長さを直径とする
外接円を描いたとき、その外接円の面積(a)と繊維断
面形状の面積(b)の比をa/bによって規定するもの
であり、これは例えば図1に示される。これらのパラメ
ータにより、具体的には(株)インタークエストの画像
解析ソフトImageHyperIIを用いて、次式
(I)により測定されるものである。 円形充足度係数=π×(図形の最大径長/2)2/(図形の面積) (I) 上記の繊維断面形状の円形充足度係数(以下、円形充足
度係数という)が1.8以下とは、比較的円形に近い形
状をいい、具体的には、円形、略正方形などの略正多角
形、略H型、亜鈴型のような形状が好ましく、形状の周
囲が直線か曲線かであることには限定されない。また断
面形状内部に断面積の10%以下の空孔が存在していて
も良い。10%を越えると単繊維が軽くなり、頭飾製品
に使用したときに扱い難いという点で好ましくない。
【0012】本発明においては、前記の合成繊維(A)
として単繊維繊度が20〜80デニール(22.2〜8
8.9dtex)でかつ、円形充足度係数が1.8以下であ
る繊維が繊維束中に35〜90重量%含んでいる繊維束
が目的の人工毛髪用繊維に好適であり、好ましくは45
〜80重量%、最も好ましくは55〜70重量%含まれ
るのがよい。90重量%を超えると、カール保持性は優
れるものの、加工性が悪いといった問題や風合いが硬い
などの問題が起こりやすく好ましくない。また、35重
量%を未満であると良好なカール保持性が得られない傾
向にある。
【0013】さらに本発明においては、合成繊維(B)
として、単繊維繊度が20〜80デニール(22.2〜
88.9dtex)で、かつ円形充足度係数が2.0以上で
ある繊維が繊維束中に10〜65重量%存在しているの
が好ましい。ここで、合成繊維(B)の具体的な断面形
状としては、S字型、偏平型、W字型の様な断面形状が
好ましいが、これらに限定されるものではない。
【0014】また、(B)の繊維素材もアクリル系繊維
に限定されるものではなく、他の繊維でも差し支えな
い。
【0015】該人工毛髪用繊維束のカール特性を維持
し、さらに風合いを改良するには、カルボキシル基及び
カルボニル基から選択される1種を含む置換基を有する
オレフィン系化合物をアクリル系共重合体100重量部
に対し0.5〜10重量部含有させるのが好ましい。中
でもポリ酢酸ビニル(PVAc)、エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体(EVA)、ポリビニルピロリドン(PV
P)、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)がより好ま
しい。
【0016】本発明の人工毛髪用繊維束を用いた頭飾製
品としては、かつら、ヘアピース、エクステンションヘ
アー(ウィービング)、人形用ヘアーとして使用するの
が好ましく、特にかつら、エクステンションヘアー(ウ
ィービング)に使用するのが最も好ましい。
【0017】次に本発明の人工毛髪用繊維束の一般的な
製造法について説明する。本発明の人工毛髪用繊維束
は、アクリル系共重合体からなる繊維であって、(A)
の繊維が繊維束中に35〜90重量%含まれるものが好
ましいが、単一の製造工程から得られた繊維束中に、
(A)の繊維に相当するものと(B)の繊維に相当する
ものが(A)/(B)=35〜90重量%/65〜10
重量%の比率で混合されているものでもよく、或いは、
(A)の繊維からなる繊維束と(B)の繊維からなる繊
維束を前記の比率で混合したものでも良い。単一の製造
工程から得られる場合の好ましい方法としては以下の様
な方法が挙げられる。例えば、アセトンに可溶なアクリ
ル系重合体を用いた場合は、アクリロニトリル30〜5
3%のアクリル系重合体を、溶剤アセトンに溶解し、2
5〜35重量%の紡糸原液とするが、好ましくは28〜
32重量%が好ましい。この紡糸原液の粘度は高い方
が、得られる繊維(A)は円形充足度係数が低いものが
得られ易く、TOKIMEC社製のB型粘度計で測定し
た粘度(12rpm,30秒間)の値が、湿式紡糸の場
合は40〜50℃で45Poise以上が望ましく、さ
らに望ましくは55Poise以上が好ましい。この紡
糸原液をを用いて、亜鈴型ノズルで、ノズルドラフト
(ノズルドラフトとは、ノズル孔より吐出される紡糸原
液の速度と引き取り速度の比をいう)が1.2〜2.3
好ましくは1.4〜2.0で、アセトンの水溶液でアセ
トン濃度が10〜30重量%で浴温度が15〜30℃に
調整された凝固浴に、好ましくはアセトン濃度15〜2
5重量%で浴温度20〜25℃に調整された凝固浴に紡
出し、その後公知の方法で処理して人工毛髪用繊維とす
る。又前記の紡糸原液にポリ酢酸ビニル、EVA、ポリ
ビニルピロリドン、PMMAからなる群より少なくとも
1つのカルボキシル基又はカルボニル基を含む置換基を
有するオレフィン系化合物をアクリル系共重合体100
重量部に対して0.5〜10重量部添加した紡糸原液
は、得られる繊維(A)は断面の円形充足度係数が低い
ものが得られ易い。
【0018】アクリロニトリルの含有量が高い共重合体
を用いる場合は、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジ
メチルアセトアミド(DMAc)等の溶剤に溶解し、紡
糸原液濃度25〜35重量%とし、丸ノズルを用いて、
ノズルドラフト0.5〜1.2で前記紡糸原液をDM
F、DMAc等の水溶液でDMF、DMAc等の濃度が
30〜90重量%で浴温度15〜35℃に調整した凝固
浴に紡出し、その後公知の方法で処理する等の方法によ
り目的の繊維を得ることが出来る。こうして得た人工毛
髪用繊維を公知の方法でかつら、エクステンションヘア
ー等の頭飾製品に使用する。
【0019】
【実施例】本発明を実施例によりさらに詳しく説明する
が、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。尚、実施例に先立ち、各種測定法、評価の基準につ
いて説明する。
【0020】(原液の粘度測定) TOKIMEC社製のB型粘度計で12rpm−30秒
間の測定値。
【0021】(触感、櫛通り) かつら等の美容評価に従事する一般的技術者10名を選
定し、触感、櫛通りを評価して、平均評価で表した。 基準 5:非常に優れている 4:優れている 3:並 2:やや劣る 1:劣る。
【0022】(カールの強さ) カールの強さは、櫛を通し、平行に切り揃えた45cm
の毛束を、ウィッグ縫製用ミシンで20/25cmに折
り返して15g/mの毛密度で縫い、みの毛を作成す
る。これを横長さ10cmを取り、直径32mmのアル
ミパイプにみの毛の先から巻き付けして、100℃の雰
囲気に60分間放置して熱セットする。この後、パイプ
よりみの毛を取り外して、みの毛の上部を固定し、毛束
を5分割してらせん状にカールを吊り下げた時のカール
の鉛直長さ及び24時間吊り下げた後のカールの長さに
より評価した。この場合、吊り下げ時の鉛直長さは13
cm以下が合格で、24時間後の長さの場合は15.5
cm以下が合格としているが、両者の間の伸びが、2.
5cm以下である事が重要である。また、と同様にか
つら等の美容評価に従事する一般的技術者10名によ
り、カールの強さについて、外観のカール形状の揃い方
の良否を評価し、これらを総合して5段階評価とした。 基準 5:非常に優れている 4:優れている 3:並 2:やや劣る 1:劣る。
【0023】(製品のスタイラビリティー) ウィービングのカール商品(カール径10〜20mmの
タイトカール商品、カール径20〜40mmのルーズカ
ール商品及びウェーブ商品)にて、かつら等の美容評価
に従事する一般的技術者10名を選定し、任意のスタイ
ルの作りやすさとスタイルの出来を評価した。タイトカ
ール商品は、カールの強さの評価と同じ方法で作成した
みの毛を、4オンス採取し、その量のみの毛を4つ折り
に畳み、毛束を22分割して、それぞれを直径12mm
のアルミパイプに毛束の根元から、スパイラル状に巻き
付ける。これを100℃の雰囲気に60分間放置して熱
セットする。この後、パイプよりみの毛を取り外して商
品を作成する。一方、ルーズカール品は、やはりカール
の強さの評価と同じ方法で作成したみの毛を、4オンス
採取し、その量のみの毛を幅5cmになるまで折り畳
み、その毛束全体を直径40mmのアルミパイプに毛束
の先から巻き付ける。これを100℃の雰囲気に60分
間放置して熱セットする。この後、パイプよりみの毛を
取り外して商品を作成する。 基準 5:非常にスタイルが作り易くきれいに出来る。 4:スタイルが作り易く、きれいに出来る。 3:ていねいに取り扱うとスタイルがきれいに出来る。 2:ていねいに取り扱うとスタイルが出来るが崩れ易
い。 1:ていねいに取り扱ってもスタイルが出来ない。
【0024】(実施例1)アクリロニトリル49重量
%、塩化ビニル50重量%、スチレンスルホン酸ソーダ
1重量%からなる共重合体樹脂をアセトンに溶解して、
29重量%の紡糸原液を調製した。充分に混合した後の
原液の粘度は48℃で56Poiseであった。この原
液を、紡糸ノズルは亜鈴型ノズル、40φ×50Hを用
い、ノズルドラフトが1.8となる条件で18重量%で
20℃のアセトン水溶液中に紡出し、得られた繊維を、
水洗浴60℃で脱溶剤及び1.5倍延伸し、次いで13
0℃で乾燥処理後、120℃で2.5倍の乾熱延伸を行
い、さらに150℃の乾熱で弛緩熱処理を行った。こう
して得られた繊維の単糸繊度は55デニール(61.1
dtex)であった。また断面形状は略H型であるものが6
9重量%、それ以外のものが31重量%であり、(株)
インタークエストの画像処理解析ソフトImageHy
perIIにより単繊維の断面形状から求める円への充足
度を表す係数を測定したところ、断面形状が略Hである
ものについてはその係数が1.31〜1.69、それ以
外の形状のものでは1.50〜2.29であることが判
った。この結果を表1に示す。次に、得られた繊維の毛
束の触感、櫛通りを評価し(前記)、更にカールの強
さと、スタイラビリティーを前記、に記載の方法で
評価した。これらの結果を表1に示した。
【0025】(実施例2)実施例1と同様の共重合体樹
脂をアセトンに溶解して、29重量%の紡糸原液を調製
した。この樹脂100重量部に対しポリ酢酸ビニルのア
セトン溶液(日本合成化学工業(株)製のゴーセニール
K40−Y2)を1.0重量部、上記紡糸原液中に混合
した。十分に混合した後、紡糸ノズルは亜鈴型で0.4
φ×50Hのものを用い紡糸ドラフトが1.6となる条
件で20重量%で20℃のアセトン水溶液中に紡出し、
実施例1と同様の方法で水洗〜乾熱処理〜乾熱延伸〜乾
熱弛緩熱処理を行った。こうして得られた繊維の単糸繊
度は55デニール(61.1dtex)であった。また断面
形状は略H型であるものが70重量%、それ以外のもの
が30重量%であり、実施例1と同様の解析ソフトによ
り単繊維の断面形状から求める円への充足度を表す係数
を計測したところ、その係数が断面形状が略Hであるも
のについては1.24〜1.76、それ以外の形状のも
のでは1.61〜2.30であることが判った。この結
果を表1に示す。
【0026】次に、得られた繊維について、実施例1と
同様の方法にて評価し、結果を表1に示した。
【0027】(実施例3)アクリロニトリル52重量
%、塩化ビニリデン47重量%、スチレンスルホン酸ソ
ーダ1重量%からなる共重合体樹脂の共重合体樹脂をア
セトンに溶解して、30重量%の紡糸原液を調製した。
紡糸ノズルは、亜鈴型、0.4φ×50Hを用い、紡糸
ドラフトが1.60の条件で、22重量%で25℃のア
セトン水溶液中に紡出し、実施例1と同様の方法で水洗
〜乾熱処理〜乾熱延伸〜乾熱弛緩熱処理を行った。こう
して得られた繊維の単糸繊度は53d(58.9dtex)
であった。また断面形状は大半が略円形のものが得られ
た。実施例1と同様の解析ソフトにて計測した単繊維の
断面形状から求める円への充足度を表す係数は1.23
〜2.06の範囲にあり、このうち1.8以下のものは
全体の75%であった。この結果を表1に示す。
【0028】次に、得られた繊維を実施例1と同様の方
法にて評価し、その結果を表1に示した。
【0029】(比較例1)実施例1と同様の共重合体樹
脂をアセトンに溶解して、28重量%の紡糸原液を調製
した。十分に混合した後の原液の粘度は48℃で34ポ
イズであった。この原液を、紡糸ノズル亜鈴型0.3φ
×50Hを用いて、紡糸ドラフトが1.2となる条件で
25重量%で25℃のアセトン水溶液中に紡出し、実施
例1と同様の方法で水洗〜乾熱処理〜乾熱延伸〜乾熱弛
緩熱処理を行った。こうして得られた繊維の単糸繊度は
50d(55.6dtex)であった。また断面形状はほと
んど全てが不規則な形状のものであった。これを実施例
1と同様の解析ソフトにて単繊維の断面形状から求める
円への充足度を表す係数を計測したところ、2.23〜
4.71であり、いずれも2.0以上のものであった。
この結果を表1に示す。
【0030】次に、得られた繊維を実施例1と同様の方
法で評価し、その結果を表1に示した。
【0031】(比較例2)アクリリニトリル52重量
%、塩化ビニリデン47重量%、スチレンスルホン酸ソ
ーダ1重量%からなる共重合体樹脂をアセトンに溶解し
て、35%重量%の紡糸原液を調整した。この樹脂10
0重量部に対し、ポリ酢酸ビニルを2重量部、上記紡糸
原液に混合した。十分に混合した後、紡糸ノズル亜鈴型
0.44φ×50Hを用いて、ノズルドラフト2.2
で、20重量%で20℃のアセトン水溶液中に紡出し、
実施例1と同様の方法で水洗〜乾燥〜延伸〜熱処理を行
った。こうして得られた繊維の単糸繊度は55d(6
1.1dtex)であった。また断面形状から求める円への
従足度を表す係数を測定したところ全て1.8以下の断
面であることが判った。次に得られた繊維を実施例1と
同様の方法で評価し、その結果を表1に示した。
【0032】(比較例3)市販のKL−S(鐘淵化学工
業製:SBM−5WT)を用いて、実施例1と同様の方
法で評価し、その結果を表1に示した。
【0033】(実施例4)比較例1及び比較例2で得た
繊維を用いて、比較例1の繊維を20%及び比較例2の
繊維を80%を均一にミックスした後、得られた繊維を
実施例1と同様の方法で評価し、その結果を表1に示し
た。
【0034】(実施例5)比較例1及び比較例2で得た
繊維を用いて、比較例1の繊維を60%及び比較例2の
繊維を40%均一にミックスした後、得られた繊維を実
施例1と同様の方法で評価し、その結果を表1に示し
た。
【0035】(実施例6)アクリロニトリル65重量
%、塩化ビニル34重量%、スチレンスルホン酸ソーダ
1重量%からなる共重合体樹脂の共重合体樹脂をジメチ
ルホルムアミド(以下DMFと略す)に溶解して、35
重量%の紡糸原液を調製した。紡糸ノズルは、亜鈴型、
0.28φ×50Hを用い、紡糸ドラフトが1.00の
条件で、65重量%のDMF水溶液中に紡出し、実施例
1と同様の方法で水洗〜乾熱処理〜乾熱延伸〜乾熱弛緩
熱処理を行った。こうして得られた繊維の単糸繊度は5
3d(58.9dtex)であった。また断面形状は大半が
略円形のものが得られた。実施例1と同様の解析ソフト
にて計測した単繊維の断面形状から求める円への充足度
を表す係数は1.17〜2.08の範囲にあり、このう
ち1.8以下のものは全体の85%であった。この結果
を表1に示す。次に、得られた繊維を実施例1と同様の
方法で評価し、その結果を表1に示した。
【0036】(実施例7)アクリロニトリル70重量
%、塩化ビニル29重量%、スチレンスルホン酸ソーダ
1重量%からなる共重合体樹脂の共重合体樹脂をジメチ
ルアセトアミド(以下DMAcと略す)に溶解して、2
9重量%の紡糸原液を調製した。紡糸ノズルは、円型、
0.30φ×50Hを用い、紡糸ドラフトが1.00の
条件で、50重量%のDMAc水溶液中に紡出し、実施
例1と同様の方法で水洗〜乾熱処理〜乾熱延伸〜乾熱弛
緩熱処理を行った。こうして得られた繊維の単糸繊度は
54d(60.0dtex)であった。また断面形状は大
半が略円形のものが得られた。実施例1と同様の解析ソ
フトにて計測した単繊維の断面形状から求める円への充
足度を表す係数は1.21〜2.12の範囲にあり、こ
のうち1.8以下のものは全体の80%であった。この
結果を表1に示す。次に、得られた繊維を実施例1と同
様の方法で評価し、その結果を表1に示した。
【0037】
【表1】
【0038】
【発明の効果】アクリル系共重合体を含む合成繊維から
なり、単繊維繊度が20〜80d(22.2〜88.9
dtex)であって、断面形状が略円形のものを35〜90
重量%、それ以外の不規則な形状のものを10重量%以
上含む繊維重合体とすることで、かつら、ヘアピース、
エクステンション(ウィービング)に要求されるカール
特性と風合いのバランスが取れた人工毛髪用繊維束を提
供できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】繊維断面形状の円形充足度係数を計算するため
のパラメータとなる断面形状の、最大径の長さを規定す
る方法と、それを直径とする外接円を規定する方法を示
したものである。
【図2】実施例1,2,3で得られた繊維断面形状の円
形充足度係数が1.8以下の断面形状の例である。
【図3】実施例1,2で得られた繊維断面形状の円形充
足度係数が2.0以上の断面形状の例である。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アクリロニトリルを30重量%以上含有す
    るアクリル系共重合体を含む合成繊維(A)からなる人
    工毛髪用繊維束であって、前記合成繊維(A)が、単繊
    維繊度20〜80デニール(22.2〜88.9dte
    x)、かつ繊維断面形状の円形充足度係数が1.8以下
    で、該繊維束中に35〜90重量%含有していることを
    特徴とする人工毛髪用繊維束。
  2. 【請求項2】繊維束中に、前記合成繊維(A)を35〜
    90%と、繊維断面形状の円形充足度係数が2.0以上
    であり単繊維繊度が20〜80デニール(22.2〜8
    8.9dtex)である繊維(B)を10〜65%とを複合
    してなる請求項1記載の人工毛髪用繊維束。
  3. 【請求項3】前記合成繊維(A)が、アクリロニトリル
    30〜80重量%とハロゲン含有ビニル系単量体20〜
    70重量%とこれらと重合可能な他のビニル系単量体0
    〜10重量%を含有してなるアクリル系共重合体を含む
    ものである請求項1又は2記載の人工毛髪用繊維束。
  4. 【請求項4】前記合成繊維(A)がアクリル系共重合体
    100重量部に対し、カルボキシル基及びカルボニル基
    から選択される1種を含む置換基を有するオレフィン系
    化合物を0.5〜10重量部含有するものである請求項
    1、2又は3に記載の人工毛髪用繊維束。
  5. 【請求項5】前記オレフィン系化合物がポリ酢酸ビニ
    ル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルピロリ
    ドン及びポリメタクリル酸メチルからなる群より選択さ
    れる少なくとも1種である請求項4記載の人工毛髪用繊
    維束。
  6. 【請求項6】請求項1〜5のいずれかに記載の人工毛髪
    用繊維を用いた頭飾製品。
  7. 【請求項7】前記頭飾製品が、かつら、ヘアピース、エ
    クステンションヘアー(ウィービング)及び人形用ヘア
    ーからなる群より選択される少なくとも1種である請求
    項6記載の頭飾製品。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002285422A (ja) * 2001-03-26 2002-10-03 Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd 嵩高性の改良された人工毛髪繊維束の梱包方法
JP5122133B2 (ja) * 2004-02-27 2013-01-16 株式会社カネカ 人工頭髪繊維束及びそれからなる頭飾製品

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