JP2001064101A - エアゾール組成物 - Google Patents

エアゾール組成物

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JP2001064101A
JP2001064101A JP24235199A JP24235199A JP2001064101A JP 2001064101 A JP2001064101 A JP 2001064101A JP 24235199 A JP24235199 A JP 24235199A JP 24235199 A JP24235199 A JP 24235199A JP 2001064101 A JP2001064101 A JP 2001064101A
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weight
aerosol composition
alcohol
aerosol
container
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JP24235199A
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Satoshi Mekata
聡 目加多
Masanori Sakai
正典 堺
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Daizo Corp
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Daizo Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 火気に対する安全性が高く、しかも容器の腐
蝕を防止することができる、一液型水性エアゾール組成
物を提供する。 【解決手段】 アルコール30〜60重量%、水30〜
70重量%および有効成分を含む第3成分1〜20重量
%からなる原液10〜40重量%と、ジメチルエーテル
からなる噴射剤90〜60重量%とからなり、均一相を
形成しているエアゾール組成物。第3成分中の可燃性成
分量は、アルコール量の10重量%以下である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はエアゾール組成物に
関する。さらに詳しくは、殺虫剤に好適なエアゾール組
成物に関する
【0002】
【従来の技術】一般にエアゾール殺虫剤は、有効成分
(殺虫成分など)を含む油性原液と噴射剤からなり、噴
射剤には可燃性の液化石油ガスを用いることが多く、そ
のため、燃焼性や引火性が高い。また、噴射された粒子
が細かいため、使用者が人体に対しても好ましくない有
効成分を吸引する問題がある。近時、このような引火性
および身体に対する毒性などの安全性を考慮して、水性
のエアゾール殺虫剤が開発されている。
【0003】このような水性エアゾール殺虫剤により火
気に対する安全性が向上するが、水性殺虫剤の場合は、
一般的に用いられているブリキ製のエアゾール容器に対
して腐食性があり、有効成分が分解されるなど、製品の
安定性に問題がある。そこで容器の腐蝕を抑えるため
に、緩衝液を配合した配合した水性エアゾール殺虫剤が
提案されている(特公平7−68092号公報、特公平
7−121848号公報など参照)。たとえば特公平7
−68092号公報には、ピレスロイド系化合物からな
る殺虫成分0.01〜2重量%、アルコール、アセト
ン、グリコール類などの有機溶剤10〜70%、安息香
酸アンモニウム−アンモニアなどの緩衝液10〜55%
を含み、pHが7〜11(実施例では10〜11)であ
るエアゾール原液に、ジメチルエーテル(DME)10
〜80%を配合した一液型水性エアゾール殺虫剤が開示
されている。
【0004】一方、有効成分、ケロシンなどの親油性溶
剤、乳化剤、液化石油ガスなどからなるW/O型エマル
ジョン型のエアゾール殺虫剤も知られている(たとえば
特公昭55−2401号公報、特許第2855736号
など)。これはオイル相(ケロシン、LPG)中に水相
が分散しているため、水と容器内面とが直接接すること
が少なく、それにより腐蝕を防ぐものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記緩衝剤を含有する
一液型水性エアゾール製品は、緩衝剤を入れたことによ
り原液のpHが安定であり、脱錫させることにより容器
の孔触を防止している。しかし脱錫によりエアゾール組
成物の変色、変臭等が起こり好ましくない。さらに噴射
対象物(害虫の表面)は親油性であるため、水性殺虫剤
では有効成分を効率よく付着させることができない。ま
たW/O型エマルジョン型のエアゾール製品は、エマル
ジョンの安定性に問題があり、しかも製造工程が複雑に
なる問題がある。
【0006】本発明は火気に対する安全性が高く、しか
も容器の腐蝕を防止することができる、非エマルジョン
型の一液型水性エアゾール組成物を提供することを技術
課題としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明のエアゾール組成
物は、アルコール30〜60重量%、水30〜70重量
%、有効成分を含む第3成分1〜20重量%からなる原
液10〜40重量%と、ジメチルエーテルからなる噴射
剤90〜60重量%からなり、均一相を形成することを
特徴としている。このようなエアゾール組成物では、原
液のうち第3成分中の可燃性成分量が、アルコール量の
10重量%未満であるものが好ましい。
【0008】また、原液がアルコール水溶液と、有効成
分を含む親油性液体とからなり、アルコール水溶液と親
油性液体とが互いに分離しているものが好ましい。前記
有効成分としては、殺虫成分を用いることができる。ま
た、原液の引火点および燃焼点が、アルコールの含有量
が60重量%である水溶液よりも高いものが好ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明のエアゾール組成物は、前
記したように、アルコール30〜60重量%、水30〜
70重量%、および第3成分1〜20重量とからなる原
液10〜40重量%と、ジメチルエーテルからなる噴射
剤90〜60重量%からなり均一相を形成しうるもので
ある。
【0010】前記エアゾール組成物において、原液中
に、水とアルコールおよび第3成分中の可燃物を特定の
割合で配合しているため、火気に対する安全性が高い。
さらに前記原液はアルコール水溶液と親油性液体である
第3成分とからなり、分離した状態であるにもかかわら
ず、噴射剤としてジメチルエーテルを90〜60重量%
と多く配合しているため、エアゾール組成物としては均
一相を形成し、さらに乾燥性に優れ、噴射された粒子が
人体に吸引される恐れが少なくなる程度の大きさになる
など優れた噴射特性を有するエアゾール製品が得られ
る。
【0011】また前記エアゾール組成物を噴射した際に
は水と親油性液体は再び分離するが、有効成分を親油性
液体に溶解させているので、親油性である噴射対象面
(害虫の表面)に有効成分を効率よく付着させることが
できる。
【0012】本発明に用いられるアルコールは、溶媒と
して用いられ、噴射したときの乾燥性を良くし、分離し
ている原液とジメチルエーテルを均一に溶解させるため
の成分であって、炭素数2〜3の一価のアルコール、具
体的にはエタノール、プロパノール、イソプロパノール
などが挙げられる。
【0013】前記アルコールは原液中30〜60重量
%、好ましくは40〜60重量%用いられる。30重量
%以下の場合は乾燥性が悪くなり、60重量%以上の場
合は可燃物量が多くなり、消防法上危険物に該当する。
【0014】前記水としては、精製水、イオン交換水、
蒸留水など特に限定はない。前記水は原液中30〜70
重量%、好ましくは30〜60重量%用いられる。30
重量%以下の場合は可燃物量が多くなり、危険である。
一方70重量%以上の場合は乾燥性が悪くなり、また原
液と噴射剤との溶解性が悪くなるため、均一なエアゾー
ル組成物を確保することができない。
【0015】前記第3成分は有効成分を含有するもので
あり、原液中1〜20重量%、好ましくは1〜10重量
%用いられる。1%以下の場合は、必要とされる有効成
分量を配合することができず、20重量%以上の場合は
ジメチルエーテルを多く配合しても均一なエアゾール組
成物とすることができなくなり、有効成分を均一に噴射
することができない。さらに第3成分中の可燃性成分量
は、原液の燃焼性を考慮して、アルコール量の10重量
%未満することが好ましい。
【0016】前記有効成分としては、フタルスリン、ア
レスリン、ペルメトリン、シスメスリン、プロパルスリ
ン、レスメトリン、d−フェノトリン、テフルスリン、
ベンフルスリンなどの殺虫成分、サイネピリン、ピペロ
ニルブトキサイト、オクタクロロジプロピルエーテルな
どの効力増強剤、N,N−ジエチル−m−トルアミド
(ディート)、カプリル酸ジエチルアミド、ジメチルフ
タレートなどの害虫忌避剤、ラウリルメタクリレート、
ゲラニルクロトレート、ミリスチン酸アセトフェノン、
酢酸ベンジル、プロピオン酸ベンジル、安息香酸メチ
ル、フェニル酢酸メチルなどの消臭・防臭剤、塩化ベン
ザルコニウム、塩化ベンゼトニウムなどの殺菌剤、香料
などが挙げられる。
【0017】有効成分以外の第3成分としては、炭化水
素、多価アルコール、高級アルコール、界面活性剤、油
成分など、可燃性成分量がアルコール量の10重量%未
満であれば特に限定されない。
【0018】前記炭化水素としてはペンタン、ヘキサ
ン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカ
ン、ドデカン、トリデカン、テトラデカン、ペンタデカ
ン、ヘキサデカン、エイコサン、ペンタコサンなどのパ
ラフィン系脂肪族炭化水素、1−ペンテン、1−ヘキセ
ン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デ
セン、1−ウンデエン、1−ドデセン、1−トリデセ
ン、1−テトラデセン、1−ペンタデセン、1−エイコ
セン、1−ペンタコセンなどのオレフィン系脂肪族炭化
水素、およびこれらの混合物たとえばケロシン、パラフ
ィン、流動パラフィンなど、さらにベンゼン、オクチル
ベンゼン、ドデシルベンゼン、フェニルキシリルエタン
などの芳香族炭化水素などがあげられる。
【0019】前記多価アルコールとしては、エチレング
リコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレング
リコールなどの2価のアルコール、グリセリン、トリメ
チロールプロパンなどの3価のアルコール、ペンタエリ
ストリールなどの4価のアルコール、キシリトールなど
の5価のアルコール、ソルビトール、マンニトールなど
の6価のアルコール、ジエチレングリコール、ジプロピ
レングリコール、トリエチレングリコール、ポリプロピ
レングリコール、ジグリセリン、ポリエチレングリコー
ル、トリグリセリンなどの多価アルコールの重合体、エ
チレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコ
ールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノフェ
ニルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテ
ル、エチレングリコールイソプロピルエーテル、エチレ
ングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコール
モノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチル
エーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテ
ル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロ
ピレングリコールエチルエーテル、ジエチレングリコー
ルジメチルエーテルなどのアルコールアルキルエーテ
ル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテー
ト、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテー
ト、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテー
ト、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテ
ートなどのアルコールエーテルエステルなどが挙げられ
る。
【0020】前記高級アルコールとしては、ラウリルア
ルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、
ベヘニルアルコール、ミリスチルアルコール、オレイル
アルコールなどの直鎖アルコール、モノステアリルグリ
セリンエーテル、ラノリンアルコール、ヘキシルドデカ
ノール、イソステアリルアルコール、オクチルドデカノ
ールなどの分枝鎖アルコールなどがあげられる。
【0021】前記界面活性剤としては、ソルビタン脂肪
酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、デカグリセリ
ン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポ
リオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキ
シエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチ
レングリセリン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコー
ル脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテ
ル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキル
エーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテ
ル、ポリオキシエチレンヒマシ油・硬化ヒマシ油、ポリ
オキシエチレンラノリン・ラノリンアルコール・ミツロ
ウ誘導体、ポリオキシエチレンアルキルアミン・脂肪酸
アミドなどが挙げられる。
【0022】前記油成分としては、エステル油、高級脂
肪酸、シリコーン、油脂、ロウなどが挙げられる。
【0023】前記エステル油としては、ミリスチン酸イ
ソプロピル、オクタン酸セチル、ミリスチン酸オクチル
ドデシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブ
チル、ミリスチン酸ミリスチル、オレイン酸デシル、乳
酸セチル、乳酸ミリスチル、ステアリン酸イソセチル、
イソステアリン酸イソセチル、酢酸ラノリン、酢酸エチ
ル、酢酸ブチル、オレイン酸オイル、セトステアリルア
ルコール、アジピン酸ジイソブチル、セバシン酸ジイソ
プロピル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、ミリス
チン酸−2−ヘキシルデシル、パルミチン酸−2−ヘキ
シルデシル、アジピン酸−2−ヘキシルデシルなどが挙
げられる。
【0024】前記高級脂肪酸としては、ラウリン酸、ミ
リスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン
酸、オレイン酸、イソステアリン酸、リノール酸、リノ
レイン酸、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘ
キサエン酸(DHA)などが挙げられる。
【0025】前記シリコーンとしては、ジメチルポリシ
ロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイ
ドロジェンポリシロキサン、デカメチルポリシロキサ
ン、テトラメチルテトラハイドロジェンポリシロキサン
などが挙げられる。
【0026】前記油脂としては、アボガド油、ツバキ
油、タートル油、マカダミアナッツ油、トウモロコシ
油、ミンク油、オリーブ油、ナタネ油、ゴマ油、ヒマシ
油、アマニ油、サフラワー油、ホホバ油、胚芽油、ヤシ
油、パーム油、硬化ヒマシ油などが挙げられる。
【0027】前記ロウとしては、ミツロウ、ラノリン、
酢酸ラノリン、カンデリラロウ、カウナウバロウ、鯨ロ
ウ、モンタンロウなどが挙げられる。
【0028】前記噴射剤としては水溶性を有するジメチ
ルエーテルが好ましく、エアゾール組成物中60〜90
重量%、好ましくは65〜90重量%の範囲で用いられ
る。すなわち原液がエアゾール組成物中10〜40重量
%、好ましくは10〜35重量%用いられる。ジメチエ
ーテルが全体の90%を超えると、必要される有効成分
量を配合することができなくなり、実用的でない。また
60%より少ない場合は、噴霧した粒子が大きくなりす
ぎ、好ましくない。
【0029】上記のエアゾール組成物は、たとえば図1
に示す合成樹脂製のエアゾール容器Aに充填されてエア
ゾール製品となる。エアゾール容器A1は、有底筒状の
容器本体1と、その上端開口部にガスケット2を介して
取り付けられるバルブ3と、押しボタン5とを備えてい
る。符号6はディップチューブである。
【0030】容器本体1はポリエチレンテレフタレート
(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、
ポリアクリロニトリル(PA)、バレックスなどの、内
容物に侵されにくく、成型が容易な合成樹脂から、たと
えば射出成型、ブロー成型などにより製造される。バル
ブ3は合成樹脂製のバルブハウジング7と、その内部に
上下動自在に収容されるステム8と、ステムを常時上向
きに付勢するバネ9と、ステム8の周囲に嵌合され、バ
ルブハウジング7上に固定されるステムラバー10と、
それらをまとめて容器本体1に取り付けるためのマウン
ティングカップ(カバー)11とを備えている。バルブ
ハウジング7およびステム8はナイロン、ジュラコンな
どの合成樹脂製である。マウンティングカップ11は有
底筒状に成形した金属薄板製のものであり、通常は下端
を容器本体1の口部下方の段部12にクリンプすること
により、バルブ3を容器本体1に固着している。前記押
しボタン5も合成樹脂製であり、前面には従来公知の噴
霧用のノズル13が取り付けられている。
【0031】上記のエアゾール容器Aに対し、たとえば
イソプロピルアルコールと精製水の混合物からなるA液
と、殺虫成分などの有効成分を含んだ第3成分からなる
B液とを2液分注し、バルブ3を取り付け、さらにステ
ム8からジメチルエーテルを充填し、最後に押しボタン
5を取り付けることにより、エアゾール製品が得られ
る。
【0032】このものはエアゾール組成物14が触れて
いる容器本体1の内面およびバルブ3が合成樹脂製であ
るので、エアゾール組成物中に精製水が多量に含まれて
いるにも関わらず、内容物によって侵されない。また有
効成分によっても腐蝕されず、有効成分を安定して収容
しておくことができる。
【0033】図2に示すエアゾール容器Bは、容器本体
21と、その内部に重ねるように収容されたエアゾール
組成物に対して耐食性を有する合成樹脂製の内袋(ライ
ナー)22と、それらの上端開口部に取り付けられたバ
ルブ3と、そのバルブに取り付けた押しボタン5とを備
えている。
【0034】容器本体21はアルミニウムやブリキ、ス
チールなどの金属薄板を有底筒状に成形したもので構成
しうる。その容器本体1自体は、エアゾール組成物に対
する耐食性は不要であり、いずれの金属も使用すること
ができ、また、合成樹脂製であってもよい。前記内袋2
2は原液と噴射剤とを容器内に分離して充填する二重エ
アゾール製品に使用するものとおなじものでよいが、容
器本体1との間に隙間を設ける必要がなく、エアゾール
組成物を充填した後はその内圧で実質的に容器本体21
の内面に密着する。
【0035】バルブ3は合成樹脂製のバルブハウジング
7と、その内部に上下動自在に収容されるステム8と、
ステムを常時上向きに付勢するバネ9と、ステム8の周
囲に嵌合され、バルブハウジング7上に固定されるステ
ムラバー10と、それらをまとめて容器本体1に取り付
けるための合成樹脂製のマウンティングカップ24と金
属薄板製のカバー25とを備えている。
【0036】前記内袋22を構成する合成樹脂は、たと
えば直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、低密度
ポリエチレン(LDPE)、ポリプロピレン(PP)、
ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレン
テレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート
(PEN)、ポリアクリロニトリル(PAN)、エチレ
ンビニルアルコール共重合体(EVOH)、ナイロン
(NY)などの単層、もしくは2層以上の積層体があげ
られる。たとえばLDPE/EVOH/LDPEの三相
の積層フィルムを使用しうる。内袋22は通常はブロー
成型により製造される。内袋22の厚さは通常0.1〜
2.0mm、好ましくは0.3〜1.0mm程度であ
る。
【0037】容器本体1の上端近辺には、マウンティン
グカップ24を係合する段部26が設けられている。マ
ウンティングカップ24はその段部26との間に内袋2
2の上端部を挟着する状態で容器本体1の上部開口内に
挿入され、カバー25の下端を容器本体21の外側から
段部26の下方にクリンプすることにより取り付けられ
る。
【0038】このものも図1の場合と同様にエアゾール
組成物を充填することによりエアゾール製品となる。こ
のものもエアゾール組成物は内袋22やバルブハウジン
グ7およびマウンティングカップ24などのエアゾール
組成物に対して耐食性を有するものとしか接触しないの
で、容器が腐蝕したり、エアゾール組成物が変質したり
することが防止される。
【0039】図3に示すエアゾール容器Cは、容器本体
31と、その上端開口部に取り付けられるバルブ3と、
そのバルブ3に取り付ける押しボタン5とを備えてい
る。容器本体21はアルミニウムやブリキ、スチールな
どの金属薄板と、容器の内面となる側に積層した合成樹
脂フィルム32とからなるラミネート薄板材を有底筒状
に成形し、絞り成型による肩部33およびカーリング成
型によるビード部34を設けたものである。金属薄板
は、エアゾール組成物に対する耐食性は不要であり、い
ずれの金属も使用することができ、また、合成樹脂製で
あってもよい。
【0040】合成樹脂フィルム32の素材としては、ポ
リエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、ナ
イロン−6、ナイロン−6,6、ナイロン11、ナイロ
ン12などのポリアミド、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステルな
どがあげられる。合成樹脂フィルム32の厚さは、5〜
300μm、とくに10〜100μmであるのが好まし
い。
【0041】バルブ3は合成樹脂製のバルブハウジング
7と、その内部に上下動自在に収容されるステム8と、
ステムを常時上向きに付勢するバネ9と、ステム8の周
囲に嵌合され、バルブハウジング7上に固定されるステ
ムラバー10と、それらをまとめて容器本体1に取り付
けるためのマウンティングカップ35とを備えている。
マウンティングカップ35は容器本体31と同様な金属
薄板と合成樹脂フィルム36のラミネート材であり、容
器内部側に合成樹脂フィルム36がくるようにする。
【0042】マウンティングカップ35は中央部でバル
ブハウジング7を保持しており、周縁部に容器本体のビ
ード部34に被せられる断面逆U字状のフランジ部37
を備えている。上記のバルブ3は、ビード部とフランジ
部の間に環状のゴム製のガスケット38を介在させ、マ
ウンティングカップ35を容器本体31の上端開口部に
嵌合させて、その立ち上がり壁39を容器本体の肩部3
3の内面にクリンプすることにより、容器本体31に固
着する。
【0043】このものも図1の場合と同様にエアゾール
組成物を充填することによりエアゾール製品となる。ま
た容器本体の金属薄板は合成樹脂フィルムによって保護
されているので、容器が腐蝕したり、内容物が変質した
りすることが防止される。なお、図3の合成樹脂フィル
ムに代えて、図4に示すように、容器本体41の内面に
合成樹脂塗膜42を設けてもよい。その場合は、ブリキ
などの金属薄板であらかじめ成形した容器本体41の内
面側に、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹
脂、エポキシエステル樹脂などの熱硬化性樹脂を静電・
粉体塗装するなどにより塗膜を形成しうる。塗膜の厚さ
は10〜100μm程度、塗料の粒子は25〜80μm
程度が好ましい。なおマウンティングカップ43の内面
に設けることもできる。
【0044】すなわち金属製の容器を使用する場合は、
その内面に合成樹脂の内袋やフィルムあるいは塗膜を設
けて通電値が0となるように金属板を保護することによ
り、水を含むエアゾール組成物でも安定して収容しう
る。
【0045】
【実施例】つぎに具体的な実施例をあげて本発明のエア
ゾール組成物を説明する。 1.原液の引火点(*1)、燃焼点の測定(*2) 下記組成の原液の引火点、燃焼点を測定した。
【表1】
【0046】試験結果
【表2】 上記試験結果より、処方1の引火点、燃焼点共に処方2
(危険物の対象となるか否かを判断する基準となる組
成)の引火点、燃焼点よりも高く、火気に対する安全性
が高いことがわかる。さらに処方1の原液は、消防法別
表備考第十三号及び危険物の規制に関する規則第一条の
三第四項第二号の規定を満足しており、危険物非該当品
である。
【0047】2.経時試験 下記に示したエアゾール組成物を、下記の材料仕様、製
造方法にて充填し、エアゾール製品を得た。 <エアゾール組成物> 殺虫剤
【表3】 害虫忌避剤
【表4】
【0048】<材料仕様>
【表5】
【0049】<製造方法>仕様1、2については、原液
を容器に充填した後、バルブを取り付け、ステムからジ
メチルエーテルを充填し、エアゾール製品を製造した。
仕様3、4については、原液を容器に充填した後、アン
ダーカップにてジメチルエーテルを充填し、エアゾール
バルブを取り付けエアゾール製品を製造した。
【0050】<試験条件>仕様1については、エアゾー
ル製品を35℃の条件下で8ヶ月間、仕様2、3、4に
ついては、エアゾール製品を45℃の条件下で3ヶ月
間、正立および倒立の状態で保存した。
【0051】<試験結果>
【表6】 上記試験結果より、処方1、3、4、5のエアゾール製
品は、原液および容器の安定性に優れたものであること
がわかる。
【0052】
【発明の効果】本発明のエアゾール組成物(請求項1)
は、原液中に水が30〜70重量%含まれており、噴射
剤としてジメチルエーテルを採用しているので、可燃物
であるアルコールを含有し、また第3成分中に可燃性が
含まれている場合でも、燃焼性が低く、引火性がない
か、きわめて低い。そのため火気に対する安全性が高
い。さらに水性であるので、噴霧の粒子が大きく、使用
者が吸引しにくい。さらに均一相を有するので、使用時
に震盪させる必要がない。
【0053】また第3成分中の可燃性成分量を、アルコ
ール類の10重量%以下にする場合(請求項2)は、一
層可燃性が低くなり、安全である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のエアゾール組成物を充填する容器の
一実施形態を示す断面図である。
【図2】 本発明のエアゾール組成物を充填する容器の
他の実施形態を示す断面図である。
【図3】 本発明のエアゾール組成物を充填する容器の
さらに他の実施形態を示す断面図である。
【図4】 本発明のエアゾール組成物を充填する容器の
さらに他の実施形態を示す断面図である。
【符号の説明】
A エアゾール製品 1 容器本体 2 ガスケット 3 バルブ 5 押しボタン 7 バルブハウジング 8 ステム 9 バネ 11 マウンティングカップ 14 エアゾール組成物 B エアゾール製品 21 容器本体 22 内袋 24 マウンティングカップ 25 カバー C エアゾール製品 31 容器本体 32 合成樹脂フィルム 35 マウンティングカップ 36 合成樹脂フィルム 41 容器本体 42 合成樹脂塗膜 43 マウンティングカップ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルコール30〜60重量%、水30〜
    70重量%、有効成分を含む第3成分1〜20重量%か
    らなる原液10〜40重量%と、ジメチルエーテルから
    なる噴射剤90〜60重量%からなり、均一相を形成す
    るエアゾール組成物。
  2. 【請求項2】 原液のうち第3成分中の可燃性成分量
    が、アルコール量の10重量%未満である請求項1記載
    のエアゾール組成物。
  3. 【請求項3】 原液がアルコール水溶液と、有効成分を
    含む親油性液体とからなり、アルコール水溶液と親油性
    液体とが互いに分離していることを特徴とする請求項1
    または2記載のエアゾール組成物。
  4. 【請求項4】 有効成分が殺虫成分である請求項1、2
    または3記載のエアゾール組成物。
  5. 【請求項5】 原液の引火点および燃焼点が、アルコー
    ルの含有量が60重量%水溶液よりも高い請求項1、
    2、3または4記載のエアゾール組成物。
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