JP2001060433A - プラズマディスプレイパネルの製造方法及びレーザ加工方法 - Google Patents

プラズマディスプレイパネルの製造方法及びレーザ加工方法

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JP2001060433A
JP2001060433A JP11235387A JP23538799A JP2001060433A JP 2001060433 A JP2001060433 A JP 2001060433A JP 11235387 A JP11235387 A JP 11235387A JP 23538799 A JP23538799 A JP 23538799A JP 2001060433 A JP2001060433 A JP 2001060433A
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transparent electrode
laser beam
thin film
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front substrate
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Koji Funemi
浩司 船見
Toshiyuki Okada
敏幸 岡田
Isamu Inoue
勇 井上
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
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    • B23K26/00Working by laser beam, e.g. welding, cutting or boring
    • B23K26/36Removing material
    • B23K26/362Laser etching
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 製造工程が少なくかつ簡素で小型の製造設備
を実現できる、プラズマディスプレイパネル製造方法を
提供する。 【解決手段】 透明電極18は、前面ガラス基板16上
に透明電極用薄膜44を設け、レーザビーム64を薄膜
44上でX方向に連続的にかつY方向に所定の間隔をあ
けて照射することでレーザビーム64のライン状照射領
域間に薄膜を残して形成する。レーザビーム64は、任
意のレーザビーム64が照射される薄膜44上の照射領
域と、続くレーザビーム64が照射される薄膜44上の
照射領域とが一部重合するように照射される。レーザビ
ーム64が薄膜44への照射前に通過するマスク66に
は、スリット状の開口部72があけられている。レーザ
ビーム64は、その開口部72により、狭いスリット幅
の制限を受けるが、スリットの軸方向には制限を受けず
に通過する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラズマディスプ
レイパネルの製造方法及びプラズマディスプレイパネ
ル、特に、プラズマディスプレイパネルの前面側に配置
される前面パネルの背後に透明電極を形成する方法に関
する。本発明はまた、基板上に設けた薄膜にレーザビー
ムを照射して加工する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般的に、プラズマディスプレイパネル
は、前面パネルと、この前面パネルに所定の間隔をあけ
て配置された背面パネルとを有し、これら前面パネルと
背面パネルとの間に放電空間が形成されている。前面パ
ネルは、一般にガラスからなる前面基板の背面側に、複
数の平行に配置された透明電極と、各透明電極の背面側
に配置されたバス電極と、これら透明電極とバス電極を
被覆する誘電体層と、この誘電体層を被覆する保護膜を
備えている。他方、背面パネルは、一般にガラスからな
る背面基板の前面側に、透明電極の長手方向と直交する
方向に伸びる複数の平行なデータ電極と、隣接するデー
タ電極の間に配置された隔壁と、隣接する隔壁の間に配
置された蛍光体とを備えている。
【0003】プラズマディスプレイパネルを構成する複
数の構成要素のうち、特に、透明電極に着目すると、こ
の透明電極の形成方法は、透明電極に使用する材料の違
いに応じて、異なっている。現在利用されている透明電
極の材料は2つあり、一つはITO(Indium T
in Oxide)と呼ばれる、酸化インジウムIn 2
3に錫Snを3〜10%ドーピングした材料であり、
もう一つはネサ膜と呼ばれる、酸化錫SnO2を主成分
とする材料である。
【0004】透明電極にITOを用いる場合、透明電極
は次のようにして形成される。まず、ガラス基板上に、
ITO膜をその全面に成膜する。次に、ITO膜上にフ
ォトレジストを塗布し、目的の透明電極パターンと同一
のパターンを有する金属マスクを用いて、フォトレジス
トを露光する。その後、フォトレジストを現像し、必要
な部分のITO膜をエッチングした後、残ったフォトレ
ジストを除去し、透明電極を形成する。
【0005】透明電極にネサ膜を用いる場合、透明電極
は次のようにして形成される。まず、ガラス基板上に、
ネサ膜をその全面に成膜する。次に、ITOの場合と同
様に、エッチング法により透明電極を形成する。ただ
し、ネサ膜の場合、リフトオフ法により、透明電極を形
成することもある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述した従来
の透明電極形成方法は、数多くの工程(透明電極用薄膜
の成膜、フォトレジストの塗布、フォトレジストの露
光、現像、透明電極用薄膜のエッチング、残留フォトレ
ジストの除去)を必要とするため、製造設備が大型化
し、工程リードフレームも長くなるという問題がある。
【0007】特に、プラズマディスプレイパネルは、小
型テレビはもとより、大型テレビの大型画面に利用が期
待されており、その際に要求される縦横数は最小10c
mから最大2mとなる。したがって、最大2mにも及ぶ
大きな基板に対して上述した多くの工程を順番に実施し
たり、各工程間で基板を搬送したりしなければならず、
その製造設備は非常に大型となる。
【0008】また、透明電極の配置パターンを設計変更
するには、フォトレジストを露光するマスクを新たに製
作し直す必要があり、迅速な設計変更に対応し難い。
【0009】さらに、環境問題が重視される現在、従来
の製造工程で使用されているフォトレジスト液、エッチ
ング液などの廃液処理に、非常に高額な費用がかかる。
また、環境保護の観点からすれば、そのような環境に負
荷を与える物質は、出来るだけ使用しないことが望まし
い。
【0010】しかも、費用を押さえつつも、精度誤差の
少ない透明電極を形成することが望まれている。
【0011】
【課題を解決するための手段】以上の問題点を解消する
ために、本発明に係るプラズマディスプレイパネルの製
造方法では、まず前面基板の背面上の所定領域に透明電
極用薄膜を形成する。次に、レーザ発振器から周期的に
出射されるレーザビームを、開口部を備える整形プレー
トに当て、その開口部を介することで形成される整形後
レーザビームを、上記の透明電極用薄膜に照射して透明
電極を形成する。この透明電極を構成する工程はさら
に、(a)上記整形後レーザビームに対して前面基板を
移動させながら、透明電極用薄膜上において一つの整形
後レーザビームが照射される領域とこの整形後レーザビ
ームに続いて出射される次の整形後レーザビームが照射
される領域とが少なくとも一部で重なるようにレーザビ
ームを出射して透明電極用薄膜部分を順次消失させ、こ
れにより前面基板の露出する長溝を第1の方向に連続し
て形成する工程と、(b)工程(a)の終了後、形成さ
れた長溝から第2の方向に所定の距離だけ離れた場所に
整形後レーザビームの照射位置を移動する工程と、
(c)工程(a)と(b)を繰り返し、透明電極用薄膜
に複数の長溝を平行に形成し、これにより各隣接する長
溝の間にそれぞれ透明電極を形成する工程からなる。そ
して、整形プレートの開口部は長方形状であり、レーザ
ビームの横断面がその長方形の長軸に平行な2辺にのみ
制限されて整形後レーザビームが出射されるように該レ
ーザビームが該プレートに当てられ、透明電極薄膜上に
照射される整形後レーザビームのレーザスポットにおい
て、開口部の長軸に平行な2辺により制限されて形成さ
れた直線部分の直線方向を第1の方向に一致させる。
【0012】上記のプラズマディスプレイパネルの製造
方法では、透明電極用薄膜がITO膜又はネサ膜である
のが好ましい。
【0013】本発明に係るレーザ加工方法は、基板の表
面に薄膜を設け、周期的に発振されるレーザビームを薄
膜に照射して所定の方向に連続した薄膜消失部を形成す
るレーザ加工方法である。このレーザ加工方法におい
て、整形プレートの開口部が長方形状であり、レーザビ
ームの横断面がその長方形の長軸に平行な2辺にのみ制
限されて整形後レーザビームが出射されるように該レー
ザビームが該プレートに当てられ、薄膜上にはその整形
後レーザビームが照射され、整形後レーザビームの薄膜
上のレーザスポットにおいては、開口部の長軸に平行な
2辺により制限されて形成された直線部分の直線方向
を、上記の所定の方向に一致させ、任意の整形後レーザ
ビームが照射される薄膜上の照射領域と、続く整形後レ
ーザビームが照射される薄膜上の照射領域とが一部重合
するように薄膜に照射される、ことを特徴とする。
【0014】上記のレーザ加工方法では、薄膜が透明電
極用薄膜であってもよい。
【0015】さらに、透明電極用薄膜がITO膜又はネ
サ膜であるのが好ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して本発明
の好適な実施の形態を説明する。図1は、プラズマディ
スプレイパネルの一部を切り出した、プラズマディスプ
レイパネルの断面構造を示す図である。この図に示すよ
うに、プラズマディスプレイパネル10は、概略、透光
性を有する前面パネル12と、この前面パネル12の背
面側に配置され、画像情報に応じて光を発する背面パネ
ル14とで構成されており、背面パネル14から前面パ
ネル12に向かう方向に光を発するようにしてある。
【0017】前面パネル12は、図面上最上層を構成す
る前面ガラス基板(前面基板)16を有する。前面ガラ
ス基板16の背面側に、第1の方向(X方向)に伸びる
複数の透明電極18が、第1の方向に直交する第2の方
向(Y方向)に所定の間隔をあけて、平行に配置されて
いる。各透明電極18は、その背面側に、この透明電極
18に沿って伸びる、高誘電材料からなるバス電極20
を支持している。透明電極18とバス電極20は、誘電
体22と、ガス放電によるスパッタリングから誘電体2
2を保護する、酸化マグネシウムMgOからなる保護膜
24とで被覆されている。
【0018】背面パネル14は、図面上最下層を構成す
る背面ガラス基板(背面基板)26を有する。背面ガラ
ス基板26の前面側に、第2の方向に伸びる複数のデー
タ電極28が、第1の方向に所定の間隔をあけて、平行
に配置されており、これらのデータ電極28が誘電体3
0で被覆されている。誘電体30は、隣接するデータ電
極28の中間に位置し、データ電極28と平行に伸びる
隔壁32を支持している。また、隣接する隔壁32の間
には、これら隔壁32の対向する側面と、隔壁32の間
に位置する誘電体部分の表面を被覆するように、蛍光体
34が塗布されている。図示するように、蛍光体34は
その横断面が略U形状をしており、この蛍光体34で囲
まれた放電空間36に、前面パネル12と背面パネル1
4を図示するように貼り合わせた後、放電ガスが封入さ
れる。
【0019】図2は、前面ガラス基板16の製造過程で
用いられる電極基板を示し、長方形の前面ガラス基板1
6の片面に、透明電極18を形成した段階のものであ
る。透明電極18は、前面ガラス基板16の周縁に沿っ
て伸びる所定のマージン領域に囲まれた中央の長方形領
域40に形成されており、この長方形領域40におい
て、前面ガラス基板16の長辺方向と平行にかつ前面ガ
ラス基板16の短辺方向に所定の間隔をあけて、細い線
状に伸びている。
【0020】図2の一部を拡大した図3に詳細に示すよ
うに、透明電極18は、隣接する2つの透明電極18が
一つの透明電極対42を構成している。本実施形態で
は、一つの透明電極対42を構成する2つの隣接する透
明電極18は同一の横幅L1を有し、それらの間に所定
の空間ギャップG1が設けてある。また、隣接する透明
電極対42の間には、透明電極18間の空間ギャップG
1よりも大きな空間ギャップG2が設けてある。
【0021】具体例を挙げると、42インチのテレビ受
像器に利用されるプラズマディスプレイパネルの場合、
約560mm×1000mmの前面ガラス基板16を用
いる。透明電極18には、ITO膜、又はネサ膜を用
い、その厚みは約1000Åである。透明電極18は、
横幅が300〜400μm、空間ギャップG1は50〜
100μm、空間ギャップG2は200〜400μmの
範囲で、使用用途により、ある一定の値に設定される。
また、透明電極対42のピッチP1は約1mmに設定さ
れ、このように設定された透明電極対42が約480組
配置される。
【0022】透明電極18の形成方法について説明す
る。まず、所定の縦横長さを有する前面ガラス基板16
を用意する[図4(A)]。次に、前面ガラス基板16
の片面に、透明電極用薄膜44を、従来と同様の方法
(例えば、PVD:物理的気相成長法、CVD:化学的
気相成長法)で成膜する[図4(B)]。本実施形態で
は、透明電極用薄膜44として、厚さ約1000ÅのI
TO膜を用いている。なお、透明電極用薄膜44は、前
面ガラス基板16の前面に形成する必要はなく、必要な
領域、またはこの必要な領域を囲むわずかに大きな領域
に形成してもよい[図4(C)]。なお、説明を簡略化
するために、以後、前面ガラス基板16に透明電極用薄
膜44の形成された基板を、透明電極基板46という。
【0023】次に、図5に示すレーザ加工装置50を用
い、透明電極基板46加工して透明電極18を形成す
る。レーザ加工装置50は、透明電極基板46を載せる
ワークテーブル52と、このワークテーブル52を支持
するXYテーブル54を有する。XYテーブル54は、
図示しない基台に固定された固定テーブル56を有す
る。固定テーブル56は、Y方向に往復移動可能に摺動
テーブル58を支持している。また、摺動テーブル58
は、Y方向に直交するX方向に往復移動可能にワークテ
ーブル52を支持している。ワークテーブル52と摺動
テーブル58は、それぞれ図示しない駆動連結機構(例
えば、ねじ軸とねじ、又はベルトとプーリを含む機構)
を介して図示しないモータに駆動連結されており、対応
するモータの駆動に基づいて、それぞれX方向、Y方向
に往復移動できるようにしてある。
【0024】XYテーブル54の上方には、周期的にレ
ーザビーム64を発振するレーザ発振器62を備えた光
学系60が配置されている。例えば、レーザ発振器62
としては、AOQSW(電気音響光学素子)を用いた、
短パルス発振のNd:YAGレーザが好適に利用でき
る。光学系60はまた、レーザ発振器62で発振された
レーザビーム64を透明電極基板46に導くために、可
変コリメータ、シリンドリカルコリメータ(共に図示せ
ず)等と、マスク66、全反射ミラー68、結像レンズ
70が配置されている。マスク66には、スリット状長
方形の開口部72が形成されている。マスク66に到達
するレーザビーム64の横断面は、例えば、円形又は楕
円形78を有するのであるが、後で説明するように、開
口部72を通過したレーザビーム64の横断面形状は、
開口部72により一部制限されている(図6(A))。
開口部72を通過したレーザビーム64は、全反射ミラ
ー68で反射した後、結像レンズ70で絞られて透明電
極基板46に照射される。このとき透明電極基板46に
照射されるレーザビーム64のスポット形状、すなわち
透明電極基板46でレーザビーム64の照射される領域
の形状は、開口部72により一部制限された形(図6
(A)参照)を縮小した形を有する(図6(B))。
【0025】透明電極基板46に照射されるレーザビー
ム64のスポット形状を、マスク66の開口部72の長
方形状になるように整形させることは、勿論可能であ
る。その場合、図7(A)に示すように、マスク66に
到達するレーザビーム64の横断面78を、開口部72
に対し相対的に大きくすればよい。そうすると、透明電
極基板46に照射されるレーザビーム64のスポット形
状、すなわち透明電極基板46でレーザビーム64の照
射される領域の形状は、長方形となる(図7(B)参
照)。しかし、このようにレーザビーム64の横断面7
8と開口部72との相対的な大きさを設定すると、以下
のような問題が生じる。
【0026】図7(B)(C)に、長方形の開口部72
により全周囲を制限されたレーザビーム64を1回分照
射して形成した薄膜消失部73の、拡大平面形状及び断
面形状を示す。まず、図7(C)に示すように、薄膜消
失部73の周囲の薄膜84が、他の薄膜よりも僅かに盛
り上がる現象が生じることがある。これは、開口部72
の端部、特に角部における熱の集中現象に起因するもの
と考えられる。後で説明するように、本装置においては
複数パルスによるレーザビーム64を断続的に且つ連続
して透明電極基板46に照射し直線状の薄膜消失部73
(長溝74)を形成するのである(図8参照)が、上記
のような盛り上がり部84が形成されてしまうと、その
盛り上がり部84を消失させて隣接する薄膜消失部73
を形成する際にはより多くのレーザエネルギが必要にな
ってしまう。
【0027】また、図7(B)に示すように、略長方形
である薄膜消失部73の角部には、長方形の直線部に平
行な干渉縞86が生じやすくなる。これは、開口部72
形状(特に角部形状)によるレーザビーム64の回折現
象に起因するものと考えられる。干渉縞86は角部に、
しかも辺に直交する方向に発生する。したがって、複数
パルスによるレーザビーム64を断続的にかつ連続して
透明電極基板46に照射し後で説明するような直線状の
薄膜消失部73(長溝74)を形成すると、図9に示す
ように、長溝74と薄膜44との境界辺においてその辺
に直交する干渉縞86が残存してしまい、長溝74に関
して所定の加工幅を精度よく得るのが困難になってしま
う。
【0028】本発明に係る装置では、開口部72と開口
部72により横断面形状を制限されるレーザビーム64
との関係は、図6(A)の如く設定している。つまり、
スリット状の長方形により、対向する2方のみ直線によ
り制限し、その他は制限しない。かような条件の下での
透明電極18の加工工程を以下に説明する。
【0029】概略、本加工工程では、レーザ発振器62
から出射されたレーザビーム64を、透明電極基板46
上のレーザ加工点において、透明電極用薄膜44に照射
する。同時に、XYテーブル54を用いてワークテーブ
ル52及び透明電極基板46をX方向、Y方向に移動さ
せる。このとき、レーザビーム64の発振(オン、オ
フ)を、XYテーブル54のX方向への相対速度に応じ
て同期制御する。
【0030】具体的に、図8(A)に示すように、マス
ク66を用いて対向する2方のみ直線により制限された
レーザビーム64の直線の方向をX方向に一致させ、1
パルス分のレーザビーム64を透明電極用薄膜44に照
射し、薄膜消失部73を形成し、対応する部分の前面ガ
ラス基板16を露出させる。次に、図8(B)に示すよ
うに、XYテーブル54により透明電極基板46をX方
向に所定距離(X方向送り量)δxだけ移動し、再び1
パルス分のレーザビーム64を透明電極用薄膜44に照
射して、薄膜消失部73を形成する。同様にして、透明
電極基板46をX方向に移動しながら、透明電極基板4
6がX方向にX方向送り量δxだけ送られるごとに、1
パルス分のレーザビーム64を透明電極用薄膜44に照
射し、図8(C)、(D)に示すように、X方向に薄膜
消失部73を連続した長溝74を形成する。
【0031】X方向送り量δxは、透明電極基板46上
において、1パルス分のレーザビーム64の照射領域
と、これに続く1パルス分のレーザビーム64の照射領
域が、X方向に重なり、その結果、透明電極基板46上
で薄膜消失部73が一定幅を備えて連続するように設定
する。なお、図8において、照射領域の重合部76が、
網点で表示してある。
【0032】X方向に所定の長さの薄膜消失部73が形
成されると、XYテーブル54をY方向に所定距離(Y
方向送り量)δyだけ移動し、上述と同様に、X方向に
長溝74を形成し、これにより、図8(D)に示すよう
に、隣接する長溝74の間に透明電極用薄膜44の未消
失部が残り、この未消失部が透明電極18として利用さ
れる。このようにして、X方向に連続した透明電極18
を、Y方向に所定の間隔をあけて、並列に形成する。
【0033】ここで、再び、1パルス分のレーザビーム
64を透明電極用薄膜44に照射して薄膜消失部73を
形成する様子について、より詳しく説明する。図6
(B)(C)に、開口部72により一部を制限された本
装置のレーザビーム64を1回分照射して形成した薄膜
消失部73の、拡大平面形状及び断面形状を示す。ここ
で、図6(B)において、開口部72により制限されて
形成されたレーザビーム64の境界が、薄膜44上に反
映して生成された薄膜消失部73の境界を、以下では
「境界辺部」80と称し、開口部72により制限されず
に形成されたレーザビーム64の境界が、薄膜44上に
反映して生成された薄膜消失部73の境界を、以下では
「周辺曲線部」82と称することとする。
【0034】図6(C)に示すように、周辺曲線部82
の近傍には、図7(C)のような薄膜44の盛り上がり
部84は発生せず、薄膜44の膜厚は緩やかに変化す
る。これは、この周辺曲線部82の近傍に照射されるレ
ーザビーム64のエネルギ密度が緩やかに変化する、即
ち周辺曲線部82近傍ではレーザビーム64が緩やかに
「オン」から「オフ」へと移行するからである。上記の
ように、薄膜消失部73が連続して薄膜44上に形成さ
れる際に、レーザビーム64の照射領域は一部重ねられ
るが、この重合する照射領域76に上記周辺曲線部82
が含まれるように上記δxは設定される(図8(C)
(D)参照)。周辺曲線部82には、膜厚の盛り上がり
部84は発生しない。従って、図7(C)の薄膜消失部
73境界近傍に発生する盛り上がり部84が重合する照
射領域76に含まれる場合に比べてみると、レーザビー
ム64のエネルギ密度を低くすることができる。実測に
よれば、約100mJ/mm2を約80mJ/mm2にま
で下げることができる。
【0035】さらに、図6(B)に示すように、境界辺
部80の端部において、境界辺部80に直交する干渉縞
は発生しない。これは、周辺曲線部82を形成するレー
ザビーム64の境界が開口部72で制限されてできたも
のではないからである。したがって、図7(B)のよう
な長溝74と薄膜44との境界辺においてその辺に直交
する干渉縞86が、残存することはない。よって、長溝
74に関して所定の加工幅を精度よく得ることができ
る。
【0036】なお、図3に示すように、各透明電極対4
2を構成している2つの透明電極18の空間ピッチG1
と、隣接する透明電極対42の間の空間ピッチG2とが
異なる場合、それぞれの空間ピッチG1、G2に対応し
たスリット幅を有する開口部72をそれぞれ備えた2つ
のマスクを用意し、XYテーブル54をY方向に移動す
る際に、これらのマスクを切り替えるようにする。また
は、一つのマスクを使用する場合、狭い空間ピッチG1
用のマスクだけを設け、このマスクを利用し、広い空間
ピッチG2の透明電極薄膜部分を除去する場合、電極消
失部がY方向に重なるように、Y方向に僅かだけXYテ
ーブル54を移動させて複数回にわたってレーザビーム
を照射してもよい。
【0037】以上、プラズマディスプレイパネル及びそ
の製造方法について説明したが、上述した、薄膜を有す
る基板にレーザビームを照射して加工する方法は、プラ
ズマディスプレイパネルの製造方法だけに適用されるも
のでなく、広く、電極加工などの薄膜加工技術に適用で
きるものである。
【0038】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
に係るプラズマディスプレイパネルの製造方法等によれ
ば、従来の透明電極形成方法に比べて、製造工程が格段
に少なく、かつ簡素で小型の製造設備を実現できる。ま
た、マスクの設計変更等にも容易に対応でき、環境に対
しても負荷の少ない、高品質の透明電極を得ることがで
きる。
【0039】特に、スリット状の開口部を備えたマスク
を、レーザビームの横断面形状の制限に用いることによ
り、レーザビームに備えるべきエネルギ密度を低くする
ことができ、しかも、透明電極の形状、特に個々の透明
電極の幅の精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 プラズマディスプレイパネルの部分斜視図。
【図2】 透明電極を備えた前面ガラス基板の平面図。
【図3】 前面ガラス基板上に形成された透明電極の部
分拡大平面図。
【図4】 透明電極の製造工程に用いられる透明電極基
板及びその製造工程説明図。
【図5】 レーザ加工装置の斜視図。
【図6】 マスクの開口部とレーザビームの横断面との
関係図と、透明電極用薄膜に形成した薄膜消失部の拡大
平面図及び断面図(1)。
【図7】 マスクの開口部とレーザビームの横断面との
関係図と、透明電極用薄膜に形成した薄膜消失部の拡大
平面図及び断面図(2)。
【図8】 透明電極の製造工程を説明する図(1)。
【図9】 透明電極の製造工程を説明する図(2)。
【符号の説明】
10…プラズマディスプレイパネル、12…前面パネ
ル、14…背面パネル、16…前面ガラス基板、18…
透明電極、20…バス電極、22…誘電体、24…保護
膜、26…背面ガラス基板、28…データ電極、30…
誘電体、32…隔壁、34…蛍光体、36…放電空間、
44…透明電極用薄膜、50…レーザ加工装置、54…
XYテーブル、62…レーザ発振器、64…レーザビー
ム、66…マスク、72…開口部、73…薄膜消失部、
74…長溝、80…境界辺部、82…周辺曲線部、84
…薄膜盛り上がり部、86…干渉縞。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 井上 勇 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 4E068 AD00 CD05 CD10 CE04 DA09 5C027 AA01 AA03 5C040 FA01 FA04 GB03 GB14 GC06 GC18 GC19 JA07 JA11 JA31 KA04 MA23 MA24 MA26

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 前面基板と該前面基板との間に所定の間
    隔をあけて略平行に配置された背面基板とを有し、 背面基板に対向する前面基板の背面上に、順次、第1の
    方向に平行に伸びる複数の透明電極と、各透明基板の背
    面上を透明電極と平行に伸びるバス電極と、これら透明
    電極とバス電極とを被覆する誘電体層と、誘電体層を被
    覆する保護膜とを設け、 前面基板に対向する背面基板の前面上に、第1の方向に
    略直交する第2の方向に平行に伸びる複数のデータ電極
    と、隣接するデータ電極の間にデータ電極と平行に伸び
    る隔壁と、隣接する隔壁の間に設けられた蛍光体とを設
    けたプラズマディスプレイパネルにおいて、 前面基板の背面上の所定領域に透明電極用薄膜を形成
    し、 レーザ発振器から周期的に出射されるレーザビームを、
    開口部を備える整形プレートに当て、その開口部を介す
    ることで形成される整形後レーザビームを、その透明電
    極用薄膜に照射して透明電極を形成する工程に、(a)
    上記整形後レーザビームに対して前面基板を移動させな
    がら、透明電極用薄膜上において一つの整形後レーザビ
    ームが照射される領域とこの整形後レーザビームに続い
    て出射される次の整形後レーザビームが照射される領域
    とが少なくとも一部で重ねるようにレーザビームを出射
    して透明電極用薄膜部分を順次消失させ、これにより前
    面基板の露出する長溝を第1の方向に連続して形成する
    工程と、(b)工程(a)の終了後、形成された長溝か
    ら第2の方向に所定の距離だけ離れた場所に整形後レー
    ザビームの照射位置を移動する工程と、(c)工程
    (a)と(b)を繰り返し、透明電極用薄膜に複数の長
    溝を平行に形成し、これにより各隣接する長溝の間にそ
    れぞれ透明電極を形成する工程とを含み、 整形プレートの開口部は長方形状であり、レーザビーム
    の横断面がその長方形の長軸に平行な2辺にのみ制限さ
    れて整形後レーザビームが出射されるように該レーザビ
    ームが該プレートに当てられ、 透明電極薄膜上に照射される整形後レーザビームのレー
    ザスポットにおいて、開口部の長軸に平行な2辺により
    制限されて形成された直線部分の直線方向を第1の方向
    に一致させる、ことを特徴とするプラズマディスプレイ
    パネルの製造方法。
  2. 【請求項2】 透明電極用薄膜がITO膜又はネサ膜で
    ある、請求項1に記載のプラズマディスプレイパネルの
    製造方法。
  3. 【請求項3】 基板の表面に薄膜を設け、周期的に発振
    されるレーザビームを薄膜に照射して所定の方向に連続
    した薄膜消失部を形成するレーザ加工方法であって、 整形プレートの開口部が長方形状であり、レーザビーム
    の横断面がその長方形の長軸に平行な2辺にのみ制限さ
    れて整形後レーザビームが出射されるように該レーザビ
    ームが該プレートに当てられ、 薄膜上にはその整形後レーザビームが照射され、 整形後レーザビームの薄膜上のレーザスポットにおいて
    は、開口部の長軸に平行な2辺により制限されて形成さ
    れた直線部分の直線方向を、上記の所定の方向に一致さ
    せ、 任意の整形後レーザビームが照射される薄膜上の照射領
    域と、続く整形後レーザビームが照射される薄膜上の照
    射領域とが一部重合するように薄膜に照射される、こと
    を特徴とするレーザ加工方法。
  4. 【請求項4】 薄膜が透明電極用薄膜である、請求項3
    に記載のレーザ加工方法。
  5. 【請求項5】 透明電極用薄膜がITO膜又はネサ膜で
    ある、請求項4に記載のレーザ加工方法。
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