JP2002273585A - ビーム加工方法及びその装置、並びにタッチパネル基板の製造方法 - Google Patents

ビーム加工方法及びその装置、並びにタッチパネル基板の製造方法

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JP2002273585A
JP2002273585A JP2001076827A JP2001076827A JP2002273585A JP 2002273585 A JP2002273585 A JP 2002273585A JP 2001076827 A JP2001076827 A JP 2001076827A JP 2001076827 A JP2001076827 A JP 2001076827A JP 2002273585 A JP2002273585 A JP 2002273585A
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pulse signal
irradiation
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JP2001076827A
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Takeshi Kobayashi
丈司 小林
Kazunori Miyamoto
和徳 宮本
Yasuhiro Kawakami
康弘 川上
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Ricoh Microelectronics Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Microelectronics Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 パルスレーザ光を用いて加工する場合に、加
工対象物の速度が変化するときでも加工寸法のバラツキ
が少ない均一な加工を実現することができるビーム加工
方法及びその装置、並びにタッチパネル基板の製造方法
を提供する。 【解決手段】 加工制御データに基づいて、YAGレー
ザ装置1から繰り返し出射されるパルスレーザ光を加工
対象物に照射しながら加工対象物を移動させることによ
り加工対象物を加工するビーム加工方法において、加工
対象物の移動距離に同期させて、各パルスレーザ光の照
射タイミングを制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パルスレーザービ
ーム等のパルス状のエネルギービームを用いて樹脂、セ
ラミック、金属等の加工対象物を加工するビーム加工方
法及びその装置、並びに該ビーム加工方法を用いたタッ
チパネル基板の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のビーム加工方法として、
Qスイッチを有するYAGレーザから出射されるパルス
状のレーザービームを用い、加工対象物であるワークを
切断したり穴開けしたりする加工方法が知られている。
このビーム加工方法では、XYテーブル上にワークをセ
ットし、パルス状のレーザービームの照射方向と交差す
る方向にワークを移動させながら、ワークに各パルス状
のレーザビームを連続的に照射する。このようなビーム
加工方法では、図12に示すように制御回路900の基
準クロック901から生成される一定の繰り返し周波数
からなるパルス状の基準クロック信号Sclockに基づい
て、Qスイッチドライバ902に入力するレーザ制御パ
ルス信号Spが生成され、XYテーブル上にセットされ
たワークに照射するパルス状のレーザビームの照射タイ
ミングが制御されていた。このレーザビームの照射タイ
ミングの制御により、ワークの移動速度が一定であれ
ば、図13(a)に示すようにワークの表面上で各照射
スポットLsが一定のピッチPaで並ぶようにパルス状
のレーザビームが照射されるので、均一な加工が可能と
なる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記図12
で示したように制御回路900の基準クロック901か
ら生成される基準クロック信号Sclockに基づいて上記
パルス状のレーザビームの照射タイミングを制御するビ
ーム加工方法において、パルス状のレーザビームが照射
されるワークの移動速度が変化してしまう場合がある。
例えば、ワークがセットされるXYテーブルを駆動する
リニアモータのころがり摩擦などの摺動抵抗やリニアモ
ータの推力が変化すると、ワークの移動速度が変化して
しまう。このようにワークの移動速度Vが変化してしま
うと、図13(b)に示すようにワークの表面上での各
照射スポットLsのピッチPbが狭くなったり、逆に図
13(c)に示すように各照射スポットLsのピッチP
cが広くなったりする。このため、各照射スポットのラ
ップ率が変化して加工幅の寸法が変わり、均一な加工が
難しくなる。
【0004】上記ワークの移動速度Vが経時的に変化し
た場合は、上記制御回路900の基準クロック901か
ら出力される基準クロック信号Sclockの周波数を調整
することにより、上記各照射スポットのピッチを所定値
に戻すことが考えられる。しかしながら、ワークの移動
速度Vが変化するたびに上記基準クロック信号Sclock
の周波数を調整するという煩雑な作業が必要となるとい
う問題があった。また、上記基準クロック信号Sclock
は制御回路900のCPU903等にも供給されて使用
されるので、この基準クロック信号Sclockを変更する
と、CPU903等の動作に悪影響を与えるおそれがあ
るという問題もあった。さらに、図14に示すようにワ
ークを移動させている加工中にワークの移動速度Vが変
動してしまう「速度リプル」が発生する場合がある。か
かる場合に、上記各照射スポットLsのピッチが一定に
なるように上記基準クロック信号Sclockの周波数をリ
アルタイムに調整することは、実際上難しいという問題
があった。
【0005】なお、これらの問題は、パルス状のエネル
ギービームとしてレーザービームを用いるビーム加工方
法及びその装置において発生するものであるが、電子ビ
ームや荷電粒子ビームなどの他のエネルギービームを用
いるビーム加工方法及びその装置においても発生し得
る。また、上記問題は、パルス状のエネルギービームの
照射ポイントを固定した状態でワークを移動させる場合
だけでなく、ワークを固定配置した状態でパルス状のエ
ネルギービームの照射ポイントを走査するように移動さ
せる場合や、パルス状のエネルギービームの照射ポイン
ト及びワークの両者を移動させる場合にも発生し得る。
【0006】本発明は以上の背景の下でなされたもので
あり、その目的とするところは、パルス状のエネルギー
ビームを用いて加工する場合に、加工対象物とエネルギ
ービームの照射ポイントとの間の相対移動の速度が変化
するときでも加工寸法のバラツキが少ない均一な加工を
実現することができるビーム加工方法及びその装置、並
びにタッチパネル基板の製造方法を提供することであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1の発明は、加工制御データに基づいて、ビ
ーム源から繰り返し出射されるパルス状のエネルギービ
ームを加工対象物に照射しながら該加工対象物と該加工
対象物に対する該エネルギービームの照射ポイントとを
相対移動させることにより該加工対象物を加工するビー
ム加工方法において、該加工対象物と該照射ポイントと
の間の相対移動距離に同期させて、各パルス状のエネル
ギービームの照射タイミングを制御することを特徴とす
るものである。また、請求項6の発明は、パルス状のエ
ネルギービームを繰り返し出射するビーム源と、該ビー
ム源から出射されたエネルギービームを加工対象物に案
内して照射するビーム照射手段と、該加工対象物と該加
工対象物に対する該エネルギービームの照射ポイントと
を相対移動させる相対移動手段と、加工制御データに基
づいて該ビーム源及び該相対移動手段を制御する制御手
段とを備えたビーム加工装置において、該加工対象物と
該照射ポイントとが相対移動しているときの相対移動距
離を検出して移動距離検出パルス信号を生成する移動距
離検出パルス信号生成手段と、該移動距離検出パルス信
号生成手段で生成した該移動距離検出パルス信号に基づ
き、該相対移動距離に同期させて各パルス状のエネルギ
ービームの照射タイミングを制御するビーム制御手段と
を設けたことを特徴とするものである。なお、上記「加
工対象物」には、エネルギービームが照射される面が平
面のものだけでなく、エネルギービームが照射される面
が円筒面などの曲面であるものも含まれる。
【0008】請求項1のビーム加工方法及び請求項6の
ビーム加工装置においては、加工対象物と照射ポイント
との間の相対移動距離に同期させて、ビーム源から繰り
返し出射されるエネルギービームの出射タイミングを制
御することにより、上記相対移動の速度が変化するとき
でも、パルス状のエネルギービームの各照射スポットが
一定のピッチで並ぶように加工対象物上に照射されるよ
うにする。
【0009】請求項2の発明は、請求項1のビーム加工
方法において、上記加工対象物を、上記エネルギービー
ムの照射方向と交差する仮想面上で互いに直交する2方
向に移動させ、該2方向のそれぞれについて、該加工対
象物の一定距離の移動ごとに移動距離検出パルス信号を
生成し、該移動距離検出パルス信号に同期させて、各パ
ルス状のエネルギービームの照射タイミングを制御する
ことを特徴とするものである。また、請求項7の発明
は、請求項6のビーム加工装置において、上記相対移動
手段が、上記加工対象物を上記エネルギービームの照射
方向と交差する仮想面上で互いに直交する2方向に移動
させるものであり、上記移動距離検出パルス信号生成手
段が、該2方向のそれぞれについて該エネルギービーム
に対する該加工対象物の一定距離の移動ごとに移動距離
検出パルス信号を生成するものであり、上記ビーム制御
手段が、該移動距離検出パルス信号生成手段で生成した
該移動距離検出パルス信号に同期させて、各パルス状の
エネルギービームの照射タイミングを制御するものであ
ることを特徴とするものである。なお、上記移動距離検
出パルス信号に同期したエネルギービームの照射タイミ
ングの制御には、移動距離検出パルス信号が1個生成さ
れるたびに上記パルス状のエネルギービームを一回出射
させるように制御する場合だけでなく、移動距離検出パ
ルス信号が複数個生成されるたびに上記パルス状のエネ
ルギービームを一回照射させるように制御する場合も含
まれる。
【0010】請求項2のビーム加工方法及び請求項7の
ビーム加工装置においては、上記エネルギービームの照
射方向と交差する仮想面上で互いに直交する2方向のそ
れぞれについて、加工対象物の一定距離の移動ごとに移
動距離検出パルス信号を生成するとともに、この移動距
離検出パルス信号に基づいて、加工対象物とエネルギー
ビームの照射ポイントとの間の相対移動距離に同期させ
てエネルギービームの出射タイミングを制御する。この
制御により、上記相対移動の速度が変化するときでも、
エネルギービームの各照射スポットが一定のピッチで並
ぶように加工対象物上に照射されるようにする。
【0011】請求項3の発明は、請求項2のビーム加工
方法において、上記加工対象物が上記2方向と交差する
斜め方向に移動するときに、該2方向について生成した
1組の移動距離検出パルス信号に基づいて、該斜め方向
における該加工対象物の一定距離の移動ごとに移動距離
検出パルス信号を生成し、該斜め方向における移動距離
検出パルス信号に同期させて、各パルス状のエネルギー
ビームの照射タイミングを制御することを特徴とするも
のである。また、請求項8の発明は、請求項7のビーム
加工装置において、上記移動距離検出パルス信号生成手
段が、上記2方向について生成した1組の移動距離検出
パルス信号に基づいて、該2方向と交差する斜め方向に
おける該加工対象物の一定距離の移動ごとに移動距離検
出パルス信号を生成するものであり、上記ビーム制御手
段が、該移動距離検出パルス信号に同期させて、各パル
ス状のエネルギービームの照射タイミングを制御するも
のであることを特徴とするものである。
【0012】請求項3のビーム加工方法及び請求項8の
ビーム加工装置においては、上記2方向と交差する斜め
方向における移動距離検出パルス信号に同期させて、各
パルス状のエネルギービームの照射タイミングを制御し
ている。この制御により、加工対象物とエネルギービー
ムの照射ポイントとの間の相対移動の速度が上記斜め方
向で変化するときでも、エネルギービームの各照射スポ
ットが一定のピッチで並ぶように加工対象物上に照射さ
れるようにする。
【0013】請求項4の発明は、請求項1、2又は3の
ビーム加工方法において、上記ビーム源が、Qスイッチ
を有するYAGレーザであることを特徴とするものであ
る。また、請求項9の発明は、請求項6、7又は8のビ
ーム加工装置において、上記ビーム源が、Qスイッチを
有するYAGレーザであることを特徴とするものであ
る。
【0014】請求項4のビーム加工方法及び請求項9の
ビーム加工装置においては、Qスイッチを介して、エネ
ルギービームの出射タイミングを制御するための繰り返
し周波数を比較的広い範囲で変化させた場合でも安定し
たエネルギービームを得ることができるため、上記エネ
ルギービームの照射タイミングの制御が容易となる。
【0015】請求項5の発明は、請求項1、2、3又は
4のビーム加工方法において、上記加工対象物が、絶縁
性基板上に形成された透明導電膜であり、該透明導電膜
の一部をスリット状に除去する加工を行うことを特徴と
するものである。また、請求項10の発明は、請求項
6、7、8又は9のビーム加工装置において、上記加工
対象物が、絶縁性基板上に形成された透明導電膜であ
り、該透明導電膜の一部をスリット状に除去する加工を
行うことを特徴とするものである。
【0016】請求項5のビーム加工方法及び請求項10
のビーム加工装置においては、絶縁性基板上の透明導電
膜の一部をスリット状に除去する加工の際に、絶縁性基
板とエネルギービームの照射ポイントとの間の相対移動
の速度が変化する場合でも、上記相対移動の方向におい
てエネルギービームの各照射スポットが一定間隔で絶縁
性基板上の透明導電膜に照射される。これにより、上記
エネルギービームで透明導電膜が除去されたスリットの
形状が均一になる。
【0017】請求項11の発明は、透明基板上に透明電
極が形成されたタッチパネル基板を製造するタッチパネ
ル基板の製造方法であって、透明基板の表面に透明導電
膜を形成し、次いで、請求項5のビーム加工方法を用い
て、該透明基板上の透明導電膜の一部をスリット状に除
去することにより、該透明基板上に透明電極を形成する
ことを特徴とするものである。
【0018】請求項11のタッチパネル基板の製造方法
においては、絶縁性透明基板の表面に透明導電膜を形成
した後、上記エネルギービームで透明導電膜の一部がス
リット状に除去されるので、絶縁透明基板上に形成され
る透明電極間のスリットの形状が均一になる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明を、ハイブリッド型
のタッチパネルの絶縁性透明基板上に形成された透明導
電膜の一部を、スリット状に除去して透明電極を形成す
る透明導電膜のビーム加工方法及びその装置に適用した
実施形態について説明する。
【0020】図2は、本発明に係るビーム加工装置の概
略構成図である。本ビーム加工装置は、パルス状のエネ
ルギービームとしてのパルスレーザ光を繰り返し出射す
るビーム源としてのYAGレーザ装置1と、YAGレー
ザ装置1から出射されたパルスレーザ光を加工対象物に
案内して照射するビーム照射手段2と、加工対象物と加
工対象物に対する該エネルギービームの照射ポイントと
を相対移動させる相対移動手段としてのXYテーブル5
と、加工制御データに基づいてYAGレーザ装置1及び
XYテーブル5を制御する制御手段しての制御システム
6とを備えている。
【0021】上記YAGレーザ発信装置1は、YAGロ
ッド101a及びQスイッチ101bを内蔵したレーザ
ヘッド101と、Qスイッチ101bを駆動するQスイ
ッチ駆動部102と、レーザヘッド101内のYAGロ
ッド101aにレーザ発振用の駆動電流を供給するレー
ザ電源103とを有している。上記Qスイッチ駆動部1
02は、制御システム6から送られてきたレーザ制御信
号に基づいて、レーザヘッド101内のQスイッチ10
1bを駆動する。Qスイッチ101bをオンすると、レ
ーザヘッド101から近赤外光(波長λ=1064n
m)からなるパルスレーザ光が出射される。上記Qスイ
ッチ駆動部102に入力するパルス状のレーザ制御信号
の繰り返し周波数は20Hz〜20kHz(周期=50
msec〜0.05msec)の範囲で変化させること
ができ、また、上記レーザ制御信号のパルス幅は80〜
500nsecの範囲で変化させることができる。この
Qスイッチ駆動部102でレーザヘッド101内のQス
イッチ101bを駆動することにより、上記繰り返し周
波数が500Hz〜5kHzの範囲内で、レーザヘッド
101からパルスレーザ光を出射することができる。
【0022】上記レーザヘッド101内のYAGロッド
101aは、希土類元素のNb(ネオジウム)をドープ
したYAG(イットリウム、アルミニウム、ガーネッ
ト)結晶であり、フラッシュランプや半導体レーザ等の
図示しない励起源で励起される。この励起源は、レーザ
電源103から駆動電流が供給されることにより駆動さ
れる。
【0023】上記ビーム照射手段2は、パルスレーザ光
をガイドするステップインデックス型の光ファイバ20
1と、光ファイバ201でガイドされてきたパルスレー
ザ光を集光して加工対象物に照射するレーザ照射ヘッド
202とを用いて構成されている。
【0024】ITO(インジウム酸化スズ)からなる加
工対象物としての透明導電膜4が表面に形成された透明
ガラスや透明プラスチック材(例えばPET、ポリカー
ボネート)からなる透明絶縁性基板3は、XYテーブル
5のリニアモータ502(例えば、サーボモータやステ
ッピングモータ)で駆動される載置台501上に、図示
しない吸引及び機械的なクランプ機構等によって固定さ
れる。この透明絶縁性基板3が固定された載置台501
を駆動するリニアモータ502を制御システム6で制御
することにより、上記透明導電膜4が形成された透明絶
縁性基板3を、上記パルスレーザ光の照射方向に垂直な
仮想面内で互いに直交するX方向及びY方向(図中の紙
面に垂直な方向)に2次元的に移動させることができ
る。
【0025】また、加工速度、XYテーブルの加速度、
加工精度をより向上させるために、XYテーブル5につ
いては、発泡チタン、マグネジウム、酸化アルミナ系、
アルミ合金系の超軽量素材で形成することが好ましい。
【0026】また、載置台501の内部に貫通孔を形成
して軽量化を図ってもよい。この貫通孔は、絶縁性透明
基板3と透明導電膜4との一体物がシート状のものであ
る場合の真空チャック用の気流経路を兼ねることもでき
る。載置台501については、絶縁性透明基板3の少な
くともパルスレーザ光が照射される部分の下側に凹部を
形成し、絶縁性透明基板3の下面と載置台501の上面
との間の距離をできるだけ長くするように構成すること
が好ましい。かかる構成により、絶縁性透明基板3を通
過して載置台501の表面で反射した反射レーザーが透
明導電膜4にあたることによってその加工に悪影響を及
ぼすことを抑制することができる。
【0027】また、本実施形態では、上記XYテーブル
5に、移動距離検出パルス信号生成手段としてのリニア
スケール503が取り付けられている。このリニアスケ
ール503は、X方向及びY方向の2方向のそれぞれに
ついて設けられ、上記透明絶縁性基板3が載置された載
置台501のX方向及びY方向の一定距離の移動ごとに
移動距離検出パルス信号を生成する。この移動距離検出
パルス信号をカウントすることにより、上記透明絶縁性
基板3が載置された載置台501の移動距離がわかる。
本実施形態では、この移動距離検出パルス信号に基づい
て、上記透明絶縁性基板3が載置された載置台501の
移動距離に同期させて各パルスレーザ光の照射タイミン
グを制御している。
【0028】本実施形態では、上記リニアスケール50
3としては、目盛格子が互いに形成されたスケールと走
査板とを非接触対向させて組み合わせることにより0.
5μm〜1.0μm程度の分解能が得られるもの(例え
ば、ハイデンハイン株式会社製のオープンタイプ測長シ
ステム:商品名)を用いている。ここで、例えばリニア
スケール503の分解能が1μmのときは1μmごとに
1パルス出力されるので、上記透明絶縁性基板3が載置
された載置台501の移動速度が1m/secの場合
は、1MHzの周波数(周期=1μsec)で移動距離
検出パルス信号が出力される。なお、上記リニアスケー
ル503は、加工精度や加工速度等の条件に応じて最適
なものを適宜選択して用いられる。また、上記移動距離
検出パルス信号生成手段は、X方向及びY方向の2方向
のそれぞれについて上記透明絶縁性基板3が載置された
載置台501の一定距離の移動ごとに移動距離検出パル
ス信号を生成するものであればよく、上記特定のリニア
スケールに限定されるものではない。
【0029】上記制御システム6は、ビーム加工装置全
体を監視するとともに加工制御データとしてのCAM
(Computer Aided Manufacturing)データに基づいて各
部に制御指令を出す上位コンピュータ装置601と、テ
ーブル駆動制御装置(シーケンサ)602と、同期連動
型運転用の制御回路基板603とを用いて構成されてい
る。上記CAMデータは、CAD(Computer Aided Des
ign)のデータに基づいてビーム加工装置の装置パラメ
ータを考慮して生成され、例えば線分形状の各加工要素
について照射ポイントのピッチと加工開始点の座標
と加工終了点の座標とが1組となったデータ構造とな
っている。
【0030】上記テーブル駆動制御装置602は、上位
コンピュータ装置601から送られてきた制御指令に基
づいて、リニアモータ502の駆動を制御するものであ
る。このテーブル駆動制御部602は、例えばリニアモ
ータ502がサーボモータのときはサーボコントローラ
を用いて構成され、またリニアモータ502がパルスモ
ータのときはパルスコントローラを用いて構成される。
【0031】図1は、上記制御回路基板603の一構成
例を示すブロック図である。この制御回路基板603
は、CPU603aと、I/Oインタフェース603
b、パルスカウンタ603cと、比較回路603dと、
パルス幅整形回路603eと、スイッチ回路603f
と、図示しないメモリ(RAM、ROM等)を用いて構
成されている。
【0032】上記I/Oインタフェース603bは、C
PU603aと外部の上位パーソナルコンピュータ装置
601との間でデータ通信を行うための信号処理を行
う。
【0033】上記パルスカウンタ603cは、リニアス
ケール503で生成された移動距離検出パルス信号Sm
のパルス数をカウントする。このパルスカウンタ603
cによるカウント値Nmは、比較回路603dにおいて
CPU603aから送られてきた基準値Nrefと比較さ
れ、両方の値が一致したとき比較回路603dからパル
ス信号が出力される。上記基準値Nrefは、加工条件に
応じて任意に設定することができる。また、上記パルス
カウンタ603cに入力される移動距離検出パルス信号
Smは、上記XYテーブル5の載置台501の移動方向
に応じて切り替えられる。例えば、載置台501をX方
向に移動させるときは、X方向用のリニアスケール50
3から出力される
【0034】上記パルス幅整形回路603dは、上記比
較回路603cから出力された移動距離検出パルス信号
Spのパルス幅を上記Qスイッチが動作可能なパルス幅
まで広げる回路である。このパルス幅整形回路603d
を調整することにより、YAGレーザ装置1から出射さ
れるパルスレーザ光のパルス幅を変更することができ
る。
【0035】上記スイッチ回路603eは、CPU60
3aからの制御指令に基づいて、連続加工と断続加工と
を適宜切り替えて実行できるように、パルス幅整形回路
603dから上記Qスイッチ駆動部102に出力される
レーザ制御信号をオン/オフ制御する回路である。
【0036】図3及び図4は、上記制御回路基板603
の各部の信号の一例を示すタイムチャートである。これ
らの図は、上記透明導電膜4上に照射されるパルスレー
ザ光の照射スポットのピッチを330μmに設定し、上
記リニアスケール503の分解能が0.5μmであって
0.5μmごとに一つのパルス信号Spを出力する場合
について示している。上記基準値Nrefは660(=3
30μm/0.5μm)に設定し、上記XYテーブル5
の載置台501の移動速度は、2m/secに設定して
いる。図3に示すように、上記XYテーブル5の載置台
501の移動に伴ってリニアスケール503から繰り返
し周波数f=4MHz(周期=0.25μsec)で移
動距離検出パルス信号Smが出力される。この移動距離
検出パルス信号Smがパルスカウンタ603cでカウン
トされる。そして、660個の移動距離検出パルス信号
Smがカウントされるたびに、すなわち上記載置台50
1が330μm移動するたびに、比較器603dからパ
ルス状のレーザ制御信号Spが出力される。そして、パ
ルス幅整形器603eにより、比較器603dから出力
されたレーザ制御信号Spの幅が、上記YAGレーザ発
信装置1のQスイッチ101bの駆動に必要な幅まで広
げられる。次に、図4に示すように、所定のパルス幅に
整形されたレーザ制御信号Sp'は、CPU603aで制
御されるスイッチ回路603fにより、加工制御データ
に基づいてオン/オフ制御される。このスイッチ回路6
03fでオン/オフ制御されたレーザ制御信号Sp"が、
Qスイッチ駆動部102に入力され、これにより、透明
絶縁性基板3の移動距離に同期した所定のタイミング
で、上記YAGレーザ発信装置1からパルスレーザ光が
出射し、透明絶縁性基板3上の透明導電膜4に照射され
る。このようにXYテーブル5の載置台501に固定さ
れた透明絶縁性基板3の移動距離に同期するように制御
されたパルスレーザ光が、透明絶縁性基板3上の透明導
電膜4に照射されることにより、図5(a)に示すよう
に、透明導電膜4に照射されるパルスレーザ光の照射ス
ポットLp(X)がX軸方向に一定のピッチで並ぶ。これ
により、図5(b)に示すように透明導電膜4が均一な
加工幅でスリット状に除去される。図5の例では、照射
スポットLpが10個分並んだ長さのスリット4a(X)
が2つ連続して形成されている。
【0037】以上、本実施形態によれば、XYテーブル
5の載置台501の移動距離に同期するようにパルスレ
ーザ光の照射タイミングを制御しているので、載置台5
01の移動速度が何らかの理由により変化した場合で
も、透明絶縁性基板3上の透明導電膜4に照射されるパ
ルスレーザ光の照射スポットのピッチが変化しないの
で、加工幅が一定の均一なスリット加工が可能となる。
【0038】また、XYテーブル5の載置台501の移
動距離に同期するようにパルスレーザ光の照射タイミン
グを制御しているので、載置台501の加速域及び減速
域においても上記均一なスリット加工が可能となる。例
えば、従来の加工装置では500mmのスリット加工の
前後において加工を行わずに載置台を100mmづつ移
動させる加速域及び減速域を必要としていたのに対し、
本実施形態では、図6に示すように加速域の途中(図中
のX1点)からスリット加工を開始し、減速域の途中
(図中のX2点)までスリット加工を続けることができ
るため、載置台501の全体移動量を600mm程度ま
で短縮することができる。このことにより、上記透明導
電膜4の均一なスリット加工を達成しつつ、従来のエッ
チング加工と同等もしくはそれ以上の加工速度でスリッ
ト加工が可能となる。
【0039】また、上記透明絶縁性基板3上の透明導電
膜4に格子状のスリットを形成する場合は、まず、上記
図5(a)に示すように交差点Pcをさけながら透明絶
縁性基板3をX軸方向に移動しつつパルスレーザ光を照
射することにより、所定長のX軸方向のスリット4a
(X)を複数形成する。その後、上記交差点Pcを通過す
るように、透明絶縁性基板3をY軸方向に移動しつつパ
ルスレーザ光を照射する。これにより、図7(a)に示
すように、透明導電膜4に照射されるパルスレーザ光の
照射スポットLp(Y)がY軸方向に一定のピッチで並
ぶ。その結果、図7(b)に示すようにY軸方向におい
ても透明導電膜4が均一な加工幅でスリット状に除去さ
れ、X軸方向のスリット4a(X)とY軸方向のスリット
4a(Y)とが交差した格子状のスリットを形成すること
ができる。特に、図7で示した格子状のスリットの加工
例では、上記交差点Pcにおいても他の照射ポイントと
同様に、パルスレーザ光が1回しか照射されないので、
上記交差点Pcにおける過剰なレーザ照射による損傷の
発生などの不具合を防止することができる。なお、図7
の加工例では、X軸方向のスリット4a(X)のほうを上
記交差点Pcを避けながら形成し、Y軸方向のスリット
4a(Y)のほうを連続的に形成しているが、X軸方向の
スリット4a(X)のほうを連続的に形成するようにして
もよい。
【0040】図8は、本ビーム加工装置での透明導電膜
4の加工によって電極パターンが形成されるタッチパネ
ル基板を用いて構成されたタッチパネルの断面図であ
る。また、図9(a)及び(b)はそれぞれ、同タッチ
パネルの分解斜視図及び平面図である。図8に示すよう
に、タッチパネルは、各透明導電膜4からなる透明電極
が通常状態で接触しないように1組の上下タッチパネル
基板7、8を所定の高さ(例えば9〜12μm)のスペ
ーサ9を介して対向させた構造になっている。そして、
このタッチパネルを図8中の上方から押圧すると、上タ
ッチパネル基板7が2点鎖線で示すように変形し、上下
のタッチパネル基板7、8の透明電極同士が接触する。
この接触による上下透明電極間の抵抗の変化から、押圧
されたか否か及び押圧された位置を知ることができる。
また、このタッチパネルは、図9(a)及び(b)に示
すように上下のタッチパネル基板7、8のそれぞれに、
互いに直交するスリット7a、8aが各透明導電膜4に
形成されている。
【0041】本実施形態のビーム加工装置は、図9
(a)及び(b)に示すスリット7a、8aを、透明導
電膜4に形成するものである。真空蒸着、イオンプレー
ティング、スパッタリング等によって表面に透明導電膜
4(厚さ=約500オングストローム)が形成された絶
縁性透明基板3は、透明導電膜4側の上方に向けて載置
台501上にセットされる。セットされた絶縁性透明基
板3上の透明導電膜4は、所定のスポット径に絞られた
パルスレーザ光が照射されながらXYテーブル5によっ
て一方向に移動させられる。この移動の過程で、幅50
0〜1000[μm]程度のパルスレーザ光の照射部分
が蒸発して透明導電膜4から除去され、各電極領域を絶
縁するスリット7a、8aが形成される。
【0042】本実施形態のビーム加工装置では、エッチ
ング処理を伴うフォトリソグラフィー法を用いることな
く、透明導電膜4を加工して絶縁性透明基板3上に複数
の透明電極を形成することができる。このため、フォト
レジストの現像液やエッチング液の廃液によって環境を
汚すことなく、上下のタッチパネル基板7、8を製造す
ることができる。また、透明電極のパターン形状を変え
る場合でも、フォトリソグラフィー用の遮光マスクを用
いることなくCAMデータで透明導電膜4を加工してパ
ターンに応じた複数の透明電極を形成することができ
る。このため、異なった電極パターンのタッチパネル基
板7、8についてそれぞれ専用の遮光パターンの遮光マ
スクを用意しなければならず他品種少量生産が困難にな
ったり、残留レジスト液によってワークを汚したりなど
フォトリソグラフィー法による不具合が起こらず、リー
ドタイムを短縮化してオンデマンドの要求に対しても十
分に対応することができる。
【0043】一方、フォトリソグラフィー法を用いた電
極加工では、フォトレジストの現像液やエッチング液等
の廃液が発生して環境を汚してしまうという不具合があ
る。また、透明電極のパターンを変える場合は、フォト
リソグラフィー用の遮光マスクを新規に作成しなければ
ならないため、加工効率が悪く、他品種少量生産への対
応及び低コスト化が難しかった。特に、アナログ方式の
タッチパネルのように透明導電膜4に数本のスリットを
形成するような場合でも、数百本のスリットを形成する
デジタル方式のタッチパネルの場合と同じフォトリソグ
ラフィー工程が必要になってくるため、加工部分が少な
いにもかかわらず廃液の低減及び低コスト化を図ること
が難しかった。
【0044】なお、上記実施形態では、XYテーブル5
の載置台501をX軸方向あるいはY軸方向に移動させ
ながら加工する場合について説明したが、本発明は、X
軸方向及びY軸方向に交差する斜め方向に載置台501
を移動させながら加工する場合にも適用できるものであ
る。この斜め移動の場合は、CPU603aから比較器
603dに送る基準値として、下記の数1に示す基準値
Nref(X)又は数2に示す基準値Nref(Y)を用いる。式中
の演算子「INT」は、かっこ内の数値に最も近い整数
を求める演算子である。また、式の右辺の「Nref」は
X軸方向あるいはY軸方向に移動する場合の基準値であ
る。また、式中の「θ」は、図10に示すように移動方
向とX軸方向とのなす角度であり、加工制御データから
求められる。
【数1】Nref(X)=INT(Nref×cosθ)
【数2】Nref(Y)=INT(Nref×sinθ)
【0045】ここで、例えばX軸方向のリニアスケール
503から出力された移動距離検出パルス信号Sm(X)を
用いる場合は、上記基準値として数1に示す基準値Nre
f(X)を用いる。一方、Y軸方向のリニアスケール503
から出力された移動距離検出パルス信号Sm(Y)を用いる
場合は、上記基準値として数2に示す基準値Nref(y)を
用いる。なお、上記載置台501の移動距離を精度よく
検出するという観点から、載置台501の移動方向がX
軸に近い場合は、上記X軸方向のリニアスケール503
からの移動距離検出パルス信号Sm(X)と上記基準値Nre
f(X)とを組み合わせて用い、載置台501の移動方向が
Y軸に近い場合は、上記Y軸方向のリニアスケール50
3からの移動距離検出パルス信号Sm(Y)と上記基準値N
ref(Y)とを組み合わせて用いのが好ましい。このような
組み合わせを切り替えて用いることにより、上記パルス
レーザ光の照射スポットのピッチに対応した移動距離検
出パルス信号の数が極端に少なくなることがないので、
上記載置台501の斜め方向の移動距離をX軸方向ある
いはY軸方向に移動させる場合と同様に精度よく検出す
ることができる。
【0046】また、上記実施形態においては、透明絶縁
性基板3上の透明導電膜4の一部を除去する加工を行な
う場合について説明したが、本発明は、このような加工
に限定されることなく適用することができるものであ
る。例えば、図11に示すように透明絶縁性基板3上の
透明導電膜4の表面に形成された導電性ペースト(例え
ば銀ペースト)からなる配線パターン13の周囲に配線
間絶縁用のスリット14を形成する場合にも用いること
ができ、同様な効果が得られるものである。
【0047】また、本発明は、樹脂板にハーフエッチン
グ加工や穴開け加工を行う場合にも適用できるものであ
る。この場合は、加工部の深さも均一にすることができ
る。さらに、本発明は、上記スリット形成加工、ハーフ
エッチング加工、穴開け加工だけでなく、樹脂、セラミ
ック、金属、フォトリソ用の感光層などの加工対象物に
表面処理加工、フォトレジストへの露光を行う場合にも
適用できるものである。
【0048】また、上記実施形態では、Qスイッチを有
するNb:YAGレーザから出射されたパルス状の近赤
外レーザビーム(波長λ=1064nm)を用いた場合
について説明したが、本発明は、このレーザビームに限
定されることなく適用できるものである。例えば、Qス
イッチを有する、Nb:YLFレーザ(波長λ=104
7nm)、Nb:YVOレーザ(波長λ=1064n
m)、COレーザ、銅蒸気レーザ等のパルスレーザを
用いる場合にも適用することができる。また、本発明
は、非線形光学結晶を用いて上記各種レーザの出力を波
長変換したレーザビームを用いる場合にも適用すること
ができる。例えば、Nb:YAGレーザと、LiB
(LBO)、KTiOPO、β−BaB(B
BO)、CsLiB10(CLBO)等の非線形光
学結晶とを組み合わせると、波長が355nm、266
nmの紫外領域のレーザビームを得ることができる。ま
た、上記透明導電膜を主にアブレーションで除去する紫
外領域のレーザビームとしては、KrFエキシマレーザ
ー等から出射されるパルス状の紫外光レーザビームを用
いることもできる。さらに、本発明は、レーザ光以外の
パルス状の光ビーム、荷電粒子ビーム等の他のパルス状
のエネルギービームを用いた場合にも適用が可能であ
る。
【0049】また、上記実施形態では、パルスレーザ光
の照射経路をレーザ照射ヘッド202で固定し、加工対
象物を互いに直交するX方向及びY方向に移動させる場
合について説明したが、本発明は、加工対象物を固定し
てセットし、レーザ等のエネルギービームをX方向及び
Y方向に移動させる場合や、エネルギービーム及び加工
対象物の両方を移動させる場合にも適用できるものであ
る。
【0050】
【発明の効果】請求項1乃至10の発明によれば、パル
ス状のエネルギービームを用いて加工するときに、加工
対象物とエネルギービーム照射ポイントとの間の相対移
動の速度が変化する場合でも、エネルギービームの各照
射スポットが一定のピッチで加工対象物上に照射される
ようになるので、加工幅の変化が少ない均一な加工を実
現することができるという効果がある。
【0051】特に、請求項2及び7の発明によれば、加
工対象物の一定距離の移動ごとに生成した移動距離検出
パルス信号を用いることができるため、エネルギービー
ムの照射タイミングの制御が簡易になるという効果があ
る。
【0052】特に、請求項3及び8の発明によれば、エ
ネルギービームの照射方向と交差する仮想面上で互いに
直交する2方向と交差する斜め方向に、加工対象物が移
動するときでも、上記加工幅の変化が少ない均一な加工
を実現することができるという効果がある。
【0053】特に、請求項4及び9の発明によれば、上
記エネルギービームの照射タイミングを制御するための
繰り返し周波数を比較的広い範囲で変化させた場合でも
ビーム出力が安定したQスイッチを有するYAGレーザ
を用いているので、上記エネルギービームの照射タイミ
ングの制御が容易となるという効果がある。
【0054】特に、請求項5及び10の発明によれば、
導電性薄膜が形成された透明基板とレーザビームとの間
の相対移動の速度が変化する場合でも、エネルギービー
ムで導電性薄膜が除去されたスリットの形状が均一にな
るという効果がある。
【0055】請求項11の発明によれば、絶縁透明基板
上に形成される透明電極間のスリットの形状が均一とな
ったタッチパネル基板を製造することができるという効
果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るビーム加工装置に用い
た制御回路基板のブロック図。
【図2】同ビーム加工装置の概略構成図。
【図3】リニアスケールの出力、比較器の出力及びパル
ス整形回路の出力を示すタイムチャート。
【図4】パルス整形回路の出力、スイッチ回路のオン/
オフ制御及び出力を示すタイムチャート。
【図5】(a)は、透明絶縁性基板上の透明導電膜に照
射されるパルスレーザ光の照射スポットの説明図。
(b)は、パルスレーザ光の照射によって形成された透
明導電膜のスリットの説明図。
【図6】透明絶縁性基板が載置された載置台の移動距離
と移動速度との関係を示すグラフ。
【図7】(a)は、透明絶縁性基板上の透明導電膜に照
射されるY軸方向のパルスレーザ光の照射スポットの説
明図。(b)は、パルスレーザ光の照射によって形成さ
れた透明導電膜の格子状のスリットの説明図。
【図8】タッチパネルの拡大断面図。
【図9】(a)はタッチパネルの分解斜視図。(b)は
同タッチパネルの平面図。
【図10】透明絶縁性基板が載置された載置台の移動方
向の傾き角度θの説明図。
【図11】タッチパネルの周端部の配線パターン及びそ
の周囲のスリットの説明図。
【図12】従来例に係る制御回路の説明図。
【図13】(a)〜(b)は、ワークの速度変化があっ
たときのワーク上の照射スポットの説明図。
【図14】XYテーブルの載置台の移動速度リプルの説
明図。
【符号の説明】
1 YAGレーザ装置 2 ビーム照射手段 3 透明絶縁性基板 4 透明導電膜 5 XYテーブル 6 制御システム 101 レーザヘッド 101a YAGロッド 101b Qスイッチ 102 Qスイッチ駆動部102 103 レーザ電源 201 光ファイバ 202 レーザ照射ヘッド 501 載置台 502 リニアモータ 503 リニアスケール 601 上位コンピュータ装置 602 テーブル駆動制御装置 603 制御回路基板 603a CPU 603b I/Oインタフェース 603c パルスカウンタ 603d 比較回路 603e パルス幅整形回路 603f スイッチ回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川上 康弘 鳥取県鳥取市北村10番地3 リコーマイク ロエレクトロニクス株式会社内 Fターム(参考) 4E068 CA08 CB01 CC06 CE04 DA09 5B087 CC13

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】加工制御データに基づいて、ビーム源から
    繰り返し出射されるパルス状のエネルギービームを加工
    対象物に照射しながら該加工対象物と該加工対象物に対
    する該エネルギービームの照射ポイントとを相対移動さ
    せることにより該加工対象物を加工するビーム加工方法
    において、 該加工対象物と該照射ポイントとの間の相対移動距離に
    同期させて、各パルス状のエネルギービームの照射タイ
    ミングを制御することを特徴とするビーム加工方法。
  2. 【請求項2】請求項1のビーム加工方法において、 上記加工対象物を、上記エネルギービームの照射方向と
    交差する仮想面上で互いに直交する2方向に移動させ、 該2方向のそれぞれについて、該加工対象物の一定距離
    の移動ごとに移動距離検出パルス信号を生成し、 該移動距離検出パルス信号に同期させて、各パルス状の
    エネルギービームの照射タイミングを制御することを特
    徴とするビーム加工方法。
  3. 【請求項3】請求項2のビーム加工方法において、 上記加工対象物が上記2方向と交差する斜め方向に移動
    するときに、該2方向について生成した1組の移動距離
    検出パルス信号に基づいて、該斜め方向における該加工
    対象物の一定距離の移動ごとに移動距離検出パルス信号
    を生成し、 該斜め方向における移動距離検出パルス信号に同期させ
    て、各パルス状のエネルギービームの照射タイミングを
    制御することを特徴とするビーム加工方法。
  4. 【請求項4】請求項1、2又は3のビーム加工方法にお
    いて、 上記ビーム源が、Qスイッチを有するYAGレーザであ
    ることを特徴とするビーム加工方法。
  5. 【請求項5】請求項1、2、3又は4のビーム加工方法
    において、 上記加工対象物が、絶縁性基板上に形成された透明導電
    膜であり、 該透明導電膜の一部をスリット状に除去する加工を行う
    ことを特徴とするビーム加工方法。
  6. 【請求項6】パルス状のエネルギービームを繰り返し出
    射するビーム源と、該ビーム源から出射されたエネルギ
    ービームを加工対象物に案内して照射するビーム照射手
    段と、該加工対象物と該加工対象物に対する該エネルギ
    ービームの照射ポイントとを相対移動させる相対移動手
    段と、加工制御データに基づいて該ビーム源及び該相対
    移動手段を制御する制御手段とを備えたビーム加工装置
    において、 該加工対象物と該照射ポイントとが相対移動していると
    きの相対移動距離を検出して移動距離検出パルス信号を
    生成する移動距離検出パルス信号生成手段と、 該移動距離検出パルス信号生成手段で生成した該移動距
    離検出パルス信号に基づき、該相対移動距離に同期させ
    て各パルス状のエネルギービームの照射タイミングを制
    御するビーム制御手段とを設けたことを特徴とするビー
    ム加工装置。
  7. 【請求項7】請求項6のビーム加工装置において、 上記相対移動手段が、上記加工対象物を上記エネルギー
    ビームの照射方向と交差する仮想面上で互いに直交する
    2方向に移動させるものであり、 上記移動距離検出パルス信号生成手段が、該2方向のそ
    れぞれについて該エネルギービームに対する該加工対象
    物の一定距離の移動ごとに移動距離検出パルス信号を生
    成するものであり、 上記ビーム制御手段が、該移動距離検出パルス信号生成
    手段で生成した該移動距離検出パルス信号に同期させ
    て、各パルス状のエネルギービームの照射タイミングを
    制御するものであることを特徴とするビーム加工装置。
  8. 【請求項8】請求項7のビーム加工装置において、 上記移動距離検出パルス信号生成手段が、上記2方向に
    ついて生成した1組の移動距離検出パルス信号に基づい
    て、該2方向と交差する斜め方向における該加工対象物
    の一定距離の移動ごとに移動距離検出パルス信号を生成
    するものであり、 上記ビーム制御手段が、該移動距離検出パルス信号に同
    期させて、各パルス状のエネルギービームの照射タイミ
    ングを制御するものであることを特徴とするビーム加工
    装置。
  9. 【請求項9】請求項6、7又は8のビーム加工装置にお
    いて、 上記ビーム源が、Qスイッチを有するYAGレーザであ
    ることを特徴とするビーム加工装置。
  10. 【請求項10】請求項6、7、8又は9のビーム加工装
    置において、 上記加工対象物が、絶縁性基板上に形成された透明導電
    膜であり、 該透明導電膜の一部をスリット状に除去する加工を行う
    ことを特徴とするビーム加工装置。
  11. 【請求項11】絶縁性透明基板上に透明電極が形成され
    たタッチパネル基板を製造するタッチパネル基板の製造
    方法であって、 絶縁性透明基板の表面に透明導電膜を形成し、 次いで、請求項5のビーム加工方法又は請求項10のビ
    ーム加工装置を用いて、該絶縁性透明基板上の透明導電
    膜の一部をスリット状に除去することにより、該絶縁性
    透明基板上に透明電極を形成することを特徴とするタッ
    チパネル基板の製造方法。
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