JPH11226773A - 導電性膜の加工方法及び装置 - Google Patents
導電性膜の加工方法及び装置Info
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- JPH11226773A JPH11226773A JP10056153A JP5615398A JPH11226773A JP H11226773 A JPH11226773 A JP H11226773A JP 10056153 A JP10056153 A JP 10056153A JP 5615398 A JP5615398 A JP 5615398A JP H11226773 A JPH11226773 A JP H11226773A
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- laser
- processing
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 エッチング処理を含むフォトリソグラフィ法
を用いた場合のような廃液処理の必要がなく、低コスト
で他品種少量生産に好適な導電性膜の加工方法及び装置
を提供する。 【解決手段】 絶縁性基板の表面に形成した導電性膜の
一部を除去する導電性膜の加工装置であって、近赤外レ
ーザ光を出射するQスイッチ制御のYAGレーザ1と、
該レーザ1からのレーザ光を絶縁性基板3上の導電性膜
4に選択的に照射する光学系とを備える。
を用いた場合のような廃液処理の必要がなく、低コスト
で他品種少量生産に好適な導電性膜の加工方法及び装置
を提供する。 【解決手段】 絶縁性基板の表面に形成した導電性膜の
一部を除去する導電性膜の加工装置であって、近赤外レ
ーザ光を出射するQスイッチ制御のYAGレーザ1と、
該レーザ1からのレーザ光を絶縁性基板3上の導電性膜
4に選択的に照射する光学系とを備える。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、タッチパネル、液
晶パネル等のように絶縁性基板の表面に電極パターンを
するために絶縁性基板上に形成した導電性膜の一部を除
去する導電性膜の加工方法及び装置に関するものであ
る。
晶パネル等のように絶縁性基板の表面に電極パターンを
するために絶縁性基板上に形成した導電性膜の一部を除
去する導電性膜の加工方法及び装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、種々の電子機器に利用者が情報を
入力する手段としてタッチパネルが用いられている。ま
た、電子機器の表示手段としては液晶パネルが用いられ
ている。このようなタッチパネル及び液晶パネルは、透
明の導電性膜からなる透明電極が表面に形成された1組
の絶縁性基板を、該透明電極が対向するように張り合わ
せた構造になっている。また、タッチパネルの場合は、
上記透明電極が通常状態で接触しないように上記1組の
基板を所定の高さ(例えば9乃至12μm)のスペーサ
を介して対向させている。
入力する手段としてタッチパネルが用いられている。ま
た、電子機器の表示手段としては液晶パネルが用いられ
ている。このようなタッチパネル及び液晶パネルは、透
明の導電性膜からなる透明電極が表面に形成された1組
の絶縁性基板を、該透明電極が対向するように張り合わ
せた構造になっている。また、タッチパネルの場合は、
上記透明電極が通常状態で接触しないように上記1組の
基板を所定の高さ(例えば9乃至12μm)のスペーサ
を介して対向させている。
【0003】上記絶縁性基板の表面に形成される各透明
電極は、互いに接触しないようにスリット状の間隙で分
離して形成されている。従来、この絶縁基板上の透明電
極は、エッチング処理を含むフォトリソグラフィ法によ
って主に形成されていた。このフォトリソグラフィ法
は、絶縁性基板の全面に導電性膜を真空蒸着等によって
形成し、該導電性膜上にレジストパターンを形成した
後、該導電性膜の露出した部分をエッチング液で溶かし
て除去するものである。
電極は、互いに接触しないようにスリット状の間隙で分
離して形成されている。従来、この絶縁基板上の透明電
極は、エッチング処理を含むフォトリソグラフィ法によ
って主に形成されていた。このフォトリソグラフィ法
は、絶縁性基板の全面に導電性膜を真空蒸着等によって
形成し、該導電性膜上にレジストパターンを形成した
後、該導電性膜の露出した部分をエッチング液で溶かし
て除去するものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記フォト
リソグラフィ法を用いる場合、フォトレジストの現像液
やエッチング液等の廃液が発生するため、環境保全の観
点からあまり好ましくない。また、透明電極のパターン
形状を変える場合は、フォトリソグラフィ用のマスクを
新規に作成しなければならないため、加工効率が悪く、
他品種少量生産への対応及び低コスト化が難しかった。
特に、ハイブリッド方式のタッチパネルのように絶縁性
基板上の導電性膜に数本のスリットを形成するような場
合でも、数百本のスリットを形成するディジタル方式の
タッチパネルの場合と同じフォトリソグラフィ工程が必
要になってくるため、加工部分が少ないにもかかわらず
廃液の低減及び低コスト化を図ることが難しかった。
リソグラフィ法を用いる場合、フォトレジストの現像液
やエッチング液等の廃液が発生するため、環境保全の観
点からあまり好ましくない。また、透明電極のパターン
形状を変える場合は、フォトリソグラフィ用のマスクを
新規に作成しなければならないため、加工効率が悪く、
他品種少量生産への対応及び低コスト化が難しかった。
特に、ハイブリッド方式のタッチパネルのように絶縁性
基板上の導電性膜に数本のスリットを形成するような場
合でも、数百本のスリットを形成するディジタル方式の
タッチパネルの場合と同じフォトリソグラフィ工程が必
要になってくるため、加工部分が少ないにもかかわらず
廃液の低減及び低コスト化を図ることが難しかった。
【0005】本発明は以上の問題点に鑑みなされたもの
であり、その目的は、エッチング処理を含むフォトリソ
グラフィ法を用いた場合のような廃液処理の必要がな
く、低コストで他品種少量生産に好適な導電性膜の加工
方法及び装置を提供することである。
であり、その目的は、エッチング処理を含むフォトリソ
グラフィ法を用いた場合のような廃液処理の必要がな
く、低コストで他品種少量生産に好適な導電性膜の加工
方法及び装置を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1の発明は、絶縁性基板の表面に形成した導
電性膜の一部を除去する導電性膜の加工方法であって、
該絶縁性基板上の導電性膜にレーザ光を選択的に照射す
ることにより、該導電性膜の一部を除去することを特徴
とするものである。
に、請求項1の発明は、絶縁性基板の表面に形成した導
電性膜の一部を除去する導電性膜の加工方法であって、
該絶縁性基板上の導電性膜にレーザ光を選択的に照射す
ることにより、該導電性膜の一部を除去することを特徴
とするものである。
【0007】この請求項1の導電性膜の加工方法では、
絶縁性基板上の導電性膜にレーザ光を選択的に照射する
ことにより、該導電性膜の一部を除去して加工するの
で、エッチング処理を含むフォトリソグラフィ法を用い
た場合のような廃液処理の必要がない。また、レーザ光
の照射位置を変えるだけで絶縁性基板上の導電性膜の除
去部分を変更することができるので、新規なマスク作成
を必要とするフォトリソグラフィ法に比して、低コスト
で他品種少量生産に好適である。
絶縁性基板上の導電性膜にレーザ光を選択的に照射する
ことにより、該導電性膜の一部を除去して加工するの
で、エッチング処理を含むフォトリソグラフィ法を用い
た場合のような廃液処理の必要がない。また、レーザ光
の照射位置を変えるだけで絶縁性基板上の導電性膜の除
去部分を変更することができるので、新規なマスク作成
を必要とするフォトリソグラフィ法に比して、低コスト
で他品種少量生産に好適である。
【0008】請求項2の発明は、絶縁性基板の表面に形
成した導電性膜の一部を除去する導電性膜の加工装置で
あって、レーザ光を出射する光源と、該光源からのレー
ザ光を該絶縁性基板上の導電性膜に選択的に照射する光
学系とを備えたことを特徴とするものである。
成した導電性膜の一部を除去する導電性膜の加工装置で
あって、レーザ光を出射する光源と、該光源からのレー
ザ光を該絶縁性基板上の導電性膜に選択的に照射する光
学系とを備えたことを特徴とするものである。
【0009】この請求項2の導電性膜の加工装置では、
光源からのレーザ光を、上記光学系で絶縁性基板上の導
電性膜に選択的に照射することにより、該導電性膜の一
部を除去して加工するので、エッチング処理を含むフォ
トリソグラフィ法を用いた場合のような廃液処理の必要
がない。また、上記光学系によるレーザ光の照射位置を
変えるだけで絶縁性基板上の導電性膜の除去部分を変更
することができるので、新規なマスク作成を必要とする
フォトリソグラフィ法に比して、低コストで他品種少量
生産に好適である。
光源からのレーザ光を、上記光学系で絶縁性基板上の導
電性膜に選択的に照射することにより、該導電性膜の一
部を除去して加工するので、エッチング処理を含むフォ
トリソグラフィ法を用いた場合のような廃液処理の必要
がない。また、上記光学系によるレーザ光の照射位置を
変えるだけで絶縁性基板上の導電性膜の除去部分を変更
することができるので、新規なマスク作成を必要とする
フォトリソグラフィ法に比して、低コストで他品種少量
生産に好適である。
【0010】請求項3の発明は、請求項2の導電性膜の
加工装置において、上記レーザ光の断面形状を線状に成
形して上記導電性膜に照射するように、上記光学系を構
成したことを特徴とするものである。
加工装置において、上記レーザ光の断面形状を線状に成
形して上記導電性膜に照射するように、上記光学系を構
成したことを特徴とするものである。
【0011】この請求項3の導電性膜の加工装置では、
上記レーザ光の断面形状を線状に成形して導電性膜に照
射することにより、該導電性膜の一部をスリット状に除
去する加工を容易に行うことができる。
上記レーザ光の断面形状を線状に成形して導電性膜に照
射することにより、該導電性膜の一部をスリット状に除
去する加工を容易に行うことができる。
【0012】請求項4の発明は、請求項2の導電性膜の
加工装置において、上記レーザ光を上記導電性膜に走査
して照射するように、上記光学系を構成したことを特徴
とするものである。
加工装置において、上記レーザ光を上記導電性膜に走査
して照射するように、上記光学系を構成したことを特徴
とするものである。
【0013】この請求項4の導電性膜の加工装置では、
上記レーザ光を導電性膜に走査して照射することによ
り、該導電性膜の一部を除去しているので、該レーザ光
の強度変調と組み合わせることで自由な形状で導電性膜
を除去することができる。
上記レーザ光を導電性膜に走査して照射することによ
り、該導電性膜の一部を除去しているので、該レーザ光
の強度変調と組み合わせることで自由な形状で導電性膜
を除去することができる。
【0014】請求項5の発明は、請求項2の導電性膜の
加工装置において、上記光源として、上記導電性膜を主
に加熱して除去する赤外光又は可視光を出射し得る熱レ
ーザを用いたことを特徴とするものである。
加工装置において、上記光源として、上記導電性膜を主
に加熱して除去する赤外光又は可視光を出射し得る熱レ
ーザを用いたことを特徴とするものである。
【0015】この請求項5の導電性膜の加工装置では、
熱レーザからの出射された赤外光又は可視光のレーザ光
で上記導電性膜の一部を主に加熱して蒸発させることに
よって除去しているので、該導電性膜の下地である絶縁
性基板としてプラスチック材を用いた場合でも該絶縁性
基板の着色・損傷等が少ない。また、この種の赤外光又
は可視光を出射し得る熱レーザを用いた場合は、光源か
ら導電性膜の対向位置まで光ファイバーを用いてレーザ
光をガイドすることができるので、光学系を簡易構成に
することができる。
熱レーザからの出射された赤外光又は可視光のレーザ光
で上記導電性膜の一部を主に加熱して蒸発させることに
よって除去しているので、該導電性膜の下地である絶縁
性基板としてプラスチック材を用いた場合でも該絶縁性
基板の着色・損傷等が少ない。また、この種の赤外光又
は可視光を出射し得る熱レーザを用いた場合は、光源か
ら導電性膜の対向位置まで光ファイバーを用いてレーザ
光をガイドすることができるので、光学系を簡易構成に
することができる。
【0016】請求項6の発明は、請求項5の導電性膜の
加工装置において、上記熱レーザとして、Qスイッチ制
御のYAGレーザを用いたことを特徴とするものであ
る。
加工装置において、上記熱レーザとして、Qスイッチ制
御のYAGレーザを用いたことを特徴とするものであ
る。
【0017】この請求項6の導電性膜の加工装置では、
上記熱レーザとしてQスイッチ制御のYAGレーザを用
いることにより、レーザ光の繰り返し周期や照射時間幅
を変えることで導電性膜に与える熱エネルギーの設定を
変更できるので、導電性膜の除去加工処理の制御が容易
になる。
上記熱レーザとしてQスイッチ制御のYAGレーザを用
いることにより、レーザ光の繰り返し周期や照射時間幅
を変えることで導電性膜に与える熱エネルギーの設定を
変更できるので、導電性膜の除去加工処理の制御が容易
になる。
【0018】請求項7の発明は、請求項2の導電性膜の
加工装置において、上記光源として、上記導電性膜を主
にアブレーションで除去する紫外光を出射し得る紫外レ
ーザを用いたことを特徴とするものである。
加工装置において、上記光源として、上記導電性膜を主
にアブレーションで除去する紫外光を出射し得る紫外レ
ーザを用いたことを特徴とするものである。
【0019】この請求項7の導電性膜の加工装置では、
紫外レーザからの出射された紫外領域のレーザ光で上記
導電性膜の一部を主にアブレーションで除去しているの
で、該導電性膜の下地である絶縁性基板としてガラス材
を用いた場合に該導電性膜を良好に除去することができ
る。
紫外レーザからの出射された紫外領域のレーザ光で上記
導電性膜の一部を主にアブレーションで除去しているの
で、該導電性膜の下地である絶縁性基板としてガラス材
を用いた場合に該導電性膜を良好に除去することができ
る。
【0020】請求項8の発明は、請求項2乃至7の導電
性膜の加工装置であって、上記レーザ光の照射により、
透明の絶縁性基板上の透明の導電性膜にスリットを形成
することを特徴とするものである。
性膜の加工装置であって、上記レーザ光の照射により、
透明の絶縁性基板上の透明の導電性膜にスリットを形成
することを特徴とするものである。
【0021】この請求項8の導電性膜の加工装置では、
上記レーザ光の照射により、透明の絶縁性基板上の透明
の導電性膜にスリットを形成することができるので、エ
ッチング処理を含むフォトリソグラフィ法を用いた場合
のような廃液処理を伴うことなく、透明電極を有するタ
ッチパネルや液晶パネル等を低コストで他品種少量生産
することができる。
上記レーザ光の照射により、透明の絶縁性基板上の透明
の導電性膜にスリットを形成することができるので、エ
ッチング処理を含むフォトリソグラフィ法を用いた場合
のような廃液処理を伴うことなく、透明電極を有するタ
ッチパネルや液晶パネル等を低コストで他品種少量生産
することができる。
【0022】請求項9の発明は、導電性ペーストからな
る配線パターンを表面に形成する導電性膜を加工する請
求項2乃至7の導電性膜の加工装置であって、上記レー
ザ光の照射により、該導電性膜上の配線パターンの周囲
に配線間絶縁用のスリットを形成することを特徴とする
ものである。
る配線パターンを表面に形成する導電性膜を加工する請
求項2乃至7の導電性膜の加工装置であって、上記レー
ザ光の照射により、該導電性膜上の配線パターンの周囲
に配線間絶縁用のスリットを形成することを特徴とする
ものである。
【0023】この請求項9の導電性膜の加工装置では、
上記レーザ光の照射により、導電性膜上の配線パターン
の周囲に配線間絶縁用のスリットを形成することができ
るので、エッチング処理を含むフォトリソグラフィ法を
用いた場合のような廃液処理を伴うことなく、外周部に
配線パターンを有するタッチパネルや液晶パネル等を低
コストで他品種少量生産することができる。
上記レーザ光の照射により、導電性膜上の配線パターン
の周囲に配線間絶縁用のスリットを形成することができ
るので、エッチング処理を含むフォトリソグラフィ法を
用いた場合のような廃液処理を伴うことなく、外周部に
配線パターンを有するタッチパネルや液晶パネル等を低
コストで他品種少量生産することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明を、ハイブリッド型
のタッチパネルにおける透明の絶縁基板上に導電性膜の
一部をスリット状に除去して透明電極を形成する導電性
膜の加工装置に適用した実施形態について説明する。
のタッチパネルにおける透明の絶縁基板上に導電性膜の
一部をスリット状に除去して透明電極を形成する導電性
膜の加工装置に適用した実施形態について説明する。
【0025】〔実施形態1〕図1は第1の実施形態に係
る加工装置の概略構成図である。図1において、光源と
してのQスイッチ制御のYAGレーザ1から出射した近
赤外レーザ光L(波長λ=1064nm)は、ミラー等
からなる光学系2により透明のプラスチック材(例えば
PET、ポリカーボネート)からなる絶縁性基板3上の
透明材料(ITO)からなるの導電性膜4に選択的に照
射される。絶縁性基板3はリニアモータ内蔵のX−Yス
テージ5上に固定され、図中水平方向に移動可能となっ
ている。YAGレーザ1及びX−Yステージ5は、制御
手段としてのコントローラ6で制御することができる。
例えば、YAGレーザ1の駆動部を制御することにより
レーザ光の繰り返し周期、パルス幅等を変更することが
でき、また、YAGレーザ1からのレーザ光の出力に応
じてX−Yステージ5内のリニアモータを駆動制御して
絶縁性基板3を移動させることができる。なお、X−Y
ステージ5の移動距離を検知するセンサを設け、このセ
ンサの出力に基づいてフィードバック制御するように構
成してもよい。
る加工装置の概略構成図である。図1において、光源と
してのQスイッチ制御のYAGレーザ1から出射した近
赤外レーザ光L(波長λ=1064nm)は、ミラー等
からなる光学系2により透明のプラスチック材(例えば
PET、ポリカーボネート)からなる絶縁性基板3上の
透明材料(ITO)からなるの導電性膜4に選択的に照
射される。絶縁性基板3はリニアモータ内蔵のX−Yス
テージ5上に固定され、図中水平方向に移動可能となっ
ている。YAGレーザ1及びX−Yステージ5は、制御
手段としてのコントローラ6で制御することができる。
例えば、YAGレーザ1の駆動部を制御することにより
レーザ光の繰り返し周期、パルス幅等を変更することが
でき、また、YAGレーザ1からのレーザ光の出力に応
じてX−Yステージ5内のリニアモータを駆動制御して
絶縁性基板3を移動させることができる。なお、X−Y
ステージ5の移動距離を検知するセンサを設け、このセ
ンサの出力に基づいてフィードバック制御するように構
成してもよい。
【0026】図2は、本加工装置で加工するタッチパネ
ルの断面図である。また、図3(a)及び(b)はそれ
ぞれ、同タッチパネルの分解斜視図及び平面図である。
図2に示すようにタッチパネルは、各導電性膜4からな
る透明電極が通常状態で接触しないように1組の上下タ
ッチパネル基板7,8を所定の高さ(例えば9乃至12
μm)のスペーサ9を介して対向させた構造になってい
る。そして、このタッチパネルを図2中の上方から押圧
すると、上タッチパネル基板7が2点鎖線で示すように
変形し、上下パネル7,8の透明電極同士が接触する。
この接触による上下透明電極間の抵抗の変化から押圧さ
れたか否か及び押圧された位置を知ることができる。ま
た、このタッチパネルはアナログ方式とデジタル方式と
を組み合わせたハイブリッド型であり、図3に示すよう
に上下タッチパネル基板7,8のそれぞれに、互いに直
交するスリット7a,8aが各導電性膜に形成されてい
る。
ルの断面図である。また、図3(a)及び(b)はそれ
ぞれ、同タッチパネルの分解斜視図及び平面図である。
図2に示すようにタッチパネルは、各導電性膜4からな
る透明電極が通常状態で接触しないように1組の上下タ
ッチパネル基板7,8を所定の高さ(例えば9乃至12
μm)のスペーサ9を介して対向させた構造になってい
る。そして、このタッチパネルを図2中の上方から押圧
すると、上タッチパネル基板7が2点鎖線で示すように
変形し、上下パネル7,8の透明電極同士が接触する。
この接触による上下透明電極間の抵抗の変化から押圧さ
れたか否か及び押圧された位置を知ることができる。ま
た、このタッチパネルはアナログ方式とデジタル方式と
を組み合わせたハイブリッド型であり、図3に示すよう
に上下タッチパネル基板7,8のそれぞれに、互いに直
交するスリット7a,8aが各導電性膜に形成されてい
る。
【0027】本実施形態に係る加工装置は、上記図3に
示す導電性膜4のスリットを形成するものである。真空
蒸着、イオンプレーティング、スパッタリング等によっ
て表面に導電性膜4(厚さ=約500オングストロー
ム)が形成された絶縁性基板3は、導電性膜4側の上方
に向けてX−Yステージ5上にセットされる。そして、
レーザ光Lを所定のスポット径に絞って絶縁性基板3上
の導電性膜4に照射しながら、X−Yステージ5で一方
向に移動させることにより、幅500乃至1000μm
程度で導電性膜4をレーザ光の加熱で蒸発させて除去
し、各電極領域を絶縁するスリットを形成している。
示す導電性膜4のスリットを形成するものである。真空
蒸着、イオンプレーティング、スパッタリング等によっ
て表面に導電性膜4(厚さ=約500オングストロー
ム)が形成された絶縁性基板3は、導電性膜4側の上方
に向けてX−Yステージ5上にセットされる。そして、
レーザ光Lを所定のスポット径に絞って絶縁性基板3上
の導電性膜4に照射しながら、X−Yステージ5で一方
向に移動させることにより、幅500乃至1000μm
程度で導電性膜4をレーザ光の加熱で蒸発させて除去
し、各電極領域を絶縁するスリットを形成している。
【0028】ここで、上記YAGレーザ1から出射され
るレーザ光Lの断面におけるエネルギー分布は、図4
(a)に示すように中央が1番強い山型のプロファイル
をしている。図4(a)中の符号Eoで示すレベルは、
レーザ光による導電性膜4の除去加工のしきい値を示し
ている。このようなプロファイルのエネルギー分布を有
するレーザ光をそのまま照射して上記絶縁性基板3上の
導電性膜4の除去加工を行ったところ、図4(b)に示
すようにスリット10の幅が一定ではなく、波打った形
状になった。そのため、湿気によるリークや導電性異物
の付着によるリークが発生しやすく、スリット10のエ
ッジが目立ちやすく透明電極の視認性の点で好ましくな
かった。また、スリット10の幅の制御が難しく、導電
性膜の一部が残留した未加工部も発生しやすかった。更
に、図4(b)に示すようにレーザ光Lの中央に対応す
る位置で絶縁性基板3が深く掘れてしまうという不具合
もあった。
るレーザ光Lの断面におけるエネルギー分布は、図4
(a)に示すように中央が1番強い山型のプロファイル
をしている。図4(a)中の符号Eoで示すレベルは、
レーザ光による導電性膜4の除去加工のしきい値を示し
ている。このようなプロファイルのエネルギー分布を有
するレーザ光をそのまま照射して上記絶縁性基板3上の
導電性膜4の除去加工を行ったところ、図4(b)に示
すようにスリット10の幅が一定ではなく、波打った形
状になった。そのため、湿気によるリークや導電性異物
の付着によるリークが発生しやすく、スリット10のエ
ッジが目立ちやすく透明電極の視認性の点で好ましくな
かった。また、スリット10の幅の制御が難しく、導電
性膜の一部が残留した未加工部も発生しやすかった。更
に、図4(b)に示すようにレーザ光Lの中央に対応す
る位置で絶縁性基板3が深く掘れてしまうという不具合
もあった。
【0029】そこで、上記レーザ光のエネルギー分布に
起因する各種問題を解決すべく、本実施形態では、図5
に構成例を示すように、上記光学系2に、レーザ光Lの
断面におけるエネルギー分布を均一にするエネルギー分
布均一化手段として、簡易構造で低コストの4枚のミラ
ーからなるカライドスコープ2aを設けている。YAG
レーザ1からのレーザ光Lはミラー2bで反射された
後、レンズ2cでカライドスコープ2aに導入される。
カライドスコープ2aから出てきたエネルギー分布均一
のレーザ光Lは、レンズ2dにより導電性膜4上に照射
される。
起因する各種問題を解決すべく、本実施形態では、図5
に構成例を示すように、上記光学系2に、レーザ光Lの
断面におけるエネルギー分布を均一にするエネルギー分
布均一化手段として、簡易構造で低コストの4枚のミラ
ーからなるカライドスコープ2aを設けている。YAG
レーザ1からのレーザ光Lはミラー2bで反射された
後、レンズ2cでカライドスコープ2aに導入される。
カライドスコープ2aから出てきたエネルギー分布均一
のレーザ光Lは、レンズ2dにより導電性膜4上に照射
される。
【0030】上記カライドスコープ2aを用いて、図6
(a)に示すように上記絶縁性基板3上の導電性膜に照
射するレーザ光Lの断面におけるエネルギー分布を、上
記しきい値Eoを若干越えたレベルで均一にすることに
より、図6(b)に示すようにスリット10の幅を所定
の幅に一定することができる。したがって、湿気による
リークや導電性異物の付着によるリークが発生しにく
く、スリット10のエッジも目立ちにくくなる。また、
スリット10の幅の制御も容易になり、導電性膜4の一
部が残留した未加工部も発生しにくくなる。更に、図4
(b)に示すようにレーザ光Lの中央に対応する位置で
絶縁性基板3が深く掘れてしまうこともなくなる。
(a)に示すように上記絶縁性基板3上の導電性膜に照
射するレーザ光Lの断面におけるエネルギー分布を、上
記しきい値Eoを若干越えたレベルで均一にすることに
より、図6(b)に示すようにスリット10の幅を所定
の幅に一定することができる。したがって、湿気による
リークや導電性異物の付着によるリークが発生しにく
く、スリット10のエッジも目立ちにくくなる。また、
スリット10の幅の制御も容易になり、導電性膜4の一
部が残留した未加工部も発生しにくくなる。更に、図4
(b)に示すようにレーザ光Lの中央に対応する位置で
絶縁性基板3が深く掘れてしまうこともなくなる。
【0031】以上、本実施形態によれば、絶縁性基板上
の透明の導電性膜の一部をレーザ光の照射で除去する加
工を行っているので、エッチング処理を含むフォトリソ
グラフィ法を用いた場合のような廃液処理を伴うことな
く、透明電極を有するタッチパネルを低コストで他品種
少量生産することができる。
の透明の導電性膜の一部をレーザ光の照射で除去する加
工を行っているので、エッチング処理を含むフォトリソ
グラフィ法を用いた場合のような廃液処理を伴うことな
く、透明電極を有するタッチパネルを低コストで他品種
少量生産することができる。
【0032】また、上記レーザ光として、熱レーザとし
てのYAGレーザ1からの出射された赤外光又は可視光
のレーザ光を用い、導電性膜4の一部を主に加熱して蒸
発させることによって除去しているので、導電性膜4の
下地である絶縁性基板3(PET、ポリカーボネート
等)の着色・損傷等が少ない。
てのYAGレーザ1からの出射された赤外光又は可視光
のレーザ光を用い、導電性膜4の一部を主に加熱して蒸
発させることによって除去しているので、導電性膜4の
下地である絶縁性基板3(PET、ポリカーボネート
等)の着色・損傷等が少ない。
【0033】また、Qスイッチ制御のYAGレーザ1を
用いることにより、レーザ光の繰り返し周期や照射時間
幅(パルス幅)を変えることで導電性膜4に与える熱エ
ネルギーの設定を変更できるので、導電性膜4の除去加
工処理の制御が容易になる。
用いることにより、レーザ光の繰り返し周期や照射時間
幅(パルス幅)を変えることで導電性膜4に与える熱エ
ネルギーの設定を変更できるので、導電性膜4の除去加
工処理の制御が容易になる。
【0034】なお、本実施形態では、熱レーザとしてY
AGレーザを用いているが、炭酸ガスレーザ等の赤外光
又は可視光のレーザ光を出射し得る他のレーザを用いて
もよい。
AGレーザを用いているが、炭酸ガスレーザ等の赤外光
又は可視光のレーザ光を出射し得る他のレーザを用いて
もよい。
【0035】また、本実施形態では、YAGレーザ1か
らのレーザ光Lをスポット状にして導電性膜4に照射し
ているが、レーザ光Lを細長い形状に成形して照射する
ように、光学系を構成してもよい。また、図7(a)に
示すようにYAGレーザ1からのレーザ光Lを光ファイ
バー11を用いて導電性膜3の近くまでガイドして照射
するように、光学系2を構成してもよい。この場合、光
ファイバー11の出口に、レーザ光Lを絞って導電性膜
4に照射するための微小レンズを取り付ける。
らのレーザ光Lをスポット状にして導電性膜4に照射し
ているが、レーザ光Lを細長い形状に成形して照射する
ように、光学系を構成してもよい。また、図7(a)に
示すようにYAGレーザ1からのレーザ光Lを光ファイ
バー11を用いて導電性膜3の近くまでガイドして照射
するように、光学系2を構成してもよい。この場合、光
ファイバー11の出口に、レーザ光Lを絞って導電性膜
4に照射するための微小レンズを取り付ける。
【0036】また、本実施形態ではX−Yステージ5を
用いて導電性基板3を移動させることにより、レーザ光
Lを導電性膜4上で走査しているが、導電性基板3を固
定したままレーザ光Lの方をガルバノミラー等のスキャ
ン機構を用いて走査するように構成してもよい。図8
(a)乃至(c)はそれぞれレーザ光Lの走査方式を例
示している。図8(a)では、円形スポットのレーザ光
Lsを直線的に走査している。図8(b)では、円形ス
ポットのレーザ光Lsをヘリカル状に走査している。図
8(c)では、方形スポットのレーザ光Lrを千鳥状に
走査している。
用いて導電性基板3を移動させることにより、レーザ光
Lを導電性膜4上で走査しているが、導電性基板3を固
定したままレーザ光Lの方をガルバノミラー等のスキャ
ン機構を用いて走査するように構成してもよい。図8
(a)乃至(c)はそれぞれレーザ光Lの走査方式を例
示している。図8(a)では、円形スポットのレーザ光
Lsを直線的に走査している。図8(b)では、円形ス
ポットのレーザ光Lsをヘリカル状に走査している。図
8(c)では、方形スポットのレーザ光Lrを千鳥状に
走査している。
【0037】〔実施形態2〕図9は、第2の実施形態に
係る加工装置の概略構成図である。本加工装置は、光源
としてのエキシマレーザ51、該エキシマレーザ51か
らのレーザ光Lのエネルギー分布(強度分布)を均一化
するエネルギー分布均一化手段としてのホモジナイザー
52、レーザ光を反射して光路を変更するミラー53、
ミラー53で反射されたレーザ光を1軸方向(例えば、
Y軸方向)に引き延すエキスパンダー55、該エキスパ
ンダー55により引き延されたレーザ光を1軸方向(例
えば、X軸方向)に集光するシリンドリカルレンズ5
6、導電性膜4が成膜された絶縁性基板であるガラスな
どの透明基板4を載置して当該透明基板4を移動させる
図示しないステージ、該ステージの位置制御を行うと共
にエキシマレーザ51の制御を行う図示しないコントロ
ーラを有している。
係る加工装置の概略構成図である。本加工装置は、光源
としてのエキシマレーザ51、該エキシマレーザ51か
らのレーザ光Lのエネルギー分布(強度分布)を均一化
するエネルギー分布均一化手段としてのホモジナイザー
52、レーザ光を反射して光路を変更するミラー53、
ミラー53で反射されたレーザ光を1軸方向(例えば、
Y軸方向)に引き延すエキスパンダー55、該エキスパ
ンダー55により引き延されたレーザ光を1軸方向(例
えば、X軸方向)に集光するシリンドリカルレンズ5
6、導電性膜4が成膜された絶縁性基板であるガラスな
どの透明基板4を載置して当該透明基板4を移動させる
図示しないステージ、該ステージの位置制御を行うと共
にエキシマレーザ51の制御を行う図示しないコントロ
ーラを有している。
【0038】上記加工装置において、ステージに透明基
板4を載置した状態で、スリット10の形成が開始され
る。即ち、コントローラは、ステージを所定位置に移動
させることにより、透明基板4上に形成するスリット1
0の位置にレーザ光が照射されるようにする。そして、
コントローラは、エキシマレーザ51を制御してレーザ
光を出射させる。エキシマレーザ51からのレーザ光
(図10参照)は、ホモジナイザー52によりレーザ光
の断面における強度分布が一様にされ(図11参照)、
ミラー53により反射される。ミラー53により反射さ
れたレーザ光Lのスリット長手方向の幅は、基本的にエ
キシマレーザ51から出射されたレーザ光の幅であり、
スリット10を形成するには短い。そこで、ミラー53
で反射されたレーザ光をエキスパンダー55により引き
延す。このレーザ光の引き延し方向は、スリット10の
長手方向に沿った方向である。
板4を載置した状態で、スリット10の形成が開始され
る。即ち、コントローラは、ステージを所定位置に移動
させることにより、透明基板4上に形成するスリット1
0の位置にレーザ光が照射されるようにする。そして、
コントローラは、エキシマレーザ51を制御してレーザ
光を出射させる。エキシマレーザ51からのレーザ光
(図10参照)は、ホモジナイザー52によりレーザ光
の断面における強度分布が一様にされ(図11参照)、
ミラー53により反射される。ミラー53により反射さ
れたレーザ光Lのスリット長手方向の幅は、基本的にエ
キシマレーザ51から出射されたレーザ光の幅であり、
スリット10を形成するには短い。そこで、ミラー53
で反射されたレーザ光をエキスパンダー55により引き
延す。このレーザ光の引き延し方向は、スリット10の
長手方向に沿った方向である。
【0039】その後、シリンドリカルレンズ56により
X軸方向に集光する。このシリンドリカルレンズ56に
よる集光は、レーザ光のX軸方向に対する強度分布を大
きくして、レーザ光のエネルギーを有効に利用すると共
に、形成されるスリット10の幅を小さくするためであ
る。なお、エキスパンダー55とシリンドリカルレンズ
56との間には、必要に応じて図12に示すようなレー
ザ光Lよりも若干小さいスリット57aを有するビーム
幅低減用のスリット部材57を設けてもよい。
X軸方向に集光する。このシリンドリカルレンズ56に
よる集光は、レーザ光のX軸方向に対する強度分布を大
きくして、レーザ光のエネルギーを有効に利用すると共
に、形成されるスリット10の幅を小さくするためであ
る。なお、エキスパンダー55とシリンドリカルレンズ
56との間には、必要に応じて図12に示すようなレー
ザ光Lよりも若干小さいスリット57aを有するビーム
幅低減用のスリット部材57を設けてもよい。
【0040】以上のようにしてビーム整形されたレーザ
光は、図13(a)及び(b)に示すように透明基板4
上に成膜されているITO等の導電性膜4に照射され
て、導電性膜4にスリット10を形成する。
光は、図13(a)及び(b)に示すように透明基板4
上に成膜されているITO等の導電性膜4に照射され
て、導電性膜4にスリット10を形成する。
【0041】その後、コントローラはエキシマレーザ5
1を制御してレーザ光Lの出射を停止させて、ステージ
を移動させる。これによりステージは新たにスリット1
0を形成する位置にレーザ光が照射されるように透明基
板4の位置移動を行う。
1を制御してレーザ光Lの出射を停止させて、ステージ
を移動させる。これによりステージは新たにスリット1
0を形成する位置にレーザ光が照射されるように透明基
板4の位置移動を行う。
【0042】以上、本実施形態によれば、レーザ光をス
リット10の形状にして導電性膜4に照射することによ
りレーザ光の1回照射でスリット10が形成できるよう
になる。従って、フォトリソグラフィ技術を用いる従来
の方法に比べ、安価に大面積のタッチパネルを形成する
ことが可能になる。特に、フォト光リソグラフィ技術で
は、予めマスクを形成する必要があるため、小品種のタ
ッチパネルに対してはコスト的、時間的パフォーマンス
が劣るが、本発明にかかる拡大したレーザ光による方法
では、スリット10を形成する位置情報を予めコントロ
ーラに入力するだけで簡単に任意のタッチパネルを形成
することができる。
リット10の形状にして導電性膜4に照射することによ
りレーザ光の1回照射でスリット10が形成できるよう
になる。従って、フォトリソグラフィ技術を用いる従来
の方法に比べ、安価に大面積のタッチパネルを形成する
ことが可能になる。特に、フォト光リソグラフィ技術で
は、予めマスクを形成する必要があるため、小品種のタ
ッチパネルに対してはコスト的、時間的パフォーマンス
が劣るが、本発明にかかる拡大したレーザ光による方法
では、スリット10を形成する位置情報を予めコントロ
ーラに入力するだけで簡単に任意のタッチパネルを形成
することができる。
【0043】なお、本実施形態においては、コントロー
ラはスリット10を形成する度にエキシマレーザ51を
制御してレーザ光の出射を停止させたが、レーザ光は連
続発光の状態としてシャッタ等によりステージの移動中
は透明基板4にレーザ光が照射されないようにしてもよ
い。
ラはスリット10を形成する度にエキシマレーザ51を
制御してレーザ光の出射を停止させたが、レーザ光は連
続発光の状態としてシャッタ等によりステージの移動中
は透明基板4にレーザ光が照射されないようにしてもよ
い。
【0044】このようなシャッタを設けることにより、
レーザ光の照射時間を制御することが可能になるので、
透明基板4がレーザ光により加工される度合を制御する
ことが容易になる利点があると共に、エキシマレーザ5
1に定常発振までに要する時間を省くことが可能になっ
て作業効率を向上させることが可能になる。
レーザ光の照射時間を制御することが可能になるので、
透明基板4がレーザ光により加工される度合を制御する
ことが容易になる利点があると共に、エキシマレーザ5
1に定常発振までに要する時間を省くことが可能になっ
て作業効率を向上させることが可能になる。
【0045】更に、最終的に導電性膜4に照射されるレ
ーザ光の強度分布は、端部で徐々に変化するので形成さ
れたスリット10の断面がU字状に形成される場合が生
じる。かかる場合には照射時間を多くする等により完全
に導電性膜4を分離する必要があるが、このとき透明基
板4がレーザ光により加工されるおそれがある。
ーザ光の強度分布は、端部で徐々に変化するので形成さ
れたスリット10の断面がU字状に形成される場合が生
じる。かかる場合には照射時間を多くする等により完全
に導電性膜4を分離する必要があるが、このとき透明基
板4がレーザ光により加工されるおそれがある。
【0046】この様な場合には、前述のようにスリット
部材57を設けて、レーザ光の端部を遮光することによ
り、強度分布が階段状に変化するレーザ光を得ることが
でき、当該レーザ光を用いるならば、透明基板4に損傷
を与えることなく導電性膜4を加工することが可能にな
る。
部材57を設けて、レーザ光の端部を遮光することによ
り、強度分布が階段状に変化するレーザ光を得ることが
でき、当該レーザ光を用いるならば、透明基板4に損傷
を与えることなく導電性膜4を加工することが可能にな
る。
【0047】なお、上記各実施形態では、タッチパネル
の透明電極を形成するために導電性膜4の一部を除去し
て各透明電極を区画するスリット10を形成する加工に
ついて説明したが、上記各実施形態の加工装置は、図1
4に示すように絶縁性基板上の導電性膜4の表面に形成
された導電性ペースト(例えば銀ペースト)からなる配
線パターン13の周囲に配線間絶縁用のスリット14を
形成する場合にも用いることができ、同様な効果が得ら
れるものである。
の透明電極を形成するために導電性膜4の一部を除去し
て各透明電極を区画するスリット10を形成する加工に
ついて説明したが、上記各実施形態の加工装置は、図1
4に示すように絶縁性基板上の導電性膜4の表面に形成
された導電性ペースト(例えば銀ペースト)からなる配
線パターン13の周囲に配線間絶縁用のスリット14を
形成する場合にも用いることができ、同様な効果が得ら
れるものである。
【0048】また、上記各実施形態では、タッチパネル
の透明電極形成用の導電性膜の加工に適用した場合につ
いて説明したが、本発明は、タッチパネルに限定される
ことなく、例えば液晶パネルの透明電極形成用の導電性
膜を加工する場合にも適用することができ、同様な効果
が得られるものである。 (以下、余白)
の透明電極形成用の導電性膜の加工に適用した場合につ
いて説明したが、本発明は、タッチパネルに限定される
ことなく、例えば液晶パネルの透明電極形成用の導電性
膜を加工する場合にも適用することができ、同様な効果
が得られるものである。 (以下、余白)
【0049】
【発明の効果】請求項1乃至9の発明によれば、エッチ
ング処理を含むフォトリソグラフィ法を用いた場合のよ
うな廃液処理の必要がなく、低コストで他品種少量生産
に好適な導電性膜の加工を行うことができるという効果
がある。
ング処理を含むフォトリソグラフィ法を用いた場合のよ
うな廃液処理の必要がなく、低コストで他品種少量生産
に好適な導電性膜の加工を行うことができるという効果
がある。
【0050】特に、請求項3の発明によれば、絶縁性基
板上の導電性膜の一部をスリット状に除去する加工を容
易に行うことができるという効果がある。
板上の導電性膜の一部をスリット状に除去する加工を容
易に行うことができるという効果がある。
【0051】また特に、請求項4の発明によれば、レー
ザ光の強度変調と組み合わせることで自由な形状で導電
性膜を除去することができる。
ザ光の強度変調と組み合わせることで自由な形状で導電
性膜を除去することができる。
【0052】また特に、請求項5の発明によれば、導電
性膜の下地である絶縁性基板としてプラスチック材を用
いた場合でも該絶縁性基板の着色・損傷等が少ない。し
かも、光源から導電性膜の対向位置までファイバーを用
いてレーザ光をガイドすることができるので、光学系を
簡易構成にすることができるという効果がある。
性膜の下地である絶縁性基板としてプラスチック材を用
いた場合でも該絶縁性基板の着色・損傷等が少ない。し
かも、光源から導電性膜の対向位置までファイバーを用
いてレーザ光をガイドすることができるので、光学系を
簡易構成にすることができるという効果がある。
【0053】また特に、請求項6の発明によれば、レー
ザ光の繰り返し周期や照射時間幅を変えることで導電性
膜に与える熱エネルギーの設定を変更できるので、導電
性膜の除去加工処理の制御が容易になるという効果があ
る。
ザ光の繰り返し周期や照射時間幅を変えることで導電性
膜に与える熱エネルギーの設定を変更できるので、導電
性膜の除去加工処理の制御が容易になるという効果があ
る。
【0054】また特に、請求項7の発明によれば、導電
性膜の下地である絶縁性基板としてガラス材を用いた場
合に該導電性膜を良好に除去することができるという効
果がある。
性膜の下地である絶縁性基板としてガラス材を用いた場
合に該導電性膜を良好に除去することができるという効
果がある。
【0055】また特に、請求項8の発明によれば、エッ
チング処理を含むフォトリソグラフィ法を用いた場合の
ような廃液処理を伴うことなく、透明電極を有するタッ
チパネルや液晶パネル等を低コストで他品種少量生産す
ることができるという効果がある。
チング処理を含むフォトリソグラフィ法を用いた場合の
ような廃液処理を伴うことなく、透明電極を有するタッ
チパネルや液晶パネル等を低コストで他品種少量生産す
ることができるという効果がある。
【0056】また特に、請求項9の発明によれば、エッ
チング処理を含むフォトリソグラフィ法を用いた場合の
ような廃液処理を伴うことなく、外周部に配線パターン
を有するタッチパネルや液晶パネル等を低コストで他品
種少量生産することができるという効果がある。
チング処理を含むフォトリソグラフィ法を用いた場合の
ような廃液処理を伴うことなく、外周部に配線パターン
を有するタッチパネルや液晶パネル等を低コストで他品
種少量生産することができるという効果がある。
【図1】本発明の第1の実施形態に係る加工装置の概略
構成図。
構成図。
【図2】タッチパネルの拡大断面図。
【図3】(a)はタッチパネルの分解斜視図。(b)は
同タッチパネルの平面図。
同タッチパネルの平面図。
【図4】(a)はカライドスコープを通過する前のレー
ザ光の断面におけるエネルギー分布を示す説明図。
(b)は同レーザ光で加工した場合の絶縁性基板上の導
電性膜の斜視図。
ザ光の断面におけるエネルギー分布を示す説明図。
(b)は同レーザ光で加工した場合の絶縁性基板上の導
電性膜の斜視図。
【図5】カライドスコープを用いた光学系を備えた加工
装置の概略構成図。
装置の概略構成図。
【図6】(a)はカライドスコープを通過した後のレー
ザ光の断面におけるエネルギー分布を示す説明図。
(b)は同レーザ光で加工した場合の絶縁性基板上の導
電性膜の斜視図。
ザ光の断面におけるエネルギー分布を示す説明図。
(b)は同レーザ光で加工した場合の絶縁性基板上の導
電性膜の斜視図。
【図7】光ファイバーを用いた光学系を備えた加工装置
の概略構成図。
の概略構成図。
【図8】(a)乃至(c)はそれぞれレーザ光の走査方
式を例示する説明図。
式を例示する説明図。
【図9】本発明の第2の実施形態に係る加工装置の概略
構成図。
構成図。
【図10】同加工装置のホモジェナイザを通過する前の
レーザ光の断面におけるエネルギー分布を示す説明図。
レーザ光の断面におけるエネルギー分布を示す説明図。
【図11】同加工装置のホモジェナイザを通過した後の
レーザ光の断面におけるエネルギー分布を示す説明図。
レーザ光の断面におけるエネルギー分布を示す説明図。
【図12】同加工装置に用いることができるスリット部
材の平面図。
材の平面図。
【図13】(a)はスリット加工中の透明基板上の導電
性膜の斜視図。(b)はスリット加工中の透明基板上の
導電性膜の断面図。
性膜の斜視図。(b)はスリット加工中の透明基板上の
導電性膜の断面図。
【図14】タッチパネルの周端部の配線パターン及びそ
の周囲のスリットの説明図。
の周囲のスリットの説明図。
1 YAGレーザ 2 光学系 2a カライドスコープ 2b ミラー 2c,2d レンズ 3 絶縁性基板(透明基板) 4 絶縁性基板 5 X−Yステージ 6 コントローラ 7 上タッチパネル基板 8 下タッチパネル基板 9 スペーサ 10 スリット 11 光ファイバー 13 配線パターン 14 配線間絶縁用のスリット 51 エキシマレーザ 52 ホモジナイザー 53 ミラー 55 エキスパンダー 56 シリンドリカルレンズ 57 スリット部材
Claims (9)
- 【請求項1】絶縁性基板の表面に形成した導電性膜の一
部を除去する導電性膜の加工方法であって、 該絶縁性基板上の導電性膜にレーザ光を選択的に照射す
ることにより、該導電性膜の一部を除去することを特徴
とする導電性膜の加工方法。 - 【請求項2】絶縁性基板の表面に形成した導電性膜の一
部を除去する導電性膜の加工装置であって、 レーザ光を出射する光源と、該光源からのレーザ光を該
絶縁性基板上の導電性膜に選択的に照射する光学系とを
備えたことを特徴とする導電性膜の加工装置。 - 【請求項3】請求項2の導電性膜の加工装置において、 上記レーザ光の断面形状を線状に成形して上記導電性膜
に照射するように、上記光学系を構成したことを特徴と
する導電性膜の加工装置。 - 【請求項4】請求項2の導電性膜の加工装置において、 上記レーザ光を上記導電性膜に走査して照射するよう
に、上記光学系を構成したことを特徴とする導電性膜の
加工装置。 - 【請求項5】請求項2の導電性膜の加工装置において、 上記光源として、上記導電性膜を主に加熱して除去する
赤外光又は可視光を出射し得る熱レーザを用いたことを
特徴とする導電性膜の加工装置。 - 【請求項6】請求項5の導電性膜の加工装置において、 上記熱レーザとして、Qスイッチ制御のYAGレーザを
用いたことを特徴とすることを特徴とする導電性膜の加
工装置。 - 【請求項7】請求項2の導電性膜の加工装置において、 上記光源として、上記導電性膜を主にアブレーションで
除去する紫外光を出射し得る紫外レーザを用いたことを
特徴とする導電性膜の加工装置。 - 【請求項8】請求項2乃至7の導電性膜の加工装置であ
って、 上記レーザ光の照射により、透明の絶縁性基板上の透明
の導電性膜にスリットを形成することを特徴とする導電
性膜の加工装置。 - 【請求項9】導電性ペーストからなる配線パターンが表
面に形成された導電性膜を加工する請求項2乃至7の導
電性膜の加工装置であって、 上記レーザ光の照射により、該導電性膜上の配線パター
ンの周囲に配線間絶縁用のスリットを形成することを特
徴とする導電性膜の加工装置。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10056153A JPH11226773A (ja) | 1998-02-19 | 1998-02-19 | 導電性膜の加工方法及び装置 |
US09/252,223 US6300594B1 (en) | 1998-02-19 | 1999-02-18 | Method and apparatus for machining an electrically conductive film |
EP99102735A EP0938135A3 (en) | 1998-02-19 | 1999-02-19 | Method and apparatus for machining an electrically conductive film |
KR1019990005520A KR100361770B1 (ko) | 1998-02-19 | 1999-02-19 | 도전성막의 가공방법 및 장치 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10056153A JPH11226773A (ja) | 1998-02-19 | 1998-02-19 | 導電性膜の加工方法及び装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11226773A true JPH11226773A (ja) | 1999-08-24 |
Family
ID=13019158
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10056153A Withdrawn JPH11226773A (ja) | 1998-02-19 | 1998-02-19 | 導電性膜の加工方法及び装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11226773A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003275881A (ja) * | 2002-01-16 | 2003-09-30 | Ricoh Microelectronics Co Ltd | ビーム加工装置 |
JP2006351531A (ja) * | 2005-06-16 | 2006-12-28 | Asulab Sa | 透明電極を有する透明装置の製造方法 |
JP2008062302A (ja) * | 2002-06-21 | 2008-03-21 | Ricoh Microelectronics Co Ltd | レーザー加工方法 |
JP2011122213A (ja) * | 2009-12-11 | 2011-06-23 | Iwate Industrial Research Center | コールドスプレーによる皮膜形成方法及びコールドスプレー装置 |
-
1998
- 1998-02-19 JP JP10056153A patent/JPH11226773A/ja not_active Withdrawn
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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