JP2003010987A - ビーム加工方法及びその装置、並びにタッチパネル基板の製造方法 - Google Patents

ビーム加工方法及びその装置、並びにタッチパネル基板の製造方法

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JP2003010987A JP2001199464A JP2001199464A JP2003010987A JP 2003010987 A JP2003010987 A JP 2003010987A JP 2001199464 A JP2001199464 A JP 2001199464A JP 2001199464 A JP2001199464 A JP 2001199464A JP 2003010987 A JP2003010987 A JP 2003010987A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 パルスレーザ光を用いて加工する場合に、加
工対象物上の加工要素の種類に応じた適切な加工が可能
となるビーム加工方法及びその装置、並びにタッチパネ
ル基板の製造方法を提供する。 【解決手段】 加工制御データに基づいて、YAGレー
ザ装置1から繰り返し出射されるパルスレーザ光を透明
絶縁性基板3上の透明導電膜4に照射しながら透明導電
膜4とパルスレーザ光の照射ポイントとを相対移動させ
ることにより透明導電膜4を加工するビーム加工方法に
おいて、透明導電膜4上の加工要素の種類に応じて、パ
ルスレーザ光が照射される透明導電膜4の照射スポット
のピッチを変える。例えば、透明導電膜4上の加工要素
の長さに応じて、照射スポットのピッチを変える。基準
マークを加工するときに照射スポットのピッチを短くし
てもよい。複数の加工要素の交差部での重複加工をしな
いように照射スポットのピッチを変えてもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パルスレーザービ
ーム等のパルス状のエネルギービームを用いて樹脂、セ
ラミック、金属等の加工対象物を加工するビーム加工方
法及びその装置、並びにタッチパネル基板の製造方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のビーム加工方法として、
Qスイッチを有するYAGレーザから出射されるパルス
状のレーザービームを用い、加工対象物であるワークを
切断したり穴開けしたりする加工方法が知られている。
このビーム加工方法では、XYテーブル上にワークをセ
ットし、各加工要素について、パルス状のレーザービー
ムの照射方向と交差する方向にワークを移動させなが
ら、ワークに各パルス状のレーザビームを連続的に照射
していく。このレーザビームの照射は、隣り合う照射ス
ポット同士の重なり合いの程度(ラップ率)が一定にな
るように、照射スポットLsのピッチを一定に維持する
ように行われる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
ビーム加工方法を用いて所定の長さを有する加工要素を
加工する場合、上記照射スポットLsのピッチPがある
一定の値に設定されているため、加工部分が狙いの領域
からはみ出してしまったり、逆に加工部分の長さが足り
なかったりするという問題があった。例えば、図14に
示すように、照射スポットLsを図中の矢印方向に相対
移動させながらレーザビームを一定のピッチPで照射す
ることによりライン状の加工要素を加工する場合があ
る。この場合に、加工要素の設計上の長さLdと照射ス
ポットLsのピッチPがうまく対応していないと、実際
に加工される加工部分の長さLmが設計上の長さLdよ
りも長くなってしまい、狙いの加工ができないおそれが
あった。
【0004】また、上記従来のビーム加工方法を用いて
通常の加工部分と一緒に位置合わせなどに用いる基準マ
ークを加工要素として形成するときに、基準マークに対
する加工が不十分で位置合わせに用いることができない
場合があった。例えば、絶縁性基板上の透明導電膜に絶
縁分離用のスリットを形成するような加工と、同基板上
に、光学的に検知する位置合わせ用の基準マークを一緒
に形成する場合がある。この基準マークは、光学的に検
知されやすいコントラストが得られる程度まで加工する
必要があるが、上記スリットと同じようなピッチ等の加
工条件で加工すると、基準マークに対する加工が不十分
で基準マークが検知されにくくなって位置合わせ等に用
いることが難しくなるおそれがあった。
【0005】更に、上記従来のビーム加工方法を用いて
所定の長さを有する2つの加工要素を互いに交差するよ
うに加工する場合、2つの加工要素の交差部については
合計2回のレーザビーム照射による加工が行われること
になり、交差部が過剰に加工されてしまうおそれがあっ
た。
【0006】なお、以上のような問題は、パルス状のエ
ネルギービームとしてレーザービームを用いるビーム加
工方法及びその装置において発生するものであるが、電
子ビームや荷電粒子ビームなどの他のエネルギービーム
を用いるビーム加工方法及びその装置においても発生し
得る。また、上記問題は、パルス状のエネルギービーム
の照射ポイントを固定した状態でワークを移動させる場
合だけでなく、ワークを固定配置した状態でパルス状の
エネルギービームの照射ポイントを走査するように移動
させる場合や、パルス状のエネルギービームの照射ポイ
ント及びワークの両者を移動させる場合にも発生し得
る。
【0007】本発明は以上の背景の下でなされたもので
あり、その目的とするところは、パルス状のエネルギー
ビームを用いて加工する場合に、加工対象物上の加工要
素の種類に応じた適切な加工が可能となるビーム加工方
法及びその装置、並びにタッチパネル基板の製造方法を
提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1の発明は、加工制御データに基づいて、ビ
ーム源から繰り返し出射されるパルス状のエネルギービ
ームを加工対象物に照射しながら該加工対象物と該加工
対象物に対する該エネルギービームの照射ポイントとを
相対移動させることにより該加工対象物を加工するビー
ム加工方法において、該加工対象物上の加工要素の種類
に応じて、該エネルギービームが照射される該加工対象
物上の照射スポットのピッチを変えることを特徴とする
ものである。また、請求項9の発明は、パルス状のエネ
ルギービームを繰り返し出射するビーム源と、該ビーム
源から出射されたエネルギービームを加工対象物に案内
して照射するビーム照射手段と、該加工対象物と該加工
対象物に対する該エネルギービームの照射ポイントとを
相対移動させる相対移動手段と、加工制御データに基づ
いて該ビーム源及び該相対移動手段を制御する制御手段
とを備えたビーム加工装置において、該加工対象物上の
加工要素の種類に応じて、該エネルギービームが照射さ
れる該加工対象物上の照射スポットのピッチを変えるピ
ッチ可変手段を備えたことを特徴とするものである。こ
こで、上記「加工対象物」には、エネルギービームが照
射される面が平面のものだけでなく、エネルギービーム
が照射される面が円筒面などの曲面であるものも含まれ
る。他の請求項においても同様である。
【0009】請求項1のビーム加工方法及び請求項9の
ビーム加工装置においては、加工対象物上の加工要素の
種類に応じて、パルス状のエネルギービームが照射され
る加工対象物上の照射スポットのピッチを変えることに
より、各加工要素の種類に適したピッチでパルス状のエ
ネルギービームを照射して各加工要素を加工する。
【0010】請求項2の発明は、請求項1のビーム加工
方法において、上記加工対象物上の加工要素が所定の長
さを有するものであり、該加工要素の長さに応じて上記
照射スポットのピッチを変えることを特徴とするもので
ある。また、請求項10の発明は、請求項9のビーム加
工装置において、上記加工対象物上の加工要素が所定の
長さを有するものであり、該加工要素の長さに応じて上
記照射スポットのピッチを変えることを特徴とするもの
である。ここで、上記所定の長さを有する加工要素とし
ては、有限長からなる直線や曲線などの加工要素のほ
か、三角形や四角形などの2次元的に比較的広い面積を
有する加工要素なども含まれる。
【0011】請求項2のビーム加工方法及び請求項10
のビーム加工装置においては、加工対象物上の加工要素
の長さに応じて、上記照射スポットのピッチを変えるこ
とにより、加工要素の狙いの長さと、実際に加工される
部分の長さとを一致させることができる。
【0012】請求項3の発明は、加工制御データに基づ
いて、ビーム源から繰り返し出射されるパルス状のエネ
ルギービームを加工対象物に照射しながら該加工対象物
と該加工対象物に対する該エネルギービームの照射ポイ
ントとを相対移動させることにより該加工対象物を加工
するビーム加工方法において、該加工対象物上に基準マ
ークを加工するときに、通常の加工要素を加工するとき
よりも加工の程度を高めるように該エネルギービームの
照射条件を変えることを特徴とするものである。また、
請求項11の発明は、パルス状のエネルギービームを繰
り返し出射するビーム源と、該ビーム源から出射された
エネルギービームを加工対象物に案内して照射するビー
ム照射手段と、該加工対象物と該加工対象物に対する該
エネルギービームの照射ポイントとを相対移動させる相
対移動手段と、加工制御データに基づいて該ビーム源及
び該相対移動手段を制御する制御手段とを備えたビーム
加工装置において、該加工対象物上に基準マークを加工
するときに、通常の加工要素を加工するときよりも加工
の程度を高めるように該エネルギービームの照射条件を
変える照射条件可変手段を備えたことを特徴とするもの
である。ここで、上記基準マークを加工するときに変え
るエネルギービームの照射条件には、照射スポットのピ
ッチのほか、照射パワー、同一基準マークに対する照射
回数、パルス状のエネルギービームにおけるパルス時間
幅等も含まれる。例えば、上記基準マークを加工すると
きに、照射パワーを上げ、同一基準マークに対する照射
回数を2回以上にし、又はパルス状のエネルギービーム
におけるパルス時間幅を長くすることにより、基準マー
クに対する加工の程度を高める。
【0013】請求項3のビーム加工方法及び請求項11
のビーム加工装置においては、加工対象物上の基準マー
ク要素を加工するときに、上記エネルギービームの照射
条件を変えて基準マークに対する加工の程度を高め、基
準マークがより確実に検知されるようにする。
【0014】請求項4の発明は、請求項3のビーム加工
方法において、上記加工対象物上に基準マークを加工す
るときに、上記照射スポットのピッチを短くすることを
特徴とするものである。また、請求項12の発明は、請
求項11のビーム加工装置において、上記照射条件可変
手段として、上記加工対象物上の加工要素として基準マ
ーク要素を加工するときに、上記照射スポットのピッチ
を短くするピッチ可変手段を備えたことを特徴とするも
のである。
【0015】請求項4のビーム加工方法及び請求項12
のビーム加工装置においては、加工対象物上の基準マー
ク要素を加工するときに、上記照射スポットのピッチを
短くすることにより、基準マークに対する加工の程度を
高め、基準マークがより確実に検知されるようにする。
【0016】請求項5の発明は、加工制御データに基づ
いて、ビーム源から繰り返し出射されるパルス状のエネ
ルギービームを加工対象物に照射しながら該加工対象物
と該加工対象物に対する該エネルギービームの照射ポイ
ントとを相対移動させることにより該加工対象物を加工
するビーム加工方法において、上記加工対象物上に互い
に交差する複数の加工要素を加工するときに、各加工要
素における交差部に対する加工の程度を低めるように該
エネルギービームの照射条件を変えることを特徴とする
ものである。また、請求項13の発明は、パルス状のエ
ネルギービームを繰り返し出射するビーム源と、該ビー
ム源から出射されたエネルギービームを加工対象物に案
内して照射するビーム照射手段と、該加工対象物と該加
工対象物に対する該エネルギービームの照射ポイントと
を相対移動させる相対移動手段と、加工制御データに基
づいて該ビーム源及び該相対移動手段を制御する制御手
段とを備えたビーム加工装置において、上記加工対象物
上に互いに交差する複数の加工要素を加工するときに、
各加工要素における交差部に対する加工の程度を低める
ように該エネルギービームの照射条件を変える照射条件
可変手段を備えたことを特徴とするものである。ここ
で、上記加工要素の交差部を加工するときに変えるエネ
ルギービームの照射条件には、照射スポットのピッチの
ほか、照射パワー等も含まれる。例えば、上記基準マー
クを加工するときに、照射パワーを下げることにより、
各加工要素における交差部に対する加工の程度を低め
る。
【0017】請求項5のビーム加工方法及び請求項13
のビーム加工装置においては、加工対象物上に互いに交
差する複数の加工要素を加工するときに、該加工要素の
交差部に対する加工の程度を低めることにより、交差部
における重複加工を抑制し、交差部についても他の部分
と同様な加工を行うようにする。
【0018】請求項6の発明は、請求項5のビーム加工
方法において、上記加工対象物上に互いに交差する複数
の加工要素を加工するときに、該加工要素の交差部での
重複加工をしないように、該交差部における上記照射ス
ポットのピッチを変えることを特徴とするものである。
また、請求項14の発明は、請求項13のビーム加工装
置において、上記照射条件可変手段として、上記加工対
象物上に互いに交差する複数の加工要素を加工するとき
に、該加工要素の交差部での重複加工をしないように、
該加工要素の交差部における上記照射スポットのピッチ
を変えるピッチ可変手段を備えたことを特徴とするもの
である。
【0019】請求項6のビーム加工方法及び請求項14
のビーム加工装置においては、加工対象物上に互いに交
差する複数の加工要素を加工するときに、該加工要素の
交差部での重複加工をしないように、加工要素の交差部
における照射スポットのピッチを変えることにより、交
差部についても他の部分と同様な加工を行うようにす
る。
【0020】請求項15の発明は、請求項9、10、1
2又は14のビーム加工装置において、上記ピッチ可変
手段として、上記加工制御データに基づいて、各パルス
状のエネルギービームの照射タイミングを制御する照射
タイミング制御手段を備えたことを特徴とするものであ
る。
【0021】請求項15のビーム加工装置においては、
各パルス状のエネルギービームの照射タイミングを制御
することにより、加工対象物とエネルギービームの照射
ポイントとの相対移動速度を変えて制御するような比較
的機械的な制御機構が多い制御を行う場合に比して、よ
り簡易で且つ正確に加工対象物上の照射スポットのピッ
チを変えることができる。
【0022】請求項16の発明は、請求項15のビーム
加工装置において、上記加工制御データに基づいて、各
加工要素についてピッチを制御するためのピッチ制御デ
ータを生成するピッチ制御データ生成手段を備え、上記
照射タイミング制御手段を、該ピッチ制御データ生成手
段で生成したピッチ制御データを用いて各パルス状のエ
ネルギービームの照射タイミングを制御するように構成
したことを特徴とするものである。
【0023】請求項16のビーム加工装置においては、
上記加工制御データに基づいて、各加工要素についてピ
ッチを制御するためのピッチ制御データを生成している
ので、ビーム加工装置に入力される加工制御データにピ
ッチ制御データが含まれていない場合でも、上記生成し
たピッチ制御データを用いて各パルス状のエネルギービ
ームの照射タイミングを制御し、加工対象物上の照射ス
ポットのピッチを変えることができる。
【0024】請求項7の発明は、請求項1、2、3、
4、5又は6のビーム加工方法において、上記ビーム源
が、Qスイッチを有するYAGレーザであることを特徴
とするものである。また、請求項17の発明は、請求項
9、10、11、12、13、14、15又は16のビ
ーム加工装置において、上記ビーム源が、Qスイッチを
有するYAGレーザであることを特徴とするものであ
る。
【0025】請求項7のビーム加工方法及び請求項17
のビーム加工装置においては、Qスイッチを介して、エ
ネルギービームの出射タイミングを制御するための繰り
返し周波数を比較的広い範囲で変化させた場合でも安定
したエネルギービームを得ることができるため、上記エ
ネルギービームの照射タイミングの制御が容易となる。
【0026】請求項8の発明は、請求項1、2、3、
4、5、6又は7のビーム加工方法において、上記加工
対象物が、絶縁性基板上に形成された透明導電膜であ
り、該透明導電膜の一部をスリット状に除去する加工を
行うことを特徴とするものである。また、請求項18の
発明は、請求項9、10、11、12、13、14、1
5、16又は17のビーム加工装置において、上記加工
対象物が、絶縁性基板上に形成された透明導電膜であ
り、該透明導電膜の一部をスリット状に除去する加工を
行うことを特徴とするものである。
【0027】請求項8のビーム加工方法及び請求項18
のビーム加工装置においては、絶縁性基板上の透明導電
膜の一部をスリット状に除去する加工の際に、絶縁性基
板とエネルギービームの照射ポイントとの間の相対移動
の速度が変化する場合でも、上記相対移動の方向におい
てエネルギービームの各照射スポットが一定間隔で絶縁
性基板上の透明導電膜に照射される。これにより、上記
エネルギービームで透明導電膜が除去されたスリットの
形状が均一になる。
【0028】請求項19の発明は、絶縁性透明基板上に
透明電極が形成されたタッチパネル基板を製造するタッ
チパネル基板の製造方法であって、絶縁性透明基板の表
面に透明導電膜を形成し、次いで、請求項8のビーム加
工方法又は請求項18のビーム加工装置を用いて、該絶
縁性透明基板上の透明導電膜の一部をスリット状に除去
することにより、該絶縁性透明基板上に透明電極を形成
することを特徴とするものである。
【0029】請求項19のタッチパネル基板の製造方法
においては、絶縁性透明基板の表面に透明導電膜を形成
した後、上記エネルギービームで透明導電膜の一部がス
リット状に除去されるので、絶縁透明基板上に形成され
る透明電極間のスリットの形状が均一になる。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明を、ハイブリッド型
のタッチパネルの絶縁性透明基板上に形成された透明導
電膜の一部を、スリット状に除去して透明電極を形成す
る透明導電膜のビーム加工方法及びその装置に適用した
実施形態について説明する。
【0031】図2は、本発明に係るビーム加工装置の概
略構成図である。本ビーム加工装置は、パルス状のエネ
ルギービームとしてのパルスレーザ光を繰り返し出射す
るビーム源としてのYAGレーザ装置1と、YAGレー
ザ装置1から出射されたパルスレーザ光を加工対象物に
案内して照射するビーム照射手段2と、加工対象物と加
工対象物に対する該エネルギービームの照射ポイントと
を相対移動させる相対移動手段としてのXYテーブル5
と、加工制御データに基づいてYAGレーザ装置1及び
XYテーブル5を制御する制御手段しての制御システム
6とを備えている。
【0032】上記YAGレーザ発信装置1は、YAGロ
ッド101a及びQスイッチ101bを内蔵したレーザ
ヘッド101と、Qスイッチ101bを駆動するQスイ
ッチ駆動部102と、レーザヘッド101内のYAGロ
ッド101aにレーザ発振用の駆動電流を供給するレー
ザ電源103とを有している。上記Qスイッチ駆動部1
02は、制御システム6から送られてきたレーザ制御信
号に基づいて、レーザヘッド101内のQスイッチ10
1bを駆動する。Qスイッチ101bをオンすると、レ
ーザヘッド101から近赤外光(波長λ=1064n
m)からなるパルスレーザ光が出射される。上記Qスイ
ッチ駆動部102に入力するパルス状のレーザ制御信号
の繰り返し周波数は20Hz〜20kHz(周期=50
msec〜0.05msec)の範囲で変化させること
ができ、また、上記レーザ制御信号のパルス幅は80〜
500nsecの範囲で変化させることができる。この
Qスイッチ駆動部102でレーザヘッド101内のQス
イッチ101bを駆動することにより、上記繰り返し周
波数が500Hz〜5kHzの範囲内で、レーザヘッド
101からパルスレーザ光を出射することができる。
【0033】上記レーザヘッド101内のYAGロッド
101aは、希土類元素のNd(ネオジウム)をドープ
したYAG(イットリウム、アルミニウム、ガーネッ
ト)結晶であり、フラッシュランプや半導体レーザ等の
図示しない励起源で励起される。この励起源は、レーザ
電源103から駆動電流が供給されることにより駆動さ
れる。
【0034】上記ビーム照射手段2は、パルスレーザ光
をガイドするステップインデックス型の光ファイバ20
1と、光ファイバ201でガイドされてきたパルスレー
ザ光を集光して加工対象物に照射するレーザ照射ヘッド
202とを用いて構成されている。
【0035】ITO(インジウム酸化スズ)からなる加
工対象物としての透明導電膜4が表面に形成された透明
ガラスや透明プラスチック材(例えばPET、ポリカー
ボネート)からなる透明絶縁性基板3は、XYテーブル
5のリニアモータ502(例えば、サーボモータやステ
ッピングモータ)で駆動される載置台501上に、図示
しない吸引及び機械的なクランプ機構等によって固定さ
れる。この透明絶縁性基板3が固定された載置台501
を駆動するリニアモータ502を制御システム6で制御
することにより、上記透明導電膜4が形成された透明絶
縁性基板3を、上記パルスレーザ光の照射方向に垂直な
仮想面内で互いに直交するX方向及びY方向(図中の紙
面に垂直な方向)に2次元的に移動させることができ
る。
【0036】また、加工速度、XYテーブルの加速度、
加工精度をより向上させるために、XYテーブル5につ
いては、発泡チタン合金、マグネジウム合金、酸化アル
ミナ系セラミック、アルミニウム合金などの高強度軽量
素材で形成することが好ましい。
【0037】また、載置台501の内部に貫通孔を形成
して軽量化を図ってもよい。この貫通孔は、絶縁性透明
基板3と透明導電膜4との一体物がシート状のものであ
る場合の真空チャック用の気流経路を兼ねることもでき
る。載置台501については、絶縁性透明基板3の少な
くともパルスレーザ光が照射される部分の下側に凹部を
形成し、絶縁性透明基板3の下面と載置台501の上面
との間の距離をできるだけ長くするように構成すること
が好ましい。かかる構成により、絶縁性透明基板3を通
過して載置台501の表面で反射した反射レーザーが透
明導電膜4にあたることによってその加工に悪影響を及
ぼすことを抑制することができる。
【0038】また、本実施形態では、上記XYテーブル
5に、移動距離検出パルス信号生成手段としてのリニア
スケール503が取り付けられている。このリニアスケ
ール503は、X方向及びY方向の2方向のそれぞれに
ついて設けられ、上記透明絶縁性基板3が載置された載
置台501のX方向及びY方向の一定距離の移動ごとに
移動距離検出パルス信号を生成する。この移動距離検出
パルス信号をカウントすることにより、上記透明絶縁性
基板3が載置された載置台501の移動距離がわかる。
本実施形態では、この移動距離検出パルス信号に基づい
て、上記透明絶縁性基板3が載置された載置台501の
移動距離に同期させて各パルスレーザ光の照射タイミン
グを制御している。
【0039】本実施形態では、上記リニアスケール50
3としては、目盛格子が互いに形成されたスケールと走
査板とを非接触対向させて組み合わせることにより0.
5μm〜1.0μm程度の分解能が得られるもの(例え
ば、ハイデンハイン株式会社製のオープンタイプ測長シ
ステム:商品名)を用いている。ここで、例えばリニア
スケール503の分解能が1μmのときは1μmごとに
1パルス出力されるので、上記透明絶縁性基板3が載置
された載置台501の移動速度が1m/secの場合
は、1MHzの周波数(周期=1μsec)で移動距離
検出パルス信号が出力される。なお、上記リニアスケー
ル503は、加工精度や加工速度等の条件に応じて最適
なものを適宜選択して用いられる。また、上記移動距離
検出パルス信号生成手段は、X方向及びY方向の2方向
のそれぞれについて上記透明絶縁性基板3が載置された
載置台501の一定距離の移動ごとに移動距離検出パル
ス信号を生成するものであればよく、上記特定のリニア
スケールに限定されるものではない。
【0040】上記制御システム6は、ビーム加工装置全
体を監視するとともに加工制御データとしてのCAM
(Computer Aided Manufacturing)データに基づいて各
部に制御指令を出す上位コンピュータ装置601と、テ
ーブル駆動制御装置(シーケンサ)602と、同期連動
型運転用の制御回路基板603とを用いて構成されてい
る。
【0041】上記CAMデータは、CAD(Computer A
ided Design)のデータに基づいてビーム加工装置の装
置パラメータを考慮して生成されたものであり、装置パ
ラメータのデータ、レーザ発射座標データとピッチデー
タとが組み合わされた照射条件データ、及びテーブル移
動座標データを含んでいる。上記装置パラメータのデー
タは、例えばXYテーブル5の加速度及び減速度、加速
減速域の加工の有無、自動ピッチ計算の有無、XYテー
ブル5の加速減速マージン、加工最低周波数、加工時の
最高速度、移動時の最高速度、照射パワー、ビーム径、
並びに加工対象物の厚み及びX,Y方向の大きさのデー
タである。また、上記照射条件データは、例えば各加工
要素に対する始点X座標、始点Y座標、終点X座標、終
点Y座標およびピッチのデータである。また、上記テー
ブル移動座標データは、例えば各加工要素に対する移動
X座標及び移動Y座標のデータである。
【0042】ここで、上記CAMデータは、外部のコン
ピュータ装置で生成したものをビーム加工装置に入力す
るようにしてもいいし、ビーム加工装置を構成する上位
コンピュータ装置601内で生成するようにしてもよ
い。後者の場合は、上位コンピュータ装置601が、各
加工要素について上記ピッチ制御データを生成するピッ
チ制御データ生成手段としても機能する。
【0043】上記テーブル駆動制御装置602は、上位
コンピュータ装置601から送られてきた制御指令に基
づいて、リニアモータ502の駆動を制御するものであ
る。このテーブル駆動制御部602は、例えばリニアモ
ータ502がサーボモータのときはサーボコントローラ
を用いて構成され、またリニアモータ502がパルスモ
ータのときはパルスコントローラを用いて構成される。
【0044】図1は、上記制御回路基板603の一構成
例を示すブロック図である。この制御回路基板603
は、透明導電膜4上に形成される加工要素の種類に応じ
て、パルスレーザ光が照射される透明導電膜4上の照射
スポットのピッチを変えるピッチ可変手段(照射条件可
変手段)、特に、加工制御データとしてのCAMデータ
に基づいて、パルスレーザ光の照射タイミングを制御す
る照射タイミング制御手段として機能するものである。
【0045】この制御回路基板603は、CPU603
aと、I/Oインタフェース603b、パルスカウンタ
603cと、比較回路603dと、パルス幅整形回路6
03eと、スイッチ回路603fと、図示しないメモリ
(RAM、ROM等)を用いて構成されている。
【0046】上記I/Oインタフェース603bは、C
PU603aと外部の上位コンピュータ装置601との
間でデータ通信を行うための信号処理を行う。
【0047】上記パルスカウンタ603cは、リニアス
ケール503で生成された移動距離検出パルス信号Sm
のパルス数をカウントする。このパルスカウンタ603
cによるカウント値Nmは、比較回路603dにおいて
CPU603aから送られてきた基準値Nrefと比較さ
れ、両方の値が一致したとき比較回路603dからパル
ス信号が出力される。上記基準値Nrefは、加工条件に
応じて任意に設定することができる。また、上記パルス
カウンタ603cに入力される移動距離検出パルス信号
Smは、上記XYテーブル5の載置台501の移動方向
に応じて切り替えられる。例えば、載置台501をX方
向に移動させるときは、X方向用のリニアスケール50
3から出力される
【0048】上記パルス幅整形回路603dは、上記比
較回路603cから出力された移動距離検出パルス信号
Spのパルス幅を上記Qスイッチが動作可能なパルス幅
まで広げる回路である。このパルス幅整形回路603d
を調整することにより、YAGレーザ装置1から出射さ
れるパルスレーザ光のパルス幅を変更することができ
る。
【0049】上記スイッチ回路603eは、CPU60
3aからの制御指令に基づいて、連続加工と断続加工と
を適宜切り替えて実行できるように、パルス幅整形回路
603dから上記Qスイッチ駆動部102に出力される
レーザ制御信号をオン/オフ制御する回路である。
【0050】図3及び図4は、上記構成のビーム加工装
置を用いた加工例として図5に示すような透明導電膜4
に長さLmが6600μmのX方向に延在する線分形状
の加工要素であるスリット4a(X)を形成するとき
の、上記制御回路基板603の各部の信号の一例を示す
タイムチャートである。この図3及び図4は、透明導電
膜4上に照射されるパルスレーザ光の照射スポットの半
径rが220μm、照射スポットのピッチPが330μ
m、照射スポットのラップ率αが0.25(=25%)
であり、上記リニアスケール503の分解能が0.5μ
mであって0.5μmごとに一つのパルス信号Smを出
力する場合について示している。
【0051】ここで、上記照射スポットのラップ率αは
下記の(1)式で定義される。図6(a)及び(b)は
それぞれラップ率αが0(0%)及び0.25(25
%)のときの照射スポットの重なり状態を示している。
また、スリット(加工要素)の長さLm(図14参照)
と照射スポットのピッチPとの関係は下記の(2)式で
表され、Lm=6600μm及びP=330μmを代入
すると、上記スリット4a(X)を形成するために必要な
照射スポットの総数nは21個となる。更に、上記基準
値Nrefと照射スポットのピッチPとリニアスケール5
03のパルス出力間隔Lpとの関係は下記の(3)式で
表され、P=330μm及びLp=0.5μmを代入す
ると、上記基準値Nrefは660となる。また、上記X
Yテーブル5の載置台501の移動速度は、2m/se
cに設定している。
【数1】α=(2r−P)/2r ・・・(1)
【数2】P×(n−1)=Lm ・・・(2)
【数3】Nref=P/Lp ・・・(3)
【0052】図3に示すように、上記XYテーブル5の
載置台501の移動に伴ってリニアスケール503から
繰り返し周波数f=4MHz(周期=0.25μse
c)で移動距離検出パルス信号Smが出力される。この
移動距離検出パルス信号Smがパルスカウンタ603c
でカウントされる。そして、660個の移動距離検出パ
ルス信号Smがカウントされるたびに、すなわち上記載
置台501が330μm移動するたびに、比較器603
dからパルス状のレーザ制御信号Spが出力される。そ
して、パルス幅整形器603eにより、比較器603d
から出力されたレーザ制御信号Spの幅が、上記YAG
レーザ発信装置1のQスイッチ101bの駆動に必要な
幅まで広げられる。次に、図4に示すように、所定のパ
ルス幅に整形されたレーザ制御信号Sp’は、CPU6
03aで制御されるスイッチ回路603fにより、加工
制御データに基づいてオン/オフ制御される。このスイ
ッチ回路603fでオン/オフ制御されたレーザ制御信
号Sp"が、Qスイッチ駆動部102に入力され、これに
より、透明絶縁性基板3の移動距離に同期した所定のタ
イミングで、上記YAGレーザ発信装置1からパルスレ
ーザ光が出射し、透明絶縁性基板3上の透明導電膜4に
照射される。このようにXYテーブル5の載置台501
に固定された透明絶縁性基板3の移動距離に同期するよ
うに制御されたパルスレーザ光が、透明絶縁性基板3上
の透明導電膜4に照射されることにより、図5(a)に
示すように、透明導電膜4に照射されるパルスレーザ光
の照射スポットLp(X)がX軸方向に一定のピッチで並
ぶ。これにより、図5に示すように透明導電膜4が均一
な加工幅でスリット状に除去される。
【0053】上記スリットの加工において、スリット4
a(X)の長さLmを変えるときは、加工長Lmがちょう
ど狙いの長さと一致するように、上記比較器603dに
入力する基準値Nrefの値を変更する。例えば、スリッ
ト4a(X)の長さLmが上記例よりも100μmだけ長
い6700μmのときには、上記(2)式により、照射
スポットのピッチPが335μmとなり、これを上記
(3)式に代入すると、上記基準値Nrefは670とな
る。すなわち、基準値Nrefを660から670に変更
すればよい。また、スリット4a(X)の長さLmが上記
例よりも100μmだけ短い6500μmのときには、
上記(2)式により、照射スポットのピッチPが325
μmとなり、これを上記(3)式に代入すると、上記基
準値Nrefは650となる。すなわち、基準値Nrefを6
60から650に変更すればよい。
【0054】以上、本実施形態によれば、XYテーブル
5の載置台501の移動距離に同期するようにパルスレ
ーザ光の照射タイミングを制御しているので、載置台5
01の移動速度が何らかの理由により変化した場合で
も、透明絶縁性基板3上の透明導電膜4に照射されるパ
ルスレーザ光の照射スポットのピッチが変化しないの
で、加工幅が一定の均一なスリット加工が可能となる。
そして、上記基準値Nrefの変更により、透明絶縁性基
板3上の透明導電膜4に形成するスリットの長さを、設
計上の狙いの長さを一致させるように、加工することが
できる。
【0055】また、XYテーブル5の載置台501の移
動距離に同期するようにパルスレーザ光の照射タイミン
グを制御しているので、載置台501の加速域及び減速
域においても上記均一なスリット加工が可能となる。例
えば、従来の加工装置ではスリット加工の前後において
加工を行わずに載置台を移動させる加速域及び減速域を
必要としていたのに対し、本実施形態では、図7に示す
ように加速域の途中(図中のX1点)からスリット加工
を開始し、減速域の途中(図中のX2点)までスリット
加工を続けることができるため、載置台501の全体移
動量を短縮することができる。このことにより、上記透
明導電膜4の均一なスリット加工を達成しつつ、従来の
エッチング加工と同等もしくはそれ以上の加工速度でス
リット加工が可能となる。
【0056】なお、上記実施形態では、スリットの加工
長にかかわらず実際に加工されるスリットの長さが狙い
どうりの長さになるように、加工制御データに基づいて
上記照射スポットのピッチを変えているが、この照射ス
ポットのピッチを変える制御は、重複加工領域を発生さ
せることなく上記透明絶縁性基板3上の透明導電膜4に
格子状のスリットを形成する場合にも適用することがで
きる。例えば、図8(a)に示すように、2つのスリッ
トの交差部Pcに対応する位置で照射スポットのピッチ
が2倍になるように上記スイッチ回路603fを制御す
る。この制御により、交差部Pcへのパルスレーザ光の
照射をスキップして、透明絶縁性基板3をX軸方向に移
動しつつパルスレーザ光を照射し、図8(b)に示すよ
うに所定の隙間を介して所定長のX軸方向のスリット4
a(X)を形成する。次に、上記交差部Pcを通過するよ
うに、透明絶縁性基板3をY軸方向に移動しつつパルス
レーザ光を照射する。これにより、図9(a)に示すよ
うに、透明導電膜4に照射されるパルスレーザ光の照射
スポットLp(Y)がY軸方向に一定のピッチで並ぶ。そ
の結果、図9(b)に示すようにY軸方向においても透
明導電膜4が均一な加工幅でスリット状に除去され、X
軸方向のスリット4a(X)とY軸方向のスリット4a(Y)
とが交差した格子状のスリットを形成することができ
る。この格子状のスリットの加工例では、上記交差部P
cにおいても他の照射ポイントと同様にパルスレーザ光
が1回(ラップ部では2回)しか照射されないので、上
記交差部Pcにおける過剰なレーザ照射による損傷の発
生などの不具合を防止することができる。なお、図8及
び図9の加工例では、X軸方向のスリット4a(X)のほ
うを上記交差部Pcを避けながら形成し、Y軸方向のス
リット4a(Y)のほうを連続的に形成しているが、X軸
方向のスリット4a(X)のほうを連続的に形成し、Y軸
方向のスリット4a(Y)の形成の途中に照射スポットの
ピッチを2倍に変化させて上記交差部Pcを避けるよう
にしてもよい。また、照射スポットのピッチを変化させ
る代わりに、上記交差部Pcに対する照射パワーを下げ
るように照射条件を変えてもよい。
【0057】また、上記照射スポットのピッチを変える
制御は、上記透明絶縁性基板3の四隅に、光学的に検知
して基板の位置合わせに用いる位置合せ用の基準マーク
を形成するときにも採用することができる。この透明絶
縁性基板3に形成される基準マークは、上記スリットと
同じ加工条件で加工すると、光学センサで検知されにく
く、基板の位置合わせを正しく行えないおそれがある。
そのため、基準マークとその周囲の部分との間の光学的
なコントラストが高まるように、上記スリットの場合よ
りも加工の程度を高めて加工表面を粗面にするように基
準マークを形成することが望ましい。
【0058】上記スリットの場合よりも強めの加工条件
で基準マークを形成する方法としては、例えばスリット
用のCADデータに基づいて作成したCAMデータを用
いてスリットを形成し、その後、手動で上記YAGレー
ザ発信装置1の駆動電流を変えてパルスレーザ光の照射
パワーを高め、基準マーク用のCADデータに基づいて
作成したCAMデータを用いて基準マークを形成する方
法を採用することができる。また、スリットと基準マー
クとを含むCADデータに基づいて作成した一つのCA
Mデータを用い、1回の加工プロセスの途中で上記YA
Gレーザ発信装置1の駆動電流を自動的に変化させて上
記スリットに対する加工条件(照射条件)と上記基準マ
ークに対する加工条件(照射条件)とを変え、基準マー
クを高照射パワーで加工する方法を採用することもでき
る。
【0059】特に、上記実施形態の加工装置において
は、上記透明絶縁性基板3の透明導電膜4に所定のスリ
ットを形成した後、透明絶縁性基板3の四隅に、上記照
射スポットのピッチを短くした条件で基準マークを連続
して加工するように制御する方法が好ましい。例えば、
上記スリットの形成時には、上記比較器603dに入力
する基準値Nrefの値を660にし、その後に続けて加
工する基準マークの形成時には、基準値Nrefの値を2
20に変更する。これにより、スリットについては低い
ラップ率(=0.25)で加工し、基準マークについて
は高いラップ率(0.75)で加工し、パルスレーザ光
の照射回数が2回となるラップ部の割合を増加させ、全
体として基準マークのコントラストを高めることができ
る。しかも、この制御は、上記パルスレーザ光の照射パ
ワーを変更することなく、上記比較器603dに入力す
る基準値Nrefの値を変更するだけで済むため、パルス
レーザ光の照射条件を手動で変更する作業が必要なく、
また上記駆動電流を変化させる場合とは異なり照射パワ
ーの安定化のための待ち時間を確保する必要もないの
で、効率よい加工が可能となる。なお、上記照射スポッ
トのピッチを短くする制御の代わりに、又はその制御に
加えて、上記基準マークの加工の際に、パルスレーザ光
のスキャン回数を通常の加工時よりも多くするように制
御したり、上記各パルスレーザ光の時間パルス幅(図1
及び図3におけるパルス幅整形回路の出力Sp’)を通
常の加工時よりも長くするように制御したりしてもよ
い。
【0060】図10は、本ビーム加工装置での透明導電
膜4の加工によって電極パターンが形成されるタッチパ
ネル基板を用いて構成されたタッチパネルの断面図であ
る。また、図11(a)及び(b)はそれぞれ、同タッ
チパネルの分解斜視図及び平面図である。図10に示す
ように、タッチパネルは、各透明導電膜4からなる透明
電極が通常状態で接触しないように1組の上下タッチパ
ネル基板7、8を所定の高さ(例えば9〜12μm)の
スペーサ9を介して対向させた構造になっている。そし
て、このタッチパネルを図10中の上方から押圧する
と、上タッチパネル基板7が2点鎖線で示すように変形
し、上下のタッチパネル基板7、8の透明電極同士が接
触する。この接触による上下透明電極間の抵抗の変化か
ら、押圧されたか否か及び押圧された位置を知ることが
できる。また、このタッチパネルは、図11(a)及び
(b)に示すように上下のタッチパネル基板7、8のそ
れぞれに、互いに直交するスリット7a、8aが各透明
導電膜4に形成されている。
【0061】本実施形態のビーム加工装置は、図11
(a)及び(b)に示すスリット7a、8aを、透明導
電膜4に形成するものである。真空蒸着、イオンプレー
ティング、スパッタリング等によって表面に透明導電膜
4(厚さ=約500オングストローム)が形成された絶
縁性透明基板3は、透明導電膜4側の上方に向けて載置
台501上にセットされる。セットされた絶縁性透明基
板3上の透明導電膜4は、所定のスポット径に絞られた
パルスレーザ光が照射されながらXYテーブル5によっ
て一方向に移動させられる。この移動の過程で、幅50
0〜1000[μm]程度のパルスレーザ光の照射部分
が蒸発して透明導電膜4から除去され、各電極領域を絶
縁するスリット7a、8aが形成される。
【0062】本実施形態のビーム加工装置では、エッチ
ング処理を伴うフォトリソグラフィー法を用いることな
く、透明導電膜4を加工して絶縁性透明基板3上に複数
の透明電極を形成することができる。このため、フォト
レジストの現像液やエッチング液の廃液によって環境を
汚すことなく、上下のタッチパネル基板7、8を製造す
ることができる。また、透明電極のパターン形状を変え
る場合でも、フォトリソグラフィー用の遮光マスクを用
いることなくCAMデータで透明導電膜4を加工してパ
ターンに応じた複数の透明電極を形成することができ
る。このため、異なった電極パターンのタッチパネル基
板7、8についてそれぞれ専用の遮光パターンの遮光マ
スクを用意しなければならず他品種少量生産が困難にな
ったり、残留レジスト液によってワークを汚したりなど
フォトリソグラフィー法による不具合が起こらず、リー
ドタイムを短縮化してオンデマンドの要求に対しても十
分に対応することができる。
【0063】一方、フォトリソグラフィー法を用いた電
極加工では、フォトレジストの現像液やエッチング液等
の廃液が発生して環境を汚してしまうという不具合があ
る。また、透明電極のパターンを変える場合は、フォト
リソグラフィー用の遮光マスクを新規に作成しなければ
ならないため、加工効率が悪く、他品種少量生産への対
応及び低コスト化が難しかった。特に、アナログ方式の
タッチパネルのように透明導電膜4に数本のスリットを
形成するような場合でも、数百本のスリットを形成する
デジタル方式のタッチパネルの場合と同じフォトリソグ
ラフィー工程が必要になってくるため、加工部分が少な
いにもかかわらず廃液の低減及び低コスト化を図ること
が難しかった。
【0064】なお、上記実施形態では、XYテーブル5
の載置台501をX軸方向あるいはY軸方向に移動させ
ながら加工する場合について説明したが、本発明は、X
軸方向及びY軸方向に交差する斜め方向に載置台501
を移動させながら加工する場合にも適用できるものであ
る。この斜め移動の場合は、CPU603aから比較器
603dに送る基準値として、下記の数1に示す基準値
Nref(X)又は数2に示す基準値Nref(Y)を用いる。式中
の演算子「INT」は、かっこ内の数値に最も近い整数
を求める演算子である。また、式の右辺の「Nref」は
X軸方向あるいはY軸方向に移動する場合の基準値であ
る。また、式中の「θ」は、図12に示すように移動方
向とX軸方向とのなす角度であり、加工制御データから
求められる。
【数4】Nref(X)=INT(Nref×cosθ)
【数5】Nref(Y)=INT(Nref×sinθ)
【0065】ここで、例えばX軸方向のリニアスケール
503から出力された移動距離検出パルス信号Sm(X)を
用いる場合は、上記基準値として数1に示す基準値Nre
f(X)を用いる。一方、Y軸方向のリニアスケール503
から出力された移動距離検出パルス信号Sm(Y)を用いる
場合は、上記基準値として数2に示す基準値Nref(y)を
用いる。なお、上記載置台501の移動距離を精度よく
検出するという観点から、載置台501の移動方向がX
軸に近い場合は、上記X軸方向のリニアスケール503
からの移動距離検出パルス信号Sm(X)と上記基準値Nre
f(X)とを組み合わせて用い、載置台501の移動方向が
Y軸に近い場合は、上記Y軸方向のリニアスケール50
3からの移動距離検出パルス信号Sm(Y)と上記基準値N
ref(Y)とを組み合わせて用いのが好ましい。このような
組み合わせを切り替えて用いることにより、上記パルス
レーザ光の照射スポットのピッチに対応した移動距離検
出パルス信号の数が極端に少なくなることがないので、
上記載置台501の斜め方向の移動距離をX軸方向ある
いはY軸方向に移動させる場合と同様に精度よく検出す
ることができる。
【0066】また、上記実施形態においては、透明絶縁
性基板3上の透明導電膜4の一部を除去する加工を行な
う場合について説明したが、本発明は、このような加工
に限定されることなく適用することができるものであ
る。例えば、図13に示すように透明絶縁性基板3上の
透明導電膜4の表面に形成された導電性ペースト(例え
ば銀ペースト)からなる配線パターン13の周囲に配線
間絶縁用のスリット14を形成する場合にも用いること
ができ、同様な効果が得られるものである。
【0067】また、本発明は、樹脂板にハーフエッチン
グ加工や穴開け加工を行う場合にも適用できるものであ
る。この場合は、加工部の深さも均一にすることができ
る。さらに、本発明は、上記スリット形成加工、ハーフ
エッチング加工、穴開け加工だけでなく、樹脂、セラミ
ック、金属、フォトリソ用の感光層などの加工対象物に
表面処理加工、フォトレジストへの露光を行う場合にも
適用できるものである。
【0068】また、上記実施形態では、Qスイッチを有
するNd:YAGレーザから出射されたパルス状の近赤
外レーザビーム(波長λ=1064nm)を用いた場合
について説明したが、本発明は、このレーザビームに限
定されることなく適用できるものである。例えば、Qス
イッチを有する、Nd:YLFレーザ(波長λ=104
7nm)、Nd:YVOレーザ(波長λ=1064n
m)、COレーザ、銅蒸気レーザ等のパルスレーザを
用いる場合にも適用することができる。また、本発明
は、非線形光学結晶を用いて上記各種レーザの出力を波
長変換したレーザビームを用いる場合にも適用すること
ができる。例えば、Nd:YAGレーザと、LiB
(LBO)、KTiOPO、β−BaB(B
BO)、CsLiB10(CLBO)等の非線形光
学結晶とを組み合わせると、波長が355nm、266
nmの紫外領域のレーザビームを得ることができる。ま
た、上記透明導電膜を主にアブレーションで除去する紫
外領域のレーザビームとしては、KrFエキシマレーザ
ー等から出射されるパルス状の紫外光レーザビームを用
いることもできる。さらに、本発明は、レーザ光以外の
パルス状の光ビーム、荷電粒子ビーム等の他のパルス状
のエネルギービームを用いた場合にも適用が可能であ
る。
【0069】また、上記実施形態では、パルスレーザ光
の照射経路をレーザ照射ヘッド202で固定し、加工対
象物を互いに直交するX方向及びY方向に移動させる場
合について説明したが、本発明は、加工対象物を固定し
てセットし、レーザ等のエネルギービームをX方向及び
Y方向に移動させる場合や、エネルギービーム及び加工
対象物の両方を移動させる場合にも適用できるものであ
る。
【0070】
【発明の効果】請求項1乃至19の発明によれば、各加
工要素の種類に適したピッチでパルス状のエネルギービ
ームを照射して各加工要素を加工することができるの
で、パルス状のエネルギービームを用いて加工する場合
に、加工対象物上の加工要素の種類に応じた適切な加工
が可能となるという効果がある。
【0071】特に、請求項2及び請求項10の発明によ
れば、加工対象物上の加工要素が所定の長さを有するも
のであるときに、加工要素の狙いの長さと、実際に加工
される部分の長さとを一致させることができるという効
果がある。
【0072】特に、請求項3、4、11及び12の発明
によれば、通常の加工要素に対する加工に影響を及ぼす
ことなく、加工対象物上の基準マーク要素を加工すると
きに基準マークに対する加工の程度を高め、基準マーク
がより確実に検知されるようにすることができるという
効果がある。
【0073】特に、請求項5、6、13及び14の発明
によれば、加工要素の交差部についても他の部分と同様
な加工を行うことができるので、互いに交差する複数の
加工要素を均一に加工することができるという効果があ
る。
【0074】特に、請求項15の発明によれば、加工対
象物とエネルギービームの照射ポイントとの相対移動速
度を変えて制御するような比較的機械的な制御機構が多
い制御を行う場合に比して、より簡易で且つ正確に、加
工対象物上の照射スポットのピッチを変えて加工対象物
上の加工要素の種類に応じた加工が可能となるという効
果がある。
【0075】特に、請求項16の発明によれば、ビーム
加工装置に入力される加工制御データにピッチ制御デー
タが含まれていない場合でも、加工対象物上の照射スポ
ットのピッチを変えて加工要素の種類に応じた加工が可
能となるという効果がある。
【0076】特に、請求項7及び17の発明によれば、
上記エネルギービームの照射タイミングを制御するため
の繰り返し周波数を比較的広い範囲で変化させた場合で
もビーム出力が安定したQスイッチを有するYAGレー
ザを用いているので、上記エネルギービームの照射タイ
ミングの制御が容易となるという効果がある。
【0077】特に、請求項8及び18の発明によれば、
導電性薄膜が形成された透明基板とレーザビームとの間
の相対移動の速度が変化する場合でも、エネルギービー
ムで導電性薄膜が除去されたスリットの形状が均一にな
るという効果がある。
【0078】請求項19の発明によれば、絶縁透明基板
上に形成される透明電極間のスリットの形状が均一とな
ったタッチパネル基板を製造することができるという効
果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るビーム加工装置に用い
た制御回路基板のブロック図。
【図2】同ビーム加工装置の概略構成図。
【図3】リニアスケールの出力、比較器の出力及びパル
ス整形回路の出力を示すタイムチャート。
【図4】パルス整形回路の出力、スイッチ回路のオン/
オフ制御及び出力を示すタイムチャート。
【図5】パルスレーザ光の照射によって形成された透明
導電膜のスリットの説明図。
【図6】(a)及び(b)は、パルスレーザ光の照射ス
ポットのラップ率の説明図。
【図7】透明絶縁性基板が載置された載置台の移動距離
と移動速度との関係を示すグラフ。
【図8】(a)は、他の実施形態における透明絶縁性基
板上の透明導電膜に照射されるパルスレーザ光の照射ス
ポットの説明図。(b)は、パルスレーザ光の照射によ
って形成された透明導電膜のスリットの説明図。
【図9】(a)は、透明絶縁性基板上の透明導電膜に照
射されるY軸方向のパルスレーザ光の照射スポットの説
明図。(b)は、パルスレーザ光の照射によって形成さ
れた透明導電膜の格子状のスリットの説明図。
【図10】タッチパネルの拡大断面図。
【図11】(a)はタッチパネルの分解斜視図。(b)
は同タッチパネルの平面図。
【図12】透明絶縁性基板が載置された載置台の移動方
向の傾き角度θの説明図。
【図13】タッチパネルの周端部の配線パターン及びそ
の周囲のスリットの説明図。
【図14】照射スポットのピッチなどの説明図。
【符号の説明】
1 YAGレーザ装置 2 ビーム照射手段 3 透明絶縁性基板 4 透明導電膜 5 XYテーブル 6 制御システム 101 レーザヘッド 101a YAGロッド 101b Qスイッチ 102 Qスイッチ駆動部102 103 レーザ電源 201 光ファイバ 202 レーザ照射ヘッド 501 載置台 502 リニアモータ 503 リニアスケール 601 上位コンピュータ装置 602 テーブル駆動制御装置 603 制御回路基板 603a CPU 603b I/Oインタフェース 603c パルスカウンタ 603d 比較回路 603e パルス幅整形回路 603f スイッチ回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 見生 隆夫 鳥取県鳥取市北村10番地3 リコーマイク ロエレクトロニクス株式会社内 (72)発明者 松永 卓也 鳥取県鳥取市北村10番地3 リコーマイク ロエレクトロニクス株式会社内 Fターム(参考) 4E068 AE00 CA01 CA13 CB02 CC06 DA09

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】加工制御データに基づいて、ビーム源から
    繰り返し出射されるパルス状のエネルギービームを加工
    対象物に照射しながら該加工対象物と該加工対象物に対
    する該エネルギービームの照射ポイントとを相対移動さ
    せることにより該加工対象物を加工するビーム加工方法
    において、 該加工対象物上の加工要素の種類に応じて、該エネルギ
    ービームが照射される該加工対象物上の照射スポットの
    ピッチを変えることを特徴とするビーム加工方法。
  2. 【請求項2】請求項1のビーム加工方法において、 上記加工対象物上の加工要素が所定の長さを有するもの
    であり、 該加工要素の長さに応じて、上記照射スポットのピッチ
    を変えることを特徴とするビーム加工方法。
  3. 【請求項3】加工制御データに基づいて、ビーム源から
    繰り返し出射されるパルス状のエネルギービームを加工
    対象物に照射しながら該加工対象物と該加工対象物に対
    する該エネルギービームの照射ポイントとを相対移動さ
    せることにより該加工対象物を加工するビーム加工方法
    において、 該加工対象物上に基準マークを加工するときに、通常の
    加工要素を加工するときよりも加工の程度を高めるよう
    に該エネルギービームの照射条件を変えることを特徴と
    するビーム加工方法。
  4. 【請求項4】請求項3のビーム加工方法において、 上記加工対象物上に基準マークを加工するときに、上記
    照射スポットのピッチを短くすることを特徴とするビー
    ム加工方法。
  5. 【請求項5】加工制御データに基づいて、ビーム源から
    繰り返し出射されるパルス状のエネルギービームを加工
    対象物に照射しながら該加工対象物と該加工対象物に対
    する該エネルギービームの照射ポイントとを相対移動さ
    せることにより該加工対象物を加工するビーム加工方法
    において、 上記加工対象物上に互いに交差する複数の加工要素を加
    工するときに、各加工要素における交差部に対する加工
    の程度を低めるように該エネルギービームの照射条件を
    変えることを特徴とするビーム加工方法。
  6. 【請求項6】請求項5のビーム加工方法において、 上記加工対象物上に互いに交差する複数の加工要素を加
    工するときに、該加工要素の交差部での重複加工をしな
    いように、該交差部における上記照射スポットのピッチ
    を変えることを特徴とするビーム加工方法。
  7. 【請求項7】請求項1、2、3、4、5又は6のビーム
    加工方法において、 上記ビーム源が、Qスイッチを有するYAGレーザであ
    ることを特徴とするビーム加工方法。
  8. 【請求項8】請求項1、2、3、4、5、6又は7のビ
    ーム加工方法において、 上記加工対象物が、絶縁性基板上に形成された透明導電
    膜であり、 該透明導電膜の一部をスリット状に除去する加工を行う
    ことを特徴とするビーム加工方法。
  9. 【請求項9】パルス状のエネルギービームを繰り返し出
    射するビーム源と、該ビーム源から出射されたエネルギ
    ービームを加工対象物に案内して照射するビーム照射手
    段と、該加工対象物と該加工対象物に対する該エネルギ
    ービームの照射ポイントとを相対移動させる相対移動手
    段と、加工制御データに基づいて該ビーム源及び該相対
    移動手段を制御する制御手段とを備えたビーム加工装置
    において、 該加工対象物上の加工要素の種類に応じて、該エネルギ
    ービームが照射される該加工対象物上の照射スポットの
    ピッチを変えるピッチ可変手段を備えたことを特徴とす
    るビーム加工装置。
  10. 【請求項10】請求項9のビーム加工装置において、 上記加工対象物上の加工要素が所定の長さを有するもの
    であり、 該加工要素の長さに応じて、上記照射スポットのピッチ
    を変えることを特徴とするビーム加工装置。
  11. 【請求項11】パルス状のエネルギービームを繰り返し
    出射するビーム源と、該ビーム源から出射されたエネル
    ギービームを加工対象物に案内して照射するビーム照射
    手段と、該加工対象物と該加工対象物に対する該エネル
    ギービームの照射ポイントとを相対移動させる相対移動
    手段と、加工制御データに基づいて該ビーム源及び該相
    対移動手段を制御する制御手段とを備えたビーム加工装
    置において、 該加工対象物上に基準マークを加工するときに、通常の
    加工要素を加工するときよりも加工の程度を高めるよう
    に該エネルギービームの照射条件を変える照射条件可変
    手段を備えたことを特徴とするビーム加工装置。
  12. 【請求項12】請求項11のビーム加工装置において、 上記照射条件可変手段として、上記加工対象物上の加工
    要素として基準マーク要素を加工するときに、上記照射
    スポットのピッチを短くするピッチ可変手段を備えたこ
    とを特徴とするビーム加工装置。
  13. 【請求項13】パルス状のエネルギービームを繰り返し
    出射するビーム源と、該ビーム源から出射されたエネル
    ギービームを加工対象物に案内して照射するビーム照射
    手段と、該加工対象物と該加工対象物に対する該エネル
    ギービームの照射ポイントとを相対移動させる相対移動
    手段と、加工制御データに基づいて該ビーム源及び該相
    対移動手段を制御する制御手段とを備えたビーム加工装
    置において、 上記加工対象物上に互いに交差する複数の加工要素を加
    工するときに、各加工要素における交差部に対する加工
    の程度を低めるように該エネルギービームの照射条件を
    変える照射条件可変手段を備えたことを特徴とするビー
    ム加工装置。
  14. 【請求項14】請求項13のビーム加工装置において、 上記照射条件可変手段として、上記加工対象物上に互い
    に交差する複数の加工要素を加工するときに、該加工要
    素の交差部での重複加工をしないように、該加工要素の
    交差部における上記照射スポットのピッチを変えるピッ
    チ可変手段を備えたことを特徴とするビーム加工装置。
  15. 【請求項15】請求項9、10、12又は14のビーム
    加工装置において、 上記ピッチ可変手段として、上記加工制御データに基づ
    いて、各パルス状のエネルギービームの照射タイミング
    を制御する照射タイミング制御手段を備えたことを特徴
    とするビーム加工装置。
  16. 【請求項16】請求項15のビーム加工装置において、 各加工要素についてピッチを制御するためのピッチ制御
    データを生成するピッチ制御データ生成手段を備え、 上記照射タイミング制御手段を、該ピッチ制御データ生
    成手段で生成したピッチ制御データを用いて各パルス状
    のエネルギービームの照射タイミングを制御するように
    構成したことを特徴とするビーム加工装置。
  17. 【請求項17】請求項9、10、11、12、13、1
    4、15又は16のビーム加工装置において、 上記ビーム源が、Qスイッチを有するYAGレーザであ
    ることを特徴とするビーム加工装置。
  18. 【請求項18】請求項9、10、11、12、13、1
    4、15、16又は17のビーム加工装置において、 上記加工対象物が、絶縁性基板上に形成された透明導電
    膜であり、 該透明導電膜の一部をスリット状に除去する加工を行う
    ことを特徴とするビーム加工装置。
  19. 【請求項19】絶縁性透明基板上に透明電極が形成され
    たタッチパネル基板を製造するタッチパネル基板の製造
    方法であって、 絶縁性透明基板の表面に透明導電膜を形成し、 次いで、請求項8のビーム加工方法又は請求項18のビ
    ーム加工装置を用いて、該絶縁性透明基板上の透明導電
    膜の一部をスリット状に除去することにより、該絶縁性
    透明基板上に透明電極を形成することを特徴とするタッ
    チパネル基板の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009188203A (ja) * 2008-02-06 2009-08-20 Disco Abrasive Syst Ltd レーザ加工方法
JP2011100360A (ja) * 2009-11-06 2011-05-19 Nissha Printing Co Ltd タッチ入力シートとその製造方法
JP2011206797A (ja) * 2010-03-29 2011-10-20 Hitachi Via Mechanics Ltd レーザ加工方法及びレーザ加工装置
JP2012103767A (ja) * 2010-11-08 2012-05-31 Young Fast Optoelectronics Co Ltd タッチセンサパターン及び信号導線の製造方法
JP2012169060A (ja) * 2011-02-10 2012-09-06 Shin Etsu Polymer Co Ltd 導電パターン形成基板の製造方法
KR101456637B1 (ko) * 2011-11-09 2014-11-04 티피케이 터치 솔루션즈 (씨아먼) 인코포레이티드 터치 전극 구조 및 그 제조 방법
JP2019201103A (ja) * 2018-05-16 2019-11-21 株式会社ディスコ 加工装置

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