JP2000323025A - プラズマディスプレイパネルの電極基板製造方法および装置 - Google Patents

プラズマディスプレイパネルの電極基板製造方法および装置

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JP2000323025A
JP2000323025A JP11132246A JP13224699A JP2000323025A JP 2000323025 A JP2000323025 A JP 2000323025A JP 11132246 A JP11132246 A JP 11132246A JP 13224699 A JP13224699 A JP 13224699A JP 2000323025 A JP2000323025 A JP 2000323025A
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linear
laser light
laser beam
conductive film
substrate
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Koji Funemi
浩司 船見
Toshiyuki Okada
敏幸 岡田
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 PDPの電極基板の製造技術において、精度
の高い線状電極を能率的に作製でき、設計変更にも容易
に対応できるようにする。 【解決手段】 透明基板10の表面に形成された透明導
電膜にレーザ光Lを照射し、透明導電膜を消失させて多
数の平行な直線状空隙21を形成し、この直線状空隙2
1の間に残った透明導電膜を線状電極とする、プラズマ
ディスプレイパネルの電極基板を製造する方法である。
工程(a) (b) を繰り返す。(a) レーザ光Lを同じ位置に
照射しながら、透明基板10を直線移動させ、透明導電
膜を直線状に消失させて直線状空隙21を形成する工
程。(b) レーザ光Lを照射するレーザ発振器50等のレ
ーザ光照射部は移動させずに、レーザ光Lの照射位置
を、透明基板10の直線移動方向と直交する方向に所定
距離だけ移動させる工程。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラズマディスプ
レイパネルの電極基板製造方法および装置に関し、微小
なセル空間で発生させたプラズマを利用して画像を表示
させるプラズマディスプレイパネルに用いられる電極基
板を製造する技術を対象にしている。
【0002】
【従来の技術】プラズマディスプレイパネル(PDPと
略称する)は、ブラウン管式の画像表示装置に比べて、
はるかに薄型に製造でき、画像表示面が平坦であること
などから、いわゆる壁掛け型の大型画像表示装置などに
有用であるとされている。
【0003】PDPの基本的な構造を図1に示す。基板
100の上に、多数の線状をなすデータ電極101が間
隔をあけて並設されている。データ電極101は誘電体
層102で覆われ、誘電体層102の上には、等間隔で
配置された隔壁103で仕切られた空間(セル)の内壁
に蛍光体層104が塗工されている。蛍光体層104と
してRGBの3色を各セル毎に順番に配置しておけば、
カラー画像が表示できる。ここまでが、背面基板として
製造される。次に、前面基板として、ガラス等からなる
透明基板110の下面に、前記背面基板側のデータ電極
101と直交する方向に延び、ITOなどの透明導電材
料からなる線状電極111が多数間隔をあけて平行に配
置されている。線状電極111は、Mg0層112およ
び誘電体層113で覆われている。このような構造の前
面基板と背面基板とを接合一体化させてPDPが構成さ
れる。
【0004】背面基板のデータ電極101と前面基板の
線状電極111との交差位置毎にセル空間でプラズマを
発生させて蛍光体層104を発光させる。発光は、透明
な前面基板を通過して透明基板110の外側から観察さ
れる。上記光点の集合で画像が表示される。
【0005】このようなPDPのうち、前面基板の線状
電極111を作製する方法としては、透明基板110の
表面全体に透明導電膜を形成したあと、いわゆるフォト
リソグラフ技術を適用して、エッチングで不要部分の透
明導電膜を除去することで、線状電極111を形成して
いる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来における前記PD
Pにおける線状電極の形成方法では、透明導電膜の成
膜、レジスト塗布、露光、現像、エッチングおよびレジ
スト除去など多くの工程が必要であり、加工設備が大掛
かりになり作業時間も長くかかるという問題がある。
【0007】特に、前記した大型画面のTV装置の場合
には、縦横数10cmもの大きな面積に対して、前記フォ
トリソグラフの各工程を順番に実施したり、各工程の装
置間で基板を搬送したりしなければならないため、製造
設備が大型化してしまう。
【0008】また、線状電極の配置パターンを設計変更
するときには、レジスト印刷用のマスク版を新たに作製
し直す必要があるため、迅速な設計変更には対応し難
い。
【0009】本発明の課題は、PDPの電極基板の製造
技術において、精度の高い線状電極を能率的に作製で
き、設計変更にも容易に対応できるようにすることであ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明にかかるプラズマ
ディスプレイパネルの電極基板製造方法のうち第1の方
法は、透明基板の表面に形成された透明導電膜にレーザ
光を照射し、透明導電膜を消失させて多数の平行な空隙
を形成し、この空隙の間に残った透明導電膜を線状電極
とする、プラズマディスプレイパネルの電極基板を製造
する方法であって、以下の工程(a) (b) を繰り返すこと
を含む方法である。
【0011】(a) 前記レーザ光を同じ位置に照射しなが
ら、前記透明基板を直線移動させ、前記透明導電膜を直
線状に消失させて前記空隙を形成する工程。
【0012】(b) 前記レーザ光を照射するレーザ光照射
部は移動させずに、レーザ光の照射位置を、前記透明基
板の直線移動方向と直交する方向に所定距離だけ移動さ
せる工程。 〔プラズマディスプレイ〕PDP(プラズマディスプレ
イ)の基本的な構造は、通常のPDPと同様で良い。基
板の材料、基板の上に作製する各種機能膜、電極の材料
および配置構造、蛍光体層や放電セルの構造などは、目
的とする機能や要求性能に合わせて適宜に設定すること
ができる。
【0013】PDPには少なくとも、透明基板と、透明
基板の表面に配置される多数の透明な線状電極とを備え
ている。 〔透明基板および線状電極〕透明基板は、ガラスや合成
樹脂などの透明材料からなり、線状電極は、ITOやS
nO2 などの透明でかつ導電性の材料が用いられる。
【0014】透明基板の表面に、線状電極になる透明導
電膜を形成するには、通常の成膜技術が適用できる。透
明導電材料のペーストを塗工したり、各種の厚膜および
薄膜形成技術を適用したりすることができる。
【0015】透明導電膜は、透明基板の全面に形成して
おいてもよいし、線状電極等の作製に必要になる概略領
域のみに形成しておくこともできる。
【0016】透明導電膜を利用して、透明基板の表面に
各種の加工処理を行う際の基準となる位置や姿勢を決定
する、アライメントマークとも呼ばれる位置決めマーク
を形成しておくことができる。位置決めマークの具体的
形状としては、2次元平面における位置と姿勢が決定で
きる各種図形および図形の組み合わせが用いられ、例え
ば、十字形状などが採用される。 〔レーザ光〕透明導電膜にレーザ光を照射し、レーザ光
のエネルギーで透明導電膜を消失させることで、レーザ
光の照射パターンに対応する形状で透明導電膜を除去す
ることができる。
【0017】レーザ光としては、透明導電膜を確実かつ
正確な形状で除去できるものであれば良く、例えば、Y
AGレーザ、エキシマレーザ、窒素レーザなどが利用で
きる。
【0018】レーザ光の照射位置と透明基板とを相対的
に移動させることで、レーザ光の断面形状に対応する部
分の透明導電膜が順次消失し、前記移動パターンにした
がって、所望の形状パターンで透明導電膜を除去するこ
とができる。
【0019】透明導電膜のうち、線状電極などとして残
しておく部分を除いて、不要な部分を除去する。線状電
極を形成する場合、線状電極の外形よりも外側部分およ
び線状電極同士の間に必要な線状の空隙になる部分に存
在する透明導電膜を除去することになる。 〔透明基板の直線移動〕レーザ光を同じ位置に照射しな
がら、レーザ光が照射される透明基板のほうを直線移動
させることで、透明導電膜に直線状の軌跡でレーザ光を
照射する。
【0020】透明基板の移動手段は、通常のXYテーブ
ル装置や基板の搬送処理装置などにおける基板移動手段
が採用できる。透明基板の移動手段は、正確で高速な直
線移動が可能な装置あるいは手段が好ましい。例えば、
基板を保持する移動台と、移動台が走行するレールやガ
イド機構を備える固定台と、移動台を駆動するモータや
ボールネジ機構などを組み合わせて構成することができ
る。
【0021】レーザ光が照射された透明導電膜は、レー
ザ光の照射軌跡にしたがって直線状に消失させられ、透
明導電膜に直線状の空隙が形成される。上記動作の際に
は、レーザ光の発振器や光学系などのレーザ光の照射に
関係する機構は移動させる必要はない。 〔レーザ光の照射位置の移動〕透明基板の直線移動によ
って、透明導電膜に1本の直線状の空隙が形成されたあ
と、一旦、レーザ光の照射を停止して、レーザ光の照射
位置を移動させる。
【0022】照射位置の移動は、透明基板の直線移動方
向と直交する方向に、次にレーザ光を照射して透明導電
膜に空隙を形成する位置まで所定距離だけ移動させる。
具体的には、透明基板に形成する複数本の線状電極のピ
ッチ間隔に相当する距離が、照射位置の移動距離とな
る。
【0023】レーザ光の照射位置を移動させるには、レ
ーザ光の照射装置そのものを機械的に移動させることも
できるが、レーザ光の照射装置全体は固定したままで、
レーザ光の照射経路を光学的に変更すれば、機構が簡単
になり迅速な移動が可能である。
【0024】具体的には、レーザ光の照射経路に設けら
れた光学系に、回転ミラーや回転プリズムなど、光の方
向を変える光学機構を組み込み、レーザ光の照射方向を
変えることで、透明基板に照射されるときの照射位置を
移動させることができる。この場合、機械的な駆動機構
は回転ミラーなどのわずかな部材のみでよく、機械的な
移動量も少ないので、装置構造が簡単で迅速な動作が可
能である。回転ミラーなどの作動を精密に制御するため
に、回転ミラーなどの作動量を検出するエンコーダやレ
ーザ光の照射位置を検出するセンサ、検出条件を演算処
理するコンピュータなどの演算処理装置などを組み込ん
だフィードバック制御系を備えておくことができる。
【0025】透明基板に対するレーザ光の照射位置が所
定距離だけ移動したあと、再び、レーザ光の照射および
透明基板の直線移動を行って、透明導電膜に新たな直線
状の空隙を形成する。
【0026】このような動作を繰り返すことで、透明基
板の透明導電膜に、多数の平行な直線状をなす空隙が形
成され、空隙同士の中間に残った線状の透明導電膜が線
状電極となる。 〔複数のレーザ光〕透明基板に多数の直線状空隙および
線状電極を形成する場合、レーザ光を複数本使用して、
同時に複数本の直線状空隙を形成すれば、作業能率が向
上する。
【0027】複数本のレーザ光を用いるには、それぞれ
のレーザ光について、発振器や光学系および照射位置の
移動機構を備えておけばよい。レーザ光の照射装置のう
ち、複数本のレーザ光で共用できる構造や部材について
は共通化することができる。レーザ光の本数が増えるほ
ど設備が複雑化する可能性があるので、作業の効率化と
設備の複雑化とを勘案してレーザ光の本数を設定すれば
よく、通常は2〜4本のレーザ光を用いることができ
る。透明基板の面積や形成する線状電極の本数によって
も、好ましいレーザ光の本数は変わる。 〔位置精度〕複数本のレーザ光を用いる場合、レーザ光
同士の位置精度は、それぞれのレーザ光で透明導電膜に
形成される直線状空隙の位置精度に影響を与える。した
がって、レーザ光同士の位置精度あるいはレーザ光の照
射装置同士の位置精度を高くしておくことで、直線状空
隙の間隔精度を向上させることができる。
【0028】直線状空隙の位置精度は、前記したレーザ
光を移動させる位置の精度によっても影響される。
【0029】レーザ光の照射位置の精度は、前記した光
学的な移動手段を採用することで、高い精度を維持する
ことが比較的に容易であるのに対し、複数本のレーザ光
同士の位置精度を正確に設定するのは難しい。
【0030】これは、レーザ光の照射装置同士の物理的
な間隔を正確に設置しておくことが難しいことや、レー
ザ光で透明導電膜を消失させる際に発生する熱で作業中
に透明基板が熱膨張を起こして、レーザ光同士の実質的
な間隔が拡がってしまうことなどに原因があると思われ
る。
【0031】その結果、同じ組の直線状空隙同士のピッ
チ間隔のバラツキに比べて、隣接する別の組との間にお
ける末端の直線状空隙同士のピッチ間隔のバラツキが大
きくなる。製造されたPDPにおいては、線状電極のピ
ッチ間隔のうち、上記の形成加工時に別の組であった部
分の境界部分のピッチ間隔だけが大きくなって、表示画
像にスジ状の欠陥として表れてしまう。
【0032】この問題を解決するため、同じ組の直線状
空隙同士の間隔精度を、隣接する別の組の末端の直線状
空隙との間の予測される間隔精度と同じにしておくこと
ができる。
【0033】ここで、予測される間隔精度とは、予め前
記した要因による位置精度の低下量を理論的あるいは経
験的に見積もっておいてもよいし、予め何度かの実験を
行って統計的に間隔精度を予測してもよい。
【0034】この予測される間隔精度は、通常、レーザ
光の照射位置の精度で決まる同じ組の直線状空隙同士の
間隔精度よりも大きいので、同じ組の直線状空隙同士の
間隔精度を少し落として前記予測される間隔精度に合わ
せる。その結果、透明基板の透明導電膜に形成される全
ての空隙の間隔精度を同じ程度にでき、前記したPDP
の表示画像に生じるスジ状の欠陥を防止することができ
る。 〔遮蔽板および開口部〕透明導電膜に照射されるレーザ
光の断面形状、すなわち、レーザ光で消失させられる透
明導電膜の除去領域の形状を制御するために、開口部を
備えた遮蔽板を、レーザ光の発振器から透明導電膜の表
面に至る間の照射経路の途中に配置しておくことができ
る。
【0035】遮蔽板は、光が透過しない材料であれば、
金属、セラミックなどが適宜使用できる。
【0036】開口部は、レーザ光の断面形状に合わせて
任意の形状に設定できる。線状電極の形成には、矩形状
などの比較的に単純な図形状の開口部が好ましい。矩形
状の一部が変形したものでも良い。矩形の隅部をアール
付けすなわち円弧状に形成しておくことができる。
【0037】なお、開口部で断面形状が制御されたレー
ザ光を、レンズなどの光学系を用いて光学的に絞れば、
開口部の断面形状と相似形であって縮小された微小な断
面形状のレーザ光を透明導電膜に照射することができ
る。
【0038】通常はレーザ光のビーム中心と開口部の中
心とは一致するが、レーザ光のビーム中心を開口部の中
心に対して偏った位置に配置することもできる。この場
合、レーザ光のビーム断面の外周縁の一部が、開口部の
内周縁よりも内側に配置される場合が生じる。
【0039】開口部の形状は、線状電極および位置決め
マークの形状に合わせて適切な形状が選択される。線状
電極の形成時と位置決めマークの形成時とで、形状の異
なる開口部を用いることができる。この場合、一つの遮
蔽板に複数の開口部を設けておき、レーザ光の照射経路
に何れかの開口部が配置されるように遮蔽板を移動させ
ることができる。開口部の形状が異なる複数の遮蔽板を
取り替えて、レーザ光の照射経路に配置することもでき
る。さらに、形状が異なる開口部を備えた遮蔽板を前後
に重ねて、開口部の重なりによって形成される断面形状
でレーザ光の断面形状を制御することもできる。 〔レーザ加工〕本発明の電極基板製造方法は、PDPに
限らず、同様の課題を有する部材の製造にも適用でき
る。具体的には、液晶基板などの電子装置用基板に対す
るレーザ加工が挙げられる。この場合、PDPの透明導
電膜の代わりに、それぞれの目的に合わせた各種機能を
果たす被加工膜を用いることができ、線状電極の代わり
に同様の形状を有する加工形状部を形成することができ
る。 〔第2の製造方法〕プラズマディスプレイの電極基板製
造方法として、以下の工程(c) (d) を繰り返すことを含
む方法もある。
【0040】(c) 前記レーザ光を照射するレーザ光照射
部は移動させずに、前記透明基板に対するレーザ光の照
射位置を直線移動させ、前記透明導電膜を直線状に消失
させて前記直線状空隙を形成する工程。
【0041】(d) 前記透明基板を、前記レーザ光の照射
位置の直線移動方向と直交する方向に所定距離だけ移動
させる工程。
【0042】前記第1の方法では、透明基板を直線移動
させる工程で直線状空隙を形成し、レーザ光の照射位置
を直線移動させる工程で隣接する直線状空隙の形成位置
に移動するのに対し、第2の方法では、レーザ光の照射
位置を直線移動させる工程で直線状空隙を形成し、透明
基板の移動工程で隣接する直線状空隙の形成位置に移動
する。基本的な工程や使用装置、処理条件は前記した第
1の方法と共通する構成が採用される。 〔第3の製造方法〕プラズマディスプレイの電極基板製
造方法として、以下の工程(e) (f) (g) を含む方法もあ
る。
【0043】(e) 前記透明基板を、その面方向に連続的
に直線移動させる工程。
【0044】(f) 前記工程(e) で移動中の透明基板に対
して、前記レーザ光を照射するレーザ光照射部は移動さ
せずにレーザ光の照射位置を前記透明基板の直線移動方
向と交差する方向に移動させ、前記透明導電膜を直線状
に消失させて前記直線状空隙を形成する工程。
【0045】(g) 前記工程(f) のあと、前記レーザ光の
照射を中断し、前記透明基板に対するレーザ光の照射開
始位置を透明基板の直線移動方向に所定距離だけ移動さ
せ、前記工程(f) に戻る工程。
【0046】前記第2の方法では、透明基板の所定距離
毎の移動と、レーザ光の照射による直線状空隙の形成と
を交互に繰り返すのに対し、第3の方法では、透明基板
を連続的に移動させながら、レーザ光の照射による直線
状空隙の形成を、透明基板に対する照射開始位置を段階
的に変えて繰り返す。基本的な工程や使用装置、処理条
件は前記した第1、2の方法と共通する構成が採用され
る。
【0047】
【発明の実施の形態】〔電極基板の構造〕図2〜図4に
示す電極基板は、PDPの前面基板となるものであり、
透明基板10の表面に、透明導電膜からなる線状電極2
0および位置決めマーク32が形成された段階のものを
表している。
【0048】透明基板10は矩形状のガラス板である。
透明導電膜はITO膜であり、透明導電膜からなる線状
電極20は、透明基板10の中央に、透明基板10の長
辺方向と平行に細い線状に延びており、多数の線状電極
20が間隔をあけて並設されている。
【0049】図4に詳しく示すように、一対の電極20
aと20bとが1組になって、この電極20a、20b
の組が複数組並んで配置される。電極20aの幅W1
電極20bの幅W2 は同じに設定されている。各電極間
の隙間21のうち、各組の電極20a、20b同士の隙
間21の幅G1 は、隣接する組同士の間隔の幅G2 に比
べて狭くなっている。
【0050】図2に示すように、位置決めマーク32
は、外形が正方形状をなす枠部30の中央に十字状の切
り抜きとして形成されている。透明基板10の四隅近く
にそれぞれ配置された位置決めマーク32を基準にし
て、それらの中央に配置される線状電極20の位置と姿
勢を知ることができる。
【0051】電極基板の具体的寸法例を示すと、42イ
ンチサイズのTV受像機となるPDPに対して、560
×1000mmの透明基板10を用い、透明導電膜の厚み
は約1000Åである。線状電極20は、線幅W1 とW
2 が300〜400μm、線間G1 が50〜100μ
m、G2 が200〜400μmの範囲にある一定の値に
設定される。線状電極20の長さは920mmに設定され
る。このような線状電極20aと20bの組が480組
配置される。位置決めマーク32として、透明基板10
の四隅それぞれの近くに、2×2mmの正方形状枠部30
に幅0.1〜0.5mmの十字形をなす位置決めマーク3
2を配置する。〔加工前の透明基板〕図5は、上記のよ
うな構造の電極基板を製造する前の段階の透明基板10
を示している。
【0052】透明基板10の中央には、線状電極20の
形成領域22よりも1回り大きな矩形領域24に透明導
電膜が形成されている。透明基板10の四隅には、位置
決めマーク32を切り抜く前の正方形板状をなす枠部3
0が、やはり透明導電膜で形成されている。枠部30も
最終の仕上がり寸法よりも1回り大きめに形成されてい
る。
【0053】このような透明基板10を作製するには、
ペースト状の透明導電材料を、前記矩形領域24および
枠部30に塗工すればよい。矩形領域24および枠部の
外形精度はそれほど要求されないので、簡単なスクリー
ン印刷などの技術を適用すればよい。 〔電極加工装置〕図6に示す装置は、図5に示す透明基
板10から図2に示す電極基板を製造する。
【0054】透明基板10は、直線移動装置40の移動
台42に取り付けられる。直線移動装置40は、移動台
42が、その下部の固定台46に設置された摺動レール
44の上を、図のX方向に直線的に移動自在に設置され
ている。
【0055】直線移動装置40の上方には、レーザー照
射に関する機構を備えた装置台59が固定設置されてい
る。装置台59には、2台のレーザ発振器50が配置さ
れている。具体的には、レーザ発振器50として、AO
Qsw(電気音響光学素子)を用いた短パルス発振のYA
Gレーザが用いられる。各レーザ発振器50からはレー
ザ光Lが照射される。レーザ光Lは、可変コリメータ5
1、複数のミラー52…、遮蔽板60、回動ミラー7
0、テレセントリックfθレンズ74、矩形ミラー7
6、コンデンサレンズ78を経て、移動台42に載置さ
れた透明基板10の表面に照射される。
【0056】遮蔽板60には矩形状の開口部62が貫通
形成されており、レーザ光Lが開口部62を通過するこ
とで、レーザ光Lの断面形状が制御される。
【0057】具体的には、レーザ発振器50および可変
コリメータ52を通過した段階のレーザ光Lは、その断
面形状が円形あるいは楕円形をなしている。しかし、レ
ーザ光Lが開口部62を通過したあとは、レーザ光Lの
断面形状は、開口部62の形状と同じ矩形状になる。
【0058】回動ミラー70は、ACサーボモータ72
で左右に回動させられる。ACサーボモータ72には高
精度なエンコーダ(図示せず)を備えていて、回動ミラ
ー70の回動位置が正確に制御される。回動ミラーとし
て、ガルバノミラーを用いることもできる。
【0059】回動ミラー70で反射したレーザ光Lは、
その照射方向が一定の角度範囲内で左右に振られる。そ
の後、fθレンズ74を通過し、矩形ミラー76で直角
下方に向けて方向を変えられ、コンデンサレンズ78を
経て、透明基板10の表面に照射されるレーザ光Lの照
射位置は、前記した移動台42すなわち透明基板10の
直線移動方向(X)に対して直交するY方向に変えられ
ることになる。
【0060】装置台59には左右にほぼ対称形になるよ
うに、レーザ発振器50および回転ミラー70などの光
学系が配置されており、同じ透明基板10の左右2個所
に同時にレーザ光Lを照射できるようになっている。 〔電極加工〕図5に示す透明基板10の矩形領域24
に、レーザ光Lを照射して、線状電極20以外の不要部
分の透明導電膜を除去する。
【0061】図6に示すように、レーザ光Lを約100
mJ/mm2のエネルギ密度で連続的なパルス状態で透明基板
10の上に照射しながら、移動台42および透明基板1
0をX方向に移動させる。
【0062】図8〜10に示すように、遮蔽板60の開
口部62で制御されたレーザ光Lは、断面形状Ls が矩
形状になって透明導電膜に照射され、その部分の透明導
電膜を消失させて除去する。透明導電膜が除去された領
域23の外側の部分が線状電極20となる。なお、レー
ザ光Lのエネルギーで溶融した透明導電膜が、除去領域
23の外周縁に沿って盛り上がった形になって畝部25
が形成される。
【0063】図10で、透明基板10が右方向(白矢印
と反対方向)に移動すると、レーザ光Lの照射範囲は相
対的に左方向(白矢印方向)に移動することになり、そ
の部分の透明導電膜を消失させて除去する。これが繰り
返されることで、前記図5の矩形領域24内に、矩形状
の除去領域23が連続的に並んだ線状の消失除去部分す
なわち空隙21が形成されていく。このとき、透明基板
10の移動速度とレーザ光Lのパルス間隔とを同期させ
ることで、隣接する除去領域23の間に隙間があかず、
かつ、不必要な重なりも生じないようにして線状の空隙
21を形成することができる。
【0064】1本の空隙21が形成されれば、図6にお
いて、回転ミラー70を所定角度だけ回動させ、透明基
板10に対するレーザ光Lの照射位置をY方向に一定距
離だけ移動させて、前記作業を繰り返す。このようにし
て、矩形領域24内に、多数の等間隔で平行な空隙21
が形成される。
【0065】図5において、矩形領域24の内側の線状
電極形成領域22に多数の空隙21が形成されたあと、
矩形領域24と形成領域22との間の矩形の枠状部分に
ついても、透明導電膜を削除する。
【0066】このようにして、各空隙21の間で透明導
電膜が削除されずに残った部分が、複数本の線状電極2
0となる。
【0067】なお、図4に示すように、線状電極20a
と線状電極20bとの間隔G1 と、線状電極20bと線
状電極20aとの間隔G2 とが違っている場合、間隔G
1 にレーザ光Lを照射するときに使用する遮蔽板60の
開口部62と、間隔G2 にレーザ光Lを照射するときに
使用する遮蔽板60の開口部62とを、幅の異なるもの
に交換すれば、異なる間隔G1 、G2 で空隙21を形成
することができる。また、開口部62は同じものでも、
幅の広いほうの間隔G2 を形成する際には、レーザ光L
の照射位置を幅方向に少し移動させて複数回の除去作業
を行えば、必要な幅で透明導電膜10を除去することが
できる。
【0068】さらに、位置決めマーク32についても、
前記枠部30にレーザ光Lを照射して、所定パターンに
したがって除去することで、所望のパターン形状を有す
る位置決めマーク32を形成することができる。 〔直線状空隙の間隔精度〕図7に示すように、透明基板
10の透明導電膜を消失除去して、多数の平行な空隙2
1を形成したときに、一つのレーザ発振器50から照射
されたレーザ光Lで順番に形成される空隙21同士のピ
ッチ間隔Pには、一定のバラツキあるいは変動が生じ
る。
【0069】また、2個所のレーザ発振器50のうち、
片方のレーザ発振器50のレーザ光Lで形成される1組
の空隙Q1 と、他方のレーザ発振器50のレーザ光Lで
形成される1組の空隙Q2 との、境界部分のピッチ間隔
12にも、一定のバラツキがある。
【0070】そこで、予め多数の試作実験を行って、境
界部分のピッチ間隔P12のバラツキあるいは位置精度を
測定しておく。
【0071】実際に工業的に電極基板製造を行う際に
も、上記で測定された程度のピッチ間隔P12の誤差が生
じるものと予測される。
【0072】そこで、実際の電極基板の製造工程では、
一つのレーザ発振器50のレーザ光Lで各組Q1 または
2 の各直線状空隙21を加工する際に、レーザ光Lの
照射位置を移動させる際の位置精度すなわちピッチ間隔
Pの精度を、前記で予測されたピッチ間隔P12と同じ程
度に設定する。
【0073】具体例を示すと、左右の組の境界部分の空
隙21同士の予測されるピッチ間隔P12が±10μmで
あれば、各組内での直線状空隙21の位置精度すなわち
ピッチ間隔Pも±10μmにする。なお、ピッチ間隔
P、P12の精度とは、最大最小値の差だけでなく、バラ
ツキ度あるいは標準偏差値などでも評価され、これらの
総合的な位置精度を、ピッチ間隔Pとピッチ間隔12とで
同じ程度になるように設定しておけばよい。
【0074】各組内での直線状空隙21の位置精度を変
えるには、例えば、レーザ光Lの照射装置において、回
動ミラー70の回動角度の精度を変えればよく、回動角
度を決めるエンコーダの制御を調整することで回動角度
の精度が設定できる。 〔隅部が円弧状の開口部〕図11、図12に示す実施形
態は、遮蔽板60の開口部62の構造が前記実施形態と
異なる。
【0075】図11に示すように、開口部62が、概略
矩形状をなすとともに、矩形の四隅部64が円弧状に丸
められている。
【0076】このような開口部62を有する遮蔽板60
を用いて、前記同様に線状電極20の形成を行うと、図
12に示すように、レーザ光Lによる除去領域23は、
隅部Lc に丸みのある矩形状になる。
【0077】前記図8に示す矩形状の開口部62を採用
した場合に形成される除去領域23は、図10に示すよ
うに、隅部27に角のある矩形状である。この場合、直
交する2辺が鋭角で交わる隅部27で、レーザ光Lの回
折作用が生じ易い。また、透明導電膜が溶融したときの
熱応力や歪みなどの影響も隅部27に集中し易い。その
結果、隅部27の周辺で、除去領域23の輪郭が不明瞭
になり、除去領域23の内周縁に凹凸が生じてしまうこ
とがある。このような輪郭が不明瞭な部分を有する除去
領域23を並べて、線状電極20の外形が形成される
と、線状電極20の外形線も不明瞭になり、線幅の精度
も低下し易い。線状電極20の外形が不明瞭になれば、
PDPを構成したときの電極性能や画像表示品質にも悪
影響が生じる。
【0078】これに対し、図12に示すように、除去領
域23の隅部27が丸みを有していれば、直交する2辺
が滑らかに移行するので、レーザ光Lの回折が起き難く
なる。熱応力や歪みも集中し難い。その結果、除去領域
23の輪郭は明瞭になり、滑らかな外形を有するものと
なる。
【0079】このように明瞭で滑らかな外形を有する除
去領域23を並べて、線状電極20の外形を形成すれ
ば、線状電極20の外形は明瞭で滑らかなものとなり、
線幅の精度が向上し、PDPの品質性能を向上させるこ
とができる。
【0080】なお、この実施形態の場合、隣接して形成
される除去領域23同士の境界部分では、除去領域23
の隅部27に相当する幅だけ重ねるようにしてレーザ光
Lを照射することで、線状電極20の外形に隅部27の
丸みが表れないようにすることができる。 〔開口部の位置変更〕図13〜図15に示す実施形態
は、遮蔽板60の開口部62と、レーザ光Lのビーム断
面Ls との位置をずらせる。
【0081】図13に示すように、遮蔽板60に形成さ
れる矩形状の開口部62の位置を、遮蔽板60の中心に
対して側方に少しずらせている。レーザ光Lは、遮蔽板
60の中心と同心位置に照射される。
【0082】その結果、開口部62の側方部分が、レー
ザ光Lのビーム断面Ls よりも少し外側に配置されるこ
とになる。ビーム断面Ls の外周縁の一部が、開口部6
2の内縁よりも少し内側に配置されている。
【0083】図14は、レーザ光Lを透明基板10に照
射したときの状態を表している。レーザ光Lによる透明
導体膜の除去領域23のうち、レーザ光Lのビーム断面
Lsが開口部62の内縁よりも内側に配置されていた側
(図中、左側)では、レーザ光Lの外縁でエネルギーが
徐々に弱くなっている部分が透明導体膜に照射されるた
め、前記した畝部25が形成されない。
【0084】図15に示す平面形状では、ビーム断面L
s の楕円形状をなす外縁にしたがって、除去領域23の
一部が楕円形をなしている。この楕円形の部分には、畝
部25も形成されていない。
【0085】レーザ光Lを透明基板10と相対移動させ
て、前記のような構造の除去領域23を並べて形成して
いくと、先に形成された除去領域23の隣に新たな除去
領域23を形成したときに、新たに形成する除去領域2
3では、先に形成された除去領域23の畝部25を消失
除去させる必要がない。新たな除去領域23は、先の除
去領域23のうちの畝部25がない楕円形の周縁を有す
る平坦な部分に重ねて形成されるからである。
【0086】畝部25は、透明導体膜の他の部分に比べ
て厚みが増えているから、レーザ光Lによる消失作用が
行われ難い。畝部25を完全に消失させるには、それだ
け強い高エネルギーのレーザ光Lが必要になる。畝部2
5を完全に消失できるだけの過大なエネルギー強度を与
えることで、畝部25以外の透明導体膜の加工に悪影響
を及ぼす可能性が生じる。
【0087】したがって、上記実施形態では、畝部25
を消失させる必要がない分だけ、レーザ光Lの消費エネ
ルギーを小さくできたり、作業能率を高めたり、仕上が
りを良好にできることになる。
【0088】上記実施形態で、遮蔽板60に配置する開
口部62を、前記図11に示されたような、隅部に丸み
がある矩形状にしておくこともできる。この場合には、
図15における除去領域23の隅部27が、円弧状の明
瞭で滑らかな形状に変わることになり、形成される線状
電極20の外形が明瞭で精度の高いものとなる。 〔レーザ光の走査による空隙の形成〕図16に示す実施
形態では、1本毎の空隙21の形成を、透明基板10を
移動させる代わりに、レーザ光Lの照射位置の移動によ
って形成する。
【0089】基本的な製造装置は、前記実施形態で使用
される図6の装置と同様である。
【0090】但し、製造工程としては、まず、透明基板
10を、形成する線状電極20すなわち空隙21の延び
る方向が、透明基板10の移動方向Xと直交するY方向
になるように透明基板10が配置される。
【0091】透明基板10を停止させた状態で、レーザ
光Lの照射位置を、透明基板10の移動方向と直交する
直線方向Yに移動させる。レーザ光Lの照射に伴って直
線状の空隙21が形成される。レーザ光Lを空隙21の
末端まで照射したあと、レーザLの照射を一旦止める。
【0092】次に、透明基板10を、空隙21と直交す
るX方向に、空隙21同士のピッチ間隔に相当する距離
だけ移動させる。その後、前記同様に、レーザ光Lの照
射を開始する。
【0093】このような工程を繰り返すことで、透明基
板10の表面には、平行に並んだ多数の直線状空隙21
が形成され、空隙21の間に残った透明導電膜が線状電
極20となる。
【0094】上記実施形態では、1本の空隙21を、回
転ミラー70の回転によるレーザ光Lの照射位置の移動
によって形成するので、透明基板10の機械的な移動に
比べて、高速かつ高精度に空隙21を形成することがで
きる。
【0095】透明基板10の移動は、いわゆるピッチ送
りになる段階的な移動だけであるので、それほど高い移
動精度や速い移動速度は要求されない。移動台42にも
高い剛性を要求されないので、直線移動装置40の構造
が簡略化でき、装置全体の軽量化、小型化に適してい
る。
【0096】なお、図16の装置は、レーザ光Lを1本
だけ使用しているが、前記した図6の装置のように、複
数本のレーザ光Lを用いることもできる。この場合、1
本の空隙21を、複数本のレーザ光Lで分割して形成す
ることになる。各々のレーザ光Lについては、レーザ光
Lの照射位置の移動範囲が半分で済み、回転ミラー70
の回動角度も狭くて良いので、作業能率が向上する。 〔透明基板の連続移動〕図17に示す実施形態は、図1
6に示す製造装置を用いるが、透明基板10をピッチ送
りせずに、連続的に移動させる。
【0097】図17(a) に示すように、透明基板10は
速度Vで連続的に移動させておく。透明基板10をX方
向に一定速度Vで移動させながら、レーザ光Lを、透明
基板10の移動方向Xと交差するほぼY方向にA点から
B点まで移動させれば、空隙21が形成される。
【0098】但し、レーザ光Lを正確にX方向と直交す
るY方向に移動させると、レーザLの照射中にも透明基
板10は移動しているので、透明基板10に対してY方
向から少し斜めにずれた方向にレーザ光Lが照射され、
斜め方向の空隙21が形成されることになる。
【0099】透明基板10の設置姿勢を、レーザ光Lの
照射経路に対して少し斜めにずらせた状態で設置してお
けば、透明基板10の外形側辺と平行または直交する方
向に空隙21を形成することができる。
【0100】また、図17(b) に示すように、レーザ光
Lの固定平面に対する照射方向A−B1 を、透明基板1
0の移動方向Xと直交するY方向A−B0 に対して、少
し斜めに傾けた状態にしておけば、レーザ光Lを固定平
面上でA−B1 線に沿って照射したときに、移動してい
る透明基板10の表面ではA−B線(A−B0 )に沿っ
て延びる空隙21を形成することができる。
【0101】上記レーザ光Lの傾き、すなわち、空隙2
1の長さA−Bに対するずれB1 −B0 の距離ΔXは、
レーザ光LがA−B2 を移動する時間に透明基板10の
速度Vを掛けたものとなる。この値を予め、レーザ光L
の照射装置の設置あるいは作動条件として補正しておけ
ばよい。また、コンピュータなどを備えた制御装置で、
透明基板10の移動速度とレーザ光Lの走査速度とのデ
ータを処理演算して、適切な補正を行うようにすること
もできる。
【0102】なお、レーザ光Lを透明基板10の表面で
B点まで照射したあとは、レーザ光Lの照射を一旦止め
るとともに、回転ミラー70の作動位置をレーザ光Lの
照射開始位置になるA点側に戻す。この間も透明基板1
0は移動している。
【0103】次に、レーザ光Lの照射を開始すると、先
に形成された空隙21の照射開始位置Aよりも所定距離
だけ移動した位置A′から、レーザ光Lの照射が開始さ
れ、新たな空隙21が形成されることになる。レーザ光
Lの照射を中断している時間を制御することで、隣接し
て形成される空隙21同士の間隔を調整することができ
る。
【0104】上記実施形態では、透明基板10の移動を
一次的に止めておく時間がないので、その分だけ作業時
間が短縮され、作業能率が向上する。
【0105】
【発明の効果】本発明にかかるPDPの電極基板製造方
法は、透明基板に形成された透明導体膜から、不要部分
をレーザ光の照射によって消失除去し、残された部分を
線状電極として形成するので、従来のフォトリソグラフ
法による電極作製に比べて、工程が少なく設備も簡単に
なる。レーザ光の照射位置と透明基板との相対移動を制
御するだけで、様々な寸法あるいは配置パターンの線状
電極が容易に作製でき、設計変更にも迅速に対応するこ
とができる。
【0106】レーザ光の照射位置を変えずに透明基板を
直線移動させて、透明導電膜に線状電極を形成するため
の直線状空隙を形成し、この工程をレーザ光の照射位置
を移動させながら実行することで多数の平行な直線状空
隙を形成すれば、正確な直線状で形状精度の高い線状電
極を効率的に作製することができる。
【0107】レーザ光の照射位置を直線的に移動させて
直線状空隙を形成すれば、高速かつ高精度に空隙が形成
できる。透明基板の移動構造が簡単になる。
【0108】透明基板を連続的に移動させながら、レー
ザ光の照射位置を移動させて空隙を形成すれば、透明基
板を停止させておく時間が必要ないので、作業能率が向
上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を表すPDPの模式的構造図
【図2】電極基板の平面図
【図3】電極基板の要部断面図
【図4】線状電極の配置構造図
【図5】線状電極加工前の電極基板の平面図
【図6】線状電極加工装置の全体構造斜視図
【図7】直線状空隙の加工状態を表す平面図
【図8】別の実施形態を表す遮蔽板の正面図
【図9】透明導電膜の加工部分を表す拡大断面図
【図10】同上の平面図
【図11】別の実施形態を表す遮蔽板の正面図
【図12】透明導電膜の加工部分を表す拡大断面図
【図13】別の実施形態を表す遮蔽板の正面図
【図14】透明導電膜の加工部分を表す拡大断面図
【図15】同上の平面図
【図16】別の実施形態を表す線状電極加工装置の全体
構造斜視図
【図17】別の実施形態を表す透明基板の平面図(a) お
よび説明図(b)
【符号の説明】
10 透明基板 20 線状電極 21 直線状空隙 32 位置決めマーク 40 直線移動装置 42 移動台 50 レーザ発振器 60 遮蔽板 62 開口部 70 回動ミラー 72 ACサーボモータ 74 fθレンズ L レーザ光 Ls レーザビーム断面
フロントページの続き Fターム(参考) 4E068 AC00 CD02 CE01 CE03 DA11 5C027 AA01 AA02 5C040 FA01 FA04 GB03 GB14 GC06 GC19 JA02 JA11 JA31 JA34 LA17 MA24 MA26 5C058 AA11 AB01 BA35

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明基板の表面に形成された透明導電膜
    にレーザ光を照射し、透明導電膜を消失させて多数の平
    行な直線状空隙を形成し、この直線状空隙の間に残った
    透明導電膜を線状電極とする、プラズマディスプレイパ
    ネルの電極基板を製造する方法であって、以下の工程
    (a) (b) を繰り返すことを含むプラズマディスプレイパ
    ネルの電極基板製造方法。(a) 前記レーザ光を同じ位置
    に照射しながら、前記透明基板を直線移動させ、前記透
    明導電膜を直線状に消失させて前記直線状空隙を形成す
    る工程。(b) 前記レーザ光を照射するレーザ光照射部は
    移動させずに、レーザ光の照射位置を、前記透明基板の
    直線移動方向と直交する方向に所定距離だけ移動させる
    工程。
  2. 【請求項2】 前記工程(b) が、前記レーザ光の照射経
    路に配置された回動ミラーでレーザ光の照射方向を変え
    てレーザ光の照射位置を移動させる請求項1に記載のプ
    ラズマディスプレイパネルの電極基板製造方法。
  3. 【請求項3】 前記多数の直線状空隙を複数組に分解
    し、各組の直線状空隙をそれぞれ別のレーザ光を照射し
    て形成し、 同じ組の直線状空隙同士の間隔精度を、隣接する別の組
    の末端の直線状空隙との間の予測される間隔精度と同じ
    にしておく請求項1または2に記載のプラズマディスプ
    レイパネルの電極基板製造方法。
  4. 【請求項4】 透明基板の表面に形成された透明導電膜
    にレーザ光を照射し、透明導電膜を消失させて多数の平
    行な空隙を形成し、この空隙の間に残った透明導電膜を
    線状電極とする、プラズマディスプレイパネルの電極基
    板を製造する装置であって、 透明基板を保持し、直線移動自在な直線移動台と、 前記直線移動台に保持された透明基板にレーザ光を照射
    し、レーザ光の照射位置が前記直線移動台の移動方向と
    直交する方向に移動自在なレーザ光照射部とを備えるプ
    ラズマディスプレイパネルの電極基板製造装置。
  5. 【請求項5】 前記レーザ光照射部が、レーザ光を出力
    するレーザ出力部と、レーザ出力部から出力されたレー
    ザ光を前記直線移動台まで導く光学系と、光学系に配置
    されレーザ光の照射方向を変える回動ミラーとを備える
    請求項4に記載のプラズマディスプレイパネルの電極基
    板製造装置。
  6. 【請求項6】 前記レーザ光照射部を複数備える請求項
    4または5に記載のプラズマディスプレイパネルの電極
    基板製造装置。
  7. 【請求項7】 基板の表面に形成された被加工膜にレー
    ザ光を照射し、被加工膜を消失させて多数の平行な直線
    状空隙を形成し、この直線状空隙の間に残った被加工膜
    を線状の加工形状部とする、レーザ加工方法であって、
    以下の工程(a)(b) を繰り返すことを含むレーザ加工方
    法。 (a) 前記レーザ光を同じ位置に照射しながら、前記基板
    を直線移動させ、前記被加工膜を直線状に消失させて前
    記直線状空隙を形成する工程。 (b) 前記レーザ光の照射位置を、レーザ光を照射するレ
    ーザ光照射部は移動させずに、前記基板の直線移動方向
    と直交する方向に所定距離だけ移動させる工程。
  8. 【請求項8】 透明基板の表面に形成された透明導電膜
    にレーザ光を照射し、透明導電膜を消失させて多数の平
    行な直線状空隙を形成し、この直線状空隙の間に残った
    透明導電膜を線状電極とする、プラズマディスプレイパ
    ネルの電極基板を製造する方法であって、以下の工程
    (c) (d) を繰り返すことを含むプラズマディスプレイパ
    ネルの電極基板製造方法。 (c) 前記レーザ光を照射するレーザ光照射部は移動させ
    ずに、前記透明基板に対するレーザ光の照射位置を直線
    移動させ、前記透明導電膜を直線状に消失させて前記直
    線状空隙を形成する工程。 (d) 前記透明基板を、前記レーザ光の照射位置の直線移
    動方向と直交する方向に所定距離だけ移動させる工程。
  9. 【請求項9】 透明基板の表面に形成された透明導電膜
    にレーザ光を照射し、透明導電膜を消失させて多数の平
    行な直線状空隙を形成し、この直線状空隙の間に残った
    透明導電膜を線状電極とする、プラズマディスプレイパ
    ネルの電極基板を製造する方法であって、以下の工程
    (e) (f) (g) を含むプラズマディスプレイパネルの電極
    基板製造方法。 (e) 前記透明基板を、その面方向に連続的に直線移動さ
    せる工程。 (f) 前記工程(e) で移動中の透明基板に対して、前記レ
    ーザ光を照射するレーザ光照射部は移動させずにレーザ
    光の照射位置を前記透明基板の直線移動方向と交差する
    方向に移動させ、前記透明導電膜を直線状に消失させて
    前記直線状空隙を形成する工程。 (g) 前記工程(f) のあと、前記レーザ光の照射を中断
    し、前記透明基板に対するレーザ光の照射開始位置を透
    明基板の直線移動方向に所定距離だけ移動させ、前記工
    程(f) に戻る工程。
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