JP4615231B2 - スクライブ装置およびこの装置を用いたスクライブ方法 - Google Patents

スクライブ装置およびこの装置を用いたスクライブ方法 Download PDF

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Description

この発明は、レーザビームを用いて脆性材料基板にスクライブラインを形成するスクライブ装置およびこの装置を用いたスクライブ方法に関する。
平面表示パネル(以下、FPDと称する)の一種である液晶表示パネルは、2枚のガラス基板を貼り合わせ、そのギャップに液晶が注入されて表示パネルを構成する。また、LCOSと呼ばれるプロジェクター用基板の内の反射型の基板の場合は、石英基板と半導体ウェハーとが貼り合わせられた一対の脆性基板が用いられる。このような脆性基板を貼り合わせた貼り合わせ基板は、通常、貼り合わせマザー基板表面にスクライブラインを形成し、次いで形成されたスクライブラインに沿って基板をブレークすることにより割断して個別の単体としての貼り合わせ基板を得る。
特許文献1には、レーザビームを用いて脆性基板の表面にスクライブラインを形成する方法が開示されている。
特許第3027768号公報 特願2002−170520号 特願2002−234049号 特開2000−233930号公報
図14は、レーザビームを用いて脆性基板の表面にスクライブラインを形成するスクライブ装置を用いてスクライブする状況を説明する図であり、図15は、図14のスクライブ装置の光学系を説明する図である。
図14に示すように、スクライブ装置は、レーザ照射装置から出力されるレーザビームを加工する光学系を含むレーザ照射装置101と、冷却水等の冷却媒体を吐出する冷却ノズル102とから主に構成されている。
レーザ照射装置101は、図15に示すように、レーザビームを発振するレーザビーム発振器110と、ミラー111と、レーザビームを所定の寸法、形状に形成するレンズ群112とから主に構成される。
図16は、レーザ照射装置101からガラス基板Gに照射されるレーザビームLB0のエネルギー分布(上段)と、ビームスポットBS0の形状(下段)を説明する図である。
図16に示されたレーザビームLB0のエネルギー分布の形状は、ガウシアン分布と称され、レーザビームLB0のエネルギー強度は、スクライブラインに沿って正規分布をしている。また、ビームスポットBS0は、楕円形状であり、スクライブラインに対して長軸が一致するように形成される。
ガラス基板Gにスクライブラインを形成する際には、図15に示すように、まず、ガラス基板Gの側縁部に、スクライブライン形成予定ラインに沿って、予め初期亀裂TRを形成しておき、その初期亀裂TRからスクライブライン形成予定ラインに沿って、レーザ照射装置101からレーザビームLB0が照射される。レーザ照射装置101から照射されるレーザビームLB0は、スクライブ予定ラインに沿って、長円形状のビームスポットBS0を基板上に形成する。ガラス基板Gは、レーザビームLB0に対して、ビームスポットBS0の長手方向に沿って相対的に移動させられる。
レーザ照射装置101から発振されるレーザビームLB0は、エネルギー強度分布が正規分布になっており、レーザ照射装置101内に設けられた光学系によって、図16に示すような楕円形状のビームスポットBS0とされて、しかも、その長軸方向が、スクライブ予定ラインに平行になるように、スクライブ装置の回転テーブル26上に載置されたガラス基板Gに照射される。
また、ガラス基板Gの表面におけるレーザビームLB0が照射されて加熱された領域の近傍に、冷却水等の冷却媒体が、冷却ノズル102から吹き付けられるよう構成されている。レーザビームLB0が照射されるガラス基板Gの表面には、レーザビームLB0による加熱によって圧縮応力が生じ、その近傍の領域に冷却媒体が吹き付けられることにより、引張り応力が生じる。圧縮応力が生じている領域と、引張り応力が生じている領域との間には、それぞれの応力に基づく応力勾配が発生し、ガラス基板Gには、スクライブライン形成予定ラインに沿った垂直クラックが、予め形成された前記初期亀裂TRから進展していく。
この垂直クラックは、微細であるため、肉眼で目視することができず、ブラインドクラックと称せられている。ブラインドクラックがガラス基板Gに形成された後、ガラス基板Gは、ブラインドクラックの幅方向に曲げモーメントが作用するように外力が加えられ,それによってブラインドクラックに沿って分断される。
特許文献1には、放射ビームを用いて、脆性非金属材料をその表面に沿う所望方向で表面から内部に至る亀裂を形成することによって分断する方法が開示されている。
この方法では、脆性材料の軟化点よりも低い温度にまで前記表面を加熱し、意図する亀裂形成予定線上にあって、加熱された前記ターゲット領域から後方側へ向かって選択された距離だけ離れた位置にある加熱表面領域へ流体冷媒の流れを指向させ、放射ビームと脆性材料との相対的な移動を、前記距離を含む式:V=ka(b+L)/δによって規定される速度で行われる分断方法が開示されている。
ただし、上記の式において、各記号、
V:ビームスポットおよび材料の相対的な移動速度
k:材料の熱物理特性およびビームの出力密度に依存した比例係数
a:材料表面上の加熱ビームスポットの短軸方向の寸法
b:材料表面上の加熱ビームスポットの長軸方向の寸法
L:加熱ビームスポットの後端から冷却帯域の前端縁までの距離
δ:ブラインドクラックの深さ、はそれぞれの値が代入される。
特許文献2には、レーザービームを用いて、脆性材料基板をその表面に沿う所望方向で表面から内部に至るブラインドクラックを形成することによって分断する装置が開示されている。
この装置では、一方向に移動するガラス板にレーザービームを照射して加熱し、加熱部位の下流側においてノズルより冷媒を吹き付け、急速冷却してガラス板を切断する際に、ノズルのガラス板に対する吹き付け角度をガラス板の移動方向に対して特定角度に保持することにより、加熱部位に冷媒が流れ込むことを防止する。これにより、冷媒の飛散を抑え、ビームスポットの形成領域と冷却スポットの間に良好な応力勾配を形成することができるので、垂直方向に深いブラインドクラックを形成することができる。
特許文献3には、レーザービームを用いて、脆性材料基板をその表面に沿う所望方向で表面から内部に至るブラインドクラックを形成することによって分断する方法が開示されている。
この方法では、レーザービームの照射によって形成されるビームスポットの内部の任意の位置に冷却媒体を吹きかける技術が開示されている。これにより、板厚の薄い脆性基板がフルボディカットされることなく、分断に適切な深さのブラインドクラックを形成することができるとともに、レーザービームの出力の幅を広げることができる。
特許文献4には、レーザービームを用いて、脆性材料基板をその表面に沿う所望方向で表面から内部に至るブラインドクラックを形成することによって分断する方法が開示されている。
この方法では、レーザービームの照射によって形成されるビームスポットの後方のスクライブ予定ラインに沿った領域付近を冷却する主冷却スポットと、前記主冷却スポットよりもレーザスポット側にあって、スクライブ予定ラインに沿った領域付近を冷却するアシスト冷却スポットとを形成する技術が開示されている。これにより、ビームスポットの形成領域と冷却スポットの間に良好な応力勾配を形成することができるので、垂直方向に深いブラインドクラックを形成することができる。
前記した従来のスクライブ方法では、使用するレーザビームのエネルギー分布がガウシアン分布であるため、レーザビームのビームスポットを用いてスクライブを行うと、次の問題があった。
すなわち、ビームスポットの中央付近ではエネルギー強度が高く、それに比較してビームスポットの両端部はエネルギー強度がかなり低くなるので、ビームスポットの中央付近で基板表面は基板材料の溶融温度に直ぐに近づくが、ビームスポットの両端部は加熱が充分ではなく、ビームスポットの幅広い領域を有効に利用できないという問題があった。
したがって、基板内部の広い領域に対して短時間に十分な熱伝達が行われにくいので、分断面、つまりスクライブラインに沿って分断された基板の端面、の品質を下げずに切断速度を上げることは困難であった。
一方、スクライブ速度の向上を図るために、レーザビームの出力を高めると、スクライブ装置は大型化され、スクライブ装置が高価になる上に、設置面積の増大を招くことになる。
この発明はこのような従来の問題点に鑑みてなされたものであり、ブラインドクラックの深さを維持しながら、スクライブ速度を上げ、安定したスクライブラインが形成できるスクライブ装置およびそれを用いるスクライブ方法を提供することを目的とする。
この発明によれば、基板の表面におけるスクライブラインが形成されるスクライブ形成
予定ラインに沿ってクラックを形成するスクライブ装置であって、基板の軟化温度よりも低い温度のビームスポットが形成されるようにレーザビームを基板に対して相対移動させながら連続的に照射する照射手段と、照射手段によって加熱された基板表面の領域近傍を冷却する冷却手段とを具備し、照射手段は、ガウシアン分布のエネルギー分布を有するレーザビームを出射するレーザ発振器と、レーザ発振器から出射されたレーザビームのエネルギー分布を、ガウシアン分布に比べて均一になるように変えて基板上に出射するミラーユニットとを含み、ミラーユニットは、入射されたレーザビームのスクライブライン方向における両端部を反射させて基板上に照射する1対のミラーを有し、前記一対のミラーは、入射されたレーザビームのスクライブライン方向における両端部を内側に折り返すように反射させる、スクライブ装置が提供される。

これにより、基板の分断に適切な深さの垂直クラックを形成することが容易になり、スクライブラインを形成した後、基板を分断する際に好ましくないクラックや基板の欠けの発生を防止でき、分断面の品質が格段に向上する。
また、スクライブ速度の向上を図るとともにレーザビームの出力を抑えることができるので、装置は小型化され、設置面積も小さくなる。
以下、この発明の実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
なお、本発明の基板の材質からみた形態としては、脆性基板であるセラミック基板、石英基板、半導体基板およびガラス基板が含まれる。
また、本発明の基板の構成上の形態としては、1枚の基板からなる単板、一対の基板が貼り合わせられた貼り合わせ基板および複数の基板を積層した積層基板が含まれる。
以下の実施の形態では、FPDのパネル基板を製造するに際し、一対の脆性基板が貼りあわされたマザー基板または小マザー基板を単位基板に割断する例として、液晶表示パネルを用いて加工する場合を示すが、この発明の基板割断装置および基板割断方法は、これらの適用例だけに限定されるものではない。
〔実施の形態1〕
図1は、本発明の脆性材料基板のスクライブ装置の実施形態を示す概略構成図である。本発明のスクライブ装置は、例えば、マザーガラス基板GからFPDに使用される複数のガラス基板に分断するためのスクライブラインを形成する装置である。この装置は、水平な架台11上に所定の水平方向(Y方向)に沿って往復移動するスライドテーブル12を有している。
スライドテーブル12は、架台11の上面にY方向に沿って平行に配置された一対のガイドレール14および15に、水平な状態で各ガイドレール14および15に沿ってスライド可能に支持されている。両ガイドレール14および15の中間部には、各ガイドレール14および15と平行にボールネジ13が、モータ(図示せず)によって回転するように設けられている。ボールネジ13は、正転および逆転可能になっており、このボールネジ13にボールナット16が螺合する状態で取り付けられている。
ボールナット16は、スライドテーブル12に回転しない状態で一体的に取り付けられており、ボールネジ13の正転および逆転によって、ボールネジ13に沿って両方向にスライドする。これにより、ボールナット16と一体的に取り付けられたスライドテーブル12が、各ガイドレール14および15に沿ってY方向にスライドする。
スライドテーブル12上には、台座19が水平な状態で配置されている。台座19は、スライドテーブル12上に平行に配置された一対のガイドレール21に、スライド可能に支持されている。各ガイドレール21は、スライドテーブル12のスライド方向であるY方向と直交するX方向に沿って配置されている。また、各ガイドレール21間の中央部には、各ガイドレール21と平行にボールネジ22が配置されており、ボールネジ22がモータ23によって正転および逆転されるようになっている。
ボールネジ22には、ボールナット24が螺合する状態で取り付けられている。ボールナット24は、台座19に回転しない状態で一体的に取り付けられており、ボールネジ22の正転および逆転によって、ボールネジ22に沿って両方向に移動する。これにより、台座19が、各ガイドレール21に沿ったX方向にスライドする。
台座19上には、回転機構25が設けられており、この回転機構25上に、切断対象であるマザーガラス基板Gが載置される回転テーブル26が、水平な状態で設けられている。回転機構25は、回転テーブル26を、垂直方向に沿った中心軸の周りに回転させるようになっており、基準位置に対して任意の回転角度θになるように、回転テーブル26を回転させることができる。回転テーブル26上には、マザーガラス基板Gが、例えば吸引チャックによって固定される。
回転テーブル26の上方には、回転テーブル26とは適当な間隔をあけて、支持台31が配置されている。この支持台31は、垂直状態で配置された光学ホルダー33の下端部に水平な状態で支持されている。光学ホルダー33の上端部は、架台11上に設けられた取付台32の下面に取り付けられている。取付台32上には、レーザビームを発振するレーザ発振器34が設けられており、レーザ発振器34から発振されるレーザビームが、光学ホルダー33内に保持された光学系4に照射される。
図2は、光学ホルダー33内に保持された光学系4の構成を説明する図である。
図2に示すように、光学系4は、レーザビーム発振器34から出射されるレーザビームを反射するミラー41と、レーザビームを所定の寸法、形状に形成するレンズ群42と、後述するDOE43と、フィードバックによる光学系補正手段の一部を構成し、レーザビームの強度を検出する検出手段45および3軸テーブル46とから主に構成される。
支持台31には、光学ホルダー33に対して適当な間隔をあけて、回転テーブル26上に載置されたマザーガラス基板Gに対向して、アシスト冷却ノズル20が配置されている。このアシスト冷却ノズル20は、光学ホルダー33から照射されるレーザビームによってマザーガラス基板に形成されるビームスポットLS1の後方の位置に、冷却水、水と圧縮空気の混合流体、圧縮空気、Heガス等の冷却媒体を吹き付けるようになっている。
また、支持台31には、このアシスト冷却ノズル20に対して4mm以上の間隔をあけて、主冷却ノズル37が配置されている。この主冷却ノズル37は、アシスト冷却ノズル20にて冷却されたマザーガラス基板の後方の位置に、冷却水、水と圧縮空気の混合流体、圧縮空気、Heガス等の冷却媒体を吹き付けるようになっている。
主冷却ノズル37からマザーガラス基板Gに吹き付けられる冷却媒体の冷却温度は、アシスト冷却ノズル20からマザーガラス基板Gに吹き付けられる冷却媒体の冷却温度よりも低くなっている。
また、支持台31には、光学ホルダー33から照射されるビームスポットLS1に対して、主冷却ノズル37とは反対側に、回転テーブル26上に載置されたマザーガラス基板Gに対向して、カッターホイール35が設けられている。カッターホイール35は、光学ホルダー33から照射されるビームスポットLS1の長軸方向に沿って配置されており、回転テーブル26上に載置されたマザーガラス基板Gの側縁部に、スクライブ予定ラインに沿う方向に切り込み(切れ目)を形成する。
なお、スライドテーブル12および台座19の位置決め、回転機構25、レーザ発振器34等は、制御部(図示せず)によって制御される。
このようなスクライブ装置によってマザーガラス基板Gの表面にブラインドクラックを形成する場合には、まず、マザーガラス基板Gのサイズ、スクライブ予定ラインの位置等の情報が、制御部に入力される。
そして、マザーガラス基板Gが、回転テーブル26上に載置されて吸引手段によって固定される。このような状態になると、CCDカメラ38および39によって、マザーガラス基板Gに設けられたアライメントマークが撮像される。撮像されたアライメントマークは、モニター28および29によって表示され、画像処理装置でマザーガラス基板G上のアライメントマークの位置情報が処理される。
回転テーブル26が支持台31に対して位置決めされると、回転テーブル26がX方向に沿ってスライドされて、マザーガラス基板Gの側縁部におけるスクライブ予定ラインが、カッターホイール35に対向される。そして、カッターホイール35が下降されて、マザーガラス基板Gのスクライブ予定ラインの側縁部に切り込み(切れ目)TRが形成される。
その後、回転テーブル26が、スクライブ予定ラインに沿ってX方向にスライドされつつ、レーザ発振装置34から、レーザビームが発振され、また、アシスト冷却ノズル20から、冷却水等の冷却媒体が噴射されるとともに、主冷却ノズル37から冷却水等が圧縮エアーとともに噴射される。
レーザ発振装置34から発振されるレーザビームにより、マザーガラス基板G上には、マザーガラス基板Gの走査方向に沿って、X軸方向に沿って長くなった楕円形状のビームスポットLS1が形成される。そして、そのビームスポットLS1の後方に、アシスト冷却ノズル20から、冷却媒体がスクライブ予定ラインに沿って吹き付けられてアシスト冷却ポイントが形成される。さらに、そのアシスト冷却ポイントの後方に、主冷却ノズル37から冷却媒体がスクライブ予定ラインSLに沿って吹き付けられて、主冷却ポイントが形成される。
これにより、前述したように、ビームスポットLS1による加熱と、アシスト冷却ポイントおよび主冷却ポイントによる冷却によって形成される応力勾配により、マザーガラス基板Gに、垂直なブラインドクラックが深く形成される。
ブラインドクラックがマザーガラス基板Gに形成されると、マザーガラス基板Gは、次の分断工程に供給されて、ブラインドクラックの幅方向に曲げモーメントが作用するように、マザーガラス基板に力が加えられる。これにより、マザーガラス基板Gは、その側縁部に設けられた切り込みTRから、ブラインドクラックに沿って分断される。
図2のDOE(Diffractive Optical Element)43について、説明する。
DOEとは、その表面にμmオーダーのサイズで形成された凹凸微細形状パターンによって、光の方向、位相、強さなどを自由に変えることができる回折型光学部品であり、温度安定性にすぐれた材料、例えば、Ge(ゲルマニウム)、ZnSe(セレン化亜鉛)、石英、水晶等を材料として構成される。
DOEは、フォトリソグラフィおよびエッチングを含む従来のLSI製造技術を用いて製造できる。
具体的には、ZnSe基板上に塗布したフォトレジストをフォトマスクを介してUV(紫外線)光露光し、現像することによりパターンを転写する。
次いで、それを反応性イオンエッチング(RIE)によって所定の深さまで基板を削ってやり、最後にレジストを除去する。
図2の光学系4について、説明する。
光学系4は、レーザ発振器34から出射されDOE43に入射される前のレーザビームのエネルギー分布の変動に応じて、レーザ発振器34からDOE43に到る光路においてDOE43の位置を相対移動させたり、DOE43に入射するレーザビームの入射角度を制御するべく、DOE43の傾き角度を変化させる。このような制御を実行しつつ、基板GをDOE43に対して相対移動させる。
光学系4の動作の一例について、説明する。
レンズ42とDOE43の間の光路には、レーザビームのエネルギー強度を検出する検出手段45が配置される。DOE43は、X・Y軸およびθ軸に座標データを有する3軸テーブル46に支持されている。検出手段45および3軸テーブル46は、フィードバック回路を有する、図示しない光学系補正制御部に接続されている。
レーザ発振器34から出射されたレーザビームは、レンズ42を経て検出手段45に入射される。光学系補正制御部は、検出手段45に入射されたレーザビームのエネルギー強度を計測し、得られた計測値に基づいてレーザビームのエネルギー強度分布を得る。次いで、エネルギー強度分布のピーク位置を求め、それまでのピーク位置とを比較してピーク位置のずれ量を検出する。
次いで、検出されたピーク位置のずれ量に基づいてDOE43の座標データを補正し、補正後の座標データに基づいて3軸テーブル46の駆動モータを駆動する。
これにより、DOE43に入射されるレーザビームは、そのエネルギー強度分布のピーク位置の変化を連続して把握することにより、DOE43に適正な入射角度および入射位置で入射されるよう光学系4の内部機構で補正される。
次いで、光学系補正制御部は、補正された光学系4の光軸と基板Gのスクライブ予定ライン上に予め設定された基準点とが合致するように、補正された光学系4を基板Gに対して相対移動させる。
補正された光学系4を基板Gに対して相対移動させる具体例としては、ガラス基板Gが図2中で左右に移動する機構部を有し、レーザ発振装置34を固定した状態で光学系4を図2中で紙面と直交する方向に移動する機構部を有する構成が挙げられる。
図3は、図2の光学系4を介してレーザ発振装置34からガラス基板Gに照射されるレーザビームLB1のエネルギー分布(上段)と、ビームスポットBS1の形状(下段)を説明する図である。
図3に示されたレーザビームLB1のエネルギー分布の形状は、ガウシアン分布に比べてその頂部がなだらかになっており、スクライブラインに沿って均一な分布に近い形状となっている。
また、ビームスポットBS1は、略長方形であり、その長手方向の軸がスクライブ形成予定ラインと平行であり、かつスクライブ形成予定ラインと直交する方向における幅の略中心にスクライブ形成予定ラインが位置する。
〔実施の形態2〕
図4〜図6を用いて、この発明のスクライブ装置の実施の形態2を説明する。
実施の形態2のスクライブ装置では、その光学系の構成が前記した実施の形態における光学系の構成と異なる。これ以外は前記した実施の形態と共通するので、共通する構成の説明は省略する。
図4は、光学ホルダー33内に保持された光学系6の構成を説明する図である。
図4に示すように、光学系6は、レーザビーム発振器34から出射されるレーザビームを反射するミラー61と、レーザビームを所定の寸法、形状に形成するレンズ群62と、後述するミラーユニット65と、レーザビームのエネルギー強度を検出する検出手段45から主に構成される。
なお、ミラーユニット65は,XY軸およびθ軸に座標データを有する3軸テーブルを具備する。
図5は、光学系6のミラーユニット65の構成を説明する図である。
図5に示すように、ミラーユニット65は、ミラー本体71、ミラー本体71を支持する支持台72、支持台72を角度θ方向で傾けるモータ73、モータ73を介してミラー本体71をXおよびY軸方向に移動させるXYテーブル74の各1対と、XYテーブル74を介してミラー本体71を保持する保持部材75とを具備する。
図4および図5に基づいて、光学系補正手段としての検出手段45および3軸テーブルを有するミラーユニット65について説明する。
光学系6では、レーザ発振器34から出射されミラーユニット65に入射される前のレーザビームのエネルギー分布の変動に応じて、レーザ発振器34からミラーユニット65に到る光路においてミラーユニット65の位置を相対移動させたり、ミラーユニット65に入射するレーザビームの入射角度を制御するべく、ミラーユニット65のミラー71の傾きおよび位置を変化させる。このような制御を実行しつつ、基板Gをミラーユニット65に対して相対移動させる。
光学系6の動作の一例について、説明する。
レーザ発振器34から出射されたレーザビームは、レンズ62を経て検出手段45に入射される。光学系補正制御部は、検出手段45に入射されたレーザビームのエネルギー強度を計測し、得られた計測値に基づいてレーザビームのエネルギー強度分布を得る。次いで、作成されたエネルギー強度分布のピーク位置を求め、それまでのピーク位置とを比較してピーク位置のずれ量を検出する。
次いで、光学系補正制御部は、検出されたピーク位置のずれ量に基づいてミラーユニット65の3軸テーブルの座標データを補正し、補正後の座標データに基づいて前記3軸テーブルの駆動モータを駆動する。
これにより、ミラーユニット65に入射されるレーザビームは、そのエネルギー強度分布のピーク位置の変化を連続して把握することにより、ミラーユニット65が適正な入射角度および入射位置で入射されるよう光学系6を補正する。
次いで、光学系補正制御部は、補正された光学系6の光軸と基板Gのスクライブ予定ライン上に予め設定された基準点とが合致するように、補正された光学系6を基板Gに対して相対移動させる。
図6は、図4の光学系6を介してレーザ発振装置34からガラス基板Gに照射されるレーザビームLB2のエネルギー分布(上段)と、ビームスポットBS2の形状(下段)を説明する図である。
図6に示されたレーザビームLB2のエネルギー分布の形状は、前記したガウシアン分布に比べてその頂部がなだらかになっており、スクライブラインに沿って均一な分布に近い形状となっている。
また、ビームスポットBS2は、略長方形の形状を有し、長手方向の軸がスクライブ形成予定ラインと平行であり、かつスクライブ形成予定ラインと直交する方向における幅の略中心に前記スクライブ形成予定ラインが位置するよう形成される。
すなわち、図4において、レーザ発振器34から出射されるレーザビームは前記したガウシアンモードのエネルギー分布を有するビームスポットBS0を形成するビームであるが、ミラーユニット65におけるミラー71の制御動作により、図6に示すように、ビームスポットBS0のスクライブライン方向における両端部が、ラインL1およびL2で折り返され、ミラーユニット65から出射されるレーザビームLB2は、略長方形のビームスポットBS2として基板上に照射される。
ビームスポットBS0のスクライブライン方向における両端部に設定される折り返しのためのラインL1およびL2は、任意の位置に設定でき、それぞれの端部からの長さを変えることができる。このような折り返しのためのラインを任意に設定することにより、ビームスポットのエネルギー分布のピーク位置を、例えば、ビームスポットの前後にあるいは左右にずらすことができる。
〔実施の形態3〕
図7〜図10を用いて、この発明のスクライブ装置の実施の形態3を説明する。
実施の形態3のスクライブ装置では、その光学系の構成が前記した実施の形態における光学系の構成と異なる。これ以外は前記した実施の形態と共通するので、共通する構成の説明は省略する。
図7は、光学ホルダー33内に保持された光学系8の構成を説明する図である。
図7に示すように、光学系8は、レーザ発振器34から出射されるレーザビームを反射するミラー81と、レーザビームを所定の寸法、形状に形成するレンズ82と、後述する回折格子85と、レーザビームのエネルギー強度を検出する検出手段45および3軸テーブル46とから主に構成される。
光学系8では、レーザ発振器34から出射され回折格子85に入射される前のレーザビームのエネルギー分布の変動に応じて、レーザ発振器34から回折格子85に到る光路において回折格子85の位置を相対移動させたり、回折格子85に入射するレーザビームの入射角度を制御するべく、回折格子85の傾きおよび位置を変化させる。このような制御を実行しつつ、基板Gを回折格子85に対して相対移動させる。
光学系8の動作の一例について、説明する。
レーザ発振器34から出射されたレーザビームは、レンズ82を経て検出手段45に入射される。光学系補正制御部は、検出手段45に入射されたレーザビームのエネルギー強度を計測し、得られた計測値に基づいてレーザビームのエネルギー強度分布を得る。次いで、作成されたエネルギー強度分布のピーク位置を求め、それまでのピーク位置とを比較してピーク位置のずれ量を検出する。
次いで、光学系補正制御部は、検出されたピーク位置のずれ量に基づいて回折格子85の3軸テーブルの座標データを補正し、補正後の座標データに基づいて前記3軸テーブルの駆動モータを駆動する。
これにより、回折格子85に入射されるレーザビームは、そのエネルギー強度分布のピーク位置の変化を連続して把握することにより、回折格子85が適正な入射角度および入射位置で入射されるよう光学系8を補正する。
次いで、光学系補正制御部は、補正された光学系8の光軸と基板Gのスクライブ予定ライン上に予め設定された基準点とが合致するように、補正された光学系8を基板Gに対して相対移動させる。
図8は、図7の光学系8を介してレーザ発振装置34からガラス基板Gに照射されるレーザビームLB3のエネルギー分布(上段)と、ビームスポットBS3の形状(下段)を説明する図である。
図8に示されたレーザビームLB3のエネルギー分布の形状は、前記したガウシアン分布に比べてその頂部がなだらかになっており、スクライブラインに沿って均一な分布に近い形状となっている。
また、ビームスポットBS3は、略長方形の形状を有し、長手方向の軸がスクライブ形成予定ラインと平行であり、かつスクライブ形成予定ラインと直交する方向における幅の略中心に前記長手方向の軸が位置するよう形成される。
すなわち、図7において、レーザ発振器34から出射されるレーザビームは前記したガウシアンモードのエネルギー分布を有するビームスポットBS0を形成するビームであるが、図8に示すように、ビームスポットBS0のスクライブライン方向における両端部が、回折格子85により、回折をともなって遮断され、略長方形のビームスポットBS3が形成される。
図9は、回折格子85の他の形態を説明する図である。
図9に示すように、回折格子85の他の形態としては、(a)回折格子の片面または両面について、それぞれの表面に部分的に溝状の凹凸微細形状パターンを形成した回折格子95および(b)回折格子の片面または両面について、それぞれの表面に部分的に溝状の凹凸微細形状パターンを形成した回折格子96が挙げられる。
凹凸微細形状パターンを基板表面の周囲に形成し、基板表面の中央部を穿孔、あるいは貫通してもよい。
これらの凹凸微細形状パターンは、μmオーダーのサイズで形成され、温度安定性にすぐれた材料、例えば、Ge(ゲルマニウム)、ZnSe(セレン化亜鉛)、石英、水晶等を材料として構成される。
回折格子85は、フォトリソグラフィおよびエッチングを含む従来のLSI製造技術を用いて製造できる。
図10は、図9に示した回折格子を介してガラス基板Gに照射されるレーザビームLB4のエネルギー分布(上段)と、ビームスポットBS4の形状(下段)を説明する図である。
図10に示されたレーザビームLB4のエネルギー分布の形状は、前記したガウシアン分布に比べてその頂部がなだらかになっており、スクライブラインに沿って均一な分布に近い形状となっている。
また、ビームスポットBS4は、長方形の形状を有し、長手方向の軸がスクライブ形成予定ラインと平行であり、かつスクライブ形成予定ラインと直交する方向における略中心に前記長手方向の軸が位置するよう形成されている。
すなわち、図10に示すように、回折格子85に入射されるレーザビームが前記したガウシアン分布のエネルギー強度を有するビームスポットBS0であるとき、回折格子85に入射されたレーザビームは、回折格子85によってビームスポットの4つの端部が回折をともなって部分的に遮断される。この場合の4つの端部とは、長軸を中心に有する2つの両端部と長軸を中心に有する2つの両端部である。これにより、長方形の形状を有するビームスポットBS4が形成できる。
なお、上記した例では、回折格子85によってビームスポットの4つの端部が回折をともなって部分的に遮断される場合について説明したが、ビームスポットの少なくとも1つの端部が回折をともなって部分的に遮断されるように構成することができる。
図11は、前記した光学系4,6,8で形成されガラス基板Gに照射されるレーザビームのエネルギー分布を、スクライブライン予定ラインに沿ってガラス基板Gと直交する面に投影した図である。
図11(a)〜(e)に示されたレーザビームのエネルギー分布の形状は、(a)高原状51、(b)矩形52、(c)台形53、(d)スクライブ進行方向に対して後方にピークを有する水滴型54、(e)スクライブ進行方向に対して前方にピークを有する水滴型55が挙げられる。
〔実験例〕
実施の形態1〜3のスクライブ装置を用いた実験について以下に示す。
図12は実施の形態1〜3のスクライブ装置を用いた実験結果を示す表である。
図1に示したスクライブ装置の光学ホルダー33内に前記した光学系4,6,8を保持し、回転テーブル26に載置された基板Gについてスクライブを実施した。
スクライブ速度(mm/s)とレーザ出力(w)を変化させ、良好なブラインドクラックが形成された場合について、表中に○印を記入した。
表中のビームの種類は、BS0が参考例として従来の光学系101(図15)を用いた場合、BS1が実施の形態1の光学系4(図2)を用いた場合、BS3が実施の形態3の光学系8(図7)を用いた場合の結果を示す。
図12から、あきらかなように実施の形態1の光学系4および実施の形態3の光学系8を装着したスクライブ装置を用いた場合には、従来のスクライブ装置を用いた場合に比べて、スクライブ速度(mm/s)が格段に高まり、またレーザ出力(w)を格段に低減することができる。
さらに、良好な基板の分断を可能にするためには、形成されるブラインドクラックを所定の深さに維持する必要があるが、実施の形態1の光学系4および実施の形態3の光学系8を装着したスクライブ装置を用いた場合には、スクライブ速度とレーザ出力との組合せが広い条件範囲で許容されるので、スクライブの加工条件等の設定範囲が広がる。
図13(a)〜(e)は、実施の形態1〜3のスクライブ装置を用いた実験結果を示す写真である。これらの写真は、通常、バンパターンと称され、アクリル板の小片をレーザービームで照射し、この小片を直交する二方向からみたものである。
図13(a)は、実施の形態3の光学系8(図7)を用いたBS3について、基板の平面に対して直角方向から撮影した平面写真である。
図13(b)は、実施の形態1の光学系4(図2)を用いたBS1について、基板の平面に対して直角方向から撮影した平面写真であり、図13(c)は、BS1について、基板の平面に対して平行する方向から撮影した側面写真である。
図13(d)は、従来の光学系101(図15)を用いたBS0について、基板の平面に対して直角方向から撮影した平面写真であり、図13(e)は、BS0について、基板の平面に対して平行する方向から撮影した側面写真である。
〔他の実施の形態〕
(1)撓みスクライブについて
加工対象となる基板をスクライブ加工予定線を挟んで左右から撓み力を加えて基板を変形させた状態でスクライブを実行させる。
すなわち、a)材料保持面が上方に凸の局面形状のステージ上に被加工材料を置き、この材料を当該保持面に吸着させた状態で、当該材料表面にレーザビームを照射して上記の亀裂の発生とその誘導を行う。
b)被加工材料の裏面側で割断予定線に沿う位置を突起で支持して当該材料の裏面側に空間を設け、その空間の雰囲気を負圧に維持した状態で、この材料の表面にレーザビームを照射して上記の亀裂の発生とその誘導を行うことで、より深いクラックを生成させることが可能となり、ブレーク工程が簡単化される。
(2)加熱流体吹き付けについて
レーザによるスクライブが終了してクラックが形成された個所に、クラックの形成とほぼ同時に加熱流体又は蒸気を吹き付けることで、クラックの生成を増進させることでブレーク工程の簡素化が図れる。
(3)上記(2)の方法でクラックを形成させた後、加熱流体又は蒸気を吹き付けることで、クラックの深さを大きくして生成を増進させることでブレーク工程の簡素化が図れる。
(4)上記2の方法でクラックを形成させた後、さらにヒータやレーザによる加熱源からの熱をクラックの生成個所に与えることで、クラックの深さを大きくして生成を増進させることでブレーク工程の簡素化が図れる。
この発明では,ビームスポットがスクライブ形成予定ラインの両側に均等に形成され、かつ略長方形のビームスポットはその幅方向においてエネルギー分布が均一になるので、スクライブ時に基板内部に対して充分な熱伝達が行われるので、スクライブ速度を高めることができる。
また、基板の分断に良好な深さの垂直クラックを形成することが容易になり、スクライブラインを形成した後、基板を分断する際に好ましくないクラックや基板の欠けの発生を防止でき、分断面の品質が格段に向上する。
また、スクライブ速度の向上を図るとともにレーザビームの出力を抑えることができるので、装置は小型化され、設置面積も小さくなる。
さらに、基板表面に照射されたビームスポットがスクライブライン形成予定ラインに対して大きくずれることがないので、形成されるスクライブラインの精度は高まり、製品の歩留りが格段に向上する。
照射手段が、レーザビームを出射するレーザ発振器と、レーザ発振器から出射されたレーザビームに対してそのエネルギー分布を変えて基板上に出射する光学素子を含む光学系とを具備し、光学系は、レーザ発振器から出射され前記光学素子に入射される前のレーザビームのエネルギー分布に応じて、レーザ発振器から前記光学素子に到る光路において前記光学素子を相対移動させ、次いで、基板を前記光学系に対して相対移動させる光学系補正手段を有するので、基板表面に照射されるビームスポットがスクライブライン形成予定ラインに対して大きくずれることがない。したがって、略長方形のビームスポットの中央がスクライブライン形成予定ラインに沿うように照射され、スクライブ時に基板内部に対して充分な熱伝達を行うことができる。
この発明では、ブラインドクラックの深さを維持しながら、スクライブ速度を上げることができる。
この発明の実施形態1のスクライブ装置の全体の構成を示す概略構成図である。 図1のスクライブ装置に保持された光学系の構成を説明する図である。 図2の光学系を介してガラス基板に照射されるレーザビームのエネルギー分布(上段)と、そのビームスポットの形状(下段)を説明する図である。 この発明の実施形態2のスクライブ装置における光学系の構成を説明する図である。 図4の光学系のミラーユニットの構成を説明する図である。 図4の光学系を介してガラス基板に照射されるレーザビームのエネルギー分布(上段)と、そのビームスポットの形状(下段)を説明する図である。 この発明の実施形態3のスクライブ装置における光学系の構成を説明する図である。 図7の光学系を介してガラス基板に照射されるレーザビームのエネルギー分布(上段)と、そのビームスポットの形状(下段)を説明する図である。 回折格子の形状を説明する図である。 図9の回折格子を組み込んだ光学系を介してガラス基板に照射されるレーザビームのエネルギー分布(上段)と、そのビームスポットの形状(下段)を例示により説明する図である。 実施形態1〜3のスクライブ装置で形成されガラス基板Gに照射されるレーザビームのエネルギー分布を、スクライブライン予定ラインに沿ってガラス基板Gと直交する面に投影した図である。 実施の形態1〜3のスクライブ装置を用いた実験結果を示す表である。 図12の実験結果に対応するバンパターンを示す写真である。 従来のスクライブ装置を説明する図である。 図14のスクライブ装置の光学系を説明する図である。 従来のレーザ照射装置からガラス基板に照射されるレーザビームのエネルギー分布(上段)と、そのビームスポットの形状(下段)を説明する図である。
符号の説明
4 光学系
6 光学系
8 光学系
34 レーザビーム発振器
43 DOE
45 検出部(光学系補正手段)
46 3軸テーブル(光学系補正手段)
65 ミラーユニット
85 回折格子
95 回折格子
96 回折格子

Claims (1)

  1. 基板の表面におけるスクライブラインが形成されるスクライブ形成予定ラインに沿ってクラックを形成するスクライブ装置であって、
    前記基板の軟化温度よりも低い温度のビームスポットが形成されるようにレーザビームを基板に対して相対移動させながら連続的に照射する照射手段と、
    前記照射手段によって加熱された基板表面の領域近傍を冷却する冷却手段とを具備し、
    前記照射手段は、ガウシアン分布のエネルギー分布を有するレーザビームを出射するレーザ発振器と、
    前記レーザ発振器から出射されたレーザビームのエネルギー分布を、ガウシアン分布に比べて均一になるように変えて基板上に出射するミラーユニットとを含み、
    前記ミラーユニットは、入射されたレーザビームのスクライブライン方向における両端部を反射させて基板上に照射する1対のミラーを有し、
    前記一対のミラーは、入射されたレーザビームのスクライブライン方向における両端部を内側に折り返すように反射させる、
    スクライブ装置。
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