JP5444158B2 - 脆性材料基板の割断方法 - Google Patents

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本発明は、脆性材料基板にレーザビームを照射して、互いに交差する2方向に沿って脆性材料基板を割断する方法に関するものである。
従来、ガラス基板などの脆性材料基板の割断方法としては、カッターホイール等を圧接転動させてスクライブラインを形成した後、スクライブラインに沿って基板に対して垂直方向から外力を加え基板を割断する方法が広く行われている。
通常、カッターホイールを用いて脆性材料基板のスクライブを行った場合、カッターホイールによって脆性材料基板に付与される機械的な応力によって基板の欠陥が生じやすく、ブレイクを行った際に上記欠陥に起因する割れ等が発生する。
そこで、近年、レーザを用いて脆性材料基板を割断する方法が実用化されている。この方法は、レーザビームを基板に照射して基板を溶融温度未満に加熱した後、冷却媒体により基板を冷却することによって基板に熱応力を生じさせ、この熱応力によって基板の表面から略垂直方向にクラックを形成させるというものである。このレーザビームを用いた脆性材料基板の割断方法では、熱応力を利用するため、工具を基板に直接接触させることがなく、割断面は欠け等の少ない平滑な面となり、基板の強度が維持される。
また、レーザを用いて、互いに交差する2方向で脆性材料基板を割断する方法も提案されている。しかし、交点部分においていわゆる「欠け」や「ソゲ」が発生して割断面が垂直とならないことがあった。このような欠けやソゲが発生すると、寸法精度が悪化すると共に歩留まりの低下を招く。
そこで、例えば特許文献1では、交差する第1の割断方向と第2の割断方向とでレーザビームの出力又は送り速度を変えて、形成されるスクライブラインの深さを異なるようにし、交点における欠けやソゲの発生を防止する技術が提案されている。
特開2004-59328号公報
しかしながら、前記提案技術では、ガラス原板を割断する際に、途中でレーザ出力や送り速度を変化させる必要があり制御が煩雑となると共に生産性が低下する。
本発明は、このような従来の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、脆性材料基板にレーザビームを照射して、互いに交差する2方向に沿って脆性材料基板を割断する方法において、レーザ出力や送り速度を途中で変化させることなく、交点における欠けやソゲの発生を防止することにある。
本発明によれば、交差する2方向に脆性材料基板を割断する方法であって、前記基板の、第1スクライブ予定ラインと第2スクライブ予定ラインとが交わって形成される4つ角部のそれぞれにのみ反射部材を設ける工程と、第1スクライブ予定ラインに沿ってレーザビームを相対移動させながら照射して、前記基板を溶融温度未満に加熱した後、前記基板に対して冷却媒体を吹き付けて冷却し、前記基板に生じた熱応力によって、垂直クラックからなる第1スクライブラインを形成する工程と、第2スクライブ予定ラインに沿ってレーザビームを相対移動させながら照射して、第1スクライブラインと同様にして、第2スクライブラインを形成する工程と、第1スクライブライン及び第2スクライブラインに沿って前記基板を割断する工程とを有することを特徴とする脆性材料基板の割断方法が提供される。
ここで、第1スクライブ予定ラインと第2スクライブ予定ラインとが直交している場合には、前記反射部材は、第1スクライブ予定ライン及び第2スクライブ予定ラインに対してそれぞれ線対称で、且つ第1スクライブ予定ライン及び第2スクライブ予定ラインから等しい距離に設けるのが好ましい。
また、前記反射部材としては金属薄膜であるのが好ましい。
そしてまた、第1スクライブ予定ライン及び第2スクライブ予定ラインから前記反射部材までの距離は、レーザビーム照射スポットの幅に対して2〜20%の範囲が好ましい。さらに、前記反射部材の、レーザビームの相対移動方向の長さは、レーザビーム照射スポットの幅に対して30〜100%の範囲が好ましい。
本発明の割断方法によれば、レーザ出力や送り速度を途中で変化させることなく、交差するスクライブラインの交点における欠けやソゲの発生を有効に抑制できる。
本発明に係る割断方法を実施できる割断装置の一例を示す概説図である。 レーザスクライブの操作状態を説明する図である。 反射部材の形成位置及び形状の一例を示す基板の拡大平面図である。 本発明に係る割断方法の一例を示す工程図である。 垂直クラックの形成機構を示す模式図である。 反射部材の他の例を示す平面図である。 実施例1における交点部分の割断面の光学顕微鏡写真である。 実施例1における第1スクライブラインの交点領域の垂直クラックの状態図である。 比較例1における交差部分の割断面の光学顕微鏡写真である。
以下、本発明に係る脆性材料基板の割断方法について図に基づいて説明するが、本発明はこれらの実施形態に何ら限定されるものではない。
図1に、本発明に係る割断方法の実施に用いる割断装置の一例を示す概説図を示す。この図の割断装置は、架台11上に紙面に対して垂直方向(Y方向)に移動自在のスライドテーブル12と、スライドテーブル上に図の左右方向(X方向)に移動自在の台座19と、台座19上に設けられた回転機構25とを備え、この回転機構25上に設けられた回転テーブル26に載置・固定された脆性材料基板50はこれらの移動手段によって水平面内を自在に移動される。
スライドテーブル12は、架台11の上面に所定距離隔てて平行に配置された一対のガイドレール14,15上に移動自在に取り付けられている。そして、一対のガイドレール14,15の間には、ガイドレール14,15と平行にボールネジ13が、不図示のモータによって正・逆回転自在に設けられている。また、スライドテーブル12の底面にはボールナット16が設けられている。このボールナット16はボールネジ13に螺合している。ボールネジ13が正転又は逆転することによって、ボールナット16はY方向に移動し、これによってボールナット16が取り付けられたスライドテーブル12が、ガイドレール14,15上をY方向に移動する。
また台座19は、スライドテーブル12上に所定距離隔てて平行に配置された一対のガイド部材21に移動可能に支持されている。そして、一対のガイド部材21間には、ガイド部材21と平行にボールネジ22が、モータ23によって正逆回転自在に設けられている。また、台座19の底面にはボールナット24が設けられ、ボールネジ22に螺合している。ボールネジ22が正転又は逆転することによって、ボールナット24はX方向に移動し、これによって、ボールナット24と共に台座19が、一対のガイド部材21に沿ってX方向に移動する。
台座19上には回転機構25が設けられている。そして、この回転機構25上に回転テーブル26が設けられている。割断対象である脆性材料基板50は、回転テーブル26上に真空吸着によって固定される。回転機構25は、回転テーブル26を垂直方向の中心軸の周りに回転させる。
回転テーブル26の上方には、回転テーブル26と離隔対向するように、支持台31が、取付台32から垂下する保持部材33によって支持されている。支持台31には、脆性材料基板50の表面にトリガークラックを形成するためのカッタホイール35と、脆性材料基板50にレーザビームを照射するための開口(不図示)と、脆性材料基板50の表面を冷却するための冷却ノズル37とが設けられている。
カッタホイール35は、チップホルダー36によって、脆性材料基板50に圧接する位置と非接触な位置とに昇降可能に保持されており、スクライブラインの開始起点となるトリガークラックを形成するときのみ、脆性材料基板50に圧接する位置に下降する。トリガークラックの形成位置は、トリガークラックから予測不可能な方向にクラックが生じる先走り現象を抑制するために、脆性材料基板50の表面側端よりも内側に形成するのが好ましい。
取付台32上にはレーザ出力装置34が設けられている。レーザ出力装置34から出射されたレーザビームLBは、反射ミラー44で下方に反射され、保持部材33内に保持された光学系を介して支持台31に形成された開口から、回転テーブル26上に固定された脆性材料基板50に照射される。
また、支持台31の、レーザビームLBが出射する開口近傍に設けられた冷却ノズル37からは、脆性材料基板50に向かって冷却媒体としての水が空気と共に噴出される。冷却媒体が噴出される脆性材料基板50上の位置は、スクライブ予定ライン51上で且つレーザビームLBの照射領域の後側である(図2を参照)。
取付台32には、脆性材料基板50に予め刻印されたアライメントマークを認識する一対のCCDカメラ38,39が設けられている。これらのCCDカメラ38,39により、脆性材料基板50のセット時の位置ずれが検出され、例えば脆性材料基板50が角度θずれていた場合は回転テーブル26が−θだけ回転され、脆性材料基板50がYずれていたときはスライドテーブル12が−Yだけ移動される。
このような構成の割断装置において脆性材料基板50を割断する場合には、まず、脆性材料基板50を回転テーブル26上に載置し吸引手段により固定する。そして、CCDカメラ38,39によって、脆性材料基板50に設けられたアライメントマークを撮像し、前述のように、撮像データに基づいて脆性材料基板50を所定の位置に位置決めする。
次いで、前述のように、ホイールカッタ35によって脆性材料基板50にトリガークラックを形成する。そして、レーザ出力装置34からレーザビームLBを出射する。レーザビームLBは反射ミラー44よって、図2に示すように、脆性材料基板50表面に対して略垂直に照射する。また同時に、レーザビーム照射領域の後端近傍に冷却媒体としての水を冷却ノズル37から噴出させる。脆性材料基板50にレーザビームLBを照射することによって、脆性材料基板50は厚み方向に溶融温度未満で加熱され、脆性材料基板50は熱膨張しようとするが、局所加熱のため膨張できず照射点を中心に圧縮応力が発生する。そして加熱直後に、脆性材料基板50の表面が水により冷却されることによって、脆性材料基板50が今度は収縮して引張応力が発生する。この引張応力の作用によって、トリガークラックを開始点としてスクライブ予定ライン51に沿って垂直クラック53が脆性材料基板50に形成される。
そしてレーザビームLB及び冷却ノズル37をスクライブ予定ライン51に従って相対的に移動させることによって、垂直クラック53が進展し脆性材料基板50にスクライブライン52が形成される。この実施形態の場合には、レーザビームLBと冷却ノズル37とは所定位置に固定された状態で、スライドテーブル12と台座19、回転テーブル26の回転機構25とによって脆性材料基板50が移動される。もちろん、脆性材料基板50を固定した状態で、レーザビームLBと冷却ノズル37とを移動させても構わない。あるいは脆性材料基板50及びレーザビームLB・冷却ノズル37の双方を移動させても構わない。
次に、本発明に係る割断方法について説明する。図3に、脆性材料基板50の表面拡大図を示す。脆性材料基板50のレーザビームLBを照射する面に、第1スクライブ予定ライン51aと第2スクライブ予定ライン51bとは垂直に交わり、これら2本のスクライブ予定ライン51a,51bが交わって形成される4つの角部に、2本のスクライブ予定ライン51a,51bから所定距離隔てて正方形の反射部材7aがそれぞれ設けられている。
部分拡大図に示すように、4つの反射部材7aは、第1スクライ予定ライン51a及び第2スクライブ予定ライン51bに対してそれぞれ線対称で、且つ、第1スクライ予定ライン51a及び第2スクライブ予定ライン51bから等しい距離Dに設けられている。
第1スクライブ予定ライン51a及び第2スクライブ予定ライン51bから反射部材7aまでの距離Dは、反射部材7aの少なくとも一部が、レーザビームLBの照射スポットの移動領域に位置していればよい。すなわち「2D」がレーザビームLBの照射スポットの幅「W」未満であればよい。より好ましくは、下記式を満足する範囲である。
0.05W<2D<0.4W
(式中、W:レーザビームLBの照射スポットの幅,D:スクライブ予定ラインから反射部材までの距離)
また、反射部材7aの、レーザビームLBの相対移動方向の長さNに特に限定はないが、通常、下記式を満足する範囲が好ましい。
0.3W<N<W
(式中、W:レーザビームLBの照射スポットの幅,N:レーザビームLBの相対移動方向の長さ
反射部材7aの形成方法としては、特に限定はないが、生産性等の観点からは、脆性材料基板50を位置決めするためのアライメントマークをスクリーン印刷等によって形成する際に、反射部材7aも同時にスクリーン印刷等によって形成するのが好ましい。なお、反射部材7aの形成位置は、基板50を割断した後は基板50の端部となり、また反射部材7aの大きさも微小であることから、割断後の基板上に反射部材7aが残っていても通常は支障はない。
本発明で使用する反射部材7aとしては、レーザビームLBを反射するものであれば特に限定はないが、基板50への形成が簡単で反射率も高いことから金属薄膜であるのが好ましい。金属薄膜としては例えばITO(酸化インジウムスズ)膜が挙げられる。金属薄膜の膜厚に特に限定はないが、通常、膜厚が厚くなるほど反射率が高くなるので、反射率が40%以上になるような膜厚とするのが好ましい。
次に、図4(a)に示すように、レーザビームLB及び冷却ノズル37をスクライブ予定ライン51aに従って相対的に移動させることによって、不図示のトリガークラックを開始点とする垂直クラック53aを相対移動方向に進展させて、脆性材料基板50に第1スクライブライン52aを形成する。
このとき、第1スクライブ予定ライン51aと第2スクライブ予定ライン51bとの交点領域には反射部材7aが形成され、交点領域における基板50に対するレーザビームLBの照射量は減少する。これにより、第1スクライブライン52aの垂直クラック53aは、交点領域において他の部分よりも深く形成される。レーザビームLBの照射量が減少することによって垂直クラック53aが深く形成されるのは、次のような機構によるものと考えられる。
垂直クラックの深さは、冷却域の最大引張応力と、直下に存在する圧縮応力場及びその深さに依存する。図5に概説図を示す。図5は、垂直クラックの進展方向に対して垂直方向の断面図である。同図(a)に示すように、加熱域と冷却域とが近くなると、冷却域の最大引張応力は大きくなるが、直下の圧縮応力場が浅くなり、垂直クラックの進展が阻害される。一方、同図(b)に示すように、加熱域と冷却域との距離が離れると、直下の圧縮応力場は深くなるものの冷却域の最大引張応力が小さくなるため垂直クラックは浅くなる。そこで、同図(c)に示すように、反射部材によってレーザビームLBの照射を一部遮蔽し、垂直クラック直下の圧縮応力場を低減させると、垂直クラックは深くまで進展する。
ここで使用するレーザビームLBとしては特に限定はなく、基板の材質や厚み、形成したい垂直クラックの深さなどから適宜決定すればよい。脆性材料基板がガラス基板の場合、ガラス基板表面での吸収が大きい波長9〜11μmのレーザビームが好適に使用される。このようなレーザビームとしてはCOレーザが挙げられる。図3に示すように、レーザビームの照射スポットの形状としては、レーザビームの相対移動方向に細長い楕円形状が好ましく、相対移動方向の照射長さLは10〜60mmの範囲、照射幅Wは1〜5mmの範囲が好適である。
冷却ノズル37から噴出させる冷却媒体としては水やアルコールなどが挙げられる。また、割断後の脆性材料基板を使用する上で悪影響を与えない範囲において、界面活性剤等の添加剤が添加されていても構わない。冷却媒体の吹き付け量としては通常は数ml/min程度が好適である。冷却媒体による基板の冷却は、レーザビームによって加熱された基板を急冷する観点からは、気体(通常は空気)と共に水を噴射させるいわゆるウォータジェット方式が望ましい。冷却媒体による冷却領域は、長径1〜5mm程度の円形状又は楕円形状であることが好ましい。また、冷却領域は、レーザビームによる加熱領域の相対移動方向後方であって、冷却領域と加熱領域との中心点間の距離が数mm〜数十mm程度となるように形成するのが好ましい。
レーザビームLB及び冷却ノズル37の相対移動速度としては特に限定はなく、得たい垂直クラックの深さなどから適宜決定すればよい。一般に相対移動速度を遅くするほど、形成される垂直クラックは深くなる。通常、相対移動速度は数百mm/sec程度である。
スクライブライン52aを構成する垂直クラック53aの深さとしては、特に限定はないが、後工程における脆性材料基板の割断を円滑且つ確実に行うためには、交点領域以外では基板厚み対して15%以上の深さとするのが好ましい。そして、交点における欠けやソゲの発生を抑制するためには、交点領域の垂直クラック53aの深さを基板厚みに対して50%以上とするのが好ましい。
次いで図4(b)に示すように、第1スクライブライン52aに直交する第2スクライブ予定ライン51bに沿って、レーザビームLB及び冷却ノズル37を相対的に移動させることによって第2スクライブライン52bを形成する。ここでも、第1スクライブ予定ラインと第2スクライブ予定ラインとの交点領域に形成された反射部材によって、交点領域におけるレーザビームLBの照射量が減少し、第2スクライブライン52bの垂直クラック53bは、交点領域において他の部分よりも深く形成される。なお、第2スクライブライン52bの形成条件としては、第1スクライブライン52aの形成条件と同じ条件がここでも挙げられる。
次に、同図(c)に示すように、第1スクライブライン52aに沿ってブレイクバー6を脆性材料基板50の表面に押し当て、基板に対して垂直方向に押圧力を加える。これによって、基板50に応力が生じ、第1スクライブライン52aの垂直クラック53aが基板裏面にまで進展し、第1スクライブライン52aで基板50が割断される。そして同図(d)に示すように、第2スクライブライン52bにおいても同様にして、ブレイクバー6で基板50を押圧し基板50を割断する。なお、ブレイクバー6に換えてローラを用いてブレイクを行ってももちろん構わない。また、第2スクライブライン52bで基板50を割断した後、第1スクライブライン52aを割断しても構わない。
以上説明した実施形態では、反射部材として正方形状のものを用いていたが、反射部材の形状はこれに限定されるものではなく、例えば図6(a)に示すようなかぎ型状や同図(b)に示すような三角形状であっても構わない。
本発明の割断方法を適用できる脆性材料基板50としては特に限定はなく、ガラス、セラミック、シリコン、サファイア等の従来公知の脆性材料基板が挙げられる。これらの中でも、表面圧縮応力が大きく、クロススクライブが困難とされている化学強化ガラスや風冷強化ガラスなどの強化ガラス基板に本発明の割断方法は好適に適用できる。また、本発明の割断方法を適用できる脆性材料基板50の厚みとしては、脆性材料基板50の材質等によって異なるが、脆性材料基板50がガラス基板の場合にはおおよそ2mm程度の厚さまでである。
以上、説明した各実施形態では第1スクライブライン52aと第2スクライブライン52bとを各1本形成して基板を割断していたが、大面積の基板50に第1スクライブライン52a及び第2スクライブライン52bをそれぞれ複数本の形成して、多数個の小面積基板に割断する場合も本発明の割断方法は当然ながら適用できる。また、本発明の割断方法は、2つのスクライブラインを直交させる場合の他、所望の角度で交差させる場合にももちろん適用できる。
実施例1
化学強化ガラス基板(厚さ0.55mm)の表面の、第1スクライブ予定ラインと第2スクライブ予定ラインとの交点領域に、ITO(酸化インジウムスズ)インクをスクリーン印刷して、図3に示した正方形の反射部材(長さ1.2mm×1.2mm、厚さ500Å)を形成した。次に、図1に示した割断装置にガラス基板を取り付けた後、レーザ照射及び冷却を行って第1スクライブラインを形成した。レーザ照射及び冷却の具体的条件は下記の通りである。次に、第2スクライブ予定ラインに沿ってレーザ照射及び冷却を行って第2スクライブラインを形成した。第2スクライブライン形成におけるレーザ照射及び冷却の具体的条件は第1スクライブラインを形成する際のレーザ照射及び冷却の条件と同じである。スクライブ終了後、第2スクライブラインでガラス基板を手割りした後、第1スクライブラインでガラス基板を手割りした。そして、第1スクライブラインの交点部分の割断面を光学顕微鏡で観察した。観察結果を図7に示す。また、第1スクライブラインを形成した後、第1スクライブラインでガラス基板を手割りし、交点領域における第1スクライブラインの垂直クラックの状態を観察した。観察結果を図8に示す。
(第1スクライブライン及び第2スクライブラインのレーザ照射及び冷却条件)
レーザビーム :COレーザ
レーザ出力 :200W
照射スポット形状:L=60mm,W=1.8mm
相対移動速度 :200mm/sec
冷却スポット :楕円形(長径3mm ,短径2mm)
冷却水量 :0.5ml/min
照射スポットと冷却スポットの中心点間距離:10mm
(結果)
図8から明らかなように、第1スクライブラインの垂直クラックは交点領域において他の部分よりも深くなっていた。また、図7から理解されるように、第1スクライブラインの交点部分の割断面は垂直であった。
比較例1
基板に反射部材を形成しなかった以外は実施例1と同様にして、第1スクライブラインと第2スクライブラインを形成し、ガラス基板を手割りして第1スクライブラインの交点部分の割断面を光学顕微鏡で観察した。観察結果を図9に示す。図9から明らかなように、割断面の上部に「ソゲ」が発生しており、割断面は垂直ではなかった。
本発明の割断方法によれば、レーザ出力や送り速度を途中で変化させることなく、交差するスクライブラインの交点における欠けやソゲの発生を有効に抑制でき有用である。
7a,7b,7c 反射部材
37 冷却ノズル
50 脆性材料基板
51 スクライブ予定ライン
51a 第1スクライブ予定ライン
51b 第2スクライブ予定ライン
52 スクライブライン
52a 第1スクライブライン
52b 第2スクライブライン
53,53a,53b 垂直クラック
LB レーザビーム

Claims (4)

  1. 交差する2方向に脆性材料基板を割断する方法であって、
    前記基板の、第1スクライブ予定ラインと第2スクライブ予定ラインとが交わって形成される4つ角部のそれぞれにのみ反射部材を設ける工程と、第1スクライブ予定ラインに沿ってレーザビームを相対移動させながら照射して、前記基板を溶融温度未満に加熱した後、前記基板に対して冷却媒体を吹き付けて冷却し、前記基板に生じた熱応力によって、垂直クラックからなる第1スクライブラインを形成する工程と、第2スクライブ予定ラインに沿ってレーザビームを相対移動させながら照射して、第1スクライブラインと同様にして、第2スクライブラインを形成する工程と、第1スクライブライン及び第2スクライブラインに沿って前記基板を割断する工程とを有することを特徴とする脆性材料基板の割断方法。
  2. 第1スクライブ予定ラインと第2スクライブ予定ラインとは直交し、前記反射部材は、第1スクライブ予定ライン及び第2スクライブ予定ラインに対してそれぞれ線対称で、且つ第1スクライブ予定ライン及び第2スクライブ予定ラインから等しい距離に設ける請求項1記載の割断方法。
  3. 前記反射部材が金属薄膜である請求項1又は2記載の割断方法。
  4. 前記反射部材の、レーザビームの相対移動方向の長さが、レーザビーム照射スポットの幅に対して30〜100%の範囲である請求項1〜3のいずれかに記載の割断方法。
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