JP2010090010A - 脆性材料基板の割断方法及び割断装置 - Google Patents

脆性材料基板の割断方法及び割断装置 Download PDF

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Abstract

【課題】レーザビームを用いたスクライブラインの形成において、レーザビームの相対移動速度を速くして脆性材料基板の割断処理効率を向上させる。また、垂直クラックが割断予定ラインから外れないようにする
【解決手段】脆性材料基板50の割断予定ライン51を挟んだ2つの位置にレーザビームLB1,LB2をそれぞれ照射し、これらのレーザビームLB1,LB2を基板50に対して相対移動させることによって、基板50を溶融温度未満で加熱し、基板50に生じた熱応力によって基板50の表面から略垂直方向にクラックを形成させて基板50を割断する。ここで、基板50に垂直クラックを迅速且つ確実に形成する観点からは、2つのレーザビームLB1,LB2による加熱後、冷却ノズル37から冷却媒体を基板50に噴霧して冷却するのが好ましい。
【選択図】図2

Description

本発明は、脆性材料基板の割断方法及び割断装置に関し、より詳細には、レーザビームの照射加熱によって、基板表面に対して略垂直方向のクラックを形成し脆性材料基板を割断する方法および装置に関するものである。
従来、脆性材料基板の割断方法としては、脆性材料基板の表面にカッターホイール等を圧接させながら転動させて、脆性材料基板の表面に対して略垂直方向のクラック(以下、「スクライブライン」という)を形成し、形成されたスクライブラインに沿って垂直方向に機械的な押圧力を加えて割断する方法(以下、「ブレイク」という)が広く行われていた。
しかし、通常、カッターホイールを用いて脆性材料基板のスクライブを行った場合、カレットと呼ばれる小破片が発生し、このカレットによって脆性材料基板の表面にキズがつくことがあった。また、割断後の脆性材料基板の端部にはマイクロクラックが生じやすく、このマイクロクラックを起因として脆性材料基板の割れが発生することがあった。このため、通常は割断後に、脆性材料基板の表面及び端部を洗浄及び研磨して、カレットやマイクロクラック等を除去していた。
近年、COレーザビームを用いて溶融温度未満で脆性材料基板を加熱して、脆性材料基板にスクライブラインを形成した後、ブレイクを行って基板を割断する方法が実用化されつつある。具体的には、割断予定ライン上に楕円状のレーザビームを照射して脆性材料基板に圧縮応力を発生させ、次いで冷却媒体等による冷却によって脆性材料基板に引張応力を生じさせて脆性材料基板に垂直クラックを形成させる。そして、レーザビームを脆性材料基板に対して相対移動させることによって、垂直クラックを連続的に伸展させてスクライブラインを形成させる。このようにレーザビームを用いて脆性材料基板のスクライブを行う場合には熱応力を利用するため、工具を直接、基板に接触させることがなく、割断面はマイクロクラック等の少ない平滑な面となり、基板の強度が維持される。すなわち、レーザビームを用いた脆性材料基板のスクライブでは、非接触加工であるため、上記した潜在的欠陥の発生が抑えられ、ブレイクを行った際に脆性材料基板に発生する割れ等の損傷が抑えられる。
特開2006-256944
しかしながら、レーザビームを用いて脆性材料基板にスクライブラインを形成する場合、脆性材料基板が溶融しないように単位時間当たりのレーザビームの照射量は制限される。したがって、レーザビームの出力を大きくして相対移動速度を速くするということはできなかった。
また、レーザビームを用いたスクライブラインの形成では、垂直クラックが予測できない方向に生じる先走り現象が発生することがあり、スクライブラインが予定ラインから外れることがあった。
本発明は、このような従来の問題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、レーザビームの相対移動速度を速くして、脆性材料基板の割断処理効率を向上させることにある。
また、本発明の目的は、レーザビームを用いたスクライブラインの形成において、垂直クラックが予定ラインから外れないようにすることにある。
さらにまた、本発明の目的は、レーザビームを用いて、脆性材料基板の厚み方向全体に達する垂直クラックを形成し、ブレーク工程を経ることなく脆性材料基板を割断できるようにすることにある。
前記目的を達成する本発明に係る脆性材料基板の割断方法は、脆性材料基板の割断予定ラインを挟んだ2つの位置にレーザビームをそれぞれ照射し、これらのレーザビームを前記基板に対して相対移動させることによって、前記基板を溶融温度未満で加熱し、前記基板に生じた熱応力によって前記基板の表面から略垂直方向にクラックを形成させて前記基板を割断することを特徴とする。
ここで、脆性材料基板に垂直クラックを迅速且つ確実に形成する観点からは、前記2つのレーザビームによる加熱後、冷却媒体によって前記基板を冷却するのが好ましい。
脆性材料基板の厚さ方向全体に垂直クラックを形成させる観点からは、前記レーザビームとして、前記基板を1〜90%透過する波長を有するものを用いるのが好ましい。
また、垂直クラックの形成方向の制御性を向上させる観点からは、前記2つのレーザビームの照射位置を前記割断予定ラインに対して線対称とするのが好ましい。
スクライブラインの深さ調整やレーザビームの相対移動速度を一層速く観点から、前記2つのレーザビームの光軸を、前記基板の表面と直交する垂線に対してレーザビームの相対移動方向に傾けて、レーザビームを前記基板に照射するようにしてもよい。
また、本発明によれば、脆性材料基板の割断予定ラインを挟んだ2つの位置にレーザビームをそれぞれ照射するレーザ出力手段と、前記基板に対して前記レーザビームを相対的に移動させる移動手段とを有することを特徴とする脆性材料基板の割断装置が提供される。
ここで、脆性材料基板に垂直クラックを迅速且つ確実に形成する観点からは、前記割断予定ライン上で且つ前記レーザビームの照射領域後側を冷却する冷却手段をさらに設けるのが好ましい。また、スクライブラインの深さ調整やレーザビームの相対移動速度を一層速く観点からは、前記基板の表面と直交する垂線から前記レーザビームの相対移動方向に前記レーザビームの光軸を傾ける傾斜手段をさらに設けるのが好ましい。
本発明の脆性材料基板の割断方法及び割断装置では、脆性材料基板の割断予定ラインを挟んだ2つの位置にレーザビームをそれぞれ照射して、脆性材料基板に垂直クラックを形成するので、従来に比べてレーザビームの相対移動速度を速くすることができる。これにより脆性材料基板の割断処理効率を高められる。また同時に、従来に比べて垂直クラックの形成方向の制御性が向上し、分断予定ラインが曲線の場合であってもきれいにスクライブラインが形成できるようになる。
前記2つのレーザビームによる加熱後、冷却媒体によって前記基板を冷却するようにすると、脆性材料基板に垂直クラックが迅速且つ確実に形成できるようになる。
前記レーザビームとして、前記基板を1〜90%透過する波長を有するものを用いると、脆性材料基板の厚さ方向全体に垂直クラックを形成できるようになり、ブレーク工程を経ることなく脆性材料基板を割断できるようになる。
また、前記2つのレーザビームの照射位置を割断予定ラインに対して線対称とすると、垂直クラックの形成方向の制御性を一層向上させることができるようになる。
前記2つのレーザビームの光軸を、前記基板の表面と直交する垂線に対してレーザビームの相対移動方向に傾けて、レーザビームを前記基板に照射すると、スクライブラインの深さ調整やレーザビームの相対移動速度を一層速くできるようになる。
以下、本発明に係る脆性材料基板の割断方法及び割断装置についてより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施形態に何ら限定されるものではない。
図1に、本発明に係る脆性材料基板の割断装置の一実施形態を示す概説図を示す。この図の割断装置は、架台11上に紙面に対して垂直方向(Y方向)に移動自在のスライドテーブル12と、スライドテーブル上に図の左右方向(X方向)に移動自在の台座19と、台座19上に設けられた回転機構25とを備え、この回転機構25上に設けられた回転テーブル26に載置・固定された脆性材料基板50はこれらの移動手段によって水平面内を自在に移動される。
スライドテーブル12は、架台11の上面に所定距離隔てて平行に配置された一対のガイドレール14,15上に移動自在に取り付けられている。そして、一対のガイドレール14,15の間には、ガイドレール14,15と平行にボールネジ13が、不図示のモータによって正・逆回転自在に設けられている。また、スライドテーブル12の底面にはボールナット16が設けられている。このボールナット16はボールネジ13に螺合している。ボールネジ13が正転又は逆転することによって、ボールナット16はY方向に移動し、これによってボールナット16が取り付けられたスライドテーブル12が、ガイドレール14,15上をY方向に移動する。
また台座19は、スライドテーブル12上に所定距離隔てて平行に配置された一対のガイド部材21に移動可能に支持されている。そして、一対のガイド部材21間には、ガイド部材21と平行にボールネジ22が、モータ23によって正逆回転自在に設けられている。また、台座19の底面にはボールナット24が設けられ、ボールネジ22に螺合している。ボールネジ22が正転又は逆転することによって、ボールナット24はX方向に移動し、これによって、ボールナット24と共に台座19が、一対のガイド部材21に沿ってX方向に移動する。
台座19上には回転機構25が設けられている。そして、この回転機構25上に回転テーブル26が設けられている。割断対象である脆性材料基板50は、回転テーブル26上に真空吸着によって固定される。回転機構25は、回転テーブル26を垂直方向の中心軸の周りに回転させる。
回転テーブル26の上方には、回転テーブル26と離隔対向するように、支持台31が、取付台32から垂下する保持部材33によって支持されている。支持台31には、脆性材料基板50の表面にトリガークラックを形成するためのカッタホイール35と、脆性材料基板50にレーザビームを照射するための開口(不図示)と、脆性材料基板50の表面を冷却するための冷却ノズル37とが設けられている。
カッタホイール35は、チップホルダー36によって、脆性材料基板50に圧接する位置と非接触な位置とに昇降可能に保持されており、スクライブラインの開始起点となるトリガークラックを形成するときのみ、脆性材料基板50に圧接する位置に下降する。トリガークラックは、レーザービームの移動予定ラインの方向に形成された切り目と、この切り目に垂直なもう一つの切り目とがそれぞれの中点で交差した十字形状とするのが好ましい。もちろん、トリガークラックは、1本の切り目のみからなるものであってもよいが、トリガークラックから予測不能な方向にクラックが生じる先走り現象を抑制するためには、十字形状のものが望ましい。また、トリガークラックの形成位置は、脆性材料基板50の表面側端よりも内側に形成するのが、前述の先走り現象の抑制の点で好ましい。
取付台32上に設けられた2つのレーザ出力装置(レーザ出力手段)34a,34bからそれぞれ出射されたレーザビームLB1,LB2は、保持部材33内に保持された光学系を介して支持台31に形成された開口から、回転テーブル26上に固定された脆性材料基板50に照射される。2つのレーザビームLB1,LB2の照射によるクラックの形成機構については後述する。
また、支持台31の、レーザビームLB1,LB2が出射する開口近傍に設けられた冷却ノズル37からは、冷却水、Heガス、Nガス、COガス等の冷却媒体が脆性材料基板50に向かって噴射される。冷却媒体が噴射される脆性材料基板50上の位置は、割断予定ライン51上で且つレーザビームLB1,LB2の照射領域の後側である(図2を参照)。
取付台32には、脆性材料基板50に予め刻印されたアライメントマークを認識する一対のCCDカメラ38,39が設けられている。これらのCCDカメラ38,39により、脆性材料基板50のセット時の位置ずれが検出され、例え脆性材料基板50が角度θずれていた場合は回転テーブル26が−θだけ回転され、脆性材料基板50がYずれていたときはスライドテーブル12が−Yだけ移動される。
このような構成の割断装置によって脆性材料基板50を割断する場合には、まず、脆性材料基板50を回転テーブル26上に載置し吸引手段により固定する。そして、CCDカメラ38および39によって、脆性材料基板50に設けられたアライメントマークを撮像し、前述のように、撮像データに基づいて脆性材料基板50を所定の位置に位置決めする。
次いで、前述のように、ホイールカッタ35によって脆性材料基板50にトリガークラックを形成する。そして、図2に示すように、レーザ出力装置34a,34bからレーザビームLB1,LB2をそれぞれ出射し、脆性材料基板50表面の2つの位置に照射する。2つのレーザビームLB1,LB2の照射位置は、割断予定ライン51を挟んだ対称位置である。このように、割断予定ライン51を挟んだ2つの位置にレーザビームLB1,LB2を照射することにより、割断予定ライン51には、このラインの両側より圧縮応力が加わる。そしてレーザビームLB1,LB2の照射直後に、冷却ノズル37から冷却媒体が噴霧され脆性材料基板50が冷却されることによって、脆性材料基板50に今度は引張応力が発生する。この引張応力の作用によって、トリガークラックを開始点として、脆性材料基板50にスクライブライン52が形成される。
そして2つのレーザビームLB1,LB2及び冷却ノズル37を割断予定ライン51に従って相対的に移動させることによって、スクライブライン52はレーザビームLB1,LB2の移動に追従して進行する。この実施形態の場合には、レーザビームLB1,LB2と冷却ノズル37とは所定位置に固定された状態で、スライドテーブル12と台座19、回転テーブル26の回転機構25とによって脆性材料基板50が移動される。もちろん、脆性材料基板50を固定した状態で、レーザビームLB1,LB2と冷却ノズル37とを移動させても構わない。あるいは脆性材料基板50及びレーザビームLB1,LB2・冷却ノズル37の双方を移動させても構わない。
レーザビームLB1,LB2の照射位置間の距離は、脆性材料基板50の材質や厚さ、レーザビームLB1,LB2の出力などから適宜決定すればよく、通常は0.1mm〜2mmの範囲である。また、割断予定ライン51から、レーザビームLB1,LB2のそれぞれの照射位置までの距離d,dは、レーザビームLB1,LB2の出力比によって定めればよい。例えば、レーザビームLB1,LB2の出力比(LB1/LB2)が「1」であるならば割断予定ライン51からレーザビームLB1,LB2の照射位置まで距離d,dは等距離とし、出力比(LB1/LB2)が「1」を超える場合は、割断予定ライン51からレーザビームLB1の照射位置までの距離dを、割断予定ライン51からレーザビームLB2の照射位置までの距離dよりも長くし、反対に、出力比(LB1/LB2)が「1」を未満の場合は、割断予定ライン51からレーザビームLB2の照射位置までの距離dを、割断予定ライン51からレーザビームLB1の照射位置までの距離dよりも長くする。
2つのレーザビームLB1,LB2の脆性材料基板50に対する相対移動速度は、脆性材料基板50の材質や厚さ、レーザビームLB1,LB2の出力などから適宜決定されるが、1つのレーザビームによって垂直クラックを形成する場合に比べれば、相対移動速度は格段に速くできる。
また、レーザビームLB1,LB2によってスクライブ予定ラインの両側を加熱するため、加熱された領域の温度分布は、スクライブ予定ライン上よりもスクライブ予定ラインの両側が高温になる。従って、加熱された領域のスクライブ予定ライン近傍で生じる応力分布は、スクライブライン上よりもスクライブラインの両側が大きくなる。このため冷却されて進展した垂直クラックの先端は、圧縮応力が弱く形成されているスクライブ予定ライン上に誘導される。
ここで使用するレーザビームLB1,LB2は、脆性材料基板50を1〜90%透過する波長を有するものが好ましい。このようなレーザビームLB1,LB2を用いれば、脆性材料基板50の厚さ方向全体にクラックを形成することができ、通常は必要であるブレーク工程を必要としなくなるからである。
物体に真空中の波長λ、強度Iの光を照射したとき、深さzの場所での光強度Iは、次のように表される。
I=I・exp(−α・z) ・・・・・・(1)
ここで、αは吸収能と呼ばれる物理量で、
α=(4π/λ)k=(4π/λ)nκ ・・・(2)
(式中、nはその物体の屈折率、k,κは減衰係数)
で表される。
レーザビームLB1,LB2が厚さLの脆性材料基板を90%透過するようにする場合、その波長は次のようにして算出する。まず上記式(1)から
α=0.105/L
となる。そして上記式(2)から波長λは、
λ=38.1・πkL=38.1・πnκL
となる。なお、上記計算では、脆性材料基板の入射表面での反射や、出射側面である脆性材料基板裏面での反射はないものとしている。
同様にして、レーザビームが厚さLの脆性材料基板を1%透過するようにする場合、上記式(1)、(2)から波長λは、
λ=0.868・πkL=0.868・πnκL
となる。
今のところ、波長を連続的に変化させることのできるレーザ出力装置は現存せず、固有の波長を有するそれぞれのレーザ出力装置から、前記算出した波長に近い波長のレーザビームを出力するものを選択し使用する。代表的なレーザ出力装置とレーザビーム波長を表1に示す。
脆性材料基板がソーダガラス基板である場合、波長2.9μmのレーザビームの吸収能はα=0.47mm−1であり、レーザビームが1%透過するガラス基板の厚さLは9.8mとなる。換言すると、波長2.9μmのレーザビームを用いれば、少なくとも厚さ9.8mmのガラス基板をフルカットできることになる。なお、実際には9.8mmより厚いソーダガラス基板もフルカット可能である。この理由は、加熱され圧縮応力が発生した領域の周辺に引っ張り応力が発生するため、加熱された領域よりも深い箇所に引っ張り応力が生じること、および加熱された領域が熱伝導によって深くなることによると推測される。
レーザビーム照射領域の後端近傍に噴霧する冷却媒体としては特に限定はなく、水などの液体の他、気体であっても構わない。また、脆性材料基板50のフルカットを迅速に行うためには、脆性材料基板50の冷却を表面と共に裏面においても行うようにしてもよい。
図3に、本発明に係る割断装置の他の実施形態を示す。図1に示す実施形態では、2つのレーザビームLB1,LB2をそれぞれ別のレーザ出力装置34a,34bから出力していたのに対し、この図の実施形態では、1つのレーザ出力装置34から2つのレーザビームLB1,LB2を出力する。具体的には、レーザ出力装置34から出射したレーザビームは、まず半透過ミラー41に当射して、その一部は下方に反射されてレーザビームLB1として脆性材料基板50を照射する。残りレーザビームは半透過ミラー41を透過して反射ミラー42に当たり、下方に反射されてレーザビームLB2として脆性材料基板50を照射する。このようにレーザ出力装置を1つにすることによって、装置の小型軽量化が図れる。
図4及び図5に、本発明に係る割断装置のさらに他の実施形態を示す。これまで説明してきた割断装置では、2つのレーザビームLB1,LB2は脆性材料基板50の表面に対して略垂直に照射していたが、図4及び図5に示す割断装置では、レーザビームLB1,LB2の光軸を脆性材料基板50の表面と直交する垂線Lに対して、レーザビームの相対移動方向に角度θ傾けて、脆性材料基板50にレーザビームに照射する。
垂線Lに対するレーザビームLB1,LB2の光軸の傾斜角度θに特に限定はなく、形成しようとするスクライブライン52の深さやレーザビームLB1,LB2の相対移動速度に応じて適宜決定すればよい。例えば、レーザビームLB1,LB2の光軸の、垂線Lからの傾斜角度θが小さいと、レーザビームLB1,LB2の脆性材料基板50内への進入が深くなり、形成されるスクライブライン52は深くなる。反対に、レーザビームLB1,LB2の光軸の傾斜角度θが大きいと、レーザビームLB1,LB2の脆性材料基板50内への進入が浅くなり、形成されるスクライブライン52の深さは浅くなると共に、レーザビームLBの傾斜角度θが小さい場合に比べて、レーザビームLBの相対移動速度を速めることができる。
取付台32上に設けられたレーザ出力装置34a,34bから出射されたレーザビームLB1,LB2は、反射ミラー(傾斜手段)44a,44bで下方に反射され、保持部材33内に保持された光学系を介して支持台31に形成された開口から、回転テーブル26上に固定された脆性材料基板50に照射される。反射ミラー44a,44bは、駆動部(傾斜手段)43a,43bによって紙面垂直方向の軸を中心として回動自在に設けられている。レーザビームLB1,LB2の光軸の傾きは、駆動部43a,43bを駆動させて反射ミラー44a,44bの傾斜角度を変更することによって自在に変えられる。
レーザビームLB1,LB2の光軸は、脆性材料基板50の表面と直交する垂線Lに対してレーザビームLB1,LB2の相対移動方向に所定角度θ傾いていればよい。換言すると、レーザビームの相対移動方向をx座標軸とし、垂線Lをy座標軸としたx−y直交座標において、レーザビームLBの光軸が右上がりの傾きを有していればよく、y座標軸とx座標軸に垂直なz座標軸方向に傾きを有していても構わない。なお、レーザビームLBLB1,LB2の光軸がz座標軸方向に傾きを有している場合、脆性材料基板50に形成されるクラックは、y−z直交座標においてy座標軸に対して傾きを有するものとなる。
本発明によれば、従来に比べてレーザビームの相対移動速度を速くすることができ、また従来に比べて垂直クラックの形成方向の制御性が向上し、分断予定ラインが曲線の場合であってもきれいにスクライブラインが形成できるようになり、液晶ディスプレイ等のパネル製造工程などで好適に使用される。
本発明に係る脆性材料基板の割断装置の一例を示す概説図である。 脆性材料基板への2つのレーザビームの照射及び冷却手段による冷却を説明するための斜視図である。 本発明に係る脆性材料基板の割断装置の他の実施形態を示す概説図である。 本発明に係る脆性材料基板の割断装置のさらに他の実施形態を示す概説図である。 図4の割断装置における2つのレーザビームの照射及び冷却手段による冷却を説明するための斜視図である。
符号の説明
12 スライドテーブル(移動手段)
19 台座(移動手段)
25 回転機構(移動手段)
26 回転テーブル
34 レーザ出力装置(レーザ出力手段)
34a,34b レーザ出力装置(レーザ出力手段)
37 冷却ノズル(冷却手段)
50 脆性材料基板
51 割断予定ライン
43a,43b 駆動部(傾斜手段)
44a,44b 反射ミラー(傾斜手段)
LB1,LB2 レーザビーム

Claims (8)

  1. 脆性材料基板の割断予定ラインを挟んだ2つの位置にレーザビームをそれぞれ照射し、これらのレーザビームを前記基板に対して相対移動させることによって、前記基板を溶融温度未満で加熱し、前記基板に生じた熱応力によって前記基板の表面から略垂直方向にクラックを形成させて前記基板を割断することを特徴とする脆性材料基板の割断方法。
  2. 前記2つのレーザビームによる加熱後、冷却媒体によって前記基板を冷却する請求項1記載の脆性材料基板の割断方法。
  3. 前記レーザビームが、前記基板を1〜90%透過する波長を有するものである請求項1又は2記載の脆性材料基板の割断方法。
  4. 前記2つのレーザビームの照射位置が、割断予定ラインに対して線対称である請求項1〜3のいずれかに記載の脆性材料基板の割断方法。
  5. 前記2つのレーザビームの光軸を、前記基板の表面と直交する垂線に対してレーザビームの相対移動方向に傾けて、レーザビームを前記基板に照射する請求項1〜4のいずれかに記載の脆性材料基板の割断方法。
  6. 脆性材料基板の割断予定ラインを挟んだ2つの位置にレーザビームをそれぞれ照射するレーザ出力手段と、前記基板に対して前記レーザビームを相対的に移動させる移動手段とを有することを特徴とする脆性材料基板の割断装置。
  7. 前記割断予定ライン上で且つ前記レーザビームの照射領域後側を冷却する冷却手段をさらに有する請求項6記載の脆性材料基板の割断装置。
  8. 前記基板の表面と直交する垂線から前記レーザビームの相対移動方向に前記レーザビームの光軸を傾ける傾斜手段をさらに有する請求項6又は7記載の脆性材料基板の割断装置。
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