JP5554158B2 - 脆性材料基板の割断方法 - Google Patents

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Description

本発明は、脆性材料基板にレーザビームを照射して、互いに交差する2方向に沿って脆性材料基板を割断する方法に関するものである。
従来、ガラス基板などの脆性材料基板の割断方法としては、カッターホイール等を圧接転動させてスクライブラインを形成した後、スクライブラインに沿って基板に対して垂直方向から外力を加え基板を割断する方法が広く行われている。
通常、カッターホイールを用いて脆性材料基板のスクライブを行った場合、カッターホイールによって脆性材料基板に付与される機械的な応力によって基板の欠陥が生じやすく、ブレイクを行った際に上記欠陥に起因する欠け等が発生する。
そこで、近年、レーザを用いて脆性材料基板を割断する方法が実用化されている。この方法は、レーザビームを基板に照射して基板を溶融温度未満に加熱した後、冷却媒体により基板を冷却することによって基板に熱応力を生じさせ、この熱応力によって基板の表面から略垂直方向にクラックを形成させるというものである。このレーザビームを用いた脆性材料基板の割断方法では、熱応力を利用するため、工具を基板に直接接触させることがなく、割断面は欠け等の少ない平滑な面となり、基板の強度が維持される。
また、例えば特許文献1では、レーザを用いて、互いに交差する2方向に脆性材料基板を割断する方法も提案されている。この提案方法は、脆性材料基板にレーザビームを照射してハーフカット状態の第1クラックを形成した後、同じくレーザビームの照射によって、第1クラックに交差するハーフカット状態の第2クラックを形成し、次いで第1クラック及び第2クラックにレーザビームを再度照射してフルカットするものである。
特開2001-130921号公報
ところが、上記提案方法のように、第1クラック及び第2クラックにレーザビームを再度照射して脆性材料基板をフルカットする際に、第1クラックと第2クラックとの交点部分に欠けが生じることがある。割断後の角部となる脆性材料基板の交点部分に欠けが生じると、割断後の脆性材料基板の寸法精度が落ちるとともに、発生したカレットが基板表面に付着等して不具合の原因となる。
本発明はこのような従来の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、レーザを用いて互いに交差する2方向で脆性材料基板を割断する場合に、交点部分における欠けの発生を抑制する方法を提供することにある。
本発明によれば、互いに交差する、垂直クラックからなる第1スクライブラインと第2スクライブラインとを脆性材料基板に形成した後に、第1スクライブライン及び第2スクライブラインに沿ってレーザビームを相対移動させながら照射して前記垂直クラックを伸展させて、第1スクライブライン及び第2スクライブラインで前記基板を割断する脆性材料基板の割断方法であって、第1スクライブライン及び/又は第2スクライブラインに沿ってレーザビームを照射する際に、第1スクライブラインと第2スクライブラインとの交点領域へのレーザビーム照射量を、交点領域以外のレーザビーム照射量よりも減少させることを特徴とする脆性材料基板の割断方法が提供される。
ここで、第1スクライブラインと第2スクライブラインとの交点領域へのレーザビーム照射量としては、交点領域以外のレーザビーム照射量の50%以下とするのが好ましい。
また、第1スクライブラインと第2スクライブラインとの交点領域へのレーザビーム照射量を他の部分よりも減少させるには、レーザビーム出力を制御することによって行ってもよい。また、第1スクライブラインと第2スクライブラインとの交点領域を、レーザビームを吸収又は反射する被覆部材や液体で覆うことによって、第1スクライブラインと第2スクライブラインとの交点領域へのレーザビーム照射量を減少させてもよい。
また、レーザビームの照射量を減少させる交点領域としては、第1スクライブラインと第2スクライブラインとの交点から、レーザビームの相対移動方向上流側及び下流側にそれぞれ5mm以下の幅を有するのが好ましい。
第1スクライブライン及び第2スクライブラインは、前記基板に対してレーザビームを相対移動させながら照射して、前記基板を溶融温度未満に加熱した後、前記基板に対して冷却媒体を吹き付けて冷却し、前記基板に生じた熱応力によって形成するのが好ましい。
本発明に係る脆性材料基板の割断方法によれば、互いに交差する2方向に脆性材料基板を割断する際に、交点部分における欠けの発生を抑制できる。これにより、割断後の脆性材料基板の寸法精度が向上し、またカレットに起因する不具合が格段に抑制される。
本発明に係る割断方法を実施できる割断装置の一例を示す概説図である。 レーザスクライブの操作状態を説明する図である。 本発明に係る割断方法の一例を示す工程図である。 レーザビームLBの交点領域への照射量調整例及び交点領域でのレーザ照射量を示す図である。 レーザビームLBの交点領域への照射量調整例及び交点領域でのレーザ照射量を示す図である。 レーザビームLBの交点領域への照射量調整を被覆部材で行う場合の例を示す図である。 レーザビームLBの交点領域への照射量調整を液体で行う場合の例を示す図である。
以下、本発明に係る脆性材料基板の割断方法についてより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施形態に何ら限定されるものではない。
図1に、本発明に係る割断方法の実施に用いる割断装置の一例を示す概説図を示す。この図の割断装置は、架台11上に紙面に対して垂直方向(Y方向)に移動自在のスライドテーブル12と、スライドテーブル上に図の左右方向(X方向)に移動自在の台座19と、台座19上に設けられた回転機構25とを備え、この回転機構25上に設けられた回転テーブル26に載置・固定された脆性材料基板50はこれらの移動手段によって水平面内を自在に移動される。
スライドテーブル12は、架台11の上面に所定距離隔てて平行に配置された一対のガイドレール14,15上に移動自在に取り付けられている。そして、一対のガイドレール14,15の間には、ガイドレール14,15と平行にボールネジ13が、不図示のモータによって正・逆回転自在に設けられている。また、スライドテーブル12の底面にはボールナット16が設けられている。このボールナット16はボールネジ13に螺合している。ボールネジ13が正転又は逆転することによって、ボールナット16はY方向に移動し、これによってボールナット16が取り付けられたスライドテーブル12が、ガイドレール14,15上をY方向に移動する。
また台座19は、スライドテーブル12上に所定距離隔てて平行に配置された一対のガイド部材21に移動可能に支持されている。そして、一対のガイド部材21間には、ガイド部材21と平行にボールネジ22が、モータ23によって正逆回転自在に設けられている。また、台座19の底面にはボールナット24が設けられ、ボールネジ22に螺合している。ボールネジ22が正転又は逆転することによって、ボールナット24はX方向に移動し、これによって、ボールナット24と共に台座19が、一対のガイド部材21に沿ってX方向に移動する。
台座19上には回転機構25が設けられている。そして、この回転機構25上に回転テーブル26が設けられている。割断対象である脆性材料基板50は、回転テーブル26上に真空吸着によって固定される。回転機構25は、回転テーブル26を垂直方向の中心軸の周りに回転させる。
回転テーブル26の上方には、回転テーブル26と離隔対向するように、支持台31が、取付台32から垂下する保持部材33によって支持されている。支持台31には、脆性材料基板50の表面にトリガークラックを形成するためのカッタホイール35と、脆性材料基板50にレーザビームを照射するための開口(不図示)と、脆性材料基板50の表面を冷却するための冷却ノズル37とが設けられている。
カッタホイール35は、チップホルダー36によって、脆性材料基板50に圧接する位置と非接触な位置とに昇降可能に保持されており、スクライブラインの開始起点となるトリガークラックを形成するときのみ、脆性材料基板50に圧接する位置に下降する。トリガークラックの形成位置は、トリガークラックから予測不可能な方向にクラックが生じる先走り現象を抑制するために、脆性材料基板50の表面側端よりも内側に形成するのが好ましい。
取付台32上にはレーザ出力装置34が設けられている。レーザ出力装置34から出射されたレーザビームLBは、反射ミラー44で下方に反射され、保持部材33内に保持された光学系を介して支持台31に形成された開口から、回転テーブル26上に固定された脆性材料基板50に照射される。
また、支持台31の、レーザビームLBが出射する開口近傍に設けられた冷却ノズル37からは、脆性材料基板50に向かって冷却媒体としての水が空気と共に噴出される。冷却媒体が噴出される脆性材料基板50上の位置は、割断予定ライン51上で且つレーザビームLBの照射領域の後側である(図2を参照)。
取付台32には、脆性材料基板50に予め刻印されたアライメントマークを認識する一対のCCDカメラ38,39が設けられている。これらのCCDカメラ38,39により、脆性材料基板50のセット時の位置ずれが検出され、例えば脆性材料基板50が角度θずれていた場合は回転テーブル26が−θだけ回転され、脆性材料基板50がYずれていたときはスライドテーブル12が−Yだけ移動される。
このような構成の割断装置において脆性材料基板50を割断する場合には、まず、脆性材料基板50を回転テーブル26上に載置し吸引手段により固定する。そして、CCDカメラ38,39によって、脆性材料基板50に設けられたアライメントマークを撮像し、前述のように、撮像データに基づいて脆性材料基板50を所定の位置に位置決めする。
次いで、前述のように、ホイールカッタ35によって脆性材料基板50にトリガークラックを形成する。そして、レーザ出力装置34からレーザビームLBを出射する。レーザビームLBは反射ミラー44よって、図2に示すように、脆性材料基板50表面に対して略垂直に照射する。また同時に、レーザビーム照射領域の後端近傍に冷却媒体としての水を冷却ノズル37から噴出させる。脆性材料基板50にレーザビームLBを照射することによって、脆性材料基板50は厚み方向に溶融温度未満で加熱され、脆性材料基板50は熱膨張しようとするが、局所加熱のため膨張できず照射点を中心に圧縮応力が発生する。そして加熱直後に、脆性材料基板50の表面が水により冷却されることによって、脆性材料基板50が今度は収縮して引張応力が発生する。この引張応力の作用によって、トリガークラックを開始点として割断予定ライン51に沿って垂直クラック53が脆性材料基板50に形成される。
そしてレーザビームLB及び冷却ノズル37を割断予定ライン51に沿って相対的に移動させることによって、垂直クラック53が伸展し脆性材料基板50にスクライブライン52が形成される。この実施形態の場合には、レーザビームLBと冷却ノズル37とは所定位置に固定された状態で、スライドテーブル12と台座19、回転テーブル26の回転機構25とによって脆性材料基板50が移動される。もちろん、脆性材料基板50を固定した状態で、レーザビームLBと冷却ノズル37とを移動させても構わない。あるいは脆性材料基板50及びレーザビームLB・冷却ノズル37の双方を移動させても構わない。
次に、本発明に係る割断方法について説明する。図3に、本発明の割断方法の一例を示す工程図を示す。同図(a)に示すように、前述のようにして、レーザビームLB及び冷却ノズル37を割断予定ライン51aに従って相対的に移動させることによって、不図示のトリガークラックを開始点とする垂直クラック53aを相対移動方向に伸展させて、脆性材料基板50に第1スクライブライン52aを形成する。
ここで使用するレーザビームLBとしては特に限定はなく、基板の材質や厚み、形成したい垂直クラックの深さなどから適宜決定すればよい。脆性材料基板がガラス基板の場合、ガラス基板表面での吸収が大きい波長9〜11μmのレーザビームが好適に使用される。このようなレーザビームとしてはCOレーザが挙げられる。レーザビームの基板への照射形状としては、レーザビームの相対移動方向に細長い楕円形状が好ましく、相対移動方向の照射長さLは10〜60mmの範囲、照射幅Wは1〜5mmの範囲が好適である。
冷却ノズル37から噴出させる冷却媒体としては水やアルコールなどが挙げられる。また、割断後の脆性材料基板を使用する上で悪影響を与えない範囲において、界面活性剤等の添加剤が添加されていても構わない。冷却媒体の吹き付け量としては通常は数ml/min程度が好適である。冷却媒体による基板の冷却は、レーザービームによって加熱された基板を急冷する観点からは、気体(通常は空気)と共に水を噴射させるいわゆるウォータジェット方式が望ましい。冷却媒体による冷却領域は、長径1〜5mm程度の円形状又は楕円形状であることが好ましい。また、冷却領域は、レーザビームによる加熱領域の相対移動方向後方であって、冷却領域と加熱領域との中心点間の距離が数mm〜数十mm程度となるように形成するのが好ましい。
レーザビームLB及び冷却ノズル37の相対移動速度としては特に限定はなく、得たい垂直クラックの深さなどから適宜決定すればよい。一般に相対移動速度を遅くするほど、形成される垂直クラックは深くなる。通常、相対移動速度は数百mm/sec程度である。
スクライブライン52aを構成する垂直クラック53aの深さとしては、特に限定はないが、後工程の脆性材料基板を割断するためのレーザビームを照射する条件、例えば相対移動速度やレーザ出力などの裕度を広げるためには、基板厚み対して25%以上の深さとするのが望ましい。
次いで図3(b)に示すように、第1スクライブライン52aに直交する割断予定ライン51bに沿って、レーザビームLB及び冷却ノズル37を相対的に移動させることによって第2スクライブライン52bを形成する。第2スクライブライン52bの形成条件としては、第1スクライブライン52aの形成条件と同じ条件がここでも挙げられる。
次に、同図(c)に示すように、第2スクライブライン52bに沿ってレーザビームLBを再度照射する。これによって垂直クラック53bが基板厚み方向に伸展し、第2スクライブライン52bで基板50が割断されて割断ライン54が形成される。なお、垂直クラック53bは、外力を加えることなく基板50が割断される深さにまで伸展していればよく、必ずしも基板50の反対面側に到達している必要はない。
垂直クラック53bを基板厚み方向に伸展させるためのレーザビームLBの照射条件は、基板50の厚みや垂直クラック53bの深さなどから適宜決定すればよいが、通常は前述の第2スクライブライン52bを形成するときの照射条件がここでも例示される。
次いで、同図(d)に示すように、第1スクライブライン52aに沿ってレーザビームLBを再度照射する。これによって垂直クラック53aが基板厚み方向に伸展し、第1スクライブライン52aで基板50が割断される。伸展後の垂直クラック53aの、基板厚み方向の深さは、垂直クラック53bの場合と同様に、外力を加えることなく基板50が割断される深さにまで伸展していればよく、必ずしも基板50の反対面側に到達している必要はない。
ここで重要なことは、第1スクライブライン52aに沿ってレーザビームLBを再度照射する際に、第1スクライブライン52aと割断ライン54との交点領域へのレーザビームLBの照射量を他の部分の照射量よりも減少させることにある。このように交点領域へのレーザビームLBの照射量を減少させることによって、割断後の角部となる交点部分の欠けを効果的に抑えられるようになる。交点領域におけるより好ましいレーザビーム照射量は、交点領域以外のレーザビーム照射量の50%以下であり、より好ましくは10%以下、さらに好ましくはゼロ%である。
なお、以上説明した実施形態では、第1スクライブライン52aに沿ってレーザビームLBを再度照射する際に、交点領域へのレーザビームLBの照射量を他の部分の照射量よりも減少させたが、第2スクライブライン52bに沿ってレーザビームLBを再度照射する際に、交点領域へのレーザビームLBの照射量を他の部分の照射量よりも減少させるようにしてもよい。あるいはまた、第1スクライブライン52aに沿ってレーザビームLBを再度照射する際及び第2スクライブライン52bに沿ってレーザビームLBを再度照射する際に、交点領域へのレーザビームLBの照射量を他の部分の照射量よりも減少させるようにしてもよい。
第1スクライブライン52aと第2スクライブライン52bとの交点領域へのレーザビームLBの照射量の調整は、例えば、レーザビーム出力の制御によって行うことができる。レーザビームの照射スポットを、シリンドリカルレンズ等の光学系によってレーザビームの相対的移動方向に細長い楕円形状とした場合には、図4(a)に示すように、第1スクライブライン52aと第2スクライブライン52bとの交点を中心として、レーザビームLBの相対移動方向上流側から下流側の所定範囲にわたってレーザビームLBを照射しない領域を設ける。このときのレーザビームLBの照射量を図4(b)に示す。図4(b)から理解されるように、レーザビームの照射量は、第1スクライブライン52aと第2スクライブライン52bとの交点で向かって通常照射量から徐々に減少し、交点でゼロとなった後、徐々に増加して通常照射量に戻るようになる。このように、第1スクライブライン52aと第2スクライブライン52bとの交点領域へのレーザビームLBの照射量を減少させることにより、交点部分における欠けの発生が抑制される。
レーザビームLBの照射量を減少させる領域、すなわち第1スクライブライン52aと第2スクライブライン52bとの交点領域としては、第1スクライブライン52aと第2スクライブライン52bとの交点から、レーザービームLBの相対移動方向上流側には最大で5mm、下流側にも最大5mmの幅であるのが好ましい。
また、レーザビームLBの照射スポットを、ポリゴンミラーやガルバノミラー、円筒型反射鏡などを用いて走査してレーザビームの相対的移動方向に細長い楕円形状とした場合には、照射スポット内のレーザ強度が均一となるとともに、所定範囲にわたってレーザ照射量をゼロにもできる。図5(a)に、レーザビームLBの照射状態を経時的に示す図を示す。レーザビームLBが、第1スクライブライン52aと第2スクライブライン52bとの交点領域にかかると、交点領域内を走査する間はレーザ発振をオフにする一方、交点領域外に出るとレーザ発振をオンにする。これにより、図5(b)に示すように、交点領域へのレーザビームLBの照射量をゼロにできる。
図6に、第1スクライブライン52aと第2スクライブライン52bとの交点領域へのレーザビームLBの照射量を調整する他の手段を示す。この図に示す手段では、第1スクライブライン52aと第2スクライブライン52bとの交点領域を被覆部材61で覆い、交点領域へのレーザビームLBの照射量を減少させる。この手段によれば、前記実施形態のようなレーザ発振をオン・オフ制御する必要がなく、被覆部材61の載置という簡単な作業でレーザビームLBの照射量を減少できる。
本発明で使用する被覆部材61としては、レーザビームLBを吸収又は反射する部材であれば特に限定はなく、例えば、ガラス基板やアルミニウムなどの金属板、ドライアイスなどが挙げられる。ガラス基板を用いる場合には、ガラス基板でレーザビームが吸収されるので、その材質や厚み等によって基板50へのレーザビームLBの照射量を調整できる。また、アルミニウムなどの金属板を用いる場合には、レーザビームLBは金属板で反射されるので基板50への照射量はゼロとなる。
図7に、第1スクライブライン52aと第2スクライブライン52bとの交点領域へのレーザビームLBの照射量を調整するさらに他の手段を示す。この図に示す手段では、第1スクライブライン52aと第2スクライブライン52bとの交点領域を液体62で覆い、交点領域へのレーザビームLBの照射量を減少させる。この手段によれば、上記実施形態と同様に、レーザ発振をオン・オフ制御する必要がなく、液体62の滴下・塗布等の簡単な作業でレーザビームLBの照射量を減少できる。
本発明で使用する液体62としては、レーザビームLBを吸収又は反射する部材であれば特に限定はなく、例えば、水やアルコールなどが好適に使用される。基板50の交点領域への液体62の付着は、例えばスポイト等による滴下や塗布などにより行うことができる。液体62の付着量としては、交点領域の大きさ、使用するレーザの種類や出力等により適宜決定すればよいが、水を使用する場合には、通常、0.01mL〜0.05mLの範囲が好ましい。
以上、説明した各実施形態では第1スクライブライン52aと第2スクライブライン52bとを各1本形成して基板を割断していたが、大面積の基板50に第1スクライブライン52a及び第2スクライブライン52bをそれぞれ複数本の形成して、多数個の小面積基板に割断する場合も本発明の割断方法は当然ながら適用できる。また、本発明の割断方法は、2つのスクライブラインを直交させる場合の他、所望の角度で交点させる場合にももちろん適用できる。
実施例1
図1に示した割断装置を用いて、厚さ0.55mmの化学強化ソーダガラス基板に、その交点が40個となるように互いに直行する複数本のスクライブラインを形成し、形成した一方のスクライブラインに沿ってレーザビームを照射して基板を割断した後、割断ラインともう一方のスクライブラインとの交点領域に、ガラス板(5mm×5mm×厚さ0.4mm)を載置した。そして、前記もう一方のスクライブラインに沿ってレーザビームを照射して基板を複数個に割断した。ガラス基板の割断は、図3に示す方法を用いて行った。結果を表1に示す。なお、レーザビームの具体的照射条件は下記の通りである。
(第1スクライブライン形成のレーザビーム照射条件)
レーザ種類:COレーザ
レーザ出力:100W
相対移動速度:100mm/sec
レーザスポット:楕円形
(第2スクライブライン形成のレーザビーム照射条件)
レーザ種類:COレーザ
レーザ出力:120W
相対移動速度:200mm/sec
レーザスポット:楕円形
(レーザブレイクのレーザビーム照射条件)
レーザ種類:COレーザ
レーザ出力:320W
相対移動速度:1500mm/sec
レーザスポット:楕円形
比較例1
交点領域にガラス板を載置しなかった以外は実施例1と同様にして基板の割断を行った。結果を表1に合わせて示す。
「欠け」 :交点部分に欠けが生じた。
「交点トビ」:交点から、レーザビームの相対移動方向下流側に割断ラインが伸展しな
かった。
表1から理解されるように、実施例1の割断方法では40個の交点の内、すべての交点で割断良好であったのに対し、比較例1の割断方法ではわずか3個の交点が割断良好で、残る37個の交点で欠けが発生した。
実施例2
ガラス板に替えての水(付着量:0.04mL,直径8〜10mm)を交点領域に付着させた以外は実施例1と同様にしてガラス基板を割断した。結果を表2に示す。なお、レーザビームの具体的照射条件は下記の通りである。
(第1スクライブライン形成のレーザビーム照射条件)
レーザ種類:COレーザ
レーザ出力:100W
相対移動速度:100mm/sec
レーザスポット:楕円形
(第2スクライブライン形成のレーザビーム照射条件)
レーザ種類:COレーザ
レーザ出力:130W
相対移動速度:180mm/sec
レーザスポット:楕円形
(レーザブレイクのレーザビーム照射条件)
レーザ種類:COレーザ
レーザ出力:240W
相対移動速度:1500mm/sec
レーザスポット:楕円形
比較例2
交点領域に水滴を付着させなかった以外は実施例2と同様にして基板の割断を行った。結果を表2に合わせて示す。
表2から理解されるように、交点領域に水滴を付着させた実施例2の割断方法では40個の交点の内、すべての交点で割断良好であったのに対し、比較例2の割断方法ではわずか2個の交点が割断良好で、残る38個の交点で欠けが発生した。
本発明の割断方法によれば、レーザを用いて互いに交差する2方向に脆性材料基板を割断する場合に、交点部分における欠けの発生を抑制でき有用である。
37 冷却ノズル
50 脆性材料基板
51,51a,51b 割断予定ライン
52 スクライブライン
52a 第1スクライブライン
52b 第2スクライブライン
53,53a,53b 垂直クラック
61 被覆部材
62 液体
LB レーザビーム

Claims (7)

  1. 互いに交差する、垂直クラックからなる第1スクライブラインと第2スクライブラインとを脆性材料基板に形成した後に、第1スクライブライン及び第2スクライブラインに沿ってレーザビームを相対移動させながら照射して前記垂直クラックを伸展させて、第1スクライブライン及び第2スクライブラインで前記基板を割断する脆性材料基板の割断方法であって、
    第1スクライブライン及び/又は第2スクライブラインに沿ってレーザビームを照射する際に、第1スクライブラインと第2スクライブラインとの交点領域へのレーザビーム照射量を、交点領域以外のレーザビーム照射量よりも減少させることを特徴とする脆性材料基板の割断方法。
  2. 第1スクライブラインと第2スクライブラインとの交点領域へのレーザビーム照射量を、交点領域以外のレーザビーム照射量の50%以下とする請求項1記載の割断方法。
  3. レーザビーム出力を制御することによって、第1スクライブラインと第2スクライブラインとの交点領域へのレーザビーム照射量を減少させる請求項1又は2記載の割断方法。
  4. 第1スクライブラインと第2スクライブラインとの交点領域を、レーザビームを吸収又は反射する被覆部材で覆い、前記交点領域へのレーザビーム照射量を減少させる請求項1又は2記載の割断方法。
  5. 第1スクライブラインと第2スクライブラインとの交点領域を、レーザビームを吸収又は反射する液体で覆い、前記交点領域へのレーザビーム照射量を減少させる請求項1又は2記載の割断方法。
  6. 前記交点領域が、第1スクライブラインと第2スクライブラインとの交点から、レーザビームの相対移動方向上流側及び下流側にそれぞれ5mm以下の幅を有する領域である請求項1〜5のいずれかに記載の割断方法。
  7. 第1スクライブライン及び第2スクライブラインは、前記基板に対してレーザビームを相対移動させながら照射して、前記基板を溶融温度未満に加熱した後、前記基板に対して冷却媒体を吹き付けて冷却し、前記基板に生じた熱応力によって形成する請求項1〜6のいずれかに記載の割断方法。
JP2010145763A 2010-06-28 2010-06-28 脆性材料基板の割断方法 Expired - Fee Related JP5554158B2 (ja)

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