JP2005212473A - スクライブ装置およびこの装置を用いたスクライブ方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】スクライブ装置は、基板の表面におけるスクライブラインが形成されるスクライブ形成予定ラインに沿ってクラックを形成する基板のスクライブ装置であって、前記基板の軟化温度よりも低い温度のビームスポットが形成されるようにレーザビームを基板に対して相対移動させながら連続的に照射する照射手段と、照射手段によって加熱された基板表面の領域近傍を冷却する冷却手段とを具備し、照射手段は、ビームスポットが略長方形であり、その長手方向の軸がスクライブ形成予定ラインと平行であり、かつスクライブ形成予定ラインと直交する方向における幅の略中心にスクライブ形成予定ラインが位置するようレーザビームを基板に照射する。
【選択図】 図1
Description
特許文献1には、レーザビームを用いて脆性基板の表面にスクライブラインを形成する方法が開示されている。
レーザ照射装置101は、図15に示すように、レーザビームを発振するレーザビーム発振器110と、ミラー111と、レーザビームを所定の寸法、形状に形成するレンズ群112とから主に構成される。
図16に示されたレーザビームLB0のエネルギー分布の形状は、ガウシアン分布と称され、レーザビームLB0のエネルギー強度は、スクライブラインに沿って正規分布をしている。また、ビームスポットBS0は、楕円形状であり、スクライブラインに対して長軸が一致するように形成される。
この垂直クラックは、微細であるため、肉眼で目視することができず、ブラインドクラックと称せられている。ブラインドクラックがガラス基板Gに形成された後、ガラス基板Gは、ブラインドクラックの幅方向に曲げモーメントが作用するように外力が加えられ,それによってブラインドクラックに沿って分断される。
この方法では、脆性材料の軟化点よりも低い温度にまで前記表面を加熱し、意図する亀裂形成予定線上にあって、加熱された前記ターゲット領域から後方側へ向かって選択された距離だけ離れた位置にある加熱表面領域へ流体冷媒の流れを指向させ、放射ビームと脆性材料との相対的な移動を、前記距離を含む式:V=ka(b+L)/δによって規定される速度で行われる分断方法が開示されている。
ただし、上記の式において、各記号、
V:ビームスポットおよび材料の相対的な移動速度
k:材料の熱物理特性およびビームの出力密度に依存した比例係数
a:材料表面上の加熱ビームスポットの短軸方向の寸法
b:材料表面上の加熱ビームスポットの長軸方向の寸法
L:加熱ビームスポットの後端から冷却帯域の前端縁までの距離
δ:ブラインドクラックの深さ、はそれぞれの値が代入される。
この装置では、一方向に移動するガラス板にレーザービームを照射して加熱し、加熱部位の下流側においてノズルより冷媒を吹き付け、急速冷却してガラス板を切断する際に、ノズルのガラス板に対する吹き付け角度をガラス板の移動方向に対して特定角度に保持することにより、加熱部位に冷媒が流れ込むことを防止する。これにより、冷媒の飛散を抑え、ビームスポットの形成領域と冷却スポットの間に良好な応力勾配を形成することができるので、垂直方向に深いブラインドクラックを形成することができる。
この方法では、レーザービームの照射によって形成されるビームスポットの内部の任意の位置に冷却媒体を吹きかける技術が開示されている。これにより、板厚の薄い脆性基板がフルボディカットされることなく、分断に適切な深さのブラインドクラックを形成することができるとともに、レーザービームの出力の幅を広げることができる。
この方法では、レーザービームの照射によって形成されるビームスポットの後方のスクライブ予定ラインに沿った領域付近を冷却する主冷却スポットと、前記主冷却スポットよりもレーザスポット側にあって、スクライブ予定ラインに沿った領域付近を冷却するアシスト冷却スポットとを形成する技術が開示されている。これにより、ビームスポットの形成領域と冷却スポットの間に良好な応力勾配を形成することができるので、垂直方向に深いブラインドクラックを形成することができる。
すなわち、ビームスポットの中央付近ではエネルギー強度が高く、それに比較してビームスポットの両端部はエネルギー強度がかなり低くなるので、ビームスポットの中央付近で基板表面は基板材料の溶融温度に直ぐに近づくが、ビームスポットの両端部は加熱が充分ではなく、ビームスポットの幅広い領域を有効に利用できないという問題があった。
したがって、基板内部の広い領域に対して短時間に十分な熱伝達が行われにくいので、分断面、つまりスクライブラインに沿って分断された基板の端面、の品質を下げずに切断速度を上げることは困難であった。
また、スクライブ速度の向上を図るとともにレーザビームの出力を抑えることができるので、装置は小型化され、設置面積も小さくなる。
さらに、基板表面に照射されたビームスポットがスクライブライン形成予定ラインに対して大きくずれることがないので、形成されるスクライブラインの精度は高まり、製品の歩留りが格段に向上する。
また、本発明の基板の構成上の形態としては、1枚の基板からなる単板、一対の基板が貼り合わせられた貼り合わせ基板および複数の基板を積層した積層基板が含まれる。
図1は、本発明の脆性材料基板のスクライブ装置の実施形態を示す概略構成図である。本発明のスクライブ装置は、例えば、マザーガラス基板GからFPDに使用される複数のガラス基板に分断するためのスクライブラインを形成する装置である。この装置は、水平な架台11上に所定の水平方向(Y方向)に沿って往復移動するスライドテーブル12を有している。
図2に示すように、光学系4は、レーザビーム発振器34から出射されるレーザビームを反射するミラー41と、レーザビームを所定の寸法、形状に形成するレンズ群42と、後述するDOE43と、フィードバックによる光学系補正手段の一部を構成し、レーザビームの強度を検出する検出手段45および3軸テーブル46とから主に構成される。
DOEとは、その表面にμmオーダーのサイズで形成された凹凸微細形状パターンによって、光の方向、位相、強さなどを自由に変えることができる回折型光学部品であり、温度安定性にすぐれた材料、例えば、Ge(ゲルマニウム)、ZnSe(セレン化亜鉛)、石英、水晶等を材料として構成される。
DOEは、フォトリソグラフィおよびエッチングを含む従来のLSI製造技術を用いて製造できる。
具体的には、ZnSe基板上に塗布したフォトレジストをフォトマスクを介してUV(紫外線)光露光し、現像することによりパターンを転写する。
次いで、それを反応性イオンエッチング(RIE)によって所定の深さまで基板を削ってやり、最後にレジストを除去する。
光学系4は、レーザ発振器34から出射されDOE43に入射される前のレーザビームのエネルギー分布の変動に応じて、レーザ発振器34からDOE43に到る光路においてDOE43の位置を相対移動させたり、DOE43に入射するレーザビームの入射角度を制御するべく、DOE43の傾き角度を変化させる。このような制御を実行しつつ、基板GをDOE43に対して相対移動させる。
レンズ42とDOE43の間の光路には、レーザビームのエネルギー強度を検出する検出手段45が配置される。DOE43は、X・Y軸およびθ軸に座標データを有する3軸テーブル46に支持されている。検出手段45および3軸テーブル46は、フィードバック回路を有する、図示しない光学系補正制御部に接続されている。
レーザ発振器34から出射されたレーザビームは、レンズ42を経て検出手段45に入射される。光学系補正制御部は、検出手段45に入射されたレーザビームのエネルギー強度を計測し、得られた計測値に基づいてレーザビームのエネルギー強度分布を得る。次いで、エネルギー強度分布のピーク位置を求め、それまでのピーク位置とを比較してピーク位置のずれ量を検出する。
次いで、検出されたピーク位置のずれ量に基づいてDOE43の座標データを補正し、補正後の座標データに基づいて3軸テーブル46の駆動モータを駆動する。
これにより、DOE43に入射されるレーザビームは、そのエネルギー強度分布のピーク位置の変化を連続して把握することにより、DOE43に適正な入射角度および入射位置で入射されるよう光学系4の内部機構で補正される。
補正された光学系4を基板Gに対して相対移動させる具体例としては、ガラス基板Gが図2中で左右に移動する機構部を有し、レーザ発振装置34を固定した状態で光学系4を図2中で紙面と直交する方向に移動する機構部を有する構成が挙げられる。
図3に示されたレーザビームLB1のエネルギー分布の形状は、ガウシアン分布に比べてその頂部がなだらかになっており、スクライブラインに沿って均一な分布に近い形状となっている。
また、ビームスポットBS1は、略長方形であり、その長手方向の軸がスクライブ形成予定ラインと平行であり、かつスクライブ形成予定ラインと直交する方向における幅の略中心にスクライブ形成予定ラインが位置する。
図4〜図6を用いて、この発明のスクライブ装置の実施の形態2を説明する。
実施の形態2のスクライブ装置では、その光学系の構成が前記した実施の形態における光学系の構成と異なる。これ以外は前記した実施の形態と共通するので、共通する構成の説明は省略する。
図4に示すように、光学系6は、レーザビーム発振器34から出射されるレーザビームを反射するミラー61と、レーザビームを所定の寸法、形状に形成するレンズ群62と、後述するミラーユニット65と、レーザビームのエネルギー強度を検出する検出手段45から主に構成される。
なお、ミラーユニット65は,XY軸およびθ軸に座標データを有する3軸テーブルを具備する。
図5に示すように、ミラーユニット65は、ミラー本体71、ミラー本体71を支持する支持台72、支持台72を角度θ方向で傾けるモータ73、モータ73を介してミラー本体71をXおよびY軸方向に移動させるXYテーブル74の各1対と、XYテーブル74を介してミラー本体71を保持する保持部材75とを具備する。
光学系6では、レーザ発振器34から出射されミラーユニット65に入射される前のレーザビームのエネルギー分布の変動に応じて、レーザ発振器34からミラーユニット65に到る光路においてミラーユニット65の位置を相対移動させたり、ミラーユニット65に入射するレーザビームの入射角度を制御するべく、ミラーユニット65のミラー71の傾きおよび位置を変化させる。このような制御を実行しつつ、基板Gをミラーユニット65に対して相対移動させる。
レーザ発振器34から出射されたレーザビームは、レンズ62を経て検出手段45に入射される。光学系補正制御部は、検出手段45に入射されたレーザビームのエネルギー強度を計測し、得られた計測値に基づいてレーザビームのエネルギー強度分布を得る。次いで、作成されたエネルギー強度分布のピーク位置を求め、それまでのピーク位置とを比較してピーク位置のずれ量を検出する。
次いで、光学系補正制御部は、検出されたピーク位置のずれ量に基づいてミラーユニット65の3軸テーブルの座標データを補正し、補正後の座標データに基づいて前記3軸テーブルの駆動モータを駆動する。
これにより、ミラーユニット65に入射されるレーザビームは、そのエネルギー強度分布のピーク位置の変化を連続して把握することにより、ミラーユニット65が適正な入射角度および入射位置で入射されるよう光学系6を補正する。
次いで、光学系補正制御部は、補正された光学系6の光軸と基板Gのスクライブ予定ライン上に予め設定された基準点とが合致するように、補正された光学系6を基板Gに対して相対移動させる。
図6に示されたレーザビームLB2のエネルギー分布の形状は、前記したガウシアン分布に比べてその頂部がなだらかになっており、スクライブラインに沿って均一な分布に近い形状となっている。
また、ビームスポットBS2は、略長方形の形状を有し、長手方向の軸がスクライブ形成予定ラインと平行であり、かつスクライブ形成予定ラインと直交する方向における幅の略中心に前記スクライブ形成予定ラインが位置するよう形成される。
ビームスポットBS0のスクライブライン方向における両端部に設定される折り返しのためのラインL1およびL2は、任意の位置に設定でき、それぞれの端部からの長さを変えることができる。このような折り返しのためのラインを任意に設定することにより、ビームスポットのエネルギー分布のピーク位置を、例えば、ビームスポットの前後にあるいは左右にずらすことができる。
図7〜図10を用いて、この発明のスクライブ装置の実施の形態3を説明する。
実施の形態3のスクライブ装置では、その光学系の構成が前記した実施の形態における光学系の構成と異なる。これ以外は前記した実施の形態と共通するので、共通する構成の説明は省略する。
図7に示すように、光学系8は、レーザ発振器34から出射されるレーザビームを反射するミラー81と、レーザビームを所定の寸法、形状に形成するレンズ82と、後述する回折格子85と、レーザビームのエネルギー強度を検出する検出手段45および3軸テーブル46とから主に構成される。
レーザ発振器34から出射されたレーザビームは、レンズ82を経て検出手段45に入射される。光学系補正制御部は、検出手段45に入射されたレーザビームのエネルギー強度を計測し、得られた計測値に基づいてレーザビームのエネルギー強度分布を得る。次いで、作成されたエネルギー強度分布のピーク位置を求め、それまでのピーク位置とを比較してピーク位置のずれ量を検出する。
これにより、回折格子85に入射されるレーザビームは、そのエネルギー強度分布のピーク位置の変化を連続して把握することにより、回折格子85が適正な入射角度および入射位置で入射されるよう光学系8を補正する。
図8に示されたレーザビームLB3のエネルギー分布の形状は、前記したガウシアン分布に比べてその頂部がなだらかになっており、スクライブラインに沿って均一な分布に近い形状となっている。
また、ビームスポットBS3は、略長方形の形状を有し、長手方向の軸がスクライブ形成予定ラインと平行であり、かつスクライブ形成予定ラインと直交する方向における幅の略中心に前記長手方向の軸が位置するよう形成される。
図9に示すように、回折格子85の他の形態としては、(a)回折格子の片面または両面について、それぞれの表面に部分的に溝状の凹凸微細形状パターンを形成した回折格子95および(b)回折格子の片面または両面について、それぞれの表面に部分的に溝状の凹凸微細形状パターンを形成した回折格子96が挙げられる。
凹凸微細形状パターンを基板表面の周囲に形成し、基板表面の中央部を穿孔、あるいは貫通してもよい。
これらの凹凸微細形状パターンは、μmオーダーのサイズで形成され、温度安定性にすぐれた材料、例えば、Ge(ゲルマニウム)、ZnSe(セレン化亜鉛)、石英、水晶等を材料として構成される。
回折格子85は、フォトリソグラフィおよびエッチングを含む従来のLSI製造技術を用いて製造できる。
図10に示されたレーザビームLB4のエネルギー分布の形状は、前記したガウシアン分布に比べてその頂部がなだらかになっており、スクライブラインに沿って均一な分布に近い形状となっている。
また、ビームスポットBS4は、長方形の形状を有し、長手方向の軸がスクライブ形成予定ラインと平行であり、かつスクライブ形成予定ラインと直交する方向における略中心に前記長手方向の軸が位置するよう形成されている。
なお、上記した例では、回折格子85によってビームスポットの4つの端部が回折をともなって部分的に遮断される場合について説明したが、ビームスポットの少なくとも1つの端部が回折をともなって部分的に遮断されるように構成することができる。
図11(a)〜(e)に示されたレーザビームのエネルギー分布の形状は、(a)高原状51、(b)矩形52、(c)台形53、(d)スクライブ進行方向に対して後方にピークを有する水滴型54、(e)スクライブ進行方向に対して前方にピークを有する水滴型55が挙げられる。
実施の形態1〜3のスクライブ装置を用いた実験について以下に示す。
図12は実施の形態1〜3のスクライブ装置を用いた実験結果を示す表である。
スクライブ速度(mm/s)とレーザ出力(w)を変化させ、良好なブラインドクラックが形成された場合について、表中に○印を記入した。
表中のビームの種類は、BS0が参考例として従来の光学系101(図15)を用いた場合、BS1が実施の形態1の光学系4(図2)を用いた場合、BS3が実施の形態3の光学系8(図7)を用いた場合の結果を示す。
さらに、良好な基板の分断を可能にするためには、形成されるブラインドクラックを所定の深さに維持する必要があるが、実施の形態1の光学系4および実施の形態3の光学系8を装着したスクライブ装置を用いた場合には、スクライブ速度とレーザ出力との組合せが広い条件範囲で許容されるので、スクライブの加工条件等の設定範囲が広がる。
図13(a)は、実施の形態3の光学系8(図7)を用いたBS3について、基板の平面に対して直角方向から撮影した平面写真である。
図13(b)は、実施の形態1の光学系4(図2)を用いたBS1について、基板の平面に対して直角方向から撮影した平面写真であり、図13(c)は、BS1について、基板の平面に対して平行する方向から撮影した側面写真である。
図13(d)は、従来の光学系101(図15)を用いたBS0について、基板の平面に対して直角方向から撮影した平面写真であり、図13(e)は、BS0について、基板の平面に対して平行する方向から撮影した側面写真である。
(1)撓みスクライブについて
加工対象となる基板をスクライブ加工予定線を挟んで左右から撓み力を加えて基板を変形させた状態でスクライブを実行させる。
すなわち、a)材料保持面が上方に凸の局面形状のステージ上に被加工材料を置き、この材料を当該保持面に吸着させた状態で、当該材料表面にレーザビームを照射して上記の亀裂の発生とその誘導を行う。
b)被加工材料の裏面側で割断予定線に沿う位置を突起で支持して当該材料の裏面側に空間を設け、その空間の雰囲気を負圧に維持した状態で、この材料の表面にレーザビームを照射して上記の亀裂の発生とその誘導を行うことで、より深いクラックを生成させることが可能となり、ブレーク工程が簡単化される。
レーザによるスクライブが終了してクラックが形成された個所に、クラックの形成とほぼ同時に加熱流体又は蒸気を吹き付けることで、クラックの生成を増進させることでブレーク工程の簡素化が図れる。
(3)上記(2)の方法でクラックを形成させた後、加熱流体又は蒸気を吹き付けることで、クラックの深さを大きくして生成を増進させることでブレーク工程の簡素化が図れる。
(4)上記2の方法でクラックを形成させた後、さらにヒータやレーザによる加熱源からの熱をクラックの生成個所に与えることで、クラックの深さを大きくして生成を増進させることでブレーク工程の簡素化が図れる。
また、スクライブ速度の向上を図るとともにレーザビームの出力を抑えることができるので、装置は小型化され、設置面積も小さくなる。
さらに、基板表面に照射されたビームスポットがスクライブライン形成予定ラインに対して大きくずれることがないので、形成されるスクライブラインの精度は高まり、製品の歩留りが格段に向上する。
この発明では、ブラインドクラックの深さを維持しながら、スクライブ速度を上げることができる。
6 光学系
8 光学系
34 レーザビーム発振器
43 DOE
45 検出部(光学系補正手段)
46 3軸テーブル(光学系補正手段)
65 ミラーユニット
85 回折格子
95 回折格子
96 回折格子
Claims (8)
- 基板の表面におけるスクライブラインが形成されるスクライブ形成予定ラインに沿ってクラックを形成する基板のスクライブ装置であって、
前記基板の軟化温度よりも低い温度のビームスポットが形成されるようにレーザビームを基板に対して相対移動させながら連続的に照射する照射手段と、
照射手段によって加熱された基板表面の領域近傍を冷却する冷却手段とを具備し、
照射手段は、ビームスポットが略長方形であり、その長手方向の軸がスクライブ形成予定ラインと平行であり、かつスクライブ形成予定ラインと直交する方向における幅の略中心にスクライブ形成予定ラインが位置するようレーザビームを基板に照射することを特徴とする基板のスクライブ装置。 - 照射手段が、レーザビームを出射するレーザ発振器と、レーザ発振器から出射されたレーザビームに対してそのエネルギー分布を変えて基板上に出射する光学素子を含む光学系とを具備し、
光学系は、レーザ発振器から出射され前記光学素子に入射される前のレーザビームのエネルギー分布に応じて、レーザ発振器から前記光学素子に到る光路において前記光学素子を相対移動させ、次いで、基板を前記光学系に対して相対移動させる光学系補正手段を有する請求項1に記載のスクライブ装置。 - 光学素子が、入射された1本のレーザビームを回折によって出射角度の相違する複数のビームに分岐するDOE(回折型光学素子)、入射されたレーザビームを内側に折り返すように反射させるミラーまたは、入射されたレーザビームを回折をともなって遮断する回折格子のうちの少なくとも1つを有する請求項2に記載のスクライブ装置。
- 光学系補正手段が、少なくとも直交する2軸の方向に光学素子を移動する素子移動機構部と、基板を前記光学系に対して相対移動させる基板移動機構部と、前記光学素子に入射されるレーザビームのエネルギー分布のピーク位置を検出する検出部と、検出された前記ピーク位置を予め設定された基準ピーク位置と比較する比較部と、得られた比較結果に応じて、素子移動機構部の駆動を制御して光学系を補正し、さらに補正された光学系に対して基板を相対移動させるよう素子移動機構部および基板移動機構部の駆動を制御する駆動制御部とを具備してなる請求項2に記載のスクライブ装置。
- 基板の表面におけるスクライブラインが形成される領域に沿って、
前記基板の軟化温度よりも低い温度のビームスポットが形成されるようにレーザビームを連続的に基板に照射しつつ基板に対して相対移動させ、前記ビームスポットに追従して、ビームスポットに近接した領域をスクライブライン形成予定ラインに沿って連続して冷却することにより、スクライブライン形成予定ラインに沿ってクラックを形成する前記基板のスクライブ方法であって、
ビームスポットが略長方形であり、その長手方向の軸がスクライブ形成予定ラインと平行であり、かつスクライブ形成予定ラインと直交する方向における幅の略中心にスクライブ形成予定ラインが位置するようレーザビームを基板に照射することを特徴とする基板のスクライブ方法。 - レーザビームを出射するレーザ発振器から出射されたレーザビームに対してそのエネルギー分布を変えて基板上に出射する光学素子を光学系に配置し、光学系は、レーザ発振器から出射され前記光学素子に入射される前のレーザビームのエネルギー分布に応じて、レーザ発振器から前記光学素子に到る光路に対して前記光学素子を相対移動させ、次いで、基板を前記光学系に対して相対移動させる請求項5に記載のスクライブ方法。
- 前記光学素子として、入射された1本のレーザビームを回折によって出射角度の相違する複数のビームに分岐するDOE(回折型光学素子)、入射されたレーザビームを内側に折り返すように反射させるミラーまたは、入射されたレーザビームを回折をともなって遮断する回折格子のうちの少なくとも1つを用いる請求項6に記載のスクライブ方法。
- 前記光学素子に入射されるレーザビームのエネルギー分布のピーク位置を検出し、検出された前記ピーク位置を予め設定された基準ピーク位置と比較し、得られた比較結果に応じて、光学素子を移動させて光学系を補正し、さらに補正された光学系に対して基板を相対移動させる請求項6に記載のスクライブ方法。
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