JP2009066613A - 脆性材料基板の分断装置および分断方法 - Google Patents

脆性材料基板の分断装置および分断方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2009066613A
JP2009066613A JP2007235832A JP2007235832A JP2009066613A JP 2009066613 A JP2009066613 A JP 2009066613A JP 2007235832 A JP2007235832 A JP 2007235832A JP 2007235832 A JP2007235832 A JP 2007235832A JP 2009066613 A JP2009066613 A JP 2009066613A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
laser
substrate
laser spot
spot
optical path
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2007235832A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009066613A5 (ja
JP5060880B2 (ja
Inventor
Noribumi Arima
則文 在間
Koji Yamamoto
山本  幸司
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsuboshi Diamond Industrial Co Ltd
Original Assignee
Mitsuboshi Diamond Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsuboshi Diamond Industrial Co Ltd filed Critical Mitsuboshi Diamond Industrial Co Ltd
Priority to JP2007235832A priority Critical patent/JP5060880B2/ja
Priority to TW097125515A priority patent/TWI394628B/zh
Priority to KR1020080070920A priority patent/KR101211427B1/ko
Priority to CN2008102151778A priority patent/CN101386467B/zh
Publication of JP2009066613A publication Critical patent/JP2009066613A/ja
Publication of JP2009066613A5 publication Critical patent/JP2009066613A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5060880B2 publication Critical patent/JP5060880B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L21/00Processes or apparatus adapted for the manufacture or treatment of semiconductor or solid state devices or of parts thereof
    • H01L21/67Apparatus specially adapted for handling semiconductor or electric solid state devices during manufacture or treatment thereof; Apparatus specially adapted for handling wafers during manufacture or treatment of semiconductor or electric solid state devices or components ; Apparatus not specifically provided for elsewhere
    • H01L21/67005Apparatus not specifically provided for elsewhere
    • H01L21/67011Apparatus for manufacture or treatment
    • H01L21/67092Apparatus for mechanical treatment
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L21/00Processes or apparatus adapted for the manufacture or treatment of semiconductor or solid state devices or of parts thereof
    • H01L21/02Manufacture or treatment of semiconductor devices or of parts thereof
    • H01L21/04Manufacture or treatment of semiconductor devices or of parts thereof the devices having potential barriers, e.g. a PN junction, depletion layer or carrier concentration layer
    • H01L21/18Manufacture or treatment of semiconductor devices or of parts thereof the devices having potential barriers, e.g. a PN junction, depletion layer or carrier concentration layer the devices having semiconductor bodies comprising elements of Group IV of the Periodic Table or AIIIBV compounds with or without impurities, e.g. doping materials
    • H01L21/26Bombardment with radiation
    • H01L21/263Bombardment with radiation with high-energy radiation
    • H01L21/268Bombardment with radiation with high-energy radiation using electromagnetic radiation, e.g. laser radiation
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L21/00Processes or apparatus adapted for the manufacture or treatment of semiconductor or solid state devices or of parts thereof
    • H01L21/02Manufacture or treatment of semiconductor devices or of parts thereof
    • H01L21/04Manufacture or treatment of semiconductor devices or of parts thereof the devices having potential barriers, e.g. a PN junction, depletion layer or carrier concentration layer
    • H01L21/18Manufacture or treatment of semiconductor devices or of parts thereof the devices having potential barriers, e.g. a PN junction, depletion layer or carrier concentration layer the devices having semiconductor bodies comprising elements of Group IV of the Periodic Table or AIIIBV compounds with or without impurities, e.g. doping materials
    • H01L21/30Treatment of semiconductor bodies using processes or apparatus not provided for in groups H01L21/20 - H01L21/26
    • H01L21/324Thermal treatment for modifying the properties of semiconductor bodies, e.g. annealing, sintering
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L21/00Processes or apparatus adapted for the manufacture or treatment of semiconductor or solid state devices or of parts thereof
    • H01L21/70Manufacture or treatment of devices consisting of a plurality of solid state components formed in or on a common substrate or of parts thereof; Manufacture of integrated circuit devices or of parts thereof
    • H01L21/77Manufacture or treatment of devices consisting of a plurality of solid state components or integrated circuits formed in, or on, a common substrate
    • H01L21/78Manufacture or treatment of devices consisting of a plurality of solid state components or integrated circuits formed in, or on, a common substrate with subsequent division of the substrate into plural individual devices

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Condensed Matter Physics & Semiconductors (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Computer Hardware Design (AREA)
  • Microelectronics & Electronic Packaging (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • High Energy & Nuclear Physics (AREA)
  • Electromagnetism (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Toxicology (AREA)
  • Re-Forming, After-Treatment, Cutting And Transporting Of Glass Products (AREA)
  • Processing Of Stones Or Stones Resemblance Materials (AREA)
  • Laser Beam Processing (AREA)

Abstract

【課題】 1回目レーザ加熱、冷却、2回目レーザ加熱の手順で基板を確実に分断できる装置を提供する。
【解決手段】 1つのレーザ光源から出射されるレーザビームの光路を調整する光路調整機構により第1レーザスポットまたは第2レーザスポットを形成し、第1レーザスポットを形成するときは、基板に垂直に入射する垂直入射ビームを中心として略対称な熱エネルギー分布を有するビーム形状にして照射し、第2レーザスポットを形成するときは、基板に斜め入射する斜め入射ビームを中心として前方側が後方側より大きい熱エネルギー分布を有する形状にして照射する。
【選択図】図1

Description

本発明は、レーザ照射による局所的な加熱および加熱直後の冷却と、2回目のレーザ照射による再加熱とによって、脆性材料基板を分断する分断装置および分断方法に関する。
ここで脆性材料基板とは、ガラス基板、焼結材料のセラミックス、単結晶シリコン、半導体ウエハ、セラミック基板等をいう。
カレットの発生がほとんどなく、高品質な分断面が得られるガラス基板等の脆性材料基板の分断方法が望まれている。このような分断が実現できる分断方法として、レーザ照射、冷媒噴射、2回目レーザ照射の手順により基板を分断する方法が提案されている(特許文献1参照)。
すなわち、分断しようとする基板の表面上の仮想ライン(分断予定ライン)に沿って、1回目のレーザビームの照射による局所加熱を行うとともに、加熱直後に冷媒を噴射して冷却を行うことにより、基板表面にクラック(スクライブライン)を形成する。続いて、形成されたクラック(スクライブライン)に沿って、2回目のレーザビームの照射による再加熱を行うことによって、クラックを基板の深部に進展させる(以後、本明細書ではクラックが基板の深さ方向に成長する場合に「進展」と表現する)。このときクラックが基板裏面まで進展するようにして、基板を完全にブレイクする。この文献によれば、1台または複数台のレーザ装置が用いられ、1台のレーザ装置で加工するときは、長円形状のレーザスポットを形成し、1回目加熱と2回目加熱とを同じ形状のレーザスポットで繰り返し照射する。複数のレーザ装置を用いたときは、各レーザ装置で鏡筒部のレンズ系を異ならせることができ、1回目は1つの長円、2回目は多点スポットにして照射することも可能になる。
また、スクライブ予定ラインに沿って、楕円形状の第1レーザスポットで加熱しつつ、第1レーザスポットの近接領域を円形状または長方形状の冷却ポイントで冷却し、さらに第1レーザスポットとは反対側において冷却ポイントに近接した領域を、楕円形状の第2レーザスポットで加熱することにより、スクライブを行う方法および装置が開示されている(特許文献2参照)。この文献によれば、第1レーザ発振器、第2レーザ発振器からのレーザビームを光学系によって加工することにより、楕円形状の第1レーザスポット、第2レーザスポットが形成される。そして第1レーザスポットによる加熱と冷却ポイントによる冷却とによって応力勾配を生じさせることにより、基板に垂直クラックが形成される。さらに、冷却ポイントに近接した領域が第2レーザスポットによって再度加熱されることにより、垂直クラックがさらに裏面に向かって進展していく(クラックが板底まで達するとフルボディカットされる)。続いて、基板は分断工程に供給され、クラックの左右に曲げモーメントが加えられて基板が分断される。
さらに、第1レーザスポット、冷却スポット、第2レーザスポットをこの順に配置し、基板上を同時に走査することによりガラス基板のような脆性材料基板を切断する方法において、第1レーザスポットのスポット形状が、長軸(分断しようとするラインの方向)に対し左右対称であり、かつ、長軸方向に前後非対称(前方の面積が後方の面積に比べて大きくなる)であるようにして、分断速度を極大化することが開示されている(特許文献3、図8参照)。この文献によれば、切断装置は、第1レーザビーム、第2レーザビームを作る2台のレーザビーム照射装置を備えており、スポット形状が前後非対称になるように形成された第1レーザビームは、第1レーザビーム照射装置で発生する第1レーザビームを、凸レンズ及び凹レンズにより構成されたレンズグループを通過させるときに、レンズグループの焦点から一側にオフセットされたところを通過させることにより得られることが開示されている。
さらに、第1レーザスポット、冷却スポット(冷却ポイント)、第2レーザスポットをこの順に配置して基板上を同時に走査することにより、脆性材料基板のスクライブを行う方法において、第2レーザスポットは冷却スポットに近接した前端部に最大の熱エネルギー強度領域が偏るように設けられるようにして、冷却ポイントとの間に大きな応力勾配を発生させ、これによりスクライブ予定ラインに沿って形成された垂直クラックを、裏面に向けてさらに深く進展させることが開示されている(特許文献4参照)。この文献によれば、第1レーザスポット用と第2レーザスポット用との2台のレーザ装置を搭載して、各レーザスポットの熱エネルギー強度分布を別々に調整するようにし、各レーザスポットは回折格子レンズによって熱エネルギー強度分布が一端側で最大になるようにレンズ系によって加工されている。
特開2001−130921号公報 WO2003/026861号公報 特開2003−117921号公報 WO2003/013816号公報
これらの特許文献に記載されているように、1回目のレーザ加熱と加熱直後の冷却とによって脆性材料基板にクラック(スクライブライン)を形成し、さらに2回目のレーザ加熱を行うことによって形成されたクラックを深く進展させることができる。
ところで、2回目のレーザ加熱によりクラックを深部に進展させるときに、クラックが裏面まで到達して基板が完全に分断されるか、それともクラックが裏面まで到達することなく基板内で停止するかは、基板の板厚、加熱条件、冷却条件に依存し、特に、基板の板厚と加熱条件が大きく影響する。
一般に、板厚が厚い基板(厚さ1mm以上)は、加熱条件等を調整することにより、比較的容易にクラックを裏面まで進展させて基板を完全分断することができるが、基板の板厚が薄くなるにつれて、2回目のレーザ加熱によってクラックを深さ方向に進展させて分断する制御が困難になる。これは、基板表面に形成されたクラックを基板の深さ方向に進展させるには、クラックの進展を引き起こすための深さ方向に変化する応力勾配が基板内に形成されなければならないが、基板の板厚が薄い場合には、そのような応力勾配を形成するために必要な深さ方向の温度差を形成しにくいことによる。すなわち、基板の板厚が薄いと、レーザ照射による温熱、冷媒噴射による冷熱が直ちに表面側から裏面側に伝達されて、温度差が生じにくくなることによる。特に基板の板厚が0.7mm以下まで薄くなるとそのような傾向がますます強くなる。
したがって、基板の板厚が薄くなるにつれて、単に2回目のレーザ照射を行うだけでは基板が分断されるとは限らないため、特許文献2に記載されているように、クラック(スクライブライン)に沿って曲げモーメントを加えるブレイク工程を次工程に追加するようにして、確実に分断がなされるようにしなければならなかった。
また、特許文献1にも記載されているが、基板の板厚が薄い場合に、加熱条件、冷却条件によっては1回目のレーザ加熱と加熱直後の冷却とによって、いきなり分断されてしまうことがある。これは基板が、深さ方向の応力勾配によって分断されるのではなく、レーザビームの走査方向(基板の面方向)の応力勾配、すなわちレーザビームが照射された位置近傍に発生する圧縮応力と、冷媒が噴射された位置近傍に発生する引張応力との面方向の応力勾配によって引き起こされる基板の面方向に進行する分断(深さ方向にクラックが進展する場合と区別するために面方向の応力勾配による分断では「進展」ではなく「進行」という)である。これを横割れと称する。横割れによる分断は、上述した深さ方向の応力勾配による分断(縦割れと称する)とは分断メカニズムが異なるものであり、分断面の直進性や品質が縦割れによる分断に比べて劣るので、加熱条件等を調整するようにして、横割れによる分断の発生を避けるようにしなければならない。すなわち、基板の板厚が薄い場合においても、1回目のレーザ加熱と加熱直後の冷却とによって、必ず一旦クラック(スクライブライン)を形成した上で、2回目のレーザ加熱でクラックを深さ方向に進展させることで分断(縦割れ)を行うようにする必要がある。
その場合、1回目のレーザ加熱で横割れが発生しない加熱条件を見つけることは比較的容易であるが、一般に、1回目のレーザ加熱で用いた横割れの生じない加熱条件で、2回目のレーザ加熱を繰り返しても、深さ方向へのクラックの進展を生じさせることは困難であり、2回目のレーザ加熱を1回目の加熱条件と異なる加熱条件(異なる熱エネルギー分布等)にする必要がある。ちなみに、2回目レーザ照射でのレーザスポットを、1回目レーザ照射でのレーザスポットと同じ形状、同じ熱エネルギー分布で実行した場合は、1回目と同じ応力分布が発生するだけなので、クラックはほとんど進展しないことが、実験的に確かめられている。
このように、基板の板厚が薄くなるにつれて、1回目レーザ加熱、冷却、2回目レーザ加熱の手順を経るようにして、一旦クラック(スクライブライン)を形成した後に、形成されたクラックを進展させるようにして基板を完全に分断(縦割れ)させることが困難になる傾向があり、その結果、高品質な分断面を有する複数の基板に分断することが困難になっている。
よって、基板の板厚が薄い場合でも、クラック(スクライブライン)を形成した後に、クラックを深く進展させて分断(縦割れ)することが確実にできる分断装置および分断方法が望まれている。
上述した特許文献4のように、第1レーザスポットと第2レーザスポットとでレーザスポットの形状を変化させ、第2レーザスポットを冷却スポットに近い側の先端が最大エネルギー強度分布になるようにして照射することによりクラックを深く進展させる方法は、2回目の加熱条件が1回目の加熱条件と異なる加熱条件となることになり、基板の板厚が薄い場合でも有効であり、適用可能である。
しかしながら、上記文献では2台のレーザ装置を搭載しており、そのため装置が大形化してしまう。また、2台のレーザ装置を用いるとなると、1回目のレーザ照射と2回目のレーザ照射とが異なる光学系で基板にレーザ照射されるようになるので、それぞれのレーザ装置が形成するレーザスポット間の光学的な位置調整が必要になる。また、上記文献で各レーザ装置は、レーザビームの光路上に特殊な回折格子レンズを取り付けて非対称な熱エネルギー強度分布を形成しているため、1つのレーザ装置を採用したのでは照射される熱エネルギー分布を変更して利用することは困難である。
そこで、本発明は、縦割れによる基板の分断を実現するために必要な、1回目レーザ加熱、冷却、2回目レーザ加熱の手順での分断処理を、確実に実現できるようにした分断装置および分断方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、レーザ照射を行う光学系を改良し、1回目レーザ加熱と2回目レーザ加熱との切り替えや調整を、短時間で簡単に行うことができる分断装置および分断方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するためになされた本発明の分断装置は、スポット形状が互いに異なる第1レーザスポットと第2レーザスポットとを選択的にステージ上の脆性材料基板に照射するレーザ照射手段と、第1レーザスポットを照射するときに第1レーザスポットの近傍を冷却する冷却スポットを形成する冷却手段と、前記基板に対し、第1レーザスポット、第2レーザスポット、冷却スポットを相対移動させる移動手段と、前記基板に対し、第1レーザスポットを照射しつつ移動することにより前記基板の軟化点よりも低い温度で加熱し、冷却スポットを第1レーザスポットに追従するように移動させて冷却することにより基板表面にクラックを形成し、さらに前記クラックに沿って第2レーザスポットを照射しつつ移動して基板の軟化点よりも低い温度で前記基板を再加熱することにより前記クラックを前記基板の裏面まで進展させて前記基板を分断する制御を行う分断制御部とを備えた脆性材料基板の分断装置であって、前記レーザ照射手段は、1つのレーザ光源から出射されるレーザビームの光路を調整する光路調整機構により前記第1レーザスポットと前記第2レーザスポットとを形成し、前記レーザ照射手段が第1レーザスポットを形成するときは、前記基板に垂直に入射する垂直入射ビームを中心として第1レーザスポットが移動する方向に対して対称な熱エネルギー分布を有するビーム形状にして照射し、前記レーザ照射手段が第2レーザスポットを形成するときは、前記基板に斜め入射する斜め入射ビームを中心として第2レーザスポットが移動する方向の前方側が後方側より大きい熱エネルギー分布を有する形状にして照射するようにしている。
ここで、レーザ照射手段が照射するレーザスポットは、従来から脆性材料基板にレーザスクライブを行う際に使用しているレーザ光源を用いて形成すればよく、脆性材料基板の種類に応じてエキシマレーザ、YAGレーザ、炭酸ガスレーザ又は一酸化炭素レーザなどから選択すればよい。例えばガラス基板には炭酸ガスレーザを用いればよい。
また、冷却手段は第1レーザスポットの近傍を局所的に冷却する冷却スポットを形成できればよく、冷却スポットの形成方法はどのようであってもよい。例えば、噴射ノズルから基板面に冷媒を吹き付ける冷媒噴射機構を設けるようにして、冷却スポットを形成してもよい。その場合、冷媒には、水(水蒸気)、圧縮空気、Heガス、Nガス、COガス等を用いることができる。
また、移動手段は、第1レーザスポット、第2レーザスポット、冷却スポットの位置を固定し、脆性材料基板を載置するステージを移動するようにしてもよいし、逆に第1レーザスポット、第2レーザスポット、冷却スポットの位置を移動するようにし、脆性材料基板を載置するステージを固定してもよい。
本発明によれば、分断制御部がレーザ照射手段、冷却手段、移動手段を制御して、脆性材料基板に対し、第1レーザスポットを照射しつつ移動することにより基板の軟化点よりも低い温度で加熱し、冷却スポットを第1レーザスポットに追従するように移動して冷却することにより、基板表面にクラック(スクライブライン)を形成する制御を行う。さらに、形成されたクラック(スクライブライン)に沿って、第2レーザスポットを照射しつつ移動して基板の軟化点よりも低い温度で前記基板を再加熱する制御を行う。これらの制御において、レーザ照射手段は、1つのレーザ光源から出射されるレーザビームの光路を調整する光路調整機構により、第1レーザスポットと第2レーザスポットとを形成する。レーザ照射手段は、第1レーザスポットを形成するときは、基板に垂直に入射する垂直入射ビームを中心として対称な熱エネルギー分布を有するビーム形状にして照射する。その結果、垂直入射ビームを中心に対称なビーム形状の第1レーザスポットが形成される。具体的には、例えば楕円形状、長円形状、あるいは円形状等の第1レーザスポットが形成される。レーザ照射手段が第2レーザスポットを形成するときは、基板に斜め入射する斜め入射ビームを中心として、第2レーザスポットが移動する方向の前方側が後方側より大きい熱エネルギー分布を有する形状にして照射する。その結果、斜め入射ビームを中心として非対称なレーザスポットが形成される。具体的には、例えば前方側が後方側より大きい熱エネルギー分布を有する卵型形状のレーザスポットが形成される。
このように、レーザ照射手段は、光路調整機構によりレーザビームの基板に対する入射方向を切り換えることにより、垂直入射ビームを中心にした第1レーザスポットを形成するとともに、斜め入射ビームを中心にした第2レーザスポットを形成する。
本発明によれば、1つのレーザ光源で、互いに形状が異なる第1レーザスポットと第2レーザスポットとを形成することができるので、レーザ光源の使用台数を減らすことができ、レーザ光源を2つ用いたときには必要になったレーザビーム間の位置調整を行う必要がなくなる。
また、基板の分断(縦割れ)に必要な1回目レーザ加熱、冷却、2回目レーザ加熱の手順での分断処理を実行する際に、1回目レーザ加熱で横割れが発生しにくい加熱条件(第1レーザスポット)を選択した場合でも、2回目レーザ加熱の際に、第1レーザスポットと異なる第2レーザスポットの加熱条件に簡単に切り換えて照射することができ、クラックを裏面まで進展させることができる。
(その他の課題を解決するための手段及び効果)
上記発明において、光路調整機構は、レーザビームの光路上に回転ミラーが設けられるとともに、回転ミラーに対するレーザビームの入射位置を調整する調整機構を備えるようにしてもよい。
ここで、回転ミラーは、回転する反射面にレーザビームが照射されることにより、レーザビームをある角度範囲で走査できる構造であればよい。具体的には、ポリゴンミラーが一般的に用いられるが、これ以外に楕円ミラー(円ミラーを除く)、照射面の熱エネルギー分布を変化させるために反射面を特殊な曲面にした回転ミラーであってもよい。
本発明によれば、レーザ照射手段は、レーザ光源から出射されるレーザビームを、高速回転中の回転ミラー(例えばポリゴンミラー)の反射面に入射することによりレーザビームが走査され、走査されたレーザビームによるビーム束によってレーザスポットが形成される。そして回転ミラーの反射面に対するレーザビームの入射位置を調整機構で移動することにより、レーザビームの回転ミラーからの出射角度を変えることができるので、垂直入射ビームを中心とする第1レーザスポットを形成したり、斜め入射ビームを中心とする第2レーザスポットを形成したりすることが簡単にできるようになる。
上記発明において、光路調整機構は、レーザビームの光路上に反射ミラーが配置されるとともに、レーザビームの反射ミラーに対する入射角を調整する調整機構を備えるようにしてもよい。
本発明によれば、レーザ照射手段は、レーザ光源から出射したレーザビームを反射ミラーの反射面で反射された後に基板に照射する。レーザビームは、反射ミラーへの入射角が変わることにより、反射ミラーからの出射角度を変えることができるので、調整機構により反射ミラーに対するレーザビームの入射角度を変えるだけで、垂直入射ビームを中心とする第1レーザスポットを形成したり、斜め入射ビームを中心とする第2レーザスポットを形成したりすることができるようになる。
上記発明において、光路調整機構には、さらにレーザビームの光路上に配置され、ビーム形状を調整する調整ミラーまたは調整レンズが含まれるようにしてもよい。
ここで調整ミラー、調整レンズには、レーザビームがこれらの光学素子で反射したり、透過したりしたときにレーザビームのビーム径やビームスポットが変更する素子を用いることができる。具体的には、平凸レンズ、凹面ミラー、シリンドリカルレンズ等が用いられる。
本発明によれば、調整ミラーまたは調整レンズの光路上での位置や角度を調整することにより、形成される第1レーザスポット、第2レーザスポットの形状についても調整することができる。
上記発明において、第2レーザスポットは、少なくとも第1レーザスポットよりも広くなるように調整ミラーまたは調整レンズにより調整されるようにしてもよい。
本発明によれば、2回目レーザ照射の際に、第1レーザスポットよりも大きなスポット形状にした第2レーザスポットで再加熱を行うようにすることで、1回目レーザ照射の加熱領域よりも大きな面積で基板を反り返えらせるようにしながらクラックを進展させるようになり、クラックの進展が促進される。
上記発明において、分断制御部は、基板上で第1レーザスポットおよび冷却スポットを移動してクラックを形成するときの移動方向と、基板上で第2レーザスポットを移動してクラックを進展するときの移動方向とを逆にして、往復移動により前記基板を分断するようにしてもよい。
本発明によれば、往路でクラックを形成し、復路でクラックを進展させて分断することができるので、効率よく作業を進めることができる。
また、別の観点からなされた本発明の脆性材料基板の分断方法は、脆性材料基板に設定される分断予定ラインに沿って第1レーザスポットを照射しつつ移動することにより基板の軟化点よりも低い温度で前記基板を加熱し、次いで第1レーザスポットに追従する冷却スポットにより前記基板を冷却して基板表面にクラックを形成し、さらに前記クラックに沿って第2レーザスポットを照射しつつ移動することにより基板の軟化点よりも低い温度で前記基板の再加熱を行うことにより、前記クラックを前記基板の裏面まで進展させて分断する脆性材料基板の分断方法であって、前記第1レーザスポットと前記第2レーザスポットとを、1つのレーザ光源から出射するレーザビームの光路を光路調整機構で調整することにより形成し、前記第1レーザスポットは、前記基板に垂直に入射する垂直入射ビームを中心として第1レーザスポットの移動方向の前後に対して対称な熱エネルギー分布を有する形状にして照射し、前記第2レーザスポットは、前記基板に斜め入射する斜め入射ビームを中心として第2レーザスポットの移動方向の前方側が後方側より大きい熱エネルギー分布を有する形状にして照射するようにしている。
本発明によれば、1つのレーザ光源で、第1レーザスポットと第2レーザスポットとを形成することができるので、レーザ光源の使用台数を減らすことができ、レーザ光源を2つ用いることで必要になっていたレーザビームの間の位置調整を行う必要がなくなる。
また、基板の分断(縦割れ)に必要な1回目レーザ加熱、冷却、2回目レーザ加熱の手順での分断処理を実行する際に、1回目レーザ加熱で横割れが発生しにくい加熱条件(第1レーザスポット)を選択した場合でも、2回目レーザ加熱の際に、第1レーザスポットと異なる第2レーザスポットの加熱条件に簡単に切り換えて照射することができ、レーザスポットの形状を変えることにより、クラックを裏面まで確実に進展させることができる。
(実施形態1)
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明の一実施形態であるレーザ分断装置LC1の概略構成図である。図2は図1のレーザ分断装置LC1における制御系の構成を示すブロック図である。
まず、図1に基づいて、レーザ分断装置LC1の全体構成について説明する。
水平な架台1上に平行に配置された一対のガイドレール3、4に沿って、図1の紙面前後方向(以下Y方向という)に往復移動するスライドテーブル2が設けられている。両ガイドレール3,4の間に、スクリューネジ5が前後方向に沿って配置され、このスクリューネジ5に、前記スライドテーブル2に固定されたステー6が螺合されており、スクリューネジ5をモータ(図示外)によって正、逆転することにより、スライドテーブル2がガイドレール3,4に沿ってY方向に往復移動するように形成されている。
スライドテーブル2上に、水平な台座7がガイドレール8に沿って、図1の左右方向(以下X方向という)に往復移動するように配置されている。台座7に固定されたステー10に、モータ9によって回転するスクリューネジ10aが貫通螺合されており、スクリューネジ10aが正、逆転することにより、台座7がガイドレール8に沿って、X方向に往復移動する。
台座7上には、回転機構11によって回転する回転テーブル12が設けられており、この回転テーブル12に、切断対象の脆性材料基板であるガラス基板Gが水平な状態で取り付けられる。回転機構11は、回転テーブル12を、垂直な軸の周りで回転させるようになっており、基準位置に対して任意の回転角度になるように回転できるように形成されている。また、分断対象物であるガラス基板Gは、例えば吸引チャックによって回転テーブル12に固定される。
回転テーブル12の上方には、レーザ発振器13と光路調整機構14とが取付フレーム15に保持されている。光路調整機構14は、レーザ発振器13から出射するレーザ光の光路を調整するための光路調整素子群14a(平凸レンズ31、反射ミラー32、ポリゴンミラー33)と、光路調整素子群14aの位置を移動するモータ群14b(モータ34〜36)と、光路調整素子群14aとモータ群14bとを連結するアーム群14c(アーム37〜39)とからなる。平凸レンズ31(メニスカスレンズ)はアーム37を介して昇降モータ34に接続され上下方向の位置が調整できるようにしてある。また、反射ミラー32はアーム38を介して昇降モータ35に接続され上下方向の位置が調整できるようにしてある。また、ポリゴンミラー33はアーム39を介して昇降モータ36に接続され上下方向の位置が調整できるようにしてある。
レーザ発振器13から出射されたレーザビームは、これらの光路調整素子群14aを通過することによって、所望の断面形状を有するビーム束が形成され、基板Gの上にレーザスポットとして照射される。本実施形態では細く絞られたレーザビームが出射され、ポリゴンミラー33で走査されることにより、楕円形状のレーザスポットLS(図2)がガラス基板G上に形成される。そして光路調整素子群14aを調整することにより、1回目レーザ照射の際に用いる第1レーザスポット、2回目レーザ照射の際に用いる第2レーザスポットを切り換えるようにする。なお、光路調整素子群14aの各素子による光路調整については後述する。
取付フレーム15には、光路調整機構14に近接して、冷却ノズル16が設けられている。この冷却ノズル16からは、冷却水、Heガス、炭酸ガス等の冷却媒体がガラス基板Gに噴射されるようにしてある。冷却媒体は、ガラス基板Gに照射された楕円形状のレーザスポットLSの近傍に吹き付けられて、ガラス基板Gの表面に冷却スポットCS(図2)を形成する。
取付フレーム15には、さらにカッターホイール18が、上下移動調節機構17を介して取り付けられている。このカッターホイール18は、焼結ダイヤモンドまたは超硬合を材料とし、外周面に頂点を刃先とするV字形の稜線部を備えたものであって、ガラス基板Gへの圧接力が上下移動調節機構17によって微細に調整できるようになっている。カッターホイール18は、専ら、ガラス基板Gの端縁に初期亀裂TR(図2)を形成するときに、台座7をX方向に移動させつつ一時的に下降させるようにして用いる。
続いて、図2に基づいて制御系を説明する。レーザ分断装置LC1は、メモリに記憶された制御パラメータおよびプログラム(ソフトウェア)とCPUとにより、各種処理を実行する制御部50を備えている。この制御部50は、スライドテーブル2、台座7、回転テーブル12の位置決めや移動を行うためのモータ(モータ9等)を駆動するテーブル駆動部51、レーザ照射を行うレーザ駆動部52(レーザ発振器13を駆動するレーザ光源駆動部52a、光路調整素子群14a用のモータ群14bを駆動する光路調整機構駆動部52bを含む)、冷却ノズル16による冷媒噴射を制御する開閉弁(不図示)を駆動するノズル駆動部53、カッターホイール18によりガラス基板Gに初期亀裂を形成するカッター駆動部54、カメラ20、21により基板Gに刻印してある位置決め用マーカを映し出すカメラ駆動部55の各駆動系を制御する。また、制御部50は、キーボード、マウスなどからなる入力部56、および、表示画面上に各種表示を行う表示部57が接続され、必要な情報が画面に表示されるとともに、必要な指令や設定が入力できるようにしてある。
また、制御部50は、テーブル駆動部51、レーザ駆動部52(レーザ光源駆動部52a、光路調整機構駆動部52b)、ノズル駆動部53、カッター駆動部54を総合的に駆動してガラス基板Gの分断を行う分断制御部58を備えており、この分断制御部58により、1回目レーザ照射、冷却、2回目レーザ照射の手順による分断が実行される。
具体的には、分断制御部58が、まずカッター駆動部54とテーブル駆動部51とを制御して、カッターホイール18を下降した状態で基板Gを移動し、これにより初期亀裂TRを形成する処理が行われる。続いてテーブル駆動部51、レーザ駆動部52、ノズル駆動部53を制御して、レーザビーム(第1レーザスポット)を照射するとともに冷媒を噴射した状態で基板Gを移動する。これにより1回目レーザ照射および冷却を行い、基板にクラックを形成する処理が行われる。続いてテーブル駆動部51、レーザ駆動部52を制御して、レーザビーム(第2レーザスポット)を照射した状態で基板Gを移動する。これにより2回目レーザ照射を行い、クラックを進展させる処理が行われる。
次に、光路調整機構14(光路調整素子群14a、モータ群14b、アーム群14c)による光路調整の動作について説明する。
図3は光路調整機構14の動作を説明する図であり、具体的には、反射ミラー32の上下移動により、基板Gに照射するレーザスポットを変化させ、ビーム照射領域の熱エネルギー分布を変化させる動作を説明する図である。
レーザ光源13から出射されるレーザビームLB0の進行方向は鉛直下方に向けてあり、レーザビームLB0は平凸レンズ31に入射する。平凸レンズ31を通過したレーザビームLB1はさらに鉛直方向に進行し、反射ミラー32に入射する。このとき反射ミラー32の反射面に45度の入射角度で入射するとともに、45度の反射角度で出射するように反射ミラー32の取付角度が調整してあり、反射ミラー32で反射したレーザビームLB2は、水平方向に進行する。
水平方向に進行するレーザビームLB2はポリゴンミラー33に入射する。このとき、ポリゴンミラー33の高さ位置と反射ミラー32の高さ位置との関係により、レーザビームLB2のポリゴンミラー33への入射位置が変化し、その結果、ポリゴンミラー33の反射面への入射角度およびポリゴンミラー33からの出射角度を調整することができる。すなわち、ポリゴンミラー33の高さ位置を固定したまま、モータ35(図1)を駆動し、アーム38を昇降させてポリゴンミラー33に対する反射ミラー32の高さを調整することにより、ポリゴンミラー33に入射するレーザビームLB2の入射位置を調整し、ポリゴンミラー33から基板Gに向けて出射させるレーザビーム(ビーム束)LB3の角度を調整するようにしている。
具体的には、第1レーザスポットを形成するときは、反射ミラー32からポリゴンミラー33に向かうレーザビームLB2が、ポリゴンミラー33の1つの反射面における中央位置に、45度で入射するようにし(図中一点鎖線で示す)、反射面からは45度の反射角度で出射されるようにする。その結果、鉛直下方に進行するようになり、ガラス基板Gに対して垂直入射するレーザビームLB3aが形成されるようになる。
ポリゴンミラー33の反射面が高速回転することにより、ポリゴンミラー33から出射するレーザビーム(ビーム束)LB3はレーザビームLB3aを中心に走査され、図4に示すように熱エネルギー分布Eがビームの走査方向前後に略対称な第1レーザスポットLS1が形成される。
また、第2レーザスポットを形成するときは、反射ミラー32からポリゴンミラー33に向かうレーザビームLB2が、ポリゴンミラー33の1つの反射面における中央位置に、第1レーザスポットを形成するときよりも深い入射角(例えば60度)で入射するようにし(図中破線で示す)、ポリゴンミラー33の反射面からも深い反射角度で出射されるようにする。その結果、基板Gに対し斜め方向に進行するレーザビームLB3bが形成されるようになる。
ポリゴンミラー33の反射面が高速回転することにより、ポリゴンミラー33から出射するレーザビーム(ビーム束)LB3はレーザビームLB3bを中心に走査され、図4に示すように熱エネルギー分布Eが走査方向前後に非対称である第2レーザスポットLS2が形成される。
図5は光路調整機構14による調整動作を総合的に説明する図である。図3ではレーザスポットの熱エネルギー分布を調整する実施例について説明したが、図5(a)に矢印で示すように、平凸レンズ31、反射ミラー32、ポリゴンミラー33はそれぞれ独立に昇降できるようにしてあるので、これらの位置関係を変化させることにより、熱エネルギー分布の他に、レーザスポット形状(長さや幅)も調整することができる。ここでは主な調整についてまとめて説明する。
図5(b)は、レーザスポットを非対称な熱エネルギー分布にするときの調整である。既に説明したように(図3)、ポリゴンミラー33を固定し、反射ミラー32を下降(実線矢印方向への移動)することにより、非対称な熱エネルギー分布を形成することができる。一方、反射ミラー32を固定し、ポリゴンミラー33を上昇(破線矢印方向への移動)することによっても、同様の非対称な熱エネルギー分布を形成することができる。
図5(c)は、レーザスポットの熱エネルギー分布を、図5(b)とは反対方向に非対称にするときの調整である。ポリゴンミラー33を固定し反射ミラー32を上昇(実線矢印方向への移動)することにより、あるいは反射ミラー32を固定しポリゴンミラー33を下降(破線矢印方向への移動)することによって、非対称な熱エネルギー分布を形成することができる。
図5(d)は、レーザスポットのビーム形状を小さくするときの調整である。反射ミラー32とポリゴンミラー33とを同時に下降することにより基板G上のレーザスポットは縮小され、ビーム長さを小さくすることができる。なお、図示を省略するが、反射ミラー32とポリゴンミラー33とを同時に上昇することによりレーザスポットは拡大されるので、ビーム長さを大きくすることができる。
この調整を利用すれば、1回目レーザ照射の加熱領域よりも大きな径で2回目レーザ照射を行うことができる。このとき基板を大きな径で反り返えらせることができるので、クラックの進展が促進される。
図5(e)は、レーザスポットのビーム形状を大きくするときの調整である。平凸レンズ31を下降することによりレーザスポットは拡大され、ビーム長さを大きくすることができる。なお、図示を省略するが、平凸レンズ31を上昇することによりレーザスポットは縮小され、図5(d)とは別方法でビーム長さを小さくすることができる。
このように光路調整機構14の各素子を個々に昇降したり複合的に昇降したりすることにより、レーザスポットの形状や熱エネルギー分布を調整することができる。
なお、本実施形態では、ポリゴンミラー33でレーザビームを走査することによりレーザスポットを形成するようにしたが、ポリゴンミラーに代えて楕円ミラー、その他の回転ミラーを用いて走査することによっても、互いに異なる形状の第1レーザスポット、第2レーザスポットを形成することができる。
そして、分断制御部58がレーザ制御部52の光路調整機構駆動部52bを制御することにより、1回目レーザ照射が実行されるときには第1レーザスポットLS1が形成されるように反射ミラー32の位置が調整され、2回目レーザ照射が実行されるときには第2レーザスポットLS2が形成されるように反射ミラー32の位置が調整される。
また、分断制御部58が、1回目レーザ照射、冷却、2回目レーザ照射の手順による分断動作を実行する際に、テーブル駆動部51を制御して基板Gを移動させることになるが、1回目レーザ照射のときの移動方向と、2回目レーザ照射の移動方向を反対にすることにより、往復動作で分断を完了できるようにして移動のためのロスタイムを減らすようにすることもできる。
(実施形態2)
図6は本発明の他の一実施形態であるレーザ分断装置LC2における光路調整機構の概略構成図であり、図6(a)は第1レーザスポットを形成するときの状態、図6(b)は第2レーザスポットを形成するときの状態である。レーザ分断装置LC2では、回転ミラー(ポリゴンミラー等)を用いずに、光学レンズや光学ミラーを組み合わせた光学系により、第1レーザスポット、第2レーザスポットを形成するようにしている。
なお、本実施形態のレーザ分断装置LC2と実施形態1で説明したレーザ分断装置LC1とは、光路調整機構14(14a〜14c)以外の構成については基本的に同じであるので、光路調整機構以外の部分の説明を省略する。
光路調整機構61は、固定側となる第1反射ミラー62と、可動側となる第2反射ミラー63と、平凸レンズ64と、シリンドリカルレンズ65とからなる。これらの光学素子群のうち、第2反射ミラー63、平凸レンズ64、シリンドリカルレンズ65は、可動光学体66として一体に保持されるとともに、第2反射ミラー63の反射面近傍を支点Pとして傾動させることができるように、モータ(不図示)に接続してある。
レーザ発振器13は、小径のビーム束からなるレーザビームLB0が鉛直下方に出射されるように調整してあり、レーザビームLB0は第1反射ミラー62に入射する。第1反射ミラー62は、レーザビームLB0が反射面に45度の入射角度で入射し、45度の反射角度で出射するように取付角度が調整してあり、第1反射ミラー62から出射したレーザビームLB1は、水平方向に進行する。
水平方向に進行するレーザビームLB1は、第2反射ミラーに63に入射する。このとき、レーザビームLB1が第2反射ミラー63の反射面に入射する入射角度によって、第2反射ミラー63の反射面からの出射角度が変化することになる。
第1レーザスポットを形成する場合には、第2反射ミラー63の反射面に対し、レーザビームLB1が45度の入射角度で入射するように調整することにより、反射面に対し45度の反射角度で出射するようになり、図6(a)に示すように、レーザビームLB2が鉛直下方に向けて進行するようになる。レーザビームLB2は、平凸レンズ64によってビーム径が絞られるとともに、シリンドリカルレンズ65によって一軸方向に拡大され、断面が楕円形状のビーム束が形成される。そして、レーザビームLB2のビーム束のうちで平凸レンズ64、シリンドリカルレンズ65のレンズ光軸を通過するレーザビーム(センタービーム)は直進し、ガラス基板Gに対して垂直入射するレーザビームLB3aを形成することになる。また、レーザビームLB2のビーム束のうちでその他のレーザビーム(センタービーム以外)は、レーザビームLB3aの回りに拡がる楕円形状のレーザビーム(ビーム束)LB3となり、楕円形状の第1レーザスポットLS1を基板Gの上に形成する。このとき第1レーザスポットLS1は長軸方向に対称な熱エネルギー分布を有している。
また、第2レーザスポットを形成する場合には、第2反射ミラー63の反射面に対し、レーザビームLB1が45度よりも深い入射角度(例えば60度)で入射するように調整することにより、第1レーザスポットを形成するときよりも反射面に対し深い反射角度で出射するようになり、図6(b)に示すように、基板Gに対し斜め方向に進行するレーザビームLB2が形成されるようになる。
レーザビームLB2は、平凸レンズ64によってビーム径が絞られるとともに、シリンドリカルレンズ65によって一軸方向に拡大されて断面が楕円形状のビーム束が形成される。そして、レーザビームLB2のビーム束のうちで平凸レンズ64、シリンドリカルレンズ65のレンズ光軸を通過するレーザビーム(センタービーム)は直進し、ガラス基板Gに対して斜め入射するレーザビームLB3bを形成することになる。また、レーザビームLB2のビーム束のうちでその他のレーザビーム(センタービーム以外)は、レーザビームLB3bの回りに拡がる楕円形状のレーザビーム(ビーム束)LB3となり、これが基板Gに斜め入射される結果、熱エネルギー分布が楕円形状の長軸方向に非対称である第2レーザスポットLS2が形成される。
そして、分断制御部58によって、1回目レーザ照射が実行されるときには第1レーザスポットLS1が形成されるように可動光学体66の位置が調整され、2回目レーザ照射が実行されるときには第2レーザスポットLS2が形成されるように可動光学体66の位置が調整される。
(実施形態3)
図7は、本発明の他の一実施形態であるレーザ分断装置LC3における光路調整機構の概略構成図であり、図7(a)は第1レーザスポットを形成するときの状態、図7(b)は第2レーザスポットを形成するときの状態である。レーザ分断装置LC3では、複数の光学ミラーを用いた光学系により、第1レーザスポット、第2レーザスポットを形成するようにしている。
なお、本実施形態のレーザ分断装置LC3についても、実施形態1のレーザ分断装置LC1における光路調整機構14(14a〜14c)以外の構成部分は基本的に同じ構成であるので、光路調整機構以外の部分の説明を省略する。
光路調整機構71は、第1反射ミラー72、凹面ミラー73、シリンドリカルミラー74、第2反射ミラー75の光学素子群からなる。このうち、最終段の第2反射ミラー75は反射面近傍を支点Pとして傾動させることができるように、モータ(不図示)に接続してある。
レーザ発振器13は、小径のビーム束からなるレーザビームLB0が鉛直下方に出射されるように調整してあり、レーザビームLB0は第1反射ミラー72に入射する。第1反射ミラー72は、レーザビームLB0が45度の入射角度で入射し、45度の反射角度で出射するように取付角度が調整してあり、第1反射ミラー72を出射したレーザビームLB1は水平方向に進行する。
水平方向に進行するレーザビームLB1は凹面ミラー73に入射し、ここで反射したレーザビームLB2は、ビーム径が絞られながらシリンドリカルミラー74に入射する。シリンドリカルミラー74で反射したレーザビームLB3は、一軸方向に拡大されて断面が楕円形状のレーザビーム(ビーム束)LB3となり、第2反射ミラー75の反射面に入射する。第2反射ミラー75は、反射面の角度を調整することにより出射角度を変化することができる。
第1レーザスポットを形成する場合は、シリンドリカルミラー74から出射するレーザビームLB3のビーム束のうち中心となるセンタービームLB3aについて、図7(a)に示すように、鉛直下方に向いたレーザビームLB4aとして進行するように第2反射ミラー75の角度を調整する。レーザビームLB3のビーム束のうちでセンタービームLB3a以外は、レーザビームLB3aの回りに拡がるレーザビーム(ビーム束)LB3となって第2反射ミラー75で反射し、楕円形状の第1レーザスポットLS1を基板Gの上に形成する。このとき第1レーザスポットLS1は長軸方向に対称な熱エネルギー分布を有している。
また、第2レーザスポットを形成する場合は、シリンドリカルミラー74から出射するレーザビームLB3のビーム束のうち中心となるセンタービームLB3bについて、第2反射ミラー75の反射面に対するレーザビームLB3bの入射角度を、第1レーザスポットを形成するときよりも浅くなるように調整する。これにより、第2反射ミラー75の反射面から浅い反射角度で出射するようになり、図7(b)に示すように、基板Gに対し斜め方向に進行するレーザビームLB4bが形成されるようになる。レーザビームLB3のビーム束のうちでセンタービームLB3b以外は、レーザビームLB3bの回りに拡がるレーザビーム(ビーム束)LB3となって第2反射ミラー75で反射し、これがレーザビームLB4bの回りに拡がるレーザビーム(ビーム束)LB4となって基板Gに斜め入射される結果、熱エネルギー分布が楕円形状の長軸方向に非対称である第2レーザスポットLS2が形成される。
そして、分断制御部58によって、1回目レーザ照射が実行されるときには第1レーザスポットLS1が形成されるように第2反射ミラー75の角度が調整され、2回目レーザ照射が実行されるときには第2レーザスポットLS2が形成されるように第2反射ミラー75の角度が調整される。
(実施形態4)
図8は、本発明の他の一実施形態であるレーザ分断装置LC4における光路調整機構の概略構成図であり、図8(a)は第1レーザスポットを形成するときの状態、図8(b)は第2レーザスポットを形成するときの状態である。レーザ分断装置LC4は、実施形態3で説明した分断装置LC3の光路調整機構71(図7)におけるシリンドリカルレンズ74と第2反射ミラー75の配置が入れ替えられているだけで、その他の構造については同じである。
すなわち、光路調整機構81は、第1反射ミラー82、凹面ミラー83、第2反射ミラー84、シリンドリカルミラー85の光学素子群からなる。このうち、第2反射ミラー84は反射面近傍を支点Pとして、傾動させることができるようにモータ(不図示)に接続してある。
レーザ発振器13は、小径のビーム束からなるレーザビームLB0が鉛直下方に出射されるように調整してあり、レーザビームLB0は第1反射ミラー82に入射する。第1反射ミラー82は、レーザビームLB0が45度の入射角度で入射し、45度の反射角度で出射するように取付角度が調整してあり、出射したレーザビームLB1は水平方向に進行する。
水平方向に進行するレーザビームLB1は凹面ミラー83に入射し、凹面ミラー83で反射したレーザビームLB2は、ビーム径が絞られながら第2反射ミラー84に入射する。第2反射ミラー84は反射面の角度を調整することにより出射角度を調整することができる。
第1レーザスポットを形成する場合は、第2反射ミラー84から出射するレーザビームLB3のビーム束のうち中心となるセンタービームLB3aについて、図8(a)に示すように、シリンドリカルミラー85の反射面に反射させるととともに、この反射面から出射するセンタービームLB4aが鉛直下方に向いて進行するように、第2反射ミラー84の角度を調整する。レーザビームLB3のビーム束のうちでセンタービームLB3a以外は、レーザビームLB3aの回りに拡がるレーザビーム(ビーム束)LB3となってシリンドリカルミラー85で反射され、一軸方向に拡大されて断面が楕円形状のレーザビーム(ビーム束)LB4が形成され、基板Gの上に楕円形状の第1レーザスポットLS1が形成される。このとき第1レーザスポットLS1は長軸方向に対称な熱エネルギー分布を有している。
また、第2レーザスポットを形成する場合は、第2反射ミラー84から出射するレーザビームLB3のうちセンタービームLB3bについて、図8(b)に示すように、シリンドリカルミラー85の反射面に反射させるととともに、反射面から出射するセンタービームLB4bが基板Gに対し斜め方向に向いて進行するように、第2反射ミラー84の角度を調整する。レーザビームLB3のビーム束のうちでセンタービームLB3b以外は、レーザビームLB3bの回りに拡がるレーザビーム(ビーム束)LB3となってシリンドリカルミラー85で反射され、一軸方向に拡大されて断面が楕円形状のレーザビーム(ビーム束)LB4が形成される。これが基板Gに斜め入射される結果、熱エネルギー分布が長軸方向に非対称である第2レーザスポットLS2が形成される。
そして、分断制御部58によって、1回目レーザ照射が実行されるときには第1レーザスポットLS1が形成されるように第2反射ミラー84の角度が調整され、2回目レーザ照射が実行されるときには第2レーザスポットLS2が形成されるように第2反射ミラー84の角度が調整される。
(実施形態5)
図9は、本発明の他の一実施形態であるレーザ分断装置LC5における光路調整機構の概略構成図であり、図9(a)は第1レーザスポットを形成するときの状態、図9(b)は第2レーザスポットを形成するときの状態である。実施形態4で説明した分断装置LC4とレーザ分断装置LC5とは、光路調整機構81(図8)におけるシリンドリカルレンズ85が昇降できるようにした点と、第2反射ミラー84が動かないよう固定した点とが異なり、その他の構造については同じである。
すなわち、光路調整機構91は、第1反射ミラー92、凹面ミラー93、第2反射ミラー94、シリンドリカルミラー95の光学素子群からなる。このうち、シリンドリカルミラー95はアーム(不図示)およびモータ(不図示)によって、上下に移動できるようにしてある。
レーザ発振器13は、小径のビーム束からなるレーザビームLB0が鉛直下方に出射されるように調整してあり、レーザビームLB0は第1反射ミラー92に入射する。第1反射ミラー92は、レーザビームLB0が45度の入射角度で入射し、45度の反射角度で出射するように取付角度が調整してあり、出射したレーザビームLB1は水平方向に進行する。
水平方向に進行するレーザビームLB1は凹面ミラー93に入射し、凹面ミラー93で反射したレーザビームLB2は、ビーム径が絞られながら第2反射ミラー94に入射する。第2反射ミラー94で反射したレーザビームLB3はシリンドリカルミラー95に入射する。シリンドリカルミラー95の位置を上下移動することにより、反射角度が変化することになり、出射角度が調整される。
第1レーザスポットを形成する場合は、第2反射ミラー94から出射するレーザビームLB3のビーム束のうち中心となるセンタービームLB3aについて、図9(a)に示すように、シリンドリカルミラー95の反射面に反射させるととともに、反射面から出射するセンタービームLB4aが鉛直下方に向いて進行するように、シリンドリカルミラー95の位置を調整する。レーザビームLB3のビーム束のうちでセンタービームLB3a以外は、レーザビームLB3aの回りに拡がるレーザビーム(ビーム束)LB3となってシリンドリカルミラー95で反射され、一軸方向に拡大されて断面が楕円形状のレーザビーム(ビーム束)LB4が形成され、基板Gの上に楕円形状の第1レーザスポットLS1が形成される。このとき第1レーザスポットLS1は長軸方向に対称な熱エネルギー分布を有している。
また、第2レーザスポットを形成する場合は、第2反射ミラー94から出射するレーザビームLB3のうちセンタービームLB3bについて、図9(b)に示すように、シリンドリカルミラー95の反射面に反射させるととともに、反射面から出射するセンタービームLB4bが基板Gに対し斜め方向に向いて進行するように、シリンドリカルミラー95の位置を調整する。レーザビームLB3のビーム束のうちでセンタービームLB3b以外は、レーザビームLB3bの回りに拡がるレーザビーム(ビーム束)LB3となってシリンドリカルミラー95で反射され、一軸方向に拡大されて断面が楕円形状のレーザビーム(ビーム束)LB4が形成される。これが基板Gに斜め入射される結果、熱エネルギー分布が長軸方向に非対称である第2レーザスポットLS2が形成される。
そして、分断制御部58によって、1回目レーザ照射が実行されるときには第1レーザスポットLS1が形成されるようにシリンドリカルミラー95の位置が調整され、2回目レーザ照射が実行されるときには第2レーザスポットLS2が形成されるようにシリンドリカルミラー95の位置が調整される。
以上、光学レンズや光学ミラーを用いたいくつかの実施形態を説明したが、ここで説明した実施態様に限らず、光学レンズや光学ミラーの組み合わせや配置を多少変更しても、上記実施形態と同様の光路調整を実現することができる。
本発明は、レーザ照射による局所的な加熱および加熱直後の冷却と、2回目のレーザ照射による再加熱とによって脆性材料基板を分断する分断装置に利用することができる。
本発明の一実施形態であるレーザ分断装置の概略構成図。 図1のレーザ分断装置における制御系の構成を示す図。 図1における光路調整機構の動作を説明する図。 第1レーザスポットと第2レーザスポットとの熱エネルギー分布例を示す図。 光路調整機構の調整動作を総合的に説明する図。 本発明の他の一実施形態であるレーザ分断装置LC2における光路調整機構の概略構成図。 本発明の他の一実施形態であるレーザ分断装置LC3における光路調整機構の概略構成図。 本発明の他の一実施形態であるレーザ分断装置LC4における光路調整機構の概略構成図。 本発明の他の一実施形態であるレーザ分断装置LC5における光路調整機構の概略構成図。
符号の説明
2 スライドテーブル
7 台座
12 回転テーブル
13 レーザ発振器
14 光路調整機構
14a 光路構成素子
14b モータ群
14c アーム群
16 冷却ノズル
18 カッターホイール
31 平凸レンズ
32 反射ミラー
33 ポリゴンミラー
34〜36 モータ
37〜39 アーム
50 制御部
52 レーザ駆動部
52a レーザ光源駆動部
52b 光路調整機構駆動部
58 分断制御部
61、71、81、91 光路調整機構
62、72、82、92 第1反射ミラー
63、75、84 第2反射ミラー
64 平凸レンズ
65、74、85、95 シリンドリカルレンズ
66 可動光学体
73、83、93 凹面ミラー
LB0〜LB4 レーザビーム(ビーム束)
LB3a、LB3b、LB4a、LB4b センタービーム
LS1 第1レーザスポット
LS2 第2レーザスポット

Claims (7)

  1. スポット形状が互いに異なる第1レーザスポットと第2レーザスポットとを選択的にステージ上の脆性材料基板に照射するレーザ照射手段と、
    第1レーザスポットを照射するときに第1レーザスポットの近傍を冷却する冷却スポットを形成する冷却手段と、
    前記基板に対し、第1レーザスポット、第2レーザスポット、冷却スポットを相対移動させる移動手段と、
    前記基板に対し、第1レーザスポットを照射しつつ移動することにより前記基板の軟化点よりも低い温度で加熱し、冷却スポットを第1レーザスポットに追従するように移動して冷却することにより基板表面にクラックを形成し、さらに前記クラックに沿って第2レーザスポットを照射しつつ移動して基板の軟化点よりも低い温度で前記基板を再加熱することにより前記クラックを前記基板の裏面まで進展させて前記基板を分断する制御を行う分断制御部とを備えた脆性材料基板の分断装置であって、
    前記レーザ照射手段は、1つのレーザ光源から出射されるレーザビームの光路を調整する光路調整機構により前記第1レーザスポットまたは前記第2レーザスポットを形成し、
    前記レーザ照射手段が第1レーザスポットを形成するときは、前記基板に入射する入射ビームを中心として略対称な熱エネルギー分布を有するビーム形状にして照射し、
    前記レーザ照射手段が第2レーザスポットを形成するときは、前記基板に入射する入射ビームを中心として第2レーザスポットが移動する方向の前方側が後方側より大きい熱エネルギー分布を有する形状にして照射することを特徴とする脆性材料基板の分断装置。
  2. 前記光路調整機構は、前記レーザビームの光路上に回転ミラーが設けられるとともに、回転ミラーに対する前記レーザビームの入射位置を調整する調整機構を備えていることを特徴とする請求項1に記載の分断装置。
  3. 前記光路調整機構は、前記レーザビームの光路上に反射ミラーが配置されるとともに、前記レーザビームの反射ミラーに対する入射角を調整する調整機構を備えていることを特徴とする請求項1に記載の分断装置。
  4. 前記光路調整機構には、さらに前記レーザビームの光路上に配置され、ビーム形状を調整する調整ミラーまたは調整レンズが含まれることを特徴とする請求項2または請求項3のいずれかに記載の分断装置。
  5. 第2レーザスポットは、少なくとも第1レーザスポットよりも広くなるように調整ミラーまたは調整レンズにより調整されることを特徴とする請求項4に記載の分断装置。
  6. 前記分断制御部は、前記基板上で第1レーザスポットおよび冷却スポットを移動してクラックを形成するときの移動方向と、前記基板上で第2レーザスポットを移動してクラックを進展するときの移動方向とを逆にして、往復移動により前記基板を分断することを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の分断装置。
  7. 脆性材料基板に設定される分断予定ラインに沿って第1レーザスポットを照射しつつ移動することにより基板の軟化点よりも低い温度で前記基板を加熱し、次いで第1レーザスポットに追従する冷却スポットにより前記基板を冷却して基板表面にクラックを形成し、さらに前記クラックに沿って第2レーザスポットを照射しつつ移動することにより基板の軟化点よりも低い温度で前記基板の再加熱を行うことにより、前記クラックを前記基板の裏面まで進展させて分断する脆性材料基板の分断方法であって、
    前記第1レーザスポットと前記第2レーザスポットとを、1つのレーザ光源から出射するレーザビームの光路を光路調整機構で調整することにより形成し、
    前記第1レーザスポットは、前記基板に垂直に入射する垂直入射ビームを中心として第1レーザスポットの移動方向の前後に対して対称な熱エネルギー分布を有する形状にして照射し、
    前記第2レーザスポットは、前記基板に斜め入射する斜め入射ビームを中心として第2レーザスポットの移動方向の前方側が後方側より大きい熱エネルギー分布を有する形状にして照射することを特徴とする脆性材料基板の分断方法。
JP2007235832A 2007-09-11 2007-09-11 脆性材料基板の分断装置および分断方法 Expired - Fee Related JP5060880B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007235832A JP5060880B2 (ja) 2007-09-11 2007-09-11 脆性材料基板の分断装置および分断方法
TW097125515A TWI394628B (zh) 2007-09-11 2008-07-07 The splitting device and segmentation method of brittle material substrate
KR1020080070920A KR101211427B1 (ko) 2007-09-11 2008-07-22 취성재료기판의 절단장치 및 절단방법
CN2008102151778A CN101386467B (zh) 2007-09-11 2008-09-10 脆性材料基板的分割装置和分割方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007235832A JP5060880B2 (ja) 2007-09-11 2007-09-11 脆性材料基板の分断装置および分断方法

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2009066613A true JP2009066613A (ja) 2009-04-02
JP2009066613A5 JP2009066613A5 (ja) 2010-10-14
JP5060880B2 JP5060880B2 (ja) 2012-10-31

Family

ID=40476174

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007235832A Expired - Fee Related JP5060880B2 (ja) 2007-09-11 2007-09-11 脆性材料基板の分断装置および分断方法

Country Status (4)

Country Link
JP (1) JP5060880B2 (ja)
KR (1) KR101211427B1 (ja)
CN (1) CN101386467B (ja)
TW (1) TWI394628B (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011011340A (ja) * 2009-06-30 2011-01-20 Mitsuboshi Diamond Industrial Co Ltd 脆性材料基板の割断方法
JP2011237432A (ja) * 2010-05-05 2011-11-24 Robert Bosch Gmbh セラミックセンサエレメントの製造方法
JP2013503104A (ja) * 2009-08-28 2013-01-31 コーニング インコーポレイテッド ガラス基板のレーザ切断方法
WO2014157245A1 (ja) * 2013-03-26 2014-10-02 旭硝子株式会社 ガラス板の加工方法、およびガラス板の加工装置
WO2020130165A1 (ko) * 2018-12-18 2020-06-25 이석준 취성재료의 레이저 절단 가공방법
JP2021030230A (ja) * 2019-08-13 2021-03-01 日本製鉄株式会社 レーザー照射装置及び鋼板の加工システム

Families Citing this family (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101097324B1 (ko) 2009-12-29 2011-12-23 삼성모바일디스플레이주식회사 레이저 커팅 방법 및 유기 발광 소자의 제조방법
CN103476535B (zh) * 2011-03-29 2015-07-29 杰富意钢铁株式会社 激光焊接方法
KR101250223B1 (ko) * 2011-04-28 2013-04-09 주식회사 엠엠테크 레이저 절단장치용 절단 헤드
KR101250225B1 (ko) * 2011-05-03 2013-04-09 주식회사 엠엠테크 레이저 절단장치 및 절단방법
JP2014195040A (ja) * 2013-02-27 2014-10-09 Mitsuboshi Diamond Industrial Co Ltd Led素子の製造方法、led素子製造用ウェハ基材およびled素子の製造装置
CN103203554A (zh) * 2013-04-09 2013-07-17 杨波 一种激光模切机
CN103386549B (zh) * 2013-04-09 2016-04-13 杨波 一种激光模切机的排烟气管结构
DE102015104802A1 (de) * 2015-03-27 2016-09-29 Schott Ag Verfahren zum Trennen von Glas mittels eines Lasers, sowie verfahrensgemäß hergestelltes Glaserzeugnis
KR102167941B1 (ko) * 2016-05-25 2020-10-20 미쓰보시 다이야몬도 고교 가부시키가이샤 취성 기판의 분단 방법
CN106077970B (zh) * 2016-06-30 2018-04-20 维沃移动通信有限公司 一种电阻陶瓷基板的加工方法
JP6775822B2 (ja) * 2016-09-28 2020-10-28 三星ダイヤモンド工業株式会社 脆性材料基板の分断方法並びに分断装置
CN107199410B (zh) * 2017-07-25 2019-04-02 东莞市盛雄激光设备有限公司 一种激光切割设备及其切割方法
JP6997566B2 (ja) * 2017-09-14 2022-01-17 株式会社ディスコ レーザー加工装置
CN108393596B (zh) * 2018-05-07 2024-03-01 王立国 一种双工位多功能激光裁切机
CN112828474B (zh) * 2020-12-31 2022-07-05 武汉华工激光工程有限责任公司 用于透明脆性材料的斜向切割补偿方法及系统

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002144067A (ja) * 2000-10-21 2002-05-21 Samsung Electronics Co Ltd レーザビームを利用した非メタル基板の切断方法及び装置
WO2003008168A1 (fr) * 2001-07-16 2003-01-30 Mitsuboshi Diamond Industrial Co., Ltd. Dispositif de rainurage pour substrat constitue de matiere fragile
WO2003013816A1 (en) * 2001-08-10 2003-02-20 Mitsuboshi Diamond Industrial Co., Ltd. Method and device for scribing brittle material substrate
JP2007099587A (ja) * 2005-10-07 2007-04-19 Kyoto Seisakusho Co Ltd 脆性材料の割断加工方法

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH03285786A (ja) * 1990-03-30 1991-12-16 Toshiba Corp レーザ加工装置
KR100794284B1 (ko) * 2001-09-29 2008-01-11 삼성전자주식회사 비금속 기판 절단 방법
JP3887394B2 (ja) * 2004-10-08 2007-02-28 芝浦メカトロニクス株式会社 脆性材料の割断加工システム及びその方法

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002144067A (ja) * 2000-10-21 2002-05-21 Samsung Electronics Co Ltd レーザビームを利用した非メタル基板の切断方法及び装置
WO2003008168A1 (fr) * 2001-07-16 2003-01-30 Mitsuboshi Diamond Industrial Co., Ltd. Dispositif de rainurage pour substrat constitue de matiere fragile
WO2003013816A1 (en) * 2001-08-10 2003-02-20 Mitsuboshi Diamond Industrial Co., Ltd. Method and device for scribing brittle material substrate
JP2007099587A (ja) * 2005-10-07 2007-04-19 Kyoto Seisakusho Co Ltd 脆性材料の割断加工方法

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011011340A (ja) * 2009-06-30 2011-01-20 Mitsuboshi Diamond Industrial Co Ltd 脆性材料基板の割断方法
JP2013503104A (ja) * 2009-08-28 2013-01-31 コーニング インコーポレイテッド ガラス基板のレーザ切断方法
JP2011237432A (ja) * 2010-05-05 2011-11-24 Robert Bosch Gmbh セラミックセンサエレメントの製造方法
WO2014157245A1 (ja) * 2013-03-26 2014-10-02 旭硝子株式会社 ガラス板の加工方法、およびガラス板の加工装置
JPWO2014157245A1 (ja) * 2013-03-26 2017-02-16 旭硝子株式会社 ガラス板の加工方法、およびガラス板の加工装置
US10450216B2 (en) 2013-03-26 2019-10-22 AGC Inc. Glass sheet processing method and glass sheet processing apparatus
WO2020130165A1 (ko) * 2018-12-18 2020-06-25 이석준 취성재료의 레이저 절단 가공방법
JP2021030230A (ja) * 2019-08-13 2021-03-01 日本製鉄株式会社 レーザー照射装置及び鋼板の加工システム
JP7323792B2 (ja) 2019-08-13 2023-08-09 日本製鉄株式会社 レーザー照射装置及び鋼板の加工システム

Also Published As

Publication number Publication date
CN101386467A (zh) 2009-03-18
KR20090027139A (ko) 2009-03-16
JP5060880B2 (ja) 2012-10-31
CN101386467B (zh) 2012-10-10
TW200911435A (en) 2009-03-16
TWI394628B (zh) 2013-05-01
KR101211427B1 (ko) 2012-12-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5060880B2 (ja) 脆性材料基板の分断装置および分断方法
JP5050099B2 (ja) 脆性材料基板の加工方法
JP5325209B2 (ja) 脆性材料基板の加工方法
KR101183865B1 (ko) 취성 재료 기판의 모따기 가공 방법 및 모따기 가공 장치
KR101193855B1 (ko) 레이저 가공장치
KR101306673B1 (ko) 모따기 가공 장치
JP5314674B2 (ja) 脆性材料基板の加工方法
TW200920534A (en) Method for cutting a fragile material substrate
JP2009066851A (ja) 脆性材料基板の面取り方法
JP2011230940A (ja) 脆性材料基板の割断方法
JP4134033B2 (ja) 脆性材料基板のスクライブ装置及びスクライブ方法
WO2009128315A1 (ja) 脆性材料基板の加工方法
JP5590642B2 (ja) スクライブ加工装置及びスクライブ加工方法
KR20040017248A (ko) 취성재료기판의 스크라이브 장치
KR100958745B1 (ko) 레이저를 이용한 스크라이빙 장치, 방법 및 스크라이빙 헤드
JPWO2003013816A1 (ja) 脆性材料基板のスクライブ方法およびスクライブ装置
TW201315556A (zh) 雷射加工裝置
JP2009196175A (ja) 割断装置、割断方法、およびフラットパネルディスプレイの製造方法
JP2011201200A (ja) 脆性材料基板のレーザ加工方法
KR20120070207A (ko) 레이저 가공장치

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20090904

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100827

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100827

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120309

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120321

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120518

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120710

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120806

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150810

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees