JPH0833993A - レーザ加工装置及びレーザ加工方法並びに液晶パネル - Google Patents

レーザ加工装置及びレーザ加工方法並びに液晶パネル

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JPH0833993A
JPH0833993A JP6172687A JP17268794A JPH0833993A JP H0833993 A JPH0833993 A JP H0833993A JP 6172687 A JP6172687 A JP 6172687A JP 17268794 A JP17268794 A JP 17268794A JP H0833993 A JPH0833993 A JP H0833993A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】基板上に被着させた薄膜を精密かつ高速に加工
するレーザ加工装置および加工方法を提供し、これらに
よりパターニングされた電極構造を有する液晶パネルを
提供する。 【構成】本発明のレーザ加工装置は、複数のパルスレー
ザ発振器と、前記複数のレーザ発振器のそれぞれの発振
サイクルの位相をずらして前記複数のレーザ発振器を順
次駆動する手段と、前記複数のレーザ発振器からのビー
ムの品質を同じにする手段と、前記複数のレーザ発振器
からのビームを楕円偏光にする手段と、前記複数のレー
ザ発振器から出射されるビームを受ける光インテグレー
タと、前記光インテグレータから出射されるビームを受
ける振幅マスクと、前記振幅マスクを通過するビームを
複数のビームに分岐する手段と、前記振幅マスクの実像
を被加工物上に結像する手段とを備え、前記分岐する手
段と前記結像する手段により得られた複数の実像を被加
工物に選択的に照射することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、加工品質が高く微細加
工も可能で量産性に優れたレーザ加工装置及び前記レー
ザ加工方法、そして、このレーザ加工方法によりパター
ニングされた電極構造を有する表示品質の優れた液晶パ
ネルに関する。
【0002】
【従来の技術】レーザ加工装置としては、CO2レーザ
を使った金属板の切断・穴あけ加工や、YAGレーザに
よる金属薄板の精密加工が広く知られている。とくに、
小型でメンテナンス性が良く、直径数10μmの集光スポ
ットが容易に得られるという理由から、YAGレーザは
各種の精密加工に適している。さらに、YAGレーザで
は第2高調波(波長532nm)が得られるので、アブレー
ション効果を利用した微細な薄膜加工へも応用できる。
レーザアブレーションとは、高分子材料にエキシマレー
ザやYAG高調波などの短波長・短パルスレーザを照射
した時に、瞬時に分解・気化・飛散が起こり、局所的に
材料が除去される現象のことである。事実、半導体製造
用マスクの欠陥修正、薄膜センサの検出部のパターンニ
ング、液晶パネルの電極パターンニング等に、Qスイッ
チYAGレーザが利用され始めた。Qスイッチを用いる
理由は、パルス幅が短くピークパワーが大きいビームを
利用することにより、被加工部材への熱的損傷がない高
品質な加工が実現できるからである。なお、アブレーシ
ョン加工については、”短波長・短パルスレーザによる
除去加工に関する研究”(精密工学会誌、Vol.3, 473-4
78(1993))に詳しい。
【0003】薄膜加工における最近の大きなニーズのひ
とつに、液晶パネルの透明電極のパターンニングがあ
り、加工品質かつ加工能力に優れた加工技術に対する期
待が高まっている。液晶パネルの電極のパターンニング
は、一般には、透光性導電膜が被着した基板をレーザビ
ームに対して移動させながら、導電膜を所定の間隔で切
断することにより行う。この時の加工品質すなわち導電
膜の電気特性は、QスイッチYAGレーザの特性(主に
ピークパワー)から決まる。そして、レーザの特性はQ
スイッチ周波数に左右される。すなわち、Qスイッチ周
波数を低くすると、パルス幅が狭くなり、ピークパワー
は大きくなる。逆に、Qスイッチ周波数を高くすると、
パルス幅が広がり、ピークパワーは小さくなる。
【0004】加工品質の観点からは、Qスイッチ周波数
を低くして、ビームのピークパワーを高めることが望ま
しい。こうすると、アブレーション効果を介して、瞬間
的に加工部位を除去することができ、加工部近傍や膜基
板へ熱的損傷を与えることがない。このような加工方法
が、特開昭60-261142、特開平2-259727に開示されてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらの加工
方法には、生産性の点に問題がある。なぜならば、Qス
イッチ周波数を下げることは、そのぶんだけ、ステージ
の送り速度を遅らせることにつながり、その結果とし
て、加工速度が著しく低下するからである。
【0006】加工速度の観点からは、Qスイッチ周波数
を高くして、ステージをすばやく移動させることが望ま
しい。しかし、Qスイッチ周波数を高くすると、ピーク
パワーが低下し、パルス幅が広がる。このために、液晶
パネルの電極をパターンニングする時に、電極基板であ
るガラスに熱的損傷を与え、微小なクラックやくぼみを
発生させる。このクラックやくぼみは、液晶パネルの表
示品質を損ねる要因となる。また、ガラスに微小量含ま
れているアルカリ金属イオンがクラック及びくぼみから
液晶中に溶出し、このことが液晶パネルの表示不良の原
因となる。
【0007】本発明の目的は上記の問題を解決し、加工
品質に優れかつ加工能力の高いレーザ加工装置および加
工方法を提供することにある。さらに、同レーザ加工装
置ならびに加工方法を用いて製造した、表示品質の高い
液晶パネルを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の第1のレーザ加
工装置は、少なくとも、複数のパルスレーザ発振器と、
前記複数のパルスレーザ発振器のそれぞれの発振位相を
ずらして前記複数のパルスレーザ発振器を順次駆動する
手段と、前記複数のパルスレーザ発振器から出射される
ビームの光路を一致させる手段と、少なくともひとつの
振幅マスクと、前記振幅マスクを通過するビームを複数
のビームに分岐する手段と、前記振幅マスクの実像を被
加工物上に結像する手段を備え、前記振幅マスクの複数
の実像を被加工物に照射することを特徴とする。
【0009】本発明の第2のレーザ加工装置は、前記第
1のレーザ加工装置において、複数のパルスレーザ発振
器が、Qスイッチレーザ発振器であることを特徴とす
る。
【0010】本発明の第3のレーザ加工装置は、前記第
2のレーザ加工装置において、複数のQスイッチレーザ
発振器が、第2高調波を出射する固体レーザ発振器であ
ることを特徴とする。
【0011】本発明の第4のレーザ加工装置は、前記第
1のレーザ加工装置において、被加工物を照射する複数
の実像を楕円偏光にする手段を備えて成ることを特徴と
する。
【0012】本発明の第5のレーザ加工装置は、前記第
1のレーザ加工装置において、分岐する手段を少なくと
も光路と直交する面内で回転させる手段を備えて成るこ
とを特徴とする。
【0013】本発明の第6のレーザ加工装置は、前記第
1のレーザ加工装置において、前記分岐する手段が位相
格子であることを特徴とする。
【0014】本発明の第7のレーザ加工装置は、前記第
1のレーザ加工装置において、振幅マスクの前に光イン
テグレータを備えて成ることを特徴とする。
【0015】本発明の第8のレーザ加工装置は、少なく
とも、パルスレーザ発振器と、前記パルスレーザ発振器
を駆動する手段と、振幅マスクと、前記振幅マスクを通
過するビームを複数のビームに分岐する手段と、前記振
幅マスクの実像を被加工物上に結像する手段を備え、前
記振幅マスクの複数の実像を被加工物に照射することを
特徴とする。
【0016】本発明の第9のレーザ加工装置は、前記第
8のレーザ加工装置において、パルスレーザ発振器が、
Qスイッチレーザ発振器であることを特徴とする。
【0017】本発明の第10のレーザ加工装置は、前記
第9のレーザ加工装置において、Qスイッチレーザ発振
器が、第2高調波を出射する固体レーザ発振器であるこ
とを特徴とする。
【0018】本発明の第11のレーザ加工装置は、前記
第8のレーザ加工装置において、被加工物を照射する複
数の実像を楕円偏光にする手段を備えて成ることを特徴
とする。
【0019】本発明の第12のレーザ加工装置は、前記
第8のレーザ加工装置において、分岐する手段を少なく
とも光路と直交する面内で回転させる手段を備えて成る
ことを特徴とする。
【0020】本発明の第13のレーザ加工装置は、前記
第8のレーザ加工装置において、分岐する手段が位相格
子であることを特徴とする。
【0021】本発明の第14のレーザ加工装置は、前記
第8のレーザ加工装置において、振幅マスクの前に光イ
ンテグレータを備えて成ることを特徴とする。
【0022】本発明の第1のレーザ加工方法は、複数の
パルスレーザ発振器のそれぞれの発振位相をずらして前
記複数のパルスレーザ発振器を順次駆動し、前記複数の
パルスレーザ発振器から出射されるビームを振幅マスク
へ照射し、前記振幅マスクを通過するビームを分岐した
後に、前記振幅マスクの複数の実像を基板上に被着され
た透光性導電膜に照射し、前記基板または前記複数のビ
ームを移動することにより、前記透光性導電膜に溝を形
成することを特徴とする。
【0023】本発明の第2のレーザ加工方法は、前記第
1のレーザ加工方法において、透光性導電膜膜がITO
膜であることを特徴とする。
【0024】本発明の第3のレーザ加工方法は、前記第
1のレーザ加工方法において、レーザ発振器が第2高調
波用YAGレーザ発振器であることを特徴とする。
【0025】本発明の第4のレーザ加工方法は、前記第
1のレーザ加工方法において、レーザ発振器が第2高調
波用YLFレーザ発振器であることを特徴とする。
【0026】本発明の第5のレーザ加工方法は、パルス
レーザ発振器から出射されるビームを振幅マスクへ照射
し、前記振幅マスクを通過するビームを分岐した後に、
前記振幅マスクの複数の実像を基板上に被着された透光
性導電膜に照射し、前記基板または前記複数のビームを
移動することにより、前記透光性導電膜に溝を形成する
ことを特徴とする。
【0027】本発明の第6のレーザ加工方法は、前記第
5のレーザ加工方法において、透光性導電膜膜がITO
膜であることを特徴とする。
【0028】本発明の第7のレーザ加工方法は、前記第
5のレーザ加工方法において、レーザ発振器が第2高調
波用YAGレーザ発振器であることを特徴とする。
【0029】本発明の第8のレーザ加工方法は、前記第
5のレーザ加工方法において、レーザ発振器が第2高調
波用YLFレーザ発振器であることを特徴とする。
【0030】本発明の第1の液晶パネルは、複数のパル
スレーザ発振器のそれぞれの発振位相をずらして前記複
数のパルスレーザ発振器を順次駆動し、前記複数のパル
スレーザ発振器から出射されるビームを振幅マスクへ照
射し、前記振幅マスクを通過するビームを分岐した後
に、前記振幅マスクの複数の実像を基板上に被着された
透光性導電膜に照射し、前記基板または前記複数のビー
ムを移動することにより、前記透光性導電膜にストライ
プ状の溝が形成された電極を備えて成ることを特徴とす
る。
【0031】本発明の第2の液晶パネルは、パルスレー
ザ発振器から出射されるビームを振幅マスクへ照射し、
前記振幅マスクを通過するビームを分岐した後に、前記
振幅マスクの複数の実像を基板上に被着された透光性導
電膜に照射し、前記基板または前記複数のビームを移動
することにより、前記透光性導電膜ににストライプ状の
溝が形成された電極を備えて成ることを特徴とする。
【0032】
【実施例】ここでは、単純マトリクス駆動方式の液晶パ
ネルに使用されるストライプ電極を加工する事例の中
で、本発明の構成及び特徴について詳しく説明する。
【0033】(実施例1)本発明のレーザ加工装置の構
成を図1に示す。レーザ発振機器1101a、1101
bはQスイッチYAGレーザであり、直線偏光のTEM
00モードを出射する。レーザ発振器のQスイッチ周波数
は、Qスイッチドライバ1102a、1102bにより
制御される。1103はQスイッチコントローラであ
り、Qスイッチドライバが与える駆動信号の位相を制御
する。発振器内のブリュースター素子の設置形態を工夫
して、あるいは、発振器の外に波長板を配置して、発振
器から出射される2本のビーム1104a、1104b
が互いに直交する直線偏光となるようにする。ビーム径
縮小用コリメータ1105a及び1105bにより、そ
れぞれのビーム径を縮小し、さらに、偏光合成素子11
07を用いて、2本のビームの光路を共通にする。そし
て、波長板1108によりビームの偏光を楕円偏光にし
た後に、光インテグレータ1109を介して、振幅マス
ク1110へ入射させる。振幅マスクを透過したビーム
は結像レンズ系へ入る。結像レンズ系はふたつのレンズ
系1111aと1111bから構成され、両者の間には
位相格子1112が存在する。位相格子1112には、
1本の入射ビームを32本の回折ビームに分岐する作用
がある。結像レンズ系(1111a、1111b)と位
相格子1112の作用により、精密ステージ1114の
上に保持された透光性導電膜(ITO膜)基板1113
の表面に、振幅マスク1110の32個の像を等しい間
隔で形成する。そして、精密ステージ1114を移動す
ることにより、直線状あるいは曲線状にITO膜を切断
する。図中、1106は光路折り曲げミラーである。
【0034】2本のビーム1104aと1104bを、
それぞれ、縮小倍率可変なコリメータ1105aと11
05bに通すことにより、発振器の個体差に起因するビ
ーム品質(広がり角、ビーム径)を等しくする。こうす
ることにより、後で詳しく述べるように、均一な溝幅で
電極膜を切断することができる。また、波長板を用いて
ビームを楕円偏光にすることにより、ITO膜が有する
異方性、不均一性や、ITO膜上の付着物に左右される
ことなく、均一な幅と深さでITO膜を切断できるの
で、所要の加工品質を恒常的に維持することが可能とな
る。
【0035】本実施例の振幅マスクには、金属製の開口
マスクを用いた。開口形状は正方形であり、その大きさ
は10×10μm2である。図3に示すように、位相格子1
112により開口マスクから32個の回折像をつくり、
倍率1:1の結像レンズ系(1111a、1111b)
により、前記の回折像から32個の開口の像をITO膜
上に形成する。開口マスク1110の前には、レンズア
レイを採用した光インテグレータ1109を配置する。
この光インテグレータにより開口上の光強度分布を均一
にでき、したがって、ITO膜上の開口の像における光
強度分布も均一にできる。こうした均一な光強度分布を
加工へ用いることにより、ITO膜基板の性質に左右さ
れずに所要の加工品質を確保することができる。
【0036】本実施例の構成に用いる位相格子は、1次
元の表面凹凸型位相格子である。断面形状はほぼ矩形で
あり、学問的には、2値位相格子として分類されるもの
である。本実施例の位相格子の位相分布(1周期分)を
図8に模式的に示す。図中、白部分の位相値がπrad、
斜線部分の位相値が0radである。
【0037】位相格子の主要な設計事項は、1周期の
長さ、全体の大きさ、1周期内の位相分布の3つで
ある。1周期の長さはITO膜上に形成する開溝の間隔
から決まり、全体の大きさは結像レンズ系が受けるビー
ム径から決まる。そして、1周期内の位相分布は、所要
のビーム分岐数及び所要のビーム強度の均一性から決ま
る。
【0038】位相格子の周期pは、回折理論から、次式
で与えられる。
【0039】
【数1】
【0040】ただし、λはレーザ波長(532nm)、zは
位相格子からITO膜面までの距離、△xは開溝の間隔
である。例えば、分岐数を偶数として、z=100mm、
△x=200μmとすると、p=532μmとなる。ただし、
結像レンズ系の焦点距離を50mmとし、等倍で結像する
状況を仮定している。
【0041】位相格子の全体の大きさDは、回折理論か
ら、次式のように決まる。
【0042】
【数2】
【0043】ただし、nは開口が与える回折光の次数、
Lは開口の一辺の長さである。例えば、n=3、z=100
mm、L=10μmとすると、D>32mmとなる。±3次
までの回折光を結像レンズ系で取り込めば、開口の像に
おける光強度分布の断面はほぼ矩形になる。後で述べる
ように、断面が矩形状の光強度分布を加工に用いると加
工不良を除くことができる。
【0044】位相格子の位相分布の計算には、シミュレ
ーテッドアニーリング法(Science220, 671-680(198
3)、以後、SA法と略す)を用いた。これまでにも、S
A法を用いて位相格子を設計した事例がいくつか報告さ
れている(Appl. Opt. 32, 2512-2518(1993)、Appl. Op
t. 31, 3320-3336(1992)、Appl. Opt. 31, 27-37(199
2)、)。しかし、SA法の運用に必要なルールの構築に
は経験が必要であり、このルールの出来不出来が、”良
い解”が得られるかどうかを大きく左右する。”良い
解”とは位相格子に要求される光学性能を満足する解の
ことであり、前記の光学性能は位相格子の使用目的から
決まる。
【0045】SA法を用いて位相格子を設計するには、
少なくとも、評価関数の定義と重みの設定、温度ス
ケジューリング、平衡状態の判定について、運用のル
ールを定めなければならない。なお、評価関数とは位相
格子の性能に関する推定値と目標値の差に対応する量で
あり、この関数値が最も小さくなる時の解が最適解であ
る。
【0046】本実施例で用いる位相格子に要求される光
学性能を以下にあげる。
【0047】(1)光利用効率が80%以上であること。
【0048】(2)分岐後のビーム強度均一性が0.90以
上であること。
【0049】ここで、光利用効率とは、所要の回折次数
のビームに供給し得る光エネルギーの割合を意味する。
ビーム強度均一性とは、分岐された複数の回折ビームに
おける強度の最小と最大の比を意味する。上記(1)と
(2)の条件は、後で述べるように、レーザ発振器出力
と、加工閾値と、要求される加工均一性から決まる。
【0050】実際の計算では、(1)と(2)の条件を
評価関数の中に取り入れて、(1)と(2)の条件を満
足する解の中から、さらに、位相格子の作製誤差を考慮
して、以下の(3)と(4)の条件を満足する解を選択
した。
【0051】(3)位相格子の最小線幅ができるだけ太
いこと。
【0052】(4)位相格子の性能が作製誤差に大きく
左右されないこと。
【0053】上記(3)と(4)の条件は、位相格子の
作製に使用するフォトマスク描画装置、露光・現像装
置、及びエッチング装置の各装置のパターン転写能力か
ら決まる。
【0054】以上のことからも理解できるように、SA
法により求めた位相格子の位相分布データには、設計者
の創造性が反映されていると言える。この状況は、レン
ズ設計におけるレンズデータの立場とよく似ている。こ
のような観点から、本出願においては、発明の実施に際
して用いた位相格子の位相分布データを全て開示するこ
とにした。以下、表1、表2においては、位相値が0ra
dからπrad(この逆でもよい)に変化する位置の座標を
1周期分について示した。表3、表4においては、1周
期を256または128の区間に等分割して、各区間の位相値
を0と1で示した。0が0rad、1がπradに対応する
(この逆でもよい)。
【0055】(位相格子1) ・分岐数:32
【0056】
【表1】
【0057】(位相格子2) ・分岐数:16
【0058】
【表2】
【0059】(位相格子3) ・分岐数:16
【0060】
【表3】
【0061】(位相格子4) ・分岐数:8
【0062】
【表4】
【0063】表1から表4に示したデータを使い、以下
の工程にしたがって、高品質な石英基板へ表面凹凸型位
相格子を形成した。
【0064】(1)フォトマスクデータ作成 (2)フォトマスク作製 (3)レジスト露光及び現像 (4)反応性イオンエッチング及びレジスト除去 作製した位相格子は、どれも、光利用効率80%以上、ビ
ーム強度均一性0.90以上であり、所要の光学性能を満足
した。さらに、偏光依存性は存在しなかった。偏光依存
性がないということは入射光の偏光状態に関係なく、所
要の光利用効率及びビーム強度均一性が得られるという
ことであり、楕円偏光ビームを用いる薄膜加工には欠か
せない性質である。
【0065】本実施例では、上記の工程にしたがい作製
した位相格子を図1のレーザ加工装置へ搭載し、ガラス
基板上のITO膜を間隔200μm、幅10μmで切断する
ことにより、液晶パネルのストライプ電極を形成した。
図12に、ITO膜及びガラス基板の断面を示す。ガラ
ス基板12103の材質はソーダガラスであり、このガ
ラス基板上に、SiO2の緩衝膜12102を介して、
ITO膜12101を1500Åだけ堆積させてある。
【0066】図1の構成で、光インテグレータ1109
へ入射するビーム径を40μmとし、光インテグレータ1
109から出射されるビーム寸法を15×15μm2とし
た。こうすると、開口1110(10×10μm2)上には
均一な光強度分布が得られる。結像レンズ系(1111
a、1111b)の焦点距離は50mm、開口から位相格
子までの距離及び位相格子からITO膜面までの距離は
どちらも100mmである。ビーム分岐に用いた位相格子
は、先の位相格子1のデータから作製したものである。
10μmの幅の開溝を200μmの間隔でITO膜上に形成
するために、位相格子の1周期の長さを532μmと定め
た。この時の位相格子における最小線幅は6.4μmであ
り、先に述べた作製工程にしたがい、設計寸法に忠実に
位相格子の凹凸構造を石英基板へ形成できることを確認
している。
【0067】使用したレーザ発振器はQuantronix社製の
ランプ励起型QスイッチYAGレーザであり、発振波長
532nm、定格平均出力8W、出射直後のビーム径は0.80m
mである。加工条件とガラス基板への損傷について調べ
るために、位相格子を使用せずに、Qスイッチ周波数を
変えて1本の開溝を加工する実験を繰り返した。その結
果、Qスイッチ周波数を10KHz以下に設定すれば、IT
O膜及び下地のガラス基板にダメージを与えることな
く、開溝を形成できることが判明した。また、加工でき
るかどうかは、Qスイッチ周波数に依らずに、ピークパ
ワーの大小から決まることが判明した。
【0068】図5(a)(b)に、それぞれ、Qスイッ
チ周波数が10KHzと30KHzの時のレーザ出力と時間の関係
を示した。加工時のピークパワーを150Wとすると、Qス
イッチ周波数が10KHzの時のパルス幅とパルスエネルギ
ーは、それぞれ、150nsec、23μJである。他方、Qスイ
ッチ周波数が30KHzの時のパルス幅とパルスエネルギー
は、それぞれ、300nsec、45μJである。これらのレーザ
発振条件でガラス基板上のITO膜を加工すると、Qス
イッチ周波数が10KHzの条件では損傷は生じなかった
が、30KHzの条件では溝周縁部ならびにガラス基板表面
に微細な損傷が発生した。30KHzの時に損傷が発生した
理由は、パルス幅が広がり、過剰のエネルギーが投入さ
れたからである。すなわち、ピークパワーが加工閾値に
達している場合でも、Qスイッチ周波数から決まるパル
ス幅が許容値以上に広がっていると、加工時の損傷が避
けられないのである。このような場合には、損傷を避け
ることを目的として、パルスエネルギーを小さくするこ
とは効果がない。なぜならば、ピークパワーが加工閾値
を超えなくなり、加工できなくなるからである。
【0069】以上の結果をふまえ、ビームの分岐数及び
加工速度に配慮して、2台のレーザ発振器のQスイッチ
周波数を10KHz、定格平均出力を8Wに定めた。この時の
パルス幅は150nsec、ピークパワーは定格出力時の5.3KW
である。そして、Qスイッチコントローラ1103から
制御信号を送り、それぞれのQスイッチドライバを50μ
secづつ位相をずらして駆動することにした。図6は、
本実施例におけるレーザ出力と時間の関係を示す図であ
る。2台の発振器を位相をずらして交互に駆動すること
により、個々の発振器は10KHzで発振しながら、実効的
には、20KHzで駆動した時と同じ加工速度が得られるこ
とになる。
【0070】本発明に関わる実験から、厚み1500ÅのI
TO膜に1本の開溝を形成するには、110W以上のピーク
パワーを要することが判った。そこで、ピークパワー5.
3KWのビームで光インテグレータ1109を介して開口
マスク1110を照明し、位相格子1112と結像レン
ズ系(1111a、1111b)により、32個の開口
の像をITO膜の表面に200μmの間隔で形成した。開
口の像の大きさはどれも10×10μm2である。図4に、
像の光強度分布と加工痕の大きさを示した。像の光強度
分布の断面形状が矩形であるので、像とほぼ同じ形状、
同じ大きさの加工痕が得られる。すなわち、ITO膜上
に形成された加工痕の径もほぼ10×10μm2である。さ
らに、像の光強度が急峻に変化するので、加工閾値の近
傍に、光強度勾配に起因する加工不良、例えば、開溝の
縁の隆起や加工残留物などが発生しなくなる。この結
果、前記の加工不良に起因する液晶分子の配向不良がな
くなり、液晶パネルの表示品質不良の発生率が大幅に減
る。
【0071】一発のパルスで32個の加工痕(10×10μ
2)を200μmの間隔で同時に形成し、次のパルスが発
振するまでの50μsecの間欠時間に、精密ステージを使
い、加工痕の一辺の長さよりもわずかに短い距離9μm
だけ基板を移動させる。こうして2台の発振器からのパ
ルスビームで、交互に、正方形状の加工痕を32個同時
に形成することを続けると、図10に示すように、間隔
200μm、幅10μmの溝を間欠部分なく加工することが
できた。この間のステージの移動速度は毎秒180mmで
あり、常に一定である。加工速度を、(加工速度)=
(ビーム分岐数)×(ステージ移動速度)と定義する
と、同時に32本の溝を加工することにより、毎秒5760
mmの加工速度を達成したことになる。図13に、以上
のようにして得た電極パターンを示した。
【0072】32個の像の並びの方向をステージ移動方
向に対して傾けることにより、像の間隔すなわち加工溝
の間隔を調節することができる。像の並び方向を傾ける
には、回転ステージを使い、位相格子をその面内で回転
させればよい。この時の回転角度をθとすると、加工溝
の間隔△x´は次式で与えられる。
【0073】
【数3】
【0074】このような調節機構を備えることにより、
液晶パネルの仕様に合わせて、高精度に電極パターニン
グを行うことが可能になり、さらに、電極間隔が異なる
液晶パネルの試作へも容易に対応できる。したがって、
商品開発のリードタイムを大幅に短縮できることにな
る。
【0075】本実施例の加工装置ならびに加工方法によ
れば、ITO膜を10μm以下の切断幅でパターニングす
ることができる。このことにより、液晶パネルの表示品
質を支配する主要因であるところの開口率ならびにコン
トラスト比が大きく向上する。他方、従来のフォトリソ
グラフィによる電極加工で得られる電極ギャップは30μ
mであり、液晶パネルの開口率ならびにコントラスト比
を低下させる大きな原因となっていた。
【0076】本実施例では、ランプ励起型QスイッチY
AGレーザを用いたが、半導体レーザ励起型Qスイッチ
YAGレーザを用いてもよい。また、YAGレーザの代
わりにYLFレーザを使用した場合でも、同等の効果が
得られる。さらに、固体レーザに限らずに、パルス発振
が可能な気体レーザを用いることもできる。また、加工
に適したQスイッチ周波数はレーザ発振器の特性に依存
し、本実施例において引用した10KHzに限るものではな
い。使用するレーザ発振器の特性ならびに被加工物の特
性に合わせて、最適なQスイッチ周波数を決定しなけれ
ばならない。
【0077】上記の実施例では、間隔200μm、幅10μ
mの溝加工について発明の効果を説明したが、これらの
条件が異なる溝加工についても、位相格子の周期を変
えることにより、あるいは、結像レンズ系の焦点距離
を変えることにより、容易に対応することができる。ビ
ーム分岐数も、32本に限るものではなく、レーザ加工
装置の仕様に合わせて決定すればよい。例えば、表2あ
るいは表4のデータを使い、16分岐用の位相格子を作
製して用いることもできる。被加工物の物性、使用
するレーザ発振器の出力及び台数を考慮し、加工能力の
観点から最適な分岐数を定め、所要の位相格子を設計、
製作することにより、多くの加工用途へ容易に対応する
ことができる。また、振幅マスクの形態も開口マスクに
限るものではなく、振幅分布の形状も任意である。
【0078】(実施例2)実施例1に対する本発明の構
成上の相違点は、1次元格子の代わりに2次元位相格子
を用いる点にある。2次元位相格子を使うことにより、
2列以上の開口の像の並びを同時に発生させることがで
きる。
【0079】2次元格子の位相分布を決定するには、2
つの1次元格子を直交させて重ねればよい。1次元格子
の位相値は0またはπであるから、以下の規則にしたが
い、2次元格子の位相分布も0またはπとなる。
【0080】
【数4】
【0081】本実施例では、実施例1に示した位相格子
1と位相格子3のデータを用いて、32×2個の開口の
像を同時に発生させ得る2次元位相格子を設計、作製し
た。位相格子の位相分布の平面図を図9に示した。
【0082】1列目と2列目の開口の像の間隔を(2k
+1)△y、パルス間欠時間におけるステージ移動量を
2△yとする。集光スポット間隔とステージ移動量との
関係を詳細に調べたところ、加工を始めた初期の部分
に、加工痕がつながらない箇所が生じることが判った。
これを考慮すると、1列で加工した時の加工速度に対す
る加工速度比βは次式で与えられる。
【0083】
【数5】
【0084】ただし、△yは加工痕の大きさを考慮して
決める量、nは照射したレーザパルスの数である。式
(5)の関係を図14に示した。液晶パネルの画素部を
縦断するために要するステージ移動距離(レーザパルス
照射数nとステージ移動量2△yの積に等しい)と比べ
ると、開口の像の並びの間隔(2k+1)△yは無視し
得るくらいに短いので、加工速度比βは実効的に2に等
しくなる。すなわち、1次元格子の場合の2倍の加工速
度が得られることになる。
【0085】本実地例では、ステージ移動方向の像の間
隔を30μmに定め、50μsecのパルス間欠時間に、20μ
mだけステージを移動させた(k=1、△y=10μmに
相当する)。こうして2台の発振器からのパルスビーム
で、交互に、10×10μm2の加工痕を32×2個同時に
形成することを続けると、図11に示すように、間隔20
0μm、幅10μmの溝を間欠部分なく加工することがで
きた。この間のステージの移動速度は毎秒400mmであ
り、毎秒12800mmの加工速度を達成したことになる。
図11の左端において加工されていない部分が残ってい
るが、ステージ移動速度と2列のスポット間隔との関係
で生じるものであり、無視し得る程度のものである。
【0086】さらに、ステージ移動方向の開口の像の数
を増やし、像の並びの数をm、それぞれの間隔を(mk
+1)△yとすると、加工速度比βは次式で与えられ
る。
【0087】
【数6】
【0088】すなわち、開口の像を1列だけ並べて加工
する時と比べて、加工速度比βはm倍となり、加工速度
を大きく向上させることができる。
【0089】(実施例3)本発明のレーザ加工装置の構
成を図2に示す。実施例1ないし2に対する構成上の相
違点は、レーザ発振器を1台だけ備えている点にある。
【0090】レーザ発振機器2101はQスイッチYA
Gレーザであり、直線偏光のTEM00モードを出射す
る。レーザ発振器のQスイッチ周波数は、Qスイッチド
ライバ2102により制御される。ビーム径縮小用コリ
メータ2104により、発振器から出射されるビーム2
103を縮小する。そして、波長板2106によりビー
ムの偏光を楕円偏光にした後に、光インテグレータ21
07を介して振幅マスク2108へ入射させる。振幅マ
スクを透過したビームは結像レンズ系(2109a、2
109b)へ入射する。結像レンズ系はふたつのレンズ
系2109aと2109bから構成され、両者の間には
位相格子2110が存在する。位相格子2110には、
1本の入射ビームを32本の回折ビームに分岐する作用
がある。結像レンズ系(2109a、2109b)と位
相格子2110の作用により、精密ステージ2112の
上に保持されたITO膜基板2111の表面に、振幅マ
スク2108の32個の像を等しい間隔で形成する。そ
して、精密ステージ2112を移動することにより、直
線状あるいは曲線状にITO膜を切断する。図中、21
05は光路折り曲げミラーである。
【0091】波長板を用いてビームを楕円偏光にするこ
とにより、ITO膜が有する異方性、不均一性や、IT
O膜上の付着物に左右されることなく、均一な幅と深さ
でITO膜を切断できるので、所要の加工品質を恒常的
に維持することが可能となる。
【0092】本実施例の振幅マスクには、実施例1と同
じ金属製の開口マスクを用いた。開口形状は正方形であ
り、その大きさは10×10μm2である。位相格子211
0で前記の開口マスク2108から32個の回折像を得
て、倍率1:1の結像レンズ系(2109a、2109
b)により、前記の回折像から32個の開口の像をIT
O膜上に形成する。開口マスク2108の前には、レン
ズアレイを採用した光インテグレータ2107を配置す
る。この光インテグレータにより開口上の光強度分布を
均一にでき、したがって、ITO膜上の開口の像におけ
る光強度分布も均一にできる。こうした均一な光強度分
布を加工へ用いることにより、ITO膜基板の性質に左
右されずに所要の加工品質を確保することができる。
【0093】本実施例では、実施例1の1次元位相格子
または実施例2の2次元位相格子を図2のレーザ加工装
置へ搭載し、ガラス基板上のITO膜を間隔200μm、
幅10μmで切断することにより、液晶パネルのストライ
プ電極を形成した。図12に、ITO膜及びガラス基板
の断面を示す。ガラス基板12103の材質はソーダガ
ラスであり、このガラス基板上に、SiO2の緩衝膜1
2102を介して、ITO膜12101を1500Åだけ堆
積させてある。
【0094】図2の構成において、光インテグレータ2
107へ入射するビーム径を40μmに定め、光インテグ
レータ2107から出射されるビーム幅を15×15μm2
とした。こうすると、開口2108(10×10μm2)上
には均一な光強度分布が得られる。結像レンズ系(21
09a、2109b)の焦点距離は50mm、開口から位
相格子までの距離ならびに位相格子からITO膜面まで
の距離はどちらも100mmである。ビーム分岐に用いた
位相格子は、先に示した位相格子1のデータから作製し
たものである。10μmの幅の開溝を200μmの間隔でI
TO膜上に形成するために、位相格子の1周期の長さを
532μmと定めた。この時の位相格子における最小線幅
は6.4μmであり、先に述べた作製工程にしたがい、設
計寸法に忠実に位相格子の凹凸構造を石英基板へ形成で
きることを確認している。
【0095】使用したレーザ発振器はQuantronix社製の
ランプ励起型QスイッチYAGレーザであり、発振波長
532nm、定格平均出力8W、出射直後のビーム径は0.80m
mである。加工条件とガラス基板への損傷について調べ
るために、位相格子を使用せずに、Qスイッチ周波数を
変えて1本の開溝を加工する実験を繰り返した。その結
果、Qスイッチ周波数を10KHz以下に設定すれば、IT
O膜及び下地のガラス基板にダメージを与えることな
く、開溝を形成できることが判明した。また、加工でき
るかどうかは、Qスイッチ周波数に依らずに、ピークパ
ワーの大小から決まることが判明した。
【0096】図5(a)(b)に、それぞれ、Qスイッ
チ周波数が10KHzと30KHzの時のレーザ出力と時間の関係
を示した。加工時のピークパワーを150Wとすると、Qス
イッチ周波数が10KHzの時のパルス幅とパルスエネルギ
ーは、それぞれ、150nsec、23μJである。他方、Qスイ
ッチ周波数が30KHzの時のパルス幅とパルスエネルギー
は、それぞれ、300nsec、45μJである。これらのレーザ
発振条件でガラス基板上のITO膜を加工すると、Qス
イッチ周波数が10KHzの条件では損傷は生じなかった
が、30KHzの条件では溝周縁部ならびにガラス基板表面
に微細な損傷が発生した。30KHzの時に損傷が発生した
理由は、パルス幅が広がり、過剰のエネルギーが投入さ
れたからである。すなわち、ピークパワーが加工閾値に
達している場合でも、Qスイッチ周波数から決まるパル
ス幅が許容値以上に広がっていると、加工時の損傷が避
けられないのである。このような場合には、損傷を避け
ることを目的として、パルスエネルギーを小さくするこ
とは効果がない。なぜならば、ピークパワーが加工閾値
を超えなくなり、加工できなくなるからである。
【0097】以上の結果をふまえ、ビームの分岐数及び
加工速度に配慮して、レーザ発振器のQスイッチ周波数
を10KHz、定格平均出力を8Wに定めた。この時のパルス
幅は150nsec、ピークパワーは定格出力時の5.3KWであ
る。図7に、本実施例におけるレーザ出力と時間の関係
を示した。
【0098】本発明に関わる実験から、厚み1500ÅのI
TO膜に1本の開溝を形成するには、110W以上のピーク
パワーを要することが判明した。そこで、ピークパワー
5.3KWのビームで光インテグレータ2107を介して開
口マスク2108を照明し、位相格子2110と結像レ
ンズ系(2109a、2109b)により、開口を透過
したビームから32個の開口の像2113をITO膜2
111の表面に200μmの間隔で形成した。開口の像の
大きさはどれも10×10μm2である。図4に、像の光強
度分布と加工痕の大きさを示した。像の光強度分布の断
面形状が矩形であるので、像とほぼ同じ形状、同じ大き
さの加工痕が得られる。すなわち、ITO膜上に形成さ
れた加工痕の径もほぼ10×10μm2となるである。さら
に、像の光強度が急峻に変化するので、加工閾値の近傍
に、強度勾配に起因する加工不良、例えば、開溝の縁の
隆起や加工残留物などが発生しなくなる。この結果、前
記の加工不良に起因する液晶分子の配向不良がなくな
り、液晶パネルの表示品質不良の発生率が大幅に減る。
【0099】一発のパルスで32個の加工痕(10×10μ
2)を200μmの間隔で同時に形成し、次のパルスが発
振するまでの100μsecの間欠時間に、精密ステージを使
い、加工痕の一辺の長さよりもわずかに短い距離9μm
だけ基板を移動させる。こうして2台の発振器からのパ
ルスビームで、交互に、正方形状の加工痕を32個同時
に形成することを続けると、図10に示すように、間隔
200μm、幅10μmの溝を間欠部分なく加工することが
できた。この間のステージの移動速度は毎秒90mmであ
り、常に一定である。加工速度を、(加工速度)=(ビ
ーム分岐数)×(ステージ移動速度)と定義すると、同
時に32本の溝を加工することにより、毎秒2880mmの
加工速度を達成したことになる。図13に、以上のよう
にして得た電極パターンを示した。
【0100】32個の像の並びの方向をステージ移動方
向に対して傾けることにより、像の間隔すなわち加工溝
の間隔を調節することができる。像の並び方向を傾ける
には、回転ステージを使い、位相格子をその面内で回転
させればよい。この時の回転角度をθとすると、加工溝
の間隔△x´は次式で与えられる。
【0101】
【数7】
【0102】このような調節機構を備えることにより、
液晶パネルの仕様に合わせて、高精度に電極パターニン
グを行うことが可能になり、さらに、電極間隔が異なる
液晶パネルの試作へも容易に対応できる。したがって、
商品開発のリードタイムを大幅に短縮できることにな
る。
【0103】本実施例の加工装置ならびに加工方法によ
れば、ITO膜を10μm以下の切断幅でパターニングす
ることができる。このことにより、液晶パネルの表示品
質を支配する主要因であるところの開口率ならびにコン
トラスト比が大きく向上する。他方、従来のフォトリソ
グラフィによる電極加工で得られる電極ギャップは30μ
mであり、液晶パネルの開口率ならびにコントラスト比
を低下させる大きな原因となっていた。
【0104】本実施例では、ランプ励起型QスイッチY
AGレーザを用いたが、半導体レーザ励起型Qスイッチ
YAGレーザを用いてもよい。また、YAGレーザの代
わりにYLFレーザを使用した場合でも、同等の効果が
得られる。さらに、固体レーザに限らずに、パルス発振
が可能な気体レーザを用いることもできる。また、加工
に適したQスイッチ周波数はレーザ発振器の特性に依存
し、本実施例において引用した10KHzに限るものではな
い。使用するレーザ発振器の特性ならびに被加工物の特
性に合わせて、最適なQスイッチ周波数を決定しなけれ
ばならない。
【0105】上記の実施例では、間隔200μm、幅10μ
mの溝加工について発明の効果を説明したが、これらの
条件が異なる溝加工についても、位相格子の周期を変
えることにより、あるいは、結像レンズ系の焦点距離
を変えることにより、容易に対応することができる。ビ
ーム分岐数も、32本に限るものではなく、レーザ加工
装置の仕様に合わせて決定すればよい。例えば、表2あ
るいは表4のデータを使い、16分岐用の位相格子を作
製して用いることもできる。被加工物の物性、使用
するレーザ発振器の出力及び台数を考慮し、加工能力の
観点から最適な分岐数を定め、所要の位相格子を設計、
製作することにより、多くの加工用途へ容易に対応する
ことができる。また、振幅マスクの形態も開口マスクに
限るものではなく、振幅分布の形状も任意である。
【0106】(実施例4)実施例1ないし3の加工装置
により加工されたITO膜基板上に配向膜を形成し、こ
の配向膜に対して所要の配向処理(例えば、ラビング処
理)を加える。配向処理を終えた、電極パターンが直交
する2枚のITO膜基板の間に液晶を封入し、液晶パネ
ルを組み立てる。組み上げた液晶パネルに駆動回路を実
装するには、図15に示すように、3つの方法がある。
なお、以下の説明で用いるTABなる語は、Tape Autom
ated Bonding の略称であり、一般には、駆動回路をテ
ープ上に形成することを意味する。ここでは、駆動回路
が形成されたテープという意味で、TABテープなる語
を用いる。
【0107】(1)TABテープをパネルの片側だけに
実装する方法 TABテープ15102における配線間隔は、液晶パネ
ルの画素電極15101の間隔に等しい。この実装方法
によれば、液晶パネルとTABテープをつなぐ中間領域
(例えば、図16において開溝が傾斜している領域)が
不要になり、液晶パネルの上下の一方ならびに左右の一
方だけにTABテープを配置すれば足りるので、液晶パ
ネルの収納スペースを大幅に節約できる。液晶パネルの
収納スペースを節約することにより、表示装置を小さく
かつ軽くできる、多彩なオプション機能を付加できる、
といった効果が生まれる(図15(a)参照) (2)TABテープをパネルの両側に千鳥状に実装する
方法 TABテープには熱収縮があるので、液晶パネルの一辺
の長さにわたり、TABテープの配線間隔の精度を確保
することが難しい場合がある。この点に、上記(1)の
実装方法の技術的困難さがある。そこで、適当な長さの
TABテープ15202を複数用意して、液晶パネルの
上下及び左右に千鳥状に配置することにより、TABテ
ープの配線精度を確保することができる。このような実
装方法でも、画素電極14201とTABテープ152
02をつなぐ中間領域が不要になるので、液晶パネルの
収納スペースを節約する効果は大きい。(図15(b)
参照) (3)TABテープを中間領域を介して実装する方法 例えばガルバノミラーを使い、ステージ移動方向と直交
する方向にビームをふることにより、図16に示すよう
な電極パターンを形成する。このような電極パターンを
中間領域15303として設けて、画素電極15301
とTABテープ15302を接続する。この方法は、液
晶パネルの収納スペースを節約する効果は小さいが、従
来の実装部品をそのまま使用できるので、上記(1)
(2)の方法に比べて、実装コストを低く抑える効果は
格段に大きい。(図15(c)参照) 実施例1ないし9の加工装置により加工された、単純マ
トリクス駆動型液晶パネルのストライプ電極の平面図を
図17(a)に示した。電極ピッチは200μm、電極ギ
ャップは10μmである。図中、17101は上側基板の
電極ギャップであり、17102は下側基板の電極ギャ
ップである。上側と下側の区別は、液晶パネルの前に立
った視認者から見た時に、手前が上側、奥が下側という
ふうに定めた。
【0108】他方、従来のやり方にしたがい、フォトマ
スク露光によりパターニングされたストライプ電極の拡
大図を図17(b)に示す。図中、17201は上側基
板の電極ギャップであり、17202は下側基板の電極
ギャップである。電極ピッチは200μm、電極ギャップ
は30μmである。
【0109】液晶パネルの表示品質を決定する主たる要
因は、電極開口率と、コントラスト比である。電極開口
率とは、光の透過率(あるいは反射率)を制御すること
が可能な有効電極面積のことである。電極開口率を次式
により定義する。
【0110】
【数8】
【0111】ただし、Pは電極ピッチ、gは電極ギャッ
プである。当然、α<1である。
【0112】他方、コントラスト比とは、光の透過率
(あるいは反射率)の最大値と最小値の比のことであ
り、次式により定義できる。
【0113】
【数9】
【0114】ただし、χは、主に、液晶の配向条件、液
晶層の厚さ、駆動条件から決まる変数である。式(8)
と式(9)から、電極開口率とコントラスト比の間に
は、大きな相関があることが理解できる。
【0115】式(8)と式(9)を使い、図17に示し
た2種類の液晶パネルの電極開口率とコントラスト比を
計算した。本発明の液晶パネルについては、電極開口率
0.90、コントラスト比20を得た。他方、従来の液晶パネ
ルでは、電極開口率0.72、コントラスト比3.6を得た。
これらの計算値に対して、実測値は、本発明の液晶パネ
ルが、電極開口率0.90、コントラスト比45であり、従来
の液晶パネルが、電極開口率0.70、コントラスト比30で
あった。
【0116】本発明のレーザ加工装置及び加工方法を用
いて液晶パネルの電極パターニングを行うことにより、
電極ギャップを従来の3分の1以下(10μm以下)狭
め、電極開口率を1.3倍に、コントラスト比を1.5倍にで
きた。この結果、本発明の液晶パネルの視認性は、従来
の液晶パネルと比べて、格段に向上した。
【0117】
【発明の効果】本発明のレーザ加工装置は、複数のパル
スレーザ発振器を発振サイクルの位相をずらして順次駆
動することと、前記複数のレーザ発振器からのビームの
品質を同じにすることと、前記複数のレーザ発振器から
のビームを楕円偏光にすることにより、(1)実効的な
発振周波数を低下させることなく、個々の発振器の発振
周波数を下げることが可能になり、(2)この結果、所
要のピークパワーとパルス幅を得て、被加工物に熱的損
傷を与えずに高品質の加工を行うことができ、(3)ビ
ームを楕円偏光にすることにより、被加工物が有する異
方性や被加工物上の付着物に左右されることなく、所要
の加工品質を恒常的に維持することができる。
【0118】さらに、位相変調作用を有する回折素子と
結像レンズ系により得た複数の実像を被加工物表面へ照
射し、被加工物表面の複数部位を同時に加工すること
で、加工能力を大きく向上させることができる。すなわ
ち、実像の数をNとすると、ひとつの実像で加工した時
の加工能力のN倍の加工能力を達成できる。
【0119】本発明のレーザ加工方法により、上記の加
工装置を使い、基板上に被着された透光性導電膜に複数
の開口像を選択的に照射し、前記基板あるいは前記複数
の開口像を移動することにより、前記透光性導電膜に複
数の開溝を同時に形成することができる。インテグレー
タで開口上の光強度分布を均一にし、前記開口を透過す
るビームを、分岐後の複数のビームが等強度になるよう
に設計された表面凹凸型2値位相格子で分岐ことによ
り、加工形状ならびに加工品質が均一な開溝を形成でき
る。
【0120】本発明の液晶パネルは、上記のレーザ加工
装置及び加工方法により加工されたストライプ状の電極
構造を有する液晶パネルである。電極間に存在する切断
溝(ギャップ)の幅が10μm以下であり、かつ、前記ギ
ャップが所定の間隔で表示エリア内に一様に形成されて
いるので、液晶パネルの表示品質を左右する主要因であ
るところの、コントラスト比ならびに視認性が大きく向
上している。
【0121】さらに、光インンテグレータと開口を用い
ることにより、像の光強度が急峻に変化するので、加工
閾値の近傍に、光強度勾配に起因する加工不良、例え
ば、開溝の縁の隆起や加工残留物などが発生しなくな
る。この結果、加工不良に起因する液晶分子の配向不良
がなくなり、液晶パネルの表示品質不良の発生率が大幅
に減る。
【0122】また、フォトリソグラフィにより電極をパ
ターニングする従来のやり方と比べても、本発明の電極
加工方法は、工程数が少なくかつウエット処理工程を要
しないという点で優れている。したがって、生産設備が
簡素になり、工程管理も容易にかつ確実になることか
ら、液晶パネルの生産コストの削減に大きく貢献するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1または2のレーザ加工装置の構成を示
す図である。
【図2】実施例3のレーザ加工装置の構成を示す図であ
る。
【図3】複数の開口の像を発生させる構成を示す図であ
る。
【図4】開口の像の強度分布と加工痕の関係を示す図で
ある。
【図5】Qスイッチ周波数とビーム特性の関係を示す図
である。 (a)Qスイッチ周波数が10KHzの場合の図。 (b)Qスイッチ周波数が30KHzの場合の図。
【図6】2台のレーザ発振機を交互駆動した時のレーザ
出力と時間の関係を示す図である。
【図7】1台のレーザ発振機を駆動した時のレーザ出力
と時間の関係を示す
【図8】1次元位相格子の外観を示す図である。
【図9】2次元位相格子の外観を示す図である。
【図10】実施例1または3における加工溝の形状を示
す平面図である。
【図11】実施例2における加工溝の形状を示す平面図
である。
【図12】ITO膜及びガラス基板の断面図である。
【図13】加工されたITO膜の平面図である。
【図14】加工速度比とパルス数の関係を示す図であ
る。
【図15】液晶パネルの実装方法を説明する図である。 (a)TABテープをパネルの片側だけに実装する場合
の図。 (b)TABテープをパネルの両側に千鳥状に実装する
場合の図。 (c)TABテープを中間領域を介して実装する場合の
図。
【図16】ストライプ電極とTABテープを接続する中
間領域の平面図である。
【図17】液晶パネルの電極パターンの平面図である。 (a)本発明の加工装置及び加工方法により加工した電
極パターンの図。 (b)従来の加工方法により加工した電極パターンの
図。
【符号の説明】
1101a レーザ発振機 1101b レーザ発振機 1102a Qスイッチドライバ 1102b Qスイッチドライバ 1103 コントローラ 1104a レーザビーム 1104b レーザビーム 1105a ビーム径縮小用コリメータ 1105b ビーム径縮小用コリメータ 1106 光路折り曲げミラー 1107 偏光合成素子 1108 波長板 1109 光インテグレータ 1110 開口マスク 1111a 結像レンズ系 1111b 結像レンズ系 1112 位相格子 1113 ITO膜基板 1114 精密ステージ 1115 開口の像の並び 2101 レーザ発振機 2102 Qスイッチドライバ 2103 レーザビーム 2104 ビーム径縮小用コリメータ 2105 光路折り曲げミラー 2106 波長板 2107 光インテグレータ 2108 開口マスク 2109 位相格子 2110 集光レンズ 2111 ITO膜基板 2112 精密ステージ 2113 開口の像の並び 10101 加工溝 10102 ITO膜 11101 加工溝 11102 ITO膜 12101 ITO膜 12102 SiO2緩衝膜 12103 ガラス基板 13101 加工溝 13102 ITO膜 15101 画素電極 15102 TABテープ 15201 画素電極 15202 TABテープ 15301 画素電極 15302 TABテープ 15303 中間領域 16101 加工溝 16102 ITO膜 17101 上側電極ギャップ 17102 下側電極ギャップ 17201 上側電極ギャップ 17202 下側電極ギャップ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G02F 1/1343 H01S 3/127

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも、複数のパルスレーザ発振器
    と、前記複数のパルスレーザ発振器のそれぞれの発振位
    相をずらして前記複数のパルスレーザ発振器を順次駆動
    する手段と、前記複数のパルスレーザ発振器から出射さ
    れるビームの光路を一致させる手段と、少なくともひと
    つの振幅マスクと、前記振幅マスクを通過するビームを
    複数のビームに分岐する手段と、前記振幅マスクの実像
    を被加工物上に結像する手段を備え、前記振幅マスクの
    複数の実像を被加工物に照射することを特徴とするレー
    ザ加工装置。
  2. 【請求項2】前記複数のパルスレーザ発振器が、Qスイ
    ッチレーザ発振器であることを特徴とする請求項1記載
    のレーザ加工装置。
  3. 【請求項3】前記複数のQスイッチレーザ発振器が、第
    2高調波を出射する固体レーザ発振器であることを特徴
    とする請求項2記載のレーザ加工装置。
  4. 【請求項4】被加工物を照射する前記複数の実像を楕円
    偏光にする手段を備えて成ることを特徴とする請求項1
    記載のレーザ加工装置。
  5. 【請求項5】前記分岐する手段を少なくとも光路と直交
    する面内で回転させる手段を備えて成ることを特徴とす
    る請求項1記載のレーザ加工装置。
  6. 【請求項6】前記分岐する手段が位相格子であることを
    特徴とする請求項1記載のレーザ加工装置。
  7. 【請求項7】前記振幅マスクの前に光インテグレータを
    備えて成ることを特徴とする請求項1記載のレーザ加工
    装置。
  8. 【請求項8】少なくとも、パルスレーザ発振器と、前記
    パルスレーザ発振器を駆動する手段と、振幅マスクと、
    前記振幅マスクを通過するビームを複数のビームに分岐
    する手段と、前記振幅マスクの実像を被加工物上に結像
    する手段を備え、前記振幅マスクの複数の実像を被加工
    物に照射することを特徴とするレーザ加工装置。
  9. 【請求項9】前記パルスレーザ発振器が、Qスイッチレ
    ーザ発振器であることを特徴とする請求項8記載のレー
    ザ加工装置。
  10. 【請求項10】前記Qスイッチレーザ発振器が、第2高
    調波を出射する固体レーザ発振器であることを特徴とす
    る請求項9記載のレーザ加工装置。
  11. 【請求項11】被加工物を照射する前記複数の実像を楕
    円偏光にする手段を備えて成ることを特徴とする請求項
    8記載のレーザ加工装置。
  12. 【請求項12】前記分岐する手段を少なくとも光路と直
    交する面内で回転させる手段を備えて成ることを特徴と
    する請求項8記載のレーザ加工装置。
  13. 【請求項13】前記分岐する手段が位相格子であること
    を特徴とする請求項8記載のレーザ加工装置。
  14. 【請求項14】前記振幅マスクの前に光インテグレータ
    を備えて成ることを特徴とする請求項8記載のレーザ加
    工装置。
  15. 【請求項15】複数のパルスレーザ発振器のそれぞれの
    発振位相をずらして前記複数のパルスレーザ発振器を順
    次駆動し、前記複数のパルスレーザ発振器から出射され
    るビームを振幅マスクへ照射し、前記振幅マスクを通過
    するビームを分岐した後に、前記振幅マスクの複数の実
    像を基板上に被着された透光性導電膜に照射し、前記基
    板または前記複数のビームを移動することにより、前記
    透光性導電膜に溝を形成することを特徴とするレーザ加
    工方法。
  16. 【請求項16】前記透光性導電膜膜がITO膜であるこ
    とを特徴とする請求項15記載のレーザ加工方法。
  17. 【請求項17】前記レーザ発振器が第2高調波用YAG
    レーザ発振器であることを特徴とする請求項15記載の
    レーザ加工方法。
  18. 【請求項18】前記レーザ発振器が第2高調波用YLF
    レーザ発振器であることを特徴とする請求項15記載の
    レーザ加工方法。
  19. 【請求項19】パルスレーザ発振器から出射されるビー
    ムを振幅マスクへ照射し、前記振幅マスクを通過するビ
    ームを分岐した後に、前記振幅マスクの複数の実像を基
    板上に被着された透光性導電膜に照射し、前記基板また
    は前記複数のビームを移動することにより、前記透光性
    導電膜に溝を形成することを特徴とするレーザ加工方
    法。
  20. 【請求項20】前記透光性導電膜膜がITO膜であるこ
    とを特徴とする請求項19記載のレーザ加工方法。
  21. 【請求項21】前記レーザ発振器が第2高調波用YAG
    レーザ発振器であることを特徴とする請求項19記載の
    レーザ加工方法。
  22. 【請求項22】前記レーザ発振器が第2高調波用YLF
    レーザ発振器であることを特徴とする請求項19記載の
    レーザ加工方法。
  23. 【請求項23】複数のパルスレーザ発振器のそれぞれの
    発振位相をずらして前記複数のパルスレーザ発振器を順
    次駆動し、前記複数のパルスレーザ発振器から出射され
    るビームを振幅マスクへ照射し、前記振幅マスクを通過
    するビームを分岐した後に、前記振幅マスクの複数の実
    像を基板上に被着された透光性導電膜に照射し、前記基
    板または前記複数のビームを移動することにより、前記
    透光性導電膜にストライプ状の溝が形成された電極を備
    えて成ることを特徴とする液晶パネル。
  24. 【請求項24】パルスレーザ発振器から出射されるビー
    ムを振幅マスクへ照射し、前記振幅マスクを通過するビ
    ームを分岐した後に、前記振幅マスクの複数の実像を基
    板上に被着された透光性導電膜に照射し、前記基板また
    は前記複数のビームを移動することにより、前記透光性
    導電膜ににストライプ状の溝が形成された電極を備えて
    成ることを特徴とする液晶パネル。
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