JP2004216430A - レーザ孔開け加工方法及びその装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】コストアップを抑えつつ、加工時間を短縮させて加工効率の向上を図ることができるレーザ孔開け加工方法及びその装置を提供する。
【解決手段】ワークWとこのワークWに照射するレーザビームLとを相対移動させることにより、ワークWに孔を加工するレーザ孔開け加工方法及びその装置において、ワークWとレーザビームLの少なくとも一方を連続して移動させながら、所望の加工位置にレーザビームLを照射する。そして、このレーザビームLとしてフェムト秒レーザビームを用いる。
【選択図】 図1
【解決手段】ワークWとこのワークWに照射するレーザビームLとを相対移動させることにより、ワークWに孔を加工するレーザ孔開け加工方法及びその装置において、ワークWとレーザビームLの少なくとも一方を連続して移動させながら、所望の加工位置にレーザビームLを照射する。そして、このレーザビームLとしてフェムト秒レーザビームを用いる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、レーザ孔開け加工方法及びその装置に係り、詳しくは、加工対象物と該加工対象物に照射するレーザビームとを相対移動させることにより、該加工対象物に孔を加工するレーザ孔開け加工方法及びその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来この種のレーザ孔開け加工方法としては、ワークをXYテーブル上に載置し、ワークの孔開け加工位置をレーザ照射位置に移動させて加工を行う加工方法が知られている。この加工方法でワークに複数の孔開け加工を行う場合には、図6(a)に示すようにレーザ照射により一箇所の孔開けが終了したら、次の加工位置にワークを移動させて停止させ、再びレーザ照射を行う。これを繰り返して複数の孔開け加工を行う。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の加工方法ではレーザ照射による加工をする度に、ワークの移動及び停止を繰り返すため加減速時間がかかり、加工に要する時間が長くなってしまうという問題があった。また、XYテーブルの停止時に該XYテーブルが振動する場合がある。この場合には、図6(b)に示すように、振動が収束するまでの時間(制定時間)T0だけ待ってから図中の符号Trで示しているタイミングでレーザ照射する必要がある。
上記加減速時間を短縮するために駆動モータの容量を従来より大きくすることが考えられるが、駆動モータの大型化によるコストアップを招いてしまう。一方、上記制定時間を短縮するために軽量化してXYテーブルのイナーシャを小さくすることが考えられる。しかし、XYテーブルは従来から軽量化が図られており、さらなる軽量化を図るには超軽量材料を用いて構成しなければならずコストアップを招いてしまう。
このようにコストアップを招くことなく、加減速時間及び制定時間の短縮を図るのは困難であり、加工時間を短縮させて加工効率を向上させるには限界があった。
【0004】
本発明は以上の問題点に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、コストアップを抑えつつ、加工時間を短縮させて加工効率の向上を図ることができるレーザ孔開け加工方法及びその装置を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、加工対象物と該加工対象物に照射するレーザビームとを相対移動させることにより、該加工対象物に孔を加工するレーザ孔開け加工方法において、上記加工対象物と上記レーザビームの少なくとも一方を連続して移動させながら、所望の加工位置に該レーザビームを照射することを特徴とするものである。この請求項1のレーザ加工方法では、加工対象物とレーザビームの少なくとも一方を連続して移動させながら孔開け加工を行なうので、加工対象物の移動と停止とを繰り返していた従来の加工方法に比べ、移動と停止とに伴う加減速時間がかからない。また、加工対象物を停止させてレーザビームを照射するわけではないので、停止時の制定時間がかからない。これらのことにより、加工対象物とレーザビームとを相対移動させるための駆動モータの大型化によるコストアップ、或いは、XYテーブルの軽量化に伴うコストアップを招くことなく、従来に比べて加工時間を短縮させて加工効率の向上を図ることができる。
また、請求項2の発明は、請求項1のレーザ孔開け加工方法において、上記加工対象物を凍結させて保持することを特徴とするものである。従来加工対象物として裏面に粘着剤付きのラミネートフィルムが貼られたPET等のプラスチック板にレーザビームで孔開け加工を行うと、PETを貫通した直後に粘着剤が吹き上がり加工した壁面に異物として付着する問題があった。ここで、PET等の加工対象物の裏面にラミネートフィルムを貼るのは、次の理由による。例えば真空チャックで加工対象物を保持する場合、加工対象物を貫通したレーザ光が真空チャックの表面で乱反射して照り返し、加工対象物の保持面側(裏面側)の貫通孔の周囲に不必要な加工がされてしまうのを防ぐためである。この請求項2のレーザ孔開け加工方法では、加工対象物を凍結させて保持することにより、加工対象物の保持面(裏面)と保持部材の表面との間に氷の層が形成される。そして、この氷の層、加工対象物と氷の層との界面、及び氷の層と保持部材との界面が、加工対象物を貫通したレーザ光の、上記照り返しによる不具合を防ぐことができるものと考えられる。よって、上記氷の層が上記ラミネートフィルムの替わりの役割を果たすことになり、PETにラミネートフィルムを貼らなくてよい。従って、加工対象物を凍結させて保持することにより、ラミネートフィルムと同様に照り返しによる不具合を防止し、しかも、ラミネートフィルムと異なり粘着剤層が存在しないため、粘着剤が異物として付着することがない。
また、請求項3の発明は、請求項1又は2のレーザ孔開け加工方法において、上記加工対象物の移動方向と平行に配設され、該加工対象物の加工位置に対応した目盛りが形成されたリニアスケールと、該目盛りを読み取る光学センサとを用い、該光学センサの目盛り検出信号に基づいて上記レーザビームを出射させることを特徴とするものである。従来カウンタ信号等を演算処理して加工位置を割り出してレーザ照射を行なっていたので、演算処理時間だけレーザ照射の遅延を生じていた。すると、加工対象物を移動させながらレーザ照射を行なう場合には、演算処理時間だけレーザ照射の遅延が生じ、加工位置ずれが生じてしまう。この請求項3のレーザ孔開け加工方法では、光学センサの目盛り検出信号に基づいて上記レーザビームを出射させるので、カウンタ信号等の演算処理を行なわなくてもレーザ照射が可能となる。これにより、従来演算処理に要していた時間がかからないため、加工対象物を移動させながらレーザ照射を行なう場合の加工位置ずれを防ぐことができる。
また、請求項4の発明は、請求項1、2又は3のレーザ孔開け加工方法において、上記レーザビームの非照射時に比べ、照射時に上記加工対象物と該レーザビームとの相対移動速度を、孔が貫通する所望のショット数を確保し得る速度まで遅くすることを特徴とするものである。加工対象物を移動させながらレーザ照射を行なうと、該加工対象物の厚みによっては一箇所の加工孔当たり所望のショット数が得られず孔が貫通しない場合がある。この請求項4のレーザ孔開け加工方法では、レーザビームの非照射時に比べ、照射時に上記加工対象物と該レーザビームとの相対移動速度を、孔が貫通する所望のショット数を確保し得る速度まで遅くする。よって、レーザビームの非照射時には照射時よりも上記相対速度が速いので、所望のショット数が得られる一定の相対移動速度で加工対象物を移動させる場合に比べ、確実に孔を貫通させつつ加工時間の短縮を図ることができる。また、請求項5の発明は、請求項1、2、3又は4のレーザ孔開け加工方法において、上記加工対象物の表面に対し垂直方向から所定の傾斜角をもったレーザビームを回転させながら照射し、該加工対象物にテーパ形状をもった孔を加工することを特徴とするものである。この請求項5のレーザ孔開け加工方法では、加工対象物にテーパ形状をもった孔を加工することができ、該加工対象物の付加価値を高めることができる。例えば、テーパ形状をもった孔が形成された加工対象物を印刷マスクとして用いる場合には、該孔からのペーストの抜け性を向上させることができ、機能を向上させて付加価値を高めることができる。
また請求項6の発明は、請求項1、2、3、4又は5のレーザ孔開け加工方法において、上記レーザビームとしてフェムト秒レーザビームを用いることを特徴とするものである。この請求項6のレーザ孔開け加工方法では、従来エキシマレーザ等では加工対象物を移動させながら貫通孔を加工するのは困難であったが、フェムト秒レーザはエキシマレーザ等に比べてパルス幅が極めて短くピークエネルギが大きいため、移動させながらの孔開け加工が可能になった。
また、請求項7の発明は、請求項1、2、3、4又は5のレーザ孔開け加工方法において、上記レーザビームとしてCO2レーザビームを用いることを特徴とするものである。この請求項7のレーザ孔開け加工方法では、請求項6の発明と同様に、CO2レーザはエキシマレーザ等に比べてパルス幅が短くピークエネルギが大きいため、移動させながらの孔開け加工が可能になった。
上記目的を達成するために、請求項8の発明は、加工対象物の加工面に対してレーザビームを照射するためのレーザビーム照射手段と、該レーザビーム照射手段と該加工対象物の少なくとも一方を駆動する駆動手段とを有するレーザ孔開け加工装置において、上記レーザビーム照射手段と上記加工対象物の少なくとも一方を連続して移動させるとともに、該加工対象物の所望の加工位置に上記レーザビームを照射するように、該レーザビーム照射手段及び上記駆動手段を制御する制御手段を設けたことを特徴とするものである。この請求項7のレーザ孔開け加工装置では、請求項1に関して述べたように、駆動モータ或いはXYテーブルのコストアップを招くことなく、従来に比べて加工時間を短縮させて加工効率の向上を図ることができる。
また、請求項9の発明は、請求項8のレーザ孔開け加工装置において、上記加工対象物を凍結させて保持する凍結保持手段を有することを特徴とするものである。この請求項9のレーザ孔開け加工装置では、請求項2に関して述べたように、加工対象物を凍結させて保持することにより、粘着剤が異物として加工孔の壁面に付着することを防ぐことができる。
また、請求項10の発明は、請求項8又は9のレーザ孔開け加工装置において、上記加工対象物の移動方向と平行に配設され、該加工対象物の加工位置に対応した目盛りが形成されたリニアスケールと、該目盛りを読み取る光学センサとを有し、上記レーザビーム照射手段が該光学センサの目盛り検出信号に基づいて上記レーザビームを出射させることを特徴とするものである。この請求項10のレーザ孔開け加工装置では、請求項3に関して述べたように、従来演算処理時間に要していた時間がかからないため、加工対象物を移動させながらレーザ照射を行なう場合の加工位置ずれを防ぐことができる。
また、請求項11の発明は、請求項8、9又は10のレーザ孔開け加工装置において、上記制御部は、上記レーザビームの非照射時に比べ、照射時に上記加工対象物と上記レーザビーム照射手段との相対移動速度を、孔が貫通する所望のショット数を確保し得る速度まで遅くする制御を行なうことを特徴とするものである。この請求項11のレーザ孔開け加工装置では、請求項4に関して述べたように、レーザビームの非照射時には照射時よりも上記相対速度が速いので、所望のショット数が得られる一定の相対移動速度で加工対象物を移動させる場合に比べ、確実に孔を貫通させつつ加工時間の短縮を図ることができる。
また、請求項12の発明は、請求項8、9、10又は11のレーザ孔開け加工装置において、入射するレーザビームを微小角度屈折して出射するウエッジ光学基板と、該入射するレーザビームの光軸と同軸で該ウエッジ光学基板を回転させる回転駆動手段とを有することを特徴とするものである。この請求項12のレーザ孔開け加工装置では、請求項5に関して述べたように、加工対象物にテーパ形状をもった孔を加工することができ、該加工対象物の付加価値を高めることができる。
また、請求項13の発明は、請求項8、9、10、11又は12のレーザ孔開け加工装置において、上記レーザビーム照射手段がフェムト秒レーザ発振器を有することを特徴とするものである。この請求項13のレーザ孔開け加工装置では、請求項6に関して述べたように、従来エキシマレーザ等では困難であった移動させながらの孔開け加工が、フェムト秒レーザビームを用いることで可能になった。
また、請求項14の発明は、請求項8、9、10、11又は12のレーザ孔開け加工装置において、上記レーザビーム照射手段がCO2レーザ発振器を有することを特徴とするものである。この請求項14のレーザ孔開け加工装置では、請求項7に関して述べたように、従来エキシマレーザ等では困難であった移動させながらの孔開け加工が、CO2レーザビームを用いることで可能になった。
【0006】
【発明の実施の形態】
〔実施形態1〕
以下、本発明を、フェムト秒レーザを用いたレーザ孔開け加工装置に適用した一実施形態について説明する。以下、プラスチック板等からなる加工対象物であるワークWに対し、レーザ孔開け加工装置を用いて複数の位置に孔開け加工を行う場合について説明する。この孔開け加工が施されたプラスチック板は、印刷マスクやインクジェットヘッドなどに用いられる。
【0007】
図1、本実施形態に係るレーザ孔開け加工装置全体の概略構成図である。このレーザ加工装置は、レーザ装置1、ワーク保持装置2、ワーク移載装置3、XYテーブル4、制御手段を構成するメインコントローラ5から主に構成されている。上記XYテーブル4は、ワークWに対するレーザ光照射ポイントとワークWとを相対移動させる相対移動手段として用いている。
【0008】
上記レーザ装置1は、光源であるレーザ発振器10と、加工ヘッド11とから構成されている。このレーザ発振器10は、エキシマレーザ等に比べて単位時間当たりのショット数が多くピーク出力が大きいフェムト秒レーザを出射する。また、加工ヘッド11は、アパーチャ、落射ミラー、集光レンズ等(いずれも不図示)を備えている。
なお、フェムト秒レーザの発振器出力のように小エネルギ、高繰り返しのパルスで加工可能な用途の場合には、光ファイバを用いてレーザ光をワークWまで導く構成とすることが可能である。この場合、フェムト秒レーザのパルス幅が短くてピークエネルギが高いとファイバが破損する虞があるので、パルス幅を広げて入射し、出射後に圧縮する方法を用いることが望ましい。
【0009】
上記フェムト秒レーザとは、1ピコ秒以下のパルス放射時間でレーザ光を出力するレーザである。現在、汎用的に市販されているフェムト秒レーザの中には、極短パルスで発振するものが実在し、レーザ光波長が775nmで、パルス放射時間が150フェムト秒以下、パルス当りの光エネルギーが800マイクロジュールのものが存在する。すなわち、放射レーザ光のエネルギー密度は発振パルスにおいて約5.3ギガワットのレベルに達する。これによると、時間的エネルギー密度が飛躍的に増加するため、複数の光子が同時に吸収される多光子吸収過程が起こり、遠紫外線等のフォトンエネルギーが大きい光子でしか吸収が起こらなかった材料に対しても複数光子の同時吸収といった形態でエネルギー吸収が起こりアブレーション現象を引き起こすことが可能となる。また、レーザの照射時間が非常に短いためレーザ光が熱エネルギーとして被加工物内を拡散する前に昇華アブレーション加工プロセスが終了する。
本実施形態に係るレーザ加工装置では、例えばコヒーレント社の再生増幅器システムを用いて、高速加工時に、パルス当たりの光エネルギーが1マイクロジュールで、周波数が300kHzのレーザ加工をすることができる。
【0010】
上記ワーク保持装置2は、ワークWをワーク台20に保持し、加工中に位置がズレないようにする役割を果たすものである。従来、ワークWとして裏面に粘着剤付きのラミネートフィルムが貼られたPET等を真空チャックで保持してエキシマレーザで孔開け加工を行うと、PETを貫通した直後に粘着剤が吹き上がり加工した壁面に異物として付着する問題があった。ここで、PETの裏面にラミネートフィルムを貼るのは、次の理由による。真空チャックでPETを保持する場合、PETを貫通したレーザ光が真空チャックの表面で乱反射して照り返し、PETの保持面側(裏面側)の貫通孔の周囲に不必要な加工がされてしまうのを防ぐためである。
そこで本実施形態では、図1に示したXYテーブル本体41に固設されたワーク台20には、凍結チャック21を配設している。ワークWを凍結させて保持することにより、ワークWの保持面(裏面)と凍結チャック21表面との間に氷の層が形成される。そして、この氷の層、ワークWと氷の層との界面、及び氷の層と凍結チャック21表面との界面が、ワークWを貫通したレーザ光の、上記照り返しによる不具合を防ぐことができるものと考えられる。よって、上記氷の層が上記ラミネートフィルムの替わりの役割を果たすことになり、ワークWにラミネートフィルムを貼らなくてよい。従って、ワークWを凍結させて保持することで、ラミネートフィルムと同様に照り返しによる不具合を防止し、しかも、ラミネートフィルムと異なり粘着剤層が存在しないため、粘着剤が異物として付着することがない。
【0011】
上記凍結チャック21としては、例えばエミネントサプライ社製の凍結チャックを用いることができる。この凍結チャック21は、水が凍るときの固着力を利用してワークWをチャック表面に固定するものである。大気中の水分を用いて固着させることができるが、ワークWに少量の水をかけることでより確実に固着させることができる。
凍結チャック21でワークWを凍結させて固定することで、例えば20℃程度の室温でメカニカルクランプを用いてワークWを固定する場合に比べ、ワークWの体積が縮小する。これにより、例えばワークWに室温状態でφ30μmの孔を形成したい場合に、−20℃程度で凍結固定して体積を縮小した状態で加工することで、レーザスポット径をφ25μm程度に小径化することができる。これにより、単位面積当たりのレーザ出力を向上させて、上記異物の付着をより防ぐことができる。また、マシンバイス等のメカニカルクランプでチャッキングする場合に生じるワークの歪みによる精度低下を防ぐことができる。そして、レーザ孔開け加工後にワークWを室温に戻すことで、凍結時に比べ体積が膨張し、φ30μmの孔が得られる。
【0012】
上記ワーク移載装置3は、上記凍結チャック21に対するワークWの装着及び取外しを行うものである。図1に示すように、複数の吸着パッド31でワークWの上面を真空吸着しながら搬送するようになっている。
上記XYテーブル4は、XYテーブル本体41、XYテーブル本体41を制御するXYテーブルコントローラ42とから主に構成されている。XYテーブル本体41には、上述したようにワーク保持装置2が配設されている。
上記メインコントローラ5は、本レーザ加工装置全体を制御するものであり、フェムト秒レーザ装置1、凍結チャック21の図示しない制御装置、ワーク移載装置3、XYテーブルコントローラ42等が接続されている。
【0013】
図2は、本実施形態におけるXYテーブル4の要部の概略構成を示す側面図である。
XYテーブル4は、加工ヘッド11に対してワークWが保持されたワーク台20をX軸方向(図中紙面方向)及びY軸方向(図中左右方向)に相対移動させるものである。ワーク台20は、リニアモータ43の駆動により、ワークWを載置した状態でX軸方向に移動する。この移動の際、ワーク台20は、ガイド44に案内されることで、移動台45上をX軸方向に沿って直線状に移動する。一方、移動台45も、ワーク台20と同様に、図示しないリニアモータの駆動によりワーク台20を載置した状態でY軸方向に直線状に移動する。
【0014】
移動台45の上面には、メインリニアスケール46aを保持するスケール保持部47aと、サブリニアスケール46bを保持するスケール保持部47bとが固定配置されている。メインリニアスケール46a及びサブリニアスケール46bの目盛り方向はX軸方向に平行である。一方、ワーク台20の下面には、メイン位置検出センサ48aが取り付けられたセンサ保持部49aと、サブ位置検出センサ48bが取り付けられたセンサ保持部49bとが固定されている。メイン位置検出センサ48aはメインリニアスケール46aと対向し、サブ位置検出センサ48bはサブリニアスケール46bと対向するように配置されている。これらのメイン位置検出センサ48a及びサブ位置検出センサ48bとしては、例えば反射型レーザセンサを用いることができる。この場合、メイン位置検出センサ48aはメインリニアスケール46a上の目盛りによってON/OFF信号をXYテーブルコントローラ42に出力する。XYテーブルコントローラ42は、この信号に基づいてリニアモータ43の駆動を制御し、フェムト秒レーザビームに対してワークWをX軸方向方向に相対移動させる。また、サブ位置検出センサ48bはサブリニアスケール46b上の目盛りによってON/OFF信号をXYテーブルコントローラ42及びメインコントローラ5に出力する。メインコントローラ5はこの信号に基づいてフェムト秒レーザ発振器10を制御し、フェムト秒レーザを照射する。
なお、本実施形態では、Y軸方向については、メイン位置検出センサとメインリニアスケールとを対向させて配設しているが、サブ位置検出センサとサブリニアスケールとは設けていない。また、X軸方向については、例えばレニショー社製の型番ML10のレーザ測長器を用いてもよい。
【0015】
上記メイン位置検出センサ48aとして分解能が1μmで、上記メインスケール46aとして0.17mm間隔の目盛りを有するものを使用する。一方、サブ位置検出センサ48bとして分解能が0.1μmで、上記サブスケール46bとして0.5μmピッチの目盛りが0.17mm間隔で形成されたものを用いる。例えばレニショー社製のリニアスケールを用いることができる。
図3(a)はこれらの位置検出センサ48a,bのON/OFF信号とレーザショット等のタイミングチャートである。メイン位置検出センサ48aから出力されるON/OFF信号を孔開け加工の同期信号として用い、サブ位置検出センサ48bから出力されるON/OFF信号に基づいてフェムト秒レーザをショットする。より具体的には、図3(a)において、メイン位置検出センサ48aのON信号直後のサブ位置検出センサ48bのON信号をフェムト秒レーザのショット開始信号として用い、次のサブ位置検出センサ48bのON信号をフェムト秒レーザのショット停止信号として用いる。
【0016】
加工周波数が80MHz(発振器出力)のフェムト秒レーザを用い、板厚0.25mmのプラスチック板に、トータル加工距離が約33mm、加工間隔が0.17mmで、φ30μmの孔を194個開ける場合について、従来方法との比較実験を行なった。
ワークの移動と停止を繰り返す従来方法では、制定時間を0.05秒/回、加速度を9.8m/s2、一孔当たりの加工時間を約13μs(約1000ショット)とした場合に、加工時間は約11.3秒であった。
これに対し、ワークを連続移動させる本実施形態では、ワークWの移動速度を40mm/s、一孔当たりワークWが0.5μm移動する間(約13μs、約1000ショット)にレーザ照射を行なったところ、加工時間は約1秒であった。このように、本実施形態によれば従来方法に比べ大幅に加工時間が短縮され、加工効率の向上を図ることができた。さらに、従来カウンタ信号の演算処理に要していた時間がかからないため、ワークWを移動させながらレーザ照射を行なう場合の加工位置ずれを防ぐことができる。なお、本実施形態ではワークWを停止させず一定速度で移動させながらレーザショットするので、Y軸方向に比べて移動方向であるX軸方向に0.5μm長い楕円孔となるが、加工孔径の寸法精度を満たせば問題ない。
【0017】
次に、レーザショットタイミングとして、サブ位置検出センサ48bのON信号をレーザショットのトリガとして用いる場合について説明する。図3(b)はサブ位置検出センサ48bのON信号をレーザショットのトリガとして用いる構成のタイミングチャートである。
メイン位置検出センサ48aとして分解能が1μmで、メインリニアスケール46aとして0.17mm間隔の目盛りを有するものを使用する。一方、サブ位置検出センサ48bとして分解能が0.1μmで、サブリニアスケール46bとして0.17mm毎に0.1μmピッチの目盛りが5つずつ形成されたものを用いる。
そしてサブ位置検出センサ48bから出力されるON信号に基づいてフェムト秒レーザをショットする。より具体的には、図3(b)において、サブ位置検出センサ48bのON信号をフェムト秒レーザのトリガとして用い、ワークWが0.5μm移動する間に5ショットして孔開け加工する。そして、第一のショットから0.17mm移動した時点で再び5ショットして孔開け加工を行い、以下この動作を繰り返す。このレーザショットタイミングでは上記レーザショットタイミングに比べショット数は少なくなるが、ワークWの板厚や材質によって孔開け加工が可能である。
【0018】
以上本実施形態によれば、フェムト秒レーザを用いることで、ワークを停止させることなく短時間で孔開け加工を行うことができる。よって、孔の加工精度を維持しつつ、しかもトータルの加工時間を短縮させて加工効率を向上させることができる。
【0019】
〔実施形態2〕
上記実施形態1においてレーザビームのショット数が少なくてワークに孔が貫通しない場合には、レーザショット時にレーザビームをワークと同時に移動させてショット時間を長くすることもできる。図4(a)はボールネジによりレーザ装置1をX軸方向に移動させる概略構成図である。また、図4(b)はこの構成におけるレーザショットのタイミングチャートである。
図4(a)に示すようにレーザ装置1をボールネジ機構6のボールネジ部61に取り付け、レーザショットするタイミングに合わせてレーザ装置1をワークWの送り方向と同じX軸方向に移動させる。この構成では、ワークW自体の送り移動速度を遅くすることなく、レーザ装置1に対するワークWの相対移動速度を遅くでき、単位時間当たりのレーザショット数を増やすことができる。よって、例えばレーザ装置1を移動させない場合にレーザショット数が一つの孔加工当たり500ショットだったものを、1000ショットに増やすことができる。これにより、ワークWを連続移動させて加工時間を短縮した場合に板厚や材質によっては貫通孔の加工が困難であった場合でも、若干トータルの加工時間は長くなるものの、レーザショット数を増やすことで、確実に孔開け加工を行うことができる。
【0020】
〔実施形態3〕
ワークに対してレーザビームを斜めに照射し、テーパ形状を有する孔を加工することもできる。
図5は本実施形態3に係る加工ヘッド11を詳しく説明するための部分断面図である。加工ヘッド11は、ウエッジ光学基板70と、該ウエッジ光学基板を保持するホルダ71と、集光レンズ72と、ステッピングモータ73等からなる回転駆動手段とを備えている。
【0021】
上記ウエッジ光学基板70は、基板の表裏両面が平面であって、基板裏面(出射面)70bに微小なウエッジ角を有する光学基板である。このウエッジ光学基板70の基板表面(入射面)70aに対し垂直にレーザビームを入射すると、入射したレーザビームが微小角度屈折して基板裏面70bから出射する。また、上記ホルダ71は円筒形状をなしており、ウエッジ光学基板70の基板表面70aをレーザビームの光軸に対し垂直となるように支持する。このホルダ71は一対のボールベアリング766a,76bによって加工ヘッド11のケース77に回動可能に支持されており、ウエッジ光学基板70に入射するレーザビームの光軸と同軸でウエッジ光学基板70を回転することができるようになっている。また、上記集光レンズ72はレーザビームをワークW上に集光させて結像させるものである。
【0022】
上記回転駆動手段は、ステッピングモータ73と、該ステッピングモータの回転制御を行うステッピングモータドライバ78、ステッピングモータコントローラ79と、該ステッピングモータの駆動力を伝達する駆動ギヤ74と、従動ギヤ75とを備えている。
上記ステッピングモータ73はモータ本体73aと、減速器であるギヤヘッド73bと、駆動ロータ(不図示)の回転位置を検出するエンコーダ73cとからなる。モータ本体73aは、例えば5相励磁で基本ステップ角0.72°のステッピングモータを用いることができる。モータ本体73aの回転はギヤヘッド73bにより減速されて駆動ギヤ74を回転させる。この駆動ギヤ74は前記ホルダ71に固設された従動ギヤ75と噛み合っていて、ホルダに保持されたウエッジ光学基板70を回転させるようになっている。なお、上記駆動ギヤ74と従動ギヤ75とは、駆動力を滑らかに且つ静粛に伝達するために、ハス歯歯車を用いることが望ましい。
上記ステッピングモータドライバ78はモータ本体73a内部の巻線へ電流を流すための制御回路である。また、ステッピングモータコントローラ79はステッピングモータ73を制御するためのパルス信号を出力する回路である。
【0023】
上記構成の回転駆動手段でウエッジ光学基盤70を回転させながらレーザショットを行うことにより、ワークW表面に対し垂直方向から所定角度傾いてレーザビームが照射される。これにより、ワークWにテーパ形状を有する孔を加工することができる。このように孔にテーパを形成することで、例えば印刷マスクとして用いるのであればペーストの抜け性が向上し、またインクジェットヘッドとして用いるのであればインクの吐出性を向上させることができ、ワークの付加価値を高めることができる。
【0024】
〔実施形態4〕
上記各実施形態では、フェムト秒レーザを用いた構成について説明したが、これに替えてCO2レーザを用いることもできる。
例えば、1W、1KHz、1パルス当たり1mJのCO2レーザを用いて、高速加工を行なうことができる。即ち、CO2レーザを用いて、ワークを停止させることなく短時間で孔開け加工を行うことができ、孔の加工精度を維持しつつ、しかもトータルの加工時間を短縮させて加工効率を向上させることができる。
【0025】
【発明の効果】
請求項1乃至14の発明においては、コストアップを抑えつつ、加工時間を短縮させて加工効率の向上を図ることができるという優れた効果がある。
また特に、請求項2及び9の発明においては、従来用いられていたラミネートフィルムと同様に照り返しによる不具合を防止し、しかも、粘着剤が異物として付着することがないという優れた効果がある。
また特に、請求項3及び10の発明においては、従来演算処理時間に要していた時間がかからないため、加工対象物を移動させながらレーザ照射を行なう場合の加工位置ずれを防ぐことができるという優れた効果がある。
また特に、請求項4及び11の発明においては、所望のショット数が得られる相対移動速度を維持しながら加工対象物を移動させる場合に比べ、確実に孔を貫通させつつ加工時間の短縮を図ることができるという優れた効果がある。
また特に、請求項5及び12の発明においては、加工対象物にテーパ形状をもった孔を加工することができ、該加工対象物の付加価値を高めることができるという優れた効果がある。
また特に、請求項6及び13の発明においては、従来エキシマレーザ等では困難であった移動させながらの孔開け加工が、フェムト秒レーザビームを用いることで可能になるという優れた効果がある。
また特に、請求項7及び14の発明においては、従来エキシマレーザ等では困難であった移動させながらの孔開け加工が、CO2レーザビームを用いることで可能になるという優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態に係るレーザ孔開け加工装置の要部概略構成図。
【図2】XYテーブルの要部の概略構成を示す側面図。
【図3】(a)はメイン位置検出センサのON/OFF信号とレーザショット等のタイミングチャート。
(b)はサブ位置検出センサのON信号をレーザショットのトリガとして用いる構成のタイミングチャート。
【図4】(a)はボールネジによりレーザ装置をX軸方向に移動させる概略斜視図。
(b)は本構成におけるレーザショットのタイミングチャート。
【図5】実施形態3に係る加工ヘッドの部分断面説明図。
【図6】(a)は従来の孔開け加工方法を示す斜視図。
(b)はXYテーブルの移動速度の時間変化を示すグラフ。
【符号の説明】
1 レーザ装置
2 ワーク保持装置
3 ワーク移載装置
4 XYテーブル
5 メインコントローラ
6 ボールネジ機構
10 フェムト秒レーザ発振器
11 加工ヘッド
20 ワーク台
21 凍結チャック
41 XYテーブル本体
42 XYテーブルコントローラ
43 リニアモータ
46a メインリニアスケール0
46b サブリニアスケール
48a メイン位置検出センサ
48b サブ位置検出センサ
70 ウエッジ光学基板
【発明の属する技術分野】
本発明は、レーザ孔開け加工方法及びその装置に係り、詳しくは、加工対象物と該加工対象物に照射するレーザビームとを相対移動させることにより、該加工対象物に孔を加工するレーザ孔開け加工方法及びその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来この種のレーザ孔開け加工方法としては、ワークをXYテーブル上に載置し、ワークの孔開け加工位置をレーザ照射位置に移動させて加工を行う加工方法が知られている。この加工方法でワークに複数の孔開け加工を行う場合には、図6(a)に示すようにレーザ照射により一箇所の孔開けが終了したら、次の加工位置にワークを移動させて停止させ、再びレーザ照射を行う。これを繰り返して複数の孔開け加工を行う。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の加工方法ではレーザ照射による加工をする度に、ワークの移動及び停止を繰り返すため加減速時間がかかり、加工に要する時間が長くなってしまうという問題があった。また、XYテーブルの停止時に該XYテーブルが振動する場合がある。この場合には、図6(b)に示すように、振動が収束するまでの時間(制定時間)T0だけ待ってから図中の符号Trで示しているタイミングでレーザ照射する必要がある。
上記加減速時間を短縮するために駆動モータの容量を従来より大きくすることが考えられるが、駆動モータの大型化によるコストアップを招いてしまう。一方、上記制定時間を短縮するために軽量化してXYテーブルのイナーシャを小さくすることが考えられる。しかし、XYテーブルは従来から軽量化が図られており、さらなる軽量化を図るには超軽量材料を用いて構成しなければならずコストアップを招いてしまう。
このようにコストアップを招くことなく、加減速時間及び制定時間の短縮を図るのは困難であり、加工時間を短縮させて加工効率を向上させるには限界があった。
【0004】
本発明は以上の問題点に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、コストアップを抑えつつ、加工時間を短縮させて加工効率の向上を図ることができるレーザ孔開け加工方法及びその装置を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、加工対象物と該加工対象物に照射するレーザビームとを相対移動させることにより、該加工対象物に孔を加工するレーザ孔開け加工方法において、上記加工対象物と上記レーザビームの少なくとも一方を連続して移動させながら、所望の加工位置に該レーザビームを照射することを特徴とするものである。この請求項1のレーザ加工方法では、加工対象物とレーザビームの少なくとも一方を連続して移動させながら孔開け加工を行なうので、加工対象物の移動と停止とを繰り返していた従来の加工方法に比べ、移動と停止とに伴う加減速時間がかからない。また、加工対象物を停止させてレーザビームを照射するわけではないので、停止時の制定時間がかからない。これらのことにより、加工対象物とレーザビームとを相対移動させるための駆動モータの大型化によるコストアップ、或いは、XYテーブルの軽量化に伴うコストアップを招くことなく、従来に比べて加工時間を短縮させて加工効率の向上を図ることができる。
また、請求項2の発明は、請求項1のレーザ孔開け加工方法において、上記加工対象物を凍結させて保持することを特徴とするものである。従来加工対象物として裏面に粘着剤付きのラミネートフィルムが貼られたPET等のプラスチック板にレーザビームで孔開け加工を行うと、PETを貫通した直後に粘着剤が吹き上がり加工した壁面に異物として付着する問題があった。ここで、PET等の加工対象物の裏面にラミネートフィルムを貼るのは、次の理由による。例えば真空チャックで加工対象物を保持する場合、加工対象物を貫通したレーザ光が真空チャックの表面で乱反射して照り返し、加工対象物の保持面側(裏面側)の貫通孔の周囲に不必要な加工がされてしまうのを防ぐためである。この請求項2のレーザ孔開け加工方法では、加工対象物を凍結させて保持することにより、加工対象物の保持面(裏面)と保持部材の表面との間に氷の層が形成される。そして、この氷の層、加工対象物と氷の層との界面、及び氷の層と保持部材との界面が、加工対象物を貫通したレーザ光の、上記照り返しによる不具合を防ぐことができるものと考えられる。よって、上記氷の層が上記ラミネートフィルムの替わりの役割を果たすことになり、PETにラミネートフィルムを貼らなくてよい。従って、加工対象物を凍結させて保持することにより、ラミネートフィルムと同様に照り返しによる不具合を防止し、しかも、ラミネートフィルムと異なり粘着剤層が存在しないため、粘着剤が異物として付着することがない。
また、請求項3の発明は、請求項1又は2のレーザ孔開け加工方法において、上記加工対象物の移動方向と平行に配設され、該加工対象物の加工位置に対応した目盛りが形成されたリニアスケールと、該目盛りを読み取る光学センサとを用い、該光学センサの目盛り検出信号に基づいて上記レーザビームを出射させることを特徴とするものである。従来カウンタ信号等を演算処理して加工位置を割り出してレーザ照射を行なっていたので、演算処理時間だけレーザ照射の遅延を生じていた。すると、加工対象物を移動させながらレーザ照射を行なう場合には、演算処理時間だけレーザ照射の遅延が生じ、加工位置ずれが生じてしまう。この請求項3のレーザ孔開け加工方法では、光学センサの目盛り検出信号に基づいて上記レーザビームを出射させるので、カウンタ信号等の演算処理を行なわなくてもレーザ照射が可能となる。これにより、従来演算処理に要していた時間がかからないため、加工対象物を移動させながらレーザ照射を行なう場合の加工位置ずれを防ぐことができる。
また、請求項4の発明は、請求項1、2又は3のレーザ孔開け加工方法において、上記レーザビームの非照射時に比べ、照射時に上記加工対象物と該レーザビームとの相対移動速度を、孔が貫通する所望のショット数を確保し得る速度まで遅くすることを特徴とするものである。加工対象物を移動させながらレーザ照射を行なうと、該加工対象物の厚みによっては一箇所の加工孔当たり所望のショット数が得られず孔が貫通しない場合がある。この請求項4のレーザ孔開け加工方法では、レーザビームの非照射時に比べ、照射時に上記加工対象物と該レーザビームとの相対移動速度を、孔が貫通する所望のショット数を確保し得る速度まで遅くする。よって、レーザビームの非照射時には照射時よりも上記相対速度が速いので、所望のショット数が得られる一定の相対移動速度で加工対象物を移動させる場合に比べ、確実に孔を貫通させつつ加工時間の短縮を図ることができる。また、請求項5の発明は、請求項1、2、3又は4のレーザ孔開け加工方法において、上記加工対象物の表面に対し垂直方向から所定の傾斜角をもったレーザビームを回転させながら照射し、該加工対象物にテーパ形状をもった孔を加工することを特徴とするものである。この請求項5のレーザ孔開け加工方法では、加工対象物にテーパ形状をもった孔を加工することができ、該加工対象物の付加価値を高めることができる。例えば、テーパ形状をもった孔が形成された加工対象物を印刷マスクとして用いる場合には、該孔からのペーストの抜け性を向上させることができ、機能を向上させて付加価値を高めることができる。
また請求項6の発明は、請求項1、2、3、4又は5のレーザ孔開け加工方法において、上記レーザビームとしてフェムト秒レーザビームを用いることを特徴とするものである。この請求項6のレーザ孔開け加工方法では、従来エキシマレーザ等では加工対象物を移動させながら貫通孔を加工するのは困難であったが、フェムト秒レーザはエキシマレーザ等に比べてパルス幅が極めて短くピークエネルギが大きいため、移動させながらの孔開け加工が可能になった。
また、請求項7の発明は、請求項1、2、3、4又は5のレーザ孔開け加工方法において、上記レーザビームとしてCO2レーザビームを用いることを特徴とするものである。この請求項7のレーザ孔開け加工方法では、請求項6の発明と同様に、CO2レーザはエキシマレーザ等に比べてパルス幅が短くピークエネルギが大きいため、移動させながらの孔開け加工が可能になった。
上記目的を達成するために、請求項8の発明は、加工対象物の加工面に対してレーザビームを照射するためのレーザビーム照射手段と、該レーザビーム照射手段と該加工対象物の少なくとも一方を駆動する駆動手段とを有するレーザ孔開け加工装置において、上記レーザビーム照射手段と上記加工対象物の少なくとも一方を連続して移動させるとともに、該加工対象物の所望の加工位置に上記レーザビームを照射するように、該レーザビーム照射手段及び上記駆動手段を制御する制御手段を設けたことを特徴とするものである。この請求項7のレーザ孔開け加工装置では、請求項1に関して述べたように、駆動モータ或いはXYテーブルのコストアップを招くことなく、従来に比べて加工時間を短縮させて加工効率の向上を図ることができる。
また、請求項9の発明は、請求項8のレーザ孔開け加工装置において、上記加工対象物を凍結させて保持する凍結保持手段を有することを特徴とするものである。この請求項9のレーザ孔開け加工装置では、請求項2に関して述べたように、加工対象物を凍結させて保持することにより、粘着剤が異物として加工孔の壁面に付着することを防ぐことができる。
また、請求項10の発明は、請求項8又は9のレーザ孔開け加工装置において、上記加工対象物の移動方向と平行に配設され、該加工対象物の加工位置に対応した目盛りが形成されたリニアスケールと、該目盛りを読み取る光学センサとを有し、上記レーザビーム照射手段が該光学センサの目盛り検出信号に基づいて上記レーザビームを出射させることを特徴とするものである。この請求項10のレーザ孔開け加工装置では、請求項3に関して述べたように、従来演算処理時間に要していた時間がかからないため、加工対象物を移動させながらレーザ照射を行なう場合の加工位置ずれを防ぐことができる。
また、請求項11の発明は、請求項8、9又は10のレーザ孔開け加工装置において、上記制御部は、上記レーザビームの非照射時に比べ、照射時に上記加工対象物と上記レーザビーム照射手段との相対移動速度を、孔が貫通する所望のショット数を確保し得る速度まで遅くする制御を行なうことを特徴とするものである。この請求項11のレーザ孔開け加工装置では、請求項4に関して述べたように、レーザビームの非照射時には照射時よりも上記相対速度が速いので、所望のショット数が得られる一定の相対移動速度で加工対象物を移動させる場合に比べ、確実に孔を貫通させつつ加工時間の短縮を図ることができる。
また、請求項12の発明は、請求項8、9、10又は11のレーザ孔開け加工装置において、入射するレーザビームを微小角度屈折して出射するウエッジ光学基板と、該入射するレーザビームの光軸と同軸で該ウエッジ光学基板を回転させる回転駆動手段とを有することを特徴とするものである。この請求項12のレーザ孔開け加工装置では、請求項5に関して述べたように、加工対象物にテーパ形状をもった孔を加工することができ、該加工対象物の付加価値を高めることができる。
また、請求項13の発明は、請求項8、9、10、11又は12のレーザ孔開け加工装置において、上記レーザビーム照射手段がフェムト秒レーザ発振器を有することを特徴とするものである。この請求項13のレーザ孔開け加工装置では、請求項6に関して述べたように、従来エキシマレーザ等では困難であった移動させながらの孔開け加工が、フェムト秒レーザビームを用いることで可能になった。
また、請求項14の発明は、請求項8、9、10、11又は12のレーザ孔開け加工装置において、上記レーザビーム照射手段がCO2レーザ発振器を有することを特徴とするものである。この請求項14のレーザ孔開け加工装置では、請求項7に関して述べたように、従来エキシマレーザ等では困難であった移動させながらの孔開け加工が、CO2レーザビームを用いることで可能になった。
【0006】
【発明の実施の形態】
〔実施形態1〕
以下、本発明を、フェムト秒レーザを用いたレーザ孔開け加工装置に適用した一実施形態について説明する。以下、プラスチック板等からなる加工対象物であるワークWに対し、レーザ孔開け加工装置を用いて複数の位置に孔開け加工を行う場合について説明する。この孔開け加工が施されたプラスチック板は、印刷マスクやインクジェットヘッドなどに用いられる。
【0007】
図1、本実施形態に係るレーザ孔開け加工装置全体の概略構成図である。このレーザ加工装置は、レーザ装置1、ワーク保持装置2、ワーク移載装置3、XYテーブル4、制御手段を構成するメインコントローラ5から主に構成されている。上記XYテーブル4は、ワークWに対するレーザ光照射ポイントとワークWとを相対移動させる相対移動手段として用いている。
【0008】
上記レーザ装置1は、光源であるレーザ発振器10と、加工ヘッド11とから構成されている。このレーザ発振器10は、エキシマレーザ等に比べて単位時間当たりのショット数が多くピーク出力が大きいフェムト秒レーザを出射する。また、加工ヘッド11は、アパーチャ、落射ミラー、集光レンズ等(いずれも不図示)を備えている。
なお、フェムト秒レーザの発振器出力のように小エネルギ、高繰り返しのパルスで加工可能な用途の場合には、光ファイバを用いてレーザ光をワークWまで導く構成とすることが可能である。この場合、フェムト秒レーザのパルス幅が短くてピークエネルギが高いとファイバが破損する虞があるので、パルス幅を広げて入射し、出射後に圧縮する方法を用いることが望ましい。
【0009】
上記フェムト秒レーザとは、1ピコ秒以下のパルス放射時間でレーザ光を出力するレーザである。現在、汎用的に市販されているフェムト秒レーザの中には、極短パルスで発振するものが実在し、レーザ光波長が775nmで、パルス放射時間が150フェムト秒以下、パルス当りの光エネルギーが800マイクロジュールのものが存在する。すなわち、放射レーザ光のエネルギー密度は発振パルスにおいて約5.3ギガワットのレベルに達する。これによると、時間的エネルギー密度が飛躍的に増加するため、複数の光子が同時に吸収される多光子吸収過程が起こり、遠紫外線等のフォトンエネルギーが大きい光子でしか吸収が起こらなかった材料に対しても複数光子の同時吸収といった形態でエネルギー吸収が起こりアブレーション現象を引き起こすことが可能となる。また、レーザの照射時間が非常に短いためレーザ光が熱エネルギーとして被加工物内を拡散する前に昇華アブレーション加工プロセスが終了する。
本実施形態に係るレーザ加工装置では、例えばコヒーレント社の再生増幅器システムを用いて、高速加工時に、パルス当たりの光エネルギーが1マイクロジュールで、周波数が300kHzのレーザ加工をすることができる。
【0010】
上記ワーク保持装置2は、ワークWをワーク台20に保持し、加工中に位置がズレないようにする役割を果たすものである。従来、ワークWとして裏面に粘着剤付きのラミネートフィルムが貼られたPET等を真空チャックで保持してエキシマレーザで孔開け加工を行うと、PETを貫通した直後に粘着剤が吹き上がり加工した壁面に異物として付着する問題があった。ここで、PETの裏面にラミネートフィルムを貼るのは、次の理由による。真空チャックでPETを保持する場合、PETを貫通したレーザ光が真空チャックの表面で乱反射して照り返し、PETの保持面側(裏面側)の貫通孔の周囲に不必要な加工がされてしまうのを防ぐためである。
そこで本実施形態では、図1に示したXYテーブル本体41に固設されたワーク台20には、凍結チャック21を配設している。ワークWを凍結させて保持することにより、ワークWの保持面(裏面)と凍結チャック21表面との間に氷の層が形成される。そして、この氷の層、ワークWと氷の層との界面、及び氷の層と凍結チャック21表面との界面が、ワークWを貫通したレーザ光の、上記照り返しによる不具合を防ぐことができるものと考えられる。よって、上記氷の層が上記ラミネートフィルムの替わりの役割を果たすことになり、ワークWにラミネートフィルムを貼らなくてよい。従って、ワークWを凍結させて保持することで、ラミネートフィルムと同様に照り返しによる不具合を防止し、しかも、ラミネートフィルムと異なり粘着剤層が存在しないため、粘着剤が異物として付着することがない。
【0011】
上記凍結チャック21としては、例えばエミネントサプライ社製の凍結チャックを用いることができる。この凍結チャック21は、水が凍るときの固着力を利用してワークWをチャック表面に固定するものである。大気中の水分を用いて固着させることができるが、ワークWに少量の水をかけることでより確実に固着させることができる。
凍結チャック21でワークWを凍結させて固定することで、例えば20℃程度の室温でメカニカルクランプを用いてワークWを固定する場合に比べ、ワークWの体積が縮小する。これにより、例えばワークWに室温状態でφ30μmの孔を形成したい場合に、−20℃程度で凍結固定して体積を縮小した状態で加工することで、レーザスポット径をφ25μm程度に小径化することができる。これにより、単位面積当たりのレーザ出力を向上させて、上記異物の付着をより防ぐことができる。また、マシンバイス等のメカニカルクランプでチャッキングする場合に生じるワークの歪みによる精度低下を防ぐことができる。そして、レーザ孔開け加工後にワークWを室温に戻すことで、凍結時に比べ体積が膨張し、φ30μmの孔が得られる。
【0012】
上記ワーク移載装置3は、上記凍結チャック21に対するワークWの装着及び取外しを行うものである。図1に示すように、複数の吸着パッド31でワークWの上面を真空吸着しながら搬送するようになっている。
上記XYテーブル4は、XYテーブル本体41、XYテーブル本体41を制御するXYテーブルコントローラ42とから主に構成されている。XYテーブル本体41には、上述したようにワーク保持装置2が配設されている。
上記メインコントローラ5は、本レーザ加工装置全体を制御するものであり、フェムト秒レーザ装置1、凍結チャック21の図示しない制御装置、ワーク移載装置3、XYテーブルコントローラ42等が接続されている。
【0013】
図2は、本実施形態におけるXYテーブル4の要部の概略構成を示す側面図である。
XYテーブル4は、加工ヘッド11に対してワークWが保持されたワーク台20をX軸方向(図中紙面方向)及びY軸方向(図中左右方向)に相対移動させるものである。ワーク台20は、リニアモータ43の駆動により、ワークWを載置した状態でX軸方向に移動する。この移動の際、ワーク台20は、ガイド44に案内されることで、移動台45上をX軸方向に沿って直線状に移動する。一方、移動台45も、ワーク台20と同様に、図示しないリニアモータの駆動によりワーク台20を載置した状態でY軸方向に直線状に移動する。
【0014】
移動台45の上面には、メインリニアスケール46aを保持するスケール保持部47aと、サブリニアスケール46bを保持するスケール保持部47bとが固定配置されている。メインリニアスケール46a及びサブリニアスケール46bの目盛り方向はX軸方向に平行である。一方、ワーク台20の下面には、メイン位置検出センサ48aが取り付けられたセンサ保持部49aと、サブ位置検出センサ48bが取り付けられたセンサ保持部49bとが固定されている。メイン位置検出センサ48aはメインリニアスケール46aと対向し、サブ位置検出センサ48bはサブリニアスケール46bと対向するように配置されている。これらのメイン位置検出センサ48a及びサブ位置検出センサ48bとしては、例えば反射型レーザセンサを用いることができる。この場合、メイン位置検出センサ48aはメインリニアスケール46a上の目盛りによってON/OFF信号をXYテーブルコントローラ42に出力する。XYテーブルコントローラ42は、この信号に基づいてリニアモータ43の駆動を制御し、フェムト秒レーザビームに対してワークWをX軸方向方向に相対移動させる。また、サブ位置検出センサ48bはサブリニアスケール46b上の目盛りによってON/OFF信号をXYテーブルコントローラ42及びメインコントローラ5に出力する。メインコントローラ5はこの信号に基づいてフェムト秒レーザ発振器10を制御し、フェムト秒レーザを照射する。
なお、本実施形態では、Y軸方向については、メイン位置検出センサとメインリニアスケールとを対向させて配設しているが、サブ位置検出センサとサブリニアスケールとは設けていない。また、X軸方向については、例えばレニショー社製の型番ML10のレーザ測長器を用いてもよい。
【0015】
上記メイン位置検出センサ48aとして分解能が1μmで、上記メインスケール46aとして0.17mm間隔の目盛りを有するものを使用する。一方、サブ位置検出センサ48bとして分解能が0.1μmで、上記サブスケール46bとして0.5μmピッチの目盛りが0.17mm間隔で形成されたものを用いる。例えばレニショー社製のリニアスケールを用いることができる。
図3(a)はこれらの位置検出センサ48a,bのON/OFF信号とレーザショット等のタイミングチャートである。メイン位置検出センサ48aから出力されるON/OFF信号を孔開け加工の同期信号として用い、サブ位置検出センサ48bから出力されるON/OFF信号に基づいてフェムト秒レーザをショットする。より具体的には、図3(a)において、メイン位置検出センサ48aのON信号直後のサブ位置検出センサ48bのON信号をフェムト秒レーザのショット開始信号として用い、次のサブ位置検出センサ48bのON信号をフェムト秒レーザのショット停止信号として用いる。
【0016】
加工周波数が80MHz(発振器出力)のフェムト秒レーザを用い、板厚0.25mmのプラスチック板に、トータル加工距離が約33mm、加工間隔が0.17mmで、φ30μmの孔を194個開ける場合について、従来方法との比較実験を行なった。
ワークの移動と停止を繰り返す従来方法では、制定時間を0.05秒/回、加速度を9.8m/s2、一孔当たりの加工時間を約13μs(約1000ショット)とした場合に、加工時間は約11.3秒であった。
これに対し、ワークを連続移動させる本実施形態では、ワークWの移動速度を40mm/s、一孔当たりワークWが0.5μm移動する間(約13μs、約1000ショット)にレーザ照射を行なったところ、加工時間は約1秒であった。このように、本実施形態によれば従来方法に比べ大幅に加工時間が短縮され、加工効率の向上を図ることができた。さらに、従来カウンタ信号の演算処理に要していた時間がかからないため、ワークWを移動させながらレーザ照射を行なう場合の加工位置ずれを防ぐことができる。なお、本実施形態ではワークWを停止させず一定速度で移動させながらレーザショットするので、Y軸方向に比べて移動方向であるX軸方向に0.5μm長い楕円孔となるが、加工孔径の寸法精度を満たせば問題ない。
【0017】
次に、レーザショットタイミングとして、サブ位置検出センサ48bのON信号をレーザショットのトリガとして用いる場合について説明する。図3(b)はサブ位置検出センサ48bのON信号をレーザショットのトリガとして用いる構成のタイミングチャートである。
メイン位置検出センサ48aとして分解能が1μmで、メインリニアスケール46aとして0.17mm間隔の目盛りを有するものを使用する。一方、サブ位置検出センサ48bとして分解能が0.1μmで、サブリニアスケール46bとして0.17mm毎に0.1μmピッチの目盛りが5つずつ形成されたものを用いる。
そしてサブ位置検出センサ48bから出力されるON信号に基づいてフェムト秒レーザをショットする。より具体的には、図3(b)において、サブ位置検出センサ48bのON信号をフェムト秒レーザのトリガとして用い、ワークWが0.5μm移動する間に5ショットして孔開け加工する。そして、第一のショットから0.17mm移動した時点で再び5ショットして孔開け加工を行い、以下この動作を繰り返す。このレーザショットタイミングでは上記レーザショットタイミングに比べショット数は少なくなるが、ワークWの板厚や材質によって孔開け加工が可能である。
【0018】
以上本実施形態によれば、フェムト秒レーザを用いることで、ワークを停止させることなく短時間で孔開け加工を行うことができる。よって、孔の加工精度を維持しつつ、しかもトータルの加工時間を短縮させて加工効率を向上させることができる。
【0019】
〔実施形態2〕
上記実施形態1においてレーザビームのショット数が少なくてワークに孔が貫通しない場合には、レーザショット時にレーザビームをワークと同時に移動させてショット時間を長くすることもできる。図4(a)はボールネジによりレーザ装置1をX軸方向に移動させる概略構成図である。また、図4(b)はこの構成におけるレーザショットのタイミングチャートである。
図4(a)に示すようにレーザ装置1をボールネジ機構6のボールネジ部61に取り付け、レーザショットするタイミングに合わせてレーザ装置1をワークWの送り方向と同じX軸方向に移動させる。この構成では、ワークW自体の送り移動速度を遅くすることなく、レーザ装置1に対するワークWの相対移動速度を遅くでき、単位時間当たりのレーザショット数を増やすことができる。よって、例えばレーザ装置1を移動させない場合にレーザショット数が一つの孔加工当たり500ショットだったものを、1000ショットに増やすことができる。これにより、ワークWを連続移動させて加工時間を短縮した場合に板厚や材質によっては貫通孔の加工が困難であった場合でも、若干トータルの加工時間は長くなるものの、レーザショット数を増やすことで、確実に孔開け加工を行うことができる。
【0020】
〔実施形態3〕
ワークに対してレーザビームを斜めに照射し、テーパ形状を有する孔を加工することもできる。
図5は本実施形態3に係る加工ヘッド11を詳しく説明するための部分断面図である。加工ヘッド11は、ウエッジ光学基板70と、該ウエッジ光学基板を保持するホルダ71と、集光レンズ72と、ステッピングモータ73等からなる回転駆動手段とを備えている。
【0021】
上記ウエッジ光学基板70は、基板の表裏両面が平面であって、基板裏面(出射面)70bに微小なウエッジ角を有する光学基板である。このウエッジ光学基板70の基板表面(入射面)70aに対し垂直にレーザビームを入射すると、入射したレーザビームが微小角度屈折して基板裏面70bから出射する。また、上記ホルダ71は円筒形状をなしており、ウエッジ光学基板70の基板表面70aをレーザビームの光軸に対し垂直となるように支持する。このホルダ71は一対のボールベアリング766a,76bによって加工ヘッド11のケース77に回動可能に支持されており、ウエッジ光学基板70に入射するレーザビームの光軸と同軸でウエッジ光学基板70を回転することができるようになっている。また、上記集光レンズ72はレーザビームをワークW上に集光させて結像させるものである。
【0022】
上記回転駆動手段は、ステッピングモータ73と、該ステッピングモータの回転制御を行うステッピングモータドライバ78、ステッピングモータコントローラ79と、該ステッピングモータの駆動力を伝達する駆動ギヤ74と、従動ギヤ75とを備えている。
上記ステッピングモータ73はモータ本体73aと、減速器であるギヤヘッド73bと、駆動ロータ(不図示)の回転位置を検出するエンコーダ73cとからなる。モータ本体73aは、例えば5相励磁で基本ステップ角0.72°のステッピングモータを用いることができる。モータ本体73aの回転はギヤヘッド73bにより減速されて駆動ギヤ74を回転させる。この駆動ギヤ74は前記ホルダ71に固設された従動ギヤ75と噛み合っていて、ホルダに保持されたウエッジ光学基板70を回転させるようになっている。なお、上記駆動ギヤ74と従動ギヤ75とは、駆動力を滑らかに且つ静粛に伝達するために、ハス歯歯車を用いることが望ましい。
上記ステッピングモータドライバ78はモータ本体73a内部の巻線へ電流を流すための制御回路である。また、ステッピングモータコントローラ79はステッピングモータ73を制御するためのパルス信号を出力する回路である。
【0023】
上記構成の回転駆動手段でウエッジ光学基盤70を回転させながらレーザショットを行うことにより、ワークW表面に対し垂直方向から所定角度傾いてレーザビームが照射される。これにより、ワークWにテーパ形状を有する孔を加工することができる。このように孔にテーパを形成することで、例えば印刷マスクとして用いるのであればペーストの抜け性が向上し、またインクジェットヘッドとして用いるのであればインクの吐出性を向上させることができ、ワークの付加価値を高めることができる。
【0024】
〔実施形態4〕
上記各実施形態では、フェムト秒レーザを用いた構成について説明したが、これに替えてCO2レーザを用いることもできる。
例えば、1W、1KHz、1パルス当たり1mJのCO2レーザを用いて、高速加工を行なうことができる。即ち、CO2レーザを用いて、ワークを停止させることなく短時間で孔開け加工を行うことができ、孔の加工精度を維持しつつ、しかもトータルの加工時間を短縮させて加工効率を向上させることができる。
【0025】
【発明の効果】
請求項1乃至14の発明においては、コストアップを抑えつつ、加工時間を短縮させて加工効率の向上を図ることができるという優れた効果がある。
また特に、請求項2及び9の発明においては、従来用いられていたラミネートフィルムと同様に照り返しによる不具合を防止し、しかも、粘着剤が異物として付着することがないという優れた効果がある。
また特に、請求項3及び10の発明においては、従来演算処理時間に要していた時間がかからないため、加工対象物を移動させながらレーザ照射を行なう場合の加工位置ずれを防ぐことができるという優れた効果がある。
また特に、請求項4及び11の発明においては、所望のショット数が得られる相対移動速度を維持しながら加工対象物を移動させる場合に比べ、確実に孔を貫通させつつ加工時間の短縮を図ることができるという優れた効果がある。
また特に、請求項5及び12の発明においては、加工対象物にテーパ形状をもった孔を加工することができ、該加工対象物の付加価値を高めることができるという優れた効果がある。
また特に、請求項6及び13の発明においては、従来エキシマレーザ等では困難であった移動させながらの孔開け加工が、フェムト秒レーザビームを用いることで可能になるという優れた効果がある。
また特に、請求項7及び14の発明においては、従来エキシマレーザ等では困難であった移動させながらの孔開け加工が、CO2レーザビームを用いることで可能になるという優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態に係るレーザ孔開け加工装置の要部概略構成図。
【図2】XYテーブルの要部の概略構成を示す側面図。
【図3】(a)はメイン位置検出センサのON/OFF信号とレーザショット等のタイミングチャート。
(b)はサブ位置検出センサのON信号をレーザショットのトリガとして用いる構成のタイミングチャート。
【図4】(a)はボールネジによりレーザ装置をX軸方向に移動させる概略斜視図。
(b)は本構成におけるレーザショットのタイミングチャート。
【図5】実施形態3に係る加工ヘッドの部分断面説明図。
【図6】(a)は従来の孔開け加工方法を示す斜視図。
(b)はXYテーブルの移動速度の時間変化を示すグラフ。
【符号の説明】
1 レーザ装置
2 ワーク保持装置
3 ワーク移載装置
4 XYテーブル
5 メインコントローラ
6 ボールネジ機構
10 フェムト秒レーザ発振器
11 加工ヘッド
20 ワーク台
21 凍結チャック
41 XYテーブル本体
42 XYテーブルコントローラ
43 リニアモータ
46a メインリニアスケール0
46b サブリニアスケール
48a メイン位置検出センサ
48b サブ位置検出センサ
70 ウエッジ光学基板
Claims (14)
- 加工対象物と該加工対象物に照射するレーザビームとを相対移動させることにより、該加工対象物に孔を加工するレーザ孔開け加工方法において、
上記加工対象物と上記レーザビームの少なくとも一方を連続して移動させながら、所望の加工位置に該レーザビームを照射することを特徴とするレーザ孔開け加工方法。 - 請求項1のレーザ孔開け加工方法において、
上記加工対象物を凍結させて保持することを特徴とするレーザ孔開け加工方法。 - 請求項1又は2のレーザ孔開け加工方法において、
上記加工対象物の移動方向と平行に配設され、該加工対象物の加工位置に対応した目盛りが形成されたリニアスケールと、
該目盛りを読み取る光学センサとを用い、
該光学センサの目盛り検出信号に基づいて上記レーザビームを出射させることを特徴とするレーザ孔開け加工方法。 - 請求項1、2又は3のレーザ孔開け加工方法において、
上記レーザビームの非照射時に比べ、照射時に上記加工対象物と該レーザビームとの相対移動速度を、孔が貫通する所望のショット数を確保し得る速度まで遅くすることを特徴とするレーザ孔開け加工方法。 - 請求項1、2、3又は4のレーザ孔開け加工方法において、
上記加工対象物の表面に対し垂直方向から所定の傾斜角をもったレーザビームを回転させながら照射し、該加工対象物にテーパ形状をもった孔を加工することを特徴とするレーザ孔開け加工方法。 - 請求項1、2、3、4又は5のレーザ孔開け加工方法において、
上記レーザビームとしてフェムト秒レーザビームを用いることを特徴とするレーザ孔開け加工方法。 - 請求項1、2、3、4又は5のレーザ孔開け加工方法において、
上記レーザビームとしてCO2レーザビームを用いることを特徴とするレーザ孔開け加工方法。 - 加工対象物の加工面に対してレーザビームを照射するためのレーザビーム照射手段と、該レーザビーム照射手段と該加工対象物の少なくとも一方を駆動する駆動手段とを有するレーザ孔開け加工装置において、
上記レーザビーム照射手段と上記加工対象物の少なくとも一方を連続して移動させるとともに、該加工対象物の所望の加工位置に上記レーザビームを照射するように、該レーザビーム照射手段及び上記駆動手段を制御する制御手段を設けたことを特徴とするレーザ孔開け加工装置。 - 請求項8のレーザ孔開け加工装置において、
上記加工対象物を凍結させて保持する凍結保持手段を有することを特徴とするレーザ孔開け加工装置。 - 請求項8又は9のレーザ孔開け加工装置において、
上記加工対象物の移動方向と平行に配設され、該加工対象物の加工位置に対応した目盛りが形成されたリニアスケールと、
該目盛りを読み取る光学センサとを有し、
上記レーザビーム照射手段が該光学センサの目盛り検出信号に基づいて上記レーザビームを出射させることを特徴とするレーザ孔開け加工装置。 - 請求項8、9又は10のレーザ孔開け加工装置において、
上記制御部は、上記レーザビームの非照射時に比べ、照射時に上記加工対象物と上記レーザビーム照射手段との相対移動速度を、孔が貫通する所望のショット数を確保し得る速度まで遅くする制御を行なうことを特徴とするレーザ孔開け加工装置。 - 請求項8、9、10又は11のレーザ孔開け加工装置において、
入射するレーザビームを微小角度屈折して出射するウエッジ光学基板と、
該入射するレーザビームの光軸と同軸で該ウエッジ光学基板を回転させる回転駆動手段とを有することを特徴とするレーザ孔開け加工装置。 - 請求項8、9、10、11又は12のレーザ孔開け加工装置において、
上記レーザビーム照射手段がフェムト秒レーザ発振器を有することを特徴とするレーザ孔開け加工装置。 - 請求項8、9、10、11又は12のレーザ孔開け加工装置において、
上記レーザビーム照射手段がCO2レーザ発振器を有することを特徴とするレーザ孔開け加工装置。
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