JP2001056040A - 防振装置 - Google Patents

防振装置

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JP2001056040A
JP2001056040A JP22839599A JP22839599A JP2001056040A JP 2001056040 A JP2001056040 A JP 2001056040A JP 22839599 A JP22839599 A JP 22839599A JP 22839599 A JP22839599 A JP 22839599A JP 2001056040 A JP2001056040 A JP 2001056040A
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liquid chamber
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Kazutaka Otsu
一高 大津
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 装置の大型化及び複雑化を抑制しつつ、高い
周波数域の振動を含む多種類の振動にそれぞれ対応する
3本以上のオリフィスを設ける。 【解決手段】 隔壁部材22には径方向に沿って外周側
から内周側へ向かって順に3本の第1、第2及び第3制
限通路28,30,32が同心円状に設けられている。
最も外周側の第1制限通路28を除く内周側の2本の制
限通路30,32内には、それぞれメンブランゴム4
0,42が配置されている。メンブランゴム40,42
はそれぞれ制限通路30,32の副液室26側の端部を
閉止している。3本の制限通路28,30,32の路長
及び断面積はそれぞれピークが異なる3つの周波数域の
振動に対応する大きさにチューニングされ、かつメンブ
ランゴム40,42の剛性がそれぞれ制限通路30,3
2と対応する周波数領域の振動に対応する大きさにチュ
ーニングされている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車、一般産業
用機械等に適用されエンジン等の振動発生部から車体等
の振動受部に伝達される振動を抑制する液体封入式の防
振装置に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車のエンジンマウントとして用いら
れる防振装置には、弾性体を内壁の一部とする受圧液室
及び制限通路(オリフィス)を通して前記受圧液室に連
通する副液室が設けられた液体封入式のものがある。こ
の液体封入式の防振装置によれば、エンジンからの振動
入力時に弾性体が変形し、これと同時にオリフィスを通
して主液室と副液室との間で液体が相互に流動すること
により、弾性体の内部摩擦並びに液室間での液柱共振に
伴う液体の圧力変化及び液体の粘性抵抗等により振動を
吸収できる。
【0003】また、上記のような液体封入式の防振装置
には、互いに異なる周波数域で発生するシェイク振動、
アイドル振動、こもり音等にそれぞれ対応する複数のオ
リフィスを備え、各オリフィスによりそれぞれ対応する
周波数域の振動に対する低動ばね化の効果を得るように
したものもある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、防振装
置内にシェイク振動、アイドル振動及びこもり音にそれ
ぞれ対応させて少なくとも3本のオリフィスを設けよう
とすると、防振装置の構造が複雑なり装置が大型化する
という問題が生じる。特に、こもり音等の高い周波数域
の振動に対応するオリフィスは、低い周波数域の振動に
対応するオリフィスと比較し、その断面積がかなり大き
くなる。このため、こもり音等の高い周波数域の振動に
対応するオリフィスを備えた防振装置は小型化すること
が困難になる。
【0005】本発明の目的は、上記事実を考慮し、高い
周波数域の振動を含む多種類の振動にそれぞれ対応する
3本以上のオリフィスを備え、しかも小型で構造が簡単
な防振装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の防振装置
は、振動発生部及び振動受部の一方に連結される筒状の
第1の取付部材と、前記第1の取付部材の内周側に配置
されると共に振動発生部及び振動受部の他方に連結され
る第2の取付部材と、前記第1の取付部材と前記第2の
取付部材との間に配置されて第1の取付部材と第2の取
付部材とを連結する弾性体と、前記第1の取付部材の内
周側に配置されたダイアフラムと、前記第1の取付部材
の内周側における前記弾性体と前記ダイアフラムとの間
に設けられた液室と、前記液室内の前記弾性体と前記ダ
イアフラムとの間に配置され、前記液室を前記弾性体が
隔壁の一部となった受圧液室と前記ダイアフラムが隔壁
の一部となった副液室とに区画する隔壁部材と、前記隔
壁部材に同心円状に設けられ、軸方向に沿って前記隔壁
部材をそれぞれ貫通した少なくとも3本の制限通路と、
1本の前記制限通路を除く残りの前記制限通路をそれぞ
れ閉止し、互いに剛性が異なる少なくとも2枚のメンブ
ランゴムと、を有するものである。
【0007】上記構成の防振装置によれば、メンブラン
ゴムによって閉止されない、すなわち開放状態の制限通
路の断面積及び路長を第1の周波数域の振動に対応させ
て設定(チューニング)することにより、前記第1の周
波数域の振動が第1及び第2の取付部材の一方に入力し
た際には、弾性体が変形すると共に開放状態の制限通路
を通して受圧液室と副液室との間に液柱共振が発生する
ので、第1の周波数域の振動を弾性体の内部摩擦並びに
液柱共振に伴う液体の圧力変化及び液体の粘性抵抗等に
よって効率的に吸収できる。
【0008】またメンブランゴムによって閉止された、
すなわち閉止状態とされた少なくとも2本の制限通路の
断面積及び路長をそれぞれ前記第1の周波数域とは異な
る第Nの周波数域(N=2、3、・・・)の振動に対応
させて設定(チューニング)すると共に、少なくとも2
枚のメンブランゴムの剛性をそれぞれ第Nの周波数域
(N=2、3、・・・)の振動に対応させて設定(チュ
ーニング)すれば、第Nの周波数域の振動に対応する制
限通路と受圧液室24との間に液柱共振が生じるので、
制限通路内の液圧変化によってメンブランゴムを効率的
に弾性変形させることができる。この結果、前記第Nの
周波数域(N=2、3・・・)の振動入力時における受
圧液室内の液圧上昇を抑制できるので、動ばね定数の増
加を抑制して第Nの周波数域の振動を弾性体の内部摩擦
によって効率的に吸収できる。
【0009】このとき、軸方向に沿って隔壁部材をそれ
ぞれ貫通する少なくとも3本の制限通路が同心円状に設
けられていることにより、隣接した制限通路間を隔離す
る筒状の隔壁部の設置数を変えるだけで、制限通路の本
数を変えることができるので、制限通路の増加に伴う装
置構成の複雑化を抑制できる。さらに、第1の取付部材
内の空間を効率的に使用できるので、装置を大型するこ
となく高周波域の振動に対応する制限通路の断面積を容
易に大きくできる。
【0010】請求項2記載の防振装置は、請求項1記載
の防振装置において、前記メンブランゴムにより閉止さ
れた少なくとも2本の前記制限通路の軸方向に沿った路
長及び径方向に沿った断面積はそれぞれ異なる振動周波
数域に対応する大きさとされ、かつ少なくとも2枚の前
記メンブランゴムの剛性はそれぞれ異なる振動周波数域
に対応する大きさとされたものである。
【0011】上記構成の防振装置によれば、第Nの周波
数域の振動入力時に第Nの周波数域の振動に対応する制
限通路及びメンブランゴムを介して受圧液室と副液室と
の間に液柱共振が生じ、メンブランゴムを効率的に弾性
変形させることができる。この結果、前記第Nの周波数
域(N=2、3、・・・)の振動入力時における受圧液
室内の液圧上昇を抑制できるので、動ばね定数の増加を
抑制して第Nの周波数域の振動を弾性体の内部摩擦によ
って効率的に吸収できる。
【0012】請求項3記載の防振装置は、請求項1又は
2記載の防振装置において、前記メンブランゴムは、最
も外周側の前記制限通路を除く残りの前記制限通路をそ
れぞれ閉止し、かつ前記最も外周側の制限通路は、前記
隔壁部材の外周面に沿って螺旋状に設けられているもの
である。
【0013】上記構成の防振装置によれば、メンブラン
ゴムによって閉止されない最も外周側の制限通路が隔壁
部材の外周面に沿って螺旋状に設けられていることによ
り、シェイク振動等の低い周波数域の振動に対応させて
最も外周側の制限通路の路長を容易に長くできるので、
低い周波数域の振動入力時に最も外周側の制限通路を通
して受圧液室と副液室との間に液柱共振を生じさせて、
シェイク振動等の低い周波数域の振動を効率的に吸収で
きる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態に係る
防振装置について図面を参照して説明する。
【0015】(第1の実施の形態)図1には本発明の第1
の実施形態に係る防振装置10が示されている。この防
振装置10は自動車におけるエンジンの防振マウントと
して適用される。なお、図中符号Sは装置の中心線であ
る軸心を示し、この軸心に沿った方向を軸方向として以
下の説明を行う。
【0016】防振装置10は、図1(A)に示されるよ
うに外殻部として円筒状の外筒金具12を備えている。
外筒金具12の外周側にはブラケット金具(図示省略)
が嵌挿され、このブラケット金具を介して外筒金具12
は振動発生部であるエンジンに連結されるようになって
いる。
【0017】防振装置10の底部には肉厚円板状の底板
金具14が設けられている。この底板金具14の外径は
外筒金具12の内径より小さくされ、外筒金具12の内
周側に同軸的となるように配置されている。この底板金
具14は第2の取付部材とされて、図示を省略したボル
ト等を介して車体へ連結固定されるようになっている。
【0018】外筒金具12の内周面と底板金具14の外
周面との間にはリング状の本体ゴム16が配置されてお
り、この本体ゴム16は外筒金具12の内周面下端部と
底板金具14の外周面全体とにそれぞれ加硫接着され、
これらを連結すると共に外筒金具12の下端側の開口を
閉止している。本体ゴム16は、軸方向の荷重を受けて
いない状態では外周側から内周側へ向かって下方へ傾斜
するテーパ状に形成されており、底板金具14の底部側
を外筒金具12下端より下方ヘ突出させている。
【0019】外筒金具12の内周側には薄膜状のゴムか
らなるダイアフラム18が配置され、このダイアフラム
18の外周部は全周に亘って外筒金具12の内周面上端
部に加硫接着されている。これにより、外筒金具12の
内周側空間は、ダイアフラム18によって上端部付近が
閉止されると共に、本体ゴム16及び底板金具14によ
って下端部が閉止されて密閉状態となる。この密閉空間
は水、オイル、エチレングリコール等の液体が充填され
て液室20とされる。
【0020】ダイアフラム18は、軸方向の荷重を受け
ていない状態では外周側端部に対して中央部が下方へ向
かって円形凹状に窪んでいる。これにより、ダイアフラ
ム18は軸方向の荷重を受けた際に比較的荷重が小さく
ても軸方向への変形量が大きくなる。
【0021】液室20内には、本体ゴム16とダイアフ
ラム18との軸方向中間部に樹脂製の隔壁部材22が配
置されており、この隔壁部材22は液室20を受圧液室
24と副液室26とに区画している。受圧液室24は本
体ゴム16及び外筒金具12の下端部側を外部空間との
隔壁としており、また副液室26はダイアフラム18及
び外筒金具12の上部側を外部空間との隔壁としてい
る。
【0022】隔壁部材22には径方向に沿って外周側か
ら内周側へ向かって順に3本の第1、第2及び第3制限
通路28,30,32が同心円状に設けられており、こ
れらの制限通路28,30,32はそれぞれ隔壁部3
4,36によって互いに隔離されている。これらの隔壁
部34は外筒金具12内にそれぞれ同心円状に配置され
ており、隔壁部36の内周側には軸方向へ貫通した円柱
状の空間からなる第3制限通路32が形成され、隔壁部
34と隔壁部36との間には軸方向へ貫通した円筒状の
空間からなる第2制限通路30が形成されている。
【0023】外側の隔壁部34の外周面には、図1
(B)に示されるように径方向に延出し、かつ軸心Sを
中心として湾曲した板状の連結部38が一体的に形成さ
れている。この連結部38は隔壁部34の外周面に4個
形成されており、それぞれが軸心Sを中心とする周方向
に沿って互いに等間隔となるように配置されている。こ
れらの連結部38は径方向に沿った肉厚が第1制限通路
28の幅と等しくされており、連結部38の外周面はそ
れぞれ外筒金具12の内周面に接着されている。これに
より、外筒金具12内には、4個の連結部38間にそれ
ぞれ軸心Sを中心として湾曲し、かつ軸方向へ貫通した
板状の空間からなる4本の第1制限通路28が形成され
る。
【0024】ここで、軸方向に沿った隔壁部36の長さ
は隔壁部34の長さより長くされ、隔壁部34の長さは
連結部38の長さより長くされている。従って、制限通
路28,30,32は、内周側にあるものに対して外周
側にあるもの程、軸方向に沿った路長が短くなってい
る。また制限通路28,30,32は、内周側にあるも
のに対して外周側にあるもの程軸直角方向に沿った断面
積が小さくなっている。
【0025】最も外周側の第1制限通路28を除く内周
側の2本の制限通路30,32内には、それぞれメンブ
ランゴム40,42が配置されている。第2制限通路3
0内に配置されたメンブランゴム40はメンブランゴム
42に対して肉厚のリング状に形成されており、その内
周面及び外周面が全周に亘って隔壁部34の内周面上端
部及び隔壁部36の外周面上端部に接着されている。こ
れにより、第2制限通路30はメンブランゴム40によ
って副液室26側の端部(上端部)が閉止される。また
第3制限通路32内に配置されたメンブランゴム42は
円板状に形成されており、その外周面が全周に亘って隔
壁部36の内周面上端部に接着されている。これによ
り、第3制限通路32はメンブランゴム42によって副
液室26側の端部(上端部)が閉止される。
【0026】本実施の形態の防振装置10では、3本の
制限通路28,30,32の路長及び断面積がそれぞれ
ピークが異なる3つの周波数域の振動に対応する大きさ
に設定(チューニング)され、かつメンブランゴム4
0,42の剛性がそれぞれ制限通路30,32と対応す
る周波数領域の振動に対応する大きさに設定(チューニ
ング)されている。この結果、防振装置10では、第1
制限通路28、第2制限通路30(メンブランゴム4
0)及び第3制限通路32(メンブランゴム42)にそ
れぞれ対応する周波数領域の振動入力時に液柱共振が生
じるようになっている。
【0027】次に本発明の実施形態に係る防振装置10
の作用を説明する。
【0028】図2には本実施の形態に係る防振装置10
及び従来の防振装置80における入力振動の周波数と動
ばね定数との関係がそれぞれ示されている。また図6に
は本実施の形態の防振装置10との比較のために用いた
従来の防振装置80が示されている。
【0029】従来の防振装置80は、本実施の形態の防
振装置10とは隔壁部材82の構造が異なるのみで、他
の点については防振装置10と略同一外形サイズ及び同
一構造となっている。防振装置80の隔壁部材82に
は、図6に示されるように外周側に第1制限通路84が
周方向に沿って設けられ、この制限通路84を通して受
圧液室24と副液室26とが互いに連通している。また
隔壁部材82には、第1制限通路84の内周側に薄肉円
筒状の隔壁部86を介して第2制限通路88が設けらる
と共に、この第2制限通路88の内周側に薄肉円筒状の
隔壁部90を介して第2副液室92が設けられている。
この第2副液室26はメンブランゴム94を介して受圧
液室24と隣接すると共に、第2制限通路88を通して
受圧液室24に連通している。
【0030】従来の防振装置80では、制限通路84,
88の断面積及び路長がそれぞれ異なる周波数域の振動
に対応してチューニングされており、第1制限通路84
に対応する周波数域の振動入力時には受圧液室24と副
液室26との間で液柱共振が生じ、また第2の制限通路
88に対応する周波数域の振動入力時には受圧液室24
と第2副液室92との間で液柱共振が生じ、それぞれの
周波数域で動ばね定数の上昇を抑制するようになってい
る。またメンブランゴム94は、こもり音等の高周波域
の振動入力時に弾性変形して受圧液室24内の液圧上昇
に伴う動ばね定数を抑制する。
【0031】本実施の形態の防振装置10では、第1制
限通路28による共振周波数のピークが約30Hz、第
2制限通路30による共振周波数のピークが約75H
z、第3制限通路32による共振周波数のピークが約1
35Hzとなるよう制限通路28,30,32がそれぞ
れ周波数チューニングされている。これにより、防振装
置10は、図2の実線で示されているように約30H
z、約75Hz及び約135Hzを中心とする周波数域
の振動入力時に動ばね定数の上昇を抑制している。
【0032】一方、従来の防振装置80では、第1制限
通路84による共振周波数のピークが約30Hz、第2
制限通路92による共振周波数のピークが約75Hzと
なるよう制限通路84,92がそれぞれ周波数チューニ
ングされている。これにより、防振装置10は、図2の
一点鎖線で示されているように30Hz及び約75Hz
を中心とする周波数域の振動入力時に動ばね定数の上昇
を抑制している。
【0033】本実施の形態の防振装置10と従来の防振
装置80との動ばね定数の特性を比較すると、双方とも
約90Hzまでは殆ど差がないが、90〜150Hzの
周波数域では、約135Hzを中心とする周波数域の振
動に対応してチューニングされた第3制限通路32が設
けられた防振装置10では、従来の防振装置80と比較
して大幅に動ばね定数が小さくなっている。但し、15
0Hzを越える周波数域ではメンブランゴム94の作用
によって防振装置80の動ばね定数が本実施の形態の防
振装置10より小さくなっているが、150Hzを越え
る周波数域の振動は自動車ではあまり問題となることは
ない。
【0034】従って、本実施の形態の防振装置10を自
動車のエンジンマウントとして適用した場合、外筒金具
12に連結されたエンジンが作動すると、エンジンの振
動が外筒金具12を介して本体ゴム16へ伝達される。
本体ゴム16は吸振主体として作用し、本体ゴム16の
内部摩擦に基づく制振機能によって振動エネルギが吸収
される。
【0035】このとき、自動車が例えば70〜80km
/hで走行するとシエイク振動(15Hz未満)が生
じ、また車両のエンジンがアイドリング運転の場合や車
速が5km/h以下の場合にはアイドル振動(20〜4
0Hz)が生じる。また自動車が高速走行している場合
にはシェイク振動と共にこもり音(50Hz以上)が生
じることもある。
【0036】本実施の形態の防振装置10では、15〜
40Hzの振動の外筒金具12への入力時には、本体ゴ
ム16の弾性変形に伴って第1制限通路28を通して受
圧液室24と副液室26との間に液柱共振が生じること
により、動ばね定数の上昇が抑制されると共に液体の圧
力変化や粘性抵抗によってシェイク振動及びアイドル振
動が含まれる15〜40Hzの振動を効率的に吸収でき
る。また40〜90Hzの振動の外筒金具12への入力
時には、受圧液室24と第2制限通路30との間に液柱
共振が生じてメンブランゴム40を効率的に弾性変形
(振動)できるので、動ばね定数の増加を抑制してこも
り音を含む40〜90Hzの振動を本体ゴム16の内部
摩擦及び液体の圧力変化や粘性抵抗等によって効率的に
吸収できる。
【0037】さらに本実施の形態の防振装置10では、
90〜150Hzの振動の外筒金具12への入力時に
も、受圧液室24と第3制限通路32との間に液柱共振
が生じてメンブランゴム42を効率的に弾性変形(振
動)できるので、動ばね定数の増加を抑制して、従来の
防振装置80によって効率的に吸収できなかった90〜
150Hzの振動も本体ゴム16の内部摩擦及び液体の
圧力変化や粘性抵抗等によって効率的に吸収できる。
【0038】以上説明した本実施の形態の防振装置10
によれば、隔壁部材22に筒状の隔壁部34,36を必
要な制限通路28,30,32の本数に応じた個数だけ
設ければ、隔壁部材22に制限通路28,30,32が
形成されるので、制限通路28,30,32を従来の防
振装置80より多くした場合にも装置構成が複雑となら
ない。さらに、外筒金具12内の空間を効率的に使用で
きるので、装置を大型することなく高周波域の振動に対
応する制限通路30,32の断面積を容易に大きくでき
る。
【0039】(第2の実施の形態)図3には本発明の第
2の実施形態に係る防振装置50が示されている。な
お、第2の実施の形態に係る防振装置50において、第
1の防振装置10と構成が共通の部材については同一符
号を付し、その説明を省略する。
【0040】液室20内に配置された隔壁部材52は液
室20を受圧液室24と副液室26とに区画している。
この隔壁部材52には、制限通路28と制限通路32と
の間に円筒状の隔壁部54によって隔離された2本の制
限通路56,58が設けられている。従って、隔壁部材
52には、径方向に沿って外周側から内周側へ向かって
順に4本の制限通路28,56,58,32が同心円状
に設けられており、これらの制限通路28,30,32
はそれぞれ隔壁部34,54,36によって互いに隔離
されている。
【0041】ここで、制限通路28,56,58,32
は、内周側にあるものに対して外周側にあるもの程、軸
方向に沿った路長が短くなっている。また制限通路2
8,56,58,32は、内周側にあるものに対して外
周側にあるもの程、軸直角方向に沿った断面積が小さく
なっている。
【0042】また制限通路56,58内には、それぞれ
上端部にリング状のメンブランゴム60,62が配置さ
れ、これらのメンブランゴム60,62は、制限通路3
2を閉止するメンブランゴム42と同様に、制限通路5
6,58を閉止している。ここで、メンブランゴム4
2,60,62は外周側のもの程、軸方向に沿った肉厚
が厚くされて剛性が大きくなっている。
【0043】本実施の形態の防振装置50では、4本の
制限通路28,56,58,32の路長及び断面積がそ
れぞれ異なる4つの周波数域の振動に対応する大きさに
設定(チューニング)され、かつメンブランゴム60,
62,42の剛性がそれぞれ制限通路56,58,32
と対応する周波数領域の振動に対応する大きさに設定
(チューニング)されている。この結果、防振装置50
では、制限通路28、制限通路56(メンブランゴム6
0)、制限通路58(メンブランゴム62)及び制限通
路32(メンブランゴム42)それぞれ対応する4つの
周波数領域の振動入力時に液柱共振が生じるようになっ
ている。
【0044】従って、本実施の形態の防振装置50を自
動車のエンジンマウントとして適用した場合、第1の実
施の形態に係る防振装置10と比較して共振周波数のピ
ークを増加できるので、それぞれ発生する周波数域が異
なる多種類の振動を効果的に吸収できるようになる。
【0045】(第3の実施の形態)図4及び図5には本
発明の第3の実施形態に係る防振装置70が示されてい
る。なお、第3の実施の形態に係る防振装置70におい
て、第1の防振装置10と構成が共通の部材については
同一符号を付し、その説明を省略する。
【0046】本実施の形態の防振装置70は、図4に示
されるように隔壁部材72に設けられた連結部74及
び、この連結部74により形成される制限通路76の形
状を除いて、第1の実施の形態に係る防振装置10と共
通の構成となっている。本実施の形態の防振装置70で
は、隔壁部34の外周面に径方向へ突出する連結部74
が設けられており、この連結部74は、図5に示される
ように隔壁部34の外周面上で軸心Sを中心とする螺旋
状の軌跡に沿って細長く形成されている。従って、最も
外周側の制限通路76も軸心Sを中心とする螺旋状の軌
跡に沿って細長く形成され、両端部が受圧液室24及び
副液室26内にそれぞれ開口して受圧液室24と副液室
26とを連通させている。
【0047】従って、本実施の形態の防振装置70で
は、第1の実施の形態に係る防振装置10と比較して受
圧液室24と副液室26とを連通させる最も外周側の制
限通路76の路長を容易に長くし、低い周波数域に振動
に対応して制限通路76の路長及び断面積を設定(チュ
ーニング)できるので、低い周波数域の振動入力時に最
も外周側の制限通路76を通して受圧液室24と副液室
26との間に大きな液柱共振を生じさせて、シェイク振
動等の低い周波数域の振動を効率的に吸収できる。
【0048】なお、以上説明した第1〜第3の実施の形
態に係る防振装置10,50,70では、メンブランゴ
ム40,42,60,62をそれぞれ制限通路30,3
2,56,58内の副液室26側の端部に配置し、振動
入力時に受圧液室24と制限通路30,32,56,5
8との間で液柱共振を生じさせていたが、これとは逆
に、メンブランゴム40,42,60,62をそれぞれ
制限通路30,32,56,58内の受圧液室24側の
端部に配置し、振動入力時に副液室26と制限通路3
0,32,56,58との間で液柱共振を生じさせるよ
うにしてもよい。
【0049】また制限通路30,32,56,58の路
長を十分長くできる場合には、メンブランゴム40,4
2,60,62をそれぞれ制限通路30,32,56,
58内の軸方向中間部に配置し、振動入力時に受圧室2
4と制限通路30,32,56,58との間及び副液室
26と制限通路30,32,56,58との間の双方で
液柱共振を生じさせるようにしてもよい。
【0050】
【発明の効果】以上説明したように本発明の防振装置に
よれば、装置の大型化及び複雑化を抑制しつつ、高い周
波数域の振動を含む多種類の振動にそれぞれ対応する3
本以上のオリフィスを設けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態に係る防振装置を
示す軸方向に沿った断面図及び軸直角方向に沿った断面
図である。
【図2】 本発明の第1の実施の形態に係る防振装置及
び従来の防振装置における入力振動周波数と動ばね定数
との関係をそれぞれ示す特性図である。
【図3】 本発明の第2の実施の形態に係る防振装置を
示す軸方向に沿った断面図である。
【図4】 本発明の第3の実施の形態に係る防振装置を
示す軸方向に沿った断面図である。
【図5】 本発明の第3の実施の形態に係る防振装置に
おける外筒金具を軸方向に沿って破断した状態を示す側
面断面図である。
【図6】 従来の防振装置を示す軸方向に沿った断面図
である。
【符号の説明】
10 防振装置 12 外筒金具(第1の取付部材) 14 底板金具(第2の取付部材) 16 本体ゴム(弾性体) 18 ダイアフラム 20 液室 22 隔壁部材 24 受圧液室 26 副液室 28 制限通路 30 制限通路 32 制限通路 40 メンブランゴム 42 メンブランゴム 50 防振装置 56 制限通路 58 制限通路 60 メンブランゴム 62 メンブランゴム 70 防振装置 76 制限通路

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 振動発生部及び振動受部の一方に連結さ
    れる筒状の第1の取付部材と、 前記第1の取付部材の内周側に配置されると共に振動発
    生部及び振動受部の他方に連結される第2の取付部材
    と、 前記第1の取付部材と前記第2の取付部材との間に配置
    されて第1の取付部材と第2の取付部材とを連結する弾
    性体と、 前記第1の取付部材の内周側に配置されたダイアフラム
    と、 前記第1の取付部材の内周側における前記弾性体と前記
    ダイアフラムとの間に設けられた液室と、 前記液室内の前記弾性体と前記ダイアフラムとの間に配
    置され、前記液室を前記弾性体が隔壁の一部となった受
    圧液室と前記ダイアフラムが隔壁の一部となった副液室
    とに区画する隔壁部材と、 前記隔壁部材に同心円状に設けられ、軸方向に沿って前
    記隔壁部材をそれぞれ貫通した少なくとも3本の制限通
    路と、 1本の前記制限通路を除く残りの前記制限通路をそれぞ
    れ閉止し、互いに剛性が異なる少なくとも2枚のメンブ
    ランゴムと、 を有することを特徴とする防振装置。
  2. 【請求項2】 前記メンブランゴムにより閉止された少
    なくとも2本の前記制限通路の軸方向に沿った路長及び
    径方向に沿った断面積は異なる振動周波数域に対応する
    大きさとされ、かつ少なくとも2枚の前記メンブランゴ
    ムの剛性はそれぞれ異なる振動周波数域に対応する大き
    さとされたことを特徴とする請求項1記載の防振装置。
  3. 【請求項3】 前記メンブランゴムは、最も外周側の前
    記制限通路を除く残りの前記制限通路をそれぞれ閉止
    し、かつ前記最も外周側の制限通路は、前記隔壁部材の
    外周面に沿って螺旋状に設けられていることを特徴とす
    る請求項1又は2記載の防振装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005113978A (ja) * 2003-10-06 2005-04-28 Bridgestone Corp 防振装置
JP2007333019A (ja) * 2006-06-13 2007-12-27 Bridgestone Corp 防振装置
JP2021076173A (ja) * 2019-11-07 2021-05-20 株式会社ブリヂストン 防振装置

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