JPH05312233A - 液体封入式防振装置 - Google Patents

液体封入式防振装置

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Publication number
JPH05312233A
JPH05312233A JP11637892A JP11637892A JPH05312233A JP H05312233 A JPH05312233 A JP H05312233A JP 11637892 A JP11637892 A JP 11637892A JP 11637892 A JP11637892 A JP 11637892A JP H05312233 A JPH05312233 A JP H05312233A
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JP
Japan
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vibration
liquid chamber
diaphragm
pressure
mounting member
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Pending
Application number
JP11637892A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Kojima
宏 小島
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Bridgestone Corp
Original Assignee
Bridgestone Corp
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Publication date
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Publication of JPH05312233A publication Critical patent/JPH05312233A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 低周波大振幅振動時には制限通路に十分な量
の液体を流動させ、高周波振動振動時には振動板を確実
に振動させて広範囲な周波数にわたる振動を確実に吸収
する。 【構成】 受圧液室78と副液室68を制限通路72に
よって連通させて、内部に液体84を充填する。弾性支
持体34で支持された振動板36を受圧液室78の隔壁
の一部として設ける。振動板36の受圧液室78側とは
反対側にモーター70を設ける。ローター90に雌ねじ
90Aを形成してシャフト92の雄ねじ92Aを螺合さ
せ、シャフト92の上端は振動板36に固着する。低周
波大振幅振動入力時は、受圧液室78内の液体84が制
限通路72を介して副液室68との間を行き来し、通過
抵抗を受けシェイク振動等の低周波振動が吸収される。
ここでは、シャフト92の雄ねじ92A及びローター9
0の雌ねじ90Aとが螺合しているため、受圧液室78
の液圧変化を受けて振動板36が移動することはなく、
制限通路72を行き来する液量が減少して防振特性が悪
化することはない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は自動車、一般産業用機械
等に用いられ、振動発生部からの振動を吸収減衰する液
体封入式防振装置に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車にはエンジンと車体との間にエン
ジンマウントとしての防振装置が配設されており、エン
ジン振動の車体への伝達を阻止するようになっている。
【0003】近年では、この種の防振装置として受圧液
室の隔壁の一部に振動板を設け、高周波の振動が入力し
て受圧液室と副液室とを連通する制限通路が目詰まり状
態となった際に永久磁石又は鉄板と電磁石との組合せ及
びソレノイド等の電磁式のアクチュエーターで振動板を
振動させ、受圧液室の圧力変化を抑えて動ばね定数の上
昇を抑えることのできる液体封入式防振装置が提案され
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、この液体封
入式防振装置の振動板は薄肉のゴム等の弾性体で支持さ
れている。また、電磁式のアクチュエーターは、コイル
等の磁力発生部分と可動される鉄板、鉄心等の磁力受け
部分とが分離されており、鉄板、鉄心等の磁力受け部分
が振動板側に固定されている。しかしながら、このよう
な電磁式のアクチュエーターを用いた構成では、シェイ
ク振動等の低周波大振幅振動に振動板が液圧を受けて動
くことがあり、制限通路を流れる液量が減少して減衰特
性が低下する恐れがある。
【0005】上記不具合を解消するために、ストッパー
を設けて低周波大振幅振動時の振動板の移動量を制限す
ることも考えられるが、構成部材が増えると共に構造が
複雑になる。また、制限通路を流れる液量の減少は避け
られず、圧力のかかり具合によっては振動板がストッパ
ーに接触した状態となり、高周波振動時に振動板を動か
すことができなくなる恐れもある。
【0006】本発明は上記事実を考慮し、低周波大振幅
振動時には制限通路に十分な量の液体を流動させ、高周
波振動振動時には振動板を確実に振動させて広範囲な周
波数にわたる振動を確実に吸収することのできる液体封
入式防振装置を提供することが目的である。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の液体封入式防振
装置は、振動発生部及び振動受部の一方へ連結される第
1の取付部材と、振動発生部及び振動受部の他方へ連結
される第2の取付部材と、前記第1の取付部材と前記第
2の取付部材との間に設けられ振動発生時に変形する弾
性体と、前記第1の取付部材及び第2の取付部材の一方
に設けられ前記弾性体を隔壁の一部として拡縮可能な受
圧液室と、前記第1の取付部材及び第2の取付部材の一
方に弾性支持体を介して所定方向へ移動可能に支持さ
れ、かつ、前記受圧液室の隔壁の一部を構成して前記受
圧液室の液圧を受ける振動体と、前記振動体とモーター
のローターとの間に設けられ前記ローターの回転運動を
直線運動に変換して前記振動体を前記受圧液室内の圧力
変動を抑える方向へ変位させるねじ手段と、前記受圧液
室と隔離される副液室と、前記受圧液室と前記副液室と
を連通する制限通路と、を備えたことを特徴としてい
る。
【0008】
【作用】本発明の液体封入式防振装置によれば、第1の
取付部材をエンジン等の振動発生部へ連結し、第2の取
付部材を車体等の振動受部へ連結すると、エンジン等の
振動は第1の取付部材、弾性体、第2の取付部材を介し
て車体等の振動受部へと支持される。エンジン等の振動
が液体封入式防振装置に入力すると、弾性体が変形して
受圧液室内に圧力変化が生じる。これによって、内部の
液体が制限通路を介して受圧液室と副液室との間を行き
来して液体封入式防振装置に大きな減衰力が発生し、振
動が吸収される。振動板はねじ手段を介してモーターに
連結されているため、受圧液室の圧力を受けても振動板
は変位することがない。したがって、制限通路を流れる
液体の流量が減少して減衰力が低下することがない。ま
た、振動の周波数が高くなり、制限通路が目詰まり状態
となった場合には、モーターのローターを正逆回転させ
るこによって受圧液室の圧力変動を抑える方向に振動板
が振動され、高周波振動時の動ばね定数の上昇が抑制さ
れる。
【0009】
【実施例】 〔第1実施例〕本発明の第1実施例を図1にしたがって
説明する。
【0010】図1に示すように、この防振装置10に
は、第1の取付部材としてのカップ状の下部取付台12
が備えられている。この下部取付台12の底板12Bは
円板状とされ下面には一対の取付ボルト14が立設され
ている。底板12Bの周囲は円筒状の立壁部12Aとさ
れており、上端部には半径方向外方に延びるフランジ部
12Cが形成されている。
【0011】底板12Bの上側には振動板支持金具30
が配設され、振動板支持金具30の上側には外筒16が
配設されている。
【0012】振動板支持金具30は、環状の固定部30
Aと、この固定部30Aの内周に一体的に上方に延設さ
れた筒状部30Bとから構成されている。筒状部30B
の内周面には環状の弾性支持体34が加硫接着されてお
り、この弾性支持体34の内周面には円板状の振動板3
6が加硫接着されている。
【0013】一方、外筒16は、上側がしだいに拡径さ
れた拡開部16Bとされており、この拡開部16Bの内
周に環状の弾性体24が加硫接着されている。なお、弾
性体24の一部は外筒16の内周下端近傍まで薄肉状に
延設されており、前記振動板支持金具30の筒状部30
Bの外周が密着されている。
【0014】外筒16の下端部16Aはフランジ状とさ
れ、外周が内側に絞られてフランジ部12Cとの間に振
動板支持金具30の固定部30Aを挟持している。
【0015】弾性体24の中央には第2の取付部材とし
ての支持台42が配設されている。この支持台42は、
固着部44及び空気室形成部48から構成されている。
【0016】固着部44は、上方に行くにしたがって次
第に拡径された円筒部46と円筒部46の上端に延設さ
れたフランジ部52とを有しており、円筒部46の外周
面に前記弾性体24の内周が加硫接着されている。
【0017】空気室形成部48は、略ハット状に形成さ
れており、下端のフランジ部50が固着部44のフラン
ジ部52でかしめ固定されている。
【0018】固着部44と空気室形成部48との間に
は、ダイヤフラム54が配設されており、ダイヤフラム
54の下側には制限通路構成部材56が配設されてい
る。
【0019】制限通路構成部材56は、円柱部56Aの
上端にフランジ部58を有しており、このフランジ部5
8が前記ダイヤフラム54の周縁部と共に固着部44の
フランジ部52と空気室形成部48のフランジ部50と
の間に挟持されている。
【0020】空気室形成部44とダイヤフラム54との
間は空気室62とされており、必要に応じて外気と連通
される。また、空気室形成部44の外側軸芯部には取付
ボルト64が立設されている。
【0021】制限通路構成部材56の底面は固着部44
の底面へ密着している。制限通路構成部材56には、ダ
イヤフラム54側に、凹部66が形成されており、この
凹部66とダイヤフラム54との間が副液室68とされ
ている。
【0022】制限通路構成部材56と固着部44の円筒
部46との間は断面略三角状の制限通路72とされてい
る。制限通路72は、一方が円柱部56Aを半径方向に
貫通する貫通孔74を介して副液室68と連通されてお
り、他方が円柱部56Aの下面に形成された溝76及び
固着部44の底面に形成された孔80、弾性体24を貫
通する孔82を介して弾性24及び振動板38で囲まれ
る受圧液室78に連通されている。なお、これら受圧液
室78、副液室68及び制限通路72の内部にはエチレ
ングリコール等の液体84が充填されている。
【0023】一方、底板12Bの上側中央には円筒状の
モーター取付部86が設けられており、このモーター取
付部86の内側には、モーター70が取付られている。
このモーター70はステッピングモーターとされてお
り、ローター90の軸心部には軸心に沿って貫通する雌
ねじ90Aが形成されており、この雌ねじ90Aにはシ
ャフト92の雄ねじ92Aが螺合されている。なお、こ
のローター90は、両端がベアリング94を介してモー
ターケース96に支持されており、軸心に沿った方向
(図矢印A方向)へ移動することはない。
【0024】シャフト92の上端は前記振動板36の下
面中央部に固着されている。このため、ローター90の
回転運動が雌ねじ90Aと雄ねじ92Aとによって直線
運動に変換され振動板36がシャフト92の軸心に沿っ
た方向へ移動される。ここで、雌ねじ90A及び雄ねじ
92Aのねじピッチは、シャフト92が軸心に沿った方
向に力を受けた際にローター90が回転されない範囲に
設定されている。
【0025】モーター70のコイル98はドライバ10
0及び制御装置102に連結されており、制御装置10
2には受圧液室78の内部に設けらた圧力センサー10
4が連結されている。この圧力センサー104は、受圧
液室78の内部の液圧を検出するようになっている。
【0026】なお、振動板36を支持する弾性支持体3
4の剛性は、モーター70の駆動力を考慮すると低い方
が好ましく、受圧液室78の内部圧力に対して十分耐え
る強度を有していればよい。
【0027】次に本実施例の作用を説明する。本実施例
の防振装置10は、一例として、底板12Bが取付ボル
ト14を介して図示しない自動車の車体へ固定され、エ
ンジンが支持台42上へ搭載されて取付ボルト64で固
定される。
【0028】例えば、シェイク振動のような低周波で振
幅の大きい振動が防振装置10に入力した場合は、弾性
体24の変形によって受圧液室78の容積が変化し、受
圧液室78内の液体84が制限通路72を介して副液室
68との間を行き来し、制限通路72で液体84が通過
抵抗を受けシェイク振動等の低周波振動が吸収される。
【0029】ここで、振動板36に連結されたシャフト
92の雄ねじ92A及びローター90の雌ねじ90Aと
が螺合しているため、受圧液室78の液圧変化を受けて
振動板36が移動することはない。このため、従来の防
振装置のように受圧液室78の圧力変化によって振動板
が変位して制限通路を行き来する液量が減少して防振特
性が悪化することはない。このように、本実施例の防振
装置10では、低周波の振動の際に受圧液室78と副液
室68との間を液体84が効率良く行き来するので、制
限通路72の作用による振動吸収効果を最大限に発揮さ
せることができる。
【0030】また、制限通路72が目詰まり状態となる
高周波振動(たとえば、周波数が数10Hz のアイドル
振動やこもり音の原因となる数100Hz の振動)が入
力した場合には、制御装置102は圧力センサー104
の圧力検出信号に基づき、振動板36が受圧液室78内
の圧力変化を打ち消す方向へ変位するようにモーター7
0のローター90を回転させる。これによって、受圧液
室78内の内圧上昇が抑えられ、防振装置10の動ばね
定数の上昇が抑制される。
【0031】〔第2実施例〕本発明の第2実施例を図2
にしたがって説明する。なお、本実施例は第1実施例の
防振装置10の変形例であり、第1実施例と同一構成に
関しては同一符号を付し、その説明は省略する。
【0032】本実施例の防振装置10では、固着部44
の円筒部46は全長にわたって一定径にされており、固
着部44の底面に形成された大径孔44Aを介して内周
面及びフランジ部52の一部まで弾性体24の一部が延
設され加硫接着されている。
【0033】また、制限通路構成部材56の外周面及び
フランジ部58の下面は、固着部44の内側に加硫接着
された弾性体24に密着されている。
【0034】制限通路構成部材56の外周には、軸方向
から見て断面C字状の溝56Aが軸方向に2個設けられ
ており、上側の溝56Aの一端は孔56Bを介して副液
室68に連通され上側の溝56Aの他端は切欠56Cを
介して下側の溝56Aの一端に連通されている。また、
下側の溝56Aの他端は連通孔56Dを介して受圧液室
78に連通されている。これらの溝56Aは、弾性体2
4に囲まれて制限通路72を構成している。その他の構
成は第1実施例と同様である。
【0035】本実施例の防振装置10では、第1実施例
の防振装置10に比較して、制限通路72の長手寸法が
長く設定されているため、より大きな減衰力を得ること
ができる。なお、その他の作用効果は第1実施例と同様
である。
【0036】〔第3実施例〕本発明の第3実施例を図3
にしたがって説明する。なお、第1実施例と同一構成に
関しては同一符号を付し、その説明は省略する。
【0037】図3に示すように、本実施例の防振装置1
0には第1の取付部材としての外ケース112が備えら
れている。この外ケース112は、円筒部114と、円
筒部114の下側を閉塞する底板116とを有するカッ
プ状とされている。
【0038】外ケース112の内側には、外ケース11
2と同軸的に、内筒120が配設されている。内筒12
0は、外ケース112よりも小径とされており、上端が
半径方向外方へ延設されたフランジ部120Aとされて
いる。このフランジ部120Aの外周は上方に屈曲され
円筒部114の内周面上部に密着されている。
【0039】内筒120の内周上端部には環状に形成さ
れた弾性体124の外周が加硫接着されている。弾性体
124の内周には第2の取付部材としての支持台126
が加硫接着されており、この弾性体124及び支持台1
26によって、内筒120の上側が閉塞されている。こ
の支持台126は図示しないエンジンの搭載部であり、
上面には取付ボルト128が立設されている。
【0040】内筒120の内側には、円筒状の振動板支
持金具130が配設されている。この振動板支持金具1
30は、内筒120の内周に密着しており、下端に一体
的に設けられたフランジ部130Aが内筒120の下端
と底板116とに密着して挟持固着されている。
【0041】振動板支持金具130の内側には、振動板
138が同軸的に配設されている。振動板138と振動
板支持金具130との間には環状に形成された弾性支持
体140が設けられており、この弾性支持体140は、
内周が振動板138の外周へ接着され、外周が振動板支
持金具130の内周へ接着されている。
【0042】振動板138、内筒120及び弾性体12
4で囲まれる空間部は受圧液室142とされている。
【0043】一方、外ケース112と内筒120との間
には、制限通路構成部材152が配設されている。制限
通路構成部材152は、内周面が内筒120の外周面
へ、外周面が円筒部114の内周面へそれぞれ密着して
いる。外ケース112、内筒120及び制限通路構成部
材152で囲まれる空間部は副液室144とされてい
る。
【0044】制限通路構成部材152の内周には、軸方
向から見て略C字状とされた溝154が形成されてお
り、溝154は外ケース112の円筒部114に囲まれ
て制限通路156を構成している。
【0045】制限通路156の長手方向一端部は、内筒
120を半径方向に貫通する貫通孔58を介して受圧液
室142に連通されており、溝154の他端部は制限通
路構成部材152の下面に形成された切欠160を介し
て副液室144に連通されている。
【0046】外ケース112の円筒部114には、制限
通路構成部材152よりも下側に孔164が複数個設け
られており、これらの孔164はダイヤフラム166に
よって閉塞されている。なお、ダイヤフラム166は周
縁部が孔64の内周部に加硫接着されており、副液室4
4側へ凸形状とされている。
【0047】底板116の外面には、モーター70が取
付られている。モーター70のシャフト92は、底板1
16を貫通して先端部が振動板138に固着されてい
る。
【0048】なお、その他の構成は第1実施例と同様で
ある。次に本実施例の作用を説明する。
【0049】本実施例の防振装置10は、一例として、
外ケース112が図示しない自動車の車体へ固定され、
エンジンが支持台126上へ搭載されて取付ボルト12
8で固定される。
【0050】例えば、シェイク振動のような低周波で振
幅の大きい振動が防振装置10に入力した場合は、弾性
体124の変形によって受圧液室142の容積が変化
し、受圧液室142内の液体84が制限通路156を介
して副液室144との間を行き来し、制限通路156で
液体84が通過抵抗を受けシェイク振動等の低周波振動
が吸収される。
【0051】第1実施例と同様に、振動板138に連結
されたシャフト92の雄ねじ92A及びローター90の
雌ねじ90Aとが螺合しているため、受圧液室142の
液圧変化を受けて振動板138が移動することはなく、
制限通路156での通過抵抗作用による振動吸収効果を
最大限に発揮させることができる。
【0052】また、制限通路156が目詰まり状態とな
る高周波振動が入力した場合には、制御装置102は圧
力センサー104の圧力検出信号に基づき、振動板13
8が受圧液室142内の圧力変化を打ち消す方向へ変位
するようにモーター70のローター90を回転させる。
これによって、受圧液室142内の内圧上昇が抑えら
れ、防振装置10の動ばね定数の上昇が抑制される。
【0053】〔第4実施例〕本発明の第4実施例を図4
にしたがって説明する。なお、第1実施例と同一構成に
関しては同一符号を付し、その説明は省略する。
【0054】図4に示すように、この防振装置10に
は、第1の取付部材としての底板212が設けられてい
る。この底板212は中央下部には取付ボルト214が
突出され、一例として図示しない自動車の車体へ固定さ
れる。
【0055】底板212の周囲は直角に屈曲された筒状
の立壁部212Aとなっており、この立壁部212Aの
上端部にはフランジ部212Bが形成されている。
【0056】このフランジ部212Bには、底板212
と固着される外筒216の下端部がかしめ固着されてい
る。前記フランジ部212Bと外筒216の下端部との
間には、ダイヤフラム218の周縁部が挟持されてい
る。このダイヤフラム218と前記底板212との間は
空気室220とされ、必要に応じて外部と連通される。
【0057】外筒216の上部は内径が拡大された拡開
部216Bとなっており、環状に形成された弾性体22
2の外周が加硫接着されている。この弾性体222の中
央頂部には第2の取付部材としての支持台224が加硫
接着されている。また、弾性体222の一部は外筒21
6の筒状部216C及び下端部の一部まで延設されて加
硫接着されている。この支持台224は図示しないエン
ジンの搭載部であり、エンジンを固定する取付ボルト2
26が立設されている。
【0058】ここに外筒216の内周部、弾性体222
の下端部及びダイヤフラム218によって液室228が
形成され、この液室228内には液体84が充填されて
いる。
【0059】液室228内には制限通路構成部材230
が配置されており、液室228は受圧液室232と副液
室234とに区画されている。この制限通路構成部材2
30は合成樹脂等で断面形状略ハット状に形成されてお
り、下端の周縁部が前記外筒216の下端部とダイヤフ
ラム218との間に挟持されている。
【0060】制限通路構成部材230の内部には、断面
矩形状の制限通路236が周方向に沿って形成されてお
り、この制限通路236は長手方向一端部が開口部23
8を介して受圧液室232と連通され、他端部が開口部
240を介して副液室234と連通されている。
【0061】外筒216には、大径の円孔242が形成
されており、円孔242の中央には振動板244が配設
されている。振動板244の外周には弾性体222の延
設部分が加硫接着されており、本実施例の振動板244
は弾性体222によって支持されている。
【0062】円孔242と同軸的に外筒216の外面に
は、ボス246が固着されている。このボス246に
は、外筒216側の中央に凹部248が形成されてお
り、振動板244の逃げとされている。ボス246の外
面には、モーター70が取付られている。モーター70
のシャフト92は、ボス246貫通して先端部が振動板
244に固着されている。また、圧力センサー104
は、制限通路構成部材230の上面に取付られている。
なお、その他の構成は第1実施例と同様である。
【0063】本実施例の防振装置10は、一例として、
底板212が図示しない自動車の車体へ固定され、エン
ジンが支持台224上へ搭載されて固定される。
【0064】例えば、シェイク振動のような低周波で振
幅の大きい振動が防振装置10に入力した場合は、弾性
体222の変形によって受圧液室232の容積が変化
し、受圧液室232内の液体84が制限通路236を介
して副液室234との間を行き来し、制限通路236で
液体84が通過抵抗を受けシェイク振動等の低周波振動
が吸収される。
【0065】本実施例も、第1実施例と同様に、振動板
244に連結されたシャフト92の雄ねじ92A及びロ
ーター90の雌ねじ90Aとが螺合しているため、受圧
液室232の液圧変化を受けて振動板244が移動する
ことはなく、制限通路236での通過抵抗作用による振
動吸収効果を最大限に発揮させることができる。
【0066】また、制限通路236が目詰まり状態とな
る高周波振動が入力した場合には、制御装置102は圧
力センサー104の圧力検出信号に基づき、振動板24
4が受圧液室232内の圧力変化を打ち消す方向へ変位
するようにモーター70のローター90を回転させる。
これによって、受圧液室142内の内圧上昇が抑えら
れ、防振装置10の動ばね定数の上昇が抑制される。
【0067】なお、前記第1〜第4実施例では、受圧液
室78、142、232の内部圧力の変化を圧力センサ
ー104で検出してモーター70を制御したが、本発明
はこれに限らず、例えば、振動発生部であるエンジン及
び振動受け部である車体側へそれぞれ振動検出センサー
を取付け、それぞれの振動検出センサーを制御装置に連
結して、車体側の振動が最小になるようにモーター70
を制御してもよい。
【0068】また、前記第1〜第4実施例では、制限通
路及び副液室をそれぞれ1個設ける構成としたが、本発
明はこれに限らず、受圧液室と副液室とを複数の制限通
路で連結する構成としてもよく、また、副液室を複数個
設け、それぞれを大きさの異なる制限通路で連結する構
成としてもよい。
【0069】また、前記第1〜第4実施例では、モータ
ー70をステッピングモーターとしたが、本発明はこれ
に限らず、モーター70は、正逆回転が可能で、速度制
御が可能であれば他の種類のモーターであっても良い。
【0070】また、前記第1〜第4実施例では、モータ
ー70のローター90に雌ねじ90Aを設け、シャフト
92に雄ねじ92Aを設ける構成としたが、本発明はこ
れに限らず、ローター90に雄ねじを設け、シャフト9
2に雌ねじを設ける構成としてもよく、振動板に雌ねじ
または雄ねじ直接形成して、モーター70のローター9
0に雄ねじまたは雌ねじを形成してもよい。これらの場
合であっても、液圧によって振動板が動かされることは
ない。
【0071】また、本発明は液体封入式防振装置であれ
ば前記第1〜第4実施例で示した防振装置に限らず、ブ
ッシュタイプの液体封入式防振装置に適用することもで
きる。
【0072】また、実施例では、液体封入式防振装置を
エンジンのマウントとして用いた例を示したが、本発明
はこれに限らず、液体封入式防振装置は、車両のボディ
ーマウント、一般産業用の機械等に用いてもよいのは勿
論である。
【0073】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の液体封入
式防振装置は上記構成としたので、低周波大振幅振動時
には制限通路に十分な量の液体を流動させ、高周波振動
振動時には振動板を確実に振動させて広範囲な周波数に
わたる振動を確実に吸収することのできるという優れた
効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る防振装置の軸線に沿
った断面図である。
【図2】本発明の第2実施例に係る防振装置の軸線に沿
った断面図である。
【図3】本発明の第3実施例に係る防振装置の軸線に沿
った断面図である。
【図4】本発明の第4実施例に係る防振装置の軸線に沿
った断面図である。
【符号の説明】
10 液体封入式防振装置 12 下部取付台(第1の取付部材) 24 弾性体 34 弾性支持体 36 振動板(振動体) 42 支持台(第2の取付部材) 68 副液室 70 モーター 72 制限通路 78 受圧液室 90 ローター 90A 雌ねじ(ねじ手段) 92A 雄ねじ(ねじ手段) 112 外ケース(第1の取付部材) 124 弾性体 126 支持台(第2の取付部材) 138 振動板(振動体) 140 弾性支持体 142 受圧液室 144 副液室 156 制限通路 212 底板(第1の取付部材) 222 弾性体 224 支持台(第2の取付部材) 232 受圧液室 234 副液室 236 制限通路 244 振動板(振動体)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 振動発生部及び振動受部の一方へ連結さ
    れる第1の取付部材と、 振動発生部及び振動受部の他方へ連結される第2の取付
    部材と、 前記第1の取付部材と前記第2の取付部材との間に設け
    られ振動発生時に変形する弾性体と、 前記第1の取付部材及び第2の取付部材の一方に設けら
    れ前記弾性体を隔壁の一部として拡縮可能な受圧液室
    と、 前記第1の取付部材及び第2の取付部材の一方に弾性支
    持体を介して所定方向へ移動可能に支持され、かつ、前
    記受圧液室の隔壁の一部を構成して前記受圧液室の液圧
    を受ける振動体と、 前記振動体とモーターのローターとの間に設けられ前記
    ローターの回転運動を直線運動に変換して前記振動体を
    前記受圧液室内の圧力変動を抑える方向へ変位させるね
    じ手段と、 前記受圧液室と隔離される副液室と、 前記受圧液室と前記副液室とを連通する制限通路と、 を備えたことを特徴とする液体封入式防振装置。
JP11637892A 1992-05-08 1992-05-08 液体封入式防振装置 Pending JPH05312233A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003004089A (ja) * 2001-06-22 2003-01-08 Yamashita Rubber Co Ltd 液封防振装置
JP2003004090A (ja) * 2001-06-22 2003-01-08 Yamashita Rubber Co Ltd 液封防振装置

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JP4716607B2 (ja) * 2001-06-22 2011-07-06 山下ゴム株式会社 液封防振装置

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