JPH05272574A - 液体封入式防振装置 - Google Patents

液体封入式防振装置

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Publication number
JPH05272574A
JPH05272574A JP6686792A JP6686792A JPH05272574A JP H05272574 A JPH05272574 A JP H05272574A JP 6686792 A JP6686792 A JP 6686792A JP 6686792 A JP6686792 A JP 6686792A JP H05272574 A JPH05272574 A JP H05272574A
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JP
Japan
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liquid chamber
vibration
pressure receiving
electromagnet
receiving liquid
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Application number
JP6686792A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Kojima
宏 小島
Kazuya Takano
和也 高野
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Bridgestone Corp
Original Assignee
Bridgestone Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 制限通路が目詰まり状態となる高い周波数の
振動が入力した場合でも、振動を吸収することのできる
液体封入式防振装置を提供すること。 【構成】 受圧液室42に制限通路56を介して副液
室44を連結する。受圧液室42の隔壁の一部としてゴ
ム等の弾性支持体40で支持された円板状の振動板38
を設ける。振動板38は永久磁石で形成する。振動板3
8の受圧液室42側とは反対側に電磁石70を設ける。
電磁石70には制御装置80を連結する。受圧液室42
内部に圧力センサー82を設け、圧力センサー82を制
御装置80に連結する。振動の周波数が高く、制限通路
56が目詰まり状態となった場合には、圧力センサー8
2の信号に基づいて電磁石70が作動され、振動板38
が受圧液室42内の圧力変化を抑制する方向に振動さ
れ、動ばね定数の上昇が抑制される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は自動車、一般産業用機械
等に用いられ、振動発生部からの振動を吸収減衰する液
体封入式防振装置に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車にはエンジンと車体との間にエン
ジンマウントとしての防振装置が配設されており、エン
ジン振動の車体への伝達を阻止するようになっている。
【0003】近年では、この種の防振装置としてゴム等
の弾性体だけでは得られない大きな減衰力を発生するこ
とのできる、液体封入式防振装置が提案されている。
【0004】この種の液体封入式防振装置の一例を図7
にしたがって説明する。図7に示すように、この防振装
置110には、中央部に凹部が形成された底板112を
有しており、この底板112の中央部外側には取付ボル
ト114が立設されている。
【0005】底板112の周縁部には外筒116の下端
部がかしめ固定されており、底板112の周縁部と外筒
116の下端部との間にダイヤフラム118の周縁部が
挟持されている。
【0006】外筒116の上端部は内径がしだいに拡大
された拡開部116Bとされており、内周面に弾性体1
20の外周が加硫接着されている。
【0007】この弾性体120の中央部には支持台12
4が加硫接着されている。この支持台124はエンジン
の搭載部であり、エンジンを固定する取付ボルト126
が立設されている。
【0008】外筒116の内周部、弾性体120及びダ
イヤフラム118によって液室128が形成されてお
り、内部には液体が充填されている。
【0009】液室128内には仕切部材130が配置さ
れて、液室128を受圧液室132と副液室134とに
区画している。この仕切部材130は下端部周縁部が底
板112の周縁部と外筒116の下端部との間にダイヤ
フラム118を介して挟持されている。ダイヤフラム1
18と前記底板112との間は空気室136とされてお
り、必要に応じて外気と連通される。
【0010】仕切部材130の外周には断面矩形状の溝
138が周方向に沿って形成されており、弾性体120
の延長部によって閉塞されて制限通路140を構成して
いる。制限通路140の一方の端部は、仕切部材130
の開口部142を介して前記受圧液室132に連結され
ており、他方の端部は開口部144を介して前記副液室
134に連結されている。
【0011】この防振装置110はエンジンの下側に配
設されて、エンジンを支持すると共にエンジン振動の車
体への伝達を阻止する役目を有している。
【0012】エンジンの振動が防振装置110に入力す
ると、振動によって弾性体120が変形して受圧液室1
32内に圧力変動が生じる。液体の圧力変化によってダ
イヤフラム118が変形し、制限通路140内を液体が
行き来することによって減衰力が発生し、エンジンの振
動が吸収される。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】ところが、液柱共振周
波数を超えた高い周波数の振動がこの防振装置110に
入力すると、制限通路140が目詰まり状態となる。こ
のため、防振装置110の動ばね定数が上昇して振動吸
収能力が低下する。また、大きさの異なる制限通路を複
数個設けても、振動の周波数がある値を超えると全ての
制限通路が目詰まり状態となり、同じく動ばね定数が上
昇して振動吸収能力が低下する。
【0014】本発明は上記事実を考慮し、制限通路が目
詰まり状態となる高い周波数の振動が入力した場合で
も、動ばね定数の上昇を抑え、振動を吸収することので
きる液体封入式防振装置を提供することが目的である。
【0015】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の本発明の
液体封入式防振装置は、振動発生部及び振動受部の一方
へ連結される第1の取付部材と、振動発生部及び振動受
部の他方へ連結される第2の取付部材と、前記第1の取
付部材と前記第2の取付部材との間に設けられ振動発生
時に変形する弾性体と、前記第1の取付部材及び第2の
取付部材の一方に設けられ前記弾性体を隔壁の一部とし
て拡縮可能な受圧液室と、前記第1の取付部材及び第2
の取付部材の一方に弾性支持体を介して所定方向へ移動
可能に支持され、かつ、前記受圧液室の隔壁の一部を構
成して前記受圧液室の液圧を受ける永久磁石と、前記永
久磁石の前記受圧液室側とは反対側に前記永久磁石と所
定間隔離されて設けられる電磁石と、前記受圧液室と隔
離される副液室と、前記受圧液室と前記副液室とを連通
する制限通路と、を備えたことを特徴としている。
【0016】また、請求項2記載の発明は、請求項1記
載の液体封入式防振装置において、前記永久磁石と前記
電磁石との間に前記電磁石から離れる方向へ前記永久磁
石を付勢する付勢手段を設けたことを特徴としている。
【0017】
【作用】請求項1記載の本発明の液体封入式防振装置に
よると、第1の取付部材をエンジン等の振動発生部へ連
結し、第2の取付部材を車体等の振動受部へ連結する
と、エンジン等の振動は第1の取付部材、弾性体、第2
の取付部材を介して車体等の振動受部へと支持される。
エンジン等の振動が液体封入式防振装置に入力すると、
弾性体が変形して受圧液室内に圧力変化が生じる。これ
によって、内部の液体が制限通路を介して受圧液室と副
液室との間を行き来して液体封入式防振装置に大きな減
衰力が発生し、振動が効果的に吸収される。
【0018】振動の周波数が高くなり、制限通路が目詰
まり状態となった場合には、永久磁石を振動させて動ば
ね定数の上昇を抑制することができる。例えば、振動に
よって弾性体が受圧液室を押す方向に変形すると、受圧
液室の内部圧力が上昇しようとするが、電磁石の極性を
永久磁石の極性とは反対の極にすることによって、永久
磁石が電磁石側に吸引されて、受圧液室の液圧上昇が抑
えられる。一方、振動によって弾性体が受圧液室から離
れる方向に変形すると、受圧液室の内部圧力が下降しよ
うとするが、電磁石の極性を永久磁石の極性とは反対の
極にすることによって、永久磁石が電磁石から反発され
て、受圧液室の液圧降下が抑えられる。このようにし
て、受圧液室内の圧力変化を抑えるとにより、弾性体は
周波数の高い振動時に変形を阻害されず、この結果、制
限通路が目詰まり状態となった場合でも動ばね定数の上
昇が抑えられ、高い周波数の振動を吸収することができ
る。
【0019】請求項2記載の本発明によると、永久磁石
と電磁石との間に電磁石から離れる方向へ永久磁石を付
勢する付勢手段が設けられているため、永久磁石は反発
される際に付勢手段の付勢力を受け電磁石から離れやす
くなる。
【0020】
【実施例】
〔第1実施例〕本発明の第1実施例を図1乃至図3にし
たがって説明する。
【0021】図1に示すように、本実施例の防振装置1
0には第1の取付部材としての外ケース12が備えられ
ている。この外ケース12は、軸線が上下方向(図1矢
印A方向及び矢印A方向とは反対方向)とされた円筒部
14と、円筒部14の下側(図1矢印A方向とは反対方
向側)を閉塞する逆ハット状に形成された底板16とを
有するカップ状とされている。
【0022】底板16の外側中央には、取付ボルト18
が立設されている。この取付ボルト18は一例として図
示しない自動車の車体への固定用とされる。
【0023】外ケース12の内側には、外ケース12と
同軸的に、内筒20が配設されている。内筒20の略下
半分は、外ケース12よりも小径とされた小円筒部20
Aとされており、小円筒部20Aは前記底板16の円筒
部16Aよりも若干径が大きくされている。
【0024】小円筒部20Aの上側には、径がしだいに
拡大された拡開部20Bが一体的に設けられており、拡
開部20Bの内周には厚肉の環状に形成された弾性体2
4の外周が加硫接着されている。弾性体24の内周には
第2の取付部材としての支持台26が加硫接着されてお
り、この弾性体24及び支持台26によって、内筒20
の上側が閉塞されている。この支持台26は図示しない
エンジンの搭載部であり、上面にはエンジンを固定する
ための取付ボルト28が立設されている。
【0025】なお、内筒20の拡開部20Bの周縁部
は、外ケース12の上端部が内側に折り曲げられること
によって、外ケース12にかしめ固定されている。
【0026】この小円筒部20Aの内側には、ストッパ
ー30が配設されている。このストッパー30は、小円
筒部20Aの内周に密着する円筒部32と、この円筒部
32の上端に一体的に設けられる環状の当接部34と、
円筒部32の下端に一体的に設けられ円筒部32の半径
方向外側に延びる環状の固定部36と、から構成され
る。なお、ストッパー30の材料としては、磁石に吸着
されない金属材料が好ましい。
【0027】ストッパー30の固定部36は、小円筒部
20Aの下端と底板16の環状板部16Bとに密着して
挟持固着されている。
【0028】ストッパー30の内側には、円板状の振動
板38が同軸的に配設されている。振動板38の外径は
円筒部32の内径よりも小さく、かつ当接部34の内径
よりも大きくされている。振動板38と円筒部32との
間には環状に形成されたゴム等の弾性支持体40が設け
られており、この弾性支持体40は、内周が振動板38
の外周へ接着され、外周が円筒部32の内周へ接着され
ている。これによって振動板38は円筒部32に対して
軸方向へ相対移動することができる。なお、振動板38
はストッパー30の当接部34から、所定寸法離されて
いる。
【0029】この振動板38は永久磁石で形成されてお
り、本実施例では上側(図矢印A方向側)がN極、下側
がS極とされているが、これとは逆の極性であってもよ
い。
【0030】この振動板38、小円筒部20A及び弾性
支持体40で囲まれる空間部は受圧液室42とされ、内
部にはエチレングリコール等の液体が充填されている。
【0031】受圧液室42の中央には、傘オリフィス体
46が配設されている。傘オリフィス体46は、支持台
26側へ行くにしたがって径が小さくされた略円錐状の
本体部分46Aと本体部分46Aの中央に一体的に設け
られる細径部46Bとからなり、細径部46Bの先端部
が支持台26の中央下部に埋設され固着されている。本
体部分46Aの外径は、小円筒部20Aの内径よりも所
定寸法小さくされており、小円筒部20Aと弾性体24
との間に環状の隙間48が形成される。また、本体部分
46Aの底面には、弾性体50が加硫接着されている。
【0032】外ケース12と内筒20との間には、小円
筒部20Aの上部近傍に制限通路構成部材52が配設さ
れている。図2に示すように、制限通路構成部材52は
リング状に形成されており、図1に示すように、内周面
が小円筒部20Aの外周面へ、外周面が円筒部14の内
周面へそれぞれ密着している。外ケース12、小円筒部
20A及び制限通路構成部材52で囲まれる空間部は副
液室44とされ内部にはエチレングリコール等の液体が
充填されている。
【0033】図2に示すように、制限通路構成部材52
の外周には、軸方向から見て略C字状とされた溝54が
形成されており、図1に示すように、溝54は外ケース
12の円筒部14に囲まれて制限通路56を構成してい
る。
【0034】制限通路構成部材52には、溝54の長手
方向一端部に制限通路構成部材52を半径方向に貫通す
る貫通孔58が設けられており、溝54の他端部には下
側に矩形孔60が設けられている。一方、内筒20の小
円筒部20Aには、制限通路構成部材52の貫通孔58
に対面する位置に、貫通孔58よりも大径とされた孔6
2が形成されている。これによって、受圧液室42と副
液室44とは、孔62、貫通孔58、制限通路56、矩
形孔60を介して常に連通されている。
【0035】図1及び図3に示すように、外ケース12
の円筒部14には、制限通路構成部材52よりも下側に
矩形孔64が複数個設けられており、これらの矩形孔6
4はダイヤフラム66によって閉塞されている。なお、
ダイヤフラム66は周縁部が矩形孔64の内周部に加硫
接着されており、副液室44へ凸形状とされている。
【0036】一方、振動板38の下側、底板16の凹部
68には、円柱状の電磁石70が配設されている。電磁
石70には、磁石で吸着されない金属で形成されたカバ
ー72が設けられており、このカバー72は凹部68の
内周面に密着している。カバー72の中央には円柱状の
磁心74が配置され、磁心74の外側に環状のコイル7
6が配設されている。なお、コイル76はカバー72及
び底板16に密着しており、コイル76が熱を発した際
にコイル76の熱が底板16及び底板16に連結される
図示しない車体へと放熱される。
【0037】電磁石70の磁心74と振動板38との間
には、所定寸法の隙間が設けられており、電磁石70と
振動板38との間には振動板38を電磁石70から離間
させる方向へ付勢する付勢手段としての圧縮コイルスプ
リング78が配設されている。なお、この圧縮コイルス
プリング78が密着した際には、振動板38が磁心74
に接触しないようになっている。これによって、振動板
38が磁心74に接触して音を発生するとがない。ま
た、圧縮コイルスプリング78は付勢力によって振動板
38が磁心74から反発される際のきっかけを作ってい
る。
【0038】電磁石70のコイル76は図示しない導線
によって制御装置80に連結されている。また、受圧液
室42内部には圧力センサー82が設けられており、圧
力センサー82は、図示しない導線によって制御装置8
0に連結されている。
【0039】この制御装置80は圧力センサー82によ
って受圧液室42の内部圧力を検出することができ、ま
た、圧力センサー82の圧力検出信号に基づいてコイル
76に流す電流を制御する。
【0040】なお、振動板38を軸方向(矢印A方向及
び矢印A方向とは反対方向)へ変位させる際の静ばね定
数Ks2は支持台26を軸方向へ変位させる際の静ばね
定数Ks1の5倍以下が好ましい。これによって、電磁
石70の発生する磁力を小さくすることができ、電磁石
70に小型なものが使用できる。
【0041】また、支持台26が軸方向に移動する際の
可動部分(支持台26及び弾性体24)の有効径D1
(ここでいう有効径D1は、支持台26が軸方向へ動い
た際に押し退けられる受圧液室42の液体の容積Vを支
持台26の軸方向移動距離X1で割った値)と、振動板
38が軸方向に移動する際の可動部分(振動板38及び
弾性支持体40)の有効径d1(ここでいう有効径d1
は、支持台26が軸方向へ動いた際に押し退けられる受
圧液室42の液体の容積Vを振動板38の軸方向移動距
離X2で割った値)との関係は、可動部分の有効径d1
を可能な範囲で大きくすることが好ましい。すなわち、
支持台26側の有効径D1に対して振動板38側の有効
有効径d1を大きくすることによって、支持台26の軸
方向変位X1に対して振動板38の軸方向変位X2を小
さくすることができる。すなわち、振動板38の移動距
離を短くするこによって振動板38が電磁石70によっ
て動かされる際の応答性を向上するとができる。
【0042】次に本実施例の作用を説明する。本実施例
の防振装置10は、一例として、外ケース12が取付ボ
ルト18を介して図示しない自動車の車体へ固定され、
エンジンが支持台26上へ搭載されて取付ボルト28で
固定される。
【0043】防振装置10にエンジンの振動が入力する
と、振動は支持台26、弾性体24、外ケース12及び
内筒20を介して車体へと支持され、弾性体24の内部
摩擦に基づく抵抗により振動が吸収される。
【0044】例えば、周波数が低く振幅の大きな振動、
一例としてアイドル振動(振動数が15〜30Hz )が
入力すると、振動によって受圧液室42内の液圧が変化
し、これによって副液室44が制限通路56を介して圧
力変化を受け、ダイヤフラム66が変形する。ここで、
振幅に応じた大量の液体が制限通路56内を行き来する
ことによって大きな減衰力が生じアイドル振動が吸収さ
れる。このとき、振動板38は液圧の変化を受けて軸方
向へ変位をするが、ストッパー30の当接部34及び圧
縮コイルスプリング78によって変位量が制限されるた
め、制限通路56を行き来する液量の減少は小さく、制
限通路56を行き来する液量の減少による減衰力の低下
はほとんど無視できる値となる。
【0045】また、周波数が高く、振幅の小さな振動、
一例としてこもり音の原因となる高周波振動(周波数が
数10〜数100Hz )が入力すると、制限通路56が
目詰まり状態となるが、この際には、圧力センサー82
の圧力検出信号に基づいて、電磁石70を作動させ、振
動板38を振動させて受圧液室42内の圧力変化を抑制
し、動ばね定数の上昇を抑制することができる。
【0046】例えば、支持台26が下方へ移動して受圧
液室42の内部圧力が上昇しようとする場合、制御装置
80はコイル76の電流を制御して、磁心74の振動板
38側をN極にする。これによって、振動板38が磁心
74側に吸引されて、受圧液室42の液圧上昇が抑えら
れる。
【0047】一方、弾性体24が上方へ移動して受圧液
室42の内部圧力が下降しようとする場合、制御装置8
0はコイル76の電流を制御して、磁心74の振動板3
8側をS極にする。これによって、振動板38が磁心7
4から反発されて、受圧液室42の液圧降下が抑えられ
る。
【0048】本実施例の防振装置10の場合、振動板3
8が永久磁石で構成され、電磁石70が極性を変えるこ
とができるため、振動板38は吸引力と、反発力との両
方を受けることができ、受圧液室42の圧力変化に対し
ては、圧力上昇方向及び圧力下降方向のどちらに対して
も対処することができる。仮に、振動板38を鉄で形成
した場合では、振動板38は電磁石70によって吸引力
のみしか受けることはできず、受圧液室42の圧力が下
降方向になった際に振動板38に電磁石70離れる方向
の力を積極的に作用させることはできず、動ばね定数の
上昇抑制効果は少ない。
【0049】また、本実施例では、電磁石70が固定
側、永久磁石(振動板38)が移動側とされているた
め、電磁石70のコイル76及びコイル76につながれ
た導線(図示せず)が可動するとはなく、これらが断線
して故障を起こす恐れもない。仮に、永久磁石を固定
側、電磁石またはコイルを移動側とすると、線材が移動
の繰り返しによって疲労を起こし断線する恐れがある。
また、外ケース12の底板16を分割するこにより、電
磁石70の、組付け、交換を容易に行うことができる。
仮に、永久磁石を固定側、電磁石またはコイルを移動側
とすると、組付け作業が煩雑となり、交換を容易に行う
ことができない。
【0050】さらに、本実施例では、電磁石70が底板
16に密着しているため、コイル76が発熱した際に
も、この熱は外ケース12を介して効果的に発散され
る。
【0051】このように、本実施例の防振装置10は、
制限通路56が目詰まり状態となる高周波振動が入力し
た場合であっても、受圧液室42内の圧力変化が抑えら
れ、動ばね定数が上昇しないので、制限通路56では吸
収できない高い周波数の振動を効果的に吸収することが
できる。
【0052】さらに、振動の周波数が高くなると、傘オ
リフィス体46の本体部分46Aと弾性体24との間の
隙間33で液体が共振(矢印B方向へ行き来する)し
て、防振装置10の動ばね定数の上昇が抑えられる。
【0053】〔第2実施例〕本発明の第2実施例を図4
及び図5にしたがって説明する。なお、第1実施例と同
一構成に関しては同一符号を付し、その説明は省略す
る。
【0054】図4に示すように、この防振装置10には
第1の取付部材としての底板112が備えられている。
この底板112には中央に取付ボルト114が突出され
ている。底板112の周囲は屈曲された立壁部112A
とされている。立壁部112Aの上端部には半径方向外
方に延びるフランジ部112Bが連続的に形成されてい
る。
【0055】底板112の上側には、外筒116が配設
されている。外筒116の内周には弾性体124の外周
が加硫接着されている。弾性体124の下部中央には、
凹部124Aが形成されている。
【0056】外筒116の下端部116Aは内側に絞ら
れており、この下端部116Aと弾性体124の下端部
との間にストッパー130及び振動板支持板132が配
設されている。
【0057】振動板支持板132は厚肉の板材で環状に
形成されており、内周に環状の弾性支持体134が接着
されている。この弾性体134の内周には円板状に形成
された振動板136の外周が接着されている。
【0058】ストッパー130は、薄肉の板材で環状に
形成されており、当接部138が振動板136から所定
寸法の隙間をあけて配設されている。当接部138の外
周部には段差部140が設けられており、この段差部1
40は振動板支持板132と共に弾性体124の下端部
と底板112のフランジ部112Bとの間に挟持されて
いる。また、段差部140の外周は下方に曲げられてお
り、外筒116の内周と振動板支持板132及びフラン
ジ部112Bの外周との間に挟持されている。なお、ス
トッパー130の当接部134の内径は、振動板136
の外径よりも小さくされている。この振動板136も第
1実施例と同様に永久磁石で形成されており、本実施例
では上側(図矢印A方向側)がN極、下側がS極とされ
ている。
【0059】振動板138の下側、底板12の凹部16
8には、第1実施例と同様に電磁石70が配設されてお
り、磁心74と振動板136との間には所定寸法の隙間
が設けられている。電磁石70と振動板136の間には
圧縮コイルスプリング78が配設されている。
【0060】一方、弾性体124の中央には第2の取付
部材としての支持台142が配設されている。この支持
台142は、固着部144及び空気室形成部148から
なっている。
【0061】固着部144は、円筒部146の上端にフ
ランジ部152を有しており、円筒部146の外周面に
は前記弾性体124の内周が加硫接着されている。
【0062】空気室形成部148は、断面略ハット状に
形成されており、この空気室形成部148のフランジ部
150が固着部144のフランジ部152でかしめ固定
されている。
【0063】固着部144と空気室形成部148との間
には、ダイヤフラム154が配設されており、このダイ
ヤフラム154の下側、固着部144の円筒部146内
には制限通路構成部材156が配設されている。
【0064】制限通路構成部材156は、略円柱状を呈
しており、上端にフランジ部158を有している。この
フランジ部158は、前記ダイヤフラム154と共に固
着部144のフランジ部152と空気室形成部148の
フランジ部150との間に挟持固定されている。
【0065】空気室形成部144の凹部160とダイヤ
フラム154との間は空気室162とされており、必要
に応じて外気と連通してもよい。なお、空気室形成部1
44の外側軸芯部には取付ボルト164が突出されてい
る。
【0066】制限通路構成部材156は半径方向外周面
が固着部144の円筒部146へ弾性体142の一部か
ら延設された薄肉部124Aを介して密着している。ま
た、制限通路構成部材156には、ダイヤフラム154
側に、凹部166が形成されており、この凹部166と
ダイヤフラム154との間が副液室168とされてい
る。
【0067】図5に示すように、制限通路構成部材15
6の外周には、螺旋溝170が形成されており、この螺
旋溝170は制限通路構成部材156の外周を軸回りに
約2周している。図4に示すように、螺旋溝170は、
固着部144の円筒部146の内壁面に囲まれて制限通
路172を構成している。
【0068】この制限通路構成部材156、弾性124
及び振動板138で囲まれる空間部は受圧液室178と
されている。
【0069】制限通路172は、一端が貫通孔174を
介して副液室168と連通されており、他端が、連通溝
176を介して、受圧液室178に連通されている。な
お、受圧液室178、副液室168及び制限通路172
の内部にはエチレングリコール等の液体が充填されてい
る。
【0070】本実施例の防振装置10は、一例として、
底板112が取付ボルト114を介して図示しない自動
車の車体へ固定され、エンジンが支持台142上へ搭載
されて取付ボルト164で固定される。
【0071】振幅の大きいアイドル振動が入力した場合
には、液圧の変化によってダイヤフラム156が変形
し、液体が制限通路172を介して受圧液室178と副
液室168との間を多量に行き来する。これによって大
きな減衰力が生じアイドル振動が吸収される。なお、振
動板136は液圧を受けて変位をするが、ストッパー1
30及び圧縮コイルスプリング78によって変位量が制
限されるため、制限通路56を行き来する液量の減少は
小さく、制限通路56を行き来する液量の減少による減
衰力の低下はほとんど無視できる値となる。
【0072】また、高周波振動(周波数が数10〜数1
00Hz )が入力すると、制限通路172が目詰まり状
態となるが、この際には、圧力センサー82の圧力検出
信号に基づいて、電磁石70が作動され、第1実施例と
同様に振動板136が受圧液室42内の圧力変化を打ち
消す方向へ変位して、動ばね定数の上昇が抑制される。
【0073】〔第3実施例〕本発明の第3実施例を図6
にしたがって説明する。なお、本実施例は第2実施例の
防振装置10の変形例であり、第2実施例と同一構成に
関しては同一符号を付し、その説明は省略する。
【0074】図6に示すように、この防振装置10で
は、外筒116の上側が径がしだいに拡大された拡開部
116Bとされており、この拡開部116Bの内周に弾
性体24が加硫接着されている。
【0075】外筒116の下端部116Aは内側に絞ら
れており、この下端部116Aと底板112のフランジ
部112Bとの間に環状に形成された下部ストッパー1
80及び振動板支持板182の固定部184が挟持され
ている。
【0076】振動板支持板182は薄肉の板材で円筒状
に形成されており、円筒部186の内周に環状の弾性体
134が接着されている。この弾性体134の内周には
円板状に形成された振動板136の外周が接着されてい
る。
【0077】振動板支持板182の円筒部186の上側
は半径方向内側に曲げられた環状の当接部188とされ
ており、この当接部188の内径及び下部ストッパー1
80の内径は振動板136の外径よりも所定寸法小さく
されている。
【0078】底板12の凹部168には、第2実施例と
同様に電磁石70が配設されており、磁心74と振動板
136との間には所定寸法の隙間が設けられている。
【0079】一方、支持台142には、円筒部146と
一体化された底板147が設けられており、制限通路構
成部材156の連通溝176に面する位置に貫通孔14
9が設けられている。なお、本実施例の螺旋溝170は
制限通路構成部材156の外周を軸回りに1周弱周回し
ている。
【0080】本実施例の防振装置10も、第2実施例の
防振装置10と同様に、振幅の大きいアイドル振動が入
力した場合には、液圧の変化によってダイヤフラム15
6が変形し、液体が制限通路172を介して受圧液室1
78と副液室168との間を多量に行き来する。これに
よって大きな減衰力が生じアイドル振動が吸収される。
また、振動板136は液圧を受けて変位をするが、下部
ストッパー180及び当接部188によって変位量が制
限され、第2実施例と同様に制限通路172を行き来す
る液量の減少は小さく、制限通路172を行き来する液
量の減少による減衰力の低下はほとんど無視できる値と
なる。
【0081】また、高周波振動(周波数が数10〜数1
00Hz )が入力すると、制限通路172が目詰まり状
態となるが、この際には、圧力センサー82の圧力検出
信号に基づいて、電磁石70が作動され、第2実施例と
同様に振動板136が受圧液室178内の圧力変化を打
ち消す方向へ変位して、動ばね定数の上昇が抑制され
る。
【0082】なお、第1実施例乃至第3実施例では、受
圧液室42、178の内部圧力の変化を圧力センサー8
2で検出して、電磁石70を制御したが、本発明はこれ
に限らず、例えば、振動発生部であるエンジンへ振動検
出センサーを設け、振動受け部である車体側へも振動検
出センサーを設け、それぞれを制御装置に連結して、車
体側の振動が最小になるように電磁石70を制御しても
よい。この場合、エンジンの振動が防振装置10を押す
側に作用した際には振動板38、136を吸引すればよ
く、引く側に作用した際には振動板38、136を反発
させればよい。
【0083】また、実施例では、本発明の液体封入式防
振装置をエンジンのマウントとして用いたが、本発明は
これに限らず、本発明の液体封入式防振装置は、ボディ
ーマウント、一般産業用の機械等に用いてもよいのは勿
論である。
【0084】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の液体封入
式防振装置は上記構成としたので、制限通路が目詰まり
状態となる高い周波数の振動が入力した場合でも、動ば
ね定数の上昇を抑え、振動を吸収することができるとい
う優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る防振装置の軸線に沿
った断面図である。
【図2】本発明の第1実施例に係る防振装置の仕切り部
材を示す斜視図である。
【図3】本発明の第1実施例に係る防振装置の制限通路
構成部材を示す斜視図である。
【図4】本発明の第2実施例に係る防振装置の軸線に沿
った断面図である。
【図5】本発明の第2実施例に係る防振装置の制限通路
構成部材を示す斜視図である。
【図6】本発明の第3実施例に係る防振装置の軸線に沿
った断面図である。
【図7】従来例に係る防振装置の軸線に沿った断面図で
ある。
【符号の説明】
10 液体封入式防振装置 12 外ケース(第1の取付部材) 24 弾性体 26 支持台(第2の取付部材) 38 振動板(永久磁石) 40 弾性支持体 42 受圧液室 44 副液室 56 制限通路 70 電磁石 78 圧縮コイルスプリング(付勢手段) 112 底板(第1の取付部材) 124 弾性体 134 弾性支持体 136 振動板(永久磁石) 142 支持台(第2の取付部材) 168 副液室 172 制限通路 178 受圧液室

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 振動発生部及び振動受部の一方へ連結さ
    れる第1の取付部材と、 振動発生部及び振動受部の他方へ連結される第2の取付
    部材と、 前記第1の取付部材と前記第2の取付部材との間に設け
    られ振動発生時に変形する弾性体と、 前記第1の取付部材及び第2の取付部材の一方に設けら
    れ前記弾性体を隔壁の一部として拡縮可能な受圧液室
    と、 前記第1の取付部材及び第2の取付部材の一方に弾性支
    持体を介して所定方向へ移動可能に支持され、かつ、前
    記受圧液室の隔壁の一部を構成して前記受圧液室の液圧
    を受ける永久磁石と、 前記永久磁石の前記受圧液室側とは反対側に前記永久磁
    石と所定間隔離されて設けられる電磁石と、 前記受圧液室と隔離される副液室と、 前記受圧液室と前記副液室とを連通する制限通路と、 を備えたことを特徴とする液体封入式防振装置。
  2. 【請求項2】前記永久磁石と前記電磁石との間に前記電
    磁石から離れる方向へ前記永久磁石を付勢する付勢手段
    を設けたことを特徴とする請求項1記載の液体封入式防
    振装置。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6032937A (en) * 1996-12-27 2000-03-07 Bridgestone Corporation Vibration isolating apparatus
JP2008223837A (ja) * 2007-03-09 2008-09-25 Tokai Rubber Ind Ltd サスペンション用防振装置とそれを用いた自動車用サスペンション機構
JP2009058099A (ja) * 2007-09-03 2009-03-19 Daihatsu Motor Co Ltd 液体封入式マウント装置
KR101134425B1 (ko) * 2005-09-08 2012-04-09 기아자동차주식회사 유체형 엔진마운트의 구조
US10336175B2 (en) 2016-04-29 2019-07-02 Hyundai Motor Company Engine mount for vehicle
CN114542638A (zh) * 2022-03-11 2022-05-27 华北水利水电大学 一种磁性液体阻尼减振器

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