JP2001055017A

JP2001055017A - 空気入りタイヤ

Info

Publication number: JP2001055017A
Application number: JP11231980A
Authority: JP
Inventors: Shiro Fukazawa; 史朗深澤
Original assignee: Bridgestone Corp
Current assignee: Bridgestone Corp
Priority date: 1999-08-18
Filing date: 1999-08-18
Publication date: 2001-02-27

Abstract

(57)【要約】【課題】耐摩耗性と発熱耐久性および悪路走破性とを
両立させた非舗装路面用の空気入りタイヤを提供する。【解決手段】トレッドのショルダー側からトレッド中
央域に向って延びるラグ溝を有するラグ型パターンの空
気入りタイヤにおいて、トレッド中央域に周方向に延び
る中央陸部が形成され、該中央陸部には、周方向に沿っ
て複数の閉鎖溝４を有する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、主に不整地や泥ね
い地等の路面用として用いられる非舗装路面用の空気入
りタイヤに関し、詳しくは耐摩耗性と発熱耐久性および
悪路走破性とを両立させた空気入りタイヤに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、主に不整地や泥ねい地等の路面用
として用いられる非舗装路面用空気入りタイヤにおいて
は、駆動力、制動力にすぐれたラグ型パターンか、ある
いはラグ型パターンの特徴を有しつつ、操縦安定性に優
れたリブ型パターンの特徴を兼ね備えたリブラグ型パタ
ーンが知られている。

【０００３】図２に、かかるリブラグ型パターンの展開
図を示す。このパターンにおいては、トレッド１０の周
方向に延びるジグザグな２本の周方向溝１１ａ、１１ｂ
と、該周方向溝１１ａ、１１ｂによって画成された３本
のリブ１２ａ、１２ｂ、１２ｃとを備えている。また、
これらリブのうち両側のショルダーリブ１２ａ、１２ｃ
が幅方向のラグ溝１３ａ、１３ｂを有する。さらに、中
央リブ１２ｂは中央周線上には１本の周方向副溝１３を
有する。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】従来、非舗装用空気入
りタイヤにおいては、耐摩耗性を上げるため、主に中央
部のパターン剛性を高める手法が採用され、その結果、
発熱耐久性および悪路走破性をある程度犠牲にすること
を余儀なくされていた。

【０００５】そこで本発明の目的は、耐摩耗性と発熱耐
久性および悪路走破性とを両立させた非舗装路面用の空
気入りタイヤを提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の空気入りタイヤは下記に示す通りである。

【０００７】（１）トレッドのショルダー側からトレッ
ド中央域に向って延びるラグ溝を有するラグ型パターン
の空気入りタイヤにおいて、トレッド中央域に周方向に
延びる中央陸部が形成され、該中央陸部には、周方向に
沿って複数の閉鎖溝を有することを特徴とする空気入り
タイヤである。ここで、「閉鎖溝」とは、他の溝に連通
していない窪み状の溝を意味するものとする。但し、閉
鎖溝の溝深さよりも非常に浅い湯溝（図７中の６に示
す）を形成することは差し支えない。トレッド中央域に
周方向に延びる中央陸部を形成し、該中央陸部に周方向
に沿って複数の閉鎖溝を設けることにより、前記目的を
達成し得ることがわかった。

【０００８】（２）トレッドの周方向に延びる２本の周
方向溝と、該周方向溝によって画成された３本のリブと
を備え、前記リブのうち両側のショルダーリブがその全
幅にわたるタイヤ幅方向に沿って延びるラグ溝を有する
リブラグ型パターンの空気入りタイヤにおいて、ショル
ダーリブ間のセンターリブが周方向に沿って複数の閉鎖
溝を有することを特徴とする空気入りタイヤである。リ
ブラグ型パターンにおいても、センターリブが閉鎖溝を
有することで前記目的を達成し得ることがわかった。

【０００９】（３）前記（２）の空気入りタイヤにおい
て、前記センターリブは周方向に隣り合う閉鎖溝間に両
周方向溝に開口する連結溝を有し、該連結溝の深さが周
方向溝対比１０〜１００％の範囲内である空気入りタイ
ヤである。

【００１０】（４）前記（１）〜（３）のいずれかの空
気入りタイヤにおいて、前記閉鎖溝の面積Ａが踏面部の
パターン１ピッチ当たりに占める割合が、当該踏面部の
パターン１ピッチ当たりの面積Ｓを次式、Ｓ＝Ｐ×Ｔｗ（式中、Ｐは１ピッチの周方向長さ、Ｔｗはトレッド幅
を表す）で規定した場合、次式、Ａ／Ｓ×１００＝０．５〜２０（％）で表される関係を満足する空気入りタイヤである。この
割合が０．５％未満であると発熱耐久性の向上が十分で
はなく、一方、２０％を超えると耐摩耗性が低下し、好
ましくない。

【００１１】（５）前記（１）〜（４）のいずれかの空
気入りタイヤにおいて、前記閉鎖溝の溝深さが周方向溝
対比２０〜１００％の範囲内である空気入りタイヤであ
る。この割合が２０％未満であると発熱耐久性の向上が
十分ではなく、一方、１００％を超えると耐摩耗性が低
下し、好ましくない。

【００１２】

【発明の実施の形態】図１に、本発明の一実施の形態で
ある空気入りタイヤのトレッドの一部平面展開図を示
す。

【００１３】図示するリブラグ型パターンにおいては、
トレッドの周方向に延びる２本の周方向溝１ａ、１ｂ
と、これら周方向溝１ａ、１ｂによって画成された３本
のリブ２ａ、２ｂ、２ｃとを備えている。これらリブの
うち両側のショルダーリブ２ａ、２ｃが幅方向のラグ溝
３ａ、３ｃを有する。本発明においては、ショルダーリ
ブ間のセンターリブ２ｂが周方向に沿って複数の閉鎖溝
４を有する。この閉鎖溝４の形状は、幅方向に比し、周
方向に細長い形状とすることが好ましいが、特に制限さ
れるべきものではない。

【００１４】また、パターンの１ピッチ当たりにおける
閉鎖溝４の面積Ａが踏面部に占める割合（Ａ／Ｓ×１０
０）は０．５〜２０（％）、好ましくは１〜１０（％）
とする。

【００１５】さらに、閉鎖溝４の深さは、周方向溝対比
２０〜１００％の範囲内であることが好ましく、より好
ましくは４０〜７０％である。

【００１６】図示する好適例においては、センターリブ
２ｂが周方向に隣り合う閉鎖溝４間に両周方向溝に開口
する連結溝５を有する。この連結溝５の深さは、好まし
くは周方向溝対比１０〜１００％、より好ましくは周方
向溝対比４０〜８０％の範囲内である。この連結溝はな
くとも本発明の所期の目的を達成し得るが、図示するよ
うに設けることで、悪路走行性をより向上させることが
できる。

【００１７】本発明の他の実施の形態に係る空気入りタ
イヤは、トレッドのショルダー側からトレッド中央域に
向かって延びるラグ溝を有するラグ型パターンの空気入
りタイヤ（図示せず）である。このトレッド中央域には
周方向に延びる中央陸部が形成され、該中央陸部には、
周方向に沿って複数の閉鎖溝４を有する。この好適例に
おいても、同種のラグ型パターンのタイヤに比し、耐摩
耗性と発熱耐久性および悪路走破性との両立を図ること
ができる。

【００１８】

【実施例】以下、本発明を実施例に基づき説明する。実施例１図１、７および８に示すトレッドパターンを有するサイ
ズ１２Ｒ２２．５の空気入りラジアルタイヤを試作し
た。これらを夫々実施例１〜３とする。実施例１のタイ
ヤのトレッドパターンの各値は下記の通りであり、実施
例２および実施例３のタイヤについても基本的に実施例
１のタイヤに準じて各値を定めた。

【００１９】トレッド幅（Ｔｗ）：２３６ｍｍ周方向溝１ａ、１ｂの深さ：２１．１ｍｍ（ラグ溝３ａ、３ｃ）深さ：２１．１ｍｍ幅：３１．５ｍｍ（ショルダー端部において）（閉鎖溝４）深さ：１２．４ｍｍ（周方向溝対比５８．８％）閉鎖溝の占める割合（Ａ／Ｓ×１００）：１．６％周方向に対する角度（θ）：３０° 幅：９．３ｍｍピッチ長さＰ：７１．５ｍｍ×ＳＬ（センターリブの連結溝５）深さ：１３．９ｍｍ（周方向溝対比６５．９％）幅：１１ｍｍ

【００２０】比較例比較例のタイヤとして、閉鎖溝４およびセンターリブの
連結溝５を設ける代わりに、中央周線上に幅４．５ｍｍ
の周方向溝を設け、その他の条件は実施例１と同様に近
似させた図２に示す空気入りタイヤを試作した。

【００２１】実施例および比較例のタイヤを内圧８．７
ｋｇｆ／ｃｍ^２にて２ＤＤ形式のダンプの車両に装着し
て約１５万ｋｍの実車走行試験を行い、耐摩耗性の評価
を行った。また、泥ねい地における１０ｍまでの発進ト
ラクションタイムを測定し、評価した。更に発熱耐久性
をドラムテストにて評価した。いずれの試験も比較例の
結果を１００として指数表示した。数値が大なる程結果
が良好である。得られた結果を下記の表１に示す。

【００２２】

【表１】

【００２３】次に、閉鎖溝の深さと大きさが耐摩耗性、
発熱耐久性および悪路走破性に及ぶ影響について以下の
試験を行った。

【００２４】図３は、閉鎖溝の深さを変動させたとき
の、閉鎖溝の占める割合（Ａ／Ｓ×１００）と耐摩耗性
との関係を表したものである。このグラフから、閉鎖溝
の深さが周方向溝と同じであっても閉鎖溝の占める割合
（Ａ／Ｓ×１００）は２０％まで耐摩耗性が低下しない
ことがわかる。

【００２５】図４は、同じく閉鎖溝の深さを変動させた
ときの、閉鎖溝の占める割合（Ａ／Ｓ×１００）と発熱
耐久性との関係を表したものである。このグラフから、
閉鎖溝の深さが周方向溝対比１００％のときは閉鎖溝の
占める割合（Ａ／Ｓ×１００）が０．５％以上で発熱耐
久性の向上が認められた。また、閉鎖溝の深さが２０％
以下では発熱耐久性の向上効果はほとんど認められなか
った。

【００２６】図５は、閉鎖溝の占める割合（Ａ／Ｓ×１
００）を一定としたときの、閉鎖溝の深さと発熱耐久性
との関係を表したものである。このグラフから、閉鎖溝
の深さが周方向溝対比１００％になると発熱耐久性の向
上が頭打ちとなり、逆に図３に示すように耐摩耗性が低
下することがわかる。

【００２７】図６は、閉鎖溝の深さを変動させたとき
の、閉鎖溝の占める割合（Ａ／Ｓ×１００）と悪路走破
性との関係を表したものである。このグラフから、閉鎖
溝の深さが周方向溝対比１００％から１０％までの間で
閉鎖溝の占める割合（Ａ／Ｓ×１００）の上昇とともに
悪路走破性が向上していることがわかる。

【００２８】

【発明の効果】以上説明してきたように、主に不整地や
泥ねい地等の路面用として用いられる本発明の空気入り
タイヤにおいては、耐摩耗性と発熱耐久性および悪路走
破性とを両立させることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施の形態に係る空気入りタイヤの
トレッドの一部平面展開図である。

【図２】従来の空気入りタイヤのトレッドの一部平面展
開図である。

【図３】閉鎖溝の深さを変動させたときの、閉鎖溝の占
める割合（Ａ／Ｓ×１００）と耐摩耗性との関係を表す
グラフである。

【図４】閉鎖溝の深さを変動させたときの、閉鎖溝の占
める割合（Ａ／Ｓ×１００）と発熱耐久性との関係を表
すグラフである。

【図５】閉鎖溝の占める割合（Ａ／Ｓ×１００）を一定
としたときの、閉鎖溝の深さと発熱耐久性との関係を表
すグラフである。

【図６】閉鎖溝の深さを変動させたときの、閉鎖溝の占
める割合（Ａ／Ｓ×１００）と悪路走破性との関係を表
すグラフである。

【図７】本発明の他の実施の形態に係る空気入りタイヤ
のトレッドの一部平面展開図である。

【図８】本発明の更に他の実施の形態に係る空気入りタ
イヤのトレッドの一部平面展開図である。

【符号の説明】

１ａ，１ｂ周方向溝２ａ，２ｃショルダーリブ２ｃセンターリブ３ａ，３ｂラグ溝４閉鎖溝５センターリブの連結溝６湯溝

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】トレッドのショルダー側からトレッド中
央域に向って延びるラグ溝を有するラグ型パターンの空
気入りタイヤにおいて、トレッド中央域に周方向に延び
る中央陸部が形成され、該中央陸部には、周方向に沿っ
て複数の閉鎖溝を有することを特徴とする空気入りタイ
ヤ。
【請求項２】トレッドの周方向に延びる２本の周方向
溝と、該周方向溝によって画成された３本のリブとを備
え、前記リブのうち両側のショルダーリブがその全幅に
わたるタイヤ幅方向に沿って延びるラグ溝を有するリブ
ラグ型パターンの空気入りタイヤにおいて、ショルダー
リブ間のセンターリブが周方向に沿って複数の閉鎖溝を
有することを特徴とする空気入りタイヤ。
【請求項３】前記センターリブは周方向に隣り合う閉
鎖溝間に両周方向溝に開口する連結溝を有し、該連結溝
の深さが周方向溝対比１０〜１００％の範囲内である請
求項２記載の空気入りタイヤ。
【請求項４】前記閉鎖溝の面積Ａが踏面部のパターン
１ピッチ当たりに占める割合が、当該踏面部のパターン
１ピッチ当たりの面積Ｓを次式、Ｓ＝Ｐ×Ｔｗ（式中、Ｐは１ピッチの周方向長さ、Ｔｗはトレッド幅
を表す）で規定した場合、次式、Ａ／Ｓ×１００＝０．５〜２０（％）で表される関係を満足する請求項１〜３のうちいずれか
一項記載の空気入りタイヤ。
【請求項５】前記閉鎖溝の溝深さが周方向溝対比２０
〜１００％の範囲内である請求項１〜４のうちいずれか
一項記載の空気入りタイヤ。