JP4475756B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、空気入りタイヤ、より詳細には、トラック及びバス、トレーラ牽引用トラクタヘッドなどの重車両の冬季使用に供するブロックパターンのラジアルプライタイヤに関し、特に、氷雪上トラクション・ブレーキ性能及び氷雪上操縦安定性能の同時向上と、耐石噛み性向上とに顕著な優位性を有する空気入りタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】
上記の重車両の冬季に使用する従来タイヤのトレッドパターンの一例を、その展開図として図8に示す。図8に示すトレッドパターンは、トレッド踏面部20に、周方向に延びる4本の周方向主溝21、22と、隣合うそれぞれの周方向主溝21、22が区画形成する陸部23、24とを設け、互いに隣合う周方向主溝21、22それぞれから延びる踏面幅方向溝25、26により陸部23、24それぞれにブロック列27、28を形成するものである。また、幅方向溝26と、周方向主溝22それぞれから両側踏面端縁TEそれぞれに向け延びる幅方向枝溝29との溝底にはサイプ30を設けている。
【0003】
この種のトレッドパターンを備えるタイヤは、それまでの図9に展開図で示すトレッドパターンを典型例として備えるタイヤに比し、より優れた氷雪上トラクション・ブレーキ性能及び氷雪上操縦安定性能を発揮している。それは、図9に示すトレッドパターンは、トレッド踏面部40に、3本の周方向主溝41、42と、4本の踏面幅方向溝43、44とを設け、また、サイプに相当する極狭幅溝45をブロック46、47内部に設けているに過ぎず、これらから全溝と全サイプのトレッド周方向エッジ成分量及び踏面幅方向エッジ成分量が、図8に示すトレッドパターンの同様な両方向エッジ成分量に及ばないからである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、これまで優れた性能を発揮していた、図8に示すトレッドパターンを備えるタイヤでも、今日では、氷雪上トラクション・ブレーキ性能及び氷雪上操縦安定性能の一層の向上要求に応え得る性能レベルを有しているとは言えない。
【0005】
また、図8に示すトレッドパターンは、周方向ショルダ主溝22内に実質上連続する段下がり偏摩耗犠牲用突起リブ31を設け、この突起リブ31にタイヤ転動中に不可避的に生じるブレーキ力の多くの部分を負担させ、これにより踏面ショルダ部トレッドゴムの偏摩耗を改善する工夫を施している。しかし、突起リブ31は、その両側溝に小石を噛み込み、走行が進むにつれ、噛み込んだ小石がトレッドゴム内部に進入し、トレッドゴム欠けを引き起こす不都合も併せもつ、という問題を抱えている。
【0006】
従って、この発明の請求項1〜10に記載した発明は、上記の諸問題を全面的に解決することにあり、すなわち、氷雪上トラクション・ブレーキ性能及び氷雪上操縦安定性能の一層の向上が可能であり、加えて、耐石噛み性を改善することが可能な空気入りタイヤを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、この発明の請求項1に記載した発明は、トレッド踏面部に周方向に延びる4本の周方向主溝と、隣合うそれぞれの周方向主溝が区画形成する陸部とを有し、互いに隣合う周方向主溝それぞれから踏面幅方向に延びる横方向溝により陸部それぞれにブロック列を形成して成るブロックパターン空気入りタイヤにおいて、踏面幅方向中央で隣合う2本の中央周方向主溝間の陸部に、該主溝の溝深さの10〜60%の範囲内の溝深さを有して踏面の周方向に連通してジグザグ状に延びる周方向副溝と、2本の中央周方向主溝それぞれから踏面幅方向内側に向け延びてジグザグ状の周方向副溝の屈曲部分のうち、幅方向にて中央周方向主溝側にある屈曲部分を突き抜ける中央横方向溝とを設けて成り、中央横方向溝は、周方向主溝の溝深さの60〜100%の範囲内の溝深さを有し、周方向副溝が延びる方向に沿い、2本の中央周方向溝それぞれから延びる中央横方向溝それぞれを互い違いで配列することを特徴とする空気入りタイヤである。
【0009】
請求項1に記載した発明に関し、請求項2に記載した発明のように、周方向副溝に、溝底に沿い延びる第一のサイプを設けて成り、該サイプは、中央周方向主溝の溝深さの60〜100%の範囲内に相当する、踏面からの深さを有する。
【0010】
請求項1、2に記載した発明に関し、請求項3に記載した発明のように、2本の中央周方向主溝それぞれと、その外側で隣合う各ショルダ周方向主溝との間の陸部それぞれに、両主溝間にわたり踏面幅方向に延びて、中央で踏面周方向に沿う折れ曲がり部分をもつ第二の横方向溝を設け、かつ、該横方向溝に、溝底に沿い延びる第二のサイプを設けて成り、第二の横方向溝は、中央周方向主溝の溝深さの10〜30%の範囲内の溝深さを有し、第二のサイプは、中央周方向主溝の溝深さの30〜100%の範囲内に相当する、踏面からの深さを有する。
【0011】
請求項3に記載した発明に関し、請求項4に記載した発明のように、第二のサイプは、折れ曲がり部分と両主溝開口部分とで深底を有し、残余部分で踏面に向かい凸の山形の浅底を有する。
【0012】
請求項1〜3に記載した発明に関し、請求項5に記載した発明のように、両側の踏面端縁それぞれと各ショルダ周方向主溝との間の陸部それぞれに、該周方向主溝から踏面端縁に向かい延びて開口する第三の横方向溝を設け、かつ、該横方向溝に、溝底に沿い延びる第三のサイプを設けて成り、第三の横方向溝は、ショルダ周方向主溝の溝深さの10〜30%の範囲内の溝深さを有し、第三のサイプは、ショルダ周方向主溝の溝深さの30〜100%の範囲内に相当する、踏面からの深さを有する。
【0013】
請求項2〜5に記載した発明に関し、請求項6に記載した発明のように、踏面幅中央の円周長さの単位円周長の両端を通り、タイヤ軸線を含む二つの平面で踏面部を区切った踏面部分にて、陸部それぞれに設ける全溝及び溝底の全サイプそれぞれの踏面幅方向エッジ成分長さの総和を、上記単位円周長にて除した値が、新品タイヤから周方向主溝の50%摩耗までの間にわたり、7.3以上の値を有する。
【0014】
また、請求項2〜5に記載した発明に関し、請求項7に記載した発明のように、踏面幅中央の円周長さの所定単位円周長の両端を通り、タイヤ軸線を含む二つの平面で踏面部を区切った所定踏面部分にて、陸部それぞれに設ける全溝及び溝底の全サイプそれぞれの踏面周方向エッジ成分長さの総和を、上記単位円周長にて除した値が、新品タイヤから周方向主溝の50%摩耗までの間にわたり、7.3以上の値を有する。
【0015】
請求項1〜7に記載した発明に関し、請求項8に記載した発明のように、4本の周方向主溝に、その溝底から踏面に向け延びる石噛み防止用断続突起を設け、そして、請求項1〜8に記載した発明に関し、請求項9に記載した発明のように、4本の周方向主溝の溝縁部に、踏面幅方向に1.5〜3.0mmの範囲内で延びるサイプを設ける。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図1〜図5に示す例に基づき説明する。
図1は、この発明の空気入りタイヤの踏面部トレッドパターン展開図であり、
図2は、図1に示すII−II線に沿う断面図であり、
図3は、図1に示すIII −III 線に沿う断面図であり、
図4は、図1に示すIV−IV線に沿う断面図であり、
図5は、図1に示すV −V 線に沿う断面図である。
【0017】
図1において、空気入りタイヤ(図示省略、以下タイヤという)のトレッド踏面部1は、踏面2の周方向に延びる4本の周方向主溝3、4と、隣合うそれぞれの周方向主溝3〜3、3〜4が区画形成する陸部5、6とを有する。また、トレッド踏面部1は、互いに隣合う周方向主溝3〜3、3〜4それぞれから踏面2の幅方向(以降、幅方向と略す)に延びる横方向溝7、8を有し、これら横方向溝7、8により、陸部5、6それぞれにブロック列9、10を形成する。
【0018】
ここに、踏面2の幅方向中央で隣合う2本の中央周方向主溝3の相互間の陸部5に踏面2の周方向に延びる周方向副溝11を設け、横方向溝7は中央周方向主溝3に合わせて中央横方向溝7と呼び、更めて、2本の中央周方向主溝3それぞれから幅方向内側に向け延びて周方向副溝11を突き抜ける中央横方向溝7を設けるものとする。図2を合わせ参照し、周方向副溝11の溝深さD1 は周方向主溝3の溝深さD(図5参照、以下同じ)の10〜60%の範囲内とし、中央横方向溝7の溝深さは、周方向主溝3の溝深さの60〜100%の範囲内とする。
【0019】
周方向副溝11を設けることにより、図8に示す陸部20との対比で、陸部5の少なくとも周方向エッジ成分が増すと同時に、ブロック列9のブロック9a を幅方向に二分割するので、タイヤの氷雪上トラクション・ブレーキ性能及び氷雪上操縦安定性能が共に向上する。図1に示す周方向副溝11は、ジグザグ状溝であり、この場合は踏面2幅方向エッジ成分も増加するので氷雪上トラクション・ブレーキ性能向上に寄与する。
【0020】
このとき、2本の中央周方向溝3から延びる中央横方向溝7それぞれは、周方向副溝11が延びる向きに沿い互い違いで配列するのが適合する。これで、周方向副溝11を両側から挟むブロック9a それぞれの周方向剛性と幅方向剛性とを適度にバランスさせ、耐偏摩耗性を良好に保持する。
【0021】
さて、図1において、周方向副溝11には、副溝11の溝底に沿って延びる第一のサイプ12を設ける。図2において、サイプ12の踏面2からの深さd1 は、中央周方向主溝3の溝深さDの60〜100%の範囲内に相当する深さとする。このサイプ12の配設により、図8に示す陸部20のブロック列との対比で、陸部5にて対をなすブロック9a それぞれは、車両旋回時にトレッド踏面部1に作用するサイドフォースに対し適度に変形し、ブロック9a それぞれの、特に氷面に対するエッジ効果をより一層高める。この意味からしても、ここでは、以下に述べる溝底サイプも含めエッジ成分構成要素に加える。
【0022】
また、2本の中央周方向主溝3それぞれと、その幅方向外側で隣合う各ショルダ周方向主溝4との間の陸部6それぞれに、横方向溝8としての第二の横方向溝8を設ける。第二の横方向溝8は、両主溝3、4間にわたり幅方向に延びる一方、中央で踏面2の周方向に沿う折れ曲がり部分8b を有する。
【0023】
さらに、図1において、第二の横方向溝8に、その溝底に沿って延びる第二のサイプ13を設ける。図3において、第二の横方向溝8の溝深さD2 は、中央周方向主溝3の溝深さDの10〜30%の範囲内とし、第二のサイプ13の踏面2からの深さd2 は、中央周方向主溝の溝深さDの30〜100%の範囲内に相当する深さとする。ただし、第二のサイプ13の深さd2 は、折れ曲がり部分8bと両主溝3、4への開口部分とで深底とし、残余部分、すなわち、折れ曲がり部分8b に連なる両側部分で踏面に向かい凸の山形の浅底とするのが適合する。
【0024】
ブロック列10それぞれは、図8に示す陸部24のブロック列との対比で、周方向に2箇所の折れ曲がり箇所をもつ折れ曲がり部分8b が、周方向の踏面2表面のエッジ成分増加の効果をもたらし、折れ曲がり部分8b の溝底に沿う配設の深底の第二のサイプ13による周方向成分が、サイドフォース作用下のブロック列10のブロック10a それぞれのエッジ効果をより一層高める効果をもたらし、両者相まって、車両旋回時の操縦安定性能向上に寄与する。その一方で、第二のサイプ13の両主溝3、4への開口部分の深底部は、トラクション・ブレーキ時に、ブロック列10それぞれのブロック10a の周方向エッジ効果を高め、トラクション・ブレーキ性能向上に寄与する。なお、第二のサイプ13の浅底部分はトラクション・ブレーキ時における第二のサイプ13の底補強の役を果たす。
【0025】
また、図1において、トレッド踏面部1に、ショルダ周方向主溝4それぞれから踏面端縁TEに向かい延びて、踏面端縁TEそれぞれに開口する第三の横方向溝14を設ける。これら第三の横方向溝14により、両側の踏面端縁TEそれぞれと各ショルダ周方向主溝4との間の陸部15それぞれにブロック列16を形成する。よって、トレッド踏面部1を備えるこの発明のタイヤは、図8に示すトレッドパターンを備えるタイヤと異なり、完全なブロックパターンタイヤである。
【0026】
第三の横方向溝14に、その溝底に沿って延びる第三のサイプ17を設ける。図4において、第三の横方向溝14の溝深さD3 は、ショルダ周方向主溝4の溝深さDの10〜30%の範囲内とし、第三のサイプ17の踏面2からの深さd3は、ショルダ周方向主溝4の溝深さDの30〜100%の範囲内に相当する深さとする。ただし、第三のサイプ17の深さd3 は、中央部で深底とし、両側端部で浅底とする。
【0027】
ブロック列16それぞれは、図8に示す陸部32のリブとの対比で、特に、第三の横方向溝14それぞれを、各ショルダ周方向主溝4から各踏面端縁TEに開口させるまでの連続溝で形成しているので、特に、第三の横方向溝14の幅方向エッジ成分がより一層増加し、これにより、氷雪上でのトラクション・ブレーキ性能がより一層向上する。これに加え、第三のサイプ17の深底中央部により、氷雪上でのトラクション・ブレーキ時にブロック列16それぞれのブロック16a のエッジ効果が高まる。
【0028】
これまで述べた両方向エッジ成分の組合わせにより、幅方向エッジ成分量の増加分が、主として氷雪上トラクション・ブレーキ性能向上に機能し、周方向エッジ成分量の増加分が、主として氷雪上での車両旋回時の操縦安定性能向上に機能する。
【0029】
幅方向エッジ成分に関し、踏面2の幅中央の円周長さの単位円周長の両端を通り、タイヤ軸線を含む二つの平面で踏面部を区切った踏面部分、例えば、図1に示す踏面2の部分にて、陸部5、6、15それぞれに設ける全溝3、4、7、8、11、14及び溝底の全サイプ12、13、17それぞれの幅方向エッジ成分長さの総和ΣWe を、上記単位円周長L(図示省略)にて除した値ΣWe /Lが、新品タイヤから周方向主溝3、4の50%摩耗までの間にわたり、7.3以上の値を有するのが、氷雪上トラクション・ブレーキ性能向上に適合する。図8に示すトレッドパターンでは、上記の値ΣWe /Lに相当する値が6.4〜6.8の範囲内に止まる。
【0030】
ここで、図6に、値ΣWe /Lとトレッドゴム摩耗率との間の関係を図1に示すトレッドパターンを備える実施例タイヤと、図8に示す従来例タイヤとの間で比較評価した結果を線図として示す。図6において、縦軸は幅方向エッジ成分比の値と略記した値ΣWe /Lであり、横軸はトレッドゴム摩耗率(%)である。図6に示すように、実線で示す実施例タイヤは、破線で示す従来例タイヤに比し、ほぼ全摩耗率で幅方向エッジ成分比の値がより高い値を示し、特に、摩耗率0〜50%の範囲内で、幅方向エッジ成分比の値は、実施例タイヤが8.6〜9.8の範囲内にあるのに対し、従来例タイヤは6.4〜6.8の範囲内に止まている。このことから、図1に示すトレッドパターンを備えるタイヤは、図8に示すトレッドパターンを備えるタイヤに比し、氷雪上トラクション・ブレーキ性能が優位なレベルにあることが分かる。
【0031】
幅方向エッジ成分長さの総和ΣWe と同様に算出した、全溝3、4、7、8、11、14及び溝底の全サイプ12、13、17それぞれの周方向エッジ成分長さの総和ΣCe を、上記単位円周長Lにて除した値ΣCe /Lが、新品タイヤから周方向主溝3、4の50%摩耗までの間にわたり、7.3以上の値を有するのが、氷雪上操縦安定性能向上に適合する。図8に示すトレッドパターンでは、上記の値ΣCe /Lに相当する値が6.5〜7.0の範囲内に止まる。
【0032】
図7に図6同様な比較線図を示す。図7において、縦軸は周方向エッジ成分比の値と略記した値ΣCe /Lであり、横軸はトレッドゴム摩耗率(%)である。これからも、図1に示すトレッドパターンを備える実施例タイヤは、摩耗率が約80%まで周方向エッジ成分比の値が従来例タイヤより高い値を示し、特に、摩耗率0〜50%の範囲内で、周方向エッジ成分比の値は、実施例タイヤが7.8〜7.9の範囲内にあるのに対し、従来例タイヤは6.5〜7.0の範囲内に止まている。このことから、図1に示すトレッドパターンを備えるタイヤは、図8に示すトレッドパターンを備えるタイヤに比し、氷雪上操縦安定性能が優位なレベルにあることが分かる。
【0033】
また、4本の周方向主溝3、4に、その溝底から踏面に向け延びる石噛み防止用断続突起18を設ける。各突起18は、それぞれが独立で可動自在なように、隣合う突起18間の離隔寸法を定める。また、図5において、突起18の溝底からの高さHは、4.0〜6.0mmの範囲内に設定するのが適合する。これにより、小石が散在する路面、例えば非舗装路面を走行しても、小石の噛み込みを回避し、トレッドゴムの損傷を阻止することができる。
【0034】
4本の周方向主溝3、4の溝縁部に、踏面幅方向に1.5〜3.0mmの範囲内で延びる短いサイプ19を設ける。これにより、溝縁部から生じる偏摩耗と、その進展を抑制する。
【0035】
【実施例】
トラック及びバス用ラジアルプライタイヤで、サイズは385/65R22.5であり、実施例タイヤは図1〜図5に示すトレッドパターン構成を有する。諸元は下記の通り。
周方向主溝3、4の溝深さD=17.0mm:
中央横方向溝7の溝深さ=15.1mm:
周方向副溝11の溝深さD1 =8.5mm:
サイプ12の深さd1 =11.8mm:
第二の横方向溝8の溝深さD2 =2.9mm:
第二のサイプ13の深さd2 =14.1mm(深底)及び5.6mm(浅底最小値):
第三の横方向溝14の溝深さD3 =2.9mm:
第三のサイプ17の深さd3 =14.1mm(深底)及び9.2mm(浅底最小値):
突起18の高さH=4.9mm:
【0036】
従来例タイヤは図8に示すトレッドパターンを有する他は全て実施例タイヤと同一であり、諸元は下記の通り。
周方向主溝21、22深さ=17.0mm:
中央の分断周方向溝深さ=2.9mm:
中央分断周方向溝底サイプ深さ=11.8mm:
幅方向溝25、26、29の深さ=2.9mm:
幅方向溝26溝底サイプ30深さ=13.7mm(深底)及び5.4mm(浅底最小値):
幅方向溝29溝底サイプ30深さ=13.7mm(深底)及び8.9mm(浅底最小値):
【0037】
これらタイヤを、ETRTO STANDARD MANUAL (2000)に従い、標準リム11.75に組付け、これに900kPa の内圧を充てんし、規定荷重を大幅に超えない荷重負荷の条件でのトラックによる市場実地テストに供した。走行条件は、氷雪上の走破と、氷雪が無い舗装路面・非舗装路面走行とに分け、氷雪上性能及び耐石噛み性それぞれを比較評価した。なお、先の図6及び図7の線図は、これらタイヤと同一である。
【0038】
氷雪上走行の評価結果は、従来例タイヤを100とする指数で、数値が大なる程良いとして纏めた。その結果、実施例タイヤは、トラクション・ブレーキ性能が120であり、操縦安定性能も120である。これら実施例タイヤの指数は一般ユーザが十分に感知し得るレベルである。
【0039】
耐石噛み性の評価結果は、トレッドゴム略50%摩耗まで、走行地域及び走行距離を合わせ、その時点での石噛み状況を観察し、比較評価した結果、実施例タイヤは、従来例タイヤ対比、大幅に石噛み個数が少ないことを確認している。
【0040】
【発明の効果】
この発明の請求項1〜10に記載した発明によれば、氷雪上トラクション・ブレーキ性能及び氷雪上操縦安定性能が大幅に向上し、加えて、耐石噛み性を改善することが可能な空気入りタイヤを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の空気入りタイヤの踏面部トレッドパターン展開図である。
【図2】 図1に示すII−II線に沿う断面図である。
【図3】 図1に示すIII −III 線に沿う断面図である。
【図4】 図1に示すIV−IV線に沿う断面図である、
【図5】 図1に示すV −V 線に沿う断面図である。
【図6】 幅方向エッジ成分比の値とトレッドゴム摩耗率との関係を示す線図である。
【図7】 周方向エッジ成分比の値とトレッドゴム摩耗率との関係を示す線図である。
【図8】 従来タイヤの踏面部トレッドパターン展開図である。
【図9】 別の従来タイヤの踏面部トレッドパターン展開図である。
【符号の説明】
1 トレッド踏面部
2 踏面
3 中央周方向主溝
4 ショルダ周方向主溝
5、6 15 陸部
7 中央横方向溝
8 第二の横方向溝
9、10、16 ブロック列
11 周方向副溝
12、13、17 サイプ
14 第三の横方向溝
18 突起
19 短いサイプ
Claims (9)
- トレッド踏面部に周方向に延びる4本の周方向主溝と、隣合うそれぞれの周方向主溝が区画形成する陸部とを有し、互いに隣合う周方向主溝それぞれから踏面幅方向に延びる横方向溝により陸部それぞれにブロック列を形成して成るブロックパターン空気入りタイヤにおいて、
踏面幅方向中央で隣合う2本の中央周方向主溝間の陸部に、該主溝の溝深さの10〜60%の範囲内の溝深さを有して踏面の周方向に連通してジグザグ状に延びる周方向副溝と、2本の中央周方向主溝それぞれから踏面幅方向内側に向け延びてジグザグ状の周方向副溝の屈曲部分のうち、幅方向にて中央周方向主溝側にある屈曲部分を突き抜ける中央横方向溝とを設けて成り、中央横方向溝は、周方向主溝の溝深さの60〜100%の範囲内の溝深さを有し、周方向副溝が延びる方向に沿い、2本の中央周方向溝それぞれから延びる中央横方向溝それぞれを互い違いで配列して成ることを特徴とする空気入りタイヤ。 - 周方向副溝に、溝底に沿い延びる第一のサイプを設けて成り、該サイプは、中央周方向主溝の溝深さの60〜100%の範囲内に相当する、踏面からの深さを有する請求項1に記載したタイヤ。
- 2本の中央周方向主溝それぞれと、その外側で隣合う各ショルダ周方向主溝との間の陸部それぞれに、両主溝間にわたり踏面幅方向に延びて、中央で踏面周方向に沿う折れ曲がり部分をもつ第二の横方向溝を設け、かつ、該横方向溝に、溝底に沿い延びる第二のサイプを設けて成り、第二の横方向溝は、中央周方向主溝の溝深さの10〜30%の範囲内の溝深さを有し、第二のサイプは、中央周方向主溝の溝深さの30〜100%の範囲内に相当する、踏面からの深さを有する請求項1又は2に記載したタイヤ。
- 第二のサイプは、折れ曲がり部分と両主溝開口部分とで深底を有し、残余部分で踏面に向かい凸の山形の浅底を有する請求項3に記載したタイヤ。
- 両側の踏面端縁それぞれと各ショルダ周方向主溝との間の陸部それぞれに、該周方向主溝から踏面端縁に向かい延びて開口する第三の横方向溝を設け、かつ、該横方向溝に、溝底に沿い延びる第三のサイプを設けて成り、第三の横方向溝は、ショルダ周方向主溝の溝深さの10〜30%の範囲内の溝深さを有し、第三のサイプは、ショルダ周方向主溝の溝深さの30〜100%の範囲内に相当する、踏面からの深さを有する請求項1〜3のいずれか一項に記載したタイヤ。
- 踏面幅中央の円周長さの単位円周長の両端を通り、タイヤ軸線を含む二つの平面で踏面部を区切った踏面部分にて、陸部それぞれに設ける全溝及び溝底の全サイプそれぞれの踏面幅方向エッジ成分長さの総和を、上記単位円周長にて除した値が、新品タイヤから周方向主溝の50%摩耗までの間にわたり、7.3以上の値を有する請求項2〜5のいずれか一項に記載したタイヤ。
- 踏面幅中央の円周長さの単位円周長の両端を通り、タイヤ軸線を含む二つの平面で踏面部を区切った踏面部分にて、陸部それぞれに設ける全溝及び溝底の全サイプそれぞれの踏面周方向エッジ成分長さの総和を、上記単位円周長にて除した値が、新品タイヤから周方向主溝の50%摩耗までの間にわたり、7.3以上の値を有する請求項2〜5のいずれか一項に記載したタイヤ。
- 4本の周方向主溝に、その溝底から踏面に向け延びる石噛み防止用断続突起を設けて成る請求項1〜7のいずれか一項に記載したタイヤ。
- 4本の周方向主溝の溝縁部に、踏面幅方向に1.5〜3.0mmの範囲内で延びるサイプを設けて成る請求項1〜8のいずれか一項に記載したタイヤ。
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