JP2001052675A - アルカリ電池用セパレータ - Google Patents

アルカリ電池用セパレータ

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JP2001052675A
JP2001052675A JP11216471A JP21647199A JP2001052675A JP 2001052675 A JP2001052675 A JP 2001052675A JP 11216471 A JP11216471 A JP 11216471A JP 21647199 A JP21647199 A JP 21647199A JP 2001052675 A JP2001052675 A JP 2001052675A
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fibers
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Shigekazu Nakano
繁一 中野
Masahito Tanaka
雅人 田中
Toshiaki Taniguchi
敏昭 谷口
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Oji Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】保液率、電池特性(自己放電による容量減少、
充放電サイクルによる内部インピーダンスの上昇が少な
い、高率放電時の利用率が良い)の良好な電池セパレー
タおよび該セパレータを用いた電池を得ること。 【解決手段】ポリオレフィン系繊維と多芯型複合繊維を
主構成成分とするポリオレフィン系不織布を基材として
形成されたアルカリ電池用セパレータであって、多芯型
複合繊維は海成分と島成分からなり、(A)海成分は架橋
不溶化され、且つイオン交換基を有するポリモノビニル
芳香環化合物からなり、(B)島成分は補強用ポリマーか
らなるイオン交換基含有多芯型複合繊維であるアルカリ
電池用セパレータおよび該セパレータを用いた電池。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルカリ電池用セ
パレータに関し、特にニッケルカドミウム電池、ニッケ
ル水素電池、ニッケル亜鉛電池などのアルカリ二次電池
用セパレータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】現在、携帯電話やノートパソコンなどの
ポータブル電子機器には軽量でエネルギー密度の高い一
次、二次のアルカリ電池が多用されるようになってきて
いる。これらの電池を構成要素に分けると、大部分の電
池は、正極、負極、電解質、セパレータ、容器などから
成り立っている。電池の特性を優れたものにするために
電極の果たす役割が大きいことは勿論であり、正極、負
極の改良はもちろん必要であるが、セパレータの果たす
役割も見過すことはできない。
【0003】電池におけるセパレータの重要な役割と
は、第一に正極と負極を隔離して電気的な短絡を防止す
ることであり(電池の内部短絡防止)、第二に電解液中
のイオンの通過を妨げないこと(電池の内部抵抗抑制)
である。本発明の対象とするアルカリ電池は、電解液が
強アルカリであることから、耐アルカリ性のある素材で
なければならない。従来から耐アルカリ性と親水性を兼
備するポリアミドから成る不織布や織布がよく用いられ
てきたが、ポリアミドは、常温での耐アルカリ性はある
ものの、高温下及び長期での耐アルカリ性が劣っている
ため、特に充放電を繰り返すことで長期使用がなされる
二次電池においては、強度の低下による電池の内部短絡
が発生し易く、その対策が求められていた。
【0004】そこで、ポリアミドより更に耐アルカリ性
のあるオレフィン系樹脂、特にポリエチレンやポリプロ
ピレンなどを主構成材料とする不織布や織布の検討がな
されている。これらのセパレータは高温度での使用や長
期にわたる使用でも強度が低下せず、電池の長寿命化の
ためのセパレータとしては好ましいといえる。ところが
これらポリエチレンやポリプロピレン製のセパレータは
アルカリ電解液との親和性及びその保持性が悪いため、
このセパレータを二次電池として使用した場合、繰り返
し使用をしていると電池の内部抵抗が上昇するという新
たな問題が発生する。このため、更に親水化処理をしな
ければ、そのままでの使用はかなり難しい。
【0005】このような点を克服し、セパレータとして
使用できるよう特開昭58−194254号公報、特公
平6−101323号公報などにポリオレフィン系樹脂
にスルホン基を導入する方法、特表昭63−50307
4、特表平6−505756公報にUV照射にてビニル
単量体をグラフト重合させる方法などの種々の親水化処
理方法が提案されているが、これらの親水化処方は基材
の繊維強度を低下させる問題など、電池性能維持に対し
十分とは言い難い。更にシート化の後に化学処理を行う
ため、工程増になり製造コスト高の要因ともなってい
る。
【0006】一方、最近の電池の高容量化に対応するた
めにセパレータの薄物化に対する要望が強くなってい
る。しかし、オレフィン系樹脂、特にポリエチレンやポ
リプロピレンを材料とする従来のカード法、スパンボン
ド法などの乾式不織布や織布では地合いの点で薄物化が
難しいという問題があった。そこで、繊維の細繊化が進
められるとともに薄物セパレータ基材としての利用可能
性のある湿式不織布の検討が行われてきたが、繊維径1
0μm以下の細デニール繊維の紡糸は非常に困難である
ことから、分割型複合繊維にて繊維ウェブを形成し、そ
の後繊維を流体流にて分割させ極細にすることが提案さ
れている。例えば、特開平8−273654では繊維長
3〜25mmの分割型複合繊維にて形成した繊維ウェブ
に流体流を作用させる湿式製造法が提案されている。し
かしながら流体流による繊維分割では高圧にて流体を噴
射させるため、繊維を分割させる行為にともない地合い
の乱れが発生することが懸念されている。薄物化にシフ
トした場合この地合いの乱れはより顕著になり、電池特
性を悪化させるので大きな問題となっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記問題を解
決すべく鋭意検討した結果、セパレータ用不織布基材に
イオン交換基含有多芯型複合繊維を用いることにより、
シート化の後に特別な親水化処理をしなくても親水性の
優れたアルカリ電池用セパレータを得ることが出来るこ
とを見出した。さらに、上記繊維を微細化して使用する
ことにより、良好な地合を得ることで、電池特性が更に
向上したセパレータが得られることを見出した。さらに
また本発明のセパレータを用いたアルカリ二次電池が、
優れた電池性能を有することを見出した。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の発明は、
ポリオレフィン系繊維と多芯型複合繊維を主構成成分と
するポリオレフィン系不織布を基材として形成されたア
ルカリ電池用セパレータであって、多芯型複合繊維は海
成分と島成分からなり、(A)海成分は架橋不溶化され、
且つイオン交換基を有するポリモノビニル芳香環化合物
からなり、(B)島成分は補強用ポリマーからなるイオン
交換基含有多芯型複合繊維であるアルカリ電池用セパレ
ータに関するものである。本発明の第2の発明は、上記
第1の発明においてイオン交換基含有多芯型複合繊維は
あらかじめ微細化された繊維であるアルカリ電池用セパ
レータに関するものである。本発明の第3の発明は、上
記第1又は第2の発明においてイオン交換基がカチオン
交換基であるアルカリ電池用セパレータに関するもので
ある。本発明の第4の発明は、上記第1〜第3のいずれ
かの発明のセパレータを用いたアルカリ二次電池に関す
るものである。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明のイオン交換基含有多芯型
複合繊維は、繊維軸方向にいずれの繊維断面を切っても
同じ多芯構造をしている。すなわち、本発明の基材とな
る多芯型複合繊維は、成分ポリマーを溶剤に溶解して湿
式紡糸または乾式紡糸する方法、又は1成分を他の成分
溶液中にエマルジョン化してエマルジョン紡糸する方
法、あるいは両者をチップ混合して溶融紡糸する方法等
によって得られる繊維断面におけるポリマーの混合状
態、形状が不特定である多芯型混合繊維とは全く異な
る。
【0010】本発明において多芯型複合繊維としては海
成分と島成分からなり、(A)海成分は架橋不溶化され、
且つイオン交換基を有するポリモノビニル芳香環化合物
からなり、(B)島成分は補強用ポリマーからなるイオン
交換基含有多芯型複合繊維が用いられる。このようなイ
オン交換基含有多芯型複合繊維は耐久性、親水性に優
れ、セパレータの材料としてきわめて有用である。
【0011】本発明においてイオン交換基含有多芯型複
合繊維の島成分の働きは、該複合繊維の強度保持、ひい
てはセパレータとしての耐久性にある。島成分に用いら
れる補強用ポリマーとしては、ポリエステル、ポリアミ
ド、ポリ−α−オレフィン等のホモ重合体、又はこれら
の共重合体、ブレンド体が用いられる。その中でも耐薬
品性に優れたポリ−α−オレフィンが最も好ましく用い
られる。ポリ−α−オレフィンとしてはポリプロピレ
ン、ポリエチレン、ポリ−3−メチルブテン−1、ポリ
−4−メチルペンテン−1などが好ましく用いられる。
【0012】本発明においてイオン交換基含有多芯型複
合繊維の海成分の働きはそこに導入されたイオン交換基
によって、セパレータに親水性を付与することにある。
海成分としては、イオン交換基を導入し得るポリモノビ
ニル芳香環族化合物が用いられる。ここに言うポリモノ
ビニル芳香環化合物とは、次の構造式 CH2=C(R)A を有するモノビニル芳香族化合物の単独重合体ならびに
共重合体を意味する。ここにいうRは水素又はアルキル
基であり、Aは芳香核上に置換基を入れうる位置を有す
るアリール基である。ポリモノビニル芳香環化合物とし
てはスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、
ビニルキシレン、クロルメチルスチレンなどのホモ重合
体、これら二種以上の共重合体もしくは他の不活性モノ
マーとの共重合体およびグラフト重合体又はこれらのブ
レンド体が好ましく用いられる。さらに、海成分はこれ
らのポリモノビニル芳香環化合物以外に、前記補強用ポ
リマーとのブレンド体であってもよい。この場合、補強
用ポリマーのブレンド比が大きくなるほど繊維にしまり
ができ、耐久性、強靭性に優れた繊維が得られるが、逆
に反応速度、吸液性が低下する。
【0013】本発明においてポリモノビニル芳香環化合
物に導入されるイオン交換基とはアニオン交換基、キレ
ート形成能を有するキレート基、カチオン交換基等を意
味し、その導入方法としては公知の方法を用いることが
できる。これらのイオン交換基は該化合物中に単独で導
入されていても良いし、組み合わせて導入されていても
良い。たとえば一つの化合物中にアニオン交換基、カチ
オン交換基が導入されていても良い。また異なるイオン
交換基が導入されている化合物をブレンドしたものでも
よい。アニオン交換基としては、ハロアルキル系をトリ
メチルアミン、ジメチルアミノエタノール等の第三級ア
ミンで処理することによって得られる強塩基性アニオン
交換基、及びイソプロピルアミン、ジエチルアミン、ピ
ペラジン、モルホリン等の二級以下のアミンで処理する
ことによって得られる弱塩基性アニオン交換基が好まし
く用いられる。キレート基としてはキレート形成官能基
であれば特に限定されないが、イミノジ酢酸基、イミノ
ジプロピオン酸基を有する官能基が好ましく用いられ
る。カチオン交換基としては、クロロスルホン酸、濃硫
酸、発煙硫酸等でスルホン化することによって得られる
強酸性基、三塩化リンと反応した後加水分解することに
よって得られるホスホン酸型の中酸性カチオン交換基、
あるいはカルボン酸型の弱酸性カチオン交換基が好まし
く用いられる。
【0014】これらのなかでもカチオン交換基を使用す
ることが好ましい。アルカリ電池で起こる自己放電と
は、電解液中に存在する不純物に起因するイオンが移動
することで生じる電極反応が原因であるため、セパレー
タにそのイオンを保持する性質を持たせれば自己放電が
防止できるため好ましい。アルカリ電池で特に多いのが
硝酸根などのアニオン性イオンであるため、そのセパレ
ータはスルホン基のようなカチオン交換基を持つセパレ
ータが特に好ましい。特開平7−278963号公報に
は、易スルホン化繊維を含むポリオレフィン系繊維シー
ト状物に対し、濃硫酸溶液中に浸漬してスルホン化する
ことが開示されているが、架橋していないために、耐ア
ルカリ性が劣る。
【0015】また本発明においては海成分であるイオン
交換基を導入し得るポリモノビニル芳香環化合物が架橋
不溶化していることが必要である。該イオン交換基を導
入し得るポリモノビニル芳香環化合物が架橋不溶化して
いないと、海成分が溶出して、イオン交換性能を失った
り、極度に膨潤して繊維が損傷され、加工性、耐久性が
低下するので用いることが出来ない。本発明の複合繊維
を架橋不溶化する方法は公知の方法を用いることができ
るが、ホルムアルデヒド源が含有されている硫酸−水も
しくは硫酸−飽和脂肪酸中で架橋不溶化する方法が望ま
しい。特にホルムアルデヒド源が含有されている硫酸−
飽和脂肪酸中で架橋不溶化する方法は副反応がほとんど
なく最も好ましい。
【0016】本発明のイオン交換基含有多芯型複合繊維
において島成分および海成分の割合はそれぞれ、繊維重
量当り20〜80重量%および80〜20重量%の範囲
である。島成分の割合が20%より少なくなる(海成分
が80%を越える)とイオン交換繊維としての機械的強
度が小さくなり、一方島成分が80%を越える(海成分
が20%より小さくなる)と島成分が繊維表面に露出し
やすくなったり、イオン交換基量の大きい繊維が得られ
なくなるので親水性が低下し、いずれの場合も好ましく
ない。島の個数には特に限定はないが、耐久性の面から
多い方が望ましく、特に5個以上が好ましい。
【0017】本発明はポリオレフィン系繊維とイオン交
換基含有多芯型複合繊維を主構成成分とするポリオレフ
ィン系不織布を基材として形成されたアルカリ電池用セ
パレータである。本発明のポリオレフィン系繊維として
は、繊維径が1〜30μmまでのポリエチレン、ポリプロ
ピレン、ポリプロピレンとポリエチレンとの共重合体等
を用いることが出来、繊維の形態は特に限定されず、チ
ョップ、パルプ、あるいはサイドバイサイド型、芯鞘型
の複合繊維などを使用することができる。本発明におい
ては、これらのポリオレフィン系繊維の一部がイオン交
換基含有多芯型複合繊維の全部と共に骨格繊維として働
き、ポリオレフィン系繊維の残余の部分がバインダー成
分として機能する。したがって基本的にはポリオレフィ
ン系繊維とイオン交換基含有多芯型複合繊維のみによっ
てポリオレフィン系不織布を構成することが出来るが、
要求される性能により、さらに、あるいは別に他のバイ
ンダー成分を加えてもよい。これらのバインダー成分と
してはたとえばPE/PP鞘芯繊維などのバインダー繊
維、エポキシ樹脂などの樹脂バインダーがあげられる。
【0018】アルカリ電池用セパレータとして問題なく
使用できるためには、本発明のイオン交換基含有多芯型
複合繊維が、固形分として不織布シート中に5〜70重
量%、好ましくは10〜60%含まれる必要がある。
【0019】本発明においてアルカリ電池用セパレータ
の基材となる不織布を製造する方法は特に限定されない
が、乾式カード法、湿式抄紙法が好ましい。中でも湿式
抄紙法は、生産速度が乾式カード法に比べて速く、同一
装置で、繊維径の異なる繊維や複数の種類の繊維を任意
の割合で混合できる利点がある。また繊維の形態も、ス
テープル状、パルプ状等と選択の幅は広く、使用可能な
繊維径も7μm以下の極細繊維から太い繊維まで使用可
能で、他の方法に比べ極めて良好な地合のウェブが得ら
れる方法であり、特に好ましい。
【0020】また、前記イオン交換基含有多芯型複合繊
維は特別な処理をすることなく、そのまま他の不織布基
材の成分と混合して使用することも可能であるが、本繊
維をあらかじめ微細化し、微細化されたイオン交換基含
有多芯型複合繊維を用いてシート化すると、親水性の付
与と同時に目止めとしての効果も得られるため、いっそ
う均一な地合を有する不織布基材を得ることができる。
本繊維は不織布基材を湿式抄紙する前にあらかじめ微細
化することが好ましく、その方法は特に限定されない
が、例えば分割型複合繊維を抄紙用のレファイナーで微
細化する方法や、ホモジナイザーを使用して微細化する
方法等を用いる事が出来る。分割型複合繊維を用いて繊
維ウェブを形成し、その後繊維を流体流にて分割させて
極細繊維にする方法は、繊維分割では高圧にて流体を噴
射させるため、繊維を分割させる行為にともない地合い
の乱れが発生することが懸念されるので好ましくない。
【0021】本発明においてはあらかじめ微細化したイ
オン交換基含有多芯型複合繊維を使用することでシート
地合の向上、さらにシートに対し親水基が均一に分散す
るため電池特性を向上させることができる。多芯型複合
繊維を微細化する効果を得るためには、該繊維の重量平
均繊維長4.0〜0.2mm、平均繊維径約25〜1μ
m、カナディアンフリーネス700〜250mlとする
ことが好ましい。かかる微細化にて得られる効果は、重
量平均繊維長4.0mm、平均繊維径約25μm、カナ
ディアンフリーネス700ml程度から微細化が進むに
つれ、高くなる。しかしながら、微細化が過ぎるとシー
ト強度の低下、さらにはシート作製工程での歩留まり低
下を招き、コスト面での問題も発生してしまう。したが
って、かかる微細化の範囲は、重量平均繊維長4.0〜
0.2mm、平均繊維径約25〜1μm、カナディアン
フリーネス700〜250mlであることが好ましい。
【0022】本発明のセパレータは、特開昭62−11
5657、特開平1−146270、特開平9−283
108号などの公報に記載されているようなアルカリ二
次電池に利用できる。正極活物質としては、NiOOH
(オキシ水酸化ニッケル)、AgO、CuO、MnO2
などがあるが、NiOOHが放電電圧の安定性の点から
好ましい。正極の作り方としては例えば、上記活物質を
主成分とし、結着剤、導電助剤を添加したペースト状物
を発泡式ニッケル、パンチングメタル、金属繊維シート
などからなる集電体に塗布、または焼結し、加圧するこ
とで厚さをコントロールすることが一般的である。負極
活物質としては、発熱型金属(A)と吸熱型金属(B)
の組合せによって得られる水素吸蔵合金(AB型、AB
2型、AB5型、A2B型)、Cd(カドミウム)が好まし
い。負極の作り方としては、正極と同様、上記活物質を
主成分として、結着剤、導電助剤を添加したペースト状
物を発泡式ニッケル、パンチングメタル、金属繊維シー
トなどからなる集電体に塗布、または焼結し、加圧する
ことで厚さをコントロールすることが一般的である。こ
れらの電池としては負極に水素吸蔵合金、正極にオキシ
水酸化ニッケルを用いたニッケル−水素蓄電池、負極に
カドミウム、正極にオキシ水酸化ニッケルを用いたニッ
ケル−カドミウム電池などが挙げられる。
【0023】
【実施例】以下に、本発明のセパレータの実施例を記載
するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではな
い。
【0024】実施例1 ポリスチレン50重量%が海成分に、ポリプロピレン5
0部が島成分になるように250℃で溶融複合紡糸(島
の数16)した後、5〜6倍に延伸した。延伸糸をパラ
ホルムアルデヒド5重量%、酢酸25重量%、濃硫酸7
0重量%からなる架橋液に浸し80℃で4時間架橋反応
を行い、海成分のポリスチレンを架橋不溶化した。架橋
糸をクロルスルホン酸の5%トリクレン溶液中に浸し
て、15℃で2時間反応処理し、酢酸、メタノール水溶
液で洗浄した。次に2Nの水酸化ナトリウム水溶液中に
浸して、50℃で1時間加水分解することによってカチ
オン交換基含有多芯型複合繊維を得た。繊維径は30μ
mであった。尚、カット長は任意に選ぶことができる。
【0025】水中にSWPY-600(ポリプロピレン繊維:三
井石油化学製)を濃度1%となるよう分散し、次いでホ
モジナイザー(M8)を使用し、500kg/cm2×5パス処理
し、重量平均繊維長0.5mm、平均繊維径2μm、カ
ナディアンフリーネス480ml、濃度1%の分散液Aを
得た。次に水600gをステンレスバットに計量し、繊
度0.7d,カット長5mmのポリプロピレンチョップ(商
品名:PZ,ダイワボウ社製)4gおよび繊度0.7d,
カット長5mmのポリプロピレン/ポリエチレン芯鞘繊維
(商品名:NBFスター220,ダイワボウ社製)4g、繊維
径30μm、平均繊維長2mmの上記イオン交換基含有
多芯型複合繊維4g、分散濃度2%で分散し、ポリオレ
フィン分散液を得た(分散液B)。
【0026】分散液A:分散液B=1:2の割合で分取
し、さらに水で10倍に希釈する。さらに粘剤としてポ
リエチレンオキサイド(商品名:PEO−PF,住友精
化社製)を極少量添加し、密度0.25g/cm3、目
付40g/m2の湿式不織布シートを手漉きした。得ら
れたシートをドラムドライヤで乾燥し、電池セパレータ
を得た。
【0027】実施例2 水中に実施例1で得られたカチオン交換基含有多芯型複
合繊維(繊維径30μm、繊維長5mm)を濃度1%と
なるように分散し、次いでホモジナイザー(M8)を使用
し、500kg/cm2×7パス処理し、重量平均繊維長0.
5mm、平均繊維径約10μm、カナディアンフリーネス
520ml、濃度1%の分散液Cを得た。水1000gを
ステンレスバットに繊度0.7d,カット長5mmのポリプ
ロピレンチョップ(商品名:PZ,ダイワボウ社製)5
g、繊度1.0d,カット長5mmのポリプロピレン/ポ
リエチレン芯鞘繊維(商品名:NBFスター220,ダイワボウ
社製)5gからなる濃度1%の分散液を得た(分散液
D)。 分散液C:分散液D=1:1の割合で分取し、さらに水
で10倍に希釈する。さらに粘剤としてポリエチレンオ
キサイド(商品名:PEO−PF,住友精化社製)を極
少量添加し、密度0.30g/cm3、目付40g/m2
の湿式不織布シートを手漉きし、電池セパレータを得
た。
【0028】実施例3 実施例1で得られた架橋糸をクロルメチルエーテル85
重量%と塩化第二スズ15重量%からなる溶液に浸し、
30℃で1時間反応した。反応終了後、10%塩酸、蒸
留水、アセトンで洗浄した。クロルメチル化糸を30%
トリメチルアミン水溶液に浸して、30℃で1時間アミ
ノ化することによってアニオン交換基含有多芯型複合繊
維を得た。繊維径は30μmであった。尚、カット長は
任意に選ぶことができる。この繊維を濃度1重量%で分
散した分散液を得た。(分散液E) 分散液A:分散液B:分散液Eを1:2:1の割合で分
取し、さらに水で10倍に希釈する。さらに粘剤として
ポリエチレンオキサイド(商品名:PEO−PF,住友
精化社製)を極少量添加し、密度0.30g/cm3
目付40g/m2の湿式不織布シートを手漉きした。得
られたシートをドラムドライヤで乾燥し、電池セパレー
タを得た。
【0029】実施例4 実施例2の分散液Cの代わりにカチオン交換基含有多芯
型複合繊維としてTIN-100(東レ社製;スルホン酸型)を
濃度1%で分散(分散液F)とする以外、実施例2と同
様にして、密度0.35g/cm3、目付43g/m2
湿式不織布シートを手漉きし、電池セパレータを得た。
【0030】比較例1 溶融粘度270ポイズのポリプロピレンと、溶融粘度6
40ポイズ、重量平均分子量15万で、可塑剤としてエ
チレングリコールを4重量%添加し、100℃のガラス
転移温度を90℃に低下させた、シンジオタクチック構
造(85%以上)を有するポリスチレンとを1:1の重量
比率で、別々に溶融させた後、300℃に加熱された、
芯鞘型の横断面を有する内部オリフィスの芯部分からポ
リプロピレン溶融液を、鞘成分からポリスチレン溶融液
を押し出した後、これら溶融液を複合し、円形断面の紡
糸オリフィスから紡出した後、速度600m/分で巻き
取った。次いで、3倍延伸し、10個/インチの巻縮を
付与して、芯成分がポリプロピレンで、鞘成分がポリス
チレンからなる、断面円形の易スルホン化繊維(繊維径2
0μm、繊維長10mm)を得た。
【0031】この易スルホン化繊維20重量%とポリプ
ロピレン(芯)−ポリエチレン(鞘)からなる同心円状の
芯鞘型複合繊維(繊維径20μm、繊維長10mm)80
重量%とを混合し1重量%で分散し、さらに水で10倍
に希釈する。さらに粘剤としてポリエチレンオキサイド
(商品名:PEO−PF,住友精化社製)を極少量添加
し、密度0.30g/cm3、目付40g/m2の湿式不
織布シートを手漉きした。得られたシートをドラムドラ
イヤで乾燥し、セパレータ基材を得た。得られた繊維ウ
ェブをクロルスルホン酸中の5%トリクレン溶液中に浸
して、15℃で2時間反応処理し、酢酸、メタノールで
洗浄した。次に2Nの水酸化ナトリウム水溶液に浸し
て、50℃で1時間加水分解、その後乾燥しスルホン化
した電池セパレータを得た。
【0032】比較例2 水1000gをステンレスバットに計量し、繊度0.7
d、カット長5mmのポリプロピレンチョップ(商品
名:PZ、ダイワボウ製)5g及び繊度0.7d、カッ
ト長5mmのポリプロピレン/ポリエチレン芯鞘繊維
(商品名:NBFスター220、ダイワボウ製)5gを
計量し、分散濃度1%で分散し、ポリオレフィン系繊維
分散液を得た(分散液F)。
【0033】分散液A:分散液F=1:2ので分取し、
さらに水で10倍に希釈し、粘剤としてポリエチレンオ
キサイド(商品名:PEO−PF3 、住友精化製)を極
少量添加し、密度0.30g/cm3 、目付40g/m
2 の湿式不織布シ−トを手漉きした。得られたシートを
ドラムドライヤで乾燥し、電池セパレータ基材を得た。
次にアクリル酸63重量%、トリアリルイソシアヌレー
ト5重量%、光重合開始剤である1−(4−イソプロピ
ルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−
1−オン(商品名:ダラカー1116、メルク社製)5
重量%、水27重量%の溶液を含浸し、次に、500W
の中圧水銀UVランプ(ハノヴィア・タイプUVS50
0)の照射下、上記溶液を含浸した基材を通過させて光
重合した。照射後、メタノール中、及び水中で洗浄し、
未反応モノマー、光重合開始剤を除去した後乾燥して、
電池セパレーターを得た。
【0034】比較例3 繊度2d、カット長15mmのEDC(ポリエチレン/
ポリプロピレン 17分割繊維:チッソ製)を使用し、
湿式法により繊維ウェブを形成した。次いで、この融着
した繊維ウェブを水圧80kg/cm2の水流により分
割型複合繊維を分割すると同時に絡合した後乾燥し、密
度0.40g/cm3 、目付65g/m2の電池セパレ
ータ基材を得た。このセパレータ基材を比較例2と同様
に親水化処理して、電池セパレータを得た。
【0035】以上得られた7種類の電池セパレータを以
下の試験方法にて評価した結果を表1に示す。
【0036】試験方法 (1)保液率 10cm×10cmのサンプルを採取し小数点以下4桁
まで秤量する。(W1) 次に、30%KOH中に浸漬し、2分後サンプルを引き
上げ、2分間液体を切り、重量を測定する。(W2) 保液率(%)=100×(W2−W1)/W1 得られた保液率を表1に示す。 (2)自己放電による容量保持率(%)の測定 このようにして得られた湿式不織布をサブCサイズ密閉
型ニッケル水素電池(公称容量2500mAH)に組込
み10個作成し、特性が安定した後、0.2C,120
%充電し容量(Q1)を測定、再度0.2C,120%
充電し、その後45℃で2週間放置したのちの残存容量
(Q2)を測定する。引き続いて再度0.2Cで,12
0%充電し容量(Q3)を測定する。 自己放電による容量保持率(%)=2Q2/(Q1+Q
3) (3)電池のインピーダンスの測定 同様にして作成したサブCサイズ密閉型ニッケル水素電
池(公称容量2500mAH)に組込み10個作成し、
特性が安定した後、25℃の条件で、0.2C、120
%充電、0.2C、120%放電で500サイクル充放
電を繰り返した後、0.2Cで充電したとき電池のイン
ピーダンスを測定する。 (4)高率放電特性 0.2C,120%充電し、0.1Cにて放電した時の
放電容量に対し、同条件で2.0Cで放電した時の放電
容量の比を測定して求め、その値を高率放電時の利用率
(%)とした。 (5)引張強度の測定 同様にして作成した湿式不織布をJIS L1096
(一般織物試験方法)に準じ、定速伸長形引張試験機を
用い、つかみ間隔は50mm、引張り速度は毎分20±
2cmとして、MD(縦目)の引張強度を測定し表1に
示す。 (6)地合の測定 作成した湿式不織布の地合は目視にて判定を行なった。
【0037】
【表1】
【0038】
【発明の効果】上記の如く本発明に係るセパレータは、
保液率、電池特性(自己放電による容量減少、充放電サ
イクルによる内部インピーダンスの上昇が少ない、高率
放電時の利用率が良い)に良好な電池セパレータであ
る。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリオレフィン系繊維と多芯型複合繊維を
    主構成成分とするポリオレフィン系不織布を基材として
    形成されたアルカリ電池用セパレータであって、多芯型
    複合繊維は海成分と島成分からなり、(A)海成分は架橋
    不溶化され、且つイオン交換基を有するポリモノビニル
    芳香環化合物からなり、(B)島成分は補強用ポリマーか
    らなるイオン交換基含有多芯型複合繊維であるアルカリ
    電池用セパレータ。
  2. 【請求項2】イオン交換基含有多芯型複合繊維はあらか
    じめ微細化された繊維である請求項1に記載のアルカリ
    電池用セパレータ。
  3. 【請求項3】イオン交換基がカチオン交換基である請求
    項1又は2に記載のアルカリ電池用セパレータ。
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれかのセパレータを用
    いたアルカリ二次電池。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009035132A1 (ja) * 2007-09-13 2009-03-19 Nitto Denko Corporation 電池用セパレータとこれを有する非水リチウムイオン二次電池

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WO2009035132A1 (ja) * 2007-09-13 2009-03-19 Nitto Denko Corporation 電池用セパレータとこれを有する非水リチウムイオン二次電池
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