JP2001048579A - シリカリン酸スズ系ガラス及び封着材料 - Google Patents
シリカリン酸スズ系ガラス及び封着材料Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 鉛成分を含有しなくても、従来の封着用ガラ
スと同等の特性を有するガラスを提供する。 【解決手段】 ＳｎＯ、ＳｉＯ2及びＰ2Ｏ5を主成分と
し、モル％表示でＳｎＯ３０〜８０％、ＳｉＯ2 ５．
５〜２０％、Ｐ2Ｏ5 １０〜５０％の組成を有すること
を特徴とする。
スと同等の特性を有するガラスを提供する。 【解決手段】 ＳｎＯ、ＳｉＯ2及びＰ2Ｏ5を主成分と
し、モル％表示でＳｎＯ３０〜８０％、ＳｉＯ2 ５．
５〜２０％、Ｐ2Ｏ5 １０〜５０％の組成を有すること
を特徴とする。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明はシリカリン酸スズ系
ガラスと、これを用いた封着材料に関するものである。
ガラスと、これを用いた封着材料に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】ガラス、セラミック、金属等を封着する
ための材料として、ガラスを使用した封着材料が開発さ
れている。
ための材料として、ガラスを使用した封着材料が開発さ
れている。
【０００３】強固な封着部を形成するためには、封着工
程において、封着用ガラスが被封着物の表面を十分に濡
らす温度まで加熱する必要がある。ところが電子部品の
封着においては、封着温度をできる限り低く維持するこ
とが求められるので、このような用途には鉛ホウ酸系の
低融点ガラスを利用した封着材料が主として用いられて
おり、特に封着温度が４３０〜５００℃で、熱膨張係数
が７０〜１００×１０ -7／℃の材料が広く使用されてい
る。
程において、封着用ガラスが被封着物の表面を十分に濡
らす温度まで加熱する必要がある。ところが電子部品の
封着においては、封着温度をできる限り低く維持するこ
とが求められるので、このような用途には鉛ホウ酸系の
低融点ガラスを利用した封着材料が主として用いられて
おり、特に封着温度が４３０〜５００℃で、熱膨張係数
が７０〜１００×１０ -7／℃の材料が広く使用されてい
る。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、最近で
は環境問題の観点から、封着用ガラスから鉛を除くこと
が強く求められるようになった。
は環境問題の観点から、封着用ガラスから鉛を除くこと
が強く求められるようになった。
【０００５】本発明の目的は、鉛成分を含有しなくて
も、従来の封着用ガラスと同等の特性を有するガラス
と、これを用いた封着材料を提供することである。
も、従来の封着用ガラスと同等の特性を有するガラス
と、これを用いた封着材料を提供することである。
【０００６】
【課題を解決するための手段】鉛を含まない封着用ガラ
スとして、リン酸スズ系ガラスが提案されているが、こ
の系のガラスはＰ2 Ｏ5 をガラス形成酸化物として多量
に含有しているために、１）従来の封着用ガラスに比べ
て機械的強度が劣る、２）耐候性が悪い、等のリン酸塩
ガラス特有の欠点が現れやすく、未だ実用化されるに到
っていない。
スとして、リン酸スズ系ガラスが提案されているが、こ
の系のガラスはＰ2 Ｏ5 をガラス形成酸化物として多量
に含有しているために、１）従来の封着用ガラスに比べ
て機械的強度が劣る、２）耐候性が悪い、等のリン酸塩
ガラス特有の欠点が現れやすく、未だ実用化されるに到
っていない。
【０００７】本発明者は上記事情を考慮して種々の実験
を行った結果、主要なガラス形成酸化物としてＰ2Ｏ5と
同時にＳｉＯ2を使用することによって、ガラスの機械
的強度が増大し、また耐候性が向上することを見いだ
し、本発明として提案するものである。
を行った結果、主要なガラス形成酸化物としてＰ2Ｏ5と
同時にＳｉＯ2を使用することによって、ガラスの機械
的強度が増大し、また耐候性が向上することを見いだ
し、本発明として提案するものである。
【０００８】即ち、本発明のシリカリン酸スズ系ガラス
は、ＳｎＯ、ＳｉＯ2及びＰ2Ｏ5を主成分とし、モル％
表示でＳｎＯ ３０〜８０％、ＳｉＯ2 ５．５〜２０
％、Ｐ2Ｏ5 １０〜５０％の組成を有することを特徴と
する。
は、ＳｎＯ、ＳｉＯ2及びＰ2Ｏ5を主成分とし、モル％
表示でＳｎＯ ３０〜８０％、ＳｉＯ2 ５．５〜２０
％、Ｐ2Ｏ5 １０〜５０％の組成を有することを特徴と
する。
【０００９】ガラスの主成分であるＳｎＯ、ＳｉＯ2及
びＰ2Ｏ5の含有量をこのように限定した理由を以下に述
べる。
びＰ2Ｏ5の含有量をこのように限定した理由を以下に述
べる。
【００１０】ＳｎＯはガラスを低融点化させる成分であ
る。ＳｎＯが３０％より少ないとガラスの粘性が高くな
って封着温度が高くなりすぎ、８０％を超えるとガラス
化しなくなる。なおＳｎＯの好適な範囲は４０〜６０％
である。
る。ＳｎＯが３０％より少ないとガラスの粘性が高くな
って封着温度が高くなりすぎ、８０％を超えるとガラス
化しなくなる。なおＳｎＯの好適な範囲は４０〜６０％
である。
【００１１】ＳｉＯ2はガラス形成酸化物である。Ｓｉ
Ｏ2が５．５％より少ないと、ガラスの機械的強度の増
大、耐候性の改善、といったＳｉＯ2の優れた効果が十
分発揮されず、２０％より多いとガラスの粘性が高くな
りすぎる。なおＳｉＯ2の好適な範囲は５．５〜１０％
である。
Ｏ2が５．５％より少ないと、ガラスの機械的強度の増
大、耐候性の改善、といったＳｉＯ2の優れた効果が十
分発揮されず、２０％より多いとガラスの粘性が高くな
りすぎる。なおＳｉＯ2の好適な範囲は５．５〜１０％
である。
【００１２】Ｐ2Ｏ5はガラス形成酸化物である。Ｐ2Ｏ5
が１０％より少ないとガラス化せず、５０％より多いと
上記したリン酸塩ガラス特有の欠点が顕著になる。なお
Ｐ2Ｏ5の好適な範囲は２４．１〜４０％である。
が１０％より少ないとガラス化せず、５０％より多いと
上記したリン酸塩ガラス特有の欠点が顕著になる。なお
Ｐ2Ｏ5の好適な範囲は２４．１〜４０％である。
【００１３】また本発明のガラスは、ＳｎＯ、ＳｉＯ2
及びＰ2Ｏ5を主成分とするが、これら以外にも他の成分
を添加することが可能である。ただしこの場合には、こ
れら３成分が合量で６０重量％以上であることが好まし
い。添加可能な成分として、例えばＺｎＯ、Ｂ2Ｏ3、Ａ
ｌ2Ｏ5、ＷＯ3、ＭｏＯ3 、Ｎｂ2Ｏ5、ＴｉＯ2、ＺｒＯ
2、Ｒ2Ｏ（ＲはＬｉ、Ｎａ、Ｋ及び／又はＣｓ）、Ｃｕ
Ｏ、ＭｎＯ、Ｒ’Ｏ（Ｒ’はＭｇ、Ｃａ、Ｓｒ及び／又
はＢａ）等のガラスを安定化させる成分を含有させるこ
とができる。なおこれら安定化成分の含有量が合量で４
０％を超えると、主成分であるＳｎＯ、ＳｉＯ2及びＰ2
Ｏ5の合量が６０％以下となるため、ガラスが不安定に
なって成形時に失透しやすくなり好ましくない。
及びＰ2Ｏ5を主成分とするが、これら以外にも他の成分
を添加することが可能である。ただしこの場合には、こ
れら３成分が合量で６０重量％以上であることが好まし
い。添加可能な成分として、例えばＺｎＯ、Ｂ2Ｏ3、Ａ
ｌ2Ｏ5、ＷＯ3、ＭｏＯ3 、Ｎｂ2Ｏ5、ＴｉＯ2、ＺｒＯ
2、Ｒ2Ｏ（ＲはＬｉ、Ｎａ、Ｋ及び／又はＣｓ）、Ｃｕ
Ｏ、ＭｎＯ、Ｒ’Ｏ（Ｒ’はＭｇ、Ｃａ、Ｓｒ及び／又
はＢａ）等のガラスを安定化させる成分を含有させるこ
とができる。なおこれら安定化成分の含有量が合量で４
０％を超えると、主成分であるＳｎＯ、ＳｉＯ2及びＰ2
Ｏ5の合量が６０％以下となるため、ガラスが不安定に
なって成形時に失透しやすくなり好ましくない。
【００１４】安定化成分の含有量及びその限定理由を以
下に述べる。
下に述べる。
【００１５】ＺｎＯはガラスを安定化させる働きの他
に、熱膨張係数を低下させる効果があり、その含有量は
０〜３５％、特に３〜２５％が好ましい。ＺｎＯが３５
％より多いとガラスの結晶化傾向が激しくなって流動性
が低下しやすくなる。
に、熱膨張係数を低下させる効果があり、その含有量は
０〜３５％、特に３〜２５％が好ましい。ＺｎＯが３５
％より多いとガラスの結晶化傾向が激しくなって流動性
が低下しやすくなる。
【００１６】Ｂ2Ｏ3の含有量は０〜２０％、特に０〜１
０％、さらに好ましくは０〜４．９％が望ましい。Ｂ2
Ｏ3が２０％を超えるとガラスの粘性が高くなりやす
い。
０％、さらに好ましくは０〜４．９％が望ましい。Ｂ2
Ｏ3が２０％を超えるとガラスの粘性が高くなりやす
い。
【００１７】Ａｌ2Ｏ3の含有量は０〜１０％、特に０〜
５％が好ましい。Ａｌ2Ｏ3が１０％を超えるとガラスの
粘性が高くなりやすい。
５％が好ましい。Ａｌ2Ｏ3が１０％を超えるとガラスの
粘性が高くなりやすい。
【００１８】ＷＯ3及びＭｏＯ3の含有量は何れも０〜２
０％、特に０〜１０％が好ましい。これらの成分が各々
２０％を超えるとガラスの粘性が高くなりやすい。
０％、特に０〜１０％が好ましい。これらの成分が各々
２０％を超えるとガラスの粘性が高くなりやすい。
【００１９】Ｎｂ2Ｏ5、ＴｉＯ2及びＺｒＯ2の含有量は
何れも０〜１５％、特に０〜１０％が好ましい。これら
の成分が各々１５％を超えるとガラスの結晶化傾向が激
しくなりやすい。
何れも０〜１５％、特に０〜１０％が好ましい。これら
の成分が各々１５％を超えるとガラスの結晶化傾向が激
しくなりやすい。
【００２０】Ｒ2Ｏの含有量は０〜３５％、特に０〜１
５％が好ましい。Ｒ2Ｏが３５％を超えるとガラスの結
晶化傾向が激しくなりやすい。
５％が好ましい。Ｒ2Ｏが３５％を超えるとガラスの結
晶化傾向が激しくなりやすい。
【００２１】ＣｕＯ及びＭｎＯの含有量は何れも０〜１
０％、特に０〜５％が好ましい。これらの成分が各々１
０％を超えるとガラスが不安定になりやすい。
０％、特に０〜５％が好ましい。これらの成分が各々１
０％を超えるとガラスが不安定になりやすい。
【００２２】Ｒ’Ｏの含有量は０〜１５％、特に０〜１
０％である。Ｒ’Ｏが１５％を超えるとガラスが不安定
になりやすい。
０％である。Ｒ’Ｏが１５％を超えるとガラスが不安定
になりやすい。
【００２３】またガラスを低融点化させる目的でＦを含
有させることができる。この場合、Ｆの含有量はモル比
でＦ／（Ｆ＋Ｏ）≦０．３、特にＦ／（Ｆ＋Ｏ）≦０．
１の関係を満たす範囲にあることが好ましい。Ｆ／（Ｆ
＋Ｏ）の値が０．３より大きくなるとガラスが不安定に
なりやすい。
有させることができる。この場合、Ｆの含有量はモル比
でＦ／（Ｆ＋Ｏ）≦０．３、特にＦ／（Ｆ＋Ｏ）≦０．
１の関係を満たす範囲にあることが好ましい。Ｆ／（Ｆ
＋Ｏ）の値が０．３より大きくなるとガラスが不安定に
なりやすい。
【００２４】さらにガラス転移点の上昇を抑える目的で
Ｂ2Ｏ3とＰ2Ｏ5の含有割合を、Ｂ2Ｏ3／Ｐ2Ｏ5＜０．２
０とすることが好ましい。
Ｂ2Ｏ3とＰ2Ｏ5の含有割合を、Ｂ2Ｏ3／Ｐ2Ｏ5＜０．２
０とすることが好ましい。
【００２５】以上の組成を有するガラスは、２５０〜３
５０℃のガラス転移点を有し、５００℃以下の温度で良
好な流動性を示す。また３０〜２５０℃において９０〜
１５０×１０-7／℃程度の熱膨張係数を有する。
５０℃のガラス転移点を有し、５００℃以下の温度で良
好な流動性を示す。また３０〜２５０℃において９０〜
１５０×１０-7／℃程度の熱膨張係数を有する。
【００２６】このような特性を有する本発明のシリカリ
ン酸スズ系ガラスは、熱膨張係数が適合する材料に対し
ては単独で封着材料として使用できる。一方、熱膨張係
数が適合しない材料、例えばアルミナ（７０×１０-7／
℃）や窓板ガラス（８０×１０-7／℃）を封着する場合
には、低膨張材料からなる耐火性フィラー粉末を加えて
複合化することにより使用できる。また熱膨張係数の調
整以外にも、例えば機械的強度の向上のために耐火性フ
ィラー粉末を添加することができる。
ン酸スズ系ガラスは、熱膨張係数が適合する材料に対し
ては単独で封着材料として使用できる。一方、熱膨張係
数が適合しない材料、例えばアルミナ（７０×１０-7／
℃）や窓板ガラス（８０×１０-7／℃）を封着する場合
には、低膨張材料からなる耐火性フィラー粉末を加えて
複合化することにより使用できる。また熱膨張係数の調
整以外にも、例えば機械的強度の向上のために耐火性フ
ィラー粉末を添加することができる。
【００２７】なお耐火性フィラー粉末を混合する場合、
その混合量はガラス粉末５０〜１００体積％、フィラー
粉末０〜５０体積％に限定される。これはフィラー粉末
が５０体積％より多いと、相対的にガラス粉末の割合が
低くなりすぎて、封着材料として必要な流動性が得られ
なくなるためである。また耐火性フィラー粉末としては
種々の材料が使用でき、例えばコージエライト、ジルコ
ン、二酸化錫、五酸化ニオブ、リン酸ジルコニウム、ウ
イレマイト、ムライト等が挙げられる。中でもコージエ
ライト、二酸化錫、五酸化ニオブ等がガラスとの相性が
よいため好適である。
その混合量はガラス粉末５０〜１００体積％、フィラー
粉末０〜５０体積％に限定される。これはフィラー粉末
が５０体積％より多いと、相対的にガラス粉末の割合が
低くなりすぎて、封着材料として必要な流動性が得られ
なくなるためである。また耐火性フィラー粉末としては
種々の材料が使用でき、例えばコージエライト、ジルコ
ン、二酸化錫、五酸化ニオブ、リン酸ジルコニウム、ウ
イレマイト、ムライト等が挙げられる。中でもコージエ
ライト、二酸化錫、五酸化ニオブ等がガラスとの相性が
よいため好適である。
【００２８】
【発明の実施の形態】本発明のシリカリン酸スズ系ガラ
スを用いた封着材料を作製するには、まず上記組成を有
するように原料を調合し、溶融してガラス化する。溶融
はＳｎＯがＳｎＯ2に酸化されないように留意する必要
がある。このためＮ2中で溶融する等、非酸化性雰囲気
で溶融すると効果的である。その後、溶融ガラスを成形
し、粉砕、分級する。さらに必要に応じて耐火性フィラ
ー粉末を添加して混合することにより、封着材料を得る
ことができる。
スを用いた封着材料を作製するには、まず上記組成を有
するように原料を調合し、溶融してガラス化する。溶融
はＳｎＯがＳｎＯ2に酸化されないように留意する必要
がある。このためＮ2中で溶融する等、非酸化性雰囲気
で溶融すると効果的である。その後、溶融ガラスを成形
し、粉砕、分級する。さらに必要に応じて耐火性フィラ
ー粉末を添加して混合することにより、封着材料を得る
ことができる。
【００２９】このようにして作製した封着材料の使用例
を示す。まず被封着物の接着表面に封着材料を塗布す
る。塗布するに当たっては、封着材料をペースト状にし
て使用すればよい。その後、ガラスが被封着物の接着表
面を濡らすのに十分な条件で焼成することにより、被封
着物同士を封着することができる。なお溶融の場合と同
様に、非酸化性雰囲気で焼成すると効果的である。
を示す。まず被封着物の接着表面に封着材料を塗布す
る。塗布するに当たっては、封着材料をペースト状にし
て使用すればよい。その後、ガラスが被封着物の接着表
面を濡らすのに十分な条件で焼成することにより、被封
着物同士を封着することができる。なお溶融の場合と同
様に、非酸化性雰囲気で焼成すると効果的である。
【００３０】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明を詳細に説明
する。
する。
【００３１】（実施例１）表１〜４は本発明の実施例
（試料Ｎｏ．１〜１６）を示している。
（試料Ｎｏ．１〜１６）を示している。
【００３２】
【表１】
【００３３】
【表２】
【００３４】
【表３】
【００３５】
【表４】
【００３６】各試料は次のようにして調製した。まず表
の組成を有するように原料を調合し、アルミナるつぼを
使用して、空気中又はＮ2 中で７５０〜９００℃で１〜
２時間溶融した。空気中で溶融を行うときは、るつぼに
ふたをして溶融した。次いで溶融ガラスを水冷ローラー
に通して薄板状に成形し、ボールミルにて粉砕後、目開
き１０５μｍの篩を通過させて、平均粒径約１０μｍの
ガラス粉末とした。
の組成を有するように原料を調合し、アルミナるつぼを
使用して、空気中又はＮ2 中で７５０〜９００℃で１〜
２時間溶融した。空気中で溶融を行うときは、るつぼに
ふたをして溶融した。次いで溶融ガラスを水冷ローラー
に通して薄板状に成形し、ボールミルにて粉砕後、目開
き１０５μｍの篩を通過させて、平均粒径約１０μｍの
ガラス粉末とした。
【００３７】次に各試料のガラス転移点、熱膨張係数、
及び流動性を評価した。その結果、本発明の実施例であ
るＮｏ．１〜１６の各試料は、ガラス転移点が２５０〜
３２０℃であり、３０〜２５０℃における熱膨張係数が
１０３〜１３０×１０-7／℃であり、２２．５〜２６．
０ｍｍの流動径を示し、良好な流動性を有していた。
及び流動性を評価した。その結果、本発明の実施例であ
るＮｏ．１〜１６の各試料は、ガラス転移点が２５０〜
３２０℃であり、３０〜２５０℃における熱膨張係数が
１０３〜１３０×１０-7／℃であり、２２．５〜２６．
０ｍｍの流動径を示し、良好な流動性を有していた。
【００３８】なおガラス転移点は示差熱分析（ＤＴＡ）
により、熱膨張係数は押棒式熱膨張測定装置により求め
た。流動性は次のようにして評価した。まずガラスの真
比重に相当する重量のガラス粉末を金型により外径２０
ｍｍのボタン状にプレスした。次にこのボタンを窓板ガ
ラスの上に乗せた後、空気中で表記の焼成温度まで１０
℃／分の速度で昇温してその温度に１０分間保持した。
その後、流動したボタンの直径を測定した。
により、熱膨張係数は押棒式熱膨張測定装置により求め
た。流動性は次のようにして評価した。まずガラスの真
比重に相当する重量のガラス粉末を金型により外径２０
ｍｍのボタン状にプレスした。次にこのボタンを窓板ガ
ラスの上に乗せた後、空気中で表記の焼成温度まで１０
℃／分の速度で昇温してその温度に１０分間保持した。
その後、流動したボタンの直径を測定した。
【００３９】（実施例２）実施例１で作製した試料Ｎ
ｏ．１のガラス粉末とコージエライト粉末を、体積％で
ガラス粉末７５％、コージエライト粉末２５％の割合で
混合して封着材料とした。
ｏ．１のガラス粉末とコージエライト粉末を、体積％で
ガラス粉末７５％、コージエライト粉末２５％の割合で
混合して封着材料とした。
【００４０】得られた材料について、実施例１と同様に
して熱膨張係数及び流動性を評価した。その結果、３０
〜２５０℃における熱膨張係数が７５×１０-7／℃であ
り、窓板ガラスの封着に適した値であった。また流動径
は２３．０ｍｍであり、良好な流動性を示すことが分か
った。
して熱膨張係数及び流動性を評価した。その結果、３０
〜２５０℃における熱膨張係数が７５×１０-7／℃であ
り、窓板ガラスの封着に適した値であった。また流動径
は２３．０ｍｍであり、良好な流動性を示すことが分か
った。
【００４１】なお使用したコージエライト粉末は、次の
ようにして調製した。まず化学量論の組成（２ＭｇＯ・
２Ａｌ2 Ｏ3 ・５ＳｉＯ2 ）を有するガラスを粉砕し
て、目開き１０５μｍの篩を通過させた。次いでこのガ
ラス粉末を１３５０℃で１０時間加熱し、結晶化物を作
製した。その後、この結晶化物を粉砕して、目開き４５
μｍの篩を通過させ、コージエライト粉末を得た。
ようにして調製した。まず化学量論の組成（２ＭｇＯ・
２Ａｌ2 Ｏ3 ・５ＳｉＯ2 ）を有するガラスを粉砕し
て、目開き１０５μｍの篩を通過させた。次いでこのガ
ラス粉末を１３５０℃で１０時間加熱し、結晶化物を作
製した。その後、この結晶化物を粉砕して、目開き４５
μｍの篩を通過させ、コージエライト粉末を得た。
【００４２】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のシリカリ
ン酸スズ系ガラスは、２５０〜３２０℃のガラス転移点
を有し、５００℃以下で良好な流動性を示す。さらにリ
ン酸塩ガラス特有の欠点もない。それゆえ従来品と同等
の性能を有する非鉛系封着材料を作製することが可能で
ある。また封着用途以外にも、例えばプラズマディスプ
レイのバリアリブ形成材料や誘電体形成材料等、種々の
用途に使用することが可能である。
ン酸スズ系ガラスは、２５０〜３２０℃のガラス転移点
を有し、５００℃以下で良好な流動性を示す。さらにリ
ン酸塩ガラス特有の欠点もない。それゆえ従来品と同等
の性能を有する非鉛系封着材料を作製することが可能で
ある。また封着用途以外にも、例えばプラズマディスプ
レイのバリアリブ形成材料や誘電体形成材料等、種々の
用途に使用することが可能である。
【００４３】本発明の封着材料は、低温封着が可能であ
り、またフィラーを使用して種々の材料と適合した熱膨
張係数に調整することが可能である。それゆえ磁気ヘッ
ド、陰極線管、プラズマディスプレイ、蛍光表示管等の
電子部品に使用されている鉛系封着材料の代替品として
好適である。
り、またフィラーを使用して種々の材料と適合した熱膨
張係数に調整することが可能である。それゆえ磁気ヘッ
ド、陰極線管、プラズマディスプレイ、蛍光表示管等の
電子部品に使用されている鉛系封着材料の代替品として
好適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Ｆターム(参考） 4G062 AA08 AA09 AA15 BB01 CC10 DA03 DA04 DB01 DC01 DD04 DD05 DE01 DF01 EA01 EA10 EB01 EC01 ED01 EE01 EF01 EG01 FA01 FB01 FC01 FD01 FE05 FE06 FF01 FG01 FH01 FJ01 FK01 FL01 GA01 GA10 GB01 GC01 GD01 GE01 HH01 HH03 HH05 HH07 HH09 HH11 HH13 HH15 HH17 HH20 JJ01 JJ03 JJ05 JJ07 JJ10 KK01 KK03 KK05 KK07 KK10 MM09 MM10 MM12 NN29 NN32 PP01 PP05 PP09
Claims (4)
- 【請求項１】 ＳｎＯ、ＳｉＯ2及びＰ2Ｏ5を主成分と
し、モル％表示でＳｎＯ ３０〜８０％、ＳｉＯ2
５．５〜２０％、Ｐ2Ｏ5 １０〜５０％の組成を有する
ことを特徴とするシリカリン酸スズ系ガラス。 - 【請求項２】 ＳｎＯ、ＳｉＯ2及びＰ2Ｏ5の含有量が
合量で６０重量％以上であることを特徴とする請求項１
のシリカリン酸スズ系ガラス。 - 【請求項３】 ＳｎＯ、ＳｉＯ2及びＰ2Ｏ5を主成分と
するシリカリン酸スズ系ガラス粉末５０〜１００体積％
と耐火性フィラー粉末０〜５０体積％からなり、シリカ
リン酸スズ系ガラス粉末がモル％表示でＳｎＯ ３０〜
８０％、ＳｉＯ2 ５．５〜２０％、Ｐ2Ｏ5 １０〜５
０％の組成を有することを特徴とする封着材料。 - 【請求項４】 シリカリン酸スズ系ガラス粉末は、Ｓｎ
Ｏ、ＳｉＯ2及びＰ2Ｏ5の含有量が合量で６０重量％以
上であることを特徴とする請求項３の封着材料。
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