JP2001047921A - 乗物用シートへのモニタ取付枠及びこれを用いたモニタ付き乗物用シート - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 自動車シート等の乗物用シートに液晶モニタ
等のモニタ装置を外観良く簡易に取り付けることの可能
な乗物用シートへのモニタ取付枠を提供すること。 【解決手段】 シート背面５に取り付ける下枠１１とこ
の下枠１１に連結し中央にモニタ装置７露出用の開口１
２ａを有する上枠１２とを備える。これら上枠１２及び
下枠１１は、その間にモニタ装置７を挟持可能であり、
上枠１２はその周囲にシート背面５側に張り出す鍔１２
ｂを備えている。下枠１１が上枠１２側に突出するフラ
ンジ１１ａを有する一方、上枠１２が下枠１１側に向か
って張出部１２ｃを有し、フランジ１１ａに形成した孔
１１ｂに張出部１２ｃに形成した突起１２ｄを係合させ
ることで、上枠１２と下枠１１とを連結してある。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、自動車シート等の
乗物用シートの背面に液晶モニタ等のモニタ装置を取り
付けるための乗物用シートへのモニタ取付枠に関するも
のである。

【０００２】

【従来の技術】従来、自動車シートへモニタ装置を取り
付けるに際しては、例えば、実開平２−１２８１８５号
公報に記載の如く、ヘッドレストの支持棒に治具を設け
て、モニタをシート本体の背面又はシートの側面側に張
り出させるような構成が採用されている。

【０００３】また、自動車シートのヘッドレストにモニ
タ装置を直接的に取り付けるに当たっては、ヘッドレス
トに穴を開けてクッション材を一部除去し、モニタ装置
を挿入してからその周囲にパテ等を埋め込む工程を行っ
ている。

【０００４】しかし、前者の構成においては、シート外
にモニタ装置が張り出す不都合があり、後者にあって
は、パテ等による埋め込み作業が繁雑で且つ外観不良と
なる問題があった。

【０００５】なお、乗物用シートではなく、自動車のイ
ンストルメントパネルに液晶モニタを取り付けるに関し
ては、特開平９−１７１３６０号公報に記載の如く、ハ
ウジングに固定した液晶モニタにカバーケースを取り付
ける構成が知られている。同構成には勿論カバーケース
とシートとの関係は記載されていない。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】かかる従来の実情に鑑
みて、本発明は、自動車シート等の乗物用シートに液晶
モニタ等のモニタ装置を外観良く簡易に取り付けること
の可能な乗物用シートへのモニタ取付枠を提供すること
にある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明に係る乗物用シートへのモニタ取付枠の特徴
は、自動車シート等の乗物用シートの背面に液晶モニタ
等のモニタ装置を取り付けるための構成であって、前記
シート背面に取り付ける下枠とこの下枠に連結し中央に
前記モニタ装置露出用の開口を有する上枠とを備え、こ
れら上枠及び下枠はその間に前記モニタ装置を挟持可能
であり、前記上枠はその周囲に前記シート背面側に張り
出す鍔を備えていることにある。

【０００８】本特徴によれば、まず、下枠をシート背面
に取り付けてから、この下枠と上枠との間にモニタ装置
を挟持するので、モニタ装置を確実且つ簡易にシート背
面に取り付けることができる。しかも、上枠がその周囲
に前記シート背面側に張り出す鍔を備えているので、上
枠とシート背面との間に鍔が介在して外観が良好とな
る。

【０００９】ここで、前記下枠が前記上枠側に突出する
フランジを有する一方、前記上枠が前記下枠側に向かっ
て張出部を有し、前記フランジに形成した孔に前記張出
部に形成した突起を係合させることで、前記上枠と前記
下枠とを連結するように構成してもよい。

【００１０】前記フランジは前記下枠のほぼ全周に設け
てもよい。また、前記張出部の前記突起は、前記フラン
ジの外面側から前記孔に係合するように構成するとよ
い。

【００１１】一方、上述の乗物用シートへのモニタ取付
枠を用いたモニタ付き乗物用シートの特徴構成は、前記
シート背面に形成した穴に前記下枠を挿入したことにあ
る。

【００１２】このモニタ付き乗物用シートを組み立てる
に際しては、前記シート背面が表皮を有するものを用
い、前記穴に前記下枠を挿入してからその上に前記表皮
を被せ、さらに前記モニタ装置を載置するとよい。ま
た、前記シートが心材と弾性材とを有し、前記下枠と前
記心材とを取付具により互いに引き寄せてこれらの間の
前記弾性材を圧縮することにより前記下枠を前記シート
に取り付けてもよい。

【００１３】

【発明の効果】このように、上記本発明に係る乗物用シ
ートへのモニタ取付枠の特徴によれば、下枠と上枠との
間へモニタ装置を挟持し且つ鍔を上枠とシート背面との
間に介在させることで、自動車シート等の乗物用シート
に液晶モニタ等のモニタを外観良く簡易に取り付けるこ
とが可能となった。

【００１４】

【発明の実施の形態】次に、図１〜図３を参照しなが
ら、本発明の第一実施形態について説明する。モニタ付
き乗物用シート１は大略、乗物用シートの一例である自
動車シート２とモニタ装置７とモニタ取付枠１０とを備
えている。自動車シート２は、シート本体３の上部に二
本の支持棒４ａ，４ａで連結されたヘッドレスト４を備
えており、ヘッドレスト４の後側であるシート背面５に
モニタ装置７がモニタ取付枠１０を介して取り付けれて
いる。また、ヘッドレスト４の下面からモニタ装置７に
接続するコード７ａがシート本体３内に誘導されてい
る。

【００１５】ヘッドレスト４は、支持棒４ａに連結され
る合成樹脂等により成型された心材４ｂと、その周囲に
設けたウレタンスポンジ等よりなる弾性材４ｃと、弾性
材４ｃの周囲を取り囲む革又は布製の表皮４ｄとを備え
ている。本実施形態では、シート背面５側の表皮４ｄに
切れ目を形成して、弾性材４ｃの一部を除去することに
より穴６を形成し、この穴６内に表皮４ｄの上からモニ
タ装置７をモニタ取付枠１０により取り付ける。

【００１６】モニタ取付枠１０は、互いに連結してモニ
タ装置７を挟持することの可能な下枠１１と上枠１２と
を有している。下枠１１は、鋼板、アルミニウム板また
は硬質のプラスチック等で形成され、全周に、フランジ
１１ａを有してる。また、左右のフランジ１１ａ，１１
ａには上枠１２連結用の孔１１ｂ，１１ｂを連結してあ
る。また、下枠１１の底板部にはヘッドレスト４への取
付具を挿通するための小孔１１ｃを複数形成し、さらに
先のコード７ａを引き出すためのコード孔１１ｄを開口
してある。

【００１７】一方、上枠１２は、安全のため、例えば弾
性を有する合成樹脂などで形成され、中央部にはモニタ
ー露出用の開口１２ａを形成してある。また、周囲には
全周にわたって先のシート背面５側に張り出す鍔１２ｂ
を設けてある。さらに、上枠１２の左右における鍔１２
ｂの内側からは鍔１１ｂ，１１ｂにそれぞれ向かってシ
ート背面５側に張り出す張出部１２ｃ，１２ｃを設け、
それらの対向部に孔１１ｂ，１１ｂにそれぞれ係止する
楔形の突起１２ｄ，１２ｄを形成してある。なお、フラ
ンジ１２ａ回りの縁部はモニタ装置７を押さえるための
押さえ部１２ｅとして機能する。

【００１８】ここで、ヘッドレスト４のシート背面５に
モニタ装置７を取り付ける手順について説明する。ま
ず、図２に示すように、シート背面５の表皮４ｄにＸ字
状に切れ目を入れる。そして、弾性材４ｃを一部除去し
て穴６を形成し、表皮４ｄの上から穴６内に下枠１１を
半分程度埋め込む。小孔１１ｃに取付ねじ１３を貫通さ
せ心材４ｂに螺合させることで下枠１１と心材４ｂとの
間の弾性材４ｃを弾性変形させて下枠１１を穴６に固定
する。

【００１９】次に、フランジ１１ａの内側とモニタ装置
７との間にゴム等で形成された緩衝材８を介在させて、
モニタ装置７と下枠１１との間のがたつきを防止する。
その後、モニタ装置７の上から上枠１２を被せ、張出部
１２ｃの突起１２ｄの斜面を利用して突起１２ｄをフラ
ンジ１１ａの外側から下方に移動させ、左右の突起１２
ｄ，１２ｄをそれぞれ孔１１ｂ，１１ｂに嵌合させる。
上枠１２は押さえ部１２ｅでモニタ装置７の表面に接当
し、弾性変形してモニタ装置７をシート背面５に固定す
る。鍔１２ｂはシート背面５の表面位置に応じて適宜突
出量を調節するように削ればよいが、その先端を少しだ
け表皮４ｄ表面に食い込ませるようにすることで、外観
を良好に保つことができる。

【００２０】次に、図４及び図５を参照しながら本発明
の第二実施形態について説明する。なお、先の実施形態
と同様の部材には同様の符号を付し、上記第一実施形態
と異なる部分のみ記載する。

【００２１】本実施形態では、孔１１ｂがフランジ１１
ａの四隅に分散配置されている。また、下枠１１は穴６
内にほぼその全てが埋め込まれ、また、表皮４ｄが下枠
１１上に被せられてから表皮４ｄ上にモニタ装置７が配
置される。上枠１２の張出部１２ｃも孔１１ｂに対応し
て上枠１２の四隅に配置され、フランジ１１ａに内側か
ら接当し各突起１２ｄが外側に突出するように各孔１１
ｂに嵌合し、張出部１２ｃを孔１１ｂに係止する。緩衝
材８及び表皮４ｄにより下枠１１に対するモニタ装置７
のがたつきが規制される。

【００２２】図６，７に示す第三実施形態では、シート
背面５に穴６や表皮４ｄの切れ目を形成しない点が先の
第一及び第二実施形態とは異なる。本実施形態では、心
材４ｅが支持棒４ａと一体のコ字状に屈曲された鋼棒よ
りなる。そして、心材４ｅに弾性材４ｃを巻き付けその
外面を表皮４ｄで覆っている。

【００２３】下枠１１の底面には一対の凹部１１ｅ，１
１ｅを形成してあり、さらに各凹部１１ｅには取付ワイ
ヤ１４を挿通するための二つの貫通孔を形成してある。
そして、心材４ｅに二本の取付ワイヤ１４，１４を掛け
わたすと共に各凹部１１ｅ，１１ｅの孔に取付ワイヤ１
４，１４を挿通し、取付ワイヤ１４を締め上げて閉じる
ことにより、下枠１１と心材４ｅとの間に弾性材４ｃを
挟み込んでその弾性変形に伴う反発力によりシート背面
５上に下枠１１を固定する。鍔１２ｂは、先の実施形態
より長くなっており、上枠１２はシート背面５の上側へ
他の第一及び第二実施形態よりも突出することになる。
但し、シート背面５に形成されるのは小さな取付ワイヤ
１４挿通用の孔に過ぎず、ヘッドレスト４の傷みを最小
限に抑制できる利点がある。

【００２４】最後に、本発明の他の実施形態の可能性に
ついて列挙する。上記実施形態では、本発明の自動車シ
ートに対するモニター取付枠として実施したが列車や飛
行機等のシートに対する取付枠として構成してもよい。

【００２５】上記実施形態では、自動車用シートに対し
後付け用のモニタ取付枠１０として本発明を実施した。
もちろん、本発明はあらかじめ工場等でモニタ装置を取
り付ける用途にも用いられるが、本発明は特に後付用モ
ニタの取付枠として有用である。

【００２６】上記各実施形態では、張出部１２ｃは２箇
所または４箇所に局所的に突出させていた。しかし、こ
の張出部１２ｃ及び上枠１２は、上枠１２の周囲に連続
するフランジ状のものとして構成し、突起１２ｄを局所
的に突出させるだけでも構わない。

【００２７】上記実施形態では、モニタ装置７と下枠１
１の間に緩衝材８や表皮４ｄを設けた。しかし、これら
表皮４ｄや緩衝材８を設けずにモニタ装置７と下枠１１
とを互いにがたつかないように直接接触させても構わな
い。

【００２８】上記実施形態では、鍔１２ｂを上枠１２の
全周に対して連続する構成とした。しかし、鍔１２ｂに
スリットを多数形成したり、鍔１２ｂに多数の孔を形成
してもよい。すなわち、上枠１２の側面が外観上良好と
なるように鍔を設ければ足りる。

【００２９】上記実施形態によれば、下枠１１と上枠１
２との連結手段を孔１１ｂと張出部１２ｃ及び突起１２
ｄとで構成したが、これらの連結手段は突起や孔に限定
されるものではない。

【００３０】なお、特許請求の範囲の項に記入した符号
は、あくまでも図面との対照を便利にするためのものに
すぎず、該記入により本発明は添付図面の構成に限定さ
れるものではない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係るモニタ付き乗物用シートの斜視図
である。

【図２】ヘッドレスト、モニタ装置及びモニタ取付枠の
関係を示す分解斜視図である。

【図３】図１のＡ−Ａ線断面図である。

【図４】本発明に係る第二実施形態を示す図２相当図で
ある。

【図５】第二実施形態に係る図３相当図である。

【図６】本発明の第三実施形態を示す下枠とヘッドレス
トとの関係を示す分解斜視図である。

【図７】本発明の第三実施形態に係る図３相当図であ
る。

【符号の説明】

１ モニタ付き乗物用シート ２ 自動車シート（乗物用シート） ３ シート本体 ４ ヘッドレスト ４ａ 支持棒 ４ｂ 心材 ４ｃ 弾性材 ４ｄ 表皮 ４ｅ 心材 ５ シート背面 ６ 穴 ７ モニタ装置 ７ａ コード ８ 緩衝材 １０ モニタ取付枠 １１ 下枠 １１ａ フランジ １１ｂ 孔 １１ｃ 小孔 １１ｄ コード孔 １１ｅ 凹部 １２ 上枠 １２ａ 開口（モニタ露出用） １２ｂ 鍔 １２ｃ 張出部 １２ｄ 突起 １２ｅ 押さえ部 １３ 取付ねじ １４ 取付ワイヤ

フロントページの続き (51)Int.Cl.⁷ 識別記号 ＦＩ テーマコート゛(参考） Ｇ０９Ｆ 21/04 Ｇ０９Ｆ 21/04 Ｌ

Claims (7)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 自動車シート等の乗物用シート（２）の
   背面（５）に液晶モニタ等のモニタ装置（７）を取り付
   けるための乗物用シートへのモニタ取付枠であって、前
   記シート背面（５）に取り付ける下枠（１１）とこの下
   枠（１１）に連結し中央に前記モニタ装置（７）露出用
   の開口（１２ａ）を有する上枠（１２）とを備え、これ
   ら上枠（１２）及び下枠（１１）はその間に前記モニタ
   装置（７）を挟持可能であり、前記上枠（１２）はその
   周囲に前記シート背面（５）側に張り出す鍔（１２ｂ）
   を備えている乗物用シートへのモニタ取付枠。
2. 【請求項２】 前記下枠（１１）が前記上枠（１２）側
   に突出するフランジ（１１ａ）を有する一方、前記上枠
   （１２）が前記下枠（１１）側に向かって張出部（１２
   ｃ）を有し、前記フランジ（１１ａ）に形成した孔（１
   １ｂ）に前記張出部（１２ｃ）に形成した突起（１２
   ｄ）を係合させることで、前記上枠（１２）と前記下枠
   （１１）とを連結してある請求項１に記載の乗物用シー
   トへのモニタ取付枠。
3. 【請求項３】 前記フランジ（１１ａ）を前記下枠（１
   １）のほぼ全周に設けてある請求項１又は２のいずれか
   に記載の乗物用シートへのモニタ取付枠。
4. 【請求項４】 前記張出部（１２ｃ）の前記突起（１２
   ｄ）が前記フランジ（１１ａ）の外面側から前記孔（１
   １ｂ）に係合する前記請求項１〜３のいずれかに記載の
   乗物用シートへのモニタ取付枠。
5. 【請求項５】 請求項１〜４のいずれかに記載の乗物用
   シートへのモニタ取付枠を用いたモニタ付き乗物用シー
   トであって、前記シート背面（５）に形成した穴（６）
   に前記下枠（１１）を挿入してあるモニタ付き乗物用シ
   ート。
6. 【請求項６】 請求項５に記載のモニタ付き乗物用シー
   トであって、前記シート背面（５）が表皮（４ｄ）を有
   し、前記穴（６）に前記下枠（１１）を挿入してからそ
   の上に前記表皮（４ｄ）を被せ、さらに前記モニタ装置
   （７）を載置するモニタ付き乗物用シート。
7. 【請求項７】 請求項１〜４のいずれかに記載の乗物用
   シートへのモニタ取付枠を用いたモニタ付き乗物用シー
   トであって、前記シート（２）が心材（４ｂ，ｅ）と弾
   性材（４ｃ）とを有し、前記下枠（１１）と前記心材
   （４ｂ，４ｅ）とを取付具（１３，１４）により互いに
   引き寄せてこれらの間の前記弾性材（４ｃ）を圧縮する
   ことにより前記下枠（１１）を前記シート（２）に取り
   付けてあるモニタ付き乗物用シート。