JP2001042131A - 導光板及びその製造方法 - Google Patents

導光板及びその製造方法

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JP2001042131A
JP2001042131A JP11214959A JP21495999A JP2001042131A JP 2001042131 A JP2001042131 A JP 2001042131A JP 11214959 A JP11214959 A JP 11214959A JP 21495999 A JP21495999 A JP 21495999A JP 2001042131 A JP2001042131 A JP 2001042131A
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Kazuyo Ishimaru
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 長期耐熱性、耐光性、透明性に優れた車両搭
載用に好適な導光板及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 脂環式構造含有重合体100重量部に対
し、酸化防止剤を0.3〜3重量部配合した樹脂組成物
であって、厚みが3mmの成形体としたときの厚み方向
におけるヘイズ値が1%以下となるような樹脂組成物か
らなる導光板。また、脂環式構造含有重合体100重量
部に対し、酸化防止剤を0.05〜0.2重量部の添加
量で配合した成形材料(A)と、脂環式構造含有重合体
100重量部に対し、酸化防止剤を1.5〜30重量部
の添加量で配合した成形材料(B)とを、重量比率で、
(A):(B)=4:1〜99:1の範囲内で混合した
成形材料(C)を用いて溶融成形することにより導光板
を製造する方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、長期耐熱性、耐光
性及び透明性に優れ、しかも車両搭載用の表示装置に好
適な導光板及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】導光板は、液晶表示素子(LCD)等の
バックライト装置(面状光源装置)に使用される光学部
品の一つであり、例えば、エッジライト方式において
は、導光板の側面から入射した光源の光を、LCDに対
して垂直方向に出射させる役割を有する。このような導
光板は、パーソナルコンピュータの液晶表示装置のバッ
クライトに組み込まれて室内で使用される場合や、カー
ナビゲーション液晶表示装置のバックライトに組み込ま
れて自動車等の車両内で使用される場合があるが、特に
車両内で使用される場合には、太陽光に暴露され易く、
さらに高温で使用されることとなるため、耐光性および
長期耐熱性が要求される。
【0003】近年、車両搭載用導光板の材料として、脂
環構造含有重合体に酸化防止剤を0.1重量部配合した
樹脂組成物を使用できることが提案されている(特開平
8−94,852号公報)。しかしながら、本発明者ら
の検討によると、該樹脂組成物を用いた導光板を車両搭
載用に使用しても、長期耐熱性、耐光性が不十分である
ため、導光板の着色等により輝度や色温度が低下してし
まうことが判明した。また、この問題を解決するために
酸化防止剤の配合量を増やしても、均一に混合するのが
困難であり、ヘイズによる透明性の低下が生じるため輝
度が低下するといった問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、長期
耐熱性、耐光性、透明性に優れた車両搭載用に好適な導
光板及びその製造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意検討した結果、脂環式構造含有重
合体に特定範囲の量の酸化防止剤を添加した樹脂組成物
を成形材料に使用することで車両搭載用として十分な長
期耐熱性及び耐光性を有し、酸化防止剤を均一に分散さ
せ、成形体としたときのヘイズを小さくすることで、透
明性に優れた導光板が得られることを見出した。本発明
はこれらの知見に基づいて完成させるに至ったものであ
る。
【0006】かくして本発明よれば、脂環式構造含有重
合体100重量部に対し、酸化防止剤を0.3〜3重量
部配合した樹脂組成物であって、厚みが3mmの成形体
としたときの厚み方向におけるヘイズ値が1%以下とな
るような樹脂組成物からなる導光板が提供される。
【0007】また、本発明によれば、脂環式構造含有重
合体100重量部に対し、酸化防止剤を0.05〜0.
2重量部の添加量で配合した成形材料(A)と、脂環式
構造含有重合体100重量部に対し、酸化防止剤を1.
5〜30重量部の添加量で配合した成形材料(B)と
を、重量比率で、(A):(B)=4:1〜99:1の
範囲内で混合した成形材料(C)を用いて溶融成形する
ことにより導光板を製造する方法が提供される。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
説明する。
【0009】脂環構造含有重合体本発明で使用される脂
環構造含有重合体は、主鎖及び/または側鎖に脂環式構 造を有するものであり、機械的強度、耐熱性などの観点
から、主鎖に脂環式構造を含有するものが好ましい。
【0010】重合体の脂環式構造としては、シクロアル
カン構造、不飽和環状炭化水素シクロアルケン構造など
が挙げられるが、機械的強度、耐熱性などの観点から、
シクロアルカン構造が最も好ましい。
【0011】脂環式構造を構成する炭素原子数は、格別
な制限はないが、通常4〜30個、好ましくは5〜20
個、より好ましくは5〜15個の範囲であるときに、機
械的強度、耐熱性、及び成形性の特性が高度にバランス
され、好適である。
【0012】本発明に使用される脂環構造含有重合体中
の脂環式構造からなる繰り返し単位の含有割合は、通常
50重量%以上、好ましくは70重量%以上、より好ま
しくは90重量%以上である。脂環式構造からなる繰り
返し単位の含有割合を上記範囲にすることで導光板の耐
光性及び強度が向上するので好ましい。
【0013】また、本発明に使用される脂環構造含有重
合体は、その繰り返し単位中に、ノルボルナン環以外の
脂環式構造からなる繰り返し単位を含むことが、耐光
性、耐熱性の点で好ましい。その含有割合は、前記脂環
式構造からなる繰り返し単位に対して10重量%以上が
好ましく、より好ましくは15重量%以上であり、特に
好ましくは20重量%以上である。ノルボルナン環を有
さない脂環式構造からなる繰り返し単位の含有割合を上
記範囲とすることで、導光板の耐光性及び強度が向上し
ていくので好ましい。
【0014】また、上記ノルボルナン環を有さない脂環
式構造からなる繰り返し単位は、2環の脂環式構造から
なる繰り返し単位を含むものであることが、導光板の強
度向上を図る観点から好ましい。その含有割合は、前記
ノルボルナン環を有さない脂環式構造からなる繰り返し
単位に対して40重量%以上、より好ましくは50重量
%以上、特に好ましくは60重量%以上である。
【0015】脂環構造含有重合体中の脂環式構造からな
る繰り返し単位以外の残部は格別な限定はなく、使用目
的に応じて適宜選択される。
【0016】脂環構造含有重合体の具体例としては、例
えば、(1)ノルボルネン系重合体、(2)単環の環状
オレフィン系重合体、(3)環状共役ジエン系重合体、
(4)ビニル脂環式炭化水素系重合体、及びこれらの水
素添加物などが挙げられる。これらの中でも、ノルボル
ネン系重合体や環状共役ジエン系重合体の水素添加物な
どが好ましい。
【0017】(1)ノルボルネン系重合体 本発明に使用されるノルボルネン系重合体は、格別な制
限はなく、具体的には、ノルボルネン系単量体の開環重
合体及びその水素添加物、ノルボルネン系単量体の付加
重合体、ノルボルネン系単量体と共重合可能なビニル系
単量体との付加型共重合体などが挙げられる。
【0018】ノルボルネン系単量体としては、ビシクロ
〔2,2,1〕−ヘプト−2−エン(慣用名:ノルボル
ネン)、5−メチル−ビシクロ〔2,2,1〕−ヘプト
−2−エン、5,5−ジメチル−ビシクロ〔2,2,
1〕−ヘプト−2−エン、5−エチル−ビシクロ〔2,
2,1〕−ヘプト−2−エン、5−ブチル−ビシクロ
〔2,2,1〕−ヘプト−2−エン、5−ヘキシル−ビ
シクロ〔2,2,1〕−ヘプト−2−エン、5−オクチ
ル−ビシクロ〔2,2,1〕−ヘプト−2−エン、5−
オクタデシル−ビシクロ〔2,2,1〕−ヘプト−2−
エン、5−エチリデン−ビシクロ〔2,2,1〕−ヘプ
ト−2−エン、5−メチリデン−ビシクロ〔2,2,
1〕−ヘプト−2−エン、5−ビニル−ビシクロ〔2,
2,1〕−ヘプト−2−エン、5−プロペニル−ビシク
ロ〔2,2,1〕−ヘプト−2−エン、5−メトキシ−
カルボニル−ビシクロ〔2,2,1〕−ヘプト−2−エ
ン、5−シアノ−ビシクロ〔2,2,1〕−ヘプト−2
−エン、5−メチル−5−メトキシカルボニル−ビシク
ロ〔2,2,1〕−ヘプト−2−エン、5−メトキシカ
ルボニル−ビシクロ〔2,2,1〕−ヘプト−2−エ
ン、5−エトキシカルボニル−ビシクロ〔2,2,1〕
−ヘプト−2−エン、5−メチル−5−エトキシカルボ
ニル−ビシクロ〔2,2,1〕−ヘプト−2−エン、ビ
シクロ〔2,2,1〕−ヘプト−5−エニル−2−メチ
ルプロピオネイト、ビシクロ〔2,2,1〕−ヘプト−
5−エニル−2−メチルオクタネイト、ビシクロ〔2,
2,1〕−ヘプト−2−エン−5,6−ジカルボン酸無
水物、5−ヒドロキシメチル−ビシクロ〔2,2,1〕
−ヘプト−2−エン、5,6−ジ(ヒドロキシメチル)
−ビシクロ〔2,2,1〕−ヘプト−2−エン、5−ヒ
ドロキシ−i−プロピル−ビシクロ〔2,2,1〕−ヘ
プト−2−エン、ビシクロ〔2,2,1〕−ヘプト−2
−エン、5,6−ジカルボキシ−ビシクロ〔2,2,
1〕−ヘプト−2−エン、ビシクロ〔2,2,1〕−ヘ
プト−2−エン−5,6−ジカルボン酸イミド、5−シ
クロペンチル−ビシクロ〔2,2,1〕−ヘプト−2−
エン、5−シクロヘキシル−ビシクロ〔2,2,1〕−
ヘプト−2−エン、5−シクロヘキセニル−ビシクロ
〔2,2,1〕−ヘプト−2−エン、5−フェニル−ビ
シクロ〔2,2,1〕−ヘプト−2−エン、トリシクロ
〔4,3,12,5,01,6〕−デカ−3,7−ジエ
ン(慣用名ジシクロペンタジエン)、トリシクロ〔4,
3,12,5,01,6〕−デカ−3−エン、トリシク
ロ〔4,4,12,5,01,6〕−ウンデカ−3,7
−ジエン、トリシクロ〔4,4,12,5,01,6
−ウンデカ−3,8−ジエン、トリシクロ〔4,4,1
2,5,01,6〕−ウンデカ−3−エン、テトラシク
ロ〔7,4,110,13,01,9,02,7〕−ト
リデカ−2,4,6−11−テトラエン(1,4−メタ
ノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオレンとも
いう)、テトラシクロ〔8,4,111,14,0
1,10,03,8〕−テトラデカ−3,5,7,12
−11−テトラエン(1,4−メタノ−1,4,4a,
5,10,10a−ヘキサヒドロアントラセンともい
う)、テトラシクロ〔4,4,12,5,17,10
0〕−ドデカ−3−エン(単にテトラシクロドデセンと
もいう)、8−メチル−テトラシクロ〔4,4,1
,5,17,10,0〕−ドデカ−3−エン、8−メチ
ル−テトラシクロ〔4,4,12,5,17,10
0〕−ドデカ−3−エン、8−エチル−テトラシクロ
〔4,4,12,5,17,10,0〕−ドデカ−3−
エン、8−メチリデン−テトラシクロ〔4,4,1
2,5,17,10,0〕−ドデカ−3−エン、8−エ
チリデン−テトラシクロ〔4,4,12,5,1
7,10,0〕−ドデカ−3−エン、8−ビニル−テト
ラシクロ〔4,4,12,5,17,10,0〕−ドデ
カ−3−エン、8−プロペニル−テトラシクロ〔4,
4,12,5,17, 10,0〕−ドデカ−3−エン、
8−メトキシカルボニル−テトラシクロ〔4,4,1
2,5,17,10,0〕−ドデカ−3−エン、8−メ
チル−8−メトキシカルボニル−テトラシクロ〔4,
4,12,5,17,10,0〕−ドデカ−3−エン、
8−ヒドロキシメチル−テトラシクロ〔4,4,1
2,5,17,10,0〕−ドデカ−3−エン、8−カ
ルボキシ−テトラシクロ〔4,4,12,5,1
7,10,0〕−ドデカ−3−エン、8−シクロペンチ
ル−テトラシクロ〔4,4,12,5,17,10
0〕−ドデカ−3−エン、8−シクロヘキシル−テトラ
シクロ〔4,4,1 ,5,17,10,0〕−ドデカ
−3−エン、8−シクロヘキセニル−テトラシクロ
〔4,4,12,5,17,10,0〕−ドデカ−3−
エン、8−フェニル−テトラシクロ〔4,4,
2,5,17,10,0〕−ドデカ−3−エン、ペン
タシクロ〔6,5,11,8,13,6,02,7,0
9,13〕−ペンタデカ−3,10−ジエン、ペンタシ
クロ〔7,4,13,6,110,13,0 ,9,0
2,7〕−ペンタデカ−4,11−ジエンなどのノルボ
ルネン系単量体などが挙げられる。これらのノルボルネ
ン系単量体は、それぞれ単独であるいは2種以上組み合
わせて用いられる。
【0019】これらノルボルネン系単量体の開環重合体
は、上記ノルボルネン系単量体を、開環重合体触媒の存
在下で重合して得ることができる。開環重合触媒として
は、例えば、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オス
ミウム、イリジウム、白金などの金属のハロゲン化物、
硝酸塩またはアセチルアセトン化合物と、還元剤とから
なる触媒系、あるいは、チタン、バナジウム、ジルコニ
ウム、タングステン、モリブデンなどの金属のハロゲン
化物またはアセチルアセトン化合物と、有機アルミニウ
ム化合物とからなる触媒系を用いられる。重合反応は溶
媒中または無溶媒で、通常、−50℃〜100℃の重合
温度、0〜50kg/cmの重合圧力で行われる。
【0020】ノルボルネン系モノマーの開環重合体水素
添加物は、通常、上記開環重合体の重合溶液に、水素添
加触媒を添加し、水素添加することにより得ることがで
きる。水素添加触媒としては、特に限定されないが、通
常不均一系触媒や均一系触媒が用いられる。
【0021】ノルボルネン系単量体、またはノルボルネ
ン系単量体と共重合可能なその他の単量体との付加
(共)重合体は、例えば、単量体成分を、溶媒中または
無溶媒で、チタン、ジルコニウム、又はバナジウム化合
物と有機アルミニウム化合物とからなる触媒系の存在下
で、通常、−50℃〜100℃の重合温度、0〜50k
g/cmの重合圧力で(共)重合させる方法により得
ることができる。
【0022】共重合可能なその他の単量体としては、例
えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテ
ン、1−ヘキセン、3−メチル−1−ブテン、3−メチ
ル−1−ペンテン、3−エチル−1−ペンテン、4−メ
チル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセン、4,
4−ジメチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−
ペンテン、4−エチル−1−ヘキセン、3−エチル−1
−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセ
ン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタ
デセン、1−エイコセンなどの炭素数2〜20のα−オ
レフィン;シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキ
セン、3,4−ジメチルシクロペンテン、3−メチルシ
クロヘキセン、2−(2−メチルブチル)−1−シクロ
ヘキセン、シクロオクテン、3a,5,6,7a−テト
ラヒドロ−4,7−メタノ−1H−インデンなどのシク
ロオレフィン;1,4−ヘキサジエン、4−メチル−
1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジ
エン、1,7−オクタジエンなどの非共役ジエン;など
が用いられる。これらの中でも、α−オレフィン、特に
エチレンが好ましい。これらの共重合可能なその他のモ
ノマーは、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合
わせて使用することができる。ノルボルネン系モノマー
と共重合可能なその他のモノマーとを付加共重合される
場合は、付加共重合体中のノルボルネン系モノマー由来
の結合単位と共重合可能なその他のモノマー由来の結合
単位との割合が、重量比で通常30:70〜99:1、
好ましくは50:50〜97:3、より好ましくは7
0:30〜95:5の範囲となるように適宜選択され
る。
【0023】(2)単環の環状オレフィン系重合体 単環の環状オレフィン系重合体としては、例えば、特開
昭64−66216号公報に開示されているシクロヘキ
セン、シクロヘプテン、シクロオクテンなどの単環の環
状オレフィン系単量体の付加重合体を用いることができ
る。
【0024】(3)環状共役ジエン系重合体 環状共役ジエン系重合体としては、例えば、特開平6−
136057号公報や特開平7−258318号公報に
開示されているシクロペンタジエン、シクロヘキサジエ
ンなどの環状共役ジエン系単量体を1,2−または1,
4−付加重合した重合体及びその水素添加物などを用い
ることができる。
【0025】(4)ビニル脂環式炭化水素系重合体 ビニル脂環式炭化水素系重合体としては、例えば、特開
昭51−59989号公報に開示されているビニルシク
ロヘキセン、ビニルシクロヘキサンなどのビニル脂環式
炭化水素系単量体の重合体及びその水素添加物、特開昭
63−43910号公報、特開昭64−1706号公報
などに開示されているスチレン、α−メチルスチレンな
どのビニル芳香族系単量体の重合体の芳香環部分の水素
添加物などを用いることができる。
【0026】本発明で使用される脂環構造含有重合体の
分子量は、使用目的に応じて適宜選択されるが、シクロ
ヘキサン溶液(重合体樹脂が溶解しない場合はトルエン
溶液)のゲル・パーミエーション・クロマトグラフ法で
測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)
で、通常5,000以上、好ましくは5,000〜50
0,000、より好ましくは8,000〜200,00
0、特に好ましくは10,000〜100,000の範
囲であるときに、機械的強度と成形加工性とが高度にバ
ランスし、好適である。
【0027】本発明で使用される脂環構造含有重合体の
ガラス転移温度(Tg)は、使用目的に応じて適宜選択
されればよいが、導光板の長期耐熱性を向上させる点か
らは高い方が好ましく、通常70〜300℃、好ましく
は80〜250℃、より好ましくは90〜200℃であ
るときに、耐熱性と成形加工性とが高度にバランスし、
好適である。
【0028】本発明で使用される脂環構造含有重合体
の、280℃、荷重2.16kgfにおけるJIS−K
6719により測定したメルトフローレート(MFR)
は、使用目的に応じて適宜選択すれば良いが、通常1〜
200g/10min.、好ましくは10〜150g/
10min.の範囲が好適である。メルトフローレート
が低すぎると成形時に成形材料を加温する温度がより高
温となるため加工しにくい場合が生じ、高すぎると成形
後の導光板にバリなどの成形不良の発生する場合が生じ
る。
【0029】なお、これらの脂環構造含有重合体は、そ
れぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いる
ことができる。
【0030】酸化防止剤 本発明においては、上記脂環式構造含有重合体に対して
酸化防止剤を特定の割合で配合した樹脂組成物が用いら
れる。
【0031】酸化防止剤の配合量は、脂環式構造含有重
合体100重量部に対して通常0.3〜3重量部、好ま
しくは0.3〜2重量部、より好ましくは0.4〜1重
量部である。酸化防止剤の配合量を上記範囲にすること
で、導光板を車両搭載用途に使用する場合でも、長期耐
熱性、耐光性が向上し、透明性も維持できて好ましい。
酸化防止剤の配合量が少なすぎると、導光板としての十
分な長期耐熱性、耐光性を得ることができず、また配合
量が多すぎると導光板にヘイズ(濁り)が生じたり、酸
化防止剤自体の吸収により、導光板の透明性が低下して
しまう。
【0032】酸化防止剤としては、上記特性を満足する
ものであれば特に限定されず、例えば、フェノール系酸
化防止剤、フォスファイト系酸化防止剤、イオウ系酸化
防止剤などを使用することができる。
【0033】フェノール系酸化防止剤としては、従来公
知のものが使用でき、その具体例としては例えば、2−
t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−
5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレー
ト、2,4−ジ−t−アミル−6−(1−(3,5−ジ
−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)エチル)フェ
ニルアクリレートなどの特開昭63−179,953号
公報や特開平1−168,643号公報に記載されるア
クリレート系化合物;オクタデシル−3−(3,5−ジ
−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト、2,2’−メチレン−ビス(4−メチル−6−t−
ブチルフェノール)、2,2’−エチレン−ビス(4−
メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,3,5−ト
リメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチ
ル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス
(メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’
−ヒドロキシフェニルプロピオネート)メタン[すなわ
ち、ペンタエリスリメチル−テトラキス(3−(3,5
−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオネ
ート)]、ステアリル−β−(3,5−ジ−t−ブチル
−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、3,9−
ビス[1,1−ジメチル−2−[β−(3−t−ブチル
−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニル
オキシ]エチル]2,4,8,10−テトラオキサスピ
ロ[5,5]ウンデカンなどのアルキル置換フェノール系
化合物;6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチ
ルアニリノ)−2,4−ビスオクチルチオ−1,3,5
−トリアジン、4−ビスオクチルチオ−1,3,5−ト
リアジン、2−オクチルチオ−4,6−ビス−(3,5
−ジ−t−ブチル−4−オキシアニリノ)−1,3,5
−トリアジンなどのトリアジン基含有フェノール系化合
物; などが挙げられる。
【0034】フォスファイト系酸化防止剤としては、一
般の樹脂工業で通常使用される物であれば格別な限定は
なく、例えば、トリフェニルホスファイト、ジフェニル
イソデシルホスファイト、フェニルジイソデシルホスフ
ァイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリ
ス(ジノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4
−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、10−
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)
−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフ
ェナントレン−10−オキサイドなどのモノホスファイ
ト系化合物;4,4’−ブチリデン−ビス(3−メチル
−6−t−ブチルフェニル−ジ−トリデシルホスファイ
ト)、4,4’イソプロピリデン−ビス(フェニル−ジ
−アルキル(C12〜C15)ホスファイト)などのジ
ホスファイト系化合物; などが挙げられる。これらの
フォスファイト系酸化防止剤の中では、モノホスファイ
ト系化合物が好ましく、トリス(ノニルフェニル)ホス
ファイト、トリス(ジノニルフェニル)ホスファイト、
トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイ
トなどが特に好ましい。
【0035】イオウ系酸化防止剤としては、例えば、ジ
ラウリル3,3−チオジプロピオネート、ジミリスチル
3,3’−チオジプロピピオネート、ジステアリル
3,3−チオジプロピオネート、ラウリルステアリル
3,3−チオジプロピオネート、ペンタエリスリトール
−テトラキス−(β−ラウリル−チオ−プロピオネー
ト、3,9−ビス(2−ドデシルチオエチル)−2,
4,8,10−テトラオキサスピロ [5,5] ウン
デカンなどが挙げられる。
【0036】これらの酸化防止剤の中でも、フェノール
系酸化防止剤が好ましく、特に芳香環上の水酸基の両側
の炭素上の水素がアルキル置換されたフェノール系酸化
防止剤である、アルキル置換フェノール系酸化防止剤が
長期耐熱性を得る上でより好ましい。
【0037】これら酸化防止剤はそれぞれ単独で、ある
いは2種以上を組み合わせて用いることができる。組み
合わせて使用する場合にはフェノール系酸化防止剤とフ
ォスファイト系酸化防止剤との併用が、長期耐熱性をよ
り向上できるので好ましい。また、上記酸化防止剤と、
後述の光安定剤とを組み合わせて使用してもよい。光安
定剤と組み合わせることにより、得られる導光板の耐光
性がより向上できるので好ましい。
【0038】白濁防止剤 本発明においては、上記脂環式構造含有重合体に対して
白濁防止剤を配合した場合に、脂環式構造含有重合体の
透明性、低吸湿性、耐熱性、機械的強度などの諸特性を
損なうことなく、高温高湿度環境下における導光板の白
濁を防止できるので好適である。白濁防止剤としては、
(1)軟質重合体、(2)有機または無機のフィラー、
(3)アルコール性化合物、が挙げられ、これらの中で
も、透明性、耐熱性、成形加工性、及び高温高湿度環境
下における白濁防止性を高度にバランスさせるには、ア
ルコール性化合物及び軟質重合体が好ましく、軟質重合
体が特に好ましい。
【0039】(1)軟質重合体 軟質重合体は、通常40℃以下のガラス転移温度(T
g)を有する重合体のことをいい、Tgが複数存在する
重合体やTgと融点(Tm)の両方を有する重合体の場
合にも、最も低いTgが40℃以下であれば該軟質重合
体に含まれる。
【0040】このような軟質重合体としては、(a)エ
チレンや、プロピレンなどのα−オレフィンから主とし
てなるオレフィン系軟質重合体、(b)イソブチレンか
ら主としてなるイソブチレン系軟質重合体、(c)ブタ
ジエン、イソプレンなどの共役ジエンから主としてなる
ジエン系軟質重合体、(d)けい素−酸素結合を骨格と
する軟質重合体(有機ポリシロキサン)、(e)α,β
−不飽和酸とその誘導体から主としてなる軟質重合体、
(f)不飽和アルコールおよびアミンまたはそのアシル
誘導体またはアセタールから主としてなる軟質重合体、
(g)エポキシ化合物の重合体、(h)フッ素系ゴム、
(i)その他の軟質重合体、などが挙げられる。
【0041】これらの軟質重合体の具体例としては、例
えば、(a)としては、液状ポリエチレン、アタクチッ
クポリプロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ブテ
ン、1−ヘキセン、1−オクテンおよび1−デセンなど
の単独重合体; エチレン・α−オレフィン共重合体、
プロピレン・α−オレフィン共重合体、エチレン・プロ
ピレン・ジエン共重合体(EPDM)、エチレン・環状
オレフィン共重合体およびエチレン・プロピレン・スチ
レン共重合体などの共重合体が挙げられる。(b)とし
ては、ポリイソブチレン、イソブチレン・イソプレンゴ
ム、イソブチレン・スチレン共重合体などが挙げられ
る。(c)としては、ポリブタジエン、ポリイソプレン
などの共役ジエンの単独重合体; ブタジエン・スチレ
ンランダム共重合体、イソプレン・スチレンランダム共
重合体、アクリロニトリル・ブタジエン共重合体、アク
リロニトリル・ブタジエン共重合体の水素添加物、アク
リロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体などの共
役ジエンのランダム共重合体; ブタジエン・スチレン
・ブロック共重合体、スチレン・ブタジエン・スチレン
・ブロック共重合体、イソプレン・スチレン・ブロック
共重合体、スチレン・イソプレン・スチレン・ブロック
共重合体などの共役ジエンと芳香族ビニル系炭化水素の
ブロック共重合体、およびこれらの水素添加物などが挙
げられる。(d)としては、ジメチルポリシロキサン、
ジフェニルポリシロキサン、ジヒドロキシポリシロキサ
ン、などのシリコーンゴムなどが挙げられる。
【0042】(e)としては、ポリブチルアクリレー
ト、ポリブチルメタクリレート、ポリヒドロキシエチル
メタクリレート、ポリアクリルアミド、ポリアクリロニ
トリルなどのアクリルモノマーの単独重合体; ブチル
アクリレート・スチレン共重合体などのアクリルモノマ
ーとその他のモノマーとの共重合体が挙げられる。
(f)としては、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニ
ル、ポリステアリン酸ビニル、ポリ安息香酸ビニル、ポ
リマレイン酸ビニルなどの(エステル化)不飽和アルコ
ールの単独重合体; 酢酸ビニル・スチレン共重合体な
どの(エステル化)不飽和アルコールとその他のモノマ
ーとの共重合体などが挙げられる。(g)としては、ポ
リエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、エピク
ロルヒドリンゴム、などが挙げられる。(h)として
は、フッ化ビニリデン系ゴム、四フッ化エチレン−プロ
ピレンゴム、などが挙げられる。(i)としては、天然
ゴム、ポリペプチド、蛋白質、及び特開平8−7370
9号公報記載のポリエステル系熱可塑性エラストマー、
塩化ビニル系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可
塑性エラストマーなどが挙げられる。これらの軟質重合
体は、架橋構造を有したものであってもよく、また、変
性により官能基を導入したものであってもよい。
【0043】上記軟質重合体の中でも(a)、(b)、
(c)の軟質重合体、より好ましくは(c)のジエン系
軟質重合体、さらに好ましくは共役ジエン結合単位の炭
素−炭素不飽和結合が水素添加されたジエン系軟質重合
体の水素添加物が、耐熱性、分散性に優れ、白濁防止効
果も大きく好ましい。
【0044】ジエン系重合体の好ましい例としては、ポ
リブタジエンなどの単独重合体の水素添加物、ブタジエ
ン・スチレン共重合体などのランダム共重合体の水素添
加物; ブタジエン・スチレン・ブロック共重合体、ス
チレン・ブタジエン・スチレン・ブロック共重合、イソ
プレン・スチレン・ブロック共重合体、スチレン・イソ
プレン・スチレン・ブロック共重合体などのブロック共
重合体の水素添加物;などが挙げられる。
【0045】(2)有機または無機のフィラー 有機または無機のフィラーとしては、高分子工業分野で
一般に使用されているものであれば、特に限定はされな
い。
【0046】有機フィラーとしては、通常の有機重合体
粒子を用いることができ、該重合体粒子は架橋構造を有
していてもよい。具体的には、例えば、ポリエチレン、
ポリプロピレン、ポリ4−メチル−1−ペンテンなどの
ポリオレフィン; ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリ
デン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデンなどの
ハロゲン含有ビニル重合体; ポリアリレート、ポリメ
タクリレート、ポリアクリルアミド、ポリアクリロニト
リル、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合
体などのα,β−不飽和酸またはその誘導体の重合体;
ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリステア
リン酸ビニルなどの不飽和アルコール等の重合体;ポリ
フェニレンオキシド;ポリカーボネート;ポリスルフォ
ン;ポリウレタン;尿素樹脂;ナイロン6、ナイロン6
6などのポリアミド; ポリエチレンテレフタレート、
ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル; フ
ェノール・ホルムアルデヒド樹脂、尿素・ホルムアルデ
ヒド樹脂、メラミン・ホルムアルデヒド樹脂など; 酢
酸セルロース、プロピオン酸セルロース、セルロースエ
ーテルなどの天然高分子化合物;などの粒子または架橋
粒子を挙げることができる。
【0047】無機フィラーとしては、具体的には、フッ
化リチウム、硼砂(硼酸ナトリウム含水塩)などの1族
元素化合物; 炭酸マグネシウム、燐酸マグネシウム、
炭酸カルシウム、燐酸カルシウム、チタン酸ストロンチ
ウム、炭酸バリウム、燐酸バリウム、硫酸バリウムなど
の2族元素化合物;二酸化チタン(チタニア)、一酸化
チタン、窒化チタン、二酸化ジルコニウム(ジルコニ
ア)、一酸化ジルコニウムなどの4族元素化合物; 二
酸化モリブデン、三酸化モリブデンなどの6族元素化合
物; 塩化マンガン、酢酸マンガンなどの7族元素化合
物; 塩化コバルト、酢酸コバルトなどの8〜10族元
素化合物; 沃化第一銅などの11族元素化合物; 酸
化亜鉛、酢酸亜鉛などの12族元素化合物; 酸化アル
ミニウム(アルミナ)、フッ化アルミニウム、アルミノ
シリケート(珪酸アルミナ、カオリン、カオリナイト)
などの13族元素化合物; 酸化珪素(シリカ、シリカ
ゲル)、石墨、カーボン、グラファイト、ガラスなどの
14族元素化合物; カーナル石、カイナイト、雲母
(マイカ、キンウンモ)、バイロース鉱などの天然鉱物
の粒子が挙げられる。
【0048】(3)アルコール性化合物 白濁防止剤に好適なアルコール性化合物としては、少な
くとも1個のアルコール性水酸基と少なくとも1個のエ
ーテル結合とを有する部分エーテル化合物、あるいは少
なくとも1個のアルコール性水酸基と少なくとも1個の
エステル結合を有する部分エステル化合物などが挙げら
れる。
【0049】このような部分エーテル化物または部分エ
ステル化物として、具体的には、例えばグリセリンモノ
ステアレート、グリセリンモノラウレート、グリセリン
モノベヘネート、ジグリセリンモノステアレート、グリ
セリンジステアレート、グリセリンジラウレート、ペン
タエリスリトールモノステアレート、ペンタエリスリト
ールモノラウレート、ペンタエリスリトールベヘレー
ト、ペンタエリスリロールジラウレート、ペンタエリス
リトールトリステアレート、ジペンタエリスリトールジ
ステアレートなどの多価アルコールのエステル化物、及
び対応するエーテル化物;3−(オクチルオキシ)−
1,2−プロパンジオール、3−(ラウリルオキシ)−
1,2−プロパンジオール、3−(4−ノニルフェニル
オキシ)−1,2−プロパンジオール、1,6−ジヒド
ロキシ−2,2−ジ(ヒドロキシメチル)−7−(4−
ノニルフェニルオキシ)−4−オキソヘプタン、p−ノ
ニルフェニルエーテルとアルデヒドの縮合体とグリシド
ールの反応により得られるエーテル化物、p−オクチル
フェニルエーテルとジシクロペンタジエンの縮合体とグ
リシドールの反応により得られるエーテル化物などが挙
げられる。
【0050】これらの白濁防止剤は、それぞれ単独で、
或いは2種以上を組み合わせて用いることができる。白
濁防止剤の配合割合は、白濁防止効果が発揮されうる範
囲で適宜選択すればよいが、脂環式構造含有重合体10
0重量部に対して、通常、0.01〜10重量部、好ま
しくは0.03〜5重量部、より好ましくは0.05〜
2重量部の割合で配合する場合に、耐熱性、透明性、及
び高温高湿度環境下における白濁防止効果が高度にバラ
ンスされ好適である。
【0051】配合剤 本発明においては、脂環構造含有重合体に、必要に応じ
て、上記酸化防止剤、白濁防止剤以外の配合剤を配合す
ることができる。配合剤としては、樹脂工業で通常用い
られているものであれば格別な制限はなく使用できる。
具体的には、紫外線吸収剤、光安定剤、熱安定剤、近赤
外線吸収剤、染料や顔料などの着色剤、可塑剤、滑剤、
帯電防止剤、難燃剤などが挙げられる。
【0052】導光板の製造方法 本発明の導光板は、上記の如く脂環式構造含有重合体及
び酸化防止剤と、必要に応じて白濁防止剤等を含有する
樹脂組成物をペレットなどの成形材料に加工した後、例
えば、射出成形等の溶融成形をすることにより製造する
ことができる。
【0053】特に、透明性に優れた導光板を製造するた
めには、脂環式構造含有重合体100重量部に対して、
配合すべき0.3〜3重量部の酸化防止剤を予め全量配
合した樹脂組成物からなる成形材料を用いるよりも、脂
環式構造含有重合体に対して、配合すべき所定量以下の
酸化防止剤を配合した成形材料(A)と、脂環式構造含
有重合体に対して、配合すべき所定量以上の酸化防止剤
を配合した成形材料(B)とを、特定割合で混合して得
られる成形材料(C)を用いて溶融成形することが好ま
しい。
【0054】上記方法のより具体的な内容は、脂環式構
造含有重合体100重量部に対し、酸化防止剤を0.0
5〜0.2重量部配合した成形材料(A)と、脂環式構
造含有重合体100重量部に対して酸化防止剤が0.3
〜30重量部を溶融混練により配合した成形材料(B)
(すなわちマスターペレットである。)とを、酸化防止
剤の平均含有量が0.3〜3重量部となるような適当な
重量比で混合した成形材料(C)を用いて溶融成形して
製造する。成形材料(A)と成形材料(B)との重量比
は、酸化防止剤の平均含有量が上記範囲となる範囲で、
(A)が(B)の通常4〜99倍、好ましくは7〜59
倍、より好ましくは9〜49倍であるときに、酸化防止
剤の均一分散性が向上して導光板のヘイズを小さくで
き、成形材料の熱履歴を低減させることができるので導
光板の着色が低減され、透明性に優れるので好ましい。
【0055】0.3重量部以上の多量の酸化防止剤が配
合された成形材料を溶融成形する場合、酸化防止剤が脂
環式構造含有重合体中に均一分散していないと、得られ
る導光板の透明性(ヘイズ)が低下するが、多量の酸化
防止剤を予め全量脂環式構造含有重合体に対して配合し
た成形材料は酸化防止剤が均一分散していない場合があ
るためにヘイズが発生して透明性が低下する。よって、
該成形材料を繰り返し溶融混練することにより酸化防止
剤を均一分散させてヘイズの発生を抑制する必要がある
が、繰り返し溶融混練した場合には熱履歴が増加して導
光板に焼けや着色が発生する。そこで、上記(C)の成
形材料を溶融成形することにより着色やヘイズのない透
明性に優れた導光板を得ることができる。
【0056】成形材料(A)の製造方法としては、1脂
環式構造含有重合体100重量部と、酸化防止剤を0.
05〜0.2重量部、好ましくは0.08〜0.15重
量部、より好ましくは0.1〜0.15重量部とを溶媒
に均一溶解した後に、乾燥設備により脱溶媒した溶融樹
脂を押出機で押出して得る方法、2脂環式構造含有重合
体100重量部と上記1の方法と同量の酸化防止剤とを
二軸混練機等で溶融混練させて配合する方法、等が挙げ
られるが、着色を防止するためには、1による方法が好
ましい。(A)の酸化防止剤の添加量が0.05重量部
未満であると、成形材料(B)と混合して溶融成形する
際に得られる導光板が着色するおそれがあり、酸化防止
剤の添加量が0.2重量部を超えると酸化防止剤が均一
分散できなくなり、いずれも好ましくない。
【0057】成形材料(B)の製造方法としては、脂環
式構造含有重合体100重量部と、酸化防止剤1.5〜
30重量部、好ましくは2〜20重量部、より好ましく
は3〜15重量部とを二軸混練機等を用いて溶融混練さ
せて配合する。成形材料(B)の酸化防止剤の添加量が
1.5重量部未満であると溶融成形時の着色が発生し、
酸化防止剤の添加量が300重量部を超えると、酸化防
止剤の均一分散ができずに好ましくない。
【0058】成形材料(A)、(B)はいずれも、溶融
押出し及び溶融混練した後に、押出機等から押出された
ストランド(棒状の溶融樹脂)をストランドカッター等
で細かく切断してペレット状態にして使用するのが好ま
しい。
【0059】また、成形品の色調低下や炭化物及びボイ
ドの発生を極力低減させる目的で、成形材料の予備乾燥
を行ってもよい。乾燥温度は、通常50〜200℃、好
ましくは80〜150℃、より好ましくは100〜11
0℃、乾燥時間は通常1〜100時間、好ましくは2〜
50時間、より好ましくは4〜12時間である。予備乾
燥は真空中で行ってもよい。また、射出成形機のホッパ
ー部からシリンダー内に窒素などを流入し、窒素置換を
行うことが好ましい。
【0060】導光板の溶融成形方法としては、特に限定
されず、例えば熱プレス成形や射出成形などが挙げられ
るが、射出成形を用いた場合に、複雑形状の導光板が成
形でき、機械強度も大きくなり好ましい。
【0061】成形条件は、使用目的、又は成形方法によ
り適宜選択されるが、例えば射出成形方法においては、
「樹脂温度」は、通常150〜400℃、好ましくは1
80〜360℃、より好ましくは190〜330℃の範
囲である。樹脂温度が過度に低いと流動性が悪化し、成
形品にヒケやひずみを生じ、樹脂温度が過度に高いと樹
脂の熱分解によるシルバーストリークが発生したり、成
形品が黄変するので、上記範囲が好ましい。「射出速
度」は、通常10〜1,000cm/secであると
きに、導光板の面精度が向上するので好ましい。
【0062】「射出圧」は、金型の設計、使用される脂
環構造含有重合体の流動性等の条件を考慮して適宜選択
して設定すればよいが、通常500〜1,500kgf
/cmの範囲で行われる。「保圧」の上限値は、通常
2,000kgf/cm、好ましくは1,700kg
f/cm、より好ましくは1,500kgf/cm
の範囲において設定される。保圧の上限値をこのような
範囲とすることで、成形品歪みなどが低減される。保圧
の下限値は、通常100kgf/cm、好ましくは1
20kgf/cm、より好ましくは150kgf/c
の範囲において設定される。保圧の下限値をこのよ
うな範囲とすることで、導光板のひけ、成形収縮率を小
さくすることができ、寸法精度の優れた導光板が得られ
る。
【0063】「金型温度」は、通常は脂環式構造含有重
合体のガラス転移温度(Tg)よりも低い温度で設定さ
れ、好ましくは脂環式構造含有熱可塑性樹脂のTgより
も(0〜100)℃以下の温度であり、より好ましくは
Tgよりも(20〜60)℃以下の温度で設定される。
このような範囲において金型温度を設定することによ
り、成形品のひずみが低減される。
【0064】
【実施例】以下、本発明を詳細な実施例に基づき、比較
例との対比において説明するが、本発明はこれら実施例
に限定されるものではない。また、以下の例において特
に断りのない限り、「部」および「%」は重量基準であ
る。以下の製造例、実施例および比較例において行った
各種物性の測定及び評価は、次の通りである。
【0065】各種物性の測定及び評価 (1)脂環式構造含有重合体の、「数平均分子量(M
n)」、「重量平均分子量(Mw)」及び「分子量分布
(Mw/Mn)」は、シクロヘキサン(樹脂が溶解しな
い場合にはトルエン)を溶媒とするゲルパーミエーショ
ンクロマトグラフィー(GPC)によるポリイソプレン
換算(トルエンではポリスチレン換算)値として算出し
た。 (2)脂環式構造含有重合体の「主鎖又は側鎖(芳香環
含む)の水素添加率」は、H−NMRで測定した。 (3)脂環式構造含有重合体の「ガラス転移温度(T
g)」は、JIS−K7121に基づく示差走査熱量計
(DSC)により測定した。 (4)脂環式構造含有重合体の「メルトフローレート
(MFR)」は、JIS−K6719に基づいて、28
0℃、荷重2.16kgfで測定した。なお、MFR測
定におけるダイの穴径Φは、2.095±0.03m
m、ピストン移動距離は、25±0.25mmで規定し
ている。 (5)導光板の「透明性(%)」は、分光光度計(日本
分光社製の製品番号U−30)により、波長400〜9
00nmの範囲について波長を連続的に変化させて光線
透過率(%)を測定し、最小の透過率(%)を、その成
形体の光線透過率(%)として測定した。測定のポイン
トは導光板の最も肉厚部において行なった。 (6)導光板の「平均正面輝度(cd/m)」は、導
光板の光出射面側において、その面を形成する辺より
1.5cm内側に形成される面を、縦方向、横方向にそ
れぞれ等間隔に分割された時に決定される9点(3点×
3点)についての正面輝度測定し、その平均値を算出し
た。測定に際しては輝度計(BM−7:トプコン株式会
社製)を使用した。 (7)導光板の「耐熱性」は、ギアオーブン中で100
℃、1000hr保持した後の寸法変化(反り)を測定
し、以下の判定基準で評価した。ギアオーブン試験の前
後での、寸法変化がない場合を「◎」、寸法変化が0%
を越え0.3%以内である場合を「○」、寸法変化が
0.3%を越え1%以内である場合を「△」、寸法変化
が1%を越える場合を「×」とした。また、耐熱性の評
価として、ギアオーブン試験後の導光板の光線透過率を
前記(5)に従って測定した。更に、耐熱性の評価とし
て、ギアオーブン試験後の導光板の平均正面輝度(cd
/m )を前記(6)に従って測定した。 (8)導光板の「耐光性」は、射出成形して得られた導
光板をフェードメーター(ブラックパネル温度63℃、
1000hr)で保持した後の以下の物性を測定し評価
した。導光板の光線透過率を前記(5)に従って測定し
た。導光板の平均正面輝度(cd/m)を前記(6)
に従って測定した。 (9)導光板の「強度(デュポン強度)」は、射出成形
して得られた10枚の導光板に対して、落錘試験による
耐衝撃性により評価した。用意した導光板の最も肉厚部
分に対し、3/4インチ半径のミサイル型おもり(重量
100g)を1mの高さより自然落下させ、割れや亀裂
が生じるかを観察し、以下の評価基準で判定評価した。
割れや亀裂の生じたものが10枚中、0枚の場合を
「◎」、1枚〜3枚の場合を「○」、4枚〜6枚の場合
を「△」、7枚以上の場合を「×」とした。 (10)導光板の「ヘイズ値(%)」は、射出成形で得
られた導光板を適当な大きさに粉砕して、6cm×6c
m×3mmの成形板として、金型内で溶融プレスして再
成形する。その際に、熱履歴の影響をなくすために、プ
レス成形は真空プレスを使用するか窒素雰囲気下で成形
する。得られた成形板を用い、ASTM−D1003に
準拠してヘイズ値を測定した。
【0066】脂環式構造含有重合体の製造例 [製造例1]窒素雰囲気下、8−エチルテトラシクロ
[4.4.0.12,5.17,10]−ドデカ−3−
エン(以下、ETCDと略す)15部と、トリシクロ
[4.3.0.12,5]デカ−3,7−ジエン(ジシ
クロペンタジエン、以下、DCPという)85部とを含
むノルボルネン系単量体100部を、公知のメタセシス
開環重合触媒系で重合し、次いで公知の方法で水素添加
しETCD/DCP開環共重合体水素添加物を得た。重
合体中の各ノルボルネン類の共重合比率を、重合後の溶
液中の残留ノルボルネン類組成(ガスクロマトグラフィ
ー法による)から計算したところ、ETCD/DCP=
15/85でほぼ仕込組成に等しかった。この開環共重
合体水素添加物の、Mwは38,000、水素添加率は
99.9%、Tgは104℃、屈折率は1.53、MF
Rは25g/10min.であった。また、全脂環式構
造からなる繰り返し単位中の、ノルボルナン環以外の脂
環式構造からなる繰り返し単位の含有量は85%であ
り、ノルボルナン環以外の脂環式構造からなる繰り返し
単位中の2環成分の含有量は100%であった。
【0067】[製造例2]窒素雰囲気下、単量体の組成
比をテトラシクロ[7.4.0.110,13.0
2,7]−トリデカ−2,4,6−11−テトラエン
(以下、MTFと略す)25部とETCD30部とDC
P45部とに代えた以外は、製造例1と同様の操作でM
TF/ETCD/DCP開環共重合体水素添加物を得
た。重合体中の各ノルボルネン類の共重合比率を、重合
後の溶液中の残留ノルボルネン類組成(ガスクロマトグ
ラフィー法による)から計算したところ、MTF/ET
CD/DCP=25/30/45でほぼ仕込組成に等し
かった。この開環共重合体水素添加物の、Mwは35,
500、水素添加率は99.9%、Tgは127℃、屈
折率は1.53、MFRは24g/10min.であっ
た。また、全脂環式構造からなる繰り返し単位中の、ノ
ルボルナン環以外の脂環式構造からなる繰り返し単位の
含有量は70%であり、ノルボルナン環以外の脂環式構
造からなる繰り返し単位中の2環成分の含有量は64%
であった。
【0068】[製造例3]窒素雰囲気下、単量体の組成
比をMTF70部とDCP30部とに代えた以外は、製
造例1と同様の操作でMTF/DCP開環共重合体水素
添加物を得た。重合体中の各ノルボルネン類の共重合比
率を、重合後の溶液中の残留ノルボルネン類組成(ガス
クロマトグラフィー法による)から計算したところ、M
TF/DCP=70/30でほぼ仕込組成に等しかっ
た。この開環共重合体水素添加物の、Mwは37,50
0、水素添加率は99.9%、Tgは141℃、屈折率
は1.53、メルトフローレート(MFR)は26g/
10min.であった。また、全脂環式構造からなる繰
り返し単位中の、ノルボルナン環以外の脂環式構造から
なる繰り返し単位の含有量は70%であり、ノルボルナ
ン環以外の脂環式構造からなる繰り返し単位中の2環成
分の含有量は30%であった。
【0069】[製造例4]窒素雰囲気下、単量体の組成
比をETCD75部とDCP25部とに代えた以外は、
製造例1と同様の操作でETCD/DCP開環共重合体
水素添加物を得た。重合体中の各ノルボルネン類の共重
合比率を、重合後の溶液中の残留ノルボルネン類組成
(ガスクロマトグラフィー法による)から計算したとこ
ろ、ETCD/DCP=75/25でほぼ仕込組成に等
しかった。この開環共重合体水素添加物の、Mwは3
9,000、水素添加率は99.9%、Tgは140
℃、屈折率は1.53、MFRは28g/10min.
であった。また、全脂環式構造からなる繰り返し単位中
の、ノルボルナン環以外の脂環式構造からなる繰り返し
単位の含有量は20%であり、ノルボルナン環以外の脂
環式構造からなる繰り返し単位中の2環成分の含有量は
100%であった。
【0070】[製造例5]窒素雰囲気下、単量体の組成
比をETCD95部とDCP5部とに代えた以外は、製
造例1と同様の操作でETCD/DCP開環共重合体水
素添加物を得た。重合体中の各ノルボルネン類の共重合
比率を、重合後の溶液中の残留ノルボルネン類組成(ガ
スクロマトグラフィー法による)から計算したところ、
ETCD/DCP=95/5でほぼ仕込組成に等しかっ
た。この開環共重合体水素添加物の、Mwは37,80
0、水素添加率は99.9%、Tgは137℃、屈折率
は1.53、MFRは25g/10min.であった。
また、全脂環式構造からなる繰り返し単位中の、ノルボ
ルナン環以外の繰り返し単位の含有量は5%であり、ノ
ルボルナン環以外の脂環式構造からなる繰り返し単位中
の、2環成分の含有量は100%であった。
【0071】実施例1 製造例1の重合体水素添加物を100部と、酸化防止剤
としてヒンダードフェノール系酸化防止剤ペンタエリス
リチル−テトラキス(3−(3,5−ジ−ターシャリ−
ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)を
0.1部と水添スチレン・ブタジエン・スチレン・ブロ
ック共重合体(SEBS:旭化成工業株式会社製、タフ
テックH1051)を0.1部とを、シクロヘキサン9
00部中に均一溶解した後に、温度280℃、乾燥時間
4時間の条件で脱溶媒し、押出機で押出しながらストラ
ンドカッターでペレット化して得られたペレット状の成
形材料(A)と、製造例1の重合体水素添加物100部
に対し、上記同様の酸化防止剤を2.1部、上記同様の
SEBSを0.1部、それぞれ配合して二軸混練機用い
てバレル温度280℃で溶融混練した後、上記同様にペ
レット化して得られたペレット状の成形材料(B)と
を、重量比率で(A):(B)=5:1となるようにペ
レット同士を混合して成形材料(C)を得た。成形材料
(C)の酸化防止剤の平均配合量は0.5部であった。
【0072】成形材料(C)を用いて厚み3mmの板を
成形してヘイズを測定したところ、1以下であった。
【0073】このペレット状の成形材料(C)を射出成
形して導光板を作製した。なお、射出成形の成形条件
は、東芝機械株式会社製の製品番号IS450の射出成
形機を用い、金型温度110℃、シリンダー温度(樹脂
温度に対応する)290℃、ノズル温度260℃、射出
圧1,000kgf/cm、保圧800kgf/cm
、型締め圧1,200kgf/cm、射出速度(ス
クリュー前進速度に対応する)40cm/s、スクリ
ュー背圧70kgf/cm、スクリュー回転数30r
pmであり、金型内への充填開始から充填終了までの時
間は1秒であった。得られた導光板は、図1(A)およ
び(B)に示すように、一端側(100a側)の厚みが
3mm、末端側(100d側)の厚み1.5mm、一端
側から末端側までの長さが7.7mm、直線状光源の軸
方向に沿った長さが10.1mmであり、一端側から末
端側へ遠ざかる方向(直線状光源の軸芯と略垂直方向)
につれて厚みが漸次薄くなるようなくさび型であった。
また導光板の光反射面側には、導光板の一端側から末端
側へ遠ざかるにつれて光反射機能を有する漸次密になる
ようなV溝が形成されていた。得られた導光板を用いて
各物性値を評価した。結果を表1に示す。
【0074】なお、初期評価、耐熱性評価および耐光性
評価の総ての平均正面輝度の評価は次に示すユニットを
用いて行った。
【0075】得られた導光板の光入射端面以外の側端面
に反射テープを貼り、短辺側光入射端部に管径2.4m
mの冷陰極ランプを設置し、ランプと導光板光入射部の
周囲をリフレクターで被い、さらに導光板の光出射面側
に光拡散性シートを、導光板の光出射面とは反対面に反
射シートを配置してエッジライト方式面状光源ユニット
を作成して評価した。
【0076】実施例2 成形材料(A)の酸化防止剤の添加量を0.2部、成形
材料(B)の酸化防止剤の添加量を13.2部、(A)
と(B)との配合比を9:1に変えたこと以外は、実施
例1と同様にして成形材料(C)を得た。成形材料
(C)に対する酸化防止剤の平均配合量は1.5部であ
った。また成形材料(C)を用いて厚さ3mmの板を成
形してヘイズを測定したところ1以下であった。成形材
料(C)を用いて導光板を成形し、各物性値を評価し
た。結果を表1に示す。
【0077】実施例3 成形材料(A)の酸化防止剤の添加量を0.5部、成形
材料(B)の酸化防止剤の添加量を22.5部、(A)
と(B)との配合比を10:1に変えたこと以外は、実
施例1と同様にして成形材料(C)を得た。成形材料
(C)に対する酸化防止剤の平均配合量は2.5部であ
った。また成形材料(C)を用いて厚さ3mmの板を成
形してヘイズを測定したところ1以下であった。成形材
料(C)を用いて導光板を成形し、各物性値を評価し
た。結果を表1に示す。
【0078】実施例4〜7 製造例2〜5の重合体水素添加物のそれぞれを用いた以
外は、実施例1と同様にして成形材料を得た。該成形材
料を用いて厚さ3mmの板を成形してヘイズを測定した
結果、1以下であった。成形材料で実施例1同様に導光
板を成形して各物性値を評価した。結果を表1に示す。
【0079】実施例8 脂環構造含有重合体100部に対し、酸化防止剤0.5
部を全量二軸混練機で溶融混練した以外は実施例1と同
様の方法により厚み3mmの板および導光板を得た。得
られた板を成形してヘイズを測定したところ、1以下で
あった。また、得られた導光板を用いて、各物性値を評
価した。結果を表1に示す。
【0080】比較例1 酸化防止剤の添加量を0.1部とした以外は、実施例8
と同様にして成形材料を得た。該成形材料を用いて厚さ
3mmの板を成形してヘイズを測定した結果、1以下で
あった。成形材料で実施例1同様に導光板を成形して各
物性値を評価した。結果を表1に示す。
【0081】比較例2 酸化防止剤の添加量を3.5部とした以外は、実施例8
と同様にして成形材料を得た。該成形材料を用いて厚さ
3mmの板を成形してヘイズを測定した結果、1以上で
あった。成形材料で実施例1同様に導光板を成形して各
物性値を評価した。結果を表1に示す。
【0082】
【表1】
【0083】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明によれ
ば、長期耐熱性および耐光性に優れ、しかも車両搭載用
に好適に使用しうる導光板及びその製造に適した製造方
法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(A)は本実施形態に係る導光板を組み込
んだ面状光源装置の概要を示す概略斜視図、図1(B)
は図1(A)の断面図、図1(C)は図1(B)の要部
拡大図、図1(D)は図1(C)の反射面についての部
分拡大図である。
【符号の説明】
10…面状光源装置 100…導光板 100a…光入射面 1001…V溝 100b…光出射面 100c…光反射面 100d…端部光反射面 200…光源 300…ランプリフレクター 400…光拡散シート 500…光反射シート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小西 裕一郎 東京都千代田区丸の内二丁目6番1号 日 本ゼオン株式会社内 (72)発明者 石丸 一世 神奈川県川崎市川崎区夜光一丁目2番1号 日本ゼオン株式会社総合開発センター内 Fターム(参考) 2H038 AA55 BA01 4J002 AB012 AC012 AC032 AC062 AC072 AC082 AD002 BB032 BB052 BB122 BB132 BB142 BB152 BB172 BB182 BB192 BC072 BD002 BD142 BD152 BE022 BF012 BF022 BF042 BG042 BG052 BG072 BG102 BG132 BK001 BP012 BP022 CC032 CC162 CC182 CE001 CF002 CF162 CG002 CH012 CH042 CH072 CK022 CL002 CN032 CP032 DA017 DD027 DD037 DD077 DE047 DE097 DE137 DE187 DE237 DF017 DG047 DH047 DJ007 DK007 DL007 ED027 EG047 EH047 EJ016 EJ026 EJ036 EJ046 EU186 EV016 EV066 EV096 EW066 FD076 FD202 FD207 GN00 GP00

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 脂環式構造含有重合体100重量部に対
    し、酸化防止剤を0.3〜3重量部配合した樹脂組成物
    であって、厚みが3mmの成形体としたときの厚み方向
    におけるヘイズ値が1%以下となるような樹脂組成物か
    らなる導光板。
  2. 【請求項2】 樹脂組成物が白濁防止剤を更に含有する
    ものである請求項1記載の導光板。
  3. 【請求項3】 脂環式構造含有重合体が、その繰り返し
    単位中にノルボルナン環以外の脂環式構造からなる繰り
    返し単位を少なくとも10重量%以上含む請求項1又は
    2記載の導光板。
  4. 【請求項4】 導光板が車両搭載用である請求項1〜3
    の何れかに記載の導光板。
  5. 【請求項5】 脂環式構造含有重合体100重量部に対
    し、酸化防止剤を0.05〜0.2重量部の添加量で配
    合した成形材料(A)と、 脂環式構造含有重合体100重量部に対し、酸化防止剤
    を1.5〜30重量部の添加量で配合した成形材料
    (B)とを、 重量比率で、(A):(B)=4:1〜99:1の範囲
    内で混合した成形材料(C)を用いて溶融成形すること
    により請求項1〜4の何れかに記載の導光板を製造する
    方法。
  6. 【請求項6】 成形材料(A)が、脂環式構造含有重合
    体100重量部と酸化防止剤0.05〜0.2重量部と
    を溶媒中に均一に溶解した後に、溶媒を除去して得たも
    のである請求項5記載の導光板の製造方法。
  7. 【請求項7】 溶融成形が射出成形である請求項5また
    は6何れかに記載の導光板の製造方法。
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