JP2001040205A - エネルギー線硬化性組成物 - Google Patents

エネルギー線硬化性組成物

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JP2001040205A
JP2001040205A JP11216541A JP21654199A JP2001040205A JP 2001040205 A JP2001040205 A JP 2001040205A JP 11216541 A JP11216541 A JP 11216541A JP 21654199 A JP21654199 A JP 21654199A JP 2001040205 A JP2001040205 A JP 2001040205A
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acrylic
energy ray
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Yoshiyuki Miwa
孔之 三輪
Masaru Kunimura
勝 国村
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Ube Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、低収縮性で厚膜を充分に形成さ
せることができると共に、硬度及び透明性などに優れ、
更に耐溶剤性にも優れているエネルギー線硬化物(エネ
ルギー線照射により重合・架橋させて生成する硬化物)
を形成できる、エネルギー線硬化性組成物を提供するこ
とを課題とする。 【解決手段】 本発明の課題は、オキセタン環含有アク
リル(コ)ポリマー、オキセタン環含有非アクリル化合
物、及び光重合開始剤を含んで成るエネルギー線硬化性
組成物、その製造法、そして、該エネルギー線硬化性組
成物をエネルギー線照射により硬化させて得られるエネ
ルギー線硬化物により解決される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、紫外線硬化性組成
物(特にオキセタン環含有化合物を含んで成る紫外線硬
化性組成物)等のエネルギー線硬化性組成物、その製造
法、及びその硬化性組成物を紫外線等のエネルギー線照
射により硬化させて生成するエネルギー線硬化物に関す
る。このようなエネルギー線硬化性組成物は、鉄等の金
属、プラスチック、コンクリート、木材などの基材表面
に、透明性、耐熱性、耐候性、密着性などに優れた塗膜
を形成させることができ、例えば、コーティング用途、
塗料分野、印刷分野などに有用である。
【0002】
【従来の技術】エネルギー線硬化性組成物としては、例
えば、少なくとも2つの重合性二重結合を有する少なく
とも一種のアクリルモノマー及び/又はオリゴマーと、
光重合開始剤、コロイド状シリカ及び/又はコロイド状
金属酸化物と、紫外線安定剤と、場合により非イオン性
界面活性剤とを含む紫外線硬化性組成物が知られている
(特開平8−47667号公報)。
【0003】この組成物は、熱可塑性アクリルポリマー
をベースとする造形品の表面に塗布し、次いで紫外線照
射して重合・架橋させることにより、紫外線硬化物(紫
外線照射により重合・架橋させて生成する硬化物)とす
ることができる。しかし、この組成物では、紫外線照射
によりアクリルモノマー(アクリル酸エステル)をラジ
カル重合させて基材表面に硬化物(硬化膜)を形成させ
るため、硬化の際にその大きな収縮性や高い吸水性が問
題となる。このため、硬化膜として数μm程度の薄膜を
形成させてこの収縮の問題を小さくする試みが行われて
いるが、数十〜数百μm程度の厚膜を必要とする場合に
は依然として問題が残っている。
【0004】また、オキセタン環含有化合物を含んで成
る紫外線硬化性組成物としては、例えば、オキセタン環
を有する化合物、脂環式エポキシ基を有する化合物、グ
リシジル基含有重合性不飽和モノマー(アクリル酸グリ
シジル、メタクリル酸グリシジル等)とその他の重合性
不飽和モノマー(メタクリル酸メチル等)との共重合
物、及びカチオン重合開始剤を含有する紫外線硬化型缶
用塗料組成物が知られている(特開平10−21234
3号公報)。更に、オキセタン環を有する化合物に加え
て、メタクリル酸エステル又はポリアルキルメタクリレ
ートを含有する重合硬化性材料も知られている(特開平
8−245783号公報)。しかし、このような組成物
は硬度などの点で優れているが、厚膜形成の面では充分
に満足できるものではない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、低収縮性で
厚膜を充分に形成させることができると共に、硬度及び
透明性などに優れ、更に耐溶剤性にも優れているエネル
ギー線硬化物(エネルギー線照射により重合・架橋させ
て生成する硬化物)を形成できる、エネルギー線硬化性
組成物を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の課題は、オキセ
タン環含有アクリル(コ)ポリマー、オキセタン環含有
非アクリル化合物、及び光重合開始剤を含んで成るエネ
ルギー線硬化性組成物、その製造法、そして、該エネル
ギー線硬化性組成物をエネルギー線照射により硬化させ
て得られるエネルギー線硬化物により解決される。
【0007】
【発明の実施の形態】〔オキセタン環含有アクリル
(コ)ポリマー〕本発明のオキセタン環含有アクリル
(コ)ポリマーとしては、オキセタン環含有アクリルモ
ノマー、特にオキセタン環含有(メタ)アクリル酸エス
テル(即ち、オキセタン環含有アルコールの(メタ)ア
クリル酸エステル)を重合させて生成するオキセタン環
含有(メタ)アクリル酸エステル(コ)ポリマーが好適
に挙げられる。なお、(コ)ポリマーはポリマー又はコ
ポリマーを表し、(メタ)アクリル酸はアクリル酸又は
メタクリル酸を表す。
【0008】前記オキセタン環含有アルコールとして
は、アルキル基の炭素数が1〜4(好ましくは1〜2)
で、そのアルキル基がオキセタン環を置換基として有す
るオキセタニルアルキルアルコールなどが挙げられる。
オキセタン環含有アルコールとしては、例えば、3−オ
キセタニルメタノール、3−メチル−3−オキセタニル
メタノール、3−エチル−3−オキセタニルメタノール
等が挙げられる。
【0009】即ち、オキセタン環含有(メタ)アクリル
酸エステルとしては、アクリル酸オキセタニルアルキル
エステル等のオキセタン環含有アクリル酸エステルや、
メタクリル酸オキセタニルアルキルエステル等のオキセ
タン環含有メタクリル酸エステルなどが挙げられる。そ
して、オキセタン環含有(メタ)アクリル酸エステルと
しては、例えば、(メタ)アクリル酸3−エチル−3−
オキセタニルメチル、(メタ)アクリル酸3−メチル−
3−オキセタニルメチル、(メタ)アクリル酸3−オキ
セタニルメチル等が具体的に挙げられる。
【0010】本発明では、前記オキセタン環含有アクリ
ルモノマーに、エポキシ基含有アクリルモノマー、及び
/又はオキセタン環若しくはエポキシ基非含有アクリル
モノマーを含有させて使用することもできる。即ち、前
記オキセタン環含有アクリル(コ)ポリマーは、オキセ
タン環含有アクリルモノマー以外に、エポキシ基含有ア
クリルモノマー、及び/又はオキセタン環若しくはエポ
キシ基非含有アクリルモノマーを構成単位として含んで
いてもよい。なお、オキセタン環含有アクリル系モノマ
ー、エポキシ基含有アクリル系モノマー、オキセタン環
若しくはエポキシ基非含有アクリル系モノマーは、それ
ぞれ単独又は複数で使用できる。
【0011】エポキシ基含有アクリル系モノマーとして
は、エポキシ基含有(メタ)アクリル酸エステル(即
ち、エポキシ基含有アルコールの(メタ)アクリル酸エ
ステル)が好適に挙げられる。このエポキシ基含有アル
コールとしては、アルキル基の炭素数が1〜4(好まし
くは1〜2)で、かつそのアルキル基がエポキシ基を置
換基として有するエポキシアルキルアルコールや、シク
ロアルキル基の炭素数が5〜12(好ましくは5〜7)
で、かつそのシクロアルキル基がエポキシ基を置換基と
して有するエポキシシクロアルキルアルコールなどが挙
げられる。なお、この場合のアルキル基やシクロアルキ
ル基はハロゲン原子等で更に置換されていてもよい。
【0012】前記エポキシ基含有アルコールとしては、
例えば、グリシジルアルコール、3,4−エポキシシク
ロヘキシルメタノール等が具体的に挙げられる。そし
て、エポキシ基含有(メタ)アクリル酸エステルとして
は、例えば、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)
アクリル酸3,4−エポキシシクロヘキシルメチル等が
具体的に挙げられる。
【0013】オキセタン環若しくはエポキシ基非含有ア
クリルモノマーとしては、オキセタン環若しくはエポキ
シ基非含有(メタ)アクリル酸エステル(即ち、オキセ
タン環若しくはエポキシ基非含有アルコールの(メタ)
アクリル酸エステル)が好適に挙げられる。このオキセ
タン環若しくはエポキシ基非含有アルコールとしては、
アルキル基の炭素数が1〜20(好ましくは1〜16)
で、かつそのアルキル基がオキセタン環若しくはエポキ
シ基を置換基として有していないアルキルアルコール
や、シクロアルキル基の炭素数が5〜12(好ましくは
5〜7)で、かつそのシクロアルキル基がオキセタン環
若しくはエポキシ基を置換基として有していないシクロ
アルキルアルコールなどが挙げられる。前記アルキルア
ルコールは、2−エトキシエタノール等の、アルキル基
を構成する炭素鎖が少なくとも1個のエーテル結合を介
して形成されているものであってもよい。また、前記の
アルキル基やシクロアルキル基はハロゲン原子等で更に
置換されていてもよい。
【0014】前記のオキセタン環若しくはエポキシ基非
含有アルコールとしては、例えば、メタノール、エタノ
ール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキ
サノール、オクタノール、デカノール、ドデカノール等
が具体的に挙げられる。そして、オキセタン環若しくは
エポキシ基非含有(メタ)アクリル酸エステルとして
は、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アク
リル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)
アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸アミル、(メ
タ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチ
ル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)
アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メ
タ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸パ
ーフルオロブチル、(メタ)アクリル酸2−(パーフル
オロイソノニル)エチル等が具体的に挙げられる。
【0015】オキセタン環含有アクリルモノマーは、全
アクリルモノマー(オキセタン環含有アクリルモノマ
ー、エポキシ基含有アクリルモノマー、及びオキセタン
環若しくはエポキシ基非含有アクリルモノマーの合計
量)に対して、10〜100重量%、更には10〜90
重量%の割合で使用することが好ましい。また、エポキ
シ基含有アクリルモノマーは、全アクリルモノマーに対
して0〜90重量%、更には0〜80重量%、オキセタ
ン環若しくはエポキシ基非含有アクリルモノマーは、全
アクリルモノマーに対して0〜90重量%、更には0〜
80重量%の割合で使用することが好ましい。即ち、全
アクリルモノマーに対して、オキセタン環含有アクリル
モノマーが10〜90重量%、エポキシ基含有アクリル
モノマーが0〜80重量%、オキセタン環若しくはエポ
キシ基非含有アクリルモノマーが0〜80重量%の割合
で使用することが更に好ましい。
【0016】オキセタン環含有アクリルモノマー(特
に、オキセタン環含有(メタ)アクリル酸エステル)を
重合させてオキセタン環含有アクリル(コ)ポリマー
(特に、オキセタン環含有(メタ)アクリル酸エステル
(コ)ポリマー)を生成させる反応は、反応溶媒の存在
下、ラジカル開始剤を存在させて、不活性ガス(窒素ガ
ス等)雰囲気下で行われる。このとき、必要に応じて、
エポキシ基含有アクリルモノマー、及び/又はオキセタ
ン環若しくはエポキシ基非含有アクリルモノマーを前記
割合で使用することができる。なお、ラジカル開始剤と
しては、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)等
が全アクリルモノマーに対して0.01〜20重量%の
割合で好適に使用される。また、反応温度は40〜10
0℃の範囲が好ましい。反応圧力は特に制限されるもの
ではない。
【0017】前記反応溶媒としては、オキセタン環含有
非アクリル化合物(後述)や、芳香族炭化水素(ベンゼ
ン、トルエン等)、アミド(ジメチルホルムアミド、ジ
メチルアセトアミド等)などのラジカル重合に一般的に
用いられる溶媒を単独又は複数で使用できるが、中でも
オキセタン環含有非アクリル化合物が好ましい。反応溶
媒は、反応溶媒100重量部に対して、オキセタン環含
有アクリルモノマーが5〜150重量部、更には7〜9
0重量部になるような割合で使用することが好ましい。
【0018】前記のようにして、オキセタン環含有アク
リルモノマーからオキセタン環含有アクリル(コ)ポリ
マーが生成するが、該モノマーに、エポキシ基含有アク
リルモノマー、及び/又はオキセタン環若しくはエポキ
シ基非含有アクリルモノマーが含有させて使用する場合
は、生成する(コ)ポリマーにこれらモノマーが構成単
位として含まれる。得られた(コ)ポリマーは、次の工
程でオキセタン環含有非アクリル化合物と共に開環重合
に供される。
【0019】本発明では、オキセタン環含有アクリル
(コ)ポリマーとして、ポリ(メタ)アクリル酸3−メ
チル−3−オキセタニルメチル、ポリ(メタ)アクリル
酸3−エチル−3−オキセタニルメチル等のポリ(メ
タ)アクリル酸オキセタニルアルキルエステルが好まし
い。その中では、ポリメタクリル酸3−メチル−3−オ
キセタニルメチル、ポリメタクリル酸3−エチル−3−
オキセタニルメチル等のポリメタクリル酸オキセタニル
アルキルエステルが更に好ましい。
【0020】更に、本発明では、オキセタン環含有アク
リル(コ)ポリマーとして、前記オキセタン環含有アク
リルモノマー以外に、(メタ)アクリル酸エポキシアル
キルエステル(特に(メタ)アクリル酸グリシジル等)
などのエポキシ基含有アクリルモノマー、及び/又は
(メタ)アクリル酸アルキルエステル(特に(メタ)ア
クリル酸メチル等)などのオキセタン環若しくはエポキ
シ基非含有アクリルモノマーを構成単位として含む
(コ)ポリマーも好ましく挙げられる。その中では、メ
タクリル酸オキセタニルアルキルエステル以外に、メタ
クリル酸エポキシアルキルエステル(特にメタクリル酸
グリシジル等)、及び/又はメタクリル酸アルキルエス
テル(特にメタクリル酸メチル等)を構成単位として含
む(コ)ポリマーが更に好ましい。
【0021】また、本発明では、前記オキセタン環含有
アクリル(コ)ポリマーは、ポリ塩化ビニル又はポリフ
ッ化ビニリデンと透明なポリマーアロイを形成している
ものや、分散相中にアクリルエラストマーを含有するも
のであってもよい。
【0022】〔オキセタン環含有非アクリル化合物〕本
発明のオキセタン環含有非アクリル化合物としては、分
子中に1〜4個のオキセタン環を有する非アクリル化合
物が好適に挙げられる。このうち、分子中に1個のオキ
セタン環を有する非アクリル化合物としては、式(1)
で表されるモノオキセタン化合物(前記オキセタニルア
ルキルアルコールのうち、アルキル基の炭素数が1のも
のに相当する)が挙げられる。
【0023】
【化1】 (式中、R1は水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基
を表す。)
【0024】式(1)において、R1としては、水素原
子や、メチル基、エチル基、n−(又はiso−)プロ
ピル基、n−(又はiso−、sec−)ブチル基等の
炭素数1〜6のアルキル基が挙げられるが、中でも、水
素原子、メチル基、エチル基が好ましく、その中でも、
メチル基、エチル基が更に好ましい。
【0025】前記モノオキセタン化合物としては、例え
ば、3−ヒドロキシメチルオキセタン、3−メチル−3
−ヒドロキシメチルオキセタン、3−エチル−3−ヒド
ロキシメチルオキセタンなどが挙げられるが、中でも、
3−メチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、3−エ
チル−3−ヒドロキシメチルオキセタンが好ましい。な
お、モノオキセタン化合物は、1,1,1−トリメチロ
ールアルカンと炭酸ジアルキルから環状カーボネートを
生成させ、次いで脱炭酸する方法により合成される
(J.Am.Chem.Soc.,1957,79参
照)。
【0026】分子中に2個のオキセタン環を有する非ア
クリル化合物としては、式(2)で表されるビスオキセ
タン化合物が好適に挙げられる。このような化合物とし
ては、次のものが挙げられる。 x=0である、モノエーテルビスオキセタン類 x=1で、Aがアルキレン基(炭素鎖内部に、不飽和
結合、脂肪族炭化水素環、又は芳香環を含んでいてもよ
い)である、ジエーテルビスオキセタン類 x=2〜12の整数で、Aがエチレン基である、ポリ
エーテルビスオキセタン類
【0027】
【化2】 (式中、R2、R3は前記R1と同様であり、Aは、x=
1の場合はアルキレン基(炭素鎖内部に、不飽和結合、
脂肪族炭化水素環、又は芳香環を形成していてもよい)
を表し、x=2〜12の整数の場合はエチレン基を表
す。xは0〜12の整数を表す。)
【0028】式(2)で表される化合物において、
2、R3は水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表
し、互いに同一であっても異なっていてもよい。該化合
物の中では、R2、R3が互いに同一であるものが好まし
いが、中でも、R2、R3が互いに同一で、水素原子、メ
チル基、エチル基のいずれかであるものが好ましく、そ
の中でも、R2、R3が互いに同一で、メチル基、エチル
基のいずれかであるものが更に好ましい。
【0029】前記のモノエーテルビスオキセタン類と
しては、例えば、ビス[(3−エチル−3−ヒドロキシ
メチルオキセタニル)メチル]エーテル、ビス[(3−
メチル−3−ヒドロキシメチルオキセタニル)メチル]
エーテルなどが挙げられる。なお、モノエーテルビスオ
キセタン類は、例えば、3−アルキル−3−ヒドロキシ
メチルオキセタンと3−アルキル−3−ヒドロキシメチ
ルオキセタンのp−トルエンスルホニルクロライドを反
応させることにより合成される。
【0030】前記のジエーテルビスオキセタン類にお
いて、アルキレン基(X)は、炭素鎖内部に、不飽和結
合、脂肪族炭化水素環、又は芳香環を形成しているもの
であってもよい。即ち、アルキレン基としては、エチレ
ン基、テトラメチレン基、ヘキサメチレン基等の炭素数
1〜12のアルキレン基が挙げられるが、更に、式
(3)で表される基などの炭素鎖内部に不飽和結合(炭
素−炭素二重結合等)を形成している炭素数4〜6のア
ルキレン基や、式(4)で表される基などの炭素鎖内部
に脂肪族炭化水素環(シクロヘキサン環等)を形成して
いる炭素数2〜6(環の炭素原子を除く)のアルキレン
基や、キシリレン基及び式(5)で表される基などの炭
素鎖内部に芳香環(ベンゼン環等)を形成している炭素
数2〜6(環の炭素原子を除く)のアルキレン基(o
−、m−、p−等の各異性体を含む)なども挙げること
ができる。
【0031】
【化3】
【0032】ジエーテルビスオキセタン類としては、例
えば、1,2−ビス(3−エチル−3−オキセタニルメ
トキシ)エタン、1,4−ビス(3−エチル−3−オキ
セタニルメトキシ)ブタン、1,6−ビス(3−エチル
−3−オキセタニルメトキシ)ヘキサンや、1,4−ビ
ス(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)−2−ブ
テンや、1,4−[ビス(3−エチル−3−オキセタニ
ルメトキシ)メチル]シクロヘキサンや、1,4−[ビ
ス(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]
ベンゼン、4,4’−[ビス(3−エチル−3−オキセ
タニルメトキシ)メチル]ビフェニル、4,4’−[ビ
ス(3−メチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]
ビフェニルなどが挙げられる。
【0033】なお、ジエーテルビスオキセタン類は、例
えば、相当するジブロマイド(キシリレンジブロマイ
ド、エチレンジブロマイド等)と3−アルキル−3−ヒ
ドロキシメチルオキセタンを反応させることによって合
成される。
【0034】前記のポリエーテルビスオキセタン類と
しては、例えば、ジエチレングリコールビス(3−エチ
ル−3−オキセタニルメチル)エーテル、トリエチレン
グリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチ
ル)エーテル、テトラエチレングリコールビス(3−エ
チル−3−オキセタニルメチル)エーテルなどが挙げら
れる。なお、ポリエーテルビスオキセタン類は、例え
ば、相当するポリエチレングリコール(ジエチレングリ
コール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリ
コール等)と3−アルキル−3−ヒドロキシメチルオキ
セタンのp−トルエンスルホニルクロライドを反応させ
ることにより合成される。
【0035】分子中に3又は4個のオキセタン環を有す
る非アクリル化合物としては、式(6)で表される化合
物が好適に挙げられる。
【0036】
【化4】 (式中、R4は前記R1と同様であり、Z1は3価又は4
価の基を表し、nは3又は4である。なお、Zは、置換
基を有していてもよい3価又は4価の炭化水素基、式
(7)で表される3価又は4価の基、又は式(8)で表
される3価又は4価の基を表す。)
【0037】
【化5】 (式中、Y1は置換基を有していてもよい3価又は4価
の炭化水素基で、pは3又は4である。)
【0038】
【化6】 (式中、Y2は置換基を有していてもよい3価又は4価
の炭化水素基で、qは3又は4である。)
【0039】前記Zのうち、置換基を有していてもよい
3価又は4価の炭化水素基としては、例えば、式(9)
〜(11)等で表される炭素数1〜12の3価又は4価
の脂肪族炭化水素基などが挙げられる。
【0040】
【化7】 (式中、R5は、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル
基を表す。)
【0041】前記Zのうち、式(7)で表される3価又
は4価の基としては、例えば、Y1が3価又は4価の芳
香族炭化水素基であるものが挙げられる。Y1として
は、次式で表される3価の芳香族炭化水素基などが挙げ
られる。
【0042】
【化8】
【0043】前記Zのうち、式(8)で表される3価又
は4価の基としては、例えば、Y2が、3価又は4価
の、脂肪族又は芳香族炭化水素基が挙げられる。Y2
しては、次式で表される3価の脂肪族又は芳香族炭化水
素基などが挙げられる。
【0044】
【化9】
【0045】分子中に3又は4個のオキセタン環を有す
る非アクリル化合物としては、式(6)において、R4
が前記アルキル基で、Zが式(9)で表される炭素数1
〜12の3価の脂肪族炭化水素基であるものや、R4
前記アルキル基で、Zが式(7)で表される3価又は4
価の基であるものが好ましい。更には、式(6)におい
て、R4がエチル基で、Zが式(9)で表される炭素数
1〜12の3価の脂肪族炭化水素基で、R5がエチル基
であるものや、R4がエチル基で、Zが式(7)で表さ
れる3価又は4価の基であるものの中で下記式で表され
るもので、かつq=3であるものがより好ましい。
【0046】
【化10】
【0047】なお、前記式(6)で表される、分子中に
3又は4個のオキセタン環を有する非アクリル化合物
は、3−アルキル−3−ヒドロキシメチルオキセタンを
出発原料として、式(2)で表されるビスオキセタン化
合物と同様の方法により合成される。
【0048】〔光重合開始剤〕本発明で使用される光重
合開始剤としては、エネルギー線照射によりカチオンを
発生してオキセタン環の開環及びカチオン重合を開始さ
せることができる化合物が好適に挙げられる。このよう
な化合物としては、次式で表されるようなルイス酸を放
出できるオニウム塩が好適である。
【0049】
【化11】 (式中、Qは、S、Se、Te、P、As、Sb、B
i、Fe、O、I、Br、Cl、又はN≡Nを表し、R
6、R7、R8、R9は同一又は異なる有機基を表し、a、
b、c、dは0〜3の整数を表し、a+b+c+dはM
の価数に等しい。Mは上記式のアニオン部の中心原子を
構成する金属又はメタロイドであり、例えば、B、P、
As、Sb、Fe、Sn、Bi、Al、Ca、In、T
l、Zn、Sc、V、Cr、Mn、又はCoを表す。X
はハロゲン原子を表し、mはMの原子価に等しい。な
お、有機基としては、アリール基等が挙げられ、ハロゲ
ン原子としては、F、Cl、Br等が挙げられる。)
【0050】前記式におけるカチオン(オニウムイオ
ン)としては、例えば、ジフェニルヨードニウムイオ
ン、ビス(4−メトキシフェニル)ヨードニウムイオ
ン、ビス(4−メチルフェニル)ヨードニウムイオン、
ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムイオン、
ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウムイオン等のヨー
ドニウムイオンや、トリフェニルスルホニウムイオン、
ジフェニル−4−チオフェノキシフェニルスルホニウム
イオン、ビス[4−(ジフェニルスルホニオ)フェニ
ル]スルフィドイオン、ビス[4−(ジ(4−(2−ヒ
ドロキシエチル)フェニル)スルホニオ)フェニル]ス
ルフィドイオン等のスルホニウムイオンや、η5−2,
4−(シクロペンタジエニル)[(1,2,3,4,
5,6−η)−(メチルエチル)ベンゼン]−鉄(1
+)イオンなどが挙げられる。
【0051】前記式におけるアニオン[MXm+k-k
しては、例えば、テトラフルオロボレートイオン(BF
4 -)、ヘキサフルオロホスフェートイオン(PF6 -)、
ヘキサフルオロアンチモネートイオン(SbF6 -)、ヘ
キサフルオロアルセネートイオン(AsF6 -)、ヘキサ
クロロアンチモネートイオン(SbCl6 -)等が挙げら
れる。
【0052】更に、過塩素酸イオン(ClO4 -)、トリ
フルオロメタンスルホン酸イオン(CF3SO3 -)、フ
ルオロスルホン酸イオン(FSO3 -)、トルエンスルホ
ン酸イオン(CH365SO3 -)、トリニトロベンゼ
ンスルホン酸イオン、トリニトロトルエンスルホン酸イ
オンなども挙げられる。
【0053】更に、本発明の光重合開始剤として、芳香
族オニウム塩も使用することができる。例えば、芳香族
ハロニウム塩(特開昭50−151996号公報、特開
昭50−158680号公報など参照)、VIA族芳香族
オニウム塩(特開昭50−151997号公報、特開昭
52−30899号公報、特開昭56−55420号公
報、特開昭55−125105号公報など参照)、VA
族芳香族オニウム塩(特開昭50−158698号公報
など参照)、オキソスルホキソニウム塩(特開昭56−
149402号公報、特開昭57−192429号公報
など参照)、芳香族ジアゾニウム塩(特開昭49−17
040号公報など参照)、チオピリリウム塩(米国特許
第4139655号明細書)などが挙げられる。また、
鉄/アレン錯体、アルミニウム錯体/光分解ケイ素化合
物系開始剤なども本発明の光重合開始剤として挙げるこ
とができる。
【0054】光重合開始剤の市販品としては、例えば、
サイラキュアUVI−6974(ビス[4−(ジフェニ
ルスルホニオ)フェニル]スルフィドビスヘキサフルオ
ロアンチモネートとジフェニル−4−チオフェノキシフ
ェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネートの混
合物)、サイラキュアUVI−6990(UVI−69
74のヘキサフルオロホスフェート)(以上、ユニオン
カーバイド製)や、アデカオプトマーSP−151、ア
デカオプトマーSP−170(ビス[4−(ジ(4−
(2−ヒドロキシエチル)フェニル)スルホニオ)フェ
ニル]スルフィド)、アデカオプトマーSP−150
(SP−170のヘキサフルオロホスフェート)、アデ
カオプトマーSP−171(以上、旭電化製)や、
【0055】DTS−102、DTS−103、NAT
−103、NDS−103((4−ヒドロキシナフチ
ル)−ジメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネ
ート)、TPS−102(トリフェニルスルホニウムヘ
キサフルオロホスフェート)、TPS−103(トリフ
ェニルホスホニウムヘキサフルオロアンチモネート)、
MDS−103(4−メトキシフェニル−ジフェニルス
ルホニウムヘキサフルオロアンチモネート)、MPI−
103(4−メトキシフェニルヨードニウムヘキサフル
オロアンチモネート)、BBI−101(ビス(4−t
−ブチルフェニル)ヨードニウムテトラフルオロボレー
ト)、BBI−102(ビス(4−t−ブチルフェニ
ル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート)、BB
I−103(ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニ
ウムヘキサフルオロアンチモネート)(以上、みどり化
学製)や、
【0056】Irgacure261(η5−2,4−
シクロペンタジエン−1−イル)[(1,2,3,4,
5,6−η)−(1−メチルエチル)ベンゼン]−鉄
(1+)ヘキサフルオロホスフェート(1−))(チバ
ガイギー製)や、CD−1010、CD−1011、C
D−1012(4−(2−ヒドロキシテトラデカニルオ
キシ)ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモ
ネート)(以上、サートマー製)や、
【0057】CI−2481、CI−2624、CI−
2639、CI−2064(以上、日本曹達製)や、D
egacure K126(ビス[4−(ジフェニルス
ルホニオ)フェニル]スルフィドビスヘキサフルオロホ
スフェート)(デグッサ製)や、RHODORSIL
PHOTOINITIATOR 2074((トリクミ
ル)ヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニ
ル)ボレート)(Rhodia製)などの商品名で入手
できるものが挙げられる。
【0058】このうち、UVI−6974、UVI−6
990、アデカオプトマーSP−170、アデカオプト
マーSP−171、CD−1013、MPI−103が
好ましく使用できる。
【0059】〔エネルギー線硬化性組成物〕オキセタン
環含有アクリル(コ)ポリマー、オキセタン環含有非ア
クリル化合物、及び光重合開始剤を含んで成る本発明の
エネルギー線硬化性組成物において、オキセタン環含有
アクリル(コ)ポリマーは、オキセタン環含有非アクリ
ル化合物100重量部に対して5〜150重量部、更に
は7〜90重量部含まれていることが好ましい。また、
光重合開始剤は、オキセタン環含有非アクリル化合物1
00重量部に対して0.1〜20重量部、更には0.2
〜15重量部、特に0.3〜10重量部含まれているこ
とが好ましい。なお、オキセタン環含有アクリル(コ)
ポリマーは、前記のように、オキセタン環含有アクリル
モノマー以外に、エポキシ基含有アクリルモノマー、及
び/又はオキセタン環若しくはエポキシ基非含有アクリ
ルモノマーを構成単位として含んでいてもよい。
【0060】本発明のエネルギー線硬化性組成物として
は、前記のように、オキセタン環含有非アクリル化合物
の存在下でオキセタン環含有アクリルモノマーを重合さ
せてオキセタン環含有アクリル(コ)ポリマーを生成さ
せた反応液に、光重合開始剤を単独又は複数で添加して
攪拌混合したものが好ましく挙げられる。光重合開始剤
の添加及び攪拌混合において、その操作条件はエネルギ
ー線非照射下であれば特に制限されず、例えば、空気
中、室温下であればよい。なお、オキセタン環含有非ア
クリル化合物以外の有機溶剤を反応溶媒として使用した
場合は、予め該有機溶剤を減圧蒸留等により除去してオ
キセタン環含有非アクリル化合物を所定量添加する必要
がある。
【0061】本発明のエネルギー線硬化性組成物は、更
にエポキシ基含有非アクリル化合物を含んでいてもよ
い。その量は、オキセタン含有非アクリル化合物100
重量部に対して0〜100重量部、更には5〜80重量
部であることが好ましい。エポキシ基含有非アクリル化
合物は、例えば、前記のオキセタン環含有アクリル
(コ)ポリマーを生成させた反応液に光重合開始剤と共
に添加して使用される。エポキシ基含有非アクリル化合
物としては、脂肪族エポキシ化合物、脂環式エポキシ化
合物等が挙げられる。具体的には、例えば、デナコール
EX−314(グリセロールポリグリシジルエーテル;
ナガセ化成製)、サイラキュアUVR−6110(ユニ
オンカーバイド製)を挙げることができる。
【0062】〔エネルギー線硬化物〕本発明のエネルギ
ー線硬化物は、前記エネルギー線硬化性組成物をエネル
ギー線照射により硬化させて得ることができる。即ち、
前記のようにして得られたエネルギー線硬化性組成物に
エネルギー線を照射して、オキセタン環含有アクリル
(コ)ポリマー及びオキセタン環含有非アクリル化合物
を開環重合させることにより、エネルギー線硬化物が得
られる。このとき、前記のように、エネルギー線硬化性
組成物がエポキシ基含有非アクリル化合物を含む場合、
また、オキセタン環含有アクリル(コ)ポリマーがエポ
キシ基含有アクリルモノマーを構造単位として含む場合
は、これらエポキシ基も同時に開環重合を受ける。
【0063】エネルギー線硬化物の製造(開環重合)
は、例えば、前記エネルギー線硬化性組成物を基材表面
に塗布した後、エネルギー線を照射して、オキセタン環
含有アクリル(コ)ポリマーのオキセタン環及びオキセ
タン含有非アクリル化合物のオキセタン環、そして、場
合により、更にエポキシ基含有アクリルモノマーに由来
するエポキシ基及びエポキシ基含有非アクリル化合物の
エポキシ基を開環させると共にカチオン重合させて硬化
膜を形成させることにより行われる。また、エネルギー
線硬化物の製造は、例えば、フィルム成形、押出成形等
による基材造形品の製造と組合せて連続式で行うことも
できる。
【0064】エネルギー線照射は、約200〜400n
mの波長で、照射量が約10〜3000mJ/cm2
更には約50〜1000mJ/cm2になる範囲で行わ
れることが好ましい。例えば、120W/cmの紫外線
ランプを用い、11cmの照射距離及び0.7〜3.5
m/minの送り速度で照射すればよい。また、このと
きの温度は硬化膜の形成に支障がなければ特に制限され
ず、通常は室温でよい。
【0065】前記基材は特に制限されるものではない。
例えば、鉄、ステンレス鋼、アルミニウム、その他の金
属、合金、ゴム、プラスチック、紙、木材、ガラス、
布、セメントモルタル、コンクリート、セラミック(フ
ィルム、プレート、成形部品、その他の造形品を含む)
などが前記基材として挙げられる。基材表面へのエネル
ギー線硬化性組成物の塗布は、刷毛塗り、スピンコー
ト、スプレーコート、キャスティング、ディッピング、
ロールコート、スクリーン印刷法、グラビア印刷法など
の通常用いられる方法で行えばよい。
【0066】本発明で使用されるエネルギー線として
は、紫外線、電子線、X線、放射線、高周波等の活性エ
ネルギー線が挙げられるが、経済的な面から言えば紫外
線が最も好ましい。紫外線の光源としては、水銀アーク
ランプ、キセノンアークランプ、蛍光ランプ、炭素アー
クランプ、タングステン−ハロゲン複写ランプ、ナトリ
ウムランプ、アルカリ金属ランプ等が挙げられる。これ
らの光源は約185〜400nm、更には約240〜4
00nmの波長の光を透過させる管球を有しているもの
が好ましいが、石英製又はパイレックス製の管球を有し
ているものでもよい。
【0067】以上のようにして得られる本発明のエネル
ギー線硬化物は、硬度及び透明性などに優れ、更に耐溶
剤性にも優れているものである。また、本発明のエネル
ギー線硬化物は、膜厚が好ましくは0.1〜600μ
m、更に好ましくは1〜500μmであり、基材表面の
保護膜として厚膜を充分に形成できるものである。
【0068】本発明のエネルギー線硬化物の製造におい
ては、発明の効果を損なわない範囲であれば、エネルギ
ー線硬化性組成物に各種添加剤が含有されていてもよ
い。このような添加剤としては、例えば、分子中に2個
以上の水酸基を有する化合物、熱可塑性高分子化合物、
充填剤、着色剤、安定剤(熱安定剤、耐候性改良剤
等)、重合禁止剤、レベリング剤、濡れ性改良剤、タレ
防止剤、沈殿防止剤、界面活性剤、紫外線吸収剤、カッ
プリング剤、増量剤、粘度調節剤、難燃剤、酸化防止
剤、変色防止剤、抗菌剤、防黴剤、老化防止剤、帯電防
止剤、導電性付与剤、可塑剤、滑剤、発泡剤、消泡剤、
離型剤、接着性付与剤などが挙げられる。
【0069】分子中に2個以上の水酸基を有する化合物
としては、例えば、多価アルコール(エチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、
トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリ
トール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジ
オール等)や、多価フェノール(ビスフェノールA、フ
ェノールノボラック樹脂等)や、少なくとも一種の前記
多価アルコール又は多価フェノールに少なくとも一種の
アルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレ
ンオキサイド等)を付加させて得られる水酸基含有ポリ
エーテルや、少なくとも一種の前記多価アルコール又は
多価フェノールと少なくとも一種のジカルボン酸(アジ
ピン酸、テレフタル酸、トリメリット酸等)を縮重合さ
せて得られる水酸基含有ポリエステルや、少なくとも一
種の前記多価アルコール又は多価フェノールと少なくと
も一種のラクトン(β−プロピオラクトン、γ−ブチロ
ラクトン、ε−カプロラクトン等)を縮重合させて得ら
れる水酸基含有ポリエステルなどが挙げられる。
【0070】前記熱可塑性高分子化合物としては、室温
下で液体又は固体であって、室温下で前記エネルギー線
硬化性組成物と均一に混和する、前記アクリル系(コ)
ポリマー以外の熱可塑性高分子化合物が挙げられる。代
表的なものとしては、例えば、ポリエステル、ポリ酢酸
ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリブタジエン、ポリカーボ
ネート、ポリスチレン、ポリビニルエーテル、ポリビニ
ルブチラール、ポリブテン、繊維状又は粉末状金属、ガ
ラス粉末、スチレンブタジエンブロックコポリマー水添
物などが挙げられる。これら熱可塑性高分子化合物は、
水酸基、カルボキシル基、ビニル基、エポキシ基等の官
能基が導入されていてもよい。なお、熱可塑性高分子化
合物の分子量は1000〜500000、更には500
0〜100000程度であることが好ましい。
【0071】前記充填剤としては、粉末状、フレーク
状、又は繊維状の、無機又は有機充填剤が挙げられる。
無機充填剤としては、繊維状のものとして、炭素繊維、
シリカ繊維、アルミな繊維、シリカアルミナ繊維、チタ
ン酸カリウム繊維、ジルコニア繊維、窒化ホウ素繊維、
窒化ケイ素繊維、塩基性硫酸マグネシウム繊維、ホウ素
繊維、ステンレス鋼繊維、ガラス繊維などが、フレーク
状のものとして、金属ウィスカー(アルミニウム、マグ
ネシウム、チタン、銅、鉄、ニッケル、亜鉛、スズ、
鉛、真鍮、金、又は銀等のウィスカー)、ガラスフレー
クなどが、粉末状のものとして、フレークマイカ粉末、
酸化物粉末(シリカ又は石英、アルミナ、酸化チタン、
酸化亜鉛、酸化鉄、マグネシア、又はカルシア等の粉
末)、炭素粉末、炭酸塩粉末(炭酸マグシウム等の粉
末)、水酸化物粉末(水酸化アルミニウム等の粉末)、
ケイ酸塩粉末(ケイ酸アルミニウム、ケイ酸ジルコニウ
ム等の粉末)、硫酸塩粉末(硫酸バリウム等の粉末)、
リン酸塩粉末、ホウ酸塩粉末、ホウケイ酸塩粉末、アル
ミノケイ酸塩粉末、チタン酸塩粉末、塩基性硫酸塩粉
末、塩基性炭酸塩粉末、カオリン粉末、ドロマイト粉
末、ケイ藻土粉末、タルク粉末、クレイ粉末、アスベス
ト粉末、岩綿粉末、セラミック粉末(窒化アルミ、炭化
ケイ素、ムライト、又はコージェライト等の粉末)、フ
ライアッシュ粉末、ミクロシリカ粉末、ガラス中空球な
どがそれぞれ挙げられる。これら充填剤は表面がカップ
リング剤で処理されて表面に有機基を有していてもよ
い。
【0072】有機充填剤としては、木粉、パルプ粉末、
ナイロン粉末、ポリエチレン粉末、ポリプロピレン粉
末、架橋ポリスチレン粉末、架橋フェノール樹脂粉末、
架橋尿素樹脂粉末、架橋メラミン樹脂粉末、架橋エポキ
シ樹脂粉末、ゴム粉末や、これら充填剤の表面に、エポ
キシ基、アクリル基、水酸基等の反応性の基が結合して
いるものなどが挙げられる。
【0073】前記着色剤としては、染料(直接染料、酸
性染料、塩基性染料、金属錯塩染料等)、無機顔料(カ
ーボンブラック、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化
クロム、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウ
ム、アルミナ、クレイ、マイカ等)、有機顔料(カップ
リングアゾ系、縮合アゾ系、アンスラキノン系、チオイ
ンジゴ系、ジオキサゾン系、フタロシアニン系等)など
が挙げられる。
【0074】前記安定剤としては、ヒンダードフェノー
ル系、ヒドラジン系、リン系、ベンゾフェノン系、ベン
ゾトリアゾール系、シュウ酸アニリド系などの化合物が
挙げられる。前記重合禁止剤としては、2,6−ジ−t
−ブチル−4−メチルフェノールなどが挙げられる。
【0075】前記界面活性剤としては、陰イオン系界面
活性剤(アルキルエーテル硫酸塩、ドデシルベンゼンス
ルホン酸塩、ステアリン酸塩等)、陽イオン系界面活性
剤(テトラデシルアミン酢酸塩、アルキルトリメチルア
ンモニウムクロライド等)、両性系界面活性剤(ジメチ
ルアルキルラウリルベタイン等)、非イオン系界面活性
剤(ポリオキシエチレンオクタデシルアミン、ポリオキ
シエチレンラウリルエーテル等)などが挙げられる。ま
た、前記カップリング剤としては、シラン系カップリン
グ剤(アミノシラン系、エポキシシラン系、アクリルシ
ラン系等)、チタネート系カップリング剤、アルミニウ
ム系カップリング剤、クロム系カップリング剤、ホウ素
系カップリング剤などが挙げられる。
【0076】
【実施例】次に、実施例及び比較例を挙げて本発明を具
体的に説明する。なお、紫外線照射、及び基材表面に形
成された硬化膜(以下、塗膜と称する)の評価は下記の
方法により行った。
【0077】(1)紫外線照射(塗膜形成) ウシオ電機製ユニキュアシステムUVC−1212型紫
外線照射装置(出力:1.5kw、UVランプ出力:1
20W/cm、コールドフィルター付)を使用して、照
射距離11cmで、約10秒間紫外線照射した。なお、
紫外線硬化性組成物を塗布したガラス板がベルトコンベ
ヤー上を照射入口から照射出口まで移動する時間を紫外
線照射時間(塗膜形成時間)とした。
【0078】(2)塗膜の厚さ 基材(ガラス板)の表面に形成された塗膜の厚さ(μ
m)は、ガラス板と塗布膜の総厚さ(μm)からガラス
板の厚さ(μm)を差し引いて求めた。
【0079】(3)塗膜の鉛筆硬度 傷付き度合をJISK5400に基く鉛筆硬度試験によ
り評価した。
【0080】(4)塗膜の透明性 目視により判定した。(○:無色透明)
【0081】(5)塗膜の溶解性(耐溶剤性) 有機溶剤の大気圧下での沸点で、厚さ100μmの塗膜
(5mm×3mm )を有機溶剤(100ml)中で3
時間煮沸した後、60℃で一昼夜乾燥して重量減少を測
定した。溶解性(重量%)は、浸漬前の重量(g)に対
する重量減少(g)の割合で示した。
【0082】(6)tanδピーク温度(℃) 固体粘弾性アナライザー(RSAII;レオメトリック・
サイエンテイフィク製)を使用し、周波数1.0Hz、
ステップ温度3.0℃、−100〜200℃、引張モー
ドの測定条件で行い、tanδのピーク温度をTgとし
た。
【0083】参考例1 〔ビス[(3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタ
ニル)メチル]エーテルの合成〕温度計、攪拌機、精留
塔、冷却器、窒素ガス導入管、及び滴下ロートを備えた
内容積2L(リットル)の四つ口フラスコに、3−エチ
ル−3−ヒドロキシメチルオキセタン(以下、EHOと
称する)511.1g(4.4モル)、トリエチルアミ
ン(以下、TEAと称する)222.6g(2.2モ
ル)、トルエン1100gを入れ、窒素ガス雰囲気下
で、反応温度を10℃以下に維持しながら、メタンスル
ホニルクロライド(以下、MSCと称する)229.1
g(2.0モル)を滴下ロートから滴下した。その後、
室温で更に2時間反応を続けて反応を終了させ、生成し
た沈殿を濾過により除去した。
【0084】沈殿をトルエン100gで洗浄した洗液と
濾液を併せて反応器に戻し、テトラn−ブチルアンモニ
ウムブロマイド(以下、TABAと称する)32.2g
を添加した後、攪拌下、60℃で、水酸化ナトリウムペ
レット60.0g(1.5モル)を1時間で添加した。
添加終了後、2時間反応を続け、更に70℃で5時間反
応を続けた。反応終了後、純水300gを加えて有機層
を分離した。次いで、この有機層から、目的のビス
[(3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタニル)
メチル]エーテル(以下、DOEと称する)307.5
g(1.4モル;収率71%)を蒸留分離した(200
℃/6mmHg)。このもののガスクロマトグラフィー
分析による純度(面積百分率)は98.9%で、蒸気圧
は約140℃で10mmHgであった。
【0085】参考例2 〔メタクリル酸3−エチル−3−オキセタニルメチルの
合成〕温度計、攪拌機、及び精留塔を備えた内容積1L
の四つ口フラスコに、EHO232.2g(2.0モ
ル)、メタクリル酸メチル(以下、MMAと称する)2
00.2g(2.0モル)、酸化ジブチルスズ9.96
g、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール
6.33gを入れ、攪拌下、120℃で2時間反応させ
て、約53gの留出分を得た。次いで、MMA100.
1g(1.0モル)を加えて2時間反応させ、更にMM
A100.1g(1.0モル)を加えて4時間反応さ
せ、約36gと約35gの留出分をそれぞれ得た。
【0086】反応終了後、反応液から未反応のMMAを
留去し(100℃/160mmHg)、n−ヘキサン4
00gを加えて層分離した。得られたn−ヘキサン層を
水洗して(400ml×3)、硫酸マグネシウムで乾燥
し、次いで、このn−ヘキサン層から、目的のメタクリ
ル酸3−エチル−3−オキセタニルメチル(以下、EH
O−MMAと称する)307g(0.16モル;収率8
2%)を蒸留分離した(100℃/2.5mmHg)。
このもののガスクロマトグラフィー分析による純度(面
積百分率)は98.2%であった。
【0087】参考例3 〔1,2−ビス(3−エチル−3−オキセタニルメトキ
シ)エタンの合成〕参考例1と同様の四つ口フラスコ
に、EHO220.7g(1.9モル)、TEA22
2.6g(2.2モル)、トルエン1100gを入れ、
参考例1と同様に、MSC229.1g(2.0モル)
の滴下、反応、及び分離を行った。洗液と濾液を反応器
に戻して、TABA32.2gとエチレングリコール6
8.3g(1.1モル)を添加した後、参考例1と同様
に水酸化ナトリウムペレット(1.5モル)を添加して
反応を行った。反応終了後も参考例1と同様の操作を行
って、目的の1,2−ビス(3−エチル−3−オキセタ
ニルメトキシ)エタン(以下、EDOEと称する)10
2.8g(0.63モル;収率63%)を蒸留分離した
(200℃/6mmHg)。このもののガスクロマトグ
ラフィー分析による純度(面積百分率)は98.6%
で、蒸気圧は約140℃で3mmHgであった。
【0088】実施例1 温度計、攪拌機、及び精留塔を備えた内容積500mL
の四つ口フラスコに、参考例1で得られたDOE100
gと参考例2で得られたEHO−MMA30gを入れて
混合した後、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリ
ル)(以下、AIBNと称する)0.23gを加え、反
応温度80℃で5時間重合させた。この重合反応液の粘
度は25℃で2200cPであった。続いて、該重合反
応液にサイラキュアUVI−6990(ユニオンカーバ
イド製)5.2gを添加して攪拌混合し、紫外線硬化性
組成物を調製した。この組成物の粘度は25℃で200
0cPであった。次に、スペーサを貼り付けたガラス板
(100mm×100mm×1.7mm)上に前記組成
物を室温下でキャストした後、紫外線照射を約10秒行
って、厚さ100μmの塗膜を得た。この塗膜の他の物
性を表1に示す。
【0089】実施例2 重合反応液に、更にサイラキュアUVR−6110(ユ
ニオンカーバイド製)6gを添加したほかは、実施例1
と同様にして塗膜(厚さ100μm)を得た。この塗膜
の物性を表1に示す。なお、紫外線硬化性組成物の粘度
は25℃で1800cPであった。
【0090】実施例3 重合反応液に、更にサイラキュアUVR−6110を5
0g添加したほかは、実施例1と同様にして塗膜(厚さ
100μm)を得た。この塗膜の物性を表1に示す。な
お、紫外線硬化性組成物の粘度は25℃で1400cP
であった。
【0091】実施例4 重合反応液に、更にデナコールEX−314(グリセロ
ールポリグリシジルエーテル;ナガセ化成工業製)14
gを添加したほかは、実施例1と同様にして塗膜(厚さ
100μm)を得た。この塗膜の物性を表1に示す。な
お、紫外線硬化性組成物の粘度は25℃で1700cP
であった。
【0092】実施例5 重合反応液に、更にデナコールEX−314を54g添
加したほかは、実施例1と同様にして塗膜(厚さ100
μm)を得た。この塗膜の物性を表1に示す。なお、紫
外線硬化性組成物の粘度は25℃で1100cPであっ
た。
【0093】実施例6 EHO−MMA量を21gに変え、AIBN量を0.2
4gに変え、更にメタクリル酸グリシジル(和光純薬
製;以下、GMAと称する)7gを添加したほかは、実
施例1と同様にして重合させた。次いで、得られた重合
反応液にサイラキュアUVI−6990量を5.4gに
変えて添加し、更にサイラキュアUVR−6110を6
g添加したほかは、実施例1と同様にして塗膜(厚さ1
00μm)を得た。この塗膜の物性を表1に示す。な
お、重合反応液の粘度は25℃で2000cPで、紫外
線硬化性組成物の粘度は25℃で1600cPであっ
た。
【0094】実施例7 EHO−MMA量を19.5gに変え、更にGMA6.
5gを添加したほかは、実施例1と同様にして重合させ
た。次いで、得られた重合反応液にサイラキュアUVI
−6990量を5.4gに変えて添加し、更にサイラキ
ュアUVR−6110を6g添加したほかは、実施例1
と同様にして塗膜(厚さ100μm)を得た。この塗膜
の物性を表1に示す。なお、重合反応液の粘度は25℃
で1600cPで、紫外線硬化性組成物の粘度は25℃
で1100cPであった。
【0095】実施例8 EHO−MMA量を18gに変え、AIBN量を0.2
1gに変え、更にGMA6gを添加したほかは、実施例
1と同様にして重合させた。次いで、得られた重合反応
液にサイラキュアUVI−6990量を5.4gに変え
て添加し、更にサイラキュアUVR−6110を6g添
加したほかは、実施例1と同様にして塗膜(厚さ100
μm)を得た。この塗膜の物性を表1に示す。なお、重
合反応液の粘度は25℃で1200cPで、紫外線硬化
性組成物の粘度は25℃で700cPであった。
【0096】実施例9 EHO−MMA量を15gに変え、AIBN量を0.2
6gに変え、更にGMA5gとメタクリル酸メチル(以
下、MMAと称する)5gを添加したほかは、実施例1
と同様にして重合させた。次いで、得られた重合反応液
にサイラキュアUVI−6990量を5.4gに変えて
添加し、更にサイラキュアUVR−6110を6g加え
たほかは、実施例1と同様にして塗膜(厚さ100μ
m)を得た。この塗膜の物性を表1に示す。なお、重合
反応液の粘度は25℃で1500cPで、紫外線硬化性
組成物の粘度は25℃で1200cPであった。
【0097】実施例10 DOEを参考例3で得られたEDOE100gに代え、
EHO−MMA量を20gに変え、AIBN量を0.0
9gに変えたほかは、実施例1と同様にして重合させ
た。次いで、得られた重合反応液にサイラキュアUVI
−6990量を4gに変えて添加し、更にサイラキュア
UVR−6110を6g添加したほかは、実施例1と同
様にして塗膜(厚さ100μm)を得た。この塗膜の物
性を表1に示す。なお、重合反応液の粘度は25℃で7
00cPで、紫外線硬化性組成物の粘度は25℃で60
0cPであった。
【0098】実施例11 DOEを参考例3で得られたEDOE100gに代え、
EHO−MMA量を30gに変え、AIBN量を0.1
3gに変えたほかは、実施例1と同様にして重合させ
た。次いで、得られた重合反応液にサイラキュアUVI
−6990量を4gに変えて添加し、更にサイラキュア
UVR−6110を6.6g添加したほかは、実施例1
と同様にして塗膜(厚さ100μm)を得た。この塗膜
の物性を表1に示す。なお、重合反応液の粘度は25℃
で4700cPで、紫外線硬化性組成物の粘度は25℃
で2600cPであった。
【0099】比較例1 EHO−MMAに代えてMMA20gを入れ、AIBN
量を0.016gに変えたほかは、実施例1と同様にし
て重合させた。次いで、得られた重合反応液にサイラキ
ュアUVI−6990量を5gに変えて添加し、更にサ
イラキュアUVR−6110を4g添加したほかは、実
施例1と同様にして塗膜(厚さ20μm)を得た。この
塗膜の物性を表1に示す。なお、重合反応液の粘度は2
5℃で2800cPで、紫外線硬化性組成物の粘度は2
5℃で2600cPであった。
【0100】比較例2 EHO−MMAに代えてGMA18.8gを入れ、AI
BN量を0.17gに変えたほかは、実施例1と同様に
して重合させた。この重合液は25℃で固化したため、
粘度測定、塗膜形成等ができなかった。
【0101】
【表1】
【0102】
【発明の効果】本発明により、低収縮性で厚膜を形成さ
せることができると共に、硬度及び透明性などに優れ、
更に耐溶剤性にも優れているエネルギー線硬化物(エネ
ルギー線照射により重合・架橋させて生成する硬化物)
を形成させることができる、エネルギー線硬化性組成物
を提供することができる。更に、本発明のエネルギー線
硬化性組成物は、低臭気性、低刺激性の優れたものであ
る。従って、本発明のエネルギー線硬化性組成物は、鉄
等の金属、プラスチック、コンクリート、木材などの基
材表面に、透明性、耐熱性、耐候性、密着性などに優れ
た塗膜を形成させることができ、例えば、コーティング
用途、塗料分野、印刷分野などにおいて有用なものであ
る。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 オキセタン環含有アクリル(コ)ポリマ
    ー、オキセタン環含有非アクリル化合物、及び光重合開
    始剤を含んで成るエネルギー線硬化性組成物。
  2. 【請求項2】 オキセタン環含有非アクリル化合物10
    0重量部に対して、オキセタン環含有アクリル(コ)ポ
    リマーを5〜150重量部、光重合開始剤を0.1〜2
    0重量部含む、請求項1記載のエネルギー線硬化性組成
    物。
  3. 【請求項3】 オキセタン環含有アクリル(コ)ポリマ
    ーが、オキセタン環含有アクリルモノマー以外に、エポ
    キシ基含有アクリルモノマー、及び/又はオキセタン環
    若しくはエポキシ基非含有アクリルモノマーを構成単位
    として含んでいてもよい、請求項1記載のエネルギー線
    硬化性組成物。
  4. 【請求項4】 全アクリルモノマーに対して、オキセタ
    ン環含有アクリルモノマーを10〜100重量%、エポ
    キシ基含有アクリルモノマーを0〜90重量%、オキセ
    タン環若しくはエポキシ基非含有アクリルモノマーを0
    〜90重量%の割合で含む、請求項3記載のエネルギー
    線硬化性組成物。
  5. 【請求項5】 エポキシ基含有非アクリル化合物を更に
    含んでいてもよい、請求項1又は3記載のエネルギー線
    硬化性組成物。
  6. 【請求項6】 オキセタン環含有非アクリル化合物10
    0重量部に対して、エポキシ基含有非アクリル化合物を
    0〜100重量部含む、請求項5記載のエネルギー線硬
    化性組成物。
  7. 【請求項7】 請求項1、3、又は5記載のエネルギー
    線硬化性組成物を紫外線照射により硬化させて得られる
    エネルギー線硬化物。
  8. 【請求項8】 オキセタン環含有アクリルモノマーを重
    合させてオキセタン環含有アクリル(コ)ポリマーを生
    成させ、次いで、光重合開始剤の存在下、エネルギー線
    照射下にて、該オキセタン環含有アクリル(コ)ポリマ
    ー及びオキセタン環含有非アクリル化合物を開環重合さ
    せることを特徴とするエネルギー線硬化物の製造法。
  9. 【請求項9】 オキセタン環含有非アクリル化合物の存
    在下、オキセタン環含有アクリルモノマーを重合させて
    オキセタン環含有アクリル(コ)ポリマーを生成させ
    る、請求項8記載のエネルギー線硬化物の製造法。
  10. 【請求項10】 エポキシ基含有アクリルモノマー、及
    び/又はオキセタン環若しくはエポキシ基非含有アクリ
    ルモノマーの共存下、オキセタン環含有アクリルモノマ
    ーを重合させる、請求項8又は9記載のエネルギー線硬
    化物の製造法。
  11. 【請求項11】 エポキシ基含有非アクリル化合物の共
    存下で開環重合させる、請求項8、9、又は10記載の
    エネルギー線硬化物の製造法。
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