JP2001002743A - シリコーン含有重合体の製造方法および該重合体からなる活性エネルギー線硬化性組成物 - Google Patents

シリコーン含有重合体の製造方法および該重合体からなる活性エネルギー線硬化性組成物

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JP2001002743A
JP2001002743A JP11176253A JP17625399A JP2001002743A JP 2001002743 A JP2001002743 A JP 2001002743A JP 11176253 A JP11176253 A JP 11176253A JP 17625399 A JP17625399 A JP 17625399A JP 2001002743 A JP2001002743 A JP 2001002743A
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Takashi Tsuda
隆 津田
Akira Kuriyama
晃 栗山
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Toagosei Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】経時変化がなく、無溶剤型の活性エネルギー線
硬化性組成物に利用可能なシリコーン含有重合体の製造
方法を提供する。 【解決手段】オキセタン化合物の存在下、下記(A)〜
(C)の単量体を重合させることを特徴とする、シリコ
ーン含有重合体の製造方法。 (A)環員数3〜7の環状エーテル基を有するビニル性
単量体 (B)分子末端にビニル基を有するシリコーンマクロモ
ノマー (C)(A)および(B)以外のビニル性単量体

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シリコーン成分を
含有する重合体の製造方法に関する。なお、本製造方法
で得られる重合体を主成分とする活性エネルギー線硬化
性組成物は、シリコーンの特徴である潤滑性、離型性、
耐汚染性などを有し、塗料・コーティング剤、フィルム
・シート状材料、成形材料、封止材および接着剤等とし
て好適に利用できる。
【0002】
【従来の技術】紫外線や電子線などの活性エネルギー線
で硬化する樹脂として、カチオン硬化型のオキセタン化
合物が知られている。これと同様に活性エネルギー線で
硬化する多官能アクリレートと比べ、オキセタン化合物
は、低粘度・低臭気・低皮膚刺激性であり、酸素阻害を
受け難いため薄膜での硬化性に優れている。また、得ら
れる硬化物の強靭性に優れ、かつ、収縮率が低いことか
ら下地との密着性にも優れている。さらに、汎用エポキ
シ樹脂との共重合性にも優れているため、機械的強度や
接着性の良い硬化物を容易に得ることができる(特開平
8−85775公報、特開平8−134405公報参
照)。一方、珪素原子と酸素原子が直線状に連結した高
分子量体であるシリコーンは、その特異な分子構造に起
因し、表面張力が低いという特徴を持っている。この性
質は実用面で、潤滑性、離型性、耐寒性、撥水性、気体
透過性および耐熱老化性などの特殊機能として表れ、高
分子材料を改質する有力な手段となっている。しかしな
がら、シリコーンは汎用樹脂との相溶性が悪いため、硬
化前の溶液が白濁したり、層分離し易く、また、硬化後
の塗膜のシリコーン改質効果が経時的に低下し易いなど
の問題がある。これに対し、汎用樹脂との相溶性を高め
る手段として、シリコーン連鎖を持ったグラフトポリマ
ーを利用する方法が知られ、シリコーンマクロモノマー
を用いて合成したグラフトポリマーにラジカル重合性ア
クリロイル基を導入し、活性エネルギー線硬化型組成物
として利用している。しかしながら、上記はポリマーを
含有するアクリレート組成物であるため、実用的な液粘
度に調整するためには、有機溶剤の使用が必須であり、
環境適応性に優れたUV硬化樹脂の特徴が損なわれると
いう問題がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、経時
変化がなく、無溶剤型の活性エネルギー線硬化性組成物
として利用できるシリコーン含有重合体の製造方法を提
供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意検討した結果、オキセタン化合物
の存在下で、環員数3〜7の環状エーテル基を有するビ
ニル性単量体と特定のシリコーンマクロモノマーを重合
させて得られる重合体が、前記課題を解決することを見
出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明
は、オキセタン化合物の存在下、下記(A)〜(C)の
単量体を重合させることを特徴とする、シリコーン含有
重合体の製造方法である。 (A)環員数3〜7の環状エーテル基を有するビニル性
単量体 (B)分子末端にビニル基を有するシリコーンマクロモ
ノマー (C)(A)および(B)以外のビニル性単量体 以下、本発明について、更に詳しく説明する。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明におけるオキセタン化合物
としては、分子中に1個以上のオキセタニル基を有する
化合物であれば特に限定なく使用できる。具体的には特
開平8−85775号公報および特開平8−13440
5号公報等に記載された各種のオキセタン化合物が挙げ
られ、これらの中でも、硬化性組成物の低粘度化に有効
であることから、1分子中にオキセタニル基を1個また
は2個持つ化合物が好ましい。例えば、1分子中にオキ
セタニル基を1個有する化合物として、3―エチル―3
−[(フェノキシ)メチル]オキセタン、3―エチル―
3−(ヘキシロキシメチル)オキセタン、3―エチル―
3−(2−エチルヘキシロキシメチル)オキセタン、3
―エチル―3−(ヒドロキシメチル)オキセタンおよび
3―エチル―3−(クロロメチル)オキセタン等が挙げ
られ、また、オキセタニル基を2個有する化合物の具体
例として、1,4−ビス[(3−エチル−3−オキセタ
ニルメトキシ)メチル]ベンゼンおよびビス{[1−エ
チル(3−オキセタニル)]メチル}エーテル等が挙げ
られる。これらの中でも、常温での粘度が低く、シリコ
ーンマクロモノマーや生成するシリコーン含有重合体の
溶解力に優れた、炭素数3〜10の直鎖または分岐アル
キルエーテル基を有するオキセタン化合物が特に好まし
く、例えば、3―エチル―3−(ヘキシロキシメチル)
オキセタンおよび3―エチル―3−(2−エチルヘキシ
ロキシメチル)オキセタンなどのアルコキシエーテル型
オキセタンなどが好ましい例として挙げられる。
【0006】本発明に使用される単量体は、前記(A)
〜(C)であり、これらの単量体をオキセタン化合物の
存在下に重合させてシリコーン含有重合体を得る。な
お、得られるシリコーン含有重合体の構造は、シリコー
ンが枝にあり、ビニル重合体が幹であるグラフトポリマ
ーと推定している。
【0007】(A)環員数3〜7の環状エーテル基を有
するビニル性単量体 該単量体は、1分子中にビニル基と環員数3〜7の環状
エーテル基を有する化合物である。ビニル基としては、
ラジカル重合性に優れた(メタ)アクリロイル基および
スチリル基などが好ましい。一方、環員数3〜7の環状
エーテル基としては、環員数3のエポキシ基、環員数4
のオキセタニル基、環員数5のテトラヒドロフルフリル
基等が挙げられ、こられの中でも、カチオン反応性が高
く入手が容易なエポキシ基含有ビニル単量体が好まし
い。エポキシ基含有ビニル単量体の具体例として、グリ
シジル(メタ)アクリレートなどのグリシジルエステル
型ビニル単量体、ビニルグリシジルエーテルおよびアリ
ルグリシジルエーテルなどのグリシジルエーテル型ビニ
ル単量体、ならびに脂環式エポキシ含有ビニル単量体な
どが挙げられ、市販品としてダイセル化学工業(株)の
サイクロマーM−100、サイクロマーM−101およ
びサイクロマーA−200(いずれも商品名)などがあ
り、本発明に利用できる。また、環員数4であるオキセ
タニル基を含有するビニル性単量体としては3−エチル
−3−(アクリロイルオキシメチル)オキセタン、3−
エチル−3−(メタクリロイルオキシメチル)オキセタ
ンおよび3−エチル−3−(アリロキシメチル)オキセ
タンなどが挙げられ、さらに、環員数5のテトラヒドロ
フルフリル基を含有するビニル単量体としてはテトラヒ
ドロフルフリル(メタ)アクリレートなどを挙げること
ができる。
【0008】(B)分子末端にビニル基を有するシリコ
ーンマクロモノマー 該シリコーンマクロモノマーは、分子末端にビニル基を
有するもので、優れたラジカル重合性を有すること、ビ
ニル基としては(メタ)アクリロイル基およびスチリル
基が好ましい。また、ビニル基はシリコーンマクロモン
マーの片末端だけにあっても両末端にあっても良い。骨
格構造となるシリコーンとしては、ポリジメチルシロキ
サン、ポリジエチルシロキサン、ポリジメチルフェニル
シロキサンおよびポリジフェニルシロキサン等に代表さ
れるポリオルガノシロキサンが挙げられる。また、市販
品として、東亞合成(株)製AK−5、AK−32(い
ずれも商品名)、信越化学工業(株)製のX−22−1
74DX(商品名)等があり、いずれも本発明に使用で
きる。本発明におけるシリコーンマクロモノマーは、ゲ
ルパーミエーションクロマトグラフィーによる、ポリス
チレン換算の数平均分子量が500〜30,000の範
囲のものが好ましく、さらに好ましくは数平均分子量が
1,000〜20,000である。数平均分子量が50
0未満では、シリコーン単位に基づく特性が発現し難
く、30,000を越えると、反応性が低下するためグ
ラフト化しない遊離シリコーン量が増加する。
【0009】(C)(A)および(B)以外のビニル性
単量体 該ビニル性単量体は、前記単量体(A)および(B)と
共重合可能なビニル性単量体であれば特に限定されない
が、重合性の面から、(メタ)アクリル系、スチレン
系、ビニルエステル系およびビニルエーテル系のビニル
性単量体が好ましく用いられる。(メタ)アクリル系ビ
ニル性単量体としては、メチル(メタ)アクリレート、
エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)ア
クリレート、i−プロピル(メタ)アクリレート、n−
ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アク
リレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチ
ルヘキシル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル
(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリ
レート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、
2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロ
キシブチル(メタ)アクリレート、i−オクチル(メ
タ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ス
テアリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)
アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、シ
クロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート、
トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、ジシクロペ
ンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオ
キシエチル(メタ)アクリレート、N−(メタ)アクリ
ロイルオキシエチルコハクイミドおよびN−(メタ)ア
クリロイルオキシエチルフタルイミド等のイミド(メ
タ)アクリレート化合物、(メタ)アクリル酸、アクリ
ルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、パ
ーフロロアルキルエチル(メタ)アクリレート、パーフ
ロロアルキルメチル(メタ)アクリレート、パーフロロ
アルキル(メタ)アクリレート、α−ヒドロキシメチル
アクリル酸の各種アルキルエステルとその縮合二量体、
ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート、
ポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート、トリア
ルコキシシリルアルキル(メタ)アクリレートなどのア
ルコキシシリル基含有(メタ)アクリレートなどが挙げ
られる。また、スチレン系ビニル性単量体としては、ス
チレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエンおよびt
−ブチルスチレン、クロロメチルスチレンおよびヒドロ
キシスチレンなどが挙げられる。さらに、ビニルエステ
ル系ビニル性単量体としては、酢酸ビニルおよびプロピ
オン酸ビニルなどが挙げられ、ビニルエーテル系ビニル
性単量体としては、メチルビニルエーテル、エチルビニ
ルエーテルおよびプロピルビニルエーテルなどが挙げら
れる。
【0010】本発明におけるシリコーン含有重合体の製
造方法において、上記単量体の好ましい重量割合は
(A)2〜70重量%、(B)5〜70重量%および
(C)5〜90重量%である。この範囲から外れると、
均一な重合液が得られなかったり、重合体の改質効果が
劣る恐れがあり好ましくない。
【0011】シリコーン含有重合体は、オキセタン化合
物の存在下、単量体を重合させることで製造され、重合
はラジカル重合であることが好ましい。代表的な製造方
法としては、オキセタン化合物の存在下に、アゾ化合物
や有機過酸化物などの公知のラジカル開始剤により単量
体を重合させる方法が挙げられる。この場合、オキセタ
ン化合物は低粘度でビニル重合体の溶解力に優れ、更に
ラジカル反応に対して不活性であるため、ラジカル重合
における反応溶媒の機能も併せ持つ。
【0012】重合温度は40〜180℃の範囲が好まし
く、50〜150℃が更に好ましい。重合温度が40℃
未満では重合速度が遅く反応時間が長くなり過ぎ、18
0℃を越えるとオキセタン化合物の一部が反応を起して
硬化性を阻害しやすい。さらに、重合に際し、必要に応
じ各種の有機溶媒、重合度調整剤などの添加剤を使用す
ることができる。
【0013】重合において、オキセタン化合物と単量体
の好ましい割合は、オキセタン化合物:全単量体=20
〜90:80〜10(重量%)であり、更に好ましくは
30〜80:70〜20(重量%)である。オキセタン
化合物の割合が20重量%未満であると、生成する重合
体の粘度が高くなるため塗工作業性に劣り、90重量%
を越えるとシリコーンの性質が発現しにくくなる。
【0014】上記の製造方法で得られるシリコーン含有
重合体に、エポキシ化合物および活性エネルギー線カチ
オン開始剤(以下、「開始剤」という)を添加して、活
性エネルギー線硬化性組成物を調製することができる。
前記エポキシ化合物としては特に限定なく、公知の脂環
式エポキシ化合物、芳香族エポキシ化合物などを用いる
ことができる。これらのエポキシ化合物は硬化物に必要
な性能に応じ、その化合物の種類を適時選択して使用す
る。エポキシ化合物により、硬化物の硬度や機械的強度
が改良される。開始剤としては、例えば、UV・EB硬
化材料[(株)シーエムシー、1992年発行]の3.
1.5項63−65頁に記載されている化合物が挙げら
れ、これらの中でも、下記式(1)〜(4)で表される
化合物に代表されるジアリールヨードニウム塩およびト
リアリールスルホニウム塩が好ましい。
【0015】
【化1】
【0016】
【化2】
【0017】
【化3】
【0018】
【化4】
【0019】(式中、R1およびR2は水素原子、炭素数
1〜18のアルキル基または炭素数1〜18のアルコキ
シ基を示し、R3は水素原子、ヒドロキシアルキル基ま
たはヒドロキシアルコキシ基を示し、好ましくはヒドロ
キシエトキシ基である。Mは金属を示し、好ましくはア
ンチモンまたはリンであり、Xはハロゲン原子であり、
好ましくはフッ素原子であり、kは金属の価数を示し、
例えばアンチモンの場合は5である。)
【0020】活性エネルギー線硬化性組成物における、
各成分の好ましい配合割合は、活性エネルギー線硬化性
組成物の全量100重量部に対し、シリコーン含有重合
体が3〜80重量部、エポキシ化合物が10〜97重量
部、開始剤が0.2〜10重量部であり、さらに好まし
くはシリコーン含有重合体が15〜50重量部、エポキ
シ化合物が50〜85重量部、開始剤が0.5〜5重量
部である。シリコーン含有重合体が3重量部未満である
とシリコーンの特性が硬化物に反映させず、80重量部
を越えると硬化性が低下する。また、エポキシ化合物が
10重量部未満では硬化性が不足し、97重量部を越え
るとシリコーンの特性が硬化物に発現しない。さらに、
開始剤の添加量が0.2重量部未満では光硬化性が不足
し、10重量部を越えると硬化物の強靭性が低下する。
【0021】活性エネルギー線硬化性組成物には、その
他必要に応じてオキセタン化合物、ビニルエーテル化合
物などのカチオン硬化性化合物を配合することができ
る。なお、オキセタン化合物を添加する場合は、シリコ
ーン含有重合体の製造に用いたオキセタン化合物をその
まま用いても良いし、他のオキセタン化合物を添加して
も構わない。
【0022】さらに、活性エネルギー線硬化性組成物に
は、充填剤、カップリング剤、難燃剤、可塑剤、低収縮
化剤、潤滑剤、表面改質剤、染料・顔料等の添加剤を配
合することができる。
【0023】
【実施例】以下、実施例および比較例を挙げて本発明を
さらに具体的に説明する。各例における成分の配合は、
全て重量部である。 実施例1〜4 シリコーン含有重合体の製造 重合管に、下記表1に記載の組成割合で、オキセタン化
合物、単量体、連鎖移動剤および開始剤の混合液を合計
10g入れ、80℃のオイルバス中に7時間保持して反
応させて均一溶液を得た。得られた重合体のゲルパーミ
エーションクロマトグラフィーから求めた数平均分子量
(ポリスチレン換算)は、表1に示す通りであった。
【0024】
【表1】
【0025】表1における略号は、以下の化合物を示
す。 ・MMA:メタクリル酸メチル ・t-BMA:メタクリル酸t-ブチル ・M−100:ダイセル化学工業(株)製、脂環式エポ
キシメタクリレート、商品名サイクロマーM−100 ・X-22-174DX:信越化学工業(株)製、片末端メタクリ
メイル基含有シリコーン系マクロモノマー、Mn:6,
000 ・n−DM:n−ドデシルメルカプタン ・ABN−E:2,2'−アゾビス−(2−メチルブチ
ロニトリル)(日本ヒドラジン工業(株)製商品名AB
N−E) ・HOX:3―エチル―3−(ヘキシロキシメチル)オ
キセタン ・EHOX:3―エチル―3−(2−エチルヘキシロキ
シメチル)オキセタン
【0026】実施例5〜7および比較例1 硬化性組成
物の調製と硬化物の塗膜物性 下記表2に示す組成で、実施例1〜3で得られたシリコ
ーン含有重合体にエポキシ化合物および開始剤を混合し
て活性エネルギー線硬化性組成物(実施例5〜7)を調
製した。該組成物を用い、クロメート処理アルミニウム
板上に、バーコータ#10を用いて厚さ約10μmの塗
膜を形成した後、80W/cmの高圧水銀ランプを設置
したコンベアタイプの紫外線照射装置(ランプ高さ=1
0cm、コンベアスピード=10m/min)を用いて
2パス通しで硬化させた。得られた硬化塗膜を室温で1
日放置した後、下記に示す塗膜の鉛筆硬度、密着性、屈
曲性、対水接触角、耐水性、耐マジック汚染性および動
摩擦係数の試験を行ない、その結果を表2に示した。な
お、比較例1として、シリコーン含有重合体を使用しな
い汎用エポキシ組成物を調製し、上記の試験を実施し
た。 塗膜物性の試験方法 ・鉛筆硬度:JISK5400に記載の手かき法で測定
した。 ・密着性:JISK5400に記載の碁盤目テープ剥離
法にて、マス目100個中の剥離マス目数で評価した。 ・屈曲性:JISK5400に記載の方法で、直径10
mmおよび2mmで180゜折り曲げ塗膜のひび・剥が
れの有無で評価した。 ・耐水接触角:エルマー社製ゴニオメーターを用い、蒸
留水を使用して接触角を測定した。 ・耐水性:塗膜を蒸留水に1週間浸漬し、外観変化の有
無を目視で評価した。 ・耐マジック汚染性:油性インクペンで塗膜表面をマー
クし、10分後にティッシュペーパーで拭き取り、以下
の判定基準に従って評価した。 ○:インクの染み込みがない △:わずかにインクの染み込みが残る ×:拭き取れない ・動摩擦係数:新東科学(株)製表面性測定機HEIDEON
(TYPE:HEIDON-14D・REC/14D・ANL)を使用し、接触子は直
径10mm・荷重100gのステンレス球、移動速度250mm/min
で測定した。
【0027】
【表2】
【0028】表2における略号は、以下の化合物を示
す。 UVR−6110:ユニオンカーバイド社製脂環式エポ
キシ樹脂 UVI−6990:ユニオンカーバイド社製トリアリル
スルホニウムヘキサフロロホスフェート
【0029】表2から分かるように、本発明の組成物
(実施例5〜7)では対水接触角が96゜と高くシリコ
ーン表面を有し、鉛筆硬度、屈曲性、耐水性および耐マ
ジック汚染性に優れるのに対し、比較例1は対水接触角
が低く、鉛筆硬度、屈曲性、耐水性および耐マジック汚
染性のいずれにも劣る。
【0030】実施例8〜10および比較例2〜3 カチ
オン硬化性組成物の製造 下記表3に示した割合の単量体を使用し、実施例1〜4
と同様の方法で重合を行なった。
【0031】
【表3】
【0032】表3の重合結果から分かるように、エポキ
シ化合物(UVR-6110)を溶剤とする重合(比較例2〜
3)では、シリコーン成分の溶解性が悪いため、重合液
は層分離する。これに対し、オキセタン化合物(HO
X)を溶剤とする実施例8〜10では、低粘度かつ樹脂
成分の溶解力に優れるため、均一なポリマー溶液が容易
に得られる。
【0033】実施例11〜14 硬化性組成物の調製と
硬化物の塗膜物性評価 下記表4に示す割合で、上記実施例10で得られた重合
体にエポキシ化合物および開始剤を混合し、実施例12
〜14ではさらにオキセタン化合物を添加して、組成物
を調製した。該組成物を実施例5〜7と同様の方法で厚
さ約10μの塗膜を作成・紫外線照射し、硬化物の塗膜
物性を調べ、その結果を表4に示した。
【0034】
【表4】
【0035】表4における略号は、以下の化合物を示
す。 ・OXA:3―エチル―3−(ヒドロキシメチル)オキ
セタン
【0036】
【発明の効果】本発明の方法で製造したシリコーン含有
重合体は、液状および硬化物としても均一性に優れるも
のである。さらに該シリコーン含有重合体から調製され
た活性エネルギー線硬化性組成物は硬化物中のシリコー
ン含有量が少なくても、塗膜表面に効率的にシリコーン
成分が濃縮するため、耐水性、耐汚染性、柔軟性などに
優れるため、塗料・コーティング材料、光学用フィルム
・シート状材料、成形材料、接着剤、電気絶縁材料等の
幅広い分野に応用可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J011 AA05 DA04 PA35 PB40 PC02 SA87 WA01 WA02 WA06 WA07 4J027 AC02 AC06 AD02 AF04 AF05 BA02 BA04 BA05 BA06 BA07 BA08 BA09 BA10 BA12 BA13 BA14 CA29 CD01 CD06 CD08 CD09 4J035 BA02 CA01K GA02 GB03 LB01 LB02 LB03 4J036 AA01 DA05 FB02 FB03 FB16 GA22 GA24 HA01 JA01 JA06 JA07

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】オキセタン化合物の存在下、下記(A)〜
    (C)の単量体を重合させることを特徴とする、シリコ
    ーン含有重合体の製造方法。 (A)環員数3〜7の環状エーテル基を有するビニル性
    単量体 (B)分子末端にビニル基を有するシリコーンマクロモ
    ノマー (C)(A)および(B)以外のビニル性単量体
  2. 【請求項2】オキセタン化合物が炭素数3〜10の直鎖
    または分岐アルキルエーテル基を有するものである、請
    求項1記載のシリコーン含有重合体の製造方法。
  3. 【請求項3】請求項1または請求項2記載の方法で得ら
    れたシリコーン含有重合体、エポキシ化合物および活性
    エネルギー線カチオン開始剤からなる活性エネルギー線
    硬化性組成物。
JP11176253A 1999-06-23 1999-06-23 シリコーン含有重合体の製造方法および該重合体からなる活性エネルギー線硬化性組成物 Pending JP2001002743A (ja)

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