JP2001040112A - 易引裂性二軸配向ポリプロピレンフィルム - Google Patents

易引裂性二軸配向ポリプロピレンフィルム

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JP2001040112A
JP2001040112A JP11212025A JP21202599A JP2001040112A JP 2001040112 A JP2001040112 A JP 2001040112A JP 11212025 A JP11212025 A JP 11212025A JP 21202599 A JP21202599 A JP 21202599A JP 2001040112 A JP2001040112 A JP 2001040112A
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polypropylene
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polypropylene film
melt flow
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Itsuo Nagai
逸夫 永井
Shigeru Tanaka
茂 田中
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ディスペンサー適性を有し、熱収縮率の低い
易引裂性二軸配向ポリプロピレンフィルムを提供する。 【解決手段】 メソペンタッド分率が90〜98%であ
り、メルトフロー指数が4〜25g/10分のホモポリ
プロピレンを主たる成分とし、長手方向の屈折率が1.
512〜1.530である易引裂性二軸配向ポリプロピ
レンフィルム、あるいはメソペンタッド分率が85〜9
8%であり、メルトフロー指数が4〜25g/10分の
ポリプロピレンとエチレンあるいは/かつブテンを2w
t%以下共重合した共重合ポリプロピレンを主たる成分
とし、長手方向の屈折率が1.50〜1.52である易
引裂性二軸配向ポリプロピレンフィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ディスペンサーあ
るいはテープカッターなどで容易に切断できる、粘着テ
ープ用途に好適な易引裂性二軸配向ポリプロピレンフィ
ルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来よりプラスチックフィルムによる粘
着テープが開発されているが、セロファンを除き、通常
のプラスチックフィルムでは長手方向の引張伸度が大き
すぎ、ディスペンサーなどで容易に切断できないため種
々の工夫がされてきた。例えば、二軸配向フィルムに電
子線などの放射線をかけて分子鎖を切断したものや、ポ
リスチレンなどの脆いポリマーを使用するなどのことが
行われてきた。しかしこれら方法は工程的に煩雑であ
り、汎用ポリマーであるポリプロピレン系の二軸配向フ
ィルムで簡便に製造できるものが求められてきた。この
目的のために、特公昭62−23665号公報や特公平
2−33746号公報には、極限粘度の低いポリオレフ
ィンを用い、特定のシャルピー衝撃強さを有するフィル
ムや粘着テープが開示されている。しかしこれらフィル
ムでも引張伸度が大きく、さらにディスペンサー適性に
優れたものが求められてきた。
【0003】長手方向の引張伸度を小さくするには、長
手方向の配向を上げることが効果的であることは公知で
ある。このための方法として、二軸配向ポリプロピレン
フィルムを長手方向に再延伸して、長手方向に強いフィ
ルムを作る方法が、特公昭41−21790号公報、特
公昭45−37879号公報および特公昭49−186
28号公報などによって公知である。しかしこの方法に
よっても長手方向の引張伸度が大きすぎ、さらに改良が
求められてきた。
【0004】このための改良処方として、石油樹脂を2
5〜35重量%含有する結晶性ポリプロピレンを中間層
とし、両面に結晶性ポリプロピレン層を積層し、長さ方
向が幅方向よりも高配向になるようにしたフィルムを粘
着テープとすることが開示されている。しかし、この方
法では、熱収縮率が高くなり、粘着剤の塗工時に熱収縮
が大きくトラブルとなることがあった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、ディ
スペンサー適性を有し、熱収縮率の低い易引裂性二軸配
向ポリプロピレンフィルムを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明に係る易引裂性二軸配向ポリプロピレンフィ
ルムは、メソペンタッド分率が90〜98%であり、メ
ルトフロー指数が4〜25g/10分のホモポリプロピ
レンを主たる成分とし、長手方向の屈折率が1.512
〜1.530の範囲にあることを特徴とするもの、ある
いはメソペンタッド分率が85〜98%であり、メルト
フロー指数が4〜25g/10分のポリプロピレンとエ
チレンを2wt%以下共重合した共重合ポリプロピレン
を主たる成分とし、長手方向の屈折率が1.50〜1.
52の範囲にあることを特徴とするものからなる。
【0007】
【発明の実施の形態】以下に、本発明について、望まし
い実施の形態とともに詳細に説明する。ここでいうホモ
ポリプロピレンとは、主としてアイソタクチックの立体
構造を有するものである。共重合ポリプロピレンとはポ
リプロピレンとエチレンを2wt%以下共重合したもの
を指す。共重合比率が2wt%を越えるとディスペンサ
ー適性が悪化する。これらホモポリプロピレンと共重合
ポリプロピレンを以下総称してポリプロピレン系樹脂と
呼ぶ場合がある。このホモポリプロピレンのメソペンタ
ッド分率は90〜98%であることが必要である。共重
合ポリプロピレンのメソペンタッド分率は、85〜98
%であることが必要である。メソペンタッド分率は、従
来の規則性の指標であるアイソタクチック度とは異な
り、アイソタクチックの立体構造の割合を直接反映する
指標である。本発明の主旨、即ちディスペンサー適性を
有する粘着テープ用途の二軸配向ポリプロピレンフィル
ムのための好適な特性発現のためには、このメソペンタ
ッド分率が極めて重要な役割を果たしていることに想致
し、本発明を完成させたものである。メソペンタッド分
率が上記範囲未満であると、ディスペンサー適性に問題
が出る。上記範囲を超えると製膜性が著しく悪化する。
より好ましくはそれぞれ、ホモポリプロピレンで92〜
97%、共重合ポリプロピレンで88〜96%の範囲で
ある。
【0008】本発明の易引裂性二軸配向ポリプロピレン
フィルムは、上記ポリプロピレン系樹脂を主たる成分と
する。経済性の観点から他のフィルムの回収原料を混入
することが多く行われており、上記ポリプロピレン系樹
脂以外に異なる樹脂が混入される場合も、上記ポリプロ
ピレン系樹脂が80wt%以上であることがディスペン
サー適性のために好ましい。
【0009】また、本発明におけるポリプロピレン系樹
脂のメルトフロー指数は4〜25g/10分の範囲にあ
ることが必要であり、好ましくは5〜15g/10分の
範囲である。メルトフロー指数が上記範囲より小さい
と、ディスペンサー適性が悪化したり熱収縮率が大きく
なり、逆に上記範囲より大きいと製膜性が悪化したり、
フィルムが脆くなりすぎ取り扱い性に劣る場合がある。
【0010】本発明のポリプロピレン系樹脂に、極性基
を実質的に含まない石油樹脂および極性基を実質的に含
まないテルペン樹脂から選ばれる少なくとも1種をポリ
プロピレン系樹脂100重量部に対し20重量部を上限
に添加することは、ディスペンサー適性を向上させるた
めに好適である。
【0011】極性基を実質的に含まない石油樹脂とは、
水酸基(−OH)、カルボキシル基(−COOH)、ス
ルホン酸基(−SO3Y、YはH、Naなど)などおよ
びそれらの変成体などからなる極性基を有さない石油樹
脂、すなわち石油系不飽和炭化水素を直接原料とするシ
クロペンタジエン系、あるいは高級オレフィン系炭化水
素を主原料とする樹脂である。本発明において表層樹脂
にこれら樹脂を添加する場合は、耐熱性を低下させない
ために添加する樹脂の示差熱量分析計にて測定したガラ
ス転移温度は50℃以上、さらには76℃以上のものが
好ましい。
【0012】また、該石油樹脂に水素を付加させ、その
水添率を80%以上、さらには95%以上とした水添石
油樹脂が特に好ましい。さらに、表層のポリプロピレン
系樹脂との相溶性の観点から該石油樹脂は非晶性(すな
わち示差熱量分析計にて該石油樹脂を測定したときに実
質的に結晶融解が観測されない)が好ましく、また数平
均分子量は1000以下が好ましい。
【0013】極性基を実質的に含まないテルペン樹脂と
は、水酸基(−OH)、アルデヒド基(−CHO)、ケ
トン基(−CO−)、カルボキシル基(−COOH)、
ハロゲン基、スルホン酸基(−SO3Y、YはH、Na
など)などおよびそれらの変成体などからなる極性基を
有さないテルペン樹脂、すなわち(C58nの組成の
炭化水素およびそれから導かれる変成化合物である。な
お、nは2〜20程度の自然数である。テルペン樹脂の
ことを別称してテルペノイドと呼ぶこともある。代表的
な化合物名としては、ピネン、ジペンテン、カレン、ミ
ルセン、オシメン、リモネン、テルビノレン、テルピネ
ン、サビネン、トリシクレン、ビサボレン、ジンギペレ
ン、サンタレン、カンホレン、ミレン、トタレン、など
があり、その水添率を80%以上、さらには90%以上
とするのが好ましく、特に水添βピネン、水添ジペンテ
ンなどが好ましい。
【0014】本発明の易引裂性二軸配向ポリプロピレン
フィルムの長手方向の屈折率は、ホモポリプロピレンの
場合1.512〜1.530、共重合ポリプロピレンの
場合1.50〜1.52である必要がある。長手方向の
屈折率が上記範囲より小さいとディスペンサー適性が不
十分である。上記範囲を超えると、安定した製膜が困難
となる。より好ましくはそれぞれ、ホモポリプロピレン
で1.515〜1.525、共重合ポリプロピレンで
1.505〜1.518の範囲である。
【0015】次に本発明フィルムの密度は0.905〜
0.915g/cm3が好ましく、さらに好ましくは
0.907〜0.912g/cm3の範囲である。密度
が上記範囲より小さい場合は、ディスペンサー適性が不
十分であることがあり、上記範囲より大きい場合は、フ
ィルム製膜性が悪化する場合がある。
【0016】また、本発明の易引裂性二軸配向ポリプロ
ピレンフィルムの120℃での長手方向の熱収縮率は、
4%以下であることが好ましい。熱収縮率が4%を越え
ると、粘着剤塗工工程などで熱収縮が発生しトラブルを
誘起する場合がある。より好ましくは3%以下である。
【0017】本発明の強力化二軸配向ポリプロピレンフ
ィルムの長手方向の引張伸度は30〜80%であること
が好ましい。80%を越えるとディスペンサー適性が不
十分となる場合があり、30%未満であると、フィルム
が脆くなりすぎ取り扱い性に劣る場合がある。より好ま
しくは、35%〜70%である。
【0018】さらに、本発明の易引裂性二軸配向ポリプ
ロピレンフィルムの面配向係数は、0.0125〜0.
0145であることが好ましい。面配向係数が上記範囲
より小さいと、ディスペンサー適性が悪化する場合があ
り、上記範囲を超えると製膜性が悪化する場合がある。
【0019】本願発明のフィルムは、滑り性付与や、極
性基を実質的に含まない石油樹脂および極性基を実質的
に含まないテルペン樹脂から選ばれる少なくとも1種を
添加する場合にこれらのブリードアウトによるブロッキ
ングを防止する目的で、少なくとも一方の表層にラミネ
ート層を設けることができるが、本願発明の目的のため
にはこれらラミネート層の合計厚みは、全体のフィルム
厚みの1/5以下であることが好ましい。
【0020】本発明フィルムの製造方法は特に限定され
ないが、逐次二軸延伸では通常の逐次二軸延伸を行った
後、さらに長手方向に延伸する方式や、縦方向に2段で
延伸を行った後、幅方向に延伸する方式がディスペンサ
ー適性のために好ましい。また同時二軸延伸法も望まし
い。さらに同時二軸延伸を行った後、長手方向に再延伸
することや、最初縦延伸を行った後、同時二軸延伸を行
うことなども望ましい。ここでは同時二軸延伸による方
法の一例を述べる。本発明のメソペンタッド分率および
メルトフロー指数のポリプロピレン系樹脂を準備し、押
出機に供給して230〜290℃の温度で融解させ、濾
過フィルターを経た後、スリット状口金から押し出し、
金属ドラムに巻き付けてシート状に冷却固化せしめ未延
伸フィルムとする。この場合、冷却用ドラムの温度は2
0〜60℃とし、フィルムを結晶化させることが好まし
いが、キャストドラム温度が高すぎると、特にエッジ部
の結晶化が進行しすぎ延伸性が悪くなるため注意が必要
である。
【0021】この未延伸フィルムをパンタグラフ方式の
同時二軸延伸機で二軸延伸し、二軸配向せしめる。未延
伸フィルムを115〜150℃の温度に加熱し、145
℃〜163℃の温度で長手方向延伸倍率7〜12倍、幅
方向に3〜6倍の延伸倍率で同時に延伸し、必要に応じ
さらに長手方向に1.2〜2.4倍に再延伸した後、1
50〜165℃でそれぞれの方向に5〜20%の範囲の
弛緩を与えながら熱処理し、その後冷却する。
【0022】本発明の易引裂性二軸配向ポリプロピレン
フィルムは、引張伸度が低く、ディスペンサーによる切
断性に優れ、熱収縮率が小さいことから粘着テープ用途
で好ましく用いることができる。
【0023】[特性値の測定法]本発明で用いられてい
る用語および測定法を以下にまとめて説明する。 (1)メソペンタッド分率 ポリプロピレン系樹脂をo−ジクロロベンゼン−D6に
溶解させ、JEOL製JNM−GX270装置を用い、
共鳴周波数67.93MHzで13C−NMRを測定し
た。得られたスペクトルの帰属、およびメソペンタッド
分率の計算については、T.Hayashiらが行った
方法(Polymer、29、138〜143(198
8))に基づき、メチル基由来のスペクトルについて、
mmmmmmピークを21.855ppmとして各ピー
クの帰属を行い、ピーク面積を求めてメチル基由来全ピ
ーク面積に対する比率を百分率で表示した。詳細な測定
条件は以下のとおりである。 測定濃度:15〜20wt% 測定溶媒:o−ジクロロベンゼン(90wt%)/ベンゼ
ン−D6(10wt%) 測定温度:120〜130℃ 共鳴周波数:67.93MHz パルス幅:10μ秒(45°パルス) パルス繰り返し時間:7.091秒 データ点:32K 積算回数:8168 測定モード:ノイズデカップリング。
【0024】(2)メルトフロー指数 ASTM−D−1238に準じて、230℃、2.16
kgの条件で測定した。
【0025】(3)密度 ASTM−D1505に規定の方法により測定した。
【0026】(4)長手方向屈折率および面配向係数 アッベの屈折計を用いて、フィルムの長手方向の屈折率
(Ny)、幅方向の屈折率(Nx)、厚み方向の屈折率
(Nz)を測定した。下記の式で面配向係数fnを求め
た。なお、測定時の光源には、ナトリウムD線を用い、
マウント液としては、サリチル酸メチルを用いた。 fn=(Nx+Ny)/2−Nz
【0027】(5)熱収縮率 フィルムから、長さ200mm、幅10mmの試料を切
り取る(熱収縮率を測定する方向を長さ方向とする)。
この試料を120℃の熱風循環オーブン中に15分間保
持した後、室温中に取り出し、その長さを測定する。そ
の長さをL(mm)とすれば、熱収縮率は次式で求めら
れる。 熱収縮率(%)=100×(200-L)/200
【0028】(6)引張伸度 JIS−Z1702に規定された方法に従って、インス
トロンタイプの引張試験機を用いて、25℃、65%R
Hにて測定した。
【0029】(7)ディスペンサー適性 フィルムを長手方向に細長く幅20mm×長さ150m
mにカットし、フィルムの両端を手で持って、市販の粘
着テープ用ディスペンサーの歯の部分にフィルムの中央
部を掛け、一方の手の側を固定して、もう一方の手でフ
ィルムを引き下ろし、切れるか否かを10回試験し、以
下の判定を行った。 ○:10回とも切れる △:8〜9回切れる ×:切れるのが7回以下
【0030】
【実施例】次に実施例に基づいて、本発明を説明する。 実施例1 メソペンタッド分率95.8%、メルトフロー指数9.
5g/10分のポリプロピレン樹脂を押出機に供給し、
235℃で溶融押出し、濾過フィルターを経た後、スリ
ット状口金から押し出し、30℃の金属ドラムに巻き付
けてシート状に成形した。
【0031】このシートを145℃で予熱し、パンタグ
ラフ方式の同時二軸延伸装置で158℃の温度で長手方
向に8.5倍、幅方向に5.5倍に同時に延伸し、16
3℃の温度で長手方向に5%、幅方向に10%の弛緩を
与えつつ熱処理して冷却し、15μmの二軸延伸ポリプ
ロピレンフィルムを得た。実施例2
【0032】ポリプロピレン樹脂をメソペンタッド分率
93.1%、メルトフロー指数18g/10分とした以
外は実施例1と同様の条件で作成したフィルムを実施例
2とした。
【0033】実施例3 実施例1と同じポリプロピレン樹脂を用い、長手方向延
伸倍率を8倍、幅方向延伸倍率を5倍としたものを実施
例3とした。
【0034】実施例4 実施例1と同じポリプロピレン樹脂を用い、実施例1と
同じ方法で未延伸フィルムを作成した。この未延伸フィ
ルムを逐次二軸延伸に再縦延伸を加え二軸配向ポリプロ
ピレンフィルムを作成した。未延伸フィルムを128℃
で予熱し、135℃で長手方向に5倍延伸して冷却し、
引き続きテンターに導入して158℃で幅方向に9倍延
伸し、さらに160℃で1.3倍に長手方向に延伸し、
163℃で幅方向に8%の弛緩を加えながら熱処理を行
い、冷却して巻き取ったものを実施例4とした。
【0035】実施例5 実施例3と同様に同時二軸延伸したフィルムを、さらに
長手方向に162℃で1.3倍で再縦延伸を行い、実施
例1と同じ条件で熱処理したものを実施例5とした。
【0036】実施例6 実施例1で、ポリプロピレン100重量部に対し、石油
樹脂(トーネックス社製エスコレッツ5320HC)を
10重量部添加したものを原料とした以外は実施例1と
同様の条件で作成したものを実施例6とした。
【0037】実施例7 実施例1で、エチレン共重合量1.25%の共重合ポリ
プロピレン(メソペンタッド分率:88%、メルトフロ
ー指数:13g/10分)を原料とした以外は実施例1
と同様の条件で作成したものを実施例7とした。
【0038】実施例8 実施例7で、共重合ポリプロピレン100重量部に対し
て石油樹脂を15重量部添加したものを原料にしたもの
を実施例8とした。
【0039】比較例1 ポリプロピレン原料をメソペンタッド分率88.5%、
メルトフロー指数8g/10分とした以外は実施例1と
同様の条件で作成したフィルムを比較例1とした。
【0040】比較例2 実施例1と同じ方法で未延伸フィルムを作成し、逐次二
軸延伸で二軸配向ポリプロピレンフィルムを作成した。
未延伸フィルムを135℃で予熱し、138℃で長手方
向に5倍延伸して冷却し、引き続きテンターに導入して
160℃で幅方向に9倍延伸し、幅方向に10%の弛緩
を与えながら163℃で熱処理し巻き取った。
【0041】比較例3 ポリプロピレン樹脂をメソペンタッド分率98.5%、
メルトフロー指数6.8g/10分のものとした以外は
実施例1と同じ条件で作成したフィルムを比較例3とし
た。
【0042】比較例4 ポリプロピレン樹脂をメソペンタッド分率95.5%、
メルトフロー指数2.8g/10分のものとした以外は
実施例1と同じ条件で作成したフィルムを比較例4とし
た。
【0043】比較例5 ポリプロピレン樹脂をメソペンタッド分率94.6%、
メルトフロー指数29g/10分のものとした以外は実
施例1と同じ条件で作成したフィルムを比較例5とし
た。
【0044】比較例6 共重合ポリプロピレンをエチレン共重合量2.3%の共
重合ポリプロピレン(メソペンタッド分率:89%、メ
ルトフロー指数:14g/10分)のものとした以外は
実施例1と同じ条件で作成したフィルムを比較例6とし
た。
【0045】比較例7 共重合ポリプロピレンをエチレン共重合量1.33%の
共重合ポリプロピレン(メソペンタッド分率:82%、
メルトフロー指数:11g/10分)のものとした以外
は実施例1と同じ条件で作成したフィルムを比較例7と
した。
【0046】比較例8 実施例7で同時二軸延伸の延伸倍率を7×7倍とした以
外は実施例7と同様の条件で作成したものを比較例8と
した。
【0047】これらのフィルムの特性を表1にまとめ
た。本願発明の二軸配向ポリプロピレンフィルムは、特
定のメソペンタッド分率とメルトフロー指数のポリプロ
ピレン系樹脂を用い、特定の長手方向の屈折率を有する
ことから、ディスペンサー適性に優れ、熱収縮率も小さ
いものとすることができた。
【0048】一方比較例1では、ホモポリプロピレンの
メソペンタッド分率が低く、伸度が大きいことからディ
スペンサー適性が悪くなった。比較例2では、長手方向
の屈折率が低く、伸度も大きいことからディスペンサー
適性が悪い。比較例3では、メソペンタッド分率が高す
ぎ、本表の特性上は問題ないが、製膜性が極めて悪く、
生産に適さないものであった。比較例4では、メルトフ
ロー指数が小さすぎ、熱収縮率が大きくなった。比較例
5では、メルトフロー指数が大きすぎ、本表の特性上は
問題ないが、製膜性が極めて悪く、伸度も小さすぎフィ
ルムが脆く使いづらいものとなった。比較例6ではエチ
レン共重合量が大きいため、また比較例7ではメソペン
タッド分率が小さいことから、比較例8では長手方向の
屈折率が小さいことからいずれも伸度が大きく、ディス
ペンサー適性が劣るものとなった。
【0049】
【表1】
【0050】
【発明の効果】本発明の易引裂性二軸配向ポリプロピレ
ンフィルムは、特定のメソペンタッド分率とメルトフロ
ー指数を有するポリポロピレン系樹脂を用い、特定の長
手方向屈折率とすることで、引張伸度が低く、ディスペ
ンサーによる切断性に優れ、熱収縮率が小さくすること
ができた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29K 23:00 55:00 B29L 7:00 Fターム(参考) 4F071 AA15X AA20 AA20X AA39 AA72 AA88 AF16 AF31Y AF61Y AH19 BA01 BB08 BC01 4F210 AA11A AA11C AA11E AA49 AE01 AG01 QA02 QA03 QC05 QC06 QC07 QC13 QD16 QG01 QG18 4J002 BA012 BB121 BB151 BK002 GT00

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メソペンタッド分率が90〜98%であ
    り、メルトフロー指数が4〜25g/10分のホモポリ
    プロピレンを主たる成分とし、長手方向の屈折率が1.
    512〜1.530の範囲にあることを特徴とする易引
    裂性二軸配向ポリプロピレンフィルム。
  2. 【請求項2】 メソペンタッド分率が85〜98%であ
    りメルトフロー指数が4〜25g/10分のポリプロピ
    レンとエチレンを2wt%以下共重合した共重合ポリプ
    ロピレンを主たる成分とし、長手方向の屈折率が1.5
    0〜1.52の範囲にあることを特徴とする易引裂性二
    軸配向ポリプロピレンフィルム。
  3. 【請求項3】 極性基を実質的に含まない石油樹脂およ
    び極性基を実質的に含まないテルペン樹脂から選ばれる
    少なくとも1種をホモポリプロピレンあるいは共重合ポ
    リプロピレン100重量部に対し20重量部を上限に添
    加したことを特徴とする請求項1または2に記載の易引
    裂性ポリプロピレンフィルム。
  4. 【請求項4】 長手方向の伸度が30〜80%の範囲に
    あり、長手方向の120℃での熱収縮率が4%以下であ
    る請求項1〜3のいずれかに記載の易引裂性二軸配向ポ
    リプロピレンフィルム。
JP11212025A 1999-07-27 1999-07-27 易引裂性二軸配向ポリプロピレンフィルム Pending JP2001040112A (ja)

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