JP2004512400A - フイルム、組成物、及び方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、重合体フイルムのような配向シート状材料の改良に関する。
【0002】
シート状材料(フイルムを含む)は、それらが物品に、例えば、包装として適用され、次に収縮させてその物品に一層緊密に適合させる用途で屡々用いられている。そのような収縮性フイルムは、それらが適用された物品を取り巻いて保護する、いたずら形跡明視シール及びガス及び/又は湿分障壁を与えるのに有用である。本発明の任意的目的として、そのような用途で用いるのに適した改良された(場合により改良された収縮%を有する)シートを与えることが望ましいであろう。
【0003】
分子間の立体規則性を高度に有する高結晶度ポリプロピレン(HCPP)を含む種々のフイルムが開発されてきた。HCPPは、94〜98%のアイソタクチック重合体と、残余のアタクチック重合体とからなるのが典型的である。HCPPは、慣用的結晶性の低い重合体よりも大きな結晶度を示し、一層大きな剛性、表面堅さ、高温での低い変形、及び一層よいクリープ性を有するフイルムを与える結果になる。樹脂の製造方法を含めたHCPPに関する更に多くの情報は、米国特許第5,063,264号明細書に記載されている。フイルムを製造するのに適したHCPP樹脂の市販原料には、イリノイ州シカゴのアモコ・ケミカル社(Amoco Chemical Co.)から入手できるアモコ9117及びアモコ9119、及び東京の窒素化学株式会社(Chisso Chemical Co., Ltd.)から入手できるチッソHF5010及びチッソXF2805が含まれる。欧州のソルベイ(Solvay)からも適当なHCPPを入手することができる。
【0004】
本発明は、極めて高度に分子間立体規則性を有するポリプロピレン単独重合体である極めて高い結晶度を有するポリプロピレン単独重合体(ここではVHCPPとして言及する)を含むフイルムに関する。VHCPPは、少なくとも約98%のアイソタクチック重合体と、残余の(もしあるならば)アタクチック重合体からなる。しかし、VHCPPのような極めて結晶質の重合体から延伸配向したフイルムを製造するのには、そのような重合体を用いてフイルムを形成した時に遭遇する処理問題のために、大きな困難が存在することが今まで教示されてきた。
【0005】
分子間立体規則性は、J.L.ケニッヒ(Koenig)及びA.ファン・ロゲン(Van Roggen)、Journal of Applied Polymer Science, Vol. 9, pp. 359−367 (1965)、「ポリプロピレンの立体規則性についての積分赤外帯域強度測定」(Integrated Infrared Band Intensity Measurement of Stereoregularity in Polypropylene)及びジャックL.ケニッヒ(Gack L. Koenig)「重合体鎖の化学的微細構造」(Chemical Microstructure of Polymer Chains)(ウィリー・インターサイエンス出版社、Gohn Wiley & Sons、ニューヨーク、チチェスター、ブリスベン、トロント)に記載されている方法によるIR分光分析により決定することができる。分子間立体規則性は、デカリン溶解度及びNMRによっても決定することができる。
【0006】
種々の添加剤が添加されている高度にアイソタクチックなポリプロピレンから作られたフイルムを記載した種々の特許が知られている。
【0007】
EP 0634455〔ミツイ(Mitsui)〕には、極性基を持たないテルペン樹脂及び極性基を持たない石油樹脂と一緒に、特定NMRスペクトルにより決定された立体規則性を有する結晶質ポリプロピレン(HCPP)からなるポリプロピレンフイルムが記載されている。
【0008】
WO 9641718〔モービル(Mobil)〕は、改良された湿分障壁特性を有する重合体フイルムに関する。そのフイルムは、93%より大きなアイソタクチック立体規則性を有する高結晶度ポリプロピレン及び基礎層の8重量%までの量の樹脂変性剤からなる基礎層を有する。
【0009】
米国特許第5,500,282号(モービル)には、(1)93%より大きな分子間立体規則性を有する高結晶度ポリプロピレン(HCPP)及び(2)湿分障壁改良に有効な量のポリテルペン樹脂の押出し延伸混合物からなる、改良された水蒸気透過速度を持つ二軸配向フイルム構造体が記載されている。
【0010】
米国特許第3,278,646号〔ランバート(Lambert)〕及び米国特許第4,230,767号〔イサカ(Isaka)〕には、主に熱密封性を改良するために添加されたテルペン重合体を含有する配向ポリテルペンフイルムが記載されている。
【0011】
米国特許第3,937,762号〔ナーミアス(Nahmias)〕には、少量のテルペン、例えば、α−ピネン、β−ピネン、又はβ−フェランドレンを含有するポリプロピレンからなるフイルムのための樹脂状混合物組成物が記載されている。
【0012】
米国特許第5,128,183号〔ブジオ(Buzio)〕には、アイソタクチックポリプロピレン;高密度ポリエチレン;及びガラス状無定形低分子量樹脂、例えば、テルペン重合体;の混合物からなるフイルムが記載されている。その樹脂は、透明フイルムを与えるポリプロピレンとポリエチレンとの混合物に相容性化効果を与えるため、約5重量%より多いレベルで添加されている。ポリエチレン成分は、生成物の混合及び均一性を促進するために添加されている。
【0013】
米国特許第5,579,913号〔ヤマダ(Yamada)〕には、高立体規則性(C13NMRスペクトルの相対的ピーク高さの種々の比率によって決定されている)を持つポリプロピレン樹脂と、非極性テルペン樹脂及び/又は石油樹脂とからなるフイルムが記載されている。
【0014】
熱密封性を改良する目的で或るポリプロピレンにテルペン重合体を添加することは知られているが、慣用的OPPフイルムの湿分障壁特性を改良するためにそれらを用いて効果的であるようにするためには、比較的多量、例えば、3〜25重量%(%w/w)の量を必要としてきた。
【0015】
JP 04−A−336136〔チッソ・コーポレーション(Chisso Corp.)〕、[CAS 118:193369]には、DCPDのようなシクロペンタジエン型石油樹脂20〜40部に対し100部の結晶質ポリプロピレンからなるフイルムが記載されている。
【0016】
米国特許第4,603,174号[=EP 0148621−B−〔スミトモ(Sumitomo)〕]には、添加剤として、夫々少なくとも6個の炭素原子を有する3位置分岐α−オレフィン及び/又はビニルシクロアルカンとのポリプロピレン共重合体0.05ppm〜10,000ppmを更に含有する慣用的ポリプロピレンから製造した良好な透明性を持つ延伸フイルムが記載されている。
【0017】
米国特許第5,556,920号〔タンカ(Tanka)〕には、添加剤として、0.1ppm〜1,000ppmの単環式α−オレフィン重合体を更に含有する、結晶質ポリプロピレンから製造した良好な透明性を持つ延伸フイルムが記載されている。
【0018】
前記文献の中で、ここに記載するように、有利な性質を持つフイルムを製造するためVHCPPと共に添加剤を用いることができることを教示するものは一つもなく、VHCPPを用いた時の処理の困難性を如何に解決するかを示唆するものもない。
【0019】
VHCPPは、注型フイルムを製造するために従来用いられてきているが、延伸(即ち、配向)フイルムを製造するのには用いられてこなかった。それは、ポリオレフィン系フイルムを配向するために慣用的製造装置を用いて処理することができる重合体の結晶度に実際的上限が存在すると考えられていたためである。高度に結晶質の核生成した重合体(例えば、HCPP)からなるフイルムは、配向後非常に急速に結晶化し、非常に堅いフイルムを形成する。そのため、その工程を、最終フイルムに希望の性質を得るように制御することは余りにも困難であると考えられてきた。例えば、そのようなフイルムは、テンタ・フレーム(stenter frame)で延伸した後、シートを冷却するのに従来用いられている冷却ロールのような装置とは、そのようなフイルムは両立できないことが判明している。もし堅いシートを充分ゆっくり冷却できるように温度を充分高くすると、シートは余りにも厚くなって容易に処理できなくなる(例えば、テンタ・フレームのクリップと両立できなくなる)ことが判明している。この経験から当業者は、VHCPPと核生成剤との組合せから配向フイルムを得ることは非常に困難であることを予想するようになっていた。なぜなら、そのような組合せはフイルム製造の処理段階中多くの問題を起こし易いと考えられるからである。
【0020】
本出願人は、今度全く思いがけないことに、極めて大きな結晶度を有する重合体(例えば、VHCPP)を、核生成剤及び/又は硬質樹脂と組合せて用い、例えば、ここに記載する改良された方法を用いてフイルムを製造した場合、配向フイルムを製造することができることを発見した。そのような極めて結晶質の重合体からなるフイルムは、或る他の添加剤と組合せて用いると、予想しなかった程度まで改良された性質を示すことが見出された。
【0021】
本発明の好ましい目的は、次の領域:高湿分障壁;曲げ剛性;ヤング率;熱密封性;被覆性;改良された酸素障壁;香り、及び/又は芳香の保護;及び/又は機械加工性及び/又は高速水平形態への適合性;及び/又は充填用途;の一つ以上で改良された性質を示すシートを与えることである。
【0022】
本出願人は、ここに記載した問題の幾つか又は全てを対象としたシート、それらシートを製造するための重合体組成物及び方法を見出した。
【0023】
本発明の一つの広い態様に従い、極めて高度に結晶質の重合体である第一材料を、シートの障壁性、機械的性質及び/又は光学的性質の一つ以上を改良するのに充分な量の少なくとも一種類の第二材料と一緒に含む少なくとも一つの層を有する実質的に平らな形状自立性シートが与えられる。
【0024】
本発明の別の広い態様に従い、極めて高度に結晶質の重合体である第一材料と、約110℃〜約170℃の環球軟化点を有する重合体材料及び/又は核生成剤を含有する少なくとも一種類の第二材料とを一緒にした混合物からなる少なくとも一つの層を有する実質的に平らな形状自立性シートが与えられる。
【0025】
本発明の更に別の広い態様に従い、極めて高度に結晶質の重合体である第一材料と、異なった種類の水素化炭化水素樹脂(一種又は多種)及び/又は核生成剤(一種又は多種)を含む少なくとも二種類の第二材料とを一緒にした混合物からなる少なくとも一つの層を有する実質的に平らな形状自立性シートが与えられる。
【0026】
本発明の好ましいシートは、少なくとも一つ、好ましくは二つの方向に配向されている。
【0027】
本発明の好ましいシートは、障壁性、機械的性質、及び/又は光学的性質;一層好ましくは、水蒸気透過速度(WVTR)、酸素透過速度(OTR)、ヤング率、曲げモジュラス、抗張力、曇り度、及び/又は透明度;から選択された一つ以上、一層好ましくは二つ以上の改良された性質を示す。そのような改良は、VHCPP成分をHCPPにより置換した、他の点では同じシートに関して測定されている。
【0028】
本発明のシートは長所として、20μ厚のフイルムについて必要な標準化を行なって、シート表面に平行などの方向で測定しても、次の性質:
好ましくは約6g/24時/m2より小さく、一層好ましくは約3g/24時/m2〜約6g/24時/m2の低い水蒸気透過速度(WVTR);
好ましくは約1,500cm3/24時/m2より小さく、一層好ましくは約1,300cm3/24時/m2より小さく、最も好ましくは約1,100cm3/24時/m2より小さい低い酸素透過速度(OTR);
好ましくは約4000MPa〜約5000MPa、最も好ましくは約4500MPaの大きなヤング率;
好ましくは約0.4N(mm)2〜約0.7N(mm)2、一層好ましくは約0.5N(mm)2〜約0.7N(mm)2の大きな曲げモジュラス;
好ましくは約200MPaより大きな高い抗張力;
約1.1%より小さな曇り度;及び/又は
約97%より大きな透明度;
の一つ以上(一層有利には二つ以上)を示している。
【0029】
別に特定化しない限り、ここでは次の試験方法が用いられた:
WVTRは、標準法DIN53122に記載されているように、g/24時/m2の単位で38℃及び90%の相対湿度(RH)で測定した。
OTRは、標準法ASTM D1432に記載されているように、cm3/24時/m2の単位で38℃及び0%の相対湿度(RH)で測定した。
ヤング率は、標準法ASTM D882に記載されているように、MPaの単位で測定した。
曲げモジュラスは、標準法、BS2782、部3、方法332A、1976に記載されているように、N(mm)2の単位で測定した。
フイルム抗張力は、BS2782、ASTM D882、及び/又はDIN53455に記載されている方法のような、いずれかの標準法を用いてMPaの単位で測定した。
曇り度は、標準法ASTM D1003に記載されているようにして測定した。
透明度は、標準法ASTM D1746に記載されているようにして測定した。
【0030】
本発明の更に別の態様は、組成物で、極めて高度に結晶質の重合体である第一材料を、前記組成物から製造されたシートの障壁性、機械的性質、及び/又は光学的性質の一つ以上を改良するのに充分な量の少なくとも一種類の第二材料と一緒に含有し、然も、前記第一材料が98%〜99%のアイソタクチックVHCPPである場合、前記第二材料が0.2%のジベンジリデンソルビトール核生成剤以外であることを条件とする、組成物を与える。
【0031】
本発明の更に別の態様は、極めて高度に結晶質の重合体である第一材料を、約110℃〜約170℃の環球軟化点を有する重合体材料及び/又は核生成剤を含む少なくとも一種類の第二材料と一緒に含有し、然も、前記第一材料が98%〜99%のアイソタクチックVHCPPである場合、前記第二材料が、0.2%のジベンジリデンソルビトール核生成剤以外であることを条件とする、組成物を与える。
【0032】
本発明の更に別の態様は、極めて高度に結晶質の重合体である第一材料と、異なった種類の水素化炭化水素樹脂(一種又は多種)及び/又は核生成剤(一種又は多種)である少なくとも二種類の第二材料とを一緒にしたものからなる組成物を与える。
【0033】
本発明の更に別の態様は、実質的に平らな配向したシートを製造する方法において、
(a) 極めて高度に結晶質の重合体である第一材料と、前記シートの水蒸気障壁性、ヤング率、及び/又は曲げ剛性を改良するのに充分な量の第二材料とから重合体組成物を形成し、
(b) 前記重合体組成物から形状自立性シートを形成し、そして
(c) 前記シートを加熱し、少なくとも一つの方向に延伸して前記シートを配向する、
工程を包含する、シート製造方法を与える。
【0034】
本発明の更に別の態様は、実質的に平らなシートを製造する方法において、
(a) 極めて高度に結晶質の重合体である第一材料と、約110℃〜約170℃の環球軟化点を有する重合体材料及び/又は核生成剤を含有する少なくとも一種類の第二材料とを一緒にした混合物から重合体組成物を、前記第一及び第二材料を適当なやり方で一緒に混合することにより形成し、
(b) 前記重合体組成物から形状自立性シートを形成し、そして
(c) 場合により、前記シートを加熱し、少なくとも一つの方向に延伸して前記シートを配向する、
工程を包含する、シート製造方法を与える。
【0035】
本発明の更に別の態様は、実質的に平らな配向したシートを製造する方法において、
(a) 極めて高度に結晶質の重合体である第一材料と、異なった種類の水素化炭化水素樹脂及び/又は核生成剤(一種又は多種)である少なくとも二種類の第二材料とを一緒にした混合物から重合体組成物を、前記成分を適当なやり方で一緒に混合することにより形成し、
(b) 前記重合体組成物から形状自立性シートを形成し、そして
(c) 場合により、前記シートを加熱し、少なくとも一つの方向に延伸して前記シートを配向する、
工程を包含する、シート製造方法を与える。
【0036】
前記方法において、シートは連続的ウエブとして形成するのが好ましい。
【0037】
工程(a)で形成される組成物は、ここに記載する本発明の組成物を含有するのが好ましい。
【0038】
工程(b)で、シートは、どのような押出し及び/又は同時押出し法(単数又は複数)のような当業者に既知のどのような適当な方法によって形成してもよく、例えば、適当な(例えば間隙又は環状)ダイスを通して重合体組成物を押出すことにより形成するのが好ましいことは認められるであろう。
【0039】
慣用的押出し法によりシートウエブを押出した後、そのシートウエブを加熱し、長手方向(LD)及び/又は横方向に延伸することにより分子配向させてもよい。従来LDは、ウエブが機械を通過する方向でもあり、それは機械方向(MDとしてここでは記述する)として知られており、延伸の横方向は、横断方向(ここではTDとして記述する)として知られている。好ましいシートは、MDとTDの両方に配向されている。どちらか又は両方の方向へのフイルムの配向は、どのような適当な方法によって達成してもよく、例えば、よく知られたバブル法及び/又はテンタ法により達成することができる。
【0040】
このように、工程(c)では、シートは、その表面に平行な少なくとも一つの方向に最初の大きさから最終的大きさまで延伸されてもよい。一層好ましくは、シートは、二軸方向に配向し、最も好ましくは、MD及びTDのような実質的に互いに直角な二つの方向に配向する。工程(c)は、好ましくは同時に又は順次にテンタ・フレーム又はバブル法を用い、一層好ましくはバブル法により達成する。
【0041】
このようにして形成したフイルムは、二軸配向したポリプロピレン(ここではBOPPとしても知られている)からなる。従って、第一重合体材料の特に好ましい種類のものは、分子配向したVHCPP、特にBOPPである。
【0042】
本発明の別の態様は、ここに記載した本発明の方法により得られた且つ/又は得ることができるどのようなシートでも包含する。
【0043】
このように、場合により核生成剤及び硬質樹脂のような他の成分と組合せて、極めて高度に結晶質の重合体〔アイソタシティー(isotacity)≧98%、好ましくはアイソタシティー99%のVHCPPのような重合体〕を含有する改良された配向重合体フイルムを得ることができる。
【0044】
本発明のフイルム、組成物、及び方法の中で、一般的特徴の好ましい態様を下に与える。
【0045】
第一材料は、シート、組成物、及び/又はシート内の層の主要部(bulk)相及び/又は連続相を構成するのが好ましい。
【0046】
第一材料は、非常に結晶質の単独重合体からなるのが好ましい。最も好ましくは、第一材料は、次のものからなる:ポリオレフィン(例えば、ポリプロピレン及び/又はポリエチレン)、ポリウレタン、ポリハロゲン化ビニル(例えば、PVC)、ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート−PET)、ポリアミド(例えば、ナイロン)、及び/又は非炭化水素重合体。第一重合体材料は、オレフィン系単独重合体からなるのが有利であり、アイソタシティー≧98%、場合により≧99%の極めて高度に結晶質のポリプロピレン(VHCPP)であるのが一層有利であり、例えば、商標名アドスティッフ(Adstif)AD856(純粋VHCPP)及びアドスティッフAD856(0.2%のジベンジリデンソルビトール核生成剤含有VHCPP)としてモンテル(Montell)から市販されているものである。
【0047】
第二材料は、第一材料と共に均一に位置しているのが好ましく、その中に分散(エマルジョンのように)しているか、且つ/又は溶解(固溶体のように)しているのが一層好ましい。最も好ましくは第二材料は重合体からなる。
【0048】
第二材料は、芯層中に、その層中の第一材料の重量の好ましくは約1%〜約30%、一層好ましくは約2%〜約20%の量で存在する。
【0049】
好ましい水素化炭化水素樹脂は、約110℃〜約170℃、一層好ましくは約140℃〜約150℃の環球軟化点を有する。
【0050】
好ましくは二種類の水素化炭化水素樹脂は、少なくとも一種類のテルペン及び/又はジシクロペンタジエン樹脂(一層好ましくはジシクロペンタジエン樹脂);及び少なくとも一種類の混合単量体樹脂(一層好ましくは、α−メチルスチレン、インデン、及びビニルトルエン単量体から得られる樹脂)からなる。場合により、二種類の水素化炭化水素樹脂は、両方共テルペン樹脂ではない。
【0051】
場合により、第二材料は、約140℃〜約150℃、便利には約150℃の環球軟化点を有する。
【0052】
第二材料は、次のものから選択されるのが好ましい:ジシクロペンタジエン(DCPD)水素化樹脂;水素化混合単量体樹脂;効果的核生成剤;及び/又はそれらの混合物。
【0053】
一層好ましくは、第二材料は次のものから選択される:DCPD樹脂;α−メチルスチレン、インデン、及び/又はビニルトルエン単量体の混合物から得られる樹脂(場合により、いずれの樹脂も約140℃〜約150℃の軟化点を有する);ここに列挙する核生成剤(一種又は多種);及び/又はそれらの混合物。
【0054】
好ましいDCPD樹脂は、商品名A−2468としてヘルクレス(Hercules)から市販されている150℃の軟化点を有するものからなる。ジシクロペンタジエン又はDCPDは、単量体:
【0055】
【0056】
を示し、エンド型(環Bが、環Aに対し、架橋メテニル基とは反対側にある場合)又はエキソ型(環Bが、環Aに対し、架橋メテニル基と同じ側にある場合)として存在する。
【0057】
好ましい混合単量体樹脂は、α−メチルスチレン、インデン、及び/又はビニルトルエン単量体の混合物から形成されたものからなり、アラカワ(Arkawa)から商標名アルコン(Arkon)P−150として市販されている。
【0058】
第二材料(存在する場合)に対する第一材料の重量比は、夫々約9から約19であるのが好ましい。
【0059】
どのような機構によっても束縛されたくはないが、重合体混合物に核生成剤を添加することにより、結晶粒子を一層細かくすることができ、結晶化速度を増大することができると考えられる。VHCPPは、非常に高度にアイソタクチックな重合体であり、これは結晶成長速度をコントロールすると考えられる。核生成剤は、結晶発生点の数をコントロールし、それと一緒になって有利なフイルムを与える結果になるとも考えられる。しかし、本出願人は、結晶化条件だけを変えることは、改良されたフイルムを与えず、或るVHCPP自身そのものを用いることは、限られた効果しか持たないことを発見している。全く思いがけないことに、或る核生成剤とVHCPPとの組合せが、驚くほどの相乗的程度までフイルムの性質を改良することが見出されている。
【0060】
ここに記載する核生成剤及びそれらの混合物、又は効果的であることが判明している他の核生成剤のような、どのような適当な効果的核生成剤でも本発明で使用することができる。
【0061】
本発明で用いるのに好ましい或る種類の核生成剤は、好ましくは:夫々少なくとも6個の炭素原子を有する3位置分岐α−オレフィン及びビニルシクロアルカン;一層好ましくは3,3−ジメチルブテ−1−エン、3−メチルペンテ−1−エン、3−メチルヘキセン−1,3,5,5−トリメチルヘキセ−1−エン、ビニルシクロペンタン、ビニルシクロヘキサン、及びビニルノルボルネン;最も好ましくは3−メチルペンテ−1−エン、ビニルシクロペンタン、及びビニルシクロヘキサン;から選択された少なくとも一種類の重合体前駆物質の重合により得られた又は得ることができる、場合によりオレフィン系共重合体(例えば、ポリプロピレン共重合体)からなる。
【0062】
別の好ましい種類の核生成剤は、一つの環及びその環の中に一つの又は二つの重合可能な二重結合を有する重合体前駆物質(例えば、単量体)の重合により得られた又は得ることができる重合体のような単環オレフィン重合体からなる。一層好ましい単環オレフィン重合体は、4〜20個の炭素原子を有する単環オレフィン単量体の単独重合体、前記単環オレフィン単量体間のブロック又はランダム共重合体、又は50モル%以上の前記単環オレフィン単量体と50モル%以下の他の単量体との間のブロック又はランダム共重合体からなる。4〜20個の炭素原子を有する上記単環オレフィン単量体は、式A:
【0063】
【0064】
〔式中、
nは2〜3の整数であり、水素原子はmアルキル基により置換されていてもよく、
Rは、夫々1〜4個の炭素原子を有する(mは0〜(2n+2)の整数である)〕
によって表すことができる。
【0065】
最も好ましい単環オレフィン単量体(一種又は多種)は、次のものからなる群から選択される:シクロブテン、シクロペンテン、シクロペンタジエン、4−メチルシクロペンテン、4,4−ジメチルシクロペンテン、シクロヘキセン、4−メチルシクロヘキセン、4,4−ジメチルシクロヘキセン、1,3−ジメチルシクロヘキセン、1,3−シクロヘキサジエン、1,4−シクロヘキサジエン、シクロヘプテン、1,3−シクロヘプタジエン、1,3,5−シクロヘプタトリエン、シクロオクテン、1,5−シクロオクタジエン、及びシクロドデカン。最も好ましい他の単量体(一種又は多種)は、次のものからなる群から選択される:エチレン、プロピレン、ブテ−1−エン、3−メチルブテ−1−エン、3−メチルペンテ−1−エン、及び4−メチルペンテ−1−エン。
【0066】
更に別の好ましい種類の核生成剤は、式B:
【0067】
【0068】
(式中、
R1は、酸素、硫黄、又は場合により置換された二価有機基、好ましくはO、S、又はC1−10ヒドロカルビレンであり、
R2及びR3の各々は、独立に、水素、又は場合により置換された有機基、好ましくはH又はC1−10ヒドロカルビルであり、場合によりR2の二つ、R3の二つ、又はR2及びR3は一緒になって全体として又は部分的に環を形成しており、
Mは、一価〜三価の金属原子であり、そして
nは、1〜3の整数である。)
によって表されるものである。
【0069】
式Bにより表される核生成剤の例は、次のもののいずれか、及びそれらの二種類以上の適当な混合物からなる:
2,2′−メチレン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)燐酸ナトリウム、
2,2′−エチリデン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)燐酸ナトリウム、
2,2′−メチレン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)燐酸リチウム、
2,2′−エチリデン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)燐酸リチウム、
2,2′−エチリデン−ビス(4−i−プロピル−6−t−ブチルフェニル)燐酸ナトリウム、
2,2′−メチレン−ビス(4−メチル−6−t−ブチルフェニル)燐酸リチウム、
2,2′−メチレン−ビス(4−エチル−6−t−ブチルフェニル)燐酸リチウム、
ビス[2,2′−チオビス(4−メチル−6−t−ブチルフェニル)燐酸]カルシウム、
ビス[2,2′−チオビス(4−エチル−6−t−ブチルフェニル)燐酸]カルシウム、
ビス[2,2′−チオビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)燐酸]カルシウム、
ビス[2,2′−チオビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)燐酸]マグネシウム、
ビス[2,2′−チオビス(4−t−オクチルフェニル)燐酸]マグネシウム、
2,2′−ブチリデン−ビス(4,6−ジメチルフェニル)燐酸ナトリウム、
2,2′−ブチリデン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)燐酸ナトリウム、
2,2′−t−オクチルメチレン−ビス(4,6−ジメチルフェニル)燐酸ナトリウム、
2,2′−t−オクチルメチレン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)燐酸ナトリウム、
ビス[2,2′−メチレン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)燐酸]カルシウム、
ビス[2,2′−メチレン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)燐酸]マグネシウム、
ビス[2,2′−メチレン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)燐酸]バリウム、
2,2′−メチレン−ビス(4−メチル−6−t−ブチルフェニル)燐酸ナトリウム、
2,2′−メチレン−ビス(4−エチル−6−t−ブチルフェニル)燐酸ナトリウム、
(4,4′−ジメチル−5,6′−ジ−t−ブチル−2,2′−ビフェニル)燐酸ナトリウム、
ビス[(4,4′−ジメチル−6,6′−ジ−t−ブチル−2,2′−ビフェニル)燐酸]カルシウム、
2,2′−エチリデン−ビス(4−m−ブチル−6−t−ブチルフェニル)燐酸ナトリウム、
2,2′−メチレン−ビス(4,6−ジメチルフェニル)燐酸ナトリウム、
2,2′−メチレン−ビス(4,6−ジエチルフェニル)燐酸ナトリウム、
2,2′−エチリデン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)燐酸カリウム、
ビス[(2,2′−エチリデン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)燐酸]カルシウム、
ビス[(2,2′−エチリデン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)燐酸]マグネシウム、
ビス[(2,2′−エチリデン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)燐酸]バリウム、
トリス[2,2′−メチレン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)燐酸]アルミニウム、
トリス[2,2′−エチリデン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)燐酸]アルミニウム。
2,2′−メチレン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)燐酸ナトリウム及びそれを含有する混合物が、一層好ましい。
【0070】
核生成剤の更に別の好ましい種類のものは、式C:
【0071】
【0072】
(式中、
R4は、水素、又は場合により置換された有機基、好ましくはH又はC1−10ヒドロカルビルであり、
Mは、一価〜三価の金属原子であり、そして
nは、1〜3の整数である。)
によって表されるものである。
【0073】
式Cにより表される核生成剤の例は、次のもののいずれか、及びそれらの二種類以上の適当な混合物からなる:
ビス(4−t−ブチルフェニル)燐酸ナトリウム、ビス(4−メチルフェニル)燐酸ナトリウム、ビス(4−エチルフェニル)燐酸ナトリウム、ビス(4−i−プロピルフェニル)燐酸ナトリウム、ビス(4−t−オクチルフェニル)燐酸ナトリウム、ビス(4−t−ブチルフェニル)燐酸カリウム、ビス(4−t−ブチルフェニル)燐酸カルシウム、ビス(4−t−ブチルフェニル)燐酸マグネシウム、ビス(4−t−ブチルフェニル)燐酸リチウム、及びビス(4−t−ブチルフェニル)燐酸アルミニウム。
ビス(4−t−ブチルフェニル)燐酸ナトリウム及びそれを含有する混合物が、一層好ましい。
【0074】
核生成剤の更に別の好ましい種類のものは、式D:
【0075】
【0076】
(式中、
R5は、水素、又は場合により置換された有機基、好ましくはH又はC1−10ヒドロカルビルである。)
によって表されるものである。
【0077】
式Dにより表される核生成剤の例は、次のもののいずれか、及びそれらの二種類以上の適当な混合物からなる:
1,3,2,4−ジベンジリデンソルビトール、
1,3−ベンジリデン−2,4−p−メチルベンジリデンソルビトール、
1,3−ベンジリデン−2,4−p−エチルベンジリデンソルビトール、
1,3−p−メチルベンジリデン−2,4−ベンジリデンソルビトール、
1,3−p−エチルベンジリデン−2,4−ベンジリデンソルビトール、
1,3−p−メチルベンジリデン−2,4−p−エチルベンジリデンソルビトール、
1,3−p−エチルベンジリデン−2,4−メチルベンジリデンソルビトール、
1,3,2,4−ジ(p−メチルベンジリデン)ソルビトール、
1,3,2,4−ジ(p−エチルベンジリデン)ソルビトール、
1,3,2,4−ジ(p−n−プロピルベンジリデン)ソルビトール、
1,3,2,4−ジ(p−i−プロピルベンジリデン)ソルビトール、
1,3,2,4−ジ(p−n−ブチルベンジリデン)ソルビトール、
1,3,2,4−ジ(p−s−ブチルベンジリデン)ソルビトール、
1,3,2,4−ジ(p−t−ブチルベンジリデン)ソルビトール、
1,3,2,4−ジ(2′,4′−ジ−メチルベンジリデン)ソルビトール、
1,3,2,4−ジ(p−メトキシベンジリデン)ソルビトール、
1,3,2,4−ジ(p−エトキシベンジリデン)ソルビトール、
1,3−ベンジリデン−2,4−p−クロロベンジリデンソルビトール、
1,3−p−クロロベンジリデン−2,4−ベンジリデンソルビトール、
1,3−p−クロロベンジリデン−2,4−p−メチルベンジリデンソルビトール、
1,3−p−クロロベンジリデン−2,4−p−エチルベンジリデンソルビトール、
1,3−p−メチルベンジリデン−2,4−クロロベンジリデンソルビトール、
1,3−p−エチルベンジリデン−2,4−p−クロロベンジリデンソルビトール、及び
1,3,2,4−ジ(p−クロロベンジリデン)ソルビトール。
【0078】
1,3,2,4−ジベンジリデンソルビトール、1,3,2,4−ジ(p−メチルベンジリデン)ソルビトール、1,3,2,4−ジ(p−エチルベンジリデン)ソルビトール、1,3−p−クロロベンジリデン−2,4−p−メチルベンジリデンソルビトール、1,3,2,4−ジ(p−クロロベンジリデン)ソルビトール、及びそれらの核生成剤の二種類以上の混合物が、一層好ましい。
【0079】
芳香族カルボン酸の金属塩及び脂肪族カルボン酸の金属塩のような他の核生成剤も使用することができる。それらの例には、安息香酸ナトリウム、安息香酸アルミニウム、p−t−ブチル安息香酸アルミニウム、アジピン酸ナトリウム、チオフェンカルボン酸ナトリウム、及びピロールカルボン酸ナトリウムが含まれる。タルクのような無機化合物も用いることができる。
【0080】
核生成剤は、ビニルシクロヘキサン/プロピレン共重合体〔例えば、商標名キャプ(Cap)−Mとしてスミトモから入手できるもの〕、安息香酸ナトリウム、及び/又はジベンジリデンソルビトールからなるのが便利である。
【0081】
核生成剤は、第一成分の全量の約1重量%の量で、一層好ましくは最終フイルム中、約2ppmの量で用いることができる。核生成剤は、第一重合体(例えば、VHCPP)の100重量部当たり、0.001〜10重量部、好ましくは0.01〜5重量部、一層好ましくは0.1〜3重量部の量で存在していてもよい。
【0082】
上で言及した量の核生成剤を用いることにより、プロピレン重合体の固有の優れた性質を劣化することなく、極めて微細な結晶質粒子を有し、結晶度が増大したプロピレン重合体及びそれから形成したフイルムを得ることができる。
【0083】
ここで用いられている用語「場合による置換基」及び/又は「場合により置換された」とは(他の置換基のリストが挙げられていない限り)、次の基の一つ以上(又はそれらの基による置換)を意味する:カルボキシ、スルホ、ホルミル、ヒドロキシ、アミノ、イミノ、ニトリロ、メルカプト、シアノ、ニトロ、メチル、メトキシ及び/又はそれらの組合せ。これらの場合による基には、前述の基の複数(好ましくは二つ)の同じ部分の化学的に可能な組合せの全てが含まれる(例えば、アミノとスルホニルとが直接互いに結合しているならば、それらはスルファモイル基を表す)。好ましい場合による置換基には、カルボキシ、スルホ、ヒドロキシ、アミノ、メルカプト、シアノ、メチル、及び/又はメトキシが含まれる。
【0084】
ここで用いられている同義的用語「有機置換基」及び「有機基」(ここでは省略して「有機」とも言う)は、一つ以上の炭素原子及び場合により一つ以上の他のヘテロ原子を有する一価又は多価部分(場合により一つ以上の他の部分に結合している)を指す。有機基には、炭素を含有する一価の基を有し、従って、有機であるが、炭素以外の原子の所に遊離の原子価を有するオルガノヘテリル(organoheteryl)基〔オルガノエレメント(organoelement)基としても知られている〕(例えば、オルガノチオ基)が含まれている。有機基には、別法として、又は付加的に、機能の種類とは無関係に、炭素原子に一つ遊離原子価を有する有機置換基を有するオルガニル(organyl)基が含まれている。有機基には、複素環化合物の環原子から水素原子を除去することにより形成された一価の基を有する複素環基も含まれる。(少なくとも二つの異なった元素の原子を環構成員として有する環式化合物、この場合一つは炭素である)。有機基中の非炭素原子は、次のもの:水素、ハロゲン、燐、窒素、酸素、及び/又は硫黄;から選択されるのが好ましく、一層好ましくは水素、窒素、酸素、及び/又は硫黄から選択される。
【0085】
ここで用いられている用語「ヒドロカルボ基」は、有機基の部分集合であり、一つ以上の水素原子及び一つ以上の炭素原子からなる一価又は多価部分(場合により一つ以上の他の部分に結合している)を指す。ヒドロカルボ基には、次の基の一つ以上が含まれる。ヒドロカルビル基には、炭化水素から一つの水素原子を除去することにより形成された一価の基が含まれる。ヒドロカルビレン基には、炭化水素から二つの水素原子を除去することにより形成された二価の基が含まれ、その遊離原子価は二重結合に関与しない。ヒドロカルビリデン基には、炭化水素の同じ炭素原子から二つの水素原子を除去することにより形成された二価の基(R2C=として表される)が含まれ、その遊離原子価は二重結合に関与する。ヒドロカルビリジン基には、炭化水素の同じ炭素原子から三つの水素原子を除去することにより形成された三価の基(RC≡によって表される)が含まれ、その遊離原子価は三重結合に関与する。ヒドロカルボ基にも、飽和、不飽和二重及び/又は三重結合(例えば、夫々アルケニル及び/又はアルキニル)及び/又は芳香族基(例えば、アリール)が含まれ、指示されている場合、他の官能基で置換されていてもよい。
【0086】
最も好ましい有機基は、次の炭素含有部分の一つ以上を有する:アルキル、アルコキシ、アルカノイル、カルボキシ、カルボニル、ホルミル及び/又はそれらの組合せ;場合により次のヘテロ原子含有部分の一つ以上との組合せ:オキシ、チオ、スルフィニル、スルホニル、アミノ、イミノ、ニトリロ、及び/又はそれらの組合せ。有機基には、前述の炭素含有及び/又はヘテロ原子部分の複数(好ましくは二つ)の同じ部分の化学的に可能な全ての組合せが含まれる(例えば、アルコキシ及びカルボニルは、もし直接互いに結合しているならば、アルコキシカルボニル基を表す)。
【0087】
ここで用いられている用語「アルキル」又はそれと同等の用語〔例えば、「アルク」(alk)〕は、適当な場合及び内容が明らかに他のことを示していない限り、ここに記載したもののような他のヒドロカルボ基を包含する用語によって容易に置き換えることができる。
【0088】
ここで言及する置換基、基、又は部分は、別に述べない限り、又は内容が明らかに他のものを指さない限り一価の物質を指す(例えば、アルキレン部分は、二つの他の部分に結合した二価の基を有する)。三つ以上の原子の鎖を有する基は、その鎖の全部又は一部分が線状、分岐、且つ/又は環(スピロ及び/又は融合環を含む)を形成していてもよい基を意味する。或る原子の全数は、或る置換基について特定化されており、例えば、C1−m有機は、1〜m個の炭素原子を有する有機基を意味する。ここに示した前記式のいずれにおいても、一つ以上の環置換基が環の特定の原子に結合しているものとして示されていないならば、置換基は環原子に結合した水素原子と置換していてもよく、環の、化学的に適当などの利用可能な位置の所に位置していてもよい。
【0089】
上に列挙した有機基のいずれでも、1〜36個の炭素原子、一層好ましくは1〜18個の炭素原子を有するのが好ましい。有機基の炭素原子の数は1〜10(両数字を含む)であるのが特に好ましい。
【0090】
内容が明確に他のことを示していない限り、ここで用いられているように、ここでの用語の複数の形態が、単一の形態を含むものとして又はその逆として考えられるべきである。
【0091】
用語「効果的」(例えば、本発明の方法、用途、生成物、材料、化合物、単量体、オリゴマー、重合体前駆物質、及び/又は重合体に関して)は、成分で、正しいやり方で用いられた場合に、それらがここに記載する使用法及び/又は用途の一つ以上で添加及び/又は配合された材料、化合物、組成物、単量体、オリゴマー、重合体前駆物質、及び/又は重合体に必要な性質を与える成分に言及していると理解されるであろう。ここで用いる用語「適当な」とは、官能基が効果的生成物を生ずることと両立することを意味する。
【0092】
反復単位への置換基は、材料と、それらが難燃材料を形成するように配合され且つ/又は混入される重合体及び/又は樹脂との材料の相容性を改良するように選択することができる。従って、置換基の大きさ及び長さは、樹脂との物理的もつれ又は相互位置を最適にするように選択することができ、或はそれらは、そのような他の樹脂との化学的反応及び/又は架橋を行うことができる他の反応性物質を含んでも又は含まなくてもよい。
【0093】
ここに記載する本発明の幾つか又は全てを含む或る部分、物質、基、反復単位、化合物、オリゴマー、重合体、材料、混合物、組成物、及び/又は配合物は、一種類以上の立体異性体(例えば、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、幾何学的異性体、互変異性体、及び/又は配座異性体)、塩、両性イオン、錯体(例えば、キレート、クラスレート化合物、クラウン(crown)化合物、シプタンド(cyptand)/クリプテイド(cryptade)、包摂化合物、挿入化合物、侵入型化合物、リガンド錯体、非立体異性錯体、有機金属錯体、π−付加物、溶媒和物、及び/又は水和物);同位体置換形状物、重合体形状物〔例えば、単独又は共重合体、ランダム、グラフト、又はブロック重合体、直鎖又は分岐鎖重合体(例えば、スター(star)及び/又は側鎖分岐鎖重合体)、過分岐重合体、及び/又は樹枝状巨大分子(例えば、WO 93/17060に記載されている種類のもの)、架橋及び/又は網状重合体、二価及び/又は三価反復単位から得ることができる重合体、デンドリマー(dendrimer)、異なった立体規則性の重合体(例えば、アイソタクチック、シンジオタクチック、又はアタクチック重合体)〕;多形相(例えば、侵入型形態、結晶形態、無定形形態、相及び/又は固溶体);可能な場合のそれらの組合せ、及び/又はそれらの混合物;として存在していてもよい。本発明は、効果的なそのような形態を全て包含する。
【0094】
明確にするため、別々の態様の内容として記載されている本発明の或る特徴は、一つの態様の中に組合せて与えられても良いことは認められるであろう。逆に、簡明にするため、単一の態様の内容として記述された本発明の種々の特徴が、別々に、又はどのような適当な部分的組合せとして与えられてもよい。
【0095】
ここで用いられている用語「含む(comprising)」は、続く列挙が出尽くしていないことを意味し、他の付加的適当なもの、例えば、一つ以上の更に別の特徴(単数又は複数)、成分(単数又は複数)、含有物(単数又は複数)及び/又は置換基(単数又は複数)を適当な場合には含んでいても、いなくてもよいことを意味するものと理解されたい。
【0096】
シート及び/又はフイルムも本発明の別の態様であり、次に記述する。
【0097】
本発明のシートは、どのような適当なよく知られたシート用材料でも、それらが配向することができるならば、それらを含んでいてもよく、且つ/又は支持用基体(例えば、もし本発明のシートが形状自立性でないならば)として且つ/又は本発明のシートが多層及び/又は積層フイルム中の一つの層を含むならば、他の層(単数又は複数)として、そのようなシート用材料を用いてもよい。適当なシート用材料には、次のいずれでも含まれる:重合体フイルム(特にポリオレフィン系フイルム)、紙、合成紙、織物、不織布、セラミックシート、金属繊維シート、金属化シート又はフイルム、金属箔、金属板、及び/又は前記材料の適当な組合せ及び/又は混合物により形成された多層複合体シート。ラベルとして用いるように考えられたシートについては、ポリオレフィンフイルムが好ましく、特に配向ポリプロピレンフイルムが好ましい。
【0098】
フイルムは、VHCPPのようなポリプロピレンを大部分の割合で含有していてもよいが、少なくとも一つの層の重合体がVHCPPを含み、一方又は両方の外側層の重合体が異なった性質を有する重合体である場合、同時押出し多層フイルムになっていてもよい。そのような表面層重合体(単数又は複数)は、例えば、プロピレンと、少量の一種類以上の他の1−オレフィン、例えばエチレン及び/又はブチレンとの共重合体でもよい。
【0099】
本発明のシートは唯一つの層、即ちここに記載した層からなっていてもよいが、シートは多層、即ち複数の層を持っているのが好ましい。それらの層は積層又は同時押出しにより一緒にすることができる。一層好ましくは、シートは少なくとも三つの層を有し、各層(単数又は複数)が他の層との間に挟まれており、各層(単数又は複数)の中で、シートのどちらかの表面を形成するものは一つもないような場合である。
【0100】
従って、例えば本発明のフイルムは、中心又は芯層の重合体が第二重合体材料を含んでいる三層フイルムからなっていてもよい。芯層はフイルムの全厚さの約90〜98%の厚さを有する。そのような三層フイルムの残りは、第一重合体材料の二つの外側層を有し、夫々の外側層は実質的に同じ厚さを有する。
【0101】
本発明の別のフイルムは、中心の芯層、前記中心の芯層に連続した二つの層、及び二つの最も外側の層を有し、前記中心芯層及びそのような連続層が第二重合体材料を含有し、前記二つの外側層が第一重合体材料を含有する、同時に押出された五層フイルムからなっていてもよい。中心芯層は、そのフイルムの全厚さの好ましくは約70%〜約96%、一層好ましくは約76%〜約90%の厚さを有する。そのような連続層の各々は、実質的に同じ厚さを有するのが好ましく、それはフイルムの全厚さの一層好ましくは約1%〜約6%、最も好ましくは約1%〜約2%である。夫々の外側層は実質的に同じ厚さを有するのが好ましく、それはフイルムの全厚さの一層好ましくは約1%〜約6%、最も好ましくは約1%〜約2%である。
【0102】
本発明のフイルムの一つ以上の層は、フイルムの最終用途により、不透明であっても、透明であってもよい。そのような層は、層の材料よりも高い融点を持ち且つ/又はそれと不混和性の材料(例えば、炭酸カルシウム及び/又はポリブチレンテレフタレート)の球形粒子を含有するそのような層を延伸配向することにより導入された気孔を含んでいてもよい。もし層がアイソタクチックポリプロピレン単独重合体を含むならば、そのような粒子は、例えば米国特許第4,632,869号及び米国特許第4,720,716号明細書に示されているようなポリブチレンテレフタレートでもよい。
【0103】
場合により、本発明の一つの態様として、シートは約20μより大きく、一層好ましくは約15μ〜約150μの平均厚さを有する。
【0104】
本発明のシートは、更に次の成分、それらの混合物及び/又は組合せの一種類以上を、場合により適当な層の中に位置して含んでいてもよく、その中の成分のいずれもが一つより多くの性質を示すか、又は一つより多くの目的のために添加されていてもよいことは認められるであろう:
チバ(Ciba)及びグレート・レークス(Great Lakes)からイルガノックス(Irganox)1010及びイルガホス(Irgafos)168の商標名として市販されている種類のもののような酸化剤;
ICIサーファクタンツ(ICI surfactants)から商標名アトマー(Atmer)129として市販されているもののようなグリセロールモノステアレート型及び/又は アクゾ・ノベル(Akzo Nobel)から商標名アルモスタット(Armostat)300として市販されているもののようなエトキシル化アミンであるのが好ましい静電防止剤;
遊離ラジカル補集剤(一種又は多種)及び/又は
UV減衰剤(一種又は多種)。
【0105】
一層好ましいシートは、人工的風化(乾燥サイクル0.35W\m2C340nmBST63°)に約2500時間(約2年の野外寿命に等しい)露出した後に、シートがその機械的性質の少なくとも50%を維持するような量でUV減衰材料(一種又は多種)を含有する。一層好ましくは、シートは第一材料の約0.1重量%〜約0.5重量%の量でUV減衰材料(一種又は多種)を含有する。
【0106】
UV減衰材料は、反射、吸収、屈折、散乱、及び/又は他の仕方によるような適当な化学的及び/又は物理的効果により、フイルムに入射するUV輻射線の影響を減少させる働きをするどのような材料であってもよいと考えられる。適当なUV減衰材料の例には、ベンゾフェノン及び/又はベントリアゾールが含まれる。
【0107】
本発明のシートは、更に別の添加剤を付加的に含有していてもよく、且つ/又はシートに付加的な望ましい最終的性質を与えるどのような適当な手段によって被覆されていてもよいことは当業者に充分理解されるであろう。
【0108】
もし望むならば、本発明のシートを被覆する前に、被覆が一層よくシートに付着し、それによりシートからの被覆の剥がれ又は剥離が起きる可能性を減少させることが確実に行われるように、化学的又は物理的表面変性処理にかけてもよい。被覆する前の表面の前処理として知られている従来の方法には、例えば次のものが含まれる:フイルム塩素化、即ちフイルムをガス状塩素に曝す;クロム酸、熱風、又は水蒸気処理のような酸化剤による処理;火炎処理等。簡単で効果性のために好ましい処理は、所謂電気処理であり、シートを一対の間隔を開けた電極の間に通して、シートの表面をコロナ放電を伴う高電圧電気ストレスに曝すことである。場合により、被覆の均一な接着が望まれるならば、下塗り材料の中間的連続被覆を、ここに記載する方法のいずれかにより処理したシート表面に適用することができる。下塗り材料は、チタネート及びポリ(エチレンイミン)を含有していてもよく、慣用的溶液被覆〔水性又は有機溶媒溶液、例えば約0.5重量%のイミンを含有するエタノールに入れた溶液として適用されるポリ(エチレンイミン)のようなもの〕として適用してもよい。
【0109】
本発明のシートの(フイルムのような)層の一つ以上は、従来シートの製造で用いられている添加剤及び/又は被覆のいずれかを含んでいるのが便利であり、そのような添加剤及び/又は被覆は一つより多くの効果のために添加することができる。そのような添加剤及び/又は被覆は、次のもの、それらの混合物及び/又はそれらの組合せの一つ以上から選択することができる:染料;顔料、着色剤;金属化及び/又は擬金属化被覆;潤滑剤;静電防止剤〔陽イオン性、陰イオン性、及び/又は非イオン性、例えば、ポリ(オキシエチレン)ソルビタンモノオレエート〕;酸化防止剤;表面活性剤;強化剤;スリップ助剤(例えば、ほぼ室温で表面を横切って充分滑るようにフイルムの能力を改良するホットスリップ助剤又はコールドスリップ助剤、例えば、微結晶質ワックス);光沢改良剤;プロデグレーダント(prodegradant);フイルムのガス及び/又は湿分透過性を変えるための障壁被覆(例えば、ポリハロゲン化ビニリデン、例えば、PVdC);ブロッキング防止剤(例えば、微結晶質ワックス、例えば、約0.1〜約0.6μの平均粒径を有するもの);粘着減少添加剤(例えば、ヒュームドシリカ);粒状材料(例えば、タルク);摩擦係数(COF)減少用添加剤(例えば、米国特許第3,753,769号明細書に記載されているような、約2〜15重量%のアクリル酸又はメタクリル酸、10〜80重量%のメチル又はエチルアクリレート、及び10〜80重量%のメチルメタクリレートの三元重合体と、コロイドシリカ及びカルナオバワックスと一緒にしたもの);封着性添加剤;インク接着性及び/又はプリント性を改良するための添加剤;架橋剤(例えば、メラミンホルムアルデヒド樹脂);接着剤層(例えば、感圧性接着剤);及び/又は接着剥離層(例えば、剥離性プレートラベル用途でのライナーとして用いるためのもの)。
【0110】
上に列挙した希望の添加剤の幾つか又は全てを、本発明のシートを被覆するため、且つ/又はそれ自身被覆される新しい層(即ち、最終シートの中心芯層)を形成するための組成物として一緒に添加してもよく、且つ/又はシートの外側又は表面層を形成していてもよい。別法として、前述の添加剤の幾つか又は全てを、別々に添加するか且つ/又は場合によりシート形成中且つ/又はその前に、シートの本体中へ(例えば、最初の重合体組成物の一部分として)直接配合してもよく、従って層又は被覆を、そのようなものとして形成しても、しなくてもよい。
【0111】
被覆組成物は、シート(例えば、重合体フイルム)の処理表面に、グラビア被覆、ロール被覆、浸漬、スプレー等によるなどして、適当なやり方で適用することができる。過剰の液体(例えば、水溶液)は、絞りロール、ドクターナイフ等により除去することができる。被覆組成物は、通常乾燥後に、約0.1〜約15μの厚さの滑らかで均一に分布した層が堆積するような量で適用される。一般に、適用された被覆の厚さは、基体シートに望まれる特性を付与するのに充分な厚さである。被覆をシートに適用したならば、次にそれを熱風、輻射熱、又は他の適当な手段により乾燥し、他の希望の性質(例えば、水不溶性、場合により透明性、接着性、光沢のある被覆フイルム、例えば、ラベリング及び/又はグラフィックアート用途で有用なもの)を有する本発明のシートを与えることができる。
【0112】
本発明の更に別の特徴を下に与える:
本発明の重合体組成物(且つ/又は下に記載するような第一及び/又は第二重合体材料)使用して本発明の配向シートを製造する、それらの使用。
【0113】
本発明のシートで包装した(好ましくは収縮包装した)物品。
【0114】
本発明のシートで物品を包装し、場合によりフイルムを収縮して物品に一層気密に適合するようにし、例えば、水及び/又は空気を一層よく排除する工程(単数又は複数)を有する物品包装方法。
【0115】
物品は、本発明の改良されたフイルムで包装されることにより利点を受けるどのような適当な物品でもよい。そのような物品には、タバコ製品、例えばシガレットパックのような湿分及び/又は空気に敏感な製品が含まれるが、それらに限定されるものではない。
【0116】
本発明のシートを用いて、酸素及び/又は水から物品を保護する、その使用。
【0117】
本発明の更に別の態様として、本発明のシートを有するラベル、防護品の製造及び/又は表示装置が与えられる。
【0118】
本発明の更に別の態様は、好ましくはラベリング、グラフィックアート、防護、及び/又は表示の分野(単数又は複数)で用いるのに適したラベル、札又は他の表示装置を製造する方法で本発明のシートを使用することを与える。
【0119】
本発明の更に別の態様は、ラベリング、グラフィックアート、防護、及び/又は表示方法で本発明のシートを使用することを与える。
【0120】
本発明を、本発明のフイルム(例1〜3、下記参照)と、或る従来法のフイルム(比較例I〜IV、下記参照)の種々の性質を比較するプロットである図1〜4によりここに例示する。
【0121】
バブル法
本発明のフイルムは、次のようなバブル法により製造した五層積層BOPPフイルムからなっていてもよい。そのフイルムは、三つの組成物を3チャンネル環状ダイスを通して(同時)押出しすることにより形成する。そのダイスの中間チャンネルからのポリプロピレン組成物は、バブル壁(ここでは組成物Aとして示す)を形成する;ダイスの最も外側のチャンネル中の組成物はバブルの外側表面を被覆する(ここでは組成物Bとして示す)、そして内側チャンネルからの組成物はバブルの内側表面を被覆する(ここでは組成物Cとして示す)。三つの組成物を同時に押出しながら、空気をダイスに吹き込み、管状バブルを形成し、それがその外側及び内側の両方で被覆される。それがダイスから押出される時、被覆されたポリプロピレン管状同時押出し物を、管内部のマンドレルの上に通すことにより冷却し、外部からはそのマンドレルを取り囲む水浴に通すことにより急冷する。次にその管を加熱して延伸温度にし、内部ガス圧力により膨張させ(バブルを形成し)、膨張領域から、それへ供給された速度よりも大きな速度で引き出し、バブルがその最初の大きさの7〜8倍まで押出し方向(MD)及びそれを横切る方向(TD)の両方で延伸する。延伸された管状フイルムを、次に潰し、裂く。場合によりそのフイルムをマット状表面のローラー加熱硬化機(例えば、GB−A−1124886に記載されている種類のもの)上で選択された温度(例えば、60℃〜140℃の温度)で熱硬化してもよい。
【0122】
場合により、得られたフイルムをバブル壁の二つの同様に被覆された側を一緒に積層し、単一内部層(組成物C)を二つの同様な二つのフイルム層(組成物A)及び両方のフイルム表面を形成する二つの同様な外側被覆(組成物B)により取り巻いたものからなる五層フイルムを形成する。従って、この方法により形成されたフイルムはB/A/C/A/Bの層状構造を有するが、別法として、この得られたフイルムは、内部層「C」を二つの層を一緒に積層することにより形成しているので、六層フイルムとして特徴付けることもできる。
【0123】
本発明の好ましいBOPPフイルムは、上に記載したようなバブル法により製造することができ、この場合:
組成物Aは、フイルム製造に適したどのような安定化単独重合体ポリプロピレンでもよく、例えば、約6.5〜約9.0のMFI(230℃/2.16kgで測定したメルト・フロー・インデックス)を有するものでもよい;そして
組成物B及びCは、エチレン・プロピレンランダム共重合体、プロピレン・ブチレンランダム共重合体、線状低密度ポリプロピレン、及び/又はプロピレン・ブチレン・エチレンランダム三元重合体のいずれの組合せから選択された溶融被覆重合体でもよい。溶融被覆は、合成シリカ(ブロック防止剤として)及びシリコーンガム(スリップ添加剤として)を含有していてもよい。
【0124】
他のフイルム(必ずしもここで試験したものである必要はない)は、上で特定化したこれら組成物A〜Cのいずれかを他の適当な組成物で置き換えることにより形成することもできることは認められるであろう。例えば、組成物Aは、小さな濃度(約0.5%〜約1.0重量%)のポリエチレンを含有するポリプロピレンの重合体混合物からなっていてもよく;且つ/又は組成物Bは、プロピレン(92重量%)/ポリエチレン(4重量%)/ポリブチレン(4重量%)の三元重合体からなっていてもよい。ここでの例は、改良された内部組成物(組成物A)を有するフイルムを示すことにより本発明を例示しており、比較をし易くする場合には、フイルムは同じか又は同等の組成物を有するか、又は外側組成物(組成物B及びC)を持たない。
【0125】
本発明を、更に次の実施例を参照して例示するが、それらに限定されるものではない。
【0126】
比較例
ここでの比較例I〜IVは、上に記載したバブル法により製造し、この場合内側フイルム層(組成物A)は、下に記載する組成物からなる。種々の試験の結果を図1〜4に与える。
【0127】
比較例I
この比較例では、フイルムは、上に記載したようにして製造され、組成物Aは、商標名N1102Mとしてタルゴア(Targor)から市販されている慣用的95%〜96%アイソタクチックHCPP単独重合体からなっていた。
【0128】
比較例II
この比較例では、フイルムは、上に記載したようにして製造され、組成物Aは、慣用的核生成した95%〜96%のアイソタクチックHCPP単独重合体と、0.04%の安息香酸ナトリウム核生成剤との混合物からなっていた。そのような混合物は、商標名NQ10045としてタルゴアから市販されている。
【0129】
比較例III
この比較例では、フイルムは、上に記載したようにして製造され、組成物Aは、商標名N1102Mとしてタルゴアから市販されている慣用的95%〜96%のアイソタクチックHCPP単独重合体と、商標名アルコン(Arkon)P−125としてアラカワ(Arakawa)から市販されている軟化点125℃の水素化混合単量体樹脂10重量%との混合物からなっていた。
【0130】
比較例IV
この比較例では、フイルムは上に記載したようにして製造し、この場合組成物Aは、商標名アドスティフ(Adstif)AD856としてモンテル(Montell)から市販されている実質的に純粋な98%〜99%アイソタクチックVHCPP単独重合体からなっていた。
【0131】
(実施例)
例1(純粋VHCPP[=アドスティフAD856]+別の核生成剤を用いた)
例1では、本発明のフイルムは上に記載したバブル法により製造し、この場合組成物Aは、商標名アドスティフAD856としてモンテルから市販されている実質的に純粋な98%〜99%アイソタクチックVHCPP単独重合体と、0.2重量%の、商標名キャプ−Mとしてスミトモから入手できるシクロヘキサン/プロピレン共重合体核生成剤との混合物からなっていた。
【0132】
例2〜5(予め核生成した混合物、VHCPP+核生成剤[=アドスティフAD855]を用いた)。
【0133】
PP樹脂組成物
種々のポリプロピレン(PP)樹脂組成物は、次のようにして製造した。樹脂組成物は、(i)商品名A−2468としてヘルクレスから入手できるジシクロペンタジエン(DCPD)樹脂(軟化点150℃);又は(ii)商標名アルコンP−150としてアラカワから入手できる水素化混合単量体樹脂(軟化点150℃)からなっていた。組成物(i)又は(ii)を、商標名アドスティフAD855としてモンテルから入手できる核生成剤混合物であるVHCPP/0.2%β−ソルビトール核生成剤と溶融混合した。それら成分を下に記載するような種々の重量比で一緒にし、PP樹脂組成物を与え、それらを用いて下の例2〜5に記載するように、フイルムを製造した。
【0134】
試験フイルム
上に記載したようにして製造した種々のPP樹脂組成物(下の例2〜5で説明する)から種々の試験フイルムを製造した。PP樹脂組成物を二軸押出し機を用いて高剪断条件下で溶融混合し、重合体粒状物にした。次にそれらの粒状物をプレスして板状にし、メインズウォーター(mains water)を用いて20℃の温度で急冷した。次にPP/樹脂板を慣用的やり方で155℃でTMロング(long)延伸機で延伸し、二軸配向したポリプロピレン(BOPP)フイルムの試料を形成した。得られたフイルムは望ましい且つ/又は相乗的性質を示し、特にそれらフイルムが、樹脂対PPの各重量比が約5:95〜約10:90である組成物から形成された場合にそうであった。
【0135】
例2
フイルムを、上に記載したようにして、10%DCPD樹脂と90%のアドスティフAD855の組成物から製造した。
【0136】
例3
フイルムを、上に記載したようにして、5%DCPD樹脂と95%のアドスティフAD855の組成物から製造した。
【0137】
例4
フイルムを、上に記載したようにして、10%のアルコンP−150と、90%のアドスティフAD855の組成物から製造した。
【0138】
例5
フイルムを、上に記載したようにして、5%のアルコンP−150と、95%のアドスティフAD855の組成物から製造した。
【0139】
例2〜5の組成物の各々が、上に記載したバブル法により製造したフイルムの内側層(組成物A)を構成するフイルムも製造した。
【0140】
本発明のフイルムの利点には、次のものの幾つか又は全てが含まれる:フイルム中に配合した同じ量の樹脂について相乗的性能;改良された曲げ剛性、光沢、透明度、曇り度、収縮性、破断時抗張力及び伸びのフイルム特性;及び/又はほんの僅かなコストの増大で、現存するタバコ包装級フイルムについての改良された性能。
【0141】
ここで製造したフイルムの幾つかを試験し、それらの結果を下の表に与える(それら結果の幾つかを図1〜4にプロットしてある)。それらの結果は、本発明のフイルムの利点の幾つかを例示している。
【0142】
方向性フイルム特性を、ここに記載又は示した方法を用いて、表に示したように、方向(TD又はMD)で測定した。
【0143】
表2は、種々のフイルムについて行なったDSC測定値を示している。この場合「△H」は、Jg−1単位でフイルムの転移エネルギーを示し、それはフイルムの結晶度の大きさの尺度になる。各例について与えられた遷移エネルギーは、表に与えた温度でフイルムの最初の加熱後、フイルムを冷却した後、次にフイルムを再加熱した後の三つの段階で標準方法を用いて測定した。
【0144】
【0145】
【0146】
二種類以上の樹脂とVHCPPからなる組成物から形成したフイルムは、遥かに一層好ましいものである。
【0147】
上で論じた特定の態様は、上に一般的に又は特別に記述した成分と同等の成分を用い、種々の工程条件で繰り返しても成功を収めることができることは当業者に明らかであろう。前記明細書から、当業者は本発明の本質的特徴を容易に確かめることができ、本発明の本質的及び範囲から離れることなく、それを種々の広範な用途に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
図1は、g/24時/m2の単位で水蒸気透過速度(WVTR)の結果、及びcm3/24時/m2の単位で酸素透過速度(OTR)の結果を比較できるように与えたグラフであり、両方共20μ厚のフイルムについて標準化してある。
【図2】
図2は、曇り度(%)及び透明度(%)により測定した光学的性質を比較できるように示したグラフである。
【図3】
図3は、Nm2の単位で曲げ剛性の結果を比較できるように示したグラフである。
【図4】
図4は、MPaの単位でヤング率の結果を比較できるように示したグラフである。
Claims (21)
- 極めて高度に結晶質の重合体である第一材料を、シートの障壁性、機械的性質、及び/又は光学的性質の一つ以上を改良するのに充分な量の少なくとも一種類の第二材料と一緒に含有する少なくとも一つの層を有する実質的に平らな形状自立性シート。
- 極めて高度に結晶質の重合体である第一材料と、約110℃〜約170℃の環球軟化点を有する重合体材料及び/又は核生成剤を含有する少なくとも一種類の第二材料とを一緒にした混合物からなる少なくとも一つの層を有する実質的に平らな形状自立性シート。
- 極めて高度に結晶質の重合体である第一材料と、異なった種類の水素化炭化水素樹脂(一種又は多種)及び/又は核生成剤(一種又は多種)を含む少なくとも二種類の第二材料とを一緒にした混合物からなる少なくとも一つの層を有する実質的に平らな形状自立性シート。
- 少なくとも一つ、場合により二つの方向に配向した、請求項1〜3のいずれか1項に記載のシート。
- 極めて高度に結晶質の重合体が、極めて高度に結晶質のポリプロピレン(VHCPP)を含有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載のシート。
- VHCPPが、少なくとも99%のアイソタシティーを有する、請求項6に記載のシート。
- 第二重合体材料が、ジシクロペンタジエン水素化樹脂;水素化混合単量体樹脂;α−メチルスチレン、インデン及び/又はビニルトルエン単量体の混合物から得ることができる樹脂;から選択された水素化樹脂を含有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載のシート。
- 第二重合体材料が、
(a) 場合により、3位置分岐α−オレフィン及び少なくとも6個の炭素原子を夫々有するビニルシクロアルカンから好ましくは選択された少なくとも一種類の重合体前駆物質の重合により得ることができるオレフィン共重合体(一種又は多種)、
(b) 一つの環、及びその環の中に一つ又は二つの重合可能な二重結合を有する重合体前駆物質の重合により得ることができる単環式オレフィン重合体(一種又は多種)、
(c) 式A:
nは2〜3の整数であり、水素原子はmアルキル基により置換されていてもよく、
Rは、夫々1〜4個の炭素原子を有する(mは0〜(2n+2)の整数である)〕
によって表すことができる4〜20個の炭素原子を有する単環式オレフィン単量体、
(d) 式B:
R1は、酸素、硫黄、又は場合により置換された二価有機基、好ましくはO、S、又はC1−10ヒドロカルビレンであり、
R2及びR3の各々は、独立に、水素、又は場合により置換された有機基、好ましくはH又はC1−10ヒドロカルビルであり、場合によりR2の二つ、R3の二つ、又はR2及びR3が一緒になって全体として又は部分的に環を形成しており、
Mは、一価〜三価の金属原子であり、そして
nは、1〜3の整数である。)
によって表される化合物、
(e) 式C:
R4は、水素、又は場合により置換された有機基、好ましくはH又はC1−10ヒドロカルビルであり、
Mは、一価〜三価の金属原子であり、そして
nは、1〜3の整数である。)
によって表される化合物、
(f) 式D:
R5は、水素、又は場合により置換された有機基、好ましくはH又はC1−10ヒドロカルビルである。)
によって表される化合物、
(g) 芳香族カルボン酸の金属塩及び脂肪族カルボン酸の金属塩、
(h) 適当な無機化合物、場合によりタルク、及び/又は
(i) それらの効果的混合物及び/又は組合せ、
から選択された核生成剤を含有する、請求項1〜7のいずれか1項に記載のシート。 - 水蒸気透過速度(WVTR)、酸素透過速度(OTR)、ヤング率、曲げモジュラス、曇り度、及び/又は透明度から選択された一つ以上、場合により二つ以上の改良された(ここに定義するような)性質を示す、請求項1〜8のいずれか1項に記載のシート。
- シート表面に平行などの方向で測定しても、20μ厚のフイルムについて必要な標準化を行なって、次の性質:
約6g/24時/m2より小さなWVTR;
約1,500cm3/24時/m2より小さなOTR;
約4000MPa〜約5000MPaのヤング率;
好ましくは約0.4N(mm)2〜約0.7N(mm)2の曲げモジュラス;
約1.1%より小さな曇り度;及び/又は
約97%より大きな透明度;
の二つ以上を示す、請求項9に記載のシート。 - 組成物で、極めて高度に結晶質の重合体である第一材料を、前記組成物から製造されたシートの障壁性、機械的性質、及び/又は光学的性質の一つ以上を改良するのに充分な量の少なくとも一種類の第二材料と一緒に含有し、然も、前記第一材料が98%〜99%のアイソタクチックVHCPPである場合、前記第二材料が0.2%のジベンジリデンソルビトール核生成剤以外であることを条件とする、組成物。
- 極めて高度に結晶質の重合体である第一材料を、約110℃〜約170℃の環球軟化点を有する重合体材料及び/又は核生成剤を含む少なくとも一種類の第二材料と一緒に含有し、然も、前記第一材料が98%〜99%のアイソタクチックVHCPPである場合、前記第二材料が、0.2%のジベンジリデンソルビトール核生成剤以外であることを条件とする、組成物。
- 極めて高度に結晶質の重合体である第一材料を、異なった種類の水素化炭化水素樹脂(一種又は多種)及び/又は核生成剤(一種又は多種)である少なくとも二種類の第二材料と一緒に含有する組成物。
- 実質的に平らな配向したシートを製造する方法において、
(a) 極めて高度に結晶質の重合体である第一材料と、前記シートの水蒸気障壁性、ヤング率、及び/又は曲げ剛性を改良するのに充分な量の第二材料とから重合体組成物を形成し、
(b) 前記重合体組成物から形状自立性シートを形成し、そして
(c) 場合により、前記シートを加熱し、少なくとも一つの方向に延伸して前記シートを配向する、
工程を包含する、シート製造方法。 - 実質的に平らなシートを製造する方法において、
(a) 極めて高度に結晶質の重合体である第一材料と、約110℃〜約170℃の環球軟化点を有する重合体材料及び/又は核生成剤を含有する少なくとも一種類の第二材料とを一緒にした混合物から重合体組成物を、前記第一及び第二材料を適当なやり方で一緒に混合することにより形成し、
(b) 前記重合体組成物から形状自立性シートを形成し、そして
(c) 場合により、前記シートを加熱し、少なくとも一つの方向に延伸して前記シートを配向する、
工程を包含する、シート製造方法。 - 実質的に平らな配向したシートを製造する方法において、
(a) 極めて高度に結晶質の重合体である第一材料と、異なった種類の水素化炭化水素樹脂及び/又は核生成剤(一種又は多種)である少なくとも二種類の第二材料とを一緒にした混合物から重合体組成物を、前記成分を適当なやり方で一緒に混合することにより形成し、
(b) 前記重合体組成物から形状自立性シートを形成し、そして
(c) 場合により、前記シートを加熱し、少なくとも一つの方向に延伸して前記シートを配向する、
工程を包含する、シート製造方法。 - 請求項14〜16のいずれか1項に記載の方法により得ることができ、且つ/又は請求項11〜13のいずれか1項に記載の組成物からなるシート。
- 請求項11〜13のいずれか1項に記載の組成物を用い、請求項1〜10及び17のいずれか1項に記載のようにしてシートを製造する前記組成物の使用。
- 請求項1〜10及び17のいずれか1項に記載のシートを用いて包装した物品(場合によりタバコ製品)。
- 請求項1〜10及び17のいずれか1項に記載のシートを用いて物品を包装する工程を有する、物品(場合によりタバコ製品)を包装する方法。
- 請求項1〜10及び17のいずれか1項に記載のシートを用い、物品を酸素及び/又は水から保護する、前記シートの使用。
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