JP2001039267A - 緩衝部材及びショルダアンカ高さ調節装置 - Google Patents

緩衝部材及びショルダアンカ高さ調節装置

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JP2001039267A
JP2001039267A JP11218817A JP21881799A JP2001039267A JP 2001039267 A JP2001039267 A JP 2001039267A JP 11218817 A JP11218817 A JP 11218817A JP 21881799 A JP21881799 A JP 21881799A JP 2001039267 A JP2001039267 A JP 2001039267A
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guide
lock hole
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    • B60RVEHICLES, VEHICLE FITTINGS, OR VEHICLE PARTS, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B60R22/00Safety belts or body harnesses in vehicles
    • B60R22/18Anchoring devices
    • B60R22/20Anchoring devices adjustable in position, e.g. in height
    • B60R22/201Anchoring devices adjustable in position, e.g. in height with the belt anchor connected to a slider movable in a vehicle-mounted track
    • B60R22/202Anchoring devices adjustable in position, e.g. in height with the belt anchor connected to a slider movable in a vehicle-mounted track the slider comprising spring-actuated locking means
    • B60R22/203Anchoring devices adjustable in position, e.g. in height with the belt anchor connected to a slider movable in a vehicle-mounted track the slider comprising spring-actuated locking means the locking means being movably mounted on the slider

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 上記事実を考慮して、効果的に製造コストを
削減できるシートのような緩衝部材及びショルダアンカ
高さ調節装置を得る。 【解決手段】 シート30にはレール本体14に形成さ
れた組付孔26に対応して周壁54が形成されており、
更に、この周壁54の端部には複数の係合爪56が形成
されている。シート30をガイドレール12へ組み付け
るにあたり、係合爪56は組付孔26の径方向内側へ弾
性変形させられつつ組付孔26内へ入り込み、貫通後に
自らの弾性力で復元して抜け止めする。このように、基
本的には係合爪56を組付孔26に押し込むだけで組み
付けが完了し、組み付けに加熱や冷却が必要ないため作
業効率が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、車両のシ
ートベルト装置を構成するショルダアンカ高さ調節装置
に用いられる緩衝部材及びこの緩衝部材を用いたショル
ダアンカ高さ調節装置に関する。
【0002】
【従来の技術】長尺帯状のウエビングベルトにより車両
のシートに着座した乗員の身体を拘束するためのシート
ベルト装置では、ウエビングベルトを巻き取る巻取装置
が車両のセンターピラーの下端部近傍に配置されてお
り、センターピラーに沿って上方へ引き出されたウエビ
ングベルトはセンターピラーの上端部近傍に設けられた
ショルダアンカを貫通して折り返され、更に、その先端
部はシート座部の近傍に設けられたアンカプレートに係
止されている。
【0003】アンカプレートとショルダアンカとの間で
ウエビングベルトはタングに挿通されており、タングを
把持してウエビングベルトを引っ張り、タングをシート
近傍に設けられたバックル装置に保持させることでウエ
ビングベルトの装着状態となる構成である。
【0004】以上の構成のシートベルト装置を構成する
各装置並びに部材のうち、ショルダアンカは、同じくシ
ートベルト装置を構成するショルダアンカ高さ調節装置
によってセンターピラーに沿って所定範囲スライド可能
とされており、これにより、ウエビングベルトの折り返
し位置を調整できるようになっている。
【0005】ショルダアンカ高さ調節装置は、長手方向
が概ね車両の上下方向に沿った状態でセンターピラーの
上端部近傍にボルト等で固定される板状のガイドレール
と、このガイドレールの幅方向両端部を把持した状態で
ガイドレールの長手方向に沿ってスライド自在に取り付
けられたスライダと、を備えており、上述したショルダ
アンカはこのスライダに係止されている。このスライダ
にはカバーが取り付けられており、その内部にはロック
ピンが設けられている。
【0006】一方、ガイドレールにはその長手方向に沿
って複数のロック孔が形成されており、スライダ本体か
ら突出したロックピンがロック孔へ入り込むことでスラ
イダ本体のスライド方向に沿ったロックピンの移動をロ
ック孔の内周部が制限し、これにより、スライダ本体の
スライドを制限する。すなわち、これらの複数のロック
孔の何れにロックピンを入り込ませるかにより、ショル
ダアンカの高さを調整できるようになっている。
【0007】また、スライダ本体をスライドさせた際や
車両走行時における振動等によってスライダ本体がガイ
ドレールに衝突した際の衝撃音の発生を防いだり、ま
た、上述したロックピンがガイドレール上を摺動する際
の擦過音の発生を防ぐために、合成樹脂材料により形成
されたシートをガイドレールに取り付けている。
【0008】シートにはロック孔に対応して窪みが形成
されており、シートをガイドレールに取り付けた状態で
は窪みがロック孔に入り込む。窪みの内周部のうち上側
に位置する部分はガイド部とされている。ガイド部は窪
みの開口端側の端部がシート表面と略等位置で、それと
は反対側の端部が窪みの内底部と略等位置の傾斜面とさ
れている。ロックピンがロック孔に入り込んだ状態であ
ってもスライダ本体を上昇させるとロックピンがガイド
部に案内されてシートの表面側まで移動し、その後はシ
ートの表面上を摺動する。したがって、ロックピンがロ
ック孔に入り込んだ状態であってもスライダ本体の上昇
は行うことができ、実質的に移動制限はスライダ本体の
下降のみとなっている(なお、移動制限状態でスライダ
を下降させる場合には別に設けられたボタンの押圧等の
解除操作を要する)。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、シートには
ピンが形成されており、ガイドレールに形成された孔に
ピンを貫通させた状態でピンをガイドレールに熱溶着さ
せると共に、拡径してかしめ、これにより、シートをガ
イドレールに固定する構造となっていた。
【0010】このような熱溶着かしめでは、ピンの加熱
に時間を要し、かしめ終了後には冷却に時間を要するた
め作業効率が悪く、製造コスト削減の妨げの一因となっ
ていた。
【0011】一方、シートは合成樹脂材料により形成さ
れているため、ロックピンがガイド部に載り上がるとロ
ックピンからの荷重でガイド部が撓み、ロックピンを円
滑に案内できなくなる可能性がある。このような不具合
を解消するため、ロック孔の内周部から舌片状の支持片
を延出し、この支持片でガイド部を支持している。
【0012】しかしながら、シートをガイドレールに組
み付けた後に、支持片とガイド部との間に隙間ができて
いれば、ロックピンからの荷重でガイド部は撓んでしま
うため、支持片とガイド部との間に所定の大きさ以上の
隙間が形成されないよう、支持片、ガイド部ともに厳格
な寸法管理のもとで形成する必要があり、これが製造コ
スト削減の妨げの一因となっていた。
【0013】このように、従来の構成のスライダ並びに
シートでは、コスト削減の観点からみて未だ改良の余地
が多く残されていた。
【0014】本発明は、上記事実を考慮して、効果的に
製造コストを削減できるシートのような緩衝部材及びシ
ョルダアンカ高さ調節装置を得ることが目的である。
【0015】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の本発明
は、車両乗員の身体を拘束するウエビングベルトの長手
方向中間部が挿通されたショルダアンカを支持するスラ
イダと、前記車両に固定され、前記スライダを前記車両
の略上下方向に沿って案内するガイドレールと、を有す
るショルダアンカ高さ調節装置において前記スライダと
前記ガイドレールとの間に設けられ、前記スライダが前
記ガイドレールに当接した際の衝撃を吸収する緩衝部材
であって、前記ガイドレール及び前記スライダの何れか
一方の何れか他方の側に設けられた緩衝部材本体と、前
記何れか他方に形成された孔の半径方向内側へ向けて弾
性変形可能に前記緩衝部材本体に形成され、前記孔を貫
通すると共に、当該孔を貫通した状態で前記何れか一方
の前記緩衝部材本体とは反対側の部分に当接する係合部
と、を備えることを特徴としている。
【0016】上記構成の緩衝部材を組み付ける際には、
先ず、緩衝部材本体に形成された係合部を弾性変形させ
てガイドレール及びスライダの何れか一方(すなわち、
緩衝部材本体が取り付けられる側)に形成された孔の内
径よりも小さくし、この状態で孔に係合部を貫通させ
る。孔を貫通した係合部は自らの弾性による復元力で元
の形状、すなわち、孔の内径よりも大きくなり、前記何
れか一方の緩衝部材本体とは反対側の部分に当接する。
これにより、係合部は孔を抜けて緩衝部材本体側に移動
することはできなくなり、この結果、緩衝部材本体が前
記何れか一方に組み付けられる。
【0017】このように、本緩衝部材は加熱や冷却を必
要とせず簡単に組み付けることができるため、ショルダ
アンカ高さ調節装置の組付工程における作業効率の向上
を図ることができ、ひいては、ショルダアンカ高さ調節
装置の製造コストの削減に寄与する。
【0018】請求項2記載の本発明は、車両乗員の身体
を拘束するウエビングベルトの長手方向中間部が挿通さ
れたショルダアンカを支持するスライダと、前記車両に
取り付けられ、前記スライダを前記車両の略上下方向に
沿って案内するガイドレールと、前記スライダ及び前記
ガイドレールの何れか一方に設けられ、何れか他方に形
成されたロック孔に入り込むことで前記スライダのスラ
イドを制限する係合部材と、有するショルダアンカ高さ
調節装置において前記スライダと前記ガイドレールとの
間に設けられ、前記スライダが前記ガイドレールに当接
した際の衝撃を吸収する緩衝部材であって、前記ロック
孔の内側に設けられると共に、前記スライダのスライド
移動方向とは反対側で且つ前記ロック孔から前記係合部
材が抜け出る方向へ傾斜した斜面を有し、前記ロック孔
に入り込んだ前記係合部材を前記ロック孔の外側へ案内
するガイド部と、前記ガイド部に一体に設けられ、前記
スライド移動方向及び前記ロック孔への前記係合部材の
入り込み方向の外力に対して前記ガイド部の強度を補う
リブと、を備えることを特徴としている。
【0019】上記構成の緩衝部材は、係合部材が入り込
むロック孔に対応してガイド部を備えており、ガイド部
の斜面に係合部材が載り上がることでスライダのスライ
ドに伴い係合部材はガイド部に案内されてロック孔から
抜けでる。
【0020】ここで、ガイド部にはリブが形成されてい
るため、係合部材からの荷重等がガイド部に作用しても
ガイド部が撓むことはない。したがって、ガイド部は元
の形状を維持でき、係合部材を円滑に案内できる。
【0021】また、ガイド部を補強するためのリブはガ
イド部に一体形成されているため、従来のガイド部と支
持片のように隙間が形成されることはない。したがっ
て、緩衝部材やスライダ及びガイドレールのうちの緩衝
部材が取り付けられる側を成形するうえで厳格な寸法管
理が必要なく、その結果、ショルダアンカ高さ調節装置
の製造コストを削減できる。
【0022】請求項3記載の本発明は、請求項2記載の
緩衝部材において、前記ガイド部に案内されて前記ロッ
ク孔から抜け出る際の前記係合部材の移動方向側へ向い
た前記リブの端部を、前記何れか一方に当接させたこと
を特徴としている。
【0023】上記構成の緩衝部材では、ガイド部上を係
合部材が摺動すると、ガイド部と係合部材との間の摩擦
がガイド部をロック孔から抜け出させる方向へ引っ張
る。しかしながら、係合部材の移動方向(すなわち、上
記摩擦がガイド部を引っ張る方向)側のリブの端部がガ
イドレールに当接していることで、上記摩擦により生じ
る引っ張り力はガイドレールが受け止める。このため、
ガイド部がロック孔から抜け出ることはない。
【0024】請求項4記載のショルダアンカ高さ調節装
置は、車両乗員の身体を拘束するウエビングベルトの長
手方向中間部が挿通されたショルダアンカを支持するス
ライダと、前記車両に固定され、前記スライダを前記車
両の略上下方向に沿って案内するガイドレールと、前記
ガイドレール及び前記スライダの何れか一方の、何れか
他方と対向する側に設けられ、前記何れか他方が当接し
た際の衝撃を吸収する緩衝部材と、前記何れか一方に形
成された孔の半径方向内側へ向けて弾性変形可能に前記
緩衝部材に形成されて前記孔を貫通すると共に、当該孔
部を貫通した状態で前記何れか一方の前記何れか他方と
は反対側の部分に当接する係合部と、を備えている。
【0025】上記構成のショルダアンカ高さ調節装置に
おいて緩衝部材を組み付ける際には、先ず、緩衝部材に
形成された係合部を弾性変形させてガイドレール及びス
ライダの何れか一方(すなわち、緩衝部材本体が取り付
けられる側)に形成された孔の内径よりも小さくし、こ
の状態で孔に係合部を貫通させる。孔を貫通した係合部
は自らの弾性による復元力で元の形状、すなわち、孔の
内径よりも大きくなり、前記何れか一方の緩衝部材とは
反対側の部分に当接する。これにより、係合部は孔を抜
けて緩衝部材側に移動することはできなくなり、この結
果、緩衝部材が前記何れか一方に組み付けられる。
【0026】このように、本ショルダアンカ高さ調節装
置は緩衝部材を組み付けるにあたり加熱や冷却を必要と
せず簡単に組み付けることができるため、緩衝部材の組
付工程における作業効率の向上を図ることができ、ひい
ては、製造コストの削減に寄与する。
【0027】請求項5記載のショルダアンカ高さ調節装
置は、車両乗員の身体を拘束するウエビングベルトの長
手方向中間部が挿通されたショルダアンカを支持するス
ライダと、前記車両に固定され、前記スライダを前記車
両の略上下方向に沿って案内するガイドレールと、前記
ガイドレール及び前記スライダの何れか一方に形成され
たロック孔へ入り込み可能に前記ガイドレール及び前記
スライダの何れか他方に設けられ、前記ロック孔に入り
込むことで前記スライダのスライドを制限する係合部材
と、前記何れか一方の前記何れか他方の側に設けられ、
前記何れか他方が当接した際の衝撃を吸収する緩衝部材
と、前記緩衝部材に形成されて前記ロック孔の内側に設
けられると共に、前記スライダのスライド移動方向とは
反対側で且つ前記ロック孔から前記係合部材が抜け出る
方向へ傾斜した斜面を有し、前記ロック孔に入り込んだ
前記係合部材を前記ロック孔の外側へ案内するガイド部
と、前記ガイド部に一体に設けられ、前記スライド移動
方向及び前記ロック孔への前記係合部材の入り込み方向
の外力に対して前記ガイド部の強度を補うリブと、を備
えている。
【0028】上記構成のショルダアンカ高さ調節装置
は、係合部材が入り込むロック孔に対応してガイド部を
備えており、ガイド部の斜面に係合部材が載り上がるこ
とでスライダのスライドに伴い係合部材はガイド部に案
内されてロック孔から抜けでる。
【0029】ここで、ガイド部にはリブが形成されてい
るため、係合部材からの荷重等がガイド部に作用しても
ガイド部が撓むことはない。したがって、ガイド部は元
の形状を維持でき、係合部材を円滑に案内できる。
【0030】また、ガイド部を補強するためのリブはガ
イド部に一体形成されているため、従来のガイド部と支
持片のように隙間が形成されることはない。したがっ
て、緩衝部材やスライダ及びガイドレールのうちの緩衝
部材が取り付けられる側を成形するうえで厳格な寸法管
理が必要なく、その結果、ショルダアンカ高さ調節装置
の製造コストを削減できる。
【0031】請求項6記載のショルダアンカ高さ調節装
置は、請求項5記載の本発明において、前記ガイド部に
案内されて前記ロック孔から抜け出る際の前記係合部材
の移動方向側へ向いた前記リブの端部を、前記ガイドレ
ールに当接させたことを特徴としている。
【0032】上記構成のショルダアンカ高さ調節装置で
は、ガイド部上を係合部材が摺動すると、ガイド部と係
合部材との間の摩擦がガイド部をロック孔から抜け出さ
せる方向へ引っ張る。しかしながら、係合部材の移動方
向(すなわち、上記摩擦がガイド部を引っ張る方向)側
のリブの端部がガイドレールに当接していることで、上
記摩擦により生じる引っ張り力はガイドレールが受け止
める。このため、ガイド部がロック孔から抜け出ること
はない。
【0033】
【発明の実施の形態】図1には、本発明の一実施の形態
に係るショルダアンカ高さ調節装置10の構成が分解斜
視図によって示されている。
【0034】<ガイドレール12の構成>図1に示され
るように、ショルダアンカ高さ調節装置10は鉄等によ
り形成されたガイドレール12を備えている。ガイドレ
ール12は長方形状のレール本体14を備えており、レ
ール本体14の長手方向が概ね図示しないセンターピラ
ーの上下方向に沿った状態でセンターピラーの上端部近
傍に配置され、その長手方向両端部に形成された取付部
16が車両に固定される。レール本体14の幅方向両端
部には、レール本体14の幅方向外側で且つレール本体
14の厚さ方向一方の側へ向けて斜めに延出されたレー
ル部18がレール本体14の長手方向に沿って連続して
形成されている。
【0035】なお、厳密に言えば、レール本体14はそ
の厚さ方向一方の面から所定距離離間した位置を中心と
して湾曲しており、これにより、厚さ方向一方の側から
の所定値以上の外力により変形できる程度の強度に設定
されているが、このように湾曲の曲率は後述するスライ
ダ60のスライド移動に実質的に影響を及ぼさない程度
である。
【0036】また、レール本体14の長手方向一端側で
且つ幅方向略中央にはストッパ20が形成されている。
ストッパ20はレール本体14の一部をレール本体14
の厚さ方向一方の側へ切り起こすことで形成されてお
り、後述するスライダ60の長手方向一方の端部が接触
することで長手方向一方の側へのスライダ60のスライ
ドを規制する。
【0037】ストッパ20に対してレール本体14の長
手方向他端側には「規制部」としてのロック孔22がレ
ール本体14の長手方向に沿って所定間隔毎に複数個
(本実施の形態では4個)形成されている。各ロック孔
22はレール本体14の長手方向に沿って長手とされた
長孔とされており、レール本体14の長手方向一端側
(すなわち、ストッパ20側)の端部はレール本体14
の長手方向他端側へ向けて開口した凹形状で且つ概ねロ
ック孔22の幅寸法を直径寸法とした半円形状とされて
いる。
【0038】これに対して、ロック孔22の長手方向他
端側の端部は、ロック孔22の長手方向に対して略直角
の直線状とされている。また、このロック孔22の長手
方向他端側の端部には、当接片24が形成されている。
図2及び図3に示されるように、当接片24はレール本
体14の長手方向他端側の端部がレール本体14の厚さ
方向一方の側の面と同じ位置で、レール本体14の長手
方向一端側へ向けて漸次レール本体14の厚さ方向他方
の側の面側へ変位する傾斜面である。この当接片24が
形成された部分の肉厚は、レール本体14の肉厚に概ね
等しく、したがって、当接片24が形成された部分では
当接片24とは反対側にも斜面が形成され、レール本体
14の厚さ方向他方の側の面よりも突出している。
【0039】さらに、図1及び図2に示されるように、
最もレール本体14の長手方向他端側に位置するロック
孔22の更にレール本体14の長手方向他端側には組付
孔26が形成されている。組付孔26は長手寸法こそロ
ック孔22の長手寸法よりも短いが幅寸法はロック孔2
2と略同じで、しかも、長手方向一方の端部が略半円形
で長手方向他端部が幅方向に沿って直線状とされている
点に関してはロック孔22と同じである。但し、上述し
たようにロック孔22の長手方向他端部には当接片24
が形成されていたが、組付孔26の長手方向端部には当
接片24が形成されていない。
【0040】<シート30の構成>この組付孔26には
「緩衝部材」としてのシート30の周壁54が入り込
む。シート30は、例えば、ポリプロピレン(PP)等
の合成樹脂材料により形成されている。なお、本実施の
形態では基本的にシート30にはポリプロピレン(P
P)を使用するが、他の合成樹脂材で形成してもよい。
但し、ポリプロピレン(PP)を使用することで、エラ
ストマで形成されていた従来のショルダアンカ高さ調節
装置のシートよりも材料コストが安価になる。
【0041】このような合成樹脂材料によって形成され
たシート30は「緩衝部材本体」としてのシート本体3
2を備えている。シート本体32は全体的に略長方形の
板状とされており、上述したガイドレール12に組み付
けられた状態では、その長手方向が概ねレール本体14
の長手方向に沿う。シート本体32には複数の孔部34
がシート本体32の長手方向に沿って上述したロック孔
22の間隔に対応した所定間隔毎に形成されている。
【0042】各孔部34もまたロック孔22と同様に長
手方向一方の端部が略半円形で長手方向他端部が幅方向
に沿って直線状とされている。また、各孔部34の周縁
に沿ってシート本体32の厚さ方向一方の面には略馬蹄
形状(略U字形状)の周壁36が形成されている。周壁
36の外幅寸法はロック孔22の幅寸法よりも極僅かに
小さく、また、周壁36の湾曲部分における外周部の曲
率半径はロック孔22の略半円形状とされた長手方向一
端部の曲率半径よりも極僅かに小さい。したがって、こ
れらの周壁36は上述したロック孔22の内側に入り込
むことができる。さらに、各周壁36には係合片38が
形成されている。係合片38は周壁36のシート本体3
2との連結部分とは反対側の端部近傍で且つ周壁36の
湾曲部分における外周部から突出形成されている。係合
片38とシート本体32との間隔はレール本体14の厚
さ寸法よりも極僅かに大きい程度とされており、周壁3
6の湾曲部分がロック孔22の長手方向一端部(すなわ
ち、半円形状とされた側の端部)に当接する程度まで周
壁36がロック孔22の内側に入り込んだ状態では、レ
ール本体14のロック孔22の近傍部分の一部がシート
本体32と係合片38との間に挟まれる。
【0043】また、各周壁36のシート本体32との連
結部分とは反対側の端部には、底壁40が形成されてい
る。上述した周壁36の湾曲部分とは反対側の端部に対
応した側の底壁40の端部からは「ガイド部」としての
ガイド壁42が延出されている。ガイド壁42は上述し
た周壁36の湾曲部分とは反対側の端部とも連結されて
いると共に、底壁40との連結部分とは反対側の端部で
シート本体32と連結されており、底壁40、周壁3
6、及びガイド壁42とで有底のピン収用部44を構成
する。
【0044】ガイド壁42の厚さ方向両面はシート本体
32の厚さ方向一方の面に対してレール本体14の厚さ
方向一方の面に対する当接片24の傾斜と同程度に傾斜
しており、上述した周壁36がロック孔22の内側に入
り込んだ状態では、ガイド壁42の厚さ方向他方の側の
面がシート本体32との連結部分近傍で当接片24に当
接して当接片24に支持される。
【0045】また、ガイド壁42の厚さ方向他方の側の
面にはリブ46が形成されている。図4に示されるよう
に、リブ46は、複数(本実施の形態では3つ)の縦リ
ブ48と複数(本実施の形態では2つ)の横リブ50と
により構成されている。縦リブ48は各々が概ねシート
本体32の長手方向に沿って長手とされていると共に、
シート本体32の幅方向に沿って互いに対向する如く平
行に形成され、各々の一端は上述した当接片24の端部
に当接している。
【0046】一方、横リブ50は概ねシート本体32の
幅方向に沿って長手とされていると共に、シート本体3
2の長手方向に沿って互いに対向する如く平行に形成さ
れ、更に、各横リブ50は上述した縦リブ48を略直角
に横切り、リブ46全体としては略格子状とされてい
る。
【0047】また、孔部34のうち、最もシート本体3
2の長手方向他端側(より正確に言えば、シート30が
ガイドレール12へ組み付けられた状態でレール本体1
4の長手方向他端側に対応する方向の側)の更に長手方
向他端側には孔部52が形成されている。孔部52はシ
ート本体32の長手方向に沿って長手とされていると共
に、孔部34側の端部は孔部34とは反対側へ向けて開
口した凹形状で且つ孔部52の概ね幅寸法が直径寸法と
された半円形状とされている。
【0048】この孔部52の周縁に沿ってシート本体3
2の厚さ一方の面には周壁54が形成されている。周壁
54は上述した周壁36とは異なって略筒状とされてお
り、シート本体32の長手方向に沿って長手の孔部34
側の端部は幅寸法を直径寸法とする半円形状に湾曲して
いる。周壁54の外側での長手方向寸法、幅寸法、並び
に、孔部34側の湾曲の曲率半径は、上述した組付孔2
6の長手方向寸法、幅寸法、並びに、ロック孔22側の
湾曲の曲率半径よりも僅かに小さく、上述した組付孔2
6の内側へ入り込むことができるようになっている。
【0049】図2に示されるように、この周壁54のシ
ート本体32との連結部分とは反対側の端部からは係合
片38が突出形成されていると共に、「係合部」として
の複数の係合爪56が突出形成されており、シート30
をガイドレール12に組み付けた状態ではこれらの係合
爪56が組付孔26の周縁近傍部分でレール本体14の
厚さ方向他方の側の面に係合し、組付孔26を貫通した
周壁54の抜け止めとなる構成である。
【0050】<スライダ60の構成>また、図1に示さ
れるように、上述したレール本体14には鉄等により形
成されたスライダ60が取り付けられる。スライダ60
はレール本体14よりも短尺の長方形状に形成された矩
形部62を備えており、この矩形部62の幅方向両端部
には矩形部62の幅方向内側へ向けて開口した把持溝を
有する把持部66が形成されている。双方の把持部66
に形成された把持溝の内底の間の間隔は上述した一対の
レール部18の間隔よりも僅かに広く、また、各把持溝
の開口寸法はレール部18の厚さ寸法よりも僅かに広
い。したがって、一方の把持部66に形成された把持溝
の内側に一方のレール部18を入り込ませ、他方の把持
部66に形成された把持溝の内側に一方のレール部18
を入り込ませることで、レール本体14の幅方向並びに
厚さ方向に沿ったレール本体14に対するスライダ60
の変位が制限され、この状態でスライダ60がレール本
体14の長手方向に沿ってレール部18に案内されつつ
スライドできる構成である。
【0051】このスライダ60にはシート30と同様の
合成樹脂材料により形成されたプレート68が設けられ
ている。プレート68もまた板状とされていると共に、
上述した把持部66に対応した側の端部は把持部66の
把持溝と同様に湾曲して把持溝の内側に入り込んでい
る。
【0052】また、スライダ60の矩形部62には、そ
の厚さ方向に沿って貫通した透孔が形成されており、筒
体70が貫通配置されている。筒体70は内周部に雌ね
じが形成されており、図示しないショルダアンカを貫通
するボルト等が螺合する。図5乃至図7に示されるよう
に、筒体70の軸方向一端には平板状の基部72が形成
されていると共に、矩形部62を介して基部とは反対側
の筒体70の外周部にはフランジ部74が延出されてお
り、基部72とフランジ部74とで矩形部62を挟み、
これを以って筒体70の仮の抜け止めとし、更に、溶接
等によってフランジ部74が矩形部62へ固着され、強
固に固定されている。
【0053】なお、上述した基部72に対応してプレー
ト68には孔部76が形成されており、孔部76に基部
72が入り込むことでスライダ60に対するプレート6
8の変位が制限される。
【0054】上述した筒体70の側方には矩形部62の
厚さ方向一方へ向けて開口した凹形状の段部78が形成
されており、この段部78では厚さ方向一方の面が他の
部分での厚さ方向一方の面よりも他方の面の側へ変位し
ている。段部78は平面視で略円形とされており、この
中央には円形の貫通孔80が形成されている。貫通孔8
0の内径寸法は上述した周壁36の内幅寸法程度に設定
されていると共に、スライダ60がガイドレール12に
案内されてスライドした際の貫通孔80の移動軌跡はロ
ック孔22上を通過する。以上の貫通孔80には「係合
部材」としてのピン82が貫通状態で取り付けられてい
る。
【0055】ピン82は、その外径寸法が貫通孔80の
内径寸法よりも僅かに小さな円柱状とされた大径部84
と、この大径部84の軸方向一端部に大径部84に対し
て同軸的に一体形成されている「係止部」としての小径
部86と、大径部84の軸方向一端部からその半径方向
外側へ向けて延出された板状のフランジ部88と、によ
り構成されており、矩形部62の厚さ方向一方の側から
大径部84が上述した貫通孔80に入り込んで貫通して
いるが、フランジ部88により矩形部62の厚さ方向他
方の側への抜けは防止されている。ピン82の大径部8
4の外径寸法は、上述した周壁36の内幅寸法よりも小
さく、貫通孔80の貫通した大径部84が底壁40、周
壁36、及びガイド壁42とで構成されるピン収用部4
4の内側へ入り込むことができる。
【0056】<カバー100の構成>さらに、図1に示
されるように、矩形部62の厚さ方向一方の面の側に
は、合成樹脂材により形成されたカバー100が設けら
れている。カバー100は略長方形状の底部102を備
えていると共に、底部102の外周部には周壁104が
一体形成され、全体的には深さ方向一方の側が開口した
箱状とされている。周壁102の開口端(すなわち、底
部102とは反対側の端部)からは、周壁104の外側
へ向けてフランジ部108が延出されており、底部10
2の長手方向一方の側に向いたフランジ部108の端部
には鉤状の係合鉤106(図5乃至図7参照)が形成さ
れている。カバー100をスライダ60へ組み付けた状
態では、この係合鉤106が矩形部62の長手方向一端
部の一部を挟み込むように係合してスライダ60に対す
るカバー100の変位制限の一助となる。
【0057】一方、底部102の長手方向他方の側に対
応したフランジ部108の端部からは更に略半円形状の
突出片112が形成されている。図5乃至図7に示され
るように、この突出片112にはその厚さ方向に貫通し
た円形の孔部114が形成されており、その内側には
「拡径突起」としてのピン116が圧入される(図7参
照)。このピン116は、図5に示されるように、元々
は突出片112の厚さ方向一方の面の側での孔部114
の端部を閉止するが如く、孔部114に対して同軸的に
突出片112から一体的に突出形成されていたものであ
る。このピン116がどのようにして孔部114の内部
に圧入されたかについては後に詳しく説明するのでここ
では省略する。
【0058】また、孔部114の周縁に沿って突出片1
12の厚さ方向他方の側の面からは組付突起118が形
成されている。組付突起118には孔部114と内径寸
法が略等しい貫通孔120が形成されていると共に、軸
方向に沿って長手方向とされて組付突起118の突出片
112との連結部分とは反対側の端部で開口した切欠1
22が貫通孔120の軸芯を介して対向する如く2箇所
に形成されている。
【0059】この組付突起118に対応してスライダ6
0の矩形部62には組付孔124が形成されている。ス
ライダ60にカバー100を組み付けた状態では組付孔
124の内側に上記の組付突起118が貫通配置され
る。組付孔124の内径寸法は、特に外力を受けていな
い状態での組付突起118の外径寸法よりも大きく、組
付突起118に外力が作用していなければ組付突起11
8を組付孔124へ遊嵌できる。
【0060】また、図5乃至図7に示されるように、組
付突起118の突出片112との連結部分とは反対側の
端部近傍には貫通孔120の内径寸法を短くする厚肉部
126が形成されている。
【0061】一方、周壁104の内側では、底部102
に開口部128が形成されている。この開口部128に
は図示しないボタンが筒体70の外周部に案内されて筒
体70の軸方向にスライド可能に貫通配置される。
【0062】また、カバー100の内側には梃子片13
0が配置されている。梃子片130は、筒体70を挟む
ように配置された一対の力点部132(図1参照)と、
双方の力点部132に連結された作用点部134と、に
より構成される。力点部132は上述したボタンとスラ
イダ60の矩形部62との間に位置し、ボタンが矩形部
62へ接近する方向へ移動するとボタンにより押圧され
る。
【0063】一方、作用点部134は、その一部が上述
した段部78の内側に配置されると共に、ピン82の大
径部84に嵌合可能な略半円形の切欠136(図1参
照)が形成されている。作用点部134の段部78の内
側に配置された部分は、段部78の底とピン82のフラ
ンジ部88との間に位置する。上述した力点部132が
ボタンからの押圧力を受けて変位すると、力点部132
と作用点部134との連結部分を軸にして梃子片130
が旋回し、作用点部134がフランジ部88を矩形部6
2から離間させる方向へ持ち上げる構成である。
【0064】また、上述した開口部128の側方には
「係止部」としての係止筒138が形成されている。係
止筒138はカバー100をスライダ60へ組み付けた
状態で貫通孔80及びピン82に対して同軸となるよう
に形成されており、圧縮コイルスプリング140の軸方
向一端部から圧縮コイルスプリング140の内側へ入り
込んでいる。
【0065】圧縮コイルスプリング140を円筒として
見た場合の内径寸法は、係止筒138の外径寸法よりも
僅かに大きく、また、ピン82の小径部86の外径寸法
よりも充分に大きく且つフランジ部88の外径寸法より
も充分に小さい。
【0066】圧縮コイルスプリング140の軸方向他端
部は、それ以外の部分よりも小径のリング状に湾曲され
た「制限部」としての制限リング142とされている。
制限リング142は、その内径寸法がピン82の小径部
86の外径寸法よりも極僅かに大きい程度に設定されて
いると共に、圧縮コイルスプリング140の制限リング
142以外の部分に対して同軸的に形成されており、ピ
ン82の小径部86が貫通して小径部86が圧縮コイル
スプリング140の内側に入り込んでいる。
【0067】次に、本ショルダアンカ高さ調節装置10
の組立工程のうち、スライダ60に対するカバー100
の組付工程と、レール本体14に対するシート30の組
付工程の説明を通して本ショルダアンカ高さ調節装置1
0の組立工程における作用並びに効果について説明す
る。
【0068】<スライダ60に対するカバー100の組
付工程の説明>スライダ60にカバー100を組み付け
るに先駆けて、先ず、図5に示されるように、梃子片1
30の作用点部134の一部(すなわち、切欠136が
形成された部分)を段部78に配置すると共に、作用点
部134の切欠136及び貫通孔80にピン82の大径
部84を貫通させる。次いで、圧縮コイルスプリング1
40の軸方向他端部、すなわち、制限リング142をピ
ン82の小径部86に嵌め込む。さらに、図示しないボ
タン等、カバー100の内側に配置される部材を所定位
置に配置する。
【0069】以上の各部材の配置が終了した状態で係止
筒138が圧縮コイルスプリング140の軸方向一端側
から入り込むようにカバー100を配置し(詳細は図8
参照)、図6に示されるように、ブロック部108を矩
形部62の溝部110に入り込ませつつ係合鉤106に
矩形部62の長手方向一端部の一部を挟み込ませて係合
させる。さらに、このとき、組付突起118を矩形部6
2の組付孔124に嵌め込む。この状態では、組付突起
118の外径寸法が組付孔124の内径寸法よりも充分
に小さいため、単に、遊嵌された状態であり、スライダ
60に対してカバー100を自由に着脱できる。
【0070】次いで、この状態で、図7示されるよう
に、底部102に形成されたピン116に孔部114側
へ向いた所定の大きさ以上の外力を付与する。この外力
を付与することにより、ピン116と底部102との連
結部分が破断され、ピン116が底部102から機械的
に分離すると共に、この外力によりピン116が孔部1
14の内側へ圧入される。
【0071】孔部114を貫通して貫通孔120へ圧入
されたピン116が組付突起118の厚肉部126が形
成された部分にまで達すると、厚肉部126が形成され
た部分では貫通孔120の内径寸法が小さくなるため、
ピン116が厚肉部126をピン116の半径方向外側
へ押圧する。
【0072】ピン116からの押圧力を受けた組付突起
118は、切欠122の幅寸法を広げるように変位し、
その結果、組付突起118が拡径する。組付突起118
は拡径させられることにより、それまで遊嵌していた組
付孔124の内周部に圧接し、組付孔124の内周部と
組付突起118の外周部との間の摩擦が増大し、組付孔
124からの組付突起118の抜けが防止される。これ
により、スライダ60へのカバー100の組み付けが終
了する。
【0073】ところで、従来では、カバー100の底部
から熱溶着かしめ用のピンを突出形成して組付孔124
にピンを貫通させた状態でレール本体14にピンを熱溶
着してかしめていたが、この場合、熱溶着と終了後の冷
却に時間を要するため作業効率が悪かった。しかしなが
ら、本ショルダアンカ高さ調節装置10では、上述した
ように、基本的には組付孔124に組付突起118を貫
通させてピン116を押圧するだけで組み付けが終了す
るため、作業効率を向上させることができる。しかも、
組付孔124に組付突起118を貫通させる作業及びピ
ン116を押圧する作業自体は極めて単純な作業である
ため自動化が可能である。さらに、従来では熱溶着時に
加熱し、更に、その後に冷却するため、カバー100に
使用する合成樹脂材料の選択には制約が多く、これが、
材料コスト削減の妨げの一因になっていたが、上記のよ
うに本ショルダアンカ高さ調節装置10ではカバー10
0の組み付けに加熱、冷却を要しない。これにより、カ
バー100に使用する合成樹脂材料の選択には制約が少
なくなる(基本的には機械的な強度を満足すればよい)
ため、材料コストを削減でき、ショルダアンカ高さ調節
装置10を安価にできる。
【0074】<ガイドレール12に対するシート30の
組付工程の説明>ガイドレール12にシート30を組み
付ける際には、先ず、レール本体14の長手方向他端側
からロック孔22へ斜めにシート30の周壁36を貫通
させてシート本体32と係合片38との間にレール本体
14のロック孔22の近傍部分を挟み込ませる。
【0075】全ての周壁36が対応するロック孔22を
貫通してシート本体32と係合片38との間にレール本
体14のロック孔22の近傍部分を挟み込ませた後に、
組付孔26に周壁54を貫通させる。周壁54が組付孔
26を貫通する際には、先ず、周壁54に形成された係
合爪56が組付孔26を貫通するが、係合爪56の幅広
部分では係合爪56が周壁54の外側に係合爪56が突
出するため、組付孔26を貫通させようとすると係合爪
56が周壁54の内幅方向内側又は湾曲部分の曲率半径
方向内側へ向けて撓み(弾性変形し)つつ組付孔26を
貫通する。完全に組付孔26を貫通した係合爪56は自
らの弾性力で元の形状に復元する。復元状態にあっては
係合爪56の幅広部分が組付孔26の幅方向或いは径方
向外側に位置し、レール本体14のシート本体32が接
する面とは反対側の面に係合爪56が接する。これによ
り、組付孔26を介した係合爪56の抜けが防止され、
結果、レール本体14からのシート30の脱落が防止さ
れる。
【0076】ところで、従来では、シート本体32から
熱溶着かしめ用のピンを突出形成してレール本体14に
形成された透孔にピンを貫通させた状態でレール本体1
4にピンを熱溶着してかしめていたが、この場合、熱溶
着と終了後の冷却に時間を要するため作業効率が悪かっ
た。しかしながら、本ショルダアンカ高さ調節装置10
では、上述したように、基本的には組付孔26に係合爪
56及び周壁54を貫通させるだけで組み付けが終了す
るため、作業効率を向上させることができる。しかも、
組付孔26に係合爪56及び周壁54を貫通させる作業
自体は極めて単純な作業であるため自動化が可能であ
る。さらに、従来では熱溶着時に加熱し、更に、その後
に冷却するため、シート30に使用する合成樹脂材料の
選択には制約が多く、これが、材料コスト削減の妨げの
一因になっていたが、上記のように本ショルダアンカ高
さ調節装置10ではシート30の組み付けに加熱、冷却
を要しない。これにより、シート30に使用する合成樹
脂材料の選択には制約が少なくなる(基本的には機械的
な強度を満足すればよい)ため、材料コストを削減で
き、ショルダアンカ高さ調節装置10を安価にできる。
【0077】<本実施の形態の作用、効果>次に、以上
の組付工程を含む組立工程を経て組み立てられた本ショ
ルダアンカ高さ調節装置10の作用並びに効果について
説明する。
【0078】スライダ60並びにショルダアンカ等が取
り付けられたガイドレール12は、その長手方向一端側
が概ね車両の下方を向くように車両のセンターピラーの
上端部近傍にボルト等によって固定される。この状態で
スライダ60は、把持部66がレール本体14のレール
部18に係合していることでレール本体14の幅方向並
びに厚さ方向(すなわち、概ね車両の前後方向並びに左
右方向)の変位はレール部18により規制され、基本的
にレール本体14に沿ってその長手方向、すなわち、概
ね車両の上下方向に沿ってスライド可能とされる。
【0079】ここで、ショルダアンカ高さ調節装置10
本体及びガイドレール12は、上述したように基本的に
鉄等により形成されているため、これらが直接擦れ合っ
たり、また、車両の振動等によりこれらが直接衝突する
と金属的な擦過音や金属的な衝撃音が発生する。しかし
ながら、上述したように、スライダ60には合成樹脂材
により形成されたプレート68が設けられているため、
基本的にショルダアンカ高さ調節装置10本体の金属部
分とガイドレール12の金属部分とが直接接触すること
はない。このため、上述した金属的な擦過音や金属的な
衝撃音が発生することはなく、スライダ60をスライド
させた際や車両走行時における静粛性能を向上させるこ
とができる。
【0080】一方、カバー100の内側に配置されてい
るピン82は、圧縮コイルスプリング140により付勢
されているため、圧縮コイルスプリング140の付勢力
に応じた力でレール本体14上に圧接させられるが、レ
ール本体14上には合成樹脂材料により形成されたシー
ト30が配置されているため、ピン82とレール本体1
4とが直接接触することはない。このため、スライダ6
0をスライドさせた際のピン82とレール本体14との
間の摩擦により生じる金属的な擦過音を防止でき、この
意味でも静粛性能を向上させることができる。
【0081】また、上記のようにピン82が圧縮コイル
スプリング140に付勢されているため、スライダ60
の貫通孔80とレール本体14のロック孔22とが対向
すると、圧縮コイルスプリング140の付勢力でロック
孔22へピン82が入り込む。ロック孔22へ入り込ん
だピン82は底壁40へ衝突するが、底壁40はシート
30の一部であり合成樹脂材料により形成されるため、
ピン82が底壁40へ衝突しても金属同士が衝突した際
の衝突音が発生することはない。したがって、この意味
でも静粛性能を向上させることができる。
【0082】ロック孔22へ入り込んだピン82は、自
重と矩形部62を介してピン82に作用するスライダ6
0の構成部材の重量、並びに、ショルダアンカ等の重量
が作用してガイドレール12の長手方向一端側、すなわ
ち、車両の下方へ移動しようとするが、周壁36の湾曲
部分(周壁36の形状を略U字形状とみなした場合の
「U」字の底部)にピン82が当接することで周壁36
によりピン82の下降が制限される。したがって、スラ
イダ60はピン82の下降制限がなされた箇所に相当す
る位置で下方へのスライドが制限される。上述したよう
に、ロック孔22はスライダ60の長手方向に沿って複
数形成されているため、これらのロック孔22の何れに
ピン82を入り込ませることで(すなわち、ピン82を
入り込ませるロック孔22を適宜に選択することで)、
スライダ60の高さ、すなわち、このスライダ60に取
り付けられたショルダアンカの位置を調整できる。
【0083】上記のスライダ60の下方へのスライド制
限を解除するには、ロック孔22からピン82を抜き出
せばよい。上述したように、ピン82に形成されたフラ
ンジ部88と矩形部62の段部78との間には、梃子片
130の作用点部134が配置されており、図示しない
ボタンを介して梃子片130の力点部132を押圧する
ことで、作用点部134がフランジ部88を持ち上げ、
圧縮コイルスプリング140の付勢力に抗してピン82
を移動させる。これにより、ピン82はロック孔22か
ら抜き出され、スライダ60は下方へスライドできる。
【0084】ここで、ピン82を付勢する圧縮コイルス
プリング140が単なる円筒状のスプリングで、ピン8
2の小径部86の外径寸法よりも圧縮コイルスプリング
140の内径寸法が充分に大きく、圧縮コイルスプリン
グ140が小径部86に対してその半径方向(内外径方
向)へ変位可能である場合には、フランジ部88が圧縮
コイルスプリング140を押圧して圧縮した際に圧縮コ
イルスプリング140が半径方向(内外径方向)へ変位
して、ピン82の軸方向に対して圧縮コイルスプリング
140の軸方向が傾斜してしまうことがある。このよう
な場合には、圧縮する際に圧縮コイルスプリング140
の軸方向中間部がカバー100に設けられた係止筒13
8の先端部に当接して中間部よりも係止筒138側の部
分が充分に圧縮されず、結果としてピン82が充分に移
動できない。このため、このような状態では、ボタンを
押圧してもピン82が完全にロック孔22から抜けきら
ず、スライダ60を円滑にスライドさせることができな
い。
【0085】従来では、圧縮コイルスプリング140に
対して圧縮力を均一に作用させることで上記のような不
具合を解消していたが、このような場合、圧縮コイルス
プリング140を組み付ける際の圧縮コイルスプリング
140の位置調整が極めて微妙になるため作業効率が極
めて悪く、組付工程の自動化の妨げの一因になっていた
うえ、仮に、位置調整を行なったとしても、車両走行時
の振動やスライダ60がスライドした際に圧縮コイルス
プリング140が変位してしまうことがある。
【0086】これに対し、本ショルダアンカ高さ調節装
置10では、圧縮コイルスプリング140の他端部(す
なわち、小径部86側の端部)に内径寸法が小径部86
の外径寸法よりも僅かに大きい程度とされた制限リング
142が形成されており、実質的に小径部86に対する
半径方向(内外径方向)へ圧縮コイルスプリング140
の変位が制限される。これにより、圧縮コイルスプリン
グ140はフランジ部88からの押圧力を受ければ、常
に、小径部86及び係止筒138の軸方向に沿って圧縮
されるため、圧縮コイルスプリング140の軸方向中間
部がカバー100に設けられた係止筒138の先端部に
当接するようなことはなく、上記の不具合が発生するこ
とはない。
【0087】しかも、制限リング142に小径部86を
貫通させるだけでよく、微妙な位置調整が不要であるた
め作業効率を向上させることができるうえ、制限リング
142に小径部86を貫通させる作業は基本的に単純な
作業であるため自動化が可能である。
【0088】一方、ピン82がロック孔22に入り込ん
だ状態であっても、車両上方へのスライダ60のスライ
ドは車両下方へのスライドほど制限されない。すなわ
ち、ロック孔22に入り込んだピン82の下側には周壁
36が位置するため、ピン82の下降は周壁36が制限
するが、ピン82の上側にはガイド壁42が存在する。
ピン収用部44の内側でのガイド壁42の面は傾斜面と
されているため、ピン82が上昇すると、ピン82の先
端部はガイド壁42に載り上がる。この状態で更にピン
82を上昇させると、ガイド壁42からの押圧半力でピ
ン82は圧縮コイルスプリング140の付勢力に抗して
カバー100の底部102側へ移動しながらピン82は
ガイドレール12の長手方向他端側へ向けて上昇する。
このように、ピン82を上昇させる際には圧縮コイルス
プリング140に作用する付勢力により多少の抵抗感が
あるものの、ボタン操作無しでもピン82を上昇させる
ことは可能である。
【0089】ここで、ピン82の先端部がガイド壁42
に載り上がり、更に、この状態でピン82を上昇させる
と、ガイド壁42には圧縮コイルスプリング140の付
勢力がピン82を介して作用し、ガイド壁42をその付
勢方向に押圧すると共に、ピン82の先端部とガイド壁
42との間の摩擦がガイド壁42をシート本体32側へ
引っ張ってガイド壁42を変形させようとする。仮に、
上記のような力によりガイド壁42が変形すると、ピン
82がガイド壁42の変形部分に引っ掛かり、ガイド壁
42によるピン82の円滑な案内ができなくなる等の不
具合が生じることになる。
【0090】このような不具合を解消するために、従来
ではロック孔22の内周部から舌片状の支持片を延出し
て支持片によりガイド壁42を支持し、ガイド壁42の
変形を防止していた。しかしながら、ロック孔22が形
成されるガイドレール12が金属で形成されており、通
常は、プレス成形による「打ち抜き」と「プレス曲げ」
により成形されるため、このような支持片を形成する構
成とした場合、成形用の型の構成が複雑になるうえ、支
持片の寸法精度が悪いとガイド壁42との間に隙間が生
じて確実なガイド壁42の支持ができなくなり、その結
果、上記の不具合を完全には解消できない。
【0091】これに対して、本ショルダアンカ高さ調節
装置10では、ガイド壁42にリブ46が形成されてお
り、これによりガイド壁42の強度が補われているた
め、ガイド壁42が変形することはなく、したがって、
ガイド壁42によって円滑にピン82を案内することが
できる。しかも、リブ46はガイド壁42と一体である
ため、上述した支持片のようにガイド壁42との間に隙
間が生じるようなことはなく、この意味でもガイド壁4
2の変形を確実に防止できる。さらに、リブ46のう
ち、縦リブ48の一端はレール本体14に形成された当
接片24の端部に当接しているため、ガイド壁42が引
きずられそうになったとしても、このときの引っ張り力
は縦リブ48を介して当接片24に受け止められる。し
たがって、これによってもガイド壁42が変位すること
はない。また、当接片24に縦リブ48を介してガイド
壁42の変位を防止することで、ガイド壁42のみなら
ず、周壁36や底壁40の抜けを防止でき、ひいては、
ガイドレール12からのシート30の脱落をも防止でき
る。すなわち、本ショルダアンカ高さ調節装置10で
は、係合爪56のみならず、縦リブ48によってもシー
ト30の脱落を防止する構造(換言すれば、シート30
の一部分で脱落を防止する構造ではなく、シート30の
比較的広範囲な部分で脱落を防止する構造)としたた
め、ガイドレール12に対するシート30の組み付けが
強固になる。これを別の観点から見れば、縦リブ48に
よる抜け防止がなされることで係合爪56の強度をそれ
ほど高く設定しなくてもよくなる。これにより、シート
30を形成するための合成樹脂材料に比較的強度の低い
材料を適用することができ、コストの削減が可能にな
る。
【0092】なお、この当接片24であるが、当接片2
4をあえて形成せずにロック孔22の内周部に縦リブ4
8を当接させても同様の作用を奏し、同様の効果を得る
ことができる。
【0093】ところで、ガイド壁42の強度を向上させ
るという観点からすればガイド壁42を肉厚を厚くすれ
ばそれで足りるため、このような構成にしても構わな
い。しかしながら、シート30のような樹脂成形品では
部分的に厚肉部を形成しようとすると、当該厚肉部分に
所謂「ひけ」が生じる。このような「ひけ」が生じる
と、ひけた部分にピン82が引っ掛かり、ガイド壁42
によるピン82の円滑な案内ができなくなる等の不具合
が生じることになる。これに対して、本ショルダアンカ
高さ調節装置10では、ガイド壁42の強度を補うため
の構成を、上記のような角棒状の縦リブ48及び横リブ
50により構成されるリブ46としたため、成形時にお
ける「ひけ」等をガイド壁42に生じさせることはな
い。したがって、この意味でもガイド壁42によりピン
82の円滑に案内できる。
【0094】
【発明の効果】以上説明したように、本発明による緩衝
部材及びショルダアンカ高さ調節装置は効果的に製造コ
ストを削減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係るショルダアンカ高
さ調節装置の分解斜視図である。
【図2】ガイドレール並びにシートの断面図である。
【図3】ガイドレール並びにシートの一部を拡大した断
面図である。
【図4】リブの構成を示すガイド壁の平面図である。
【図5】スライダ並びにカバーの断面図で、組付孔に組
付突起を挿入する前の状態を示す図である。
【図6】スライダ並びにカバーの断面図で、組付孔に組
付突起を挿入した状態を示す図である。
【図7】スライダ並びにカバーの断面図で、組付孔に組
付突起が拡径された状態を示す図である。
【図8】圧縮コイルスプリングとピンとの関係の詳細を
示す拡大断面図である。
【符号の説明】
10 ショルダアンカ高さ調節装置 12 ガイドレール 22 ロック孔 30 シート(緩衝部材) 32 シート本体(緩衝部材本体) 42 ガイド壁(ガイド部) 46 リブ 60 スライダ 56 係合爪(係合部) 82 ピン(係合部材)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両乗員の身体を拘束するウエビングベ
    ルトの長手方向中間部が挿通されたショルダアンカを支
    持するスライダと、 前記車両に固定され、前記スライダを前記車両の略上下
    方向に沿って案内するガイドレールと、 を有するショルダアンカ高さ調節装置において前記スラ
    イダと前記ガイドレールとの間に設けられ、前記スライ
    ダが前記ガイドレールに当接した際の衝撃を吸収する緩
    衝部材であって、 前記ガイドレール及び前記スライダの何れか一方の何れ
    か他方の側に設けられた緩衝部材本体と、 前記何れか他方に形成された孔の半径方向内側へ向けて
    弾性変形可能に前記緩衝部材本体に形成され、前記孔を
    貫通すると共に、当該孔を貫通した状態で前記何れか一
    方の前記緩衝部材本体とは反対側の部分に当接する係合
    部と、 を備えることを特徴とする緩衝部材。
  2. 【請求項2】 車両乗員の身体を拘束するウエビングベ
    ルトの長手方向中間部が挿通されたショルダアンカを支
    持するスライダと、 前記車両に取り付けられ、前記スライダを前記車両の略
    上下方向に沿って案内するガイドレールと、 前記スライダ及び前記ガイドレールの何れか一方に設け
    られ、何れか他方に形成されたロック孔に入り込むこと
    で前記スライダのスライドを制限する係合部材と、 有するショルダアンカ高さ調節装置において前記スライ
    ダと前記ガイドレールとの間に設けられ、前記スライダ
    が前記ガイドレールに当接した際の衝撃を吸収する緩衝
    部材であって、 前記ロック孔の内側に設けられると共に、前記スライダ
    のスライド移動方向とは反対側で且つ前記ロック孔から
    前記係合部材が抜け出る方向へ傾斜した斜面を有し、前
    記ロック孔に入り込んだ前記係合部材を前記ロック孔の
    外側へ案内するガイド部と、 前記ガイド部に一体に設けられ、前記スライド移動方向
    及び前記ロック孔への前記係合部材の入り込み方向の外
    力に対して前記ガイド部の強度を補うリブと、 を備えることを特徴とする緩衝部材。
  3. 【請求項3】 前記ガイド部に案内されて前記ロック孔
    から抜け出る際の前記係合部材の移動方向側へ向いた前
    記リブの端部を、前記何れか一方に当接させたことを特
    徴とする請求項2記載の緩衝部材。
  4. 【請求項4】 車両乗員の身体を拘束するウエビングベ
    ルトの長手方向中間部が挿通されたショルダアンカを支
    持するスライダと、 前記車両に固定され、前記スライダを前記車両の略上下
    方向に沿って案内するガイドレールと、 前記ガイドレール及び前記スライダの何れか一方の、何
    れか他方と対向する側に設けられ、前記何れか他方が当
    接した際の衝撃を吸収する緩衝部材と、 前記何れか一方に形成された孔の半径方向内側へ向けて
    弾性変形可能に前記緩衝部材に形成されて前記孔を貫通
    すると共に、当該孔部を貫通した状態で前記何れか一方
    の前記何れか他方とは反対側の部分に当接する係合部
    と、 を備えるショルダアンカ高さ調節装置。
  5. 【請求項5】 車両乗員の身体を拘束するウエビングベ
    ルトの長手方向中間部が挿通されたショルダアンカを支
    持するスライダと、 前記車両に固定され、前記スライダを前記車両の略上下
    方向に沿って案内するガイドレールと、 前記ガイドレール及び前記スライダの何れか一方に形成
    されたロック孔へ入り込み可能に前記ガイドレール及び
    前記スライダの何れか他方に設けられ、前記ロック孔に
    入り込むことで前記スライダのスライドを制限する係合
    部材と、 前記何れか一方の前記何れか他方の側に設けられ、前記
    何れか他方が当接した際の衝撃を吸収する緩衝部材と、 前記緩衝部材に形成されて前記ロック孔の内側に設けら
    れると共に、前記スライダのスライド移動方向とは反対
    側で且つ前記ロック孔から前記係合部材が抜け出る方向
    へ傾斜した斜面を有し、前記ロック孔に入り込んだ前記
    係合部材を前記ロック孔の外側へ案内するガイド部と、 前記ガイド部に一体に設けられ、前記スライド移動方向
    及び前記ロック孔への前記係合部材の入り込み方向の外
    力に対して前記ガイド部の強度を補うリブと、 を備えるショルダアンカ高さ調節装置。
  6. 【請求項6】 前記ガイド部に案内されて前記ロック孔
    から抜け出る際の前記係合部材の移動方向側へ向いた前
    記リブの端部を、前記ガイドレールに当接させたことを
    特徴とする請求項5記載のショルダアンカ高さ調節装
    置。
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