JP2001039251A - 自動車用エアバッグドア - Google Patents

自動車用エアバッグドア

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JP2001039251A
JP2001039251A JP11211260A JP21126099A JP2001039251A JP 2001039251 A JP2001039251 A JP 2001039251A JP 11211260 A JP11211260 A JP 11211260A JP 21126099 A JP21126099 A JP 21126099A JP 2001039251 A JP2001039251 A JP 2001039251A
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JP
Japan
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opening
airbag
door
regulating member
door body
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JP11211260A
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English (en)
Inventor
Daisuke Sagimori
大介 鷺森
Seiji Takasugi
政二 高杉
Masato Suzuki
政登 鈴木
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Inoac Corp
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Inoue MTP KK
Inoac Corp
Toyota Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 開度規制を確実に行なうと共に円滑な開放お
よび速度調整をなす。 【解決手段】 エアバッグドア16は、エアバッグ容器
14の開口部14aを覆うドア本体18の下面に、幅方
向に離間して一対の開度規制部材30,30が一体に樹
脂成形される。開度規制部材30に穿設した通孔32
に、エアバッグ容器14の側面に位置決め固定したスト
ッパ36が、エアバッグドア16の閉成状態で挿通され
る。開度規制部材30には、通孔32を始端としてヒン
ジ部28を中心とする円弧状の溝部38が形成される。
円弧状溝部38の底部が、他の部位よりも板厚を薄くし
た薄肉状の開裂予定部40とされる。ヒンジ部28を中
心としてドア本体18が回転開放する際には、ストッパ
36に対して開度規制部材30が移動することで、該ス
トッパ36で開裂予定部40が開裂されて開放速度が減
速される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は自動車用エアバッ
グドアに関し、更に詳細には、エアバッグが収容される
エアバッグ収容部の開口部を開放可能に覆うエアバッグ
ドアが、エアバッグの膨張展開に伴い回転して開放した
際にフロントガラスに当たるのを防止する開度規制機構
を備える自動車用エアバッグドアに関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動車事故が発生した際の乗員の保護を
目的として、例えば助手席前面のインストルメントパネ
ルにエアバッグ装置が配設されている。このエアバッグ
装置は、インストルメントパネルの内部に配置され、エ
アバッグおよびエアバッグ作動装置が収容されるエアバ
ッグ容器と、該容器の開口部を覆うエアバッグドアとに
より基本的に構成される。そして、衝突等によって車両
が大きな衝撃を受けたときに、前記エアバッグ作動装置
が作動してエアバッグを膨張し、このエアバッグの膨張
によって前記開口部を覆っているエアバッグドアが内側
から押し開かれることで、該開口部よりエアバッグが車
室内へ展開して乗員を安全に保護するようになってい
る。
【0003】前述したエアバッグ装置は、エアバッグの
膨張展開時に開放するエアバッグドアが、自動車のフロ
ントガラスに当たるのを防止するための開度規制機構を
備えている。この開度規制機構は、ヒンジ部を中心とし
て回転開放されるエアバッグドアの本体の側部に一体に
樹脂成形され、ヒンジ部を中心とする該ドア本体の閉成
時から開放時までの回転軌跡に一致する円弧状孔部を有
する開度規制部材と、前記エアバッグ容器に突設されて
円弧状孔部の始端部に挿通されるストッパとから構成さ
れる。この開度規制機構では、ドア本体の回転開放時に
ストッパに沿って移動する開度規制部材における円弧状
孔部の終端に該ストッパが当接することで、ドア本体の
回転開放をフロントガラスに当たる手前で規制(停止)す
るようになっている。なお、ドア本体の回転開放時の速
度は極めて速く、前記開度規制を確実に行なうためには
開放速度を減速する必要がある。そこで前記円弧状孔部
に、該孔部の幅が部分的に狭くなる凹凸形状の摩擦抵抗
部を形成し、ドア本体の回転開放時にストッパを摩擦抵
抗部に接触させることで抵抗を与えて減速する構成が採
用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記ドア本体と開度規
制部材とを、合成樹脂材料の射出成形により一体に成形
したエアバッグドアでは、該開度規制部材に円弧状孔部
が形成されている形態であるため、射出成形に際して金
型内において該孔部に対応する部分を挟む両側を分かれ
て流れる樹脂が、円状弧孔部の終端部側で合流してウェ
ルドラインが生じ易くなる。この場合において、円弧状
孔部の終端部は、前記ドア本体の回転開放時にストッパ
が当接して大きな衝撃(展開衝撃)が加わる部分であり、
所要の強度を必要とするにも拘らず前記ウェルドライン
によって強度低下を来たすおそれがある。なお、金型内
に樹脂を射出するゲートを、円状弧孔部の終端部側に設
けることで、該終端部側にウェルドラインが生ずること
を防ぐことは可能であるが、この場合には金型構造が複
雑となってコストが嵩む難点が指摘される。また凹凸形
状の摩擦抵抗部では、開放速度を調整するための型変更
が困難であり、更にはストッパが接触する状態と接触し
ない状態とが交互に発生するために円滑に開放しない難
点も指摘される。
【0005】なお、円弧状孔部の幅をストッパの幅(太
さ)よりも小さく設定し、孔部内面にストッパを常に接
触させる状態で開放速度を調整する摩擦抵抗部を採用す
ることで、ドア本体の円滑な開放を達成し得る。しかる
に、エアバッグ容器に設けられるストッパとエアバッグ
ドアのヒンジ部との位置、および円弧状孔部の形状等を
正確に設定しないと、ドア本体の回転開放時にストッパ
が円弧状孔部の片側面にのみ接触(片当り)し、本来の性
能が得られない問題があるため、加工や組付けに高い精
度が要求される欠点がある。そこで、柔軟性に優れる合
成樹脂材料を用いてドア本体と開度規制部材とを成形
し、その柔軟性を利用することで片当りを防いで開放速
度を調整する提案がなされているが、合成樹脂材料の柔
軟性は温度変化によって大きく変わってしまうため、求
められる速度調整ができない場合がある。
【0006】
【発明の目的】この発明は、前述した従来の技術に内在
している前記欠点に鑑み、これを好適に解決するべく提
案されたものであって、開度規制を確実に行なうことが
でき、かつ円滑な開放および速度調整を行ない得る自動
車用エアバッグドアを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】前述した課題を解決し、
所期の目的を好適に達成するため、本発明に係る自動車
用エアバッグドアは、エアバッグが収容されるエアバッ
グ収容部の開口部を開放可能に覆うドア本体と、前記エ
アバッグの膨張展開に伴いヒンジ部を中心に回転して開
放する前記ドア本体の開度規制を行なう開度規制部材と
が一体に樹脂成形されているエアバッグドアであって、
前記開度規制部材に穿設され、前記エアバッグ収容部に
設けた開度規制用のストッパの挿通を前記ドア本体によ
る開口部の閉成状態下に許容する通孔と、前記ヒンジ部
を中心とするドア本体の回転軌跡に一致するよう前記開
度規制部材に沿って形成され、前記通孔を始端とする薄
肉状の開裂予定部とを備え、前記エアバッグの膨張展開
時に、前記ドア本体は前記ストッパにより開裂予定部を
開裂させつつ開放し、該ストッパが開裂予定部の終端に
当接することで該ドア本体の開放を規制するよう構成し
たことを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】次に、本発明に係る自動車用エア
バッグドアにつき、好適な実施例を挙げて、添付図面を
参照しながら以下説明する。図1および図2に示す如
く、実施例に係るエアバッグ装置10は、自動車のイン
ストルメントパネル12の所定位置に設けられた開口部
12aの下方内側に配設されたエアバッグ容器(エアバ
ッグ収容部)14と、該エアバッグ容器14の開口部1
4aを開放可能に覆うエアバッグドア16とから基本的
に構成される。エアバッグ容器14内には、エアバッグ
およびエアバッグ作動装置(何れも図示せず)が収容さ
れ、車両が大きな衝撃を受けたときにエアバッグ作動装
置が作動してエアバッグを膨張展開するようになってい
る。
【0009】前記エアバッグドア16は、エアバッグ容
器14の開口部14aを覆い得る寸法に設定されたドア
本体18の下面に、前後方向に離間して前係合部20と
後係合部22とが一体に樹脂成形され、両係合部20,
22には幅方向に離間して複数の係合孔20a,22a
が夫々形成されている。また前記エアバッグ容器14の
前面に、前係合部20の係合孔20aと同数のフック2
4aを備えた前引掛け部材24が配設されると共に、該
エアバッグ容器14の後面に、後係合部22の係合孔2
2aと同数のフック26aを備えた後引掛け部材26が
配設される。そして、図2に示す如く、前引掛け部材2
4の各フック24aを前係合部20の対応する係合孔2
0aに引掛けると共に、後引掛け部材26の各フック2
6aを後係合部22の対応する係合孔22aに引掛ける
ことで、エアバッグドア16は、前記ドア本体18がエ
アバッグ容器14の開口部14aを覆う閉成状態で取付
けられる。
【0010】前記ドア本体18における前係合部20の
形成位置より後側下面に、幅方向に延在する溝18aが
形成され、該溝18aによりドア本体18の回転開放の
中心となるヒンジ部28が構成される(図7参照)。また
前記後係合部22のドア本体18との連結部分は、他の
部分の板厚に対して薄肉に設定されており、エアバッグ
の膨張展開時に該バッグでドア本体18が押された際に
は、図7に示すように、該連結部分が破断してドア本体
18の回転開放を許容するよう構成してある。
【0011】前記ドア本体18の下面には、図1に示す
如く、幅方向に離間して一対の開度規制部材30,30
が一体に樹脂成形されており、両開度規制部材30,3
0は、エアバッグドア16の閉成状態で前記エアバッグ
容器14の幅方向両側面の外側に臨むよう設定される。
また各開度規制部材30の適宜位置に、その板厚方向に
貫通する円形の通孔32が夫々穿設され、各通孔32に
は、エアバッグ容器14の対応する側面にネジ34を介
して位置決め固定したストッパ36が、エアバッグドア
16の閉成状態で挿通されるようになっている(図2参
照)。
【0012】前記開度規制部材30には、前記ヒンジ部
28を中心とする所要径の円弧状の溝部38が、前記通
孔32を始端として該部材30に沿って形成される。こ
の円弧状溝部38は、外側(エアバッグ容器14から離
間する側)に開放する断面角形の溝であって、その底部
が他の部位よりも板厚を薄くした薄肉状の開裂予定部
(摩擦抵抗部)40とされる(図6参照)。そして、エアバ
ッグの膨張展開時にヒンジ部28を中心としてドア本体
18が回転して開放する際には、前記ストッパ36に対
して開度規制部材30が移動することで、該ストッパ3
6で開裂予定部40が開裂されて開放速度が減速される
よう構成される。なお、開裂予定部40の厚みは、エア
バッグの膨張展開時における押圧力によってストッパ3
6で開裂可能な寸法に設定されるものであって、その厚
み寸法を変更することで開放速度を容易に調整し得る。
また円弧状溝部38、すなわち開裂予定部40の終端
(通孔32から離間する端部)の位置は、該終端にストッ
パ36が当接して回転開放が規制(停止)されたドア本体
18がフロントガラス(図示せず)に当接しない位置に設
定されている。
【0013】前記開裂予定部40には、その幅方向(円
弧状溝部38の短手方向)の中央に沿ってV字溝42が
円弧状に形成され、ドア本体18の回転開放時には、図
7に示す如く、前記ストッパ36により開裂予定部40
がV字溝42に沿って開裂するようになっている。更
に、前記開裂予定部40の通孔32に臨む始端部には、
図3および図4に示す如く、前記V字溝42と対応する
位置にV字状のノッチ44が形成され、ストッパ36に
よる開裂予定部40の開裂開始を容易に行なわせ得るよ
う構成してある。
【0014】ここで、前記ストッパ36の通孔32内に
臨む軸部の外径は、図2および図5に示すように、該通
孔32の内径よりも小さく設定されると共に、前記ヒン
ジ部28の溝18aには前後方向に所要の幅を持たせて
いる。これにより、ストッパ36の取付け位置やエアバ
ッグ容器14に対するエアバッグドア16の取付け位置
に多少のズレを生じていても、そのズレに応じて実際に
ドア本体18が折曲がる位置(ヒンジ部28)が変化し
て、ストッパ36により前記V字溝42の位置で開裂予
定部40を確実に開裂させ得るようになっている。
【0015】
【実施例の作用】次に、実施例に係るエアバッグドアの
作用につき説明する。前記エアバッグ装置10は、図2
に示す如く、エアバッグ容器14の開口部14aを覆う
閉成状態でエアバッグドア16が取付けられている。こ
のとき、前記各開度規制部材30の通孔32に対応的に
ストッパ36が挿通される。この状態で車両に大きな衝
撃が加わってエアバッグ容器14内のエアバッグ作動装
置が作動してエアバッグが膨張すると、該バッグの膨張
によってエアバッグドア16のドア本体18が上方に押
上げられ、その押圧力によって前記後係合部22がドア
本体18との連結部分で破断することで、ドア本体18
は前記ヒンジ部28を中心として回転開放する(図7参
照)。これによりエアバッグは、エアバッグ容器14の
開口部14およびインストルメントパネル12の開口部
12aから車室内に展開して乗員の保護が図られる。
【0016】前記ドア本体18の回転開放時には、前記
ストッパ36に当接する前記開裂予定部40がV字溝4
2の部分で開裂しながら前記開度規制部材30が移動す
る(図8参照)。これにより、開度規制部材30には所要
の抵抗が付与され、ドア本体18の開放速度は減速され
る。そして、ストッパ36が開裂予定部40(円弧状溝
部38)の終端に当接することで、該ドア本体18の回
転開放が規制され、エアバッグドア16がフロントガラ
スに当接するのを防止し得る。なお、開裂予定部40の
始端部に形成されたノッチ44により、ストッパ36に
よる開裂予定部40の開裂開始は容易に行なわれる。
【0017】前記ドア本体18は、前後に所要の幅を有
する溝18aで形成されるヒンジ部28で折曲がること
で回転開放する構成であるから、前記ストッパ36の取
付け位置やエアバッグ容器14に対するエアバッグドア
16の取付け位置に多少のズレを生じている場合であっ
ても、ヒンジ部28の実際に折曲がる位置がズレに応じ
て変わることで、開度規制部材30はV字溝42の位置
がストッパ36に沿って移動して確実に開裂する。すな
わち、エアバッグ装置10を構成する各部品の加工や組
付け精度が低くても、ドア本体18の開放速度の調整に
関しては本来の性能が得られるから、加工や組付けが容
易となる。また、開度規制部材30を成形する合成樹脂
材料の柔軟性を利用して片当り等を防止するものではな
いから、車内の温度変化によって性能が変わることな
く、常に求められる速度調整が行なわれる。
【0018】また実施例のエアバッグドア16では、開
放速度を調整(減速)するための摩擦抵抗部を、長孔でな
く薄肉状の開裂予定部40で構成したから、開度規制部
材30は通孔32以外の部分はつながっている。すなわ
ち、エアバッグドア16における開度規制部材30を射
出成形するための金型内には、樹脂の流れを阻止して該
樹脂流を分ける部分が少なく(通孔32に対応する部分
のみ)、ゲートの位置に関係なく前記ストッパ36が当
接する円弧状溝部38の終端部側にウェルドラインが生
ずるのを回避し易くなる。従って、成形された開度規制
部材30における円弧状溝部38の終端側に必要な強度
を確保することができ、円弧状溝部38の終端に展開衝
撃が加わった場合でもクラックを生じたり破断すること
はなく、確実に開度規制をなし得る。またゲートの位置
も限定されないから、金型構造が簡単になってコストを
低減することが可能となる。
【0019】しかも、エアバッグドア16の開放速度を
変える場合は、前記開裂予定部40の厚み寸法を変更す
るだけなので、金型の修正が簡単である。また、エアバ
ッグドア16における開度規制部材30を成形する金型
は全面スライド型を用いることができるから、例えばド
ア本体18の開放角度(円弧状溝部38の終端の位置)が
異なる複数種類の成形に簡単に対応し得る。
【0020】
【変更例】前述した実施例では、円弧状溝部38の断面
形状を角形としたが、図9(a),(b)に示す如く、断面
V形の円弧状溝部46や、断面半円形の円弧状溝部48
としてもよく、その底部(開裂予定部40)にV字溝42
を形成することは任意である。また、開裂予定部40の
始端部に形成するノッチ44の形状についても、V字形
に限らず半円形やU字状等を採用可能であり、更にはノ
ッチ44を省略してもよい。なお、実施例ではドア本体
18に対して一対の開度規制部材30,30を一体成形
した場合で説明したが、幅方向一方にのみ開度規制部材
30を一体成形した形態を採用可能である。更にまた、
エアバッグ容器14やインストルメントパネル12に、
エアバッグドア16を回転軸を介して回転自在に配設
し、該回転軸を中心としてエアバッグドア16を回転開
放させることもできる。
【0021】図10および図11に示す如く、エアバッ
グドア16に設けられる開度規制部材50において、前
記円弧状溝部38の外径側50aに臨む部分の板厚を、
内径側50bの部分よりも厚く設定すると共に、内径側
50bの所定位置に複数の凹部52を設けてもよい。そ
して、このように設定された開度規制部材50を射出成
形する際には、金型内における円弧状溝部38と対応す
る部分を挟む外径側を流れる樹脂流速が高まるのに対
し、該部分の内径側を流れる樹脂流は、凹部52を設け
るための金型においては凸部となる部分で抵抗を受けて
その流速が遅くなる。すなわち、金型内における樹脂流
に積極的に速度差を付与することができ、成形された開
度規制部材50における円弧状溝部38の終端側(図1
1の符号54で示す展開衝撃が加わる部分)から離れた
位置にウェルドライン56を確実に移動させることが可
能である。なお、開度規制部材50の全体の形状によっ
ては、前記円弧状溝部38の内径側50bに臨む部分の
板厚を、外径側50aの部分よりも厚く設定すると共
に、外径側50aの所定位置に複数の凹部52を設ける
構成を採用し得る。
【0022】前述したように、開度規制部材50の一部
に板厚の厚い部分を設けたエアバッグドア16では、開
度規制部材50自体の剛性が向上すると共に、前記凹部
52による弾性効果が得られ、円弧状溝部38の終端に
加わる展開衝撃を緩和し得る利点がある。なお、円弧状
溝部38を挟む外径側50aまたは内径側50bの何れ
か一方の板厚を厚く設定することで樹脂流の速度を変え
ることが可能であるので、前記凹部52は省略すること
も可能である。また外径側50aと内径側50bとが同
一の板厚であっても、凹部52(金型では凸部)を設ける
ことで樹脂流の流れを遅くすることができるのであるか
ら、円弧状溝部38を挟む同一板厚の外径側50aまた
は内径側50bの何れか一方に凹部52に設ける構成を
採用することができる。すなわち、開度規制部材50の
円弧状溝部38を挟む外径側50aや内径側50bに、
エアバッグドア16を樹脂成形するに際して金型内の樹
脂流の速度に変化を与え得る手段(板厚の変化や凹部)を
採用することで、ウェルドラインの位置を開度規制部材
50の展開衝撃が加わる部分から離れた位置に変えるこ
とができるものである。
【0023】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る自動
車用エアバッグドアによれば、該ドアの開放速度を調整
する部分を薄肉状の開裂予定部で構成したから、ドア本
体に一体に樹脂成形される開度規制部材の展開衝撃が加
わる部分にウェルドラインが生ずるのを防ぐことができ
る。すなわち、開度規制部材の強度不足により、開度規
制が確実になされなくなる事態が発生するのを防止し得
る。また、ストッパで開裂予定部を開裂させることで開
放速度を調整するから、開放を円滑になし得ると共に確
実な減速を達成し得る。
【0024】更に、前記開裂予定部にV字溝を形成した
構成では、ストッパによる開裂予定部の開裂がV字溝に
沿って円滑になされる。また開裂予定部の始端部にノッ
チを形成した構成により、開裂予定部の開裂開始を円滑
かつ容易に行ない得る利点を有する。更にまた、前記開
度規制部材の開裂予定部を挟む内径側または外径側の何
れか一方側の厚みを、他方側よりも厚く設定した構成に
より、開度規制部材の展開衝撃が加わる部分から離れた
位置にウェルドラインを確実に移動させることができる
効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係るエアバッグドアを採用し
たエアバッグ装置を分解した状態で示す概略斜視図であ
る。
【図2】実施例に係るエアバッグ装置をエアバッグドア
の閉成状態で示す側面図である。
【図3】実施例に係るエアバッグドアの開度規制部材を
示す要部側面図である。
【図4】実施例に係る開度規制部材の円弧状溝部を示す
要部斜視図である。
【図5】実施例に係るストッパが開度規制部材の通孔に
挿通された状態で示す要部断面図である。
【図6】実施例に係る開度規制部材の要部断面図であ
る。
【図7】実施例に係るエアバッグ装置をエアバッグドア
の開放状態で示す側面図である。
【図8】実施例に係るストッパで開度規制部材の開裂予
定部が開裂された状態を示す要部断面図である。
【図9】開度規制部材に形成される円弧状溝部の変更例
を示す要部断面図である。
【図10】変更例に係る開度規制部材の要部断面図であ
る。
【図11】変更例に係る開度規制部材の要部側面図であ
る。
【符号の説明】
14 エアバッグ容器(エアバッグ収容部) 14a 開口部 18 ドア本体 28 ヒンジ部 30 開度規制部材 32 通孔 36 ストッパ 38 円弧状溝部 40 開裂予定部 42 V字溝 44 ノッチ 50 開度規制部材 50a 外径側 50b 内径側
フロントページの続き (72)発明者 高杉 政二 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 鈴木 政登 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 Fターム(参考) 3D054 AA03 AA14 BB09 BB10 BB16 BB22 BB23 BB24 BB30 FF17 FF20

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エアバッグが収容されるエアバッグ収容
    部(14)の開口部(14a)を開放可能に覆うドア本体(18)
    と、前記エアバッグの膨張展開に伴いヒンジ部(28)を中
    心に回転して開放する前記ドア本体(18)の開度規制を行
    なう開度規制部材(30,50)とが一体に樹脂成形されてい
    るエアバッグドアであって、 前記開度規制部材(30,50)に穿設され、前記エアバッグ
    収容部(14)に設けた開度規制用のストッパ(36)の挿通を
    前記ドア本体(18)による開口部(14a)の閉成状態下に許
    容する通孔(32)と、 前記ヒンジ部(28)を中心とするドア本体(18)の回転軌跡
    に一致するよう前記開度規制部材(30,50)に沿って形成
    され、前記通孔(32)を始端とする薄肉状の開裂予定部(4
    0)とを備え、 前記エアバッグの膨張展開時に、前記ドア本体(18)は前
    記ストッパ(36)により開裂予定部(40)を開裂させつつ開
    放し、該ストッパ(36)が開裂予定部(40)の終端に当接す
    ることで該ドア本体(18)の開放を規制するよう構成した
    ことを特徴とする自動車用エアバッグドア。
  2. 【請求項2】 前記開度規制部材(30,50)に、前記ヒン
    ジ部(28)を中心とするドア本体(18)の回転軌跡と一致す
    る円弧状溝部(38)を形成することで前記開裂予定部(40)
    が形成され、該開裂予定部(40)にV字溝(42)を円弧状に
    形成してなる請求項1記載の自動車用エアバッグドア。
  3. 【請求項3】 前記通孔(32)に臨む開裂予定部(40)の始
    端部にノッチ(44)が形成されている請求項1または2記
    載の自動車用エアバッグドア。
  4. 【請求項4】 前記開度規制部材(50)の開裂予定部(40)
    を挟む内径側(50b)または外径側(50a)の何れか一方側の
    厚みを、他方側よりも厚く設定した請求項1〜3の何れ
    かに記載の自動車用エアバッグドア。
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