JP2001030958A - 車両用フード装置 - Google Patents

車両用フード装置

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JP2001030958A JP11204998A JP20499899A JP2001030958A JP 2001030958 A JP2001030958 A JP 2001030958A JP 11204998 A JP11204998 A JP 11204998A JP 20499899 A JP20499899 A JP 20499899A JP 2001030958 A JP2001030958 A JP 2001030958A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ロッド保持手段付きアクチュエータのコスト
を抑えることができる車両用フード装置を提供する。 【解決手段】 車両用フード装置20は、車両が障害物
に衝突したときに、車両前部のフード21をアクチュエ
ータ25で所定量持上げるもので、アクチュエータ25
に、フード21を押上げるピストンロッド28が上限に
達したらその位置を保持させるロッド保持手段31を備
え、ロッド保持手段31をピストンロッド28を押上げ
る圧縮ばねとした。 【効果】 ロッド保持手段を簡単な構成にすることがで
き、かつロッド保持手段を時間をかけないでアクチュエ
ータに取り付けることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はフードを持上げるこ
とによりフードの変形量を充分に確保して衝撃を吸収す
る車両用フード装置に関する。
【0002】
【従来の技術】車両用フード装置には、走行中の車両が
障害物に衝突したときに、フードを所定量持上げるとと
もに、その持上げた位置で保持させるものがある。フー
ドを持上げると、下方への変形可能量が増大し、変形に
よる衝突エネルギーの吸収量を大いに増加させることが
できる。この種の車両用フード装置としては、例えば、
特開平9−315266号公報「車両用フード装置」が
知られており、この技術を次図で説明する。
【0003】図13(a)〜(c)は従来の車両用フー
ド装置の作用図であり、この図でフードを所定量持上げ
るアクチュエータの作用を説明する。(a)において、
車両が障害物に衝突するとアクチュエータ100のロッ
ド101は矢印の如く上昇を開始する。ロッド101に
はロッド保持手段102(ストッパ片103、圧縮ばね
104及び保持片105)が取り付けられ、ストッパ片
103が圧縮ばね104でロッド101の外側に張り出
している。(b)において、ロッド101がさらに上昇
して、アクチュエータ100のハウジング100aにス
トッパ片103が当り、ストッパ片103はロッド10
1の溝106内に入り込む。
【0004】(c)において、ロッド101が上限まで
突出してフード(図示せず)を所定量持上げる。同時
に、ストッパ片103がアクチュエータ100のハウジ
ング100aを乗り越えて、ストッパ片103が溝10
6からロッド101の外側に張り出す。このため、スト
ッパ片103がハウジング100aの表面に当って、ロ
ッド101を上限に支えることにより、フードを所定量
持上げた状態に保持する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、ロッド保持手
段102をストッパ片103、圧縮ばね104及び保持
片105で構成し、ストッパ片103、圧縮ばね104
及び保持片105をロッド101の溝106に組込まな
ければならない。このため、ロッド101の構成が複雑
になる。また、ロッド101は比較的細いので、細いロ
ッド101に溝106を加工する作業や、溝101にス
トッパ片103、圧縮ばね104及び保持片105を組
込む作業に時間がかかる。このため、アクチュエータ1
00は高価なものとなる。
【0006】そこで、本発明の目的は、ロッド保持手段
付きアクチュエータのコストを抑えることのできる車両
用フード装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に請求項1は、車両が障害物に衝突したときに、車両前
部のフードをアクチュエータで所定量持上げる車両用フ
ード装置において、前記アクチュエータは、フードを押
上げるロッドが上限に達したらその位置を保持させるロ
ッド保持手段を備えており、このロッド保持手段は、ロ
ッドを押上げる圧縮ばねであることを特徴とする。
【0008】アクチュエータにロッドを上限に保持する
ためのロッド保持手段を備える。そして、このロッド保
持手段を圧縮ばねで構成した。このため、ロッド保持手
段を簡単な構成にすることができ、且つロッド保持手段
を時間をかけないで簡単にアクチュエータに取り付ける
ことができる。
【0009】請求項2は、車両が障害物に衝突したとき
に、車両前部のフードをアクチュエータで所定量持上げ
る車両用フード装置において、前記アクチュエータは、
フードを押上げるロッドが上限に達したらその位置を保
持させるロッド保持手段を備えており、このロッド保持
手段は、ロッドを押上げる高圧ガスを供給するガス供給
部であることを特徴とする。
【0010】アクチュエータにロッドを上限に保持する
ためのロッド保持手段を備える。そして、このロッド保
持手段をガス供給部で構成した。このため、ガス供給部
から発生した高圧ガスでロッドを上限に保持することが
できる。ロッド保持手段にガス供給部を使用したので、
ガス供給部をアクチュエータの外側に取り付けて流路で
アクチュエータにつなぐことができる。従って、ロッド
保持手段をアクチュエータの内部に組込む必要がないの
で、ロッド保持手段を時間をかけないで簡単にアクチュ
エータに取り付けることができる。
【0011】請求項3は、車両が障害物に衝突したとき
に、車両前部のフードをアクチュエータで所定量持上げ
る車両用フード装置において、前記アクチュエータは、
フードを押上げるロッドが上限に達したら上限位置を保
持させるロッド保持手段を備えており、このロッド保持
手段は、ロッドに設けた凹部と、この凹部に嵌合するロ
ックピンとからなることを特徴とする。
【0012】アクチュエータにロッドを上限に保持する
ためのロッド保持手段を備える。そして、このロッド保
持手段をロッドに設けた凹部と、この凹部に嵌合するロ
ックピンとで構成した。ロッドには凹部を形成するだけ
にして、ロックピンをアクチュエータのハウジングに取
り付けた。このため、比較的細いロッドにロックピンを
無理やり取り付ける必要がないので、ロックピンを時間
をかけないで簡単に取り付けることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を添付図面に
基づいて以下に説明する。ここで、「前」、「後」は運
転者から見た方向に従い、図中のFrは前側、Rrは後
側を示す。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
【0014】図1は本発明に係る車両用フード装置(第
1実施の形態)を取り付けた車両の側面図である。車両
10は、左右のフロントフェンダ12(左側のみ図示す
る)間にエンジンルーム14を形成し、エンジンルーム
14の上方で且つフロントガラス16の前方に衝撃を吸
収する車両用フード装置20を配置したものである。こ
の車両用フード装置20は、車両10が障害物18に衝
突したときに、車両前部のフード21を想像線で示す位
置まで持上げるとともに、その持上げた位置にフード2
1を保持するものである。以下、車両用フード装置20
について詳しく説明する。
【0015】車両用フード装置20は、エンジンルーム
14の上部開口を塞ぐ前開き形式のフード21と、フー
ド21の左右後端を押上げてフード21を想像線で示す
位置まで持上げる左右のアクチュエータ25(左側のみ
を示す)と、車両10が障害物18に衝突したことを検
出するバンパセンサ38a、フロアセンサ38b及び車
速センサ38cと、各々のセンサ38a,38b,38
cからの検出信号に基づいてアクチュエータ25に駆動
信号を伝える制御部39と、フード21の左右後端に取
り付けて持上げ量を一定に規制するリンク機構40(左
側のみを示す)とからなる。
【0016】フード21は、例えばエンジンルーム14
の修理点検のために後部を支点にして前部を開放可能に
構成し、車体フレームにロックするためのフードロック
(図示せず)を前部に取り付けたものである。アクチュ
エータ25は左右共通部品であり、リンク機構40も左
右共通部品であるので、以下、左側のアクチュエータ2
5及び左側のリンク機構40について説明して、右側の
アクチュエータ25及び右側のリンク機構40の説明は
省略する。
【0017】図2は本発明に係る車両用フード装置(第
1実施の形態)の要部拡大図であり、アクチュエータ及
びリンク機構を示す。アクチュエータ25は、ハウジン
グ26に上方を開放させて形成した鉛直シリンダ27
と、鉛直シリンダ27に往復運動可能に挿入したロッド
(以下、「ピストンロッド」という)28と、鉛直シリ
ンダ27に連なる連通孔29と、連通孔29に取付けた
インフレータ30と、フード21を押上げるピストンロ
ッド28が上限に達したらその位置を保持させるロッド
保持手段31と、鉛直シリンダ27の上端に取り付けて
ピストンロッド28を収納位置に押え付けるロック手段
33とからなり、ハウジング26をボルト32・・・(・・・
は複数個を示す)で車体フレーム17に取り付けたもの
である。ピストンロッド28は、上端部28aをフード
21の突起21aに臨ませたものである。
【0018】ロッド保持手段31は、ピストンロッド2
8の下端側の鉛直シリンダ27に配置して、ピストンロ
ッド28を上限に押上げる圧縮ばね(以下、「圧縮ばね
31」という)である。ロッド保持手段31を圧縮ばね
で構成したので、ロッド保持手段31を簡単な構成にす
ることができ、かつロッド保持手段31を時間をかけな
いで簡単にアクチュエータ25のハウジング26に取り
付けることができる。
【0019】リンク機構40は、車体側(車体フレー
ム)17とフード21とに掛け渡してフード21の上下
動に応じて伸屈し、フード21を閉じたとき折り畳んだ
状態になり、フード21を所定量持上げたとき略直線上
に伸張するものである。すなわち、リンク機構40は、
フード21の所定量持上げ量を規制するための部材であ
る。
【0020】このリンク機構40は、車体フレーム17
側に取り付けたブラケット41と、ブラケット41に下
部ピン42でスイング自在に取り付けた下部リンク43
と、下部リンク43の上端に連結ピン44でスイング自
在に取り付けた上部リンク45と、上部リンク45の上
端を上部ピン46で回転自在に取り付けたフードアーム
22とからなり、下部リンク43及び上部リンク45を
くの字に折り畳み可能に構成したものである。フードア
ーム22はフード21に取り付けたものである。
【0021】なお、リンク機構40は、通常折り畳んだ
状態にロックされていて、車両が衝突した際にロックが
解除されて伸張するように構成させている。従って、例
えばエンジンルームの保守点検を行うときには、上部ピ
ン46を軸にしてフード21の前端側を開くことができ
る。
【0022】図3は図2の3部拡大図である。ロック手
段33は、鉛直シリンダ27の上端27aにロック溝3
4,34を形成し、ロック溝34,34にストッパ片3
6の両端36a,36aを嵌め込むことにより、ストッ
パ片36で圧縮ばね31を圧縮させた状態に保ち(図2
の状態)、ピストンロッド28を鉛直シリンダ27に収
納するものである。ストッパ片36は、上面の両端に破
断用の切欠37,37を形成した部材である。
【0023】図4は本発明に係る車両用フード装置(第
1実施の形態)を構成するロック手段の組付け説明図で
ある。想像線で示す略矩形状のストッパ片36を鉛直シ
リンダ27の上方から矢印・・・の如く下降させて、ス
トッパ片36の両端36a,36aをロック溝34,3
4の差込み口35,35に落とし込む。次に、ストッパ
片36を矢印,の如く回転させ、ストッパ片36の
両端36a,36aをロック溝34,34に沿って移動
させて、ストッパ片36をロック溝34,34に取り付
ける。
【0024】次に、車両用フード装置20の作用を説明
する。先ず、図1に戻って、車両10の走行中に障害物
18に衝突すると、バンパセンサ38a、フロアセンサ
38b及び車速センサ38cが衝突を検出して、各々の
センサ38a,38b,38cから制御部39に検出信
号を伝える。制御部39からアクチュエータ25のイン
フレータ30(図2に示す)に駆動信号を伝え、インフ
レータ30の点火装置でガス発生剤を点火してガスを発
生させる。
【0025】図5(a),(b)は本発明に係る車両用
フード装置(第1実施の形態)の第1作用説明図であ
る。(a)において、インフレータ30で発生したガス
を連通孔29から鉛直シリンダ27に矢印の如く供給
する。これにより、鉛直シリンダ27にピストンロッド
28を押上げるためのガス圧が発生し、ピストンロッド
28がストッパ片36を押上げ力Fで押し上げる。
(b)において、ストッパ片36に押上げ力Fがかかる
ことにより、ストッパ片36の両端の切欠37,37が
破断する。このため、ピストンロッド28が上昇してフ
ード21の突起21aを押上げる。
【0026】図6は本発明に係る車両用フード装置(第
1実施の形態)の第2作用説明図である。鉛直シリンダ
27に発生したガス圧でピストンロッド28を上限まで
押上げることにより、フード21を所定量持上げる。こ
のとき、リンク機構40が略直線に伸張する。同時に、
圧縮ばね31が伸びて上限のピストンロッド28をばね
力F1で下から押上げる。このため、圧縮ばね31でピ
ストンロッド28を上限に支えることができるので、ピ
ストンロッド21でフード21を所定量持上げた状態に
保持することができる。
【0027】このように、圧縮ばね31でピストンロッ
ド28を上限に支えてフード21を持上げ位置に保持す
ることができるので、リンク機構40でフード21を持
上げ位置に保持する必要がない。このため、リンク機構
40の構成を簡単にすることができる。
【0028】図7は本発明に係る車両用フード装置(第
1実施の形態)の第3作用説明図である。フード21を
想像線で示す位置から実線で示す位置まで所定量持ち上
げることにより、フード21からエンジンルーム14に
収納したエンジン等の機器19までの距離を大きくする
ことができる。従って、フード21の下向きの変形量を
充分に確保することができる。
【0029】さらに、圧縮ばね31でピストンロッド2
8を上限に支えるので、障害物18がフード21に落下
して矢印の如く外力F2がかかってもフード21を持上
げ位置に保持することができる。この結果、フード21
の凹み部21bを大きく確保して、障害物18に及ぼす
衝撃を確実に吸収することができる。また、フード21
の凹み部21bを想像線で示すように大きくしても、フ
ード21がエンジンルームの機器19に当ることがない
ので、機器19を障害物18から保護することができ
る。
【0030】次に、第2実施の形態及び第3実施の形態
について説明する。なお、第2実施の形態及び第3実施
の形態において第1実施の形態と同一部材については同
一符号を付して説明を省略する。図8は本発明に係る車
両用フード装置(第2実施の形態)のアクチュエータの
断面図である。アクチュエータ50は、ハウジング51
に上方を開放させて形成した鉛直シリンダ52と、鉛直
シリンダ52に往復運動可能に挿入したピストンロッド
28と、鉛直シリンダ52に連なる連通孔29と、連通
孔29に取付けたインフレータ30と、フード21(図
1及び図2参照)を押上げるピストンロッド28が上限
に達したらその位置を保持させるロッド保持手段55と
からなり、第1実施の形態と同様にハウジング51をボ
ルト32・・・で車体フレームに取り付けたものである。
【0031】ロッド保持手段55は、ピストンロッド2
8下方の鉛直シリンダ52にピストンロッド28を押上
げる高圧ガスを供給するガス供給部(以下、「ガス供給
部55」という)であって、鉛直シリンダ52に流路5
6の出口側をつなぎ、流路56の入口側にガスボンベ5
7をつなぎ、流路56の途中にオンオフ弁58を取り付
けたものである。
【0032】ロッド保持手段55をガス供給部で構成し
て、ガス供給部55から発生した高圧ガスでピストンロ
ッド28を上限に保持することができる。ロッド保持手
段55にガス供給部を使用したので、ガス供給部55を
アクチュエータ50の外側に取り付けて流路でアクチュ
エータ50につなぐことができる。従って、ガス供給部
55をアクチュエータ50の内部に組込む必要がないの
で、ガス供給部55を時間をかけないで簡単にアクチュ
エータ50に取り付けることができる。
【0033】図9は本発明に係る車両用フード装置(第
2実施の形態)のアクチュエータの作用説明図である。
車両の走行中に障害物に衝突すると、各種センサが衝突
を検出して制御部に検出信号を伝える。制御部からアク
チュエータ50のインフレータ30に駆動信号を伝え、
インフレータ30の点火装置でガス発生剤を点火してガ
スを発生させる。インフレータ30で発生したガスを鉛
直シリンダ52に矢印の如く供給する。これにより、
ガス圧でピストンロッド28を上限まで押上げてフード
を所定量持上げる。
【0034】ピストンロッド28が上限に達したら、図
示しないセンサから制御部に検出信号が伝わり、制御部
からの信号でオンオフ弁58がオンに作動する。これに
より、ガスボンベ57から高圧ガスを鉛直シリンダ52
内に供給する。高圧ガスでピストンロッド28に押上げ
力F1をかけてピストンロッド28を上限に支える。こ
のため、上限のピストンロッド28でフードを所定量持
上げた状態に保持することができる。
【0035】この結果、第1実施の形態と同様に、フー
ドの凹み部を大きく確保して、障害物に及ぼす衝撃を確
実に吸収することができる。また、フードの凹み部を大
きくしても、フードがエンジンルームの機器に当ること
がないので、機器を障害物から保護することができる。
【0036】図10は本発明に係る車両用フード装置
(第3実施の形態)のアクチュエータの断面図である。
アクチュエータ60は、ハウジング61に上方を開放さ
せて形成した鉛直シリンダ62と、鉛直シリンダ62に
往復運動可能に挿入したピストンロッド63と、鉛直シ
リンダ62に連なる連通孔64と、連通孔64に取付け
たインフレータ30と、フード21(図1及び図2参
照)を押上げるピストンロッド63が上限に達したらそ
の位置を保持させるロッド保持手段65とからなり、ハ
ウジング61をボルト32・・・で車体フレームに取り付
けたものである。
【0037】ピストンロッド63はガイド63aを備え
る。ピストンロッド63にガイド63aを備えた理由は
図11で詳しく説明する。ロッド保持手段65は、ピス
トンロッド63の下端部66に形成した凹部66aと、
この凹部66aに嵌合するロックピン67と、ロックピ
ン67を収納する収納穴70と、ロックピン67を凹部
66aに向けて押出す圧縮ばね71と、圧縮ばね71を
収納穴70に装填するナット72とからなる。
【0038】このロッド保持手段65は、ピストンロッ
ド63には凹部66aを形成するだけにして、ロックピ
ン67や圧縮ばね71等をハウジング61側に取り付け
た。このため、比較的細いピストンロッド63にロック
ピン67や圧縮ばね71等を無理やり取り付ける必要が
ないので、ロックピン67を時間をかけないで簡単に取
り付けることができる。
【0039】ロックピン67は、先端側に圧縮ばね71
を押し付けるための鍔68を形成し、基端にロックピン
67を引き出すためのハンドル69を形成したものであ
る。このため、圧縮ばね71でロックピン67を凹部6
6aに差し込むことができ、かつハンドル69を引くこ
とによりロックピン67を凹部66aから引き抜くこと
もできる。
【0040】図11は図10の11−11線断面図であ
る。ピストンロッド63は、ガイド63aを備え、ガイ
ド63aをストッパ73(図10に示す)にスライド自
在に嵌め込んだものである。このため、凹部66aをロ
ックピン67に対向させた状態でピストンロッド63を
上昇させることができる。従って、ピストンロッド63
が上限まで上昇したときロックピン67を凹部66aに
確実に差し込むことができる。
【0041】図12は本発明に係る車両用フード装置
(第3実施の形態)のアクチュエータの作用説明図であ
る。車両の走行中に障害物に衝突すると、第2実施の形
態と同様にアクチュエータ60のインフレータ30に駆
動信号が伝わり、インフレータ30の点火装置でガス発
生剤を点火してガスを発生させる。インフレータ30で
発生したガスを鉛直シリンダ62に矢印の如く供給す
る。これにより、ガス圧でピストンロッド63を上限ま
で押上げてフードを所定量持上げる。
【0042】ピストンロッド63が上限に達しとき、凹
部66aがロックピン67の位置まで上昇し、ロックピ
ン67の先端が圧縮ばね71のばね力で凹部66aに入
り込む。このため、ピストンロッド63を上限に支えて
フードを所定量持上げた状態に保持することができる。
【0043】この結果、第1実施の形態と同様に、フー
ドの凹み部を大きく確保して、障害物に及ぼす衝撃を確
実に吸収することができる。また、フードの凹み部を大
きくしても、フードがエンジンルームの機器に当ること
がないので、機器を障害物から保護することができる。
【0044】なお、アクチュエータを車体フレームの左
右側に各々1個づつ取り付け、リンク機構を車体フレー
ムの左右側に各々1個づつ取り付けた例を説明したが、
アクチュエータ及びリンク機構は車体フレームの一方の
側に取り付けるだけでもよい。これにより、部品点数を
より減らしてコストをより抑えることができる。また、
アクチュエータを車体フレーム側に取り付けたが、例え
ばアクチュエータをフード側に取り付けてもよい。
【0045】さらに、第1実施の形態では、ロッド保持
手段31の圧縮ばねで障害物18がフード21に当った
ときにフード21を持上げ位置に保持する場合を説明し
たが、例えば圧縮ばね31のばね定数を選択して、障害
物18がフード21に当ったときに圧縮ばね31を積極
的に収縮させることにより、障害物18にかかる衝撃を
より効率よく吸収するようにしてもよい。また、第1実
施の形態では、圧縮ばね31をロック手段33で圧縮装
填した例を説明したが、その他の手段で圧縮ばね31を
圧縮装填するようにしてもよい。
【0046】前記第2実施の形態では、ロッド保持手段
55としてガス供給部を採用した例を説明したが、その
他に、インフレータ30の構成を一定時間ガスを噴射し
続けるようにして、インフレータ30でピストンロッド
28を上限まで押上げた後、インフレータ30で引続き
ピストンロッド28を上限に支えるようにしてもよい。
【0047】
【発明の効果】本発明は上記構成により次の効果を発揮
する。請求項1は、アクチュエータのロッド保持手段を
圧縮ばねで構成した。このため、ロッド保持手段を簡単
な構成にすることができ、かつロッド保持手段を時間を
かけないで簡単にアクチュエータに取り付けることがで
きる。この結果、ロッド保持手段付きアクチュエータの
コストを抑えることができる。
【0048】請求項2は、アクチュエータのロッド保持
手段をガス供給部で構成した。このため、ガス供給部か
ら発生した高圧ガスでロッドを上限に保持することがで
きる。ロッド保持手段にガス供給部を使用したので、ガ
ス供給部をアクチュエータの外側に取り付けて流路でア
クチュエータにつなぐことができる。従って、ロッド保
持手段をアクチュエータの内部に組込む必要がないの
で、ロッド保持手段を時間をかけないで簡単にアクチュ
エータに取り付けることができる。この結果、ロッド保
持手段付きアクチュエータのコストを抑えることができ
る。
【0049】請求項3は、アクチュエータのロッド保持
手段をロッドに設けた凹部と、この凹部に嵌合するロッ
クピンとで構成した。ロッドには凹部を形成するだけに
して、ロックピンをアクチュエータのハウジングに取り
付けた。このため、比較的細いロッドにロックピンを無
理やり取り付ける必要がないので、ロックピンを時間を
かけないで簡単に取り付けることができる。この結果、
ロッド保持手段付きアクチュエータのコストを抑えるこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る車両用フード装置(第1実施の形
態)を取り付けた車両の側面図
【図2】本発明に係る車両用フード装置(第1実施の形
態)の要部拡大図
【図3】図2の3部拡大図
【図4】本発明に係る車両用フード装置(第1実施の形
態)を構成するロック手段の組付け説明図
【図5】本発明に係る車両用フード装置(第1実施の形
態)の第1作用説明図
【図6】本発明に係る車両用フード装置(第1実施の形
態)の第2作用説明図
【図7】本発明に係る車両用フード装置(第1実施の形
態)の第3作用説明図
【図8】本発明に係る車両用フード装置(第2実施の形
態)のアクチュエータの断面図
【図9】本発明に係る車両用フード装置(第2実施の形
態)のアクチュエータの作用説明図
【図10】本発明に係る車両用フード装置(第3実施の
形態)のアクチュエータの断面図
【図11】図10の11−11線断面図
【図12】本発明に係る車両用フード装置(第3実施の
形態)のアクチュエータの作用説明図
【図13】従来の車両用フード装置の作用図
【符号の説明】
10…車両、18…障害物、20…車両用フード装置、
21…フード、25,50,60…アクチュエータ、2
8,63…ロッド(ピストンロッド)、31…ロッド保
持手段(圧縮ばね)、55…ロッド保持手段(ガス供給
部)、65…ロッド保持手段、66a…凹部、67…ロ
ックピン。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両が障害物に衝突したときに、車両前
    部のフードをアクチュエータで所定量持上げる車両用フ
    ード装置において、 前記アクチュエータは、フードを押上げるロッドが上限
    に達したらその位置を保持させるロッド保持手段を備え
    ており、 このロッド保持手段は、ロッドを押上げる圧縮ばねであ
    ることを特徴とする車両用フード装置。
  2. 【請求項2】 車両が障害物に衝突したときに、車両前
    部のフードをアクチュエータで所定量持上げる車両用フ
    ード装置において、 前記アクチュエータは、フードを押上げるロッドが上限
    に達したらその位置を保持させるロッド保持手段を備え
    ており、 このロッド保持手段は、ロッドを押上げる高圧ガスを供
    給するガス供給部であることを特徴とする車両用フード
    装置。
  3. 【請求項3】 車両が障害物に衝突したときに、車両前
    部のフードをアクチュエータで所定量持上げる車両用フ
    ード装置において、 前記アクチュエータは、フードを押上げるロッドが上限
    に達したらその位置を保持させるロッド保持手段を備え
    ており、 このロッド保持手段は、ロッドに設けた凹部と、この凹
    部に嵌合するロックピンとからなることを特徴とする車
    両用フード装置。
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