JP3765164B2 - 自動車のはね上げフード - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、走行中の車両が歩行者等の障害物に衝突した時に、障害物がフード上面に倒れ込んでフード上面と二次衝突する際の衝撃を吸収緩和して、障害物を保護するための自動車のはね上げフードに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動車のはね上げフードとしては、例えば図17および図18に示したようなものがある(実開昭49−110432及び特開昭59−26370)。このはね上げフードは、フード本体1と、その先端部1aに設けられたフードロック装置2と、フード本体1の後端下方に配置されたフードはね上げ機構3とで構成される。フード本体1の先端部1a側は、フードロック装置2によって開閉し、またフード本体1の後端部1b側は、車両が障害物に衝突するのと同時にスプリング4を用いたはね上げ機構3によって跳ね上げられる。フード本体1の後端部1b側をはね上げることによりエンジンルーム内の構造物とフード本体1との間にクリアランスができ、障害物がフード本体1の上面に倒れ込むことで二次衝突する際の衝撃を吸収緩和することができる。
【0003】
また、上記はね上げ機構3の他の例としては、図19に示したように、車体側に固定されたピン5を支点として中間リンク8を回動可能に支持すると共に、この中間リンク8をフード側ヒンジ6に設けた長穴7にスライド可能とすることにより、フード後端部1bをはね上げるタイプのものもあった。
【0004】
【発明が解決しょうとする課題】
しかしながら、上記従来の自動車のはね上げフードにあっては、フード本体1がはね上がった状態で、対向車や壁等に強く衝突した場合、フード本体1が後方に移動するおそれがあった。
【0005】
そこで本発明は、フードがはね上がった状態で対向車や壁等に強く衝突した場合でも、フードが後方へ移動するのを防止できる自動車のはね上げフードを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
すなわち、上記課題を解決するために、請求項1に係る自動車のはね上げフードの特徴は、フードと、該フード前端部に設けられるフードロック装置と、障害物との衝突を検出する衝突検出手段と、該衝突検出手段からの信号を受けて作動するアクチュエータと、前記フード後端部両サイドに設けられると共に前記アクチュエータに連結されて前記フード後端をはね上げるフードはね上げ機構とからなる自動車のはね上げフードにおいて、前記フードはね上げ機構が、フード側に固定されたフード側ヒンジと、車体側に固定された車体側ヒンジと、前記フード側ヒンジあるいは前記車体側ヒンジのどちらか一方に設けられた溝部と、該溝部に沿ってスライドすると共に他方に回転支持される中間リンクと、車体側に設けられ前記フード側ヒンジあるいは前記フードに係合しフードはね上げ前のフードの後退を防止すると共に、フードはね上げ時に前記フード側ヒンジあるいは前記フードと係合したまま上昇しフードの後退を防止するロッドとからなることにある。
【0007】
また、請求項2に係る自動車のはね上げフードの特徴は、前記フードはね上げ機構が、フード側に固定されたフード側ヒンジと、車体側に固定された車体側ヒンジと、前記フード側ヒンジに設けられた溝部と、該溝部に沿ってスライドすると共に前記車体側ヒンジに回転支持される中間リンクと、前記溝部に設けられ前記中間リンクのスライドを規制する鍵部と、前記中間リンクに設けられたフード側フック部と、前記フード側ヒンジの後部車体側に設けられはね上げ前のフードの後退を防止するフード後退防止ストッパとからなり、はね上げ時に前記中間リンクが前記鍵部に係合すると共に前記フード側フック部が前記フード側ヒンジあるいは前記フードと係合し、アクチュエータが作動状態を維持することにある。
【0008】
また、請求項3に係る自動車のはね上げフードの特徴は、前記フードはね上げ機構が、フード側に固定されたフード側ヒンジと、車体側に固定された車体側ヒンジと、前記車体側ヒンジに設けられた溝部と、該溝部に沿ってスライドすると共に前記フード側ヒンジに回転支持される中間リンクと、前記溝部に設けられ前記中間リンクのスライドを規制すると共に中間リンクを降下させる鍵部と、前記中間リンクのフード側に設けられたフード側フック部と、前記中間リンクの車体側に設けられた車体側フック部と、前記フード側ヒンジの後部車体側に設けられフードはね上げ前のフード本体の後退を防止するフード後退防止部材とからなり、はね上げ時に前記中間リンクのスライドが鍵部で規制されると共に前記回転リンクが降下し、前記フード側フック部が前記フード側ヒンジあるいは前記フードと係合すると共に前記車体側フック部が車体側と係合することにある。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に基づいて本発明に係る自動車のはね上げフードを詳細に説明する。図1乃至図9は、本発明に係る自動車のはね上げフードの第1実施例を示したものである。図1及び図2は、エンジンルーム内の点検時にフード本体11を開けた状態を示したものである。フード本体11の前端部には、フード本体11を開閉自在にするフードロック装置12が設けられ、フード本体11の後端部にはフード本体11を回動させるフードはね上げ機構13が設けられる。そして、自動車のはね上げフードは、このフード本体11と、フードロック装置12と、障害物との衝突を検出する衝突検出手段と、この衝突検出手段からの信号を受けて作動するアクチュエータ(図示せず)と、フード本体11後端部左右に設けられアクチュエータと連結されるはね上げ機構13とで構成され、障害物との衝突検出により、アクチュエータが作動し、はね上げ機構13を介してフード本体11後端部を跳ね上げるものである。フード本体11を閉じた状態でフード本体11の11後端部をはね上げると、フードロック装置12を支点としてフード本体11が回動し、エンジンルーム内の構造物とフード本体11との間にクリアランスを生じさせる。このクリアランスによって障害物がフード本体11上面に倒れ込んでフード本体11上面と二次衝突する際の衝撃を吸収緩和することができる。
【0010】
図3は、歩行者との衝突検出により、アクチュエータを作動させる制御系の構成例を示したものである。車両の前端部にはバンパセンサ14が配設される。このバンパセンサ14は、前方から入力される衝突荷重によって、圧縮されると接点が導通する接触スイッチ等からなり、歩行者との衝突を検出する。また、車速センサ15によってスピードメ一タまたはABS用のタイヤ等からの回転速度信号から車速信号を検出する。次に、車速センサ15及びバンパセンサ14からの信号をコントローラ16で制御し、アクチュエータ17を作動させるものである。図4は、コントローラ16の制御方法を示すフローチャートである。まず、車速Vが設定車速以上かどうかを車速センサ15によって判断し(S1)、次いで車速Vが設定車速以上の場合にはパンパセンサ14が衝突を検知したか否かを判断する(S2)。そして、衝突を検知した場合には、自動車のはね上げフードのアクチュエータ17を作動させる(S3)。
【0011】
図5乃至図8は、はね上げ機構13の詳細を示すものである。このはね上げ機構l3は、フード本体11の後端に結合されるフード側ヒンジ18と、車体19に結合される車体側ヒンジ20と、フード側ヒンジ18と車体側ヒンジ20との間に設けられる中間リンク21とからなる。フード側ヒンジ18と中間リンク21とはフード側ピン22を用いて回転可能に連結されると共に、フード側ヒンジ18には長溝23aが設けられ、この長溝23aに沿ってフード側ピン22がスライド可能になっている。長溝23aの前端には、上方向に向かって鍵部23bが形成され、フード本体11をはね上げるとフード側ピン22がスライドし、この鍵部23bと係合してはね上がった状態が維持される。車体側ヒンジ20と中間リンク21とは中間リンク21の中央付近で車体側ピン24を用いて回転可能に連結される。中間リンク21の下端は、アクチュエ一タ(図示せず)に連結されるケーブル26とケーブル側ピン25を用いて回転可能に連結されている。そして、フード側ヒンジ18の後部には、車体19に対し、垂直方向にのみ摺動可能なロッド27が設けられる。ロッド27の頂部27aはフード側ヒンジ18の後端に設けた顎部18aと係合し、ロッド27の頂部27aの前端がフード側ヒンジ18と接触する。フード本体11の後方への移動は、フード側ヒンジ18とロッド27の頂部27aとの接触面で規制されている。また、フード側ピン22は、バネ28の力を利用したピンロック部材29により長溝23aの後端に押し付けられ、フード本体11の前方向と上下方向への移動の規制が行われる。
【0012】
通常走行時、フード本体11は、この左右のはね上げ機構13とフード本体11の前端のフードロック装置12で固定される。また、上述のように、はね上げ機構13によって、フード本体11の後端部は、前後方向および上下方向の移動が規制される。従って、フード本体11は、確実に車体19に拘束され、走行中にフードl1やはね上げ機構13にガタ付きが発生することはない。
【0013】
図7は、フード本体11の後端部をはね上げた状態を示すものである。車両が走行中、設定速以上の車速で障害物に衝突すると、図3で説明したように車速センサ15とバンパセンサ14から送られる信号をコントローラ16が制御し、アクチュエータ17を作動させる。アクチュエータは、ケーブル26を介し、中間リンク21の下端を引っ張り、車体側ピン24を中心にして中間リンク21を回転させる。中間リンク21が回転すると、フード側ピン22は上方に押し上げられようとする。この時、フード側ピン22は、バネ28のばね力を利用したピンロック部材29によって押さえ付けられているが、フード側ピン22を上方に上げるアクチュエータの力がピンロック部材29による押付け力に打ち勝ち、フード側ピン22は上方に押し上げられる。フード側ピン22が上方に押し上げられるのに伴い、フード本体11の後端は、先端部のフードロック装置12を支点に上昇する。さらに中間リンク21が回転すると、フード側ピン22が上方に押し上げられると共に、フード側ピン22は長溝23aを前方にスライドし、鍵部23bに到達する。鍵部23bまで移動するとフード側ピン22の移動が規制され、中間リンク21の回転も停止し、フード本体11のはね上げも停止する。また、フード本体11の後端が上昇するに伴い、ロッド27の頂部27aは、フード側ヒンジ18と係合したまま上昇し、常にフード側ヒンジ18の後部に位置している。ここでアクチュエータは、火薬等のエネルギによりケーブルを引き込むプリテンショナ等が用いられるが、ばねを使用してもよいし、空気圧や油圧、火薬等のエネルギを使用したシリンダでもよいし、エアバック等を用いたものでもよい。
【0014】
図8は、フード本体11を開けた状態でのはね上げ機構13を示したものである。エンジンルーム内の点検等でフード本体11を開ける時は、フード本体11前端のフードロック装置12のロックをはずしフード本体11の前部を持ち上げる。この時、フード側ピン22は、ロッド27及びピンロック部材29に上下、前後方向の移動が規制され、また、フード側ヒンジ18はフード側ピン22を中心にして回転可能であるため、フード本体11はフード側ピン22を支点に回動する。これにより、フード11を開け、エンジンルーム内の点検等が可能となる。
【0015】
図9乃至図11は、本発明の自動車のはね上げフードが、対向車や壁等に衝突した場合を示すものである。図9は、フード本体11のはね上げ前の通常走行時に衝突した場合を示すものである。この図において前方から荷重が作用した場合、荷重はフード本体11の前端のフードロック装置12とフード後端左右のはね上げ機構l3に分散される。この時、フード後端左右のはね上げ機構l3では、分散された前方からの荷重はフード側ヒンジ18を介してロッド27に伝達されるが、ロッド27は車体19に前後方向の移動を規制されるため、フード本体11の後退を防止する。さらに荷重が加わると、フード本体11は、フードロック装置12とフード後端左右のロッド27を支点として、フード本体11の中央付近に設けられた折れビード30を中心にしてくの字状に折れ曲がる。このためフード本体11がフロントガラスに進入するのを防止できることになる。
【0016】
図10及び図11は、傷害物に衝突してフード本体11がはね上げられた後に、対向車や壁などに前面衝突した場合を示すものである。この場合も前方からの荷重は、フードl1の前端のフードロック装置12とフード本体11後端左右のはね上げ機構13に荷重が分散される。この時、はね上げ機構l3では、荷重がフード側ヒンジ18、フード側ピン22、中問リンク21、車体側ピン24、ケーブル側ピン25及びケーブル26を介してアクチュエータに作用する。アクチュエータは張力を維持するので、フード本体11の後方移動を規制することができる。さらに荷重が加わると、フードl1は、フードロック装置12とフード側ピン12を支点として、フードl1の中央付近に設けられた折れビード30によりくの字状に折れ曲がる。このため、フード本体11がフロントガラスに進入するのを防止できる。
【0017】
図11は、はね上げた状態で、衝突時の荷重を支えるフード側ピン22が、なんらかの理由で損傷した場合を示す。図7に示したように、フードl1がはね上がった状態でも、ロッド27はフード側ヒンジ18に係合したまま上昇している。従って、フード側ピン22が折損し、フード本体11とフード側ヒンジ18が後方に移動しても、上昇したロッド27と当たって後方移動が規制される。さらに荷重が加わると図11に示したように、フード本体11は、フードロック装置12とフード後端左右のロッド27を支点とし、且つフード本体11の中央付近の折れビード30によってくの字状に折れ曲がることから、フード本体11がフロントガラスに進入するのを防止できることになる。
【0018】
図12乃至図14は、本発明に係る自動車のはね上げフードの第2実施例を示したものである。この実施例においても、はね上げ機構13は、フード本体11の後端に結合されるフード側ヒンジ18と、車体19に結合される車体側ヒンジ20と、フード側ヒンジ18と車体側ヒンジ20との間に設けられる中間リンク21とからなる。フード側ヒンジ18と中間リンク21とはフード側ピン22を用いて回転可能に連結されると共に、フード側ヒンジ18には長溝23aが設けられ、この長溝23aに沿ってフード側ピン22はスライド可能になる。長溝23aの前端には、上方向に向かって鍵部23bが形成される。フード本体11をはね上げるとフード側ピン22がスライドし、この鍵部23bと係合してはね上がった状態が維持される。車体側ヒンジ20と中間リンク21とは中間リンク21の中央付近で車体側ピン24を用いて回転可能に連結される。中間リンク21の下端は、アクチュエ一タ(図示せず)につながるケーブル26とケーブル側ピン25を用いて回転可能に連結される。そして、フード側ヒンジ18の後部には、車体19に結合された後方移動防止部材31がフード側ヒンジ18に接触した状態で設けられる。フード本体11の後方への移動規制は、この後方移動防止部材31により行われる。また、フード側ピン22は、バネ28の力を利用したピンロック部材29の長溝23aの後端に押し付けられ、フード本体11の前方向と上下方向への移動の規制が行われている。中間リンク21のフード側端部には、フード側フック32が設けられ、はね上げ時、中間リンク21が回転するとフック32とフード側ヒンジ18に設けられた孔部33(図14参照)とが係合する。
【0019】
図14は、上記構成からなるはね上げ機構をはね上げた状態を示すものである。はね上げ時に、中間リンク21が回転すると、中間リンク21に設けられたフード側フック32は、フード側ヒンジ18に設けられた孔部33内に入り込みフード側ヒンジ18と係合する。また、この実施例において、衝突時の荷重を支えるフード側ピン22の強度は、中間リンク21、車体側ピン24、ケーブル側ピン25、ケーブル26等の他の部品に対して、相対的に弱く設定してある。
【0020】
通常走行時に対向車や壁等に衝突した場合、第1実施例と同様に、前方からの荷重はフード本体11の前端のフードロック装置12とフード後端左右のフードはね上げ機構13に荷重が分散される。この時、フード後端左右のフードはね上げ機構13では、荷重はフード側ヒンジ18を介してフード側ヒンジ18の後方に位置する後方移動防止部材31に作用するため、フード本体11の後退を防止する。さらに、荷重が加わると、第1実施例と同様に、フード本体11は、フードロック装置12と後方移動防止部材31を支点とし、フード本体11の中央付近に設けられた折れビード30によりくの字状に折れ曲がる。このためフード本体11がフロントガラスに進入するのを有効に防止できる。
【0021】
はね上げ後に前面衝突した場合について説明する。フード本体11をはね上げ後に、対向車や壁等に衝突した場合、第1実施例と同様に、フード11には、衝突による前方からの荷重が作用し、フ一ドロック装置12とはね上げ機構13に荷重が分散される。この時、図14に示したように、はね上げ機構l3に作用する荷重はフード側ヒンジ18、フード側ピン22、中問リンク21、車体側ピン24、ケーブル側25及びケーブル26を介してアクチュエータへと伝達され、フード本体11の後方移動を規制する。さらに荷重が加わると、フード本体11は、フードロック装置12とフード側ピン22を支点とし、フード本体11の中央付近に設けられた折れビード30によってくの字状に折れ曲がり、フード本体11がフロントガラスに進入するのを有効に防止する。ここで、衝突荷重伝達経路において、フード側ピン22の強度を他の部品に比べて相対的に弱く設定したため、フード側ピン22が衝突時に何らかの理由で損傷し、フード本体11とフード側ヒンジ18は後方に移動しようとするが、中間リンク21に設けられたフード側フック32と当たり、フード本体11の後方移動が規制される。これにより、フード11は、フードロック装置12とフード後端左右のフード側フック32を支点としてくの字状に折れ曲がり、フード本体11がフロントガラスに進入するのを防止する。
【0022】
図15及び図16は、本発明に係る自動車のはね上げフードの第3実施例を示すものである。この実施例においても、はね上げ機構13は、フード本体11の後端に結合されるフード側ヒンジ18と、車体19に結合される車体側ヒンジ20と、フード側ヒンジ18と車体側ヒンジ20との間に設けられる中間リンク21とからなる。フード側ヒンジ18と中間リンク21とはフード側ピン22を用いて回転可能に連結される。車体側ヒンジ20と中間リンク21とは中間リンク21の中央付近で車体側ピン24を用いて回転可能に連結されると共に、車体側ヒンジ20には長溝23aが設けられ、この長溝23aに沿って車体側ピン24がスライドする。長溝23aの後端には、下方向に向かって鍵部23bが形成される。フード本体11をはね上げると車体側ピン24がスライドして鍵部23bと係合し、はね上がった状態が維持されると共に中間リンク21は下降する。中間リンク21の下端は、アクチュエ一タにつながるケーブル26とケーブル側ピン25を用いて回転可能に連結される。そして、フード側ヒンジ18の後部には、車体19に結合された後方移動防止部材31がフード側ヒンジ18に接触して設けられる。フード本体11の後方の移動規制は、この後方移動防止部材31により行われる。また、フード側ピン22は、バネ28の力を利用したピンロック部材29により後方移動防止部材31に押し付けられ、フード本体11の前方向と上下方向への移動の規制が行われる。中間リンク21のフード側端部には、フード側フック32が設けられ、車体側端部には車体側フック34が設けられる。
【0023】
図16は、第3実施例においてはね上げフードをはね上げた時の状態を示したものである。車両が走行中、設定速以上の車速で障害物に衝突すると、図3に示したように、車速センサ15とバンパセンサ14から送られる信号をコントローラ16が制御し、アクチュエータ17を作動させる。アクチュエータ17は、ケーブル26を介し、中間リンク21の下端を引っ張り、車体側ピン24を中心にして中間リンク21を回転させると共に車体側ピン24をスライドさせる。中間リンク21が回転すると、フード側ピン22は上方に押し上げられようとする。この時、フード側ピン22は、バネ28のばね力を利用したピンロック部材29によって押さえ付けられているが、フード側ピン22を上方に上げるアクチュエータの力がピンロック部材29による押し付け力に打ち勝ち、フード側ピン22は上方に押し上げられる。フード側ピン22が上方に押し上げられるに従い、フード本体11の後端は、フード本体11の前端のフードロック装置10を支点に上昇する。中間リンク21の回転が進むにつれて、車体側ピン24は、長溝23aを後方にスライドし、はね上げの終了時には、鍵部23bに到達して鍵部23b内に落ち込む。この時、車体側フック35はストッパ35を乗り越え、車体側に結合されたストッパ35と係合する。また、回転リンク21は直立の姿勢をとり、フード側フック32は、フード側ヒンジ18の後端と係合する。また、この実施例において、衝突時の荷重を支えるフード側ピン22の強度は、中間リンク21、車体側ピン24、ケーブル側ピン25、ケーブル26等の他の部品に対して、相対的に弱く設定してある。
【0024】
通常走行時、対向車や壁等に衝突した場合、フード本体11に衝突による前方からの荷重が作用し、荷重はフード本体11の前端のフードロック装置12とフード後端左右のフードはね上げ機構13に分散される。この時、荷重はフード側ヒンジ18を介して車体19に結合された後方移動防止部材31に作用するため、フード本体11をこれ以上後退させない。さらに、荷重が加わると、フード本体11は、フードロック装置12と後方移動防止部材31を支点とし、フード本体11の中央付近に設けられた折れビード30によってくの字状に折れ曲がる。このためフード本体11がフロントガラスに進入するのを有効に防止できる。
【0025】
第3実施例において、フード本体11をはね上げ後に、対向車や壁等に衝突した場合について説明する。第1実施例と同様に、フード本体11に衝突による荷重が作用し、フードロック装置12とフードはね上げ機構13に荷重が分散される。この時、第16図に示したように、はね上げ機構l3に作用する荷重はフード側ヒンジ18、フード側ピン22、中問リンク21、車体側ピン24、車体側フック34及びストッパ35へと伝達されフード本体11の後方移動を規制する。従って、剛性の低いケーブル26を介さなくてもフード本体11の後方への移動を防止できる。さらに荷重が加わると、フード本体11は、フードロック装置12とフード側ピン22を支点とし、フード本体11の中央付近に設けられた折れビード30によってくの字状に折れ曲がり、フード本体11がフロントガラスに進入するのを防止できる。ここで、衝突荷重伝達経路において、フード側ピン22の強度を他の部品に比べて相対的に弱く設定したため、フード側ピン22が衝突時に何らかの理由で損傷した場合、フード本体11とフード側ヒンジ18は後方に移動しようとするが、中間リンク21に設けられたフード側フック32と当たり、フード本体11の後方移動が規制される。これにより上述と同様に、フード11は、フードロック装置12とフード後端左右のフード側フック34を支点とし、フード本体11がくの字状に折れ曲がる。
【0026】
【発明の効果】
以上説明してきたように、この発明によれば、フードはね上げ機構を、フード側に固定されたフード側ヒンジと、車体側に固定された車体側ヒンジと、前記フード側ヒンジあるいは前記車体側ヒンジのどちらか一方に設けられた溝部と、該溝部に沿ってスライドすると共に他方に回転支持される中間リンクと、車体側に設けられ前記フード側ヒンジあるいは前記フードに係合しフードはね上げ前のフードの後退を防止すると共に、フードはね上げ時に前記フード側ヒンジあるいは前記フードと係合したまま上昇しフードの後退を防止するロッドとから構成したため、はね上げ前からはね上げた後までのいかなる状態において、対向車や壁等に衝突しても、ロッドがフードの後方への移動を規制し、フードの後退を防止することができ、結果的にフードがフロントガラスに当接するのを防止することができる。
【0027】
また、フードはね上げ機構を、フード側に固定されたフード側ヒンジと、車体側に固定された車体側ヒンジと、前記フード側ヒンジに設けられた溝部と、該溝部に沿ってスライドすると共に前記車体側ヒンジに回転支持される中間リンクと、前記溝部に設けられ前記中間リンクのスライドを規制する鍵部と、前記中間リンクに設けられたフード側フック部と、前記フード側ヒンジの後部車体側に設けられはね上げ前のフードの後退を防止するフード後退防止ストッパとで構成し、はね上げ時に前記中間リンクが前記鍵部に係合すると共に前記フード側フック部が前記フード側ヒンジあるいは前記フードと係合し、アクチュエータが作動状態を維持するため、はね上げた状態で対向車や壁等に衝突しても、フードに加わる荷重がアクチュエータに伝達されてフードの後退を有効に防止することができる。さらに、中間リンクのフード側フックとフード側ヒンジあるいはフードが係合するため、はね上げ機構の構成部品の一部が何らかの理由で破損しても確実にフードの後退を防止することができる。
【0028】
また、フードはね上げ機構を、フード側に固定されたフード側ヒンジと、車体側に固定された車体側ヒンジと、前記車体側ヒンジに設けられた溝部と、該溝部に沿ってスライドすると共に前記フード側ヒンジに回転支持される中間リンクと、前記溝部に設けられ前記中間リンクのスライドを規制すると共に中間リンクを降下させる鍵部と、前記中間リンクのフード側に設けられたフード側フック部と、前記中間リンクの車体側に設けられた車体側フック部と、前記フード側ヒンジの後部車体側に設けられフードはね上げ前のフードの後退を防止するフード後退防止部材とで構成し、はね上げ時に前記中間リンクのスライドが鍵部で規制されると共に前記回転リンクが降下し、前記フード側フック部が前記フード側ヒンジあるいは前記フードと係合し、前記車体側フック部が車体側と係合するため、はね上げた状態で対向車や壁等に衝突しても、フードに加わる荷重を、剛性の低いケーブルを介さなくても車体側へと伝達することができ、アクチュエータの作動状態を維持しなくてもフードの後方移動を防止できる。さらに、中間リンクのフード側フックとフード側ヒンジあるいはフードが係合するため、はね上げ機構の構成部品の一部が何らかの理由で破損しても確実にフードの後退を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る自動車のはね上げフードを示す全体概略図である。
【図2】フードロック装置を示す斜視図である。
【図3】アクチュエータを作動させる制御系の構成図である。
【図4】コントローラの制御例としてのフローチャート図である。
【図5】本発明に係るはね上げフードの第1実施例を示すはね上げ機構の平面図である。
【図6】上記はね上げフードの第1実施例を示すはね上げ機構の断面図である。
【図7】上記第1実施例のはね上げフードにおいて、はね上げ機構のはね上げ状態を示す断面図である。
【図8】上記第1実施例のはね上げフードにおいて、フード本体を開けた状態を示す断面図である。
【図9】上記第1実施例のはね上げフードにおいて、はね上げ機構のはね上げ前に前面衝突した時の状態を示す断面図である。
【図10】上記第1実施例のはね上げフードにおいて、はね上げ機構のはね上げ後に前面衝突した時の状態を示す断面図である。
【図11】上記第1実施例のはね上げフードにおいて、はね上げ機構のヒンジ側ピンが損傷した場合を示す断面図である。
【図12】本発明に係るはね上げフードの第2実施例を示すはね上げ機構の平面図である。
【図13】上記はね上げフードの第2実施例を示すはね上げ機構の断面図である。
【図14】上記第2実施例のはね上げフードにおいて、はね上げ機構のはね上げ状態を示す断面図である。
【図15】本発明に係るはね上げフードの第3実施例を示すはね上げ機構の平面図である。
【図16】上記はね上げフードの第3実施例を示すはね上げ機構の断面図である。
【図17】従来における自動車のはね上げフードの全体図でる。
【図18】上記図17のA部拡大図である。
【図19】従来の自動車のはね上げフードのはね上げ機構を示す断面図である。
【符号の説明】
11 フード本体
12 フードロック装置
13 はね上げ機構
18 フード側ヒンジ
19 車体
20 車体側ヒンジ
21 中間リンク
27 ロッド
31 後方移動防止部材
32 フード側フック
34 車体側フック
【発明の属する技術分野】
本発明は、走行中の車両が歩行者等の障害物に衝突した時に、障害物がフード上面に倒れ込んでフード上面と二次衝突する際の衝撃を吸収緩和して、障害物を保護するための自動車のはね上げフードに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動車のはね上げフードとしては、例えば図17および図18に示したようなものがある(実開昭49−110432及び特開昭59−26370)。このはね上げフードは、フード本体1と、その先端部1aに設けられたフードロック装置2と、フード本体1の後端下方に配置されたフードはね上げ機構3とで構成される。フード本体1の先端部1a側は、フードロック装置2によって開閉し、またフード本体1の後端部1b側は、車両が障害物に衝突するのと同時にスプリング4を用いたはね上げ機構3によって跳ね上げられる。フード本体1の後端部1b側をはね上げることによりエンジンルーム内の構造物とフード本体1との間にクリアランスができ、障害物がフード本体1の上面に倒れ込むことで二次衝突する際の衝撃を吸収緩和することができる。
【0003】
また、上記はね上げ機構3の他の例としては、図19に示したように、車体側に固定されたピン5を支点として中間リンク8を回動可能に支持すると共に、この中間リンク8をフード側ヒンジ6に設けた長穴7にスライド可能とすることにより、フード後端部1bをはね上げるタイプのものもあった。
【0004】
【発明が解決しょうとする課題】
しかしながら、上記従来の自動車のはね上げフードにあっては、フード本体1がはね上がった状態で、対向車や壁等に強く衝突した場合、フード本体1が後方に移動するおそれがあった。
【0005】
そこで本発明は、フードがはね上がった状態で対向車や壁等に強く衝突した場合でも、フードが後方へ移動するのを防止できる自動車のはね上げフードを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
すなわち、上記課題を解決するために、請求項1に係る自動車のはね上げフードの特徴は、フードと、該フード前端部に設けられるフードロック装置と、障害物との衝突を検出する衝突検出手段と、該衝突検出手段からの信号を受けて作動するアクチュエータと、前記フード後端部両サイドに設けられると共に前記アクチュエータに連結されて前記フード後端をはね上げるフードはね上げ機構とからなる自動車のはね上げフードにおいて、前記フードはね上げ機構が、フード側に固定されたフード側ヒンジと、車体側に固定された車体側ヒンジと、前記フード側ヒンジあるいは前記車体側ヒンジのどちらか一方に設けられた溝部と、該溝部に沿ってスライドすると共に他方に回転支持される中間リンクと、車体側に設けられ前記フード側ヒンジあるいは前記フードに係合しフードはね上げ前のフードの後退を防止すると共に、フードはね上げ時に前記フード側ヒンジあるいは前記フードと係合したまま上昇しフードの後退を防止するロッドとからなることにある。
【0007】
また、請求項2に係る自動車のはね上げフードの特徴は、前記フードはね上げ機構が、フード側に固定されたフード側ヒンジと、車体側に固定された車体側ヒンジと、前記フード側ヒンジに設けられた溝部と、該溝部に沿ってスライドすると共に前記車体側ヒンジに回転支持される中間リンクと、前記溝部に設けられ前記中間リンクのスライドを規制する鍵部と、前記中間リンクに設けられたフード側フック部と、前記フード側ヒンジの後部車体側に設けられはね上げ前のフードの後退を防止するフード後退防止ストッパとからなり、はね上げ時に前記中間リンクが前記鍵部に係合すると共に前記フード側フック部が前記フード側ヒンジあるいは前記フードと係合し、アクチュエータが作動状態を維持することにある。
【0008】
また、請求項3に係る自動車のはね上げフードの特徴は、前記フードはね上げ機構が、フード側に固定されたフード側ヒンジと、車体側に固定された車体側ヒンジと、前記車体側ヒンジに設けられた溝部と、該溝部に沿ってスライドすると共に前記フード側ヒンジに回転支持される中間リンクと、前記溝部に設けられ前記中間リンクのスライドを規制すると共に中間リンクを降下させる鍵部と、前記中間リンクのフード側に設けられたフード側フック部と、前記中間リンクの車体側に設けられた車体側フック部と、前記フード側ヒンジの後部車体側に設けられフードはね上げ前のフード本体の後退を防止するフード後退防止部材とからなり、はね上げ時に前記中間リンクのスライドが鍵部で規制されると共に前記回転リンクが降下し、前記フード側フック部が前記フード側ヒンジあるいは前記フードと係合すると共に前記車体側フック部が車体側と係合することにある。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に基づいて本発明に係る自動車のはね上げフードを詳細に説明する。図1乃至図9は、本発明に係る自動車のはね上げフードの第1実施例を示したものである。図1及び図2は、エンジンルーム内の点検時にフード本体11を開けた状態を示したものである。フード本体11の前端部には、フード本体11を開閉自在にするフードロック装置12が設けられ、フード本体11の後端部にはフード本体11を回動させるフードはね上げ機構13が設けられる。そして、自動車のはね上げフードは、このフード本体11と、フードロック装置12と、障害物との衝突を検出する衝突検出手段と、この衝突検出手段からの信号を受けて作動するアクチュエータ(図示せず)と、フード本体11後端部左右に設けられアクチュエータと連結されるはね上げ機構13とで構成され、障害物との衝突検出により、アクチュエータが作動し、はね上げ機構13を介してフード本体11後端部を跳ね上げるものである。フード本体11を閉じた状態でフード本体11の11後端部をはね上げると、フードロック装置12を支点としてフード本体11が回動し、エンジンルーム内の構造物とフード本体11との間にクリアランスを生じさせる。このクリアランスによって障害物がフード本体11上面に倒れ込んでフード本体11上面と二次衝突する際の衝撃を吸収緩和することができる。
【0010】
図3は、歩行者との衝突検出により、アクチュエータを作動させる制御系の構成例を示したものである。車両の前端部にはバンパセンサ14が配設される。このバンパセンサ14は、前方から入力される衝突荷重によって、圧縮されると接点が導通する接触スイッチ等からなり、歩行者との衝突を検出する。また、車速センサ15によってスピードメ一タまたはABS用のタイヤ等からの回転速度信号から車速信号を検出する。次に、車速センサ15及びバンパセンサ14からの信号をコントローラ16で制御し、アクチュエータ17を作動させるものである。図4は、コントローラ16の制御方法を示すフローチャートである。まず、車速Vが設定車速以上かどうかを車速センサ15によって判断し(S1)、次いで車速Vが設定車速以上の場合にはパンパセンサ14が衝突を検知したか否かを判断する(S2)。そして、衝突を検知した場合には、自動車のはね上げフードのアクチュエータ17を作動させる(S3)。
【0011】
図5乃至図8は、はね上げ機構13の詳細を示すものである。このはね上げ機構l3は、フード本体11の後端に結合されるフード側ヒンジ18と、車体19に結合される車体側ヒンジ20と、フード側ヒンジ18と車体側ヒンジ20との間に設けられる中間リンク21とからなる。フード側ヒンジ18と中間リンク21とはフード側ピン22を用いて回転可能に連結されると共に、フード側ヒンジ18には長溝23aが設けられ、この長溝23aに沿ってフード側ピン22がスライド可能になっている。長溝23aの前端には、上方向に向かって鍵部23bが形成され、フード本体11をはね上げるとフード側ピン22がスライドし、この鍵部23bと係合してはね上がった状態が維持される。車体側ヒンジ20と中間リンク21とは中間リンク21の中央付近で車体側ピン24を用いて回転可能に連結される。中間リンク21の下端は、アクチュエ一タ(図示せず)に連結されるケーブル26とケーブル側ピン25を用いて回転可能に連結されている。そして、フード側ヒンジ18の後部には、車体19に対し、垂直方向にのみ摺動可能なロッド27が設けられる。ロッド27の頂部27aはフード側ヒンジ18の後端に設けた顎部18aと係合し、ロッド27の頂部27aの前端がフード側ヒンジ18と接触する。フード本体11の後方への移動は、フード側ヒンジ18とロッド27の頂部27aとの接触面で規制されている。また、フード側ピン22は、バネ28の力を利用したピンロック部材29により長溝23aの後端に押し付けられ、フード本体11の前方向と上下方向への移動の規制が行われる。
【0012】
通常走行時、フード本体11は、この左右のはね上げ機構13とフード本体11の前端のフードロック装置12で固定される。また、上述のように、はね上げ機構13によって、フード本体11の後端部は、前後方向および上下方向の移動が規制される。従って、フード本体11は、確実に車体19に拘束され、走行中にフードl1やはね上げ機構13にガタ付きが発生することはない。
【0013】
図7は、フード本体11の後端部をはね上げた状態を示すものである。車両が走行中、設定速以上の車速で障害物に衝突すると、図3で説明したように車速センサ15とバンパセンサ14から送られる信号をコントローラ16が制御し、アクチュエータ17を作動させる。アクチュエータは、ケーブル26を介し、中間リンク21の下端を引っ張り、車体側ピン24を中心にして中間リンク21を回転させる。中間リンク21が回転すると、フード側ピン22は上方に押し上げられようとする。この時、フード側ピン22は、バネ28のばね力を利用したピンロック部材29によって押さえ付けられているが、フード側ピン22を上方に上げるアクチュエータの力がピンロック部材29による押付け力に打ち勝ち、フード側ピン22は上方に押し上げられる。フード側ピン22が上方に押し上げられるのに伴い、フード本体11の後端は、先端部のフードロック装置12を支点に上昇する。さらに中間リンク21が回転すると、フード側ピン22が上方に押し上げられると共に、フード側ピン22は長溝23aを前方にスライドし、鍵部23bに到達する。鍵部23bまで移動するとフード側ピン22の移動が規制され、中間リンク21の回転も停止し、フード本体11のはね上げも停止する。また、フード本体11の後端が上昇するに伴い、ロッド27の頂部27aは、フード側ヒンジ18と係合したまま上昇し、常にフード側ヒンジ18の後部に位置している。ここでアクチュエータは、火薬等のエネルギによりケーブルを引き込むプリテンショナ等が用いられるが、ばねを使用してもよいし、空気圧や油圧、火薬等のエネルギを使用したシリンダでもよいし、エアバック等を用いたものでもよい。
【0014】
図8は、フード本体11を開けた状態でのはね上げ機構13を示したものである。エンジンルーム内の点検等でフード本体11を開ける時は、フード本体11前端のフードロック装置12のロックをはずしフード本体11の前部を持ち上げる。この時、フード側ピン22は、ロッド27及びピンロック部材29に上下、前後方向の移動が規制され、また、フード側ヒンジ18はフード側ピン22を中心にして回転可能であるため、フード本体11はフード側ピン22を支点に回動する。これにより、フード11を開け、エンジンルーム内の点検等が可能となる。
【0015】
図9乃至図11は、本発明の自動車のはね上げフードが、対向車や壁等に衝突した場合を示すものである。図9は、フード本体11のはね上げ前の通常走行時に衝突した場合を示すものである。この図において前方から荷重が作用した場合、荷重はフード本体11の前端のフードロック装置12とフード後端左右のはね上げ機構l3に分散される。この時、フード後端左右のはね上げ機構l3では、分散された前方からの荷重はフード側ヒンジ18を介してロッド27に伝達されるが、ロッド27は車体19に前後方向の移動を規制されるため、フード本体11の後退を防止する。さらに荷重が加わると、フード本体11は、フードロック装置12とフード後端左右のロッド27を支点として、フード本体11の中央付近に設けられた折れビード30を中心にしてくの字状に折れ曲がる。このためフード本体11がフロントガラスに進入するのを防止できることになる。
【0016】
図10及び図11は、傷害物に衝突してフード本体11がはね上げられた後に、対向車や壁などに前面衝突した場合を示すものである。この場合も前方からの荷重は、フードl1の前端のフードロック装置12とフード本体11後端左右のはね上げ機構13に荷重が分散される。この時、はね上げ機構l3では、荷重がフード側ヒンジ18、フード側ピン22、中問リンク21、車体側ピン24、ケーブル側ピン25及びケーブル26を介してアクチュエータに作用する。アクチュエータは張力を維持するので、フード本体11の後方移動を規制することができる。さらに荷重が加わると、フードl1は、フードロック装置12とフード側ピン12を支点として、フードl1の中央付近に設けられた折れビード30によりくの字状に折れ曲がる。このため、フード本体11がフロントガラスに進入するのを防止できる。
【0017】
図11は、はね上げた状態で、衝突時の荷重を支えるフード側ピン22が、なんらかの理由で損傷した場合を示す。図7に示したように、フードl1がはね上がった状態でも、ロッド27はフード側ヒンジ18に係合したまま上昇している。従って、フード側ピン22が折損し、フード本体11とフード側ヒンジ18が後方に移動しても、上昇したロッド27と当たって後方移動が規制される。さらに荷重が加わると図11に示したように、フード本体11は、フードロック装置12とフード後端左右のロッド27を支点とし、且つフード本体11の中央付近の折れビード30によってくの字状に折れ曲がることから、フード本体11がフロントガラスに進入するのを防止できることになる。
【0018】
図12乃至図14は、本発明に係る自動車のはね上げフードの第2実施例を示したものである。この実施例においても、はね上げ機構13は、フード本体11の後端に結合されるフード側ヒンジ18と、車体19に結合される車体側ヒンジ20と、フード側ヒンジ18と車体側ヒンジ20との間に設けられる中間リンク21とからなる。フード側ヒンジ18と中間リンク21とはフード側ピン22を用いて回転可能に連結されると共に、フード側ヒンジ18には長溝23aが設けられ、この長溝23aに沿ってフード側ピン22はスライド可能になる。長溝23aの前端には、上方向に向かって鍵部23bが形成される。フード本体11をはね上げるとフード側ピン22がスライドし、この鍵部23bと係合してはね上がった状態が維持される。車体側ヒンジ20と中間リンク21とは中間リンク21の中央付近で車体側ピン24を用いて回転可能に連結される。中間リンク21の下端は、アクチュエ一タ(図示せず)につながるケーブル26とケーブル側ピン25を用いて回転可能に連結される。そして、フード側ヒンジ18の後部には、車体19に結合された後方移動防止部材31がフード側ヒンジ18に接触した状態で設けられる。フード本体11の後方への移動規制は、この後方移動防止部材31により行われる。また、フード側ピン22は、バネ28の力を利用したピンロック部材29の長溝23aの後端に押し付けられ、フード本体11の前方向と上下方向への移動の規制が行われている。中間リンク21のフード側端部には、フード側フック32が設けられ、はね上げ時、中間リンク21が回転するとフック32とフード側ヒンジ18に設けられた孔部33(図14参照)とが係合する。
【0019】
図14は、上記構成からなるはね上げ機構をはね上げた状態を示すものである。はね上げ時に、中間リンク21が回転すると、中間リンク21に設けられたフード側フック32は、フード側ヒンジ18に設けられた孔部33内に入り込みフード側ヒンジ18と係合する。また、この実施例において、衝突時の荷重を支えるフード側ピン22の強度は、中間リンク21、車体側ピン24、ケーブル側ピン25、ケーブル26等の他の部品に対して、相対的に弱く設定してある。
【0020】
通常走行時に対向車や壁等に衝突した場合、第1実施例と同様に、前方からの荷重はフード本体11の前端のフードロック装置12とフード後端左右のフードはね上げ機構13に荷重が分散される。この時、フード後端左右のフードはね上げ機構13では、荷重はフード側ヒンジ18を介してフード側ヒンジ18の後方に位置する後方移動防止部材31に作用するため、フード本体11の後退を防止する。さらに、荷重が加わると、第1実施例と同様に、フード本体11は、フードロック装置12と後方移動防止部材31を支点とし、フード本体11の中央付近に設けられた折れビード30によりくの字状に折れ曲がる。このためフード本体11がフロントガラスに進入するのを有効に防止できる。
【0021】
はね上げ後に前面衝突した場合について説明する。フード本体11をはね上げ後に、対向車や壁等に衝突した場合、第1実施例と同様に、フード11には、衝突による前方からの荷重が作用し、フ一ドロック装置12とはね上げ機構13に荷重が分散される。この時、図14に示したように、はね上げ機構l3に作用する荷重はフード側ヒンジ18、フード側ピン22、中問リンク21、車体側ピン24、ケーブル側25及びケーブル26を介してアクチュエータへと伝達され、フード本体11の後方移動を規制する。さらに荷重が加わると、フード本体11は、フードロック装置12とフード側ピン22を支点とし、フード本体11の中央付近に設けられた折れビード30によってくの字状に折れ曲がり、フード本体11がフロントガラスに進入するのを有効に防止する。ここで、衝突荷重伝達経路において、フード側ピン22の強度を他の部品に比べて相対的に弱く設定したため、フード側ピン22が衝突時に何らかの理由で損傷し、フード本体11とフード側ヒンジ18は後方に移動しようとするが、中間リンク21に設けられたフード側フック32と当たり、フード本体11の後方移動が規制される。これにより、フード11は、フードロック装置12とフード後端左右のフード側フック32を支点としてくの字状に折れ曲がり、フード本体11がフロントガラスに進入するのを防止する。
【0022】
図15及び図16は、本発明に係る自動車のはね上げフードの第3実施例を示すものである。この実施例においても、はね上げ機構13は、フード本体11の後端に結合されるフード側ヒンジ18と、車体19に結合される車体側ヒンジ20と、フード側ヒンジ18と車体側ヒンジ20との間に設けられる中間リンク21とからなる。フード側ヒンジ18と中間リンク21とはフード側ピン22を用いて回転可能に連結される。車体側ヒンジ20と中間リンク21とは中間リンク21の中央付近で車体側ピン24を用いて回転可能に連結されると共に、車体側ヒンジ20には長溝23aが設けられ、この長溝23aに沿って車体側ピン24がスライドする。長溝23aの後端には、下方向に向かって鍵部23bが形成される。フード本体11をはね上げると車体側ピン24がスライドして鍵部23bと係合し、はね上がった状態が維持されると共に中間リンク21は下降する。中間リンク21の下端は、アクチュエ一タにつながるケーブル26とケーブル側ピン25を用いて回転可能に連結される。そして、フード側ヒンジ18の後部には、車体19に結合された後方移動防止部材31がフード側ヒンジ18に接触して設けられる。フード本体11の後方の移動規制は、この後方移動防止部材31により行われる。また、フード側ピン22は、バネ28の力を利用したピンロック部材29により後方移動防止部材31に押し付けられ、フード本体11の前方向と上下方向への移動の規制が行われる。中間リンク21のフード側端部には、フード側フック32が設けられ、車体側端部には車体側フック34が設けられる。
【0023】
図16は、第3実施例においてはね上げフードをはね上げた時の状態を示したものである。車両が走行中、設定速以上の車速で障害物に衝突すると、図3に示したように、車速センサ15とバンパセンサ14から送られる信号をコントローラ16が制御し、アクチュエータ17を作動させる。アクチュエータ17は、ケーブル26を介し、中間リンク21の下端を引っ張り、車体側ピン24を中心にして中間リンク21を回転させると共に車体側ピン24をスライドさせる。中間リンク21が回転すると、フード側ピン22は上方に押し上げられようとする。この時、フード側ピン22は、バネ28のばね力を利用したピンロック部材29によって押さえ付けられているが、フード側ピン22を上方に上げるアクチュエータの力がピンロック部材29による押し付け力に打ち勝ち、フード側ピン22は上方に押し上げられる。フード側ピン22が上方に押し上げられるに従い、フード本体11の後端は、フード本体11の前端のフードロック装置10を支点に上昇する。中間リンク21の回転が進むにつれて、車体側ピン24は、長溝23aを後方にスライドし、はね上げの終了時には、鍵部23bに到達して鍵部23b内に落ち込む。この時、車体側フック35はストッパ35を乗り越え、車体側に結合されたストッパ35と係合する。また、回転リンク21は直立の姿勢をとり、フード側フック32は、フード側ヒンジ18の後端と係合する。また、この実施例において、衝突時の荷重を支えるフード側ピン22の強度は、中間リンク21、車体側ピン24、ケーブル側ピン25、ケーブル26等の他の部品に対して、相対的に弱く設定してある。
【0024】
通常走行時、対向車や壁等に衝突した場合、フード本体11に衝突による前方からの荷重が作用し、荷重はフード本体11の前端のフードロック装置12とフード後端左右のフードはね上げ機構13に分散される。この時、荷重はフード側ヒンジ18を介して車体19に結合された後方移動防止部材31に作用するため、フード本体11をこれ以上後退させない。さらに、荷重が加わると、フード本体11は、フードロック装置12と後方移動防止部材31を支点とし、フード本体11の中央付近に設けられた折れビード30によってくの字状に折れ曲がる。このためフード本体11がフロントガラスに進入するのを有効に防止できる。
【0025】
第3実施例において、フード本体11をはね上げ後に、対向車や壁等に衝突した場合について説明する。第1実施例と同様に、フード本体11に衝突による荷重が作用し、フードロック装置12とフードはね上げ機構13に荷重が分散される。この時、第16図に示したように、はね上げ機構l3に作用する荷重はフード側ヒンジ18、フード側ピン22、中問リンク21、車体側ピン24、車体側フック34及びストッパ35へと伝達されフード本体11の後方移動を規制する。従って、剛性の低いケーブル26を介さなくてもフード本体11の後方への移動を防止できる。さらに荷重が加わると、フード本体11は、フードロック装置12とフード側ピン22を支点とし、フード本体11の中央付近に設けられた折れビード30によってくの字状に折れ曲がり、フード本体11がフロントガラスに進入するのを防止できる。ここで、衝突荷重伝達経路において、フード側ピン22の強度を他の部品に比べて相対的に弱く設定したため、フード側ピン22が衝突時に何らかの理由で損傷した場合、フード本体11とフード側ヒンジ18は後方に移動しようとするが、中間リンク21に設けられたフード側フック32と当たり、フード本体11の後方移動が規制される。これにより上述と同様に、フード11は、フードロック装置12とフード後端左右のフード側フック34を支点とし、フード本体11がくの字状に折れ曲がる。
【0026】
【発明の効果】
以上説明してきたように、この発明によれば、フードはね上げ機構を、フード側に固定されたフード側ヒンジと、車体側に固定された車体側ヒンジと、前記フード側ヒンジあるいは前記車体側ヒンジのどちらか一方に設けられた溝部と、該溝部に沿ってスライドすると共に他方に回転支持される中間リンクと、車体側に設けられ前記フード側ヒンジあるいは前記フードに係合しフードはね上げ前のフードの後退を防止すると共に、フードはね上げ時に前記フード側ヒンジあるいは前記フードと係合したまま上昇しフードの後退を防止するロッドとから構成したため、はね上げ前からはね上げた後までのいかなる状態において、対向車や壁等に衝突しても、ロッドがフードの後方への移動を規制し、フードの後退を防止することができ、結果的にフードがフロントガラスに当接するのを防止することができる。
【0027】
また、フードはね上げ機構を、フード側に固定されたフード側ヒンジと、車体側に固定された車体側ヒンジと、前記フード側ヒンジに設けられた溝部と、該溝部に沿ってスライドすると共に前記車体側ヒンジに回転支持される中間リンクと、前記溝部に設けられ前記中間リンクのスライドを規制する鍵部と、前記中間リンクに設けられたフード側フック部と、前記フード側ヒンジの後部車体側に設けられはね上げ前のフードの後退を防止するフード後退防止ストッパとで構成し、はね上げ時に前記中間リンクが前記鍵部に係合すると共に前記フード側フック部が前記フード側ヒンジあるいは前記フードと係合し、アクチュエータが作動状態を維持するため、はね上げた状態で対向車や壁等に衝突しても、フードに加わる荷重がアクチュエータに伝達されてフードの後退を有効に防止することができる。さらに、中間リンクのフード側フックとフード側ヒンジあるいはフードが係合するため、はね上げ機構の構成部品の一部が何らかの理由で破損しても確実にフードの後退を防止することができる。
【0028】
また、フードはね上げ機構を、フード側に固定されたフード側ヒンジと、車体側に固定された車体側ヒンジと、前記車体側ヒンジに設けられた溝部と、該溝部に沿ってスライドすると共に前記フード側ヒンジに回転支持される中間リンクと、前記溝部に設けられ前記中間リンクのスライドを規制すると共に中間リンクを降下させる鍵部と、前記中間リンクのフード側に設けられたフード側フック部と、前記中間リンクの車体側に設けられた車体側フック部と、前記フード側ヒンジの後部車体側に設けられフードはね上げ前のフードの後退を防止するフード後退防止部材とで構成し、はね上げ時に前記中間リンクのスライドが鍵部で規制されると共に前記回転リンクが降下し、前記フード側フック部が前記フード側ヒンジあるいは前記フードと係合し、前記車体側フック部が車体側と係合するため、はね上げた状態で対向車や壁等に衝突しても、フードに加わる荷重を、剛性の低いケーブルを介さなくても車体側へと伝達することができ、アクチュエータの作動状態を維持しなくてもフードの後方移動を防止できる。さらに、中間リンクのフード側フックとフード側ヒンジあるいはフードが係合するため、はね上げ機構の構成部品の一部が何らかの理由で破損しても確実にフードの後退を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る自動車のはね上げフードを示す全体概略図である。
【図2】フードロック装置を示す斜視図である。
【図3】アクチュエータを作動させる制御系の構成図である。
【図4】コントローラの制御例としてのフローチャート図である。
【図5】本発明に係るはね上げフードの第1実施例を示すはね上げ機構の平面図である。
【図6】上記はね上げフードの第1実施例を示すはね上げ機構の断面図である。
【図7】上記第1実施例のはね上げフードにおいて、はね上げ機構のはね上げ状態を示す断面図である。
【図8】上記第1実施例のはね上げフードにおいて、フード本体を開けた状態を示す断面図である。
【図9】上記第1実施例のはね上げフードにおいて、はね上げ機構のはね上げ前に前面衝突した時の状態を示す断面図である。
【図10】上記第1実施例のはね上げフードにおいて、はね上げ機構のはね上げ後に前面衝突した時の状態を示す断面図である。
【図11】上記第1実施例のはね上げフードにおいて、はね上げ機構のヒンジ側ピンが損傷した場合を示す断面図である。
【図12】本発明に係るはね上げフードの第2実施例を示すはね上げ機構の平面図である。
【図13】上記はね上げフードの第2実施例を示すはね上げ機構の断面図である。
【図14】上記第2実施例のはね上げフードにおいて、はね上げ機構のはね上げ状態を示す断面図である。
【図15】本発明に係るはね上げフードの第3実施例を示すはね上げ機構の平面図である。
【図16】上記はね上げフードの第3実施例を示すはね上げ機構の断面図である。
【図17】従来における自動車のはね上げフードの全体図でる。
【図18】上記図17のA部拡大図である。
【図19】従来の自動車のはね上げフードのはね上げ機構を示す断面図である。
【符号の説明】
11 フード本体
12 フードロック装置
13 はね上げ機構
18 フード側ヒンジ
19 車体
20 車体側ヒンジ
21 中間リンク
27 ロッド
31 後方移動防止部材
32 フード側フック
34 車体側フック
Claims (3)
- フード本体と、該フード本体の前端部に設けられるフードロック装置と、障害物との衝突を検出する衝突検出手段と、該衝突検出手段からの衝突信号を受けて作動するアクチュエータと、前記フード本体の後端両サイドに設けられると共に前記アクチュエータに連結されてフード本体の後端をはね上げるフードはね上げ機構とからなる自動車のはね上げフードにおいて、
前記フードはね上げ機構が、フード側に固定されたフード側ヒンジと、車体側に固定された車体側ヒンジと、前記フード側ヒンジあるいは前記車体側ヒンジのいずれか一方に設けられた溝部と、該溝部に沿ってスライドすると共に他方に回転支持される中間リンクと、車体側に設けられ前記フード側ヒンジあるいは前記フード本体と係合しフードはね上げ前のフード本体の後退を防止すると共に、フードはね上げ時に前記フード側ヒンジあるいは前記フード本体と係合したまま上昇しフード本体の後退を防止するロッドとからなることを特徴とする自動車のはね上げフード。 - フード本体と、該フード本体の前端部に設けられるフードロック装置と、障害物との衝突を検出する衝突検出手段と、該衝突検出手段からの衝突信号を受けて作動するアクチュエータと、前記フード本体の後端両サイドに設けられると共に前記アクチュエータに連結されてフード本体の後端をはね上げるフードはね上げ機構とからなる自動車のはね上げフードにおいて、
前記フードはね上げ機構が、フード側に固定されたフード側ヒンジと、車体側に固定された車体側ヒンジと、前記フード側ヒンジに設けられた溝部と、該溝部に沿ってスライドすると共に前記車体側ヒンジに回転支持される中間リンクと、前記溝部に設けられ前記中間リンクのスライドを規制する鍵部と、前記中間リンクに設けられたフード側フック部と、前記フード側ヒンジの後部車体側に設けられはね上げ前のフード本体の後退を防止するフード後退防止ストッパとからなり、はね上げ時に前記中間リンクが前記鍵部に係合すると共に前記フード側フック部が前記フード側ヒンジあるいは前記フード本体と係合し、アクチュエータが作動状態を維持することを特徴とする自動車のはね上げフード。 - フード本体と、該フード本体の前端部に設けられるフードロック装置と、障害物との衝突を検出する衝突検出手段と、該衝突検出手段からの衝突信号を受けて作動するアクチュエータと、前記フード本体の後端両サイドに設けられると共に前記アクチュエータに連結されてフード本体の後端をはね上げるフードはね上げ機構とからなる自動車のはね上げフードにおいて、
前記フードはね上げ機構が、フード側に固定されたフード側ヒンジと、車体側に固定された車体側ヒンジと、前記車体側ヒンジに設けられた溝部と、該溝部に沿ってスライドすると共に前記フード側ヒンジに回転支持される中間リンクと、前記溝部に設けられ前記中間リンクのスライドを規制すると共に中間リンクを降下させる鍵部と、前記中間リンクのフード側に設けられたフード側フック部と、前記中間リンクの車体側に設けられた車体側フック部と、前記フード側ヒンジの後部車体側に設けられフードはね上げ前のフード本体の後退を防止するフード後退防止部材とからなり、はね上げ時に前記中間リンクのスライドが鍵部で規制されると共に前記回転リンクが降下し、前記フード側フック部が前記フード側ヒンジあるいは前記フード本体と係合すると共に前記車体側フック部が車体側と係合することを特徴とする自動車のはね上げフード。
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