JP2001028454A - 半導体受光素子 - Google Patents

半導体受光素子

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JP2001028454A
JP2001028454A JP11201519A JP20151999A JP2001028454A JP 2001028454 A JP2001028454 A JP 2001028454A JP 11201519 A JP11201519 A JP 11201519A JP 20151999 A JP20151999 A JP 20151999A JP 2001028454 A JP2001028454 A JP 2001028454A
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美樹 工原
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直之 山林
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康博 猪口
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 送信光λを発するLDと受信光λを受信
するPDを同一のモジュール内に収容し、共通の光ファ
イバによって光信号を送受信するようにしたモジュール
であってλがλより短波長である(λ<λ)と
き、LDからの送信光がPDに入射して光学的クロスト
ークをおこすのを防ぐようにした受光素子を与えるこ
と。 【構成】 受光素子の基板と受光層の間に、送信光λ
を吸収する吸収層を設け、下方からのλ、斜め下方か
らのλが受光層にいたるのを防ぐ。基板の下に吸収層
を設ける場合よりも受光層に近いから斜め下方からのλ
をも除去できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は異なる波長の光λ
、λを用いて1本の光ファイバによって送受信を行
うようにした光送受信モジュールにおいて送信光の影響
を良好に遮断できる受光素子の構造に関する。1本の光
ファイバを送受信に共用する場合送信光を出すLDと受
信光を受けるPDが同一の容器や同一の基板上に設けら
れる。PDは高感度の素子である。LDは遠くまで信号
を運ぶため強烈なパワーを持っている。波長は異なるが
受光素子には送信光に対する感度があるから送信光を感
受してしまう。
【0002】PDが送信光を感受することを光学的クロ
ストークという。送信光を感受すると受信光の検知を難
しくする。だからクロストークはできるだけ小さく抑制
する必要がある。送信器と受信器の間には電気回路間の
電磁結合により電気的クロストークとこの光学的クロス
トークの2種類の相互作用がある。いずれも克服すべき
難しい問題である。ここでは光学的クロストークだけを
問題にする。
【0003】送信受信を1本の光ファイバで行う送受信
器は、送信光と受信光の分離の方法によって様々の態様
のものが考案されている。最も一般的なものは波長分波
器を使って送信光経路と受信光経路を分岐させるもので
ある。そのような空間的分離をするものは光学的クロス
トークの問題が比較的軽微である。より特殊な送受信モ
ジュールとして、PDとLDを1直線上に並べ送受信経
路を殆ど同一にするものがある。そのような送信受信経
路が同一のものは光学的クロストークの問題はより深刻
になる。
【0004】
【従来の技術】送受信モジュールの典型的な例を図1
(波長多重双方向通信)に示す。局側ではLDによっ
て信号を加入者に向けて送る。PDによって加入者側
からの信号を受ける。波長分波器2が上り下りの信号を
波長の違いによって2本の異なる光ファイバ1、7に分
離している。下り信号の波長をλ、上り信号の波長を
λ とする。いずれも1本の光ファイバ3によって上下
方向に送られる。加入者側では波長分波器4によって送
信光と受信光を異なる光ファイバ5、6に分離する。受
信光λはPDによって受信する。送信光λはLD
によって発生させる。PD、LDより先には電気
回路があるが、ここでは図示を略す。この説明で送信受
信というのは加入者側からみてのことである。上り光が
送信光、下り光が受信光である。波長分波器4によって
分岐させるからPDとLDとは空間的に離隔してい
る。
【0005】図2は2つの波長の光λ、λを送信す
る場合を示す(波長多重一方向通信)。局側では合波器
8で異なる波長の送信光を合一させる。加入者側では波
長分波器4によって波長分離する。受信側では異なるP
、PDによってλ、λの光を分離して受信す
る。この場合もPD、PDの間での光学的クロスト
ークが問題である。
【0006】図3は図1、図2など光路分離された光通
信系において受信器として用いることができる従来例に
かかるPDモジュールを示す。リードピン9を有する円
形金属製ステム10の中心にサブマウント11を介して
PDチップ12が取り付けられる。ステム10の上には
レンズ13を有する円筒形キャップ14が調芯して溶接
される。さらにその上には円筒形スリーブ15が設けら
れる。スリーブ15の軸穴にはフェルール16が挿入さ
れる。フェルール16は光ファイバ17の先端を保持す
る。フェルール16の先端は斜めに研磨してある。光フ
ァイバ17を保護するためベンドリミッタ18がスリー
ブにかぶせてある。図1、2の送受信モジュールはその
ほかに送信器を含む。それは図3のPDをLDに置き換
えたものであるので説明しない。
【0007】本発明は、図1、図2のような波長分波器
を含む系でも適用でき、図1、図2は図3のような受信
器を含むので説明している。その受信器は金属ケースを
用いており光ファイバ配置は立体的である。高性能であ
るが調芯が不可欠で製造コストが高く高価であって普及
実用という点では難がある。
【0008】より安価な受光素子モジュールとして表面
実装型のものが研究されている。図4は裏面入射型のP
Dを使った表面実装型モジュールの従来例を示す。本発
明はそのような受光素子にも適用できるので予め説明す
る。長方形のSiベンチ19の中央部に縦方向のV溝2
0がエッチングによって形成してある。V溝20の終端
には傾斜したミラー面21がある。これもエッチングに
よって同時に作製される。V溝20の終端部のすぐ上に
PDチップ23が固定してある。これは裏面入射型で上
面に受光部24がある。光ファイバ22からでた光はS
iベンチ面に平行にV溝内を伝搬しミラー面21で上向
きに反射され底面からPD23に入り受光部24に到達
する。表面実装型のモジュールは調芯箇所がないので製
造容易である。
【0009】図3、図4の受光素子モジュールはともに
図1、図2の波長分波器によって分離された受信光を検
知するために用いることができる。波長分波器は例えば
Si基板上に波長選択性のある分岐導波路を作ることに
よって製造できる。しかし波長分波器にも色々有って図
5のようなプリズム型波長分波器を用いることができ
る。図5において透明の三角柱ガラスブロック25、2
6は斜辺面に誘電体多層膜27が積層してあり、それが
波長選択性を持つ。光ファイバ28から出た異なる波長
の光を一方は反射し、一方は透過するというような選択
性である。しかし、ここでは送信光と受信光を合成する
ための選択性を持つようにしている。光の相反性がある
から同じ選択性を異なる用途に利用しているだけであ
る。光ファイバ28から出た受信光λは多層膜27で
反射されPD30に導かれる。LD29から出た送信光
λは多層膜27を透過してファイバ28に入る。本発
明はそのような送受信モジュールにも利用できるから準
備的に説明した。
【0010】しかしながら、なんといっても本発明が最
も好適に適用できるのは波長分波器によって経路分離し
ないような送受信モジュールである。これまで述べたも
のと区別するために、ここでは経路非分離型と仮に呼ぼ
う。それは本発明者が初めて提唱したものであって未だ
特殊なモジュールということができる。図6は経路非分
離型のものを示す。本発明の用途として図6のものが本
命である。
【0011】ハウジング31の内部にSiベンチがある
が、ここでは図示を略している。光ファイバ32が縦方
向に設けられる。光ファイバの先端に対向するようLD
33が取り付けられる。光ファイバ32の途中にWDM
フィルタ35があって波長分離するようになっている。
WDM35の直上にPD34がある。LD33の出すλ
の送信光は例えば1mWの強いものである。これが光
ファイバ32を通って外部へ出て行く。外部から光ファ
イバを伝わってきた受信光λはWDM35で反射され
PD34の裏面に入り受光部36で検知される。送信光
λは強い光であり、受信光λは弱い光である。光フ
ァイバ32の中でWDMまでの経路が同一である。方向
は反対であってWDMによって分離されるというもの
の、送信光の一部がPDに入ることがある。これが光学
的クロストークを引き起こす。僅かな割合であっても、
もとの送信光パワーは大きく受信光は微弱であるから受
信光にとって無視できない大きいノイズとなる。
【0012】図7のような従来例にかかるPDを用いた
ときは単にノイズというようなものではない。送信光ノ
イズが受信光自身を上回りS/N比が1をはるかに越え
てしまう場合も起こりうる。図7のInP系の受光素子
の製造は、n−InP基板37の上に、n−InPバッ
ファ層38、n−InGaAs受光層39、n−InP
窓層40を積層したエピタキシャルウエハから出発す
る。Zn拡散によってp型領域41を作製し、その上に
環状のp電極42を形成する。p電極42の内側に反射
防止膜43を、外側にパシベーション膜44を乗せる。
裏面にはn電極45を形成する。入射光は上面から入射
する。
【0013】図8は図7の受光素子の感度特性を示す。
短波長側で感度が低下するPの部分はInP窓層のバン
ドギャップに対応する。それ以下の波長の光はInP窓
層によって吸収されるから感受されない。長波長側で感
度が低下するRの部分はInGaAs受光層のバンドギ
ャップにあたる。それ以下の低エネルギー(ここではフ
ォトンのエネルギー(hν)をさす。)の光は受光層バ
ンドギャップ以下だから感受できない。この受光素子
は、InP窓層のバンドギャップPからInGaAs受
光層のバンドギャップRまで広い範囲Qに感度を有す
る。1.3μm帯にも1.55μm帯にも充分な感度を
持っている。
【0014】だから光通信に使われる長波長光に対して
は図7の受光素子が最も一般的に用いられる。図7の従
来構造のPDでは、図8のように1μm〜1.65μm
まで感度がある。このような広い範囲で感度があるとい
うことは同じ受光素子を1.3μmにも1.55μmに
も利用できるという点では長所である。しかし反面、送
受信モジュールに用いると送信光を感じ光学的クロスト
ークを引き起こすという欠点がある。
【0015】もしも送信光が受信光よりもエネルギーが
低い場合は、PDの受光層を工夫することによってクロ
ストークを減らすこともできる。PDは受光層のバンド
ギャップよりエネルギーの高い光を吸収し光電流に変え
るが、バンドギャップより低いエネルギーの光は透過す
るから感受できない。送信光エネルギーと受信光エネル
ギーの中間のエネルギーのバンドギャップを持つような
受光層を選べば受信光だけを選択的に感受するPDがで
きよう。
【0016】しかし反対に、送信光λが受信光λ
りエネルギーが高い(λ<λ)場合はそのような手
段を使う事ができない。受光層のバンドギャップを工夫
するということではクロストークを押さえることができ
ない。本発明はそのような場合を対象にする。つまり送
信光波長は、受信光波長より短いのである。例えばλ
=1.3μm送信、λ=1.55μm受信というよう
な場合である。図1、図2のようなY分岐を有する波長
分波器を用いる時でもWDMの性能は不十分であるとク
ロストークは大きくなるし、図6のように経路非分離型
の場合クロストークはいっそう著しい。
【0017】図6の送受信モジュールにおいて、どのよ
うなわけで光学的クロストークが起こるのかを述べよ
う。図6の素子は実際にはSiプラットフォーム(Si
ベンチ)上に配置されたLDからの強い送信光(λ
が全部光ファイバに入るのではなくSiプラットフォー
ム、樹脂をも照らす。LD出射光はかなりの角度をもっ
て広がるからである。送信光λに対してSiベンチは
透明である。これがそもそもの問題の発端である。LD
などは透明の樹脂で覆う。Siベンチや透明樹脂の空間
に入った送信光λはSiを透過し反射され散乱され
る。樹脂の分布、Siプラットフォームの形状、素子配
置によって様々の散乱光が生じる。λの反射散乱光の
軌跡は複雑である。PDからみるとSiプラットフォー
ムの全体がλ で明るく輝いているかのようである。
【0018】可視光でないから人間の視覚には感じない
がPDには見える。様々の方角から様々の高さからλ
がPDに入射する。裏面からも上面からも側面からもP
Dに入る。だから光ファイバを通らない送信光がPDに
入りクロストークを引き起こす。そのようなWDMを経
由しないλ散乱光によるクロストークは、WDMの性
能をいくら引上げても抑止できない。
【0019】しかしそのようなことはわからなかったの
で、かつては送信光がPDに入るのはWDMフィルタの
不完全によるものと思われた。だとすればWDMからP
Dに至る経路で送信光波長だけを除去する工夫をすれば
良いのだと考えられた。
【0020】そこで本発明者は送信光λだけを吸収し
受信光λを通すような波長選択性のある吸収層をPD
チップ内に設けるという頗る巧妙な構造のPDを発明し
た。 特開平11−83619号(出願人:住友電気工業株
式会社、発明者:工原美樹、中西裕美、寺内均、199
7年9月3日出願)である。図9にそのような吸収層を
有するPDの基本構造を示す。n型InP基板46の上
にn型InGaAs受光層47を設ける。n型InGa
As受光層47の中央部にはZn拡散によりp型領域4
8を形成する。pn接合に接してi層49(空乏層)が
できる。p型領域48の上にはp電極50を設ける。p
電極の外側にはpn接合を覆うようにパシベーション膜
51(例えばSiN)を設ける。n型InP基板46の
裏面にはn型InGaAsP吸収層52を設ける。その
さらに下にはリング状のn電極53を形成する。中央部
が入射窓になり反射防止膜54によって被覆される。
【0021】図10はより具体的なPDの構造を示す。
実際には結晶性を改善するために、n型InP基板46
とInGaAs受光層47の間にn型InPバッファ層
56を設ける。さらにInGaAs受光層47の上にI
nP窓層55を設ける。窓層55からZn拡散によって
p領域48を作製しp電極50を形成する。すでに述べ
たようにInP基板46やInPバッファ層56がある
ので、もしInGaAsP吸収層52がないと図8のよ
うな感度曲線においてPの感度下限が生じる。
【0022】これは裏面入射型で図6のようなモジュー
ルに使われる。InGaAsP吸収層52がこのPDの
新規な点である。四元化合物であるからバンドギャップ
と格子定数は自在に選ぶことができる。およそ半導体、
絶縁体はバンドギャップより大きいエネルギーの光を吸
収できバンドギャップより小さいエネルギーの光は吸収
できない。そこで吸収層52のバンドギャップを送信光
λエネルギーと受信光λエネルギーの中間に選ぶと
λのみを選択的に吸収するものができる筈である。
【0023】たとえば送信光を1.3μm、受信光を
1.55μmとすると、吸収層バンドギャップ波長は
1.4μm程度にする。この吸収層は1×1018cm
−3のキャリヤ濃度(電子濃度)とし、厚みは例えば5
μmとする。かなり厚い吸収層である。また電子濃度も
かなり高くする。吸収層が厚いのは1.3μm光を充分
に吸収するためである。この吸収層の1.3μm光に対
する減衰定数αはα=10 cm−1である。膜厚が5
μmだと減衰はexp(−αd)=0.007となり透
過率が0.7%と充分に小さくなる。電子濃度が高いの
は一つはPDの順方向抵抗が高く成りすぎないためであ
る。もう一つは1.3μm光を吸収層が吸収して電子正
孔対を作るが正孔が再結合しやすいという意味もある。
n型だから電子の方は初めからたくさんあって問題な
い。吸収層は送信光を吸収し受信光だけを選択的に通す
から送信受信光間の光学的クロストークを防ぐ上に極め
て有効である。
【0024】図11はInGaAsP吸収層52の透過
率の波長依存性を示す。InGaAsPの混晶比をバン
ドギャップ波長がλ=1.42μmになるように選ん
である。だから1.42μmより短い波長は吸収し、
1.42μmより長い波長は透過する。PDの感度は
1.55μm光に対し1A/W、1.3μm光に対し
0.01A/W以下であったと述べている。消光比は1
/100以下である(20dB)。
【0025】裏面入射型PDであるから、裏面からλ
とλが入射すると吸収層52はλ をそのまま通し、
λを吸収する。つまり送信光はここで吸収されてしま
い受光層まで行かない。だからLD送信光はPDに入ら
ず光学的クロストークは起こらない。これは図6の光学
系で有効であるし、図1、図2の場合でもWDMフィル
タでは分離しきれなかった1.3μm光を吸収層で落と
すことができる。
【0026】極めて巧妙で優れた発明である。n型In
P基板46の上側にn型InGaAs受光層47、下側
にn型InGaAsP吸収層52を有する。両方ともエ
ピタキシャル成長によって形成するが、両面エピタキシ
ャルなので製造方法はやや複雑である。吸収層と受光層
が基板の反対側にあるから、吸収によって発生した電子
正孔対が受光層に何等の影響を及ぼすことなく消滅する
という利点がある。だから厚みを考えるときは、1.3
μm光の光電変換exp(−αd)だけと考えれば良
い。これが充分に小さければ良いのである。邪魔な1.
3μm光を除去できるから送受信光間のクロストークを
完全に除くことができると考えられた。
【0027】
【発明が解決しようとする課題】ところが必ずしもそう
でないことが分かってきた。の発明は裏面からまっす
ぐに入射する1.3μm漏れ光にはたいへん効果があ
る。必ず吸収層を通るからである。しかし送受信モジュ
ールにおいてLDからの光はそのような単純なものでな
く複雑な散乱、乱反射をするものである。LDは共振器
長が短いからそもそも出射角が広い。レンズを使わない
から出射光が上下左右に広がる。LD光のかなりのパワ
ーは光ファイバに入らない。図6のようにSiベンチを
使ってファイバ延長上にPD、LDを乗せる非分離型の
ものはLDからの光がSiベンチ全体を明るく照らす。
これは思いがけないことであった。λに対しSiベン
チは透明であるから、Siベンチや透明樹脂からのλ
の散乱光が生ずる。つまりWDMの不完全のためという
よりLDから出た光が光ファイバに入らないための散乱
光が多いのである。これに対してはWDMの性能を向上
しても無意味である。
【0028】LDから出てファイバに入って送信光にな
らないλ光を迷光とよぶ。迷光は図6のハウジング内
に充満していると言って良い。裏面入射型だから裏面か
らλ が来るとは限らない。InP基板は200μmも
の厚みがある。だから基板側面から入る迷光がある。上
面から入る迷光もある。基板より下にInGaAsP吸
収層52があっても、PD上面やPD側面から入った迷
光(λ)を吸収することはできない。側面から入った
λの迷光は図9の空乏層49やp領域48に到達し光
電流を発生する。つまり底面の吸収層52は側面や上面
からの迷光に対してはまったく無力と言う他はない。し
かもPDに入る迷光は下方からよりも上方から側方から
という方がむしろ多いということがわかってきた。
【0029】上方からの迷光に対してはp電極を広く
し、p電極以外の部分は不透明の材料で覆うというよう
なことも可能である。しかしPDはウエハプロセスによ
って製造するからウエハを多数のチップに切断しPDチ
ップにしたあと側面になんらかの加工をするというよう
なことは難しい。チップ側面の厚みは200μmもある
が、これは露呈したままになる。側面に被覆をして側面
から迷光が入るのを防ぐというようなことは難しい。
【0030】WDMフィルタやWDMカプラでの波長分
離比は15dBから20dBである。一方受信器全体と
しては、少なくとも30dB、望ましくは40dBの波
長分離比が必要とされる。例えばLDが1mW(=0d
Bm)で光ファイバから出る受信光の最小受信限界が−
30dBmだとし、PDに入射する送信光の受信光に対
するパワー比が−10dBでなければならないとする
と、全体として波長分離は40dB必要である。送信光
受信光の比が−15dB(約1/30)で最小受信感度
が−35dBmとすると50dBもの波長分離比が要求
される。
【0031】波長の長い受信光λと波長の短い送信光
λを送受信する装置において送信光の迷光が入らない
ようにしたPDの構造を提供することが本発明の目的で
ある。
【0032】
【課題を解決するための手段】本発明では、基板より上
で受光層のすぐ下に、送信光λを選択的に吸収するI
nGaAsP系の吸収層を設ける。と違って基板の上
に吸収層を設けるのである。吸収層が基板の下()と
いうのと、基板の上(本発明)というだけの違いだけで
ある。基板の直上受光層直下に吸収層を設けるのであ
る。すると直下からだけでなく、側面や斜め下からのλ
(1.3μm光)もこの吸収層で全て吸収される。吸
収され受光層に達しないからクロストークが著しく減少
する。四元混晶のInGaAsPのバンドギャップ波長
λがλとλの中間の値(λ<λ<λ)にな
るよう混晶比を決める。厚みdは5μm程度が好適であ
り、3μm〜10μmである。薄いと1.3μm光を完
全に吸収できない。厚いとエピタキシャル成長時間がか
かり材料コストも増加する。厚みについては後に詳しく
述べる。キャリヤ(電子)濃度はかなり高いことが必要
である。1018cm −3程度が望ましい。キャリヤ濃
度が低いとPDの順方向抵抗が大きくなり良くないし
1.3μm光でできた正孔を再結合させる時間が掛か
る。と違い再結合による正孔の消滅が重要である。こ
れについても後に説明する。
【0033】この構造はチップ周辺が外界に曝されてい
るあらゆるPDに有効である。裏面入射型、上面入射
型、側面入射型、導波路型などどのようなPDにも適用
することができる。
【0034】さらに中央のp領域を囲むように周辺部p
領域(拡散遮蔽層とよぶ)を設けると、真横からの光に
よるキャリヤはここで消滅する。
【0035】InGaAs受光層の上にInP窓層を形
成するとさらによい。InP窓層を設けておくと、pn
接合の表面部分をパシベーション膜で安定化させ、暗電
流を下げると共に長期信頼性の確保にも有効である。
【0036】吸収層と受光層の間に結晶性を改善するた
めに低ドープInPバッファ層を設けるのも有効であ
る。不純物濃度が高いと格子構造が乱れ結晶性が悪くな
ることがある。吸収層はドーパント濃度が高いからバッ
ファ層で結晶性を回復するのである。
【0037】吸収層の厚みdについて説明する。これま
で何度か述べているが、ここでより詳しく述べよう。吸
収係数をα、厚みをd、透過率をTとする。表面裏面で
の反射がないとすると、
【0038】T=exp(−αd) (1)
【0039】である。αは結晶組成によって変わるが、
例えば本発明のある例では、吸収端1.42μmの組成
のとき、α=1×10cm−1である。この関係を図
22に示す。吸収層では1.55μm光は殆ど吸収され
ない(T=1)ので、Tが(1.55μm光を通し1.
3μm光を除く)フィルタとしての効果を表す数字とみ
なすことができる。
【0040】 フィルタ効果=−10logT=4.343αd (2) (α−1=1μmとして)
【0041】図22から10dBのフィルタ効果(T=
10%)を得るためには、d=2.3μm以上であるこ
とが必要である。20dBのフィルタ効果(T=1%)
を得るためにはd=4.6μmの厚みが必要である。エ
ピタキシャル成長層の厚みのばらつきを考慮すれば、2
0dBのフィルタ効果(1%)を確保しようとするとd
=4〜6μm、つまり5μm程度の厚みが好ましいとい
うことになる。
【0042】フィルタ効果からいえばもっと吸収層厚み
を増やした方がよい。しかしあまり吸収層が厚いと結晶
性が低下する。吸収層はドーパント濃度が高いし四元の
混晶であるから厚い層にすると結晶性が劣化する。結晶
性が多少悪くなってもその上にInPのバッファ層を入
れると、ある程度結晶性は回復する。だから10μm程
度の厚みは許容される。
【0043】そのように送信光を吸収するというだけな
らで述べたようにTだけの問題ですむ。しかし本発明
はと違って吸収層を受光層の近傍に入れているから、
もう一つキャリヤの早期再結合という問題がある。不要
なλ(1.3μm光)が吸収層で吸収され電子正孔対
を作るが、これが流れてしまうと光電流になり1.3μ
m光がノイズとなって信号に含まれる。これが光電流に
ならない内に早期に再結合させなければならない。吸収
層には再結合分の厚みも必要だということである。吸収
層はn型InGaAsPであるから電子正孔対ができた
場合電子は多数キャリヤであって既にたくさんの伝導電
子が存在するから別段問題でない。
【0044】吸収層において正孔が小数キャリヤであ
る。n型吸収層はキャリヤ濃度が高いから電界は利かな
い(電界=0)。しかしp領域にむけて正孔濃度勾配が
あるから正孔は濃度勾配によってp領域に向かって拡散
する。拡散の間に大量の電子と相互作用して再結合し消
滅する。再結合消滅までに拡散する長さのことを拡散長
という。実際には正孔寿命をτ、拡散係数をDとし
たとき(Dτ)の平方根として拡散長Ldhが定義され
る。Ldh=(Dτ)1/2。拡散というのは一方向の
動きでなく行きつ戻りつした運動の総体であるから、D
自体は変位xの2乗を時間tで割ったもの、x/tの
極限として定義される。
【0045】一般にInGaAsP結晶中での電子拡散
長Ldeは長く、正孔拡散長Ldhは短い。もしもp型
吸収層を用いてλを吸収したとすると電子が小数キャ
リヤとなり拡散長が長いので光電流を生じ易い。これは
困るのでn型の吸収層を用いて小数キャリヤを正孔にす
る。拡散長は結晶組成によって変わるがそれだけでな
い。同じ組成でも結晶純度が高いほど衝突が少ないから
拡散長は長くなる。高純度(n=1015cm−3)の
InGaAsP結晶中で電子拡散長Lde=6.0μ
m、正孔拡散長Ldh=1.6μmである。純度が低い
結晶はもっと拡散長が短くなる。多数キャリヤが増える
から再結合断面積が増える(τが減る)ためである。一
般に正孔の拡散長Ldhはn型領域のキャリヤ濃度nの
平方根に比例して減少する。かなり濃度の高いInGa
AsP吸収層(n=1018cm−3)を使うから、高
純度InGaAsPに比べて大体1/30程度に低下す
る。つまりn−InGaAsP吸収層での正孔拡散長は
dh=0.05μmとなる。これは0.05μmで正
孔濃度が1/eに低下するということである。
【0046】αが大きいから1.3μm光は吸収層の最
初の部分で殆ど電子正孔対になる。正孔は最初の部分か
ら拡散しはじめるが、吸収層の厚みがd=5μmもあれ
ば、exp(−5/0.05)≒10−44に減衰して
しまう。吸収層のキャリヤ濃度nをかなり高くするの
は、正孔拡散長Ldh(以後単にLと書く)を少なくす
るためでもある。だから吸収層のキャリヤ濃度の下限
は、吸収層の厚みdにもよる。dが大きいと多少正孔拡
散長が長くても差し支えないから濃度nは少しぐらい小
さくてもよい。
【0047】より厳密にいえば、吸収層の下からzの部
位で不要なλが光電変換し正孔が再結合によって減少
するという二重の現象を考える必要がある。zにおいて
光電変換する率がαexp(−αz)dzである。ここ
で生じた正孔がdまでに再結合し減少するが減少比はe
xp{(z−d)/L}(Lは拡散長)である。吸収層
はz=0〜dの厚みをもつが、最後まで生存する正孔の
比Sは
【0048】 S=α∫exp(−αz)exp{(z−d)/L}dz =αL(1−αL)−1{exp(−αd)−exp(−d/L)} ( 3)
【0049】となる。αと1/Lは同じ元を持つ。αは
吸収層濃度にあまりよらないが、正孔拡散長Lは濃度n
による。基準の濃度を1015cm−3の低ドープにと
ると、先ほど述べたように正孔拡散長は1.6μmであ
るから、一般の濃度nに対してLは
【0050】 L=1.6(1015/n)1/2(μm) (4)
【0051】というように現象論的に考えることができ
る。これを式(3)に入れると、厚みdとキャリヤ濃度
により、任意のSが得られ、
【0052】
【数1】
【0053】が送信受信光の消光比になる。これが20
dB必要だというなら(10logS<−20dB)そ
こからInGaAsPのキャリヤ濃度n、厚みdの限定
が算出できる。例えばd=5μmではn=1018cm
−3の時S=−35dBとなり、n=1017cm−3
でもS=−30dBとなるので、nは1017cm−3
でも有効である。nの上限は結晶性劣化を防ぐという面
から決まる。上限は10 19cm−3である。
【0054】 1017cm−3≦n≦1019cm−3 (6)
【0055】次に本発明と先述のとの違いであるが、
端的に言えばそれはPDの受光層から吸収層を望む立体
角Ωの大きさが大きいということである。PDチップの
横幅をWとする(300μm〜500μm)。受光層か
ら吸収層までの距離をgとする。受光層の一点から吸収
層を望む立体角Ωは近似の範囲で
【0056】 Ω=2π[1−g/{(W/2)+g1/2] (7)
【0057】である。本発明の場合、吸収層と受光層の
距離gは2μm〜10μm程度で極短い。しかしW/2
は200μm程度で大きい。だから本発明では大体Ω〜
2πである。ところがの場合はgに基板厚みが含まれ
る(200μm〜300μm)から、これがW/2と同
じ程度の大きさを持つので、Ω〜π程度である。このよ
うな単純な幾何学的な相違によって本発明ととは明確
に区別される。もう一つの差異は製造技術上のものであ
る。はInP基板の両面に受光層と吸収層をエピタキ
シャル成長させる必要がある。基板片面にエピタキシャ
ル成長させ、裏返してもう一度エピタキシャル成長させ
る必要がある。つまり両面エピタキシャルになる。だか
らエピタキシャルウエハ−を製造する工程が二重になり
高コストである。本発明は、基板の同一の面に吸収層と
受光層を設けるから片面エピタキシャルであって工程が
より単純である。
【0058】
【発明の実施の形態】[実施形態1(裏面入射型;基本
形)]図12によって裏面入射型PDに本発明を適用し
たPDを説明する。n型InP基板57の上にn
のInGaAsP光吸収層58、n型InGaAs受光
層59をエピタキシャル成長させる。このように基板−
吸収層−受光層とするのが本発明の端的な特徴である。
−InP基板は例えば200μm厚みでキャリヤ
(電子)濃度はn=3×1018cm−3である。n
−InGaAsP吸収層は例えば5μm厚みでキャリヤ
濃度はn=1018cm−3である。n−InGaAs
受光層59は例えば厚みが3〜4μmで、キャリヤ濃度
がn=10 15cm−3である。
【0059】n型InGaAs受光層59の中央部にZ
n拡散によってp領域60を形成する。拡散で作製す
るのであるからキャリヤ濃度pは一定しないが、n型I
nGaAs受光層59とキャリヤ濃度が等しくなった
(p=n)ところがpn接合61となる。受光層59は
キャリヤ濃度nが低いから厚い空乏層(i層)62がp
n接合の下に連続して発生する。p領域60の上に広い
p電極63が形成される。裏面入射型であるからp電極
がp領域をほぼ覆い尽くしても差し支えない。周辺部に
はパシベーション膜64が形成される。例えばSiN膜
であってpn接合61の終端を保護する。n−InP基
板57の裏面には環状のn電極65が形成される。裏面
から光を入れるのでn電極65がリング状になる。反射
防止膜66がn−InP基板57の裏面中央部を被覆す
る。
【0060】裏面から入ったλの入射光Aが空乏層6
2で吸収され電子正孔対を作る。これが光を感受する領
域である。逆バイアスによって、電子はn型領域へ、正
孔はp型領域に走行して光電流を流す。これは正常なP
Dの光電変換動作である。
【0061】同じように裏面から入ったλ(送信光波
長)の入射光Bはn−InGaAsP吸収層58で吸
収される。λの光Bは受光層59に達しない。だから
送信光波長λに対してこのPDは感度を持たない。そ
れだけではない。斜め下方からλの入射光CがPDに
入ったとしても吸収層58によって吸収されてしまう。
斜め入射光Cは受光層59に至らない。PDは斜め入射
光Cを検知しない。斜め入射光Cに対しても本発明のP
Dは非感受なのである。λ光B、Cに対して非感受で
ある。特に斜め入射光Cを感じないということが重要で
ある。
【0062】図12は基本形であり、このままの構造で
も動作する。が、n−InGaAs受光層59の上にI
nP窓層を挿入するとさらによい。またInP基板57
とInGaAsP吸収層58の間にはバッファ層を入れ
るのが結晶性を良くするために有効である。
【0063】[実施形態2(裏面入射型;拡散遮蔽
層)]図13は裏面入射型への本発明の適用例である
が、p電極の周囲に拡散遮蔽層というものを設けたもの
である。n型InP基板57の上にn型のInGa
AsP光吸収層58、n型InGaAs受光層59、n
−InP窓層69をエピタキシャル成長させる。基板−
吸収層−受光層とするのが本発明の特徴であるが、ここ
ではさらにInP窓層69を加えている。バンドギャッ
プの広いInP窓層を用いることにより、pn接合のパ
シベーションを安定にすると共に、暗電流を低くする効
果がある。また、外界からの光に対しては図8の吸収端
Pを与える効果も有する。
【0064】n−InP基板は例えば200μm厚み
でキャリヤ濃度はn=3×1018cm−3である。n
−InGaAsP吸収層は例えば5μm厚みでキャリ
ヤ濃度はn=1018cm−3である。n−InGaA
s受光層59は例えば厚みが3〜4μmで、キャリヤ濃
度がn=1015cm−3である。n型InP窓層69
は例えば厚みが2μmでキャリヤ濃度はn=2×10
15cm−3である。n−InP窓層69、n型InG
aAs受光層59の中央部にZn拡散によってp 領域
60を形成する。pn接合61が生成される。厚い空乏
層(i層)62がpn接合61の下に連続して発生す
る。p領域60の上に広いp電極63が形成される。
【0065】それだけでなく上面周辺部にも同時にZn
拡散を行ってp領域70を作製する。このp領域7
0を「拡散遮蔽層」と本発明者は呼んでいる。電子の拡
散を防ぐというのではなくてZn拡散によってp領域を
作り、周辺部入射光の影響を遮蔽するという意味であ
る。必ずしも適切な用語でないが、本発明者等は長くそ
ういう言葉を用いて周辺p領域を表現してきた。周辺p
領域70の直下にpn接合71が生成され、その下に空
乏層72が発生する。pn接合61、71が表面に露呈
する部分をSiNパシベーション膜64によって保護し
ている。n−InP基板57の裏面にはリング状n電極
65と反射防止膜66が形成してある。
【0066】裏面入射型で直下からのλ入射光Aが中
央の空乏層62に至り電子正孔対を作り、これが光電流
になる。直下から入射する送信光(λ)B、斜め下か
らのλ光Cはn型InGaAsP光吸収層58で吸
収されてしまう。それに加えて側方から入って来たλ
入射光Dも感受されない。その理由はこれまでの吸収層
によるものではない。側方入射光Dは拡散遮蔽層70の
空乏層72で電子正孔対を発生するが、正孔が周辺部p
領域70に入って消滅するから中央のp電極の電流とな
らない。拡散遮蔽層70によって側方入射光の影響を打
ち消しているのである。
【0067】[実施形態3(裏面入射型;拡散遮蔽層+
反射膜)]図14は裏面入射型であって、拡散遮蔽層の
ほかにさらに反射膜を設けて上面からの送信光λの進
入を防ごうとするものを示す。n型InP基板57の
上にn型のInGaAsP光吸収層58、n型InG
aAs受光層59、n−InP窓層69をエピタキシャ
ル成長させる。n−InP窓層69、n型InGaAs
受光層59の中央部にZn拡散によってp領域60を
形成する。pn接合61が生成される。厚い空乏層(i
層)62がpn接合61の下に発生する。p領域60の
上に広いp電極63が形成される。
【0068】上面周辺部にも同時にZn拡散を行ってp
領域(拡散遮蔽層)70を作製する。周辺p領域70
の直下にpn接合71が、その下に空乏層72が発生す
る。pn接合61、71が表面に露呈する部分をSiN
パシベーション膜64によって保護している。PD上面
の中央は金属のp電極63で覆われるが、その外側は反
射膜73によって全体を覆う。PDを上から見るとp電
極63と反射膜73によって全体が覆われている。1.
3μm(λ)の送信光は下方入射B、斜め下入射C、
側方入射D、上方入射Eなどがありうる。B〜Dは前の
実施形態2でも防ぐことができる。これに加え、この実
施形態では上方入射Eを反射膜によって退けることがで
きる。このようにするともう万全である。どこから迷光
(λ)がやってきても、PDの中央空乏層62には至
らず感受されることがない。
【0069】[実施形態4(裏面入射型;拡散遮蔽層+
反射膜;バッファ層)]高濃度のInGaAsP吸収層
58を設けると結晶性が乱れることがある。その場合は
低不純物濃度のバッファ層を入れて結晶性を改善でき
る。バッファ層のために吸収層58の結晶欠陥や不純物
が受光層に影響を及ぼすのを防ぐことができる。図15
は吸収層58と受光層59の間にn−InPバッファ層
74を設けたものである。
【0070】n型InP基板57の上にn型のIn
GaAsP光吸収層58、n−InPバッファ層74、
n型InGaAs受光層59、n−InP窓層69をエ
ピタキシャル成長させる。n−InP窓層69、n型I
nGaAs受光層59の中央部にZn拡散によってp
領域60を形成する。pn接合61が形成され、その下
に空乏層62が生成される。上面周辺部にも同時にZn
拡散を行ってp領域(拡散遮蔽層)70を作製する。
周辺p領域70の直下にpn接合71が、その下に空乏
層72が発生する。
【0071】中央のp領域60にp電極63を付ける。
SiNパシベーション膜64によってpn接合61、7
1を保護している。PD上面の中央は金属のp電極63
で覆われる。その外側は反射膜73によって全体を覆
う。バッファ層74は例えば2μm〜4μmの厚みを持
ち、キャリヤ濃度はn=1015cm−3程度である。
これはバッファ層74を吸収層58と受光層59の間に
入れたというだけのことで、図12、図13の形態にも
適用できる。λの入射光B、C、D、Eを感受しない
という性質は前実施形態と同様である。
【0072】この構成で500μm角、厚み200μm
のPDを作成して、感度を測定した。1.55μm光に
対して1.0A/Wの高感度を示し、1.3μm光に対
しては、0.01A/W以下の低感度であることを確認
した。また、周囲から1.3μm光を照射したが、これ
らの光に対しても、0.01A/W以下の低感度であっ
た。次にこのPDを図6の構成で1.3μm−LDと一
体化したところ、送信パワー1mWのときでも、1.5
5μm光の受信感度は−35dBm(増幅器と組み合わ
せて)という高感度をクロストークなく実現できた。
【0073】[実施形態5(上面入射型;拡散遮蔽層+
反射膜;バッファ層)]本発明は上面入射型のPDにも
適用できる。図12、図13、図14の裏面入射型のも
のを上面入射型に書き換えることは簡単である。しか
し、ここでは図15に対応した上面入射型PDを説明す
る。図16は上面入射型PDの実施形態を示す。n
InP基板57の上にn型のInGaAsP光吸収層
58、n−InPバッファ層74、n型InGaAs受
光層59、n−InGaAsP窓層69をエピタキシャ
ル成長させる。n−InGaAsP窓層86、n型In
GaAs受光層59の中央部にZn拡散によってp
域60を形成する。pn接合61と、その下に空乏層6
2が生成される。上面周辺部にも同時にZn拡散を行っ
てp領域(拡散遮蔽層)70を作製する。周辺p領域
70の直下にpn接合71が、その下に空乏層72が発
生する。
【0074】中央のp領域60にリング状のp電極75
を付ける。上面入射なのでp電極75は入射光を通すた
め環状になる。p電極75で囲まれる中央部は光が入る
部分であり、λに対する反射防止膜76が形成され
る。SiNパシベーション膜64によってpn接合6
1、71を保護している。パシベーション膜64を含め
環状p電極75の外側は反射膜73によって全体を覆
う。n−InP基板57の裏面は広くn電極77で覆
う。窓層をInPでなくてInGaAsPにするから窓
層によってエネルギーの高い送信光(λ)が吸収され
除去される。窓層も巧みに利用している。
【0075】下方からの迷光(λ)Bはn電極77で
遮断できる。側方からの迷光C、DはInGaAsP吸
収層58と、拡散遮蔽層70によって遮断できる。上方
からの周辺部に向かう迷光Eは反射膜73が反射する。
上方中央からのλ迷光は先述のようにInGaAsP
窓層で除かれる。迷光はさらにλ反射防止膜76によ
っても減衰する。反射防止膜というのは屈折率の異なる
2種類の誘電体を交互に重ねて堆積して特定の波長の光
が直角入射したときにそれを無反射で透過させるもので
ある。それ以外の波長の光は一部反射する。また直角入
射以外では特定の波長の光でも反射がある。屈折率、厚
みに自由度があるから直角入射のλは反射し直角入射
のλは透過するようにできる。上面入射の場合図1、
図2などのように必ずWDMが設けられる。WDMとI
nGaAsP窓層とλ反射防止膜の作用で上方からの
迷光が抑制されている。
【0076】[実施形態6(導波路型;バッファ層)]
これまで裏面入射型PD、上面入射型PDへの本発明の
適用について述べた。それ以外にも様々の形式のPDが
ものが提案されている。本発明は導波路型PDにも適用
できる。図17によって導波路型PDの必要な場合を説
明する。基板78に分波導波路79が設けられる。これ
は共通路80、分岐した分岐路81、83を含む。結合
部82では波長選択性を与えるために間隔と距離が厳密
に規定される。光ファイバは共通路80に結合される。
分岐路81の先に導波路型PD84が、分岐路83の先
にLD85が設けられる。LD85はλの送信光を生
じ、分岐路83、結合部82、共通路80から光ファイ
バへと送り出す。光ファイバからの受信光λは導波路
80、81からPD84へと伝搬する。そのような導波
路面において側方から直接に受信光を受けることができ
るようにしたのが導波路型PDである。
【0077】図18に導波路型へ適用した実施形態を示
す。側方から光が入るのでこれまでのようにZn拡散に
よってp領域を作らずn型受光層の上にp型層を成長さ
せる。n型InP基板57の上にn型のInGaA
sP光吸収層58、n−InPバッファ層74、n型I
nGaAs受光層59、p−InP窓層87をエピタキ
シャル成長させる。InP窓層87がp型であるから、
窓層87と受光層59の界面がpn接合となる。拡散に
よらないからpn接合端が上面に露呈しない。光は上面
からも裏面からも入射しない。上面の全体を金属のp電
極88によって覆う。n−InP基板57はn電極8
9によって覆うことができる。受信光λ であるKは側
方光としてn型InGaAs受光層59に入る。この場
合もn型InGaAs受光層の下、InP基板の上にn
型InGaAsP吸収層58を設ける。電極88、8
9で覆われるから直下から入る迷光、直上から入る迷光
というものはありえない。斜め下方からの迷光に対して
InGaAsP吸収層58が有効な働きをする。このよ
うに導波路型PDは図17のようにLDとそもそも経路
を別にし、しかも迷光が入りにくい構造になっている。
光学的クロストークを減らすには好適である。
【0078】[実施形態7(側面入射型;傾斜側面;拡
散遮蔽層+反射膜;バッファ層)]本発明は側面入射型
のPDにも適用できる。実施形態6の導波路型も側面入
射であるが、実際には受光層は薄くて導波路との結合が
難しい。ここでいう側面入射型というのはPDの底部の
一部を斜めに切り欠いて側面光を斜め上へ屈折させるも
のをいう。図19によって本発明を側面入射に適用した
ものを示す。
【0079】n型InP基板57の上にn型のIn
GaAsP光吸収層58、n−InPバッファ層74、
n型InGaAs受光層59、n−InP窓層69をエ
ピタキシャル成長させる。n−InP窓層69、n型I
nGaAs受光層59の中央部にZn拡散によってp
領域60を形成する。その下にpn接合61と空乏層6
2が生成される。上面周辺部にも同時にZn拡散を行っ
てp領域(拡散遮蔽層)70を作製する。周辺p領域
70の直下にpn接合71が、その下に空乏層72が発
生する。
【0080】中央のp領域60に一様なp電極63を付
ける。側面入射なのでp電極63に開口部は不要であ
る。SiNパシベーション膜64によってpn接合6
1、71を保護している。パシベーション膜64を含め
p電極63の外側は反射膜73によって全体を覆う。n
−InP基板57の裏面は広くn電極91で覆う。チ
ップに切り出してからチップの下隅を斜めに削ってでき
る傾斜面90が受信光(λ )Lの入る部分となる。内
外の屈折率が著しく違うのでλは傾斜面90で上方へ
屈折され中央の空乏層に至り光電流となる。
【0081】送信光(λ)の迷光は下からも上からも
PDへ入れない。斜め下からの迷光はInGaAsP吸
収層58によって吸収される。
【0082】[実施形態8(側面入射型;V字切り欠
き;拡散遮蔽層+反射膜;バッファ層)]側面入射型は
導波路型、傾斜面型の他に底面にV溝93を掘るような
PDもある。それに本発明を適用したものを図20に示
す。側方からの受信光λであるMは底面のV溝面93
によって反射され中央の空乏層へゆき光電流を発生す
る。それ以外の構造はこれまでに述べたものと同様であ
るから説明を略す。
【0083】[実施形態9(側面入射型;メサ型;拡散
遮蔽層+反射膜;バッファ層)]側面入射型は導波路
型、傾斜面型、底面V溝型の他に上方をメサ型にエッチ
ングしたPDもある。メサによって受信光を屈折させ
る。図21にメサ型PDに本発明を適用したものを示
す。側方からの受信光λは上面のメサ面95によって
反射され中央の空乏層へゆき光電流を発生する。導波路
型、傾斜面型、底面V溝型はいずれもエピタキシャル層
を上にする(エピアップという)が、これは逆さまにし
て(エピダウンで)基板に取り付ける。それ以外の構造
はこれまでに述べたものと同様であるから説明を略す。
【0084】
【発明の効果】本発明は、短い波長λを送信に、長い
波長λを受信に用いる送受信モジュールにおいて、λ
を吸収する吸収層を受光素子の基板と受光層の間に設
ける。LDから強いλが出射され、これが散乱され迷
光となってモジュール内に充満する。本発明の受光素子
には受光層に極近接してλの吸収層があるので受光素
子の受光層には至らない。これによって送信信号を受光
素子から排除できる。基板の下に吸収層を設けたのに比
べて、斜め下方からの夥しいλ迷光をも防ぐことがで
きる。送信光が受光層に入るのを厳しく禁止し光学的ク
ロストークを著しく下げることができる。特に図6のよ
うな光路非分離型の送受信モジュールにおいて極めて有
効である。もちろん図1、図2、図5のような光路分離
型送受信モジュールにも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の受光素子の一つの適用対象候補として
の波長多重双方向通信の概略図。
【図2】本発明の受光素子の一つの適用対象候補として
の波長多重一方向通信の概略図。
【図3】光通信に用いられた従来例にかかる受光素子の
一例を示す縦断斜視図。
【図4】裏面入射型PDを用いた表面実装型の受光モジ
ュール。
【図5】誘電体多層膜WDMを用いた送受信モジュール
の概略図。
【図6】ファイバ延長線上にPD、LDを設けた経路非
分離型の光送受信モジュールの概略構成図。
【図7】従来例にかかるInGaAs系フォトダイオー
ドの断面図。
【図8】従来例にかかるInGaAs系フォトダイオー
ドの感度特性図。
【図9】本発明者が以前に提案した1.3μm光を落と
し1.55μm光だけを感受する受光素子の概略の断面
図。
【図10】本発明者が以前に提案した1.3μm光を落
とし1.55μm光だけを感受する受光素子のより具体
的な断面図。
【図11】1.3μm光吸収層として基板裏面にエピタ
キシャル成長させたInGaAsP吸収層の光透過率の
波長依存性を示すグラフ。
【図12】裏面入射型の本発明の受光素子を示す断面
図。
【図13】裏面入射型であって中央p領域の周囲にZn
拡散による拡散遮蔽層を設けた本発明の受光素子の断面
図。
【図14】裏面入射型であって中央p領域の周囲に拡散
遮蔽層をもうけp電極の周囲を反射膜で被覆した本発明
の受光素子の断面図。
【図15】裏面入射型であって中央p領域の周囲に拡散
遮蔽層をもうけp電極の周囲を反射膜で被覆し、さらに
バッファ層をもうけた本発明の受光素子の断面図。
【図16】上面入射型であって中央p領域の周囲に拡散
遮蔽層をもうけp電極の周囲を反射膜で被覆した本発明
の受光素子の断面図。
【図17】導波路型WDMの二つの終端にLDと導波路
型PDを設けた光受信モジュールの平面図。
【図18】導波路型の本発明の受光素子を示す断面図。
【図19】底面隅部を斜めに切り欠いた側面入射型の本
発明の受光素子を示す断面図。
【図20】底面中央部を楔型に切り欠いた側面入射型の
本発明の受光素子を示す断面図。
【図21】上面側部をメサ型に切り欠いた側面入射型の
本発明の受光素子を示す断面図。
【図22】1.3μm光に対するInGaAsP吸収層
の厚みdと透過率Tの関係を示すグラフ。
【符号の説明】
1光ファイバ 2波長分波器 3光ファイバ 4波長分波器 5光ファイバ 6光ファイバ 7光ファイバ 8波長合波器 9リードピン 10ステム 11サブマウント 12PDチップ 13レンズ 14キャップ 15スリーブ 16フェルール 17光ファイバ 18ベンドリミッタ 19Siベンチ 20V溝 21ミラー面 22光ファイバ 23PDチップ 24受光部 25ガラスブロック 26ガラスブロック 27誘電体多層膜 28光ファイバ 29LD 30PD 31ハウジング 32光ファイバ 33LD 34PD 35WDM 36受光部 37n−InP基板 38n−InPバッファ層 39n−InGaAs受光層 40n−InP窓層 41p型領域 42p電極 43反射防止膜 44パシベーション膜 45n電極 46n型InP基板 47n型InGaAs受光層 48p型領域 49空乏層 50p電極 51パシベーション膜 52InGaAsP吸収層 53n電極 54反射防止膜 55InP窓層 56n型InPバッファ層 57n型InP基板 58InGaAsP光吸収層 59n型InGaAs受光層 60p領域 61pn接合 62空乏層 63p電極 64パシベーション膜 65n電極 66反射防止膜 69n−InP窓層 70p領域 71pn接合 72空乏層 73反射膜 74n−InPバッファ層 75p電極 76反射防止膜 77n電極 78基板 79分波導波路 80共通路 81分岐路 82結合部 83分岐路 84PD 85LD 86n−InGaAsP窓層 87p−InP窓層 88p電極 89n電極 90傾斜面 91n電極 92n電極 93V溝 94n電極 95メサ面
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成12年5月11日(2000.5.1
1)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0057
【補正方法】変更
【補正内容】
【0057】である。本発明の場合、吸収層と受光層の
距離gは2μm〜10μm程度で極短い。しかしW/2
は200μm程度で大きい。だから本発明では大体Ω≒
2πである。ところがの場合はgに基板厚みが含まれ
る(200μm〜300μm)から、これがW/2と同
じ程度の大きさを持つので、Ω≒π程度である。このよ
うな単純な幾何学的な相違によって本発明ととは明確
に区別される。もう一つの差異は製造技術上のものであ
る。はInP基板の両面に受光層と吸収層をエピタキ
シャル成長させる必要がある。基板片面にエピタキシャ
ル成長させ、裏返してもう一度エピタキシャル成長させ
る必要がある。つまり両面エピタキシャルになる。だか
らエピタキシャルウエハ−を製造する工程が二重になり
高コストである。本発明は、基板の同一の面に吸収層と
受光層を設けるから片面エピタキシャルであって工程が
より単純である。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0073
【補正方法】変更
【補正内容】
【0073】[実施形態5(上面入射型;拡散遮蔽層+
反射膜;バッファ層)]本発明は上面入射型のPDにも
適用できる。図12、図13、図14の裏面入射型のも
のを上面入射型に書き換えることは簡単である。しか
し、ここでは図15に対応した上面入射型PDを説明す
る。図16は上面入射型PDの実施形態を示す。n
InP基板57の上にn型のInGaAsP光吸収層
58、n−InPバッファ層74、n型InGaAs受
光層59、n−InGaAsP窓層86をエピタキシャ
ル成長させる。n−InGaAsP窓層86、n型In
GaAs受光層59の中央部にZn拡散によってp
域60を形成する。pn接合61と、その下に空乏層6
2が生成される。上面周辺部にも同時にZn拡散を行っ
てp領域(拡散遮蔽層)70を作製する。周辺p領域
70の直下にpn接合71が、その下に空乏層72が発
生する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0075
【補正方法】変更
【補正内容】
【0075】下方からの迷光(λ)Bはn電極77で
遮断できる。側方からの迷光C、DはInGaAsP吸
収層58と、拡散遮蔽層70によって遮断できる。上方
からの周辺部に向かう迷光Eは反射膜73が反射する。
上方中央からのλ漏れ光は先述のようにInGaAs
P窓層で除かれる。迷光はさらにλ反射防止膜76に
よっても減衰する。反射防止膜というのは屈折率の異な
る2種類の誘電体を交互に重ねて堆積して特定の波長の
光が直角入射したときにそれを無反射で透過させるもの
である。それ以外の波長の光は一部反射する。また直角
入射以外では特定の波長の光でも反射がある。屈折率、
厚みに自由度があるから直角入射のλは反射し直角入
射のλは透過するようにできる。上面入射の場合図
1、図2などのように必ずWDMが設けられる。WDM
とInGaAsP窓層とλ反射防止膜の作用で上方か
らの迷光が抑制されている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 猪口 康博 大阪府大阪市此花区島屋一丁目1番3号住 友電気工業株式会社大阪製作所内 Fターム(参考) 5F049 MA02 MB07 MB12 NA04 NB01 PA09 QA03 QA05 QA06 QA08 SS04 SZ12 TA03 TA06 TA10 TA12 TA13 TA14 WA01 5F088 AA02 AB07 BA03 BB01 CB09 DA01 GA05 HA12 JA03 JA07 JA10 JA12 JA13 JA14 LA01

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体基板と、半導体基板の上に設けら
    れpn接合を有する受光層とを含み、受光層よりも吸収
    端波長の短い吸収層を半導体基板より受光層に近い側に
    少なくとも一つ設けたことを特徴とする半導体受光素
    子。
  2. 【請求項2】 受光層と吸収層がエピタキシャル成長に
    よって形成される事を特徴とする請求項1に記載の半導
    体受光素子。
  3. 【請求項3】 検出すべき光の波長をλとし、それよ
    り短い波長の光λがノイズとして存在しており半導体
    基板上に阻止すべき波長λに対する吸収層を設け、そ
    の上に受光層を設けた事を特徴とする請求項1又は2に
    記載の半導体受光素子。
  4. 【請求項4】 受光すべき波長λが、1.5μmから
    1.6μm帯であり、阻止すべき波長λが1.2μm
    から1.3μm帯である事を特徴とする請求項1〜3の
    何れかに記載の半導体受光素子。
  5. 【請求項5】 基板上に、阻止すべき波長λに対する
    吸収層を設け、その上に受光層を設け、さらにその上に
    阻止すべき波長λに対する吸収層を設けた事を特徴と
    する請求項1〜4の何れかに記載の半導体受光素子。
  6. 【請求項6】 InP基板上に、InGaAsP(吸収
    端波長約1.4μm)吸収層、InGaAs受光層をエ
    ピタキシャル成長させ、InGaAs受光層中にpn接
    合を形成した事を特徴とする請求項1〜4の何れかに記
    載の半導体受光素子。
  7. 【請求項7】 InGaAsP吸収層とInGaAs受
    光層の間にInPバッファ層を成長させた事を特徴とす
    る請求項6に記載の半導体受光素子。
  8. 【請求項8】 InGaAs受光層のpn接合の周囲に
    p領域よりなる拡散遮蔽層を形成した事を特徴とする請
    求項7に記載の半導体受光素子。
  9. 【請求項9】 InGaAs受光層の上にInP窓層を
    設け、InGaAs受光層とInP窓層にpn接合を設
    けたことを特徴とする請求項1〜8の何れかに記載の半
    導体受光素子。
  10. 【請求項10】 InGaAs受光層の上にInGaA
    sP窓層(吸収端波長約1.4μm)を設け、InGa
    As受光層とInGaAsP窓層にpn接合を設けたこ
    とを特徴とする請求項1〜8の何れかに記載の半導体受
    光素子。
  11. 【請求項11】 基板側にリング状電極をもち受光層上
    部に不透明の金属電極を有し受光層のほとんどが不透明
    電極で覆われており裏面入射型である事を特徴とする請
    求項1〜9の何れかに記載の半導体受光素子。
  12. 【請求項12】 拡散遮蔽層と不透明電極の周囲の全て
    を阻止すべき波長λ に対する誘電体反射膜で覆った事
    を特徴とする請求項8に記載の半導体受光素子。
  13. 【請求項13】 基板底面側に底面の全体を覆う電極を
    有し、受光層上部の全体を電極で覆い側方から受光層に
    光を導入するようにした導波路型である事を特徴とする
    請求項1〜9の何れかに記載の半導体受光素子。
  14. 【請求項14】 基板底面側に底面の全体を覆う電極を
    有し、受光層上部に全面を覆う電極を設けてあり、底面
    の側部が斜めに切り欠いてあって、側面の切り欠き部か
    ら光が入射し屈折して受光部に至るようにした側面入射
    型である事を特徴とする請求項1〜9の何れかに記載の
    半導体受光素子。
  15. 【請求項15】 基板底面側に底面の全体を覆う電極を
    有し、受光層上部に全面を覆う電極を設けてあり、底面
    の中央部がV型に切り欠いてあって、側面から入射した
    光が切り欠き部で反射して受光層に入るようにした側面
    入射型である事を特徴とする請求項1〜9の何れかに記
    載の半導体受光素子。
  16. 【請求項16】 基板下部全面を覆う電極を有し、受
    光層上面を覆う電極を設けてあり、上面の両端がメサ型
    に切り欠いてあって、エピダウンでパッケージに取り付
    けられ、側面から入射した光がメサ面で屈折して受光層
    に入るようにした側面入射型である事を特徴とする請求
    項1〜9の何れかに記載の半導体受光素子。
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