JP3348644B2 - 光受信モジュールと光送受信モジュール - Google Patents
光受信モジュールと光送受信モジュールInfo
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Description
いられる光受信モジュール或いは光送受信モジュールに
関する。光通信には一波長の光を交互に送信受信に使う
ピンポン伝送の場合と、2波長の光を使って同時双方向
通信をする場合がある。本発明は何れにも適用すること
ができる。
導体レーザ(以下LDと略す)や半導体受光素子(以下
PDと略す)の特性が向上したことによって、光特に波
長1.3μmや1.55μmの長波長帯の光を用いた信
号(電話、ファクシミリ、テレビ画像など)の通信が盛
んになりつつある。これを一般に光通信という。なかで
も最近は1本の光ファイバによって双方向に信号を同時
にやりとりするシステムが検討されている。この方式の
利点はファイバが1本で済む事である。
(λ)による双方向通信の原理図である。これは局側、
加入者側に光分波器2、4が必要である。局側では、電
話やファクシミリ(FAX)の信号をデジタル信号ある
いはアナログ信号とし増幅した後、半導体レーザLD1
を駆動する。半導体レーザ(LD)は波長λの光の強弱
の信号として、光ファイバ1に送り込む。光信号は光分
波器2によって光ファイバ3に入り、この中を伝搬し、
加入者へと分配される。光ファイバ3は加入者である各
家庭、オフィス、工場などに張り巡らされている。この
ように局側から、加入者側に信号が送られる方向を下り
系と呼ぶ。
を光ファイバ5に取り出し、受光素子PD2によって受
信する。PD2は受信した光信号を電気信号に変え、増
幅し、信号処理を施し、電話の音声やFAX信号として
再生する。一方、加入者側は、電話やファクシミリの画
像信号を局側に向けて送信する。波長λの光を出す半導
体レーザLD2を電話信号や画像信号によって変調し、
光ファイバ6、光分波器4、光ファイバ3を通じて局側
へ光信号として伝送する。このように加入者側から局側
へ信号を送る方向を上り系と呼ぶ。局側は、この光信号
を光分波器2によって光ファイバ7に取り出し、PD1
によって受信する。これを電気信号に変えて交換機や信
号処理回路に送り込む。ここで送信光、受信光ともに同
じ波長の光を使う一波長系では、上り下りの信号伝送を
同時にできない。そこで一波長を使うシステムの場合
は、上り下りの信号を異なる時刻に交互に伝送する。こ
れをピンポン伝送という。
一つの波長の光を用いて双方向通信を行うには、局側、
加入者側のどちらにも光路を分離する機能素子が必要で
ある。図1では光分波器2、4がその役割を果たす。光
分波器2、4は、波長λの光を一本の光ファイバにまと
めて導入する事ができる。反対に一本の光ファイバを伝
搬する波長λの光を異なる2本の光ファイバに分配する
こともできる。一本の光ファイバを使う双方向通信に
は、光分波器が不可欠である。
れている。2本の光ファイバを用いたもの、光導波路を
用いたもの、多層膜ミラーを用いたものなどがある。図
2に示すものは、光ファイバまたは光導波路型のもので
ある。2本の光の導波路部分を近接させてエバネッセン
ト結合させ、エネルギーの交換を可能にする。結合部の
距離Dと長さLを適当に選ぶことによって、光の分波・
合波機能を賦与することができる。図2では光ファイバ
8に入れた光が、光ファイバ11にP3となって出てく
る。ただし約半分の光はファイバ12のほうに移り利用
されない光となる。逆にファイバ11から光P4を入れ
ると、これが約半分の光量に分けられてファイバ8と9
から出て行く。
分波器にも、加入者側の光分波器にも同様に利用するこ
とができる。図3の光分波器は、二等辺三角柱ガラスブ
ロックの対角面に誘電体膜多層膜を蒸着しもう一方の同
等のガラスブロックを貼り付けて正四角柱にしたもので
ある。誘電体多層膜が干渉フィルタになり、貼りあわせ
面に対して45度の角度をなす光が入射すると、約半分
の光が反射し、残りの半分の光は透過するようになって
いる。このような光分波機能は誘電体膜の厚み、屈折率
を適当に選ぶことによって実現される。その他にもいく
つかの光分波器が提案されている。
1) に異なる経路に分けてしまう素子は、光分波器、分
波・合波器と呼ばれる。光ファイバやガラスブロックを
用いたものはすでに市販されている。以上の素子の機能
について強調すべきことはいずれにおいても約半分の光
量が無駄に失われるということである。これは一波長で
あること及び光の可逆性よりやむを得ないことである。
ジュールの構成例を示す概略図である。局側につながる
光ファイバ16の終端は光コネクタ17によって屋外の
光ファイバ18に接続される。これを光ファイバ型の光
分波器21によって上り光と下り光に分離する。既に述
べたように二つの光ファイバの近接部20の近接距離長
さによって1:1に光を分ける機能を与える事ができ
る。光分波器21は光ファイバ18に半導体レーザ(L
D)の上りの光を入れ光ファイバ16に送出し、光ファ
イバ16からの光を光ファイバ19の側へ取り出す。こ
の光はフォトダイオード(PD)で受信するようになっ
ている。
LDモジュール25に接続される。LDモジュールは加
入者側からのデジタル信号を電気光変換して局に向けて
送信するためのものである。光ファイバ19は光コネク
タ23によってPDモジュール27に接続される。これ
は局側からの光信号を電気信号に変換し、加入者側で受
信するためのものである。その他ビームスプリッタと呼
ばれる光分波器を用いた例もある。例えばEP4632
14−B1などに記載されている。
ュール28の断面図である。半導体レーザチップ29と
これの出力をモニタするためのフォトダイオード30を
備える。半導体レーザ29はサブマウントを介してヘッ
ダ32のポール31に取り付けられる。ヘッダ32の上
面中央には、フォトダイオード30が固定される。ヘッ
ダ32の底部にはリードピン33が複数本設けられる。
窓35を有する円筒形のキャップ34が半導体レーザ2
9、フォトダイオード30を囲むように、ヘッダ32に
溶接される。ワイヤによってリードピン33とチップ2
9、30の電極が接続される。これら素子は、リードピ
ンを通じて外部回路に接続されるようになっている。
ダ−36がある。レンズホルダ−36は中央の穴に集光
レンズ37を有する。レンズホルダ−36の上にはさら
に円錐形のハウジング38が溶接される。ハウジング3
8にはフェルール39とフェルールによって先端が固定
された光ファイバ40が取り付けられる。半導体レーザ
29、レンズ、光ファイバなどを調芯して、レンズホル
ダ−36、ハウジング38をそれぞれ固定する。レンズ
は集光性を高めてレーザと光ファイバの結合効率を高め
る。モニタ用フォトダイオードによって半導体レーザの
後方からでる光をモニタして、フィードバック回路によ
って駆動電流を制御する。これによって温度変動があっ
ても半導体レーザの出力を一定に保つ事ができる。
規な構造に関する。それ故、従来例に係る受光素子モジ
ュールについても説明する。図6は従来例に係る受光素
子モジュール27の断面図である。PDチップ41が円
盤状のヘッダ42の上に固着されている。ヘッダ42は
複数のリードピン43を有する。レンズホルダ−46が
集光レンズ47を保持している。ハウジング48がレン
ズホルダ−46の上部に溶接してある。ハウジング48
には光ファイバ50の先端を固定したフェルール49が
差し込まれている。
る。光ファイバ50から出た光はレンズによって集光さ
れて受光素子41に入射する。受光素子(PD)として
は、1.3μm光や1.55μm光を受光するには、I
nPを基板としてInGaAsを受光層としたPDが良
く用いられる。先にも述べたように、本発明は受光素子
の構造に関するので、従来例の受光素子チップの構造に
ついてさらに詳しく説明する。
の断面図である。n−InP基板52の上に、n−In
Pバッファ層53、n−InGaAs受光層54、n−
InP窓層55がエピタキシャル成長している。n−I
nP窓層55、InGaAs受光層54の中央部は亜鉛
拡散領域56になっている。亜鉛拡散領域はp型になる
ので、n型領域との間にpn接合ができる。このp型領
域56の上にリング状のp電極57が作製されている。
またn−InP基板52の下にn電極61が形成され
る。p電極57によって囲まれる領域には反射防止膜5
8が被覆してある。またp電極57の外側の窓層および
pn接合の端はパッシベーション膜59によって保護さ
れている。反射防止膜58のあるInP窓層の側より信
号光が入射し、InGaAs光吸収層(受光層)54で
吸収され電気信号の変換される。
すグラフである。横軸は波長(μm)であって、縦軸は
感度(A/W)である。感度グラフは立ち上がり部P、
平坦部Q,立ち下がり部Rを含む。高い感度を示す波長
範囲はこの例では、1.0μm〜1.6μmに渡ってい
る。高感度範囲は光吸収層(受光層)54と窓層55の
材料で決まる。受光層のバンドギャップから窓層のバン
ドギャップの間の光だけが感受される。この場合は、I
nGaAsが受光層54であるから上限が約1.6μm
になり、InPが窓層55であるから下限が1.0μm
になる。このように広い感度特性を持つフォトダイオー
ドが従来の光通信用受光素子モジュールに使われてき
た。光ファイバから出た光はほぼ円形に広がる。このた
め円形の受光面を持つ受光素子が使われる。
体発光素子、受光素子を組み合わせた光送受信モジュー
ルは図4で示したように3つの主要部品からなってい
る。3つの部品を持つので、大型になるし、価格も高く
なる。また分波器や光ファイバなどの結合部などで光の
損失があるので長距離通信には使い難いという難点があ
った。そのために一般家庭への光送受信モジュールの普
及が困難であるという問題があった。
ルはいくつか提案されている。特公平7−58806
号:これはマルチモード光ファイバ+面発光LED+受
光素子というふうにLED、PDの順に並べている。大
きいPDの上に直接に小さいLEDを接着している。L
EDによって入射光が一部遮られるが脇から入る分を受
光素子が検出することができる。特開昭57−172
783号:これもマルチモード光ファイバに近い方から
面発光LED、PDと並べている。PDの一部に小さい
LEDを作製したものである。全体をパッケージに収容
している。
が広い。出てくる光の直径は大きく100μm程度もあ
る。これがN.A.(開口数)に従って広がるから断面
積の大きい広いビームとなる。の場合小さいレーザを
広いPDの中央部に設けても、殆どの光はレーザ以外の
部分を通り受光素子にまで到達する。ビームが広く(直
径が200μm〜300μm)、LEDチップは小さい
のでLEDの陰以外の場所に多くの光が到達し、これが
広い受光面を持つ受光素子に入射するという思想であ
る。ではLEDによって受信光が吸収されないように
している。マルチモード光ファイバで広い多モード光を
伝搬させているからこれが可能である。しかしこれは本
発明が目的としているシングルモードファイバを使う光
通信には用いる事ができない。コア径の大きいマルチモ
ードファイバは光学結合が易しいが多くの情報を歪ませ
ることなく遠くまで伝送できない。
コア径が10μmのシングルモードファイバである。シ
ングルモードファイバによる光伝送系はコア径が小さい
ので結合が難しく、レーザはファイバのコア端面間近に
位置合わせして固定しなければならない。レーザチップ
は数百μmの厚みと、数百μmの幅を持つから、シング
ルモードファイバの前に置くと殆どの光を遮ってしま
う。その後ろにフォトダイオードを置いてもフォトダイ
オードには光が到達しない。、のような構造はシン
グルモードファイバを使う加入者系光通信には使えな
い。
数がより少なく、小型で低価額の光受信モジュールを提
供することが本発明の第1の目的である。光の損失の少
ない光受信モジュールを提供することが本発明の第2の
目的である。光加入者系の実用化に大きく寄与すること
ができる光受信モジュールを提供することが本発明の第
3の目的である。調芯箇所が少なく組立コストを節減で
きる光受信モジュールを提供することが本発明の第4の
目的である。さらに本発明の光受信モジュールを用いて
低コストの光送受信モジュールを提供することが本発明
の第5の目的である。
ルは、適当なマウントの上に第1光ファイバ、信号光の
一部を吸収し一部を透過する半透過型受光素子、第2光
ファイバを直線上に設けたものである。本発明の光送受
信モジュールは、一つの波長の光を用いる場合は、適当
なマウントの上に、第1光ファイバと半透過型の受光素
子と第2光ファイバが一直線上に設けてあり、第2光フ
ァイバがその波長の光を発生する発光素子につながって
いる。外部から伝送されてきた受信光の一部を受光素子
が吸収して電気信号に変換し、発光素子から出た送信用
の光は第2光ファイバから半透過型受光素子に入り受光
素子によって一部が吸収され、残りが光ファイバを通じ
て光伝送路にはいり外部へ送信されるようにしたもので
ある。
線状に設置するために、マウントに溝を予め切っておく
とよい。例えばV溝、円溝、四角溝などの溝をマウント
に直線状に設ける。マウントは例えばSi基板、ガラス
基板、セラミック基板、金属基板等を用いる事ができ
る。光ファイバとの組み合わせ方を除いては、本発明者
の先願である特願平8−104405号「光送受信モジ
ュール」と共通するところが多い。
ファイバを適当なマウントの上に一直線上に並べたのが
本発明の光受信モジュールである。光ファイバ−一部透
過受光素子−光ファイバ或いは発光素子が直線上になら
ぶ。光を空間的に分離するための分岐がない。本発明の
顕著な特徴は、分岐が存在しないし光分波器が無い、と
いうことである。受信光と送信光が分岐によって空間的
に分離されない。受信光と送信光は同じ直線上を伝搬す
る。同じ直線上を進むので送受信光を分離する必要がな
く分岐が不要である。
新規な特徴がある。一部透過一部吸収性のフォトダイオ
ードを使うのである。一部透過型であるからその直後
に、光ファイバを介して発光素子を設けることができ
る。受光素子が部分透過性であって、入射側光ファイ
バ、受光素子、出射側光ファイバを直列接続した、とい
うことが本発明の特徴である。受光素子は一部吸収、一
部透過という極めて特異な性質を持つ。吸収:透過の比
率は有限であれば幾らであっても良い。これはモジュー
ルの目的や、発光素子、受光素子の能力に応じて自在に
決めれば良いことである。しかし簡単のため以後、吸収
と透過が半分ずつとして本発明の実施例を説明する。受
光素子も半透過型と簡単によぶことにする。
うなもの)と背面入射型(基板側から入射する)があ
る。従来のフォトダイオードはいずれにしても入射側の
反対側は電極によって遮蔽され光が洩れないようになっ
ていた。従来の受光素子では、光は全て受光素子によっ
て吸収されるということができる。本発明で用いる受光
素子はそうではなくて、透過型(半透過型)の受光素子
を利用する。半透過型の受光素子そのものが新規であ
る。本発明は新規な受光素子にとどまらず、そのような
受光素子の背後に発光素子を設けて光送受信モジュール
とすることができる。受光素子と光ファイバと発光素子
を直線配置した極めて斬新なものである。
が大きく、高価になるのか?本発明者はその原因につい
て様々に考えた。従来の光送受信モジュールは必ず高価
な光分波器を使っている。光分波器はどうして必要なの
か?それを考えてみた。一本の光ファイバで双方向通信
を実現するためには光を行きと帰りに分けなければなら
ない。行きの光は発光素子から出て帰りの光は受光素子
で検出されるが発光素子と受光素子は異なる光路になけ
ればならない。そのために従来の光送受信モジュールで
は光分波器が必須であったのである。
おいても、図3の多層膜ミラーでも、光強度は半分に若
しくは予め設計した値の分岐比に下がってしまう。レー
ザから光ファイバに入る光の量の比と、光ファイバから
出て受光素子に入る量の比は相補的である。つまりレー
ザの結合効率Tを上げるとフォトダイオードの受光効率
Rが下がる。分岐を使うのでその幾何学的な制約から最
良の場合でもT+R=1である。無損失であってもこの
ようなサムルールがある。例えばT=0.5、R=0.
5である。これは一波長を使う系である限り不可避の難
点であった。
る場合について話しを進める。なに故に光ファイバ光分
波器、ミラー光分波器を使うか?というと発光素子と受
光素子の光路をはっきりと区別したいからである。図1
〜図3の光分波器を使えば確かに光路は明確に二分され
る。送信光、受信光は流れの方向が異なる光なのである
から光路を二分しなければならないのは当然のように思
える。
はいけない。わざわざ分岐を使ってまで光路を二分する
必要が本当にあるのであろうか?同時的に送受信するな
らそれも必要であるかも知れない。しかしここではピン
ポン伝送に限定する。ピンポン伝送であれば送受信の時
刻が相違する。送受信が同時的でない。送信時にはレー
ザが光り、受信時にはフォトダイオードだけが動作すれ
ば良い。
ン伝送の場合必須でないということに気づいた。一本の
光路の上にフォトダイオードとレーザダイオードを直列
に置いても、フォトダイオードが幾らかの光を透過する
ものであればレーザの光は光ファイバに到達するはずで
ある。つまり半透過型の受光素子を使えば受光素子や半
導体レーザ、光ファイバなどを直線上に配置することが
できるようになる。このような着想に基づいて本発明が
なされた。つまり本発明は、光伝送路(光ファイバ)、
半透過型受光素子、光ファイバ、発光素子を直列に一本
の光路上に設置したものである。従来のモジュールと違
うところは、非分岐直線型、受光素子半透過型というと
ころにある。
ァイバ62、フォトダイオード64、第2の光ファイバ
65が同一光路上に直列に配置されている。第2の光フ
ァイバ65の他端にはレーザ70が設置されている。先
述のようにフォトダイオード64は、受光層(吸収層)
が薄くて入射光が半分抜けて行くような半透過型フォト
ダイオードである。フォトダイオード64の背後に中継
用の光ファイバ65がありその後ろに半導体レーザ70
がある。光ファイバは曲がることがあるが、実質的に1
本の光ファイバの経路に、フォトダイオード、光ファイ
バ、レーザが直列に並んでいるのである。受信光送信光
の光路の別がなく送信光受信光を分ける分岐はない。半
導体レーザ70からの送信光はファイバどうしをつなぐ
ことによって損失なく入射することができる。半透過型
のフォトダイオード64を用いているので光分波器が不
要になる。高価な光分波器を省略できることの意義は大
きい。図9はもちろん概念図であり実際のモジュールと
するにはその他に具体的な工夫がなされる。
いう基本的な物理現象を素直に利用している。さらにフ
ォトダイオードとは全ての光を吸収し、できるだけ10
0%に近い感度を得るものがよいという従来の発想を覆
している。そうではなくて、本発明は、入射光の半分だ
けを吸収して光電気変換し、残りの半分は透過させると
いう全く新規なフォトダイオードを使っている。これが
無分岐の直線光路モジュールを可能にした。従来の双方
向モジュールは受光素子発光素子の光路を別異にしなく
てはならないという牢固な先入観に捕らわれていたので
無理に光路をねじ曲げる光分波器を使っていた。本発明
はそうでなく直線光路に受光素子発光素子を並べ分岐が
無い。分岐がないので光分波器がいらない。
ードを光ファイバの軸延長線上に並べるので、つぎのよ
うな効果がある。一つは光カップラ(光分波器)が不要
だということである。もう一つは全ての部品を一つのパ
ッケージに収容できるからモジュールの全体を小型化で
きる、ということである。さらに部品点数が少ないので
安価なモジュールになる。光通信を広く普及させるには
機器が安価であることが最も重要である。本発明はその
ような要請に合致する。
標準品の半導体レーザと組み合わせて容易にピンポン伝
送の光送受信モジュールを構成できる。さらに受信部と
送信部が光ファイバによって隔たっているから、受信部
分と送信部分をボード上に自由に配置することができ
る。
例は、マウント66の上に、光ファイバ62、半透過型
フォトダイオード64、光ファイバ65を直列に並べて
いる。マウント66にPD64、光ファイバ62、65
が固定され相対位置が決まる。第2の光ファイバ65の
終端に半導体レーザ70を設けることもできる。ここで
は半導体レーザ70の光を導く光ファイバ67を、第2
の光ファイバ65に接続点71において融着接続してい
る。フォトダイオード64は、半透過型のものであっ
て、InP基板の上に、薄い活性層(光吸収層、受光層
とも言う)とその他のエピタキシャル成長層を設けたも
のであるが、活性層が薄いので約半分の光が吸収される
だけで残りの光はそのまま透過する。活性層の光吸収係
数をαとすると、xだけ進行した光はexp(−αx)
に減少しているから、これを0.5とする値に厚みを決
めれば半分吸収、半分透過ということになる。0.5=
exp(−0.7)であるから、x=0.7/αとなる
xが半分吸収半分透過を実現する厚みを与える。
g=1.67μm)はα=1μm-1であるからその厚み
をd=0.7μmとすると丁度半分の光を吸収し半分の
光を透過させることができる。例えば光吸収層がInG
aAsPの場合(λg=1.4μm)はα=0.7μm
-1であるから、厚みd=1μmとすると、半分吸収半分
透過ということになる。しかし厳密に半分透過し半分吸
収しなければいけないというものではない。レーザのパ
ワーにより透過の比率を高めた方が良い場合もあるし、
吸収比率を高めた方が良いという場合もある。受信光は
第1光ファイバ62を右に進行し半透過型PD64に入
りここで感受される。受信光の残り半分は透過しさらに
進行してレーザ70に入ってしまう。
は、レーザは休止しているから透過光によりレーザに不
都合はおこらない。送信時はレーザ70から送信光がで
て光ファイバ67、65を左向きに進行する。これがP
D64で半分吸収されるが受信時でないからこれは感受
されない。半分の透過光が光ファイバ62を通って局側
へと進行する。ピンポン伝送であって送信受信の時刻が
異なるからレーザ光がPDで半分吸収されても差し支え
ないのである。
10の実施例は、受光素子の光電流信号を増幅する増幅
器(例えばSiのIC)72を同じマウント66に設け
ている。同じマウントにあり短いワイヤで増幅器と受光
素子の電極が接続されている。ために浮遊容量が小さ
く、ノイズを受け難く高感度の受信機を作ることができ
る。このように同じモジュールに増幅器を組み込んだも
のをPIN−AMPという。増幅器を受光素子の間近に
設けるとこれで増幅されインピーダンスが下がるので、
その後は多少配線が長くなってもノイズが入らない。た
めに受信回路のその他の構成部品について配置の自由度
が高まる。増幅器72と受光素子64、電源との接続の
態様は目的によってさまざまである。図10(b)に一
般的な回路例を示す。これは電源VPDにPD64のカソ
ードをつなぎ、アノードを増幅器の入力につないだもの
である。微弱な光電流を増幅器によって増幅できる。
1(a)、(b)の実施例は、V溝73を切ったSi基
板74をマウントとして使っている。図11(a)は平
面図、図11(b)は側面図である。一直線状にV溝7
3が切り込まれこれに半透過型のPD64と、第1光フ
ァイバ62、第2光ファイバ65を固定している。2本
の光ファイバをV溝に入れて固定するので光ファイバの
光軸が合致しやすい。V溝が光ファイバのガイドとなっ
ているのである。
填する)]図12の実施例もSi基板74をマウントと
している。V溝73を切ってガイドとする点も同じであ
る。さらにこれは光ファイバ62、65とPD64の間
の空隙部に透光性(波長λに対して透明な)樹脂75を
充填している。屈折率は光ファイバコアとほぼ同じもの
とする。光ファイバ端面やPD端面での光の反射を減ら
し光ファイバ62、65とPD64の端面が衝突して傷
が付くのを防止することができる。勿論この樹脂75を
ファイバの固定に使うこともできる。
型)]シングルモードファイバはコア系が10μm程度
しかなくて軸合わせが難しい。軸合わせを容易にするた
めには、予め1本の光ファイバを基板に固定し中間部を
削り取りそこにPDを挿入固着するという組立法が有効
である。図13によってこれを説明する。図13(a)
に示すようにSi基板74に連続した直線状のV溝73
を切る。そこに光ファイバ76を埋め込み樹脂などで固
定する。直線の溝73に固定したのであるから光ファイ
バも直線のままに固定される。つぎにSi基板74の中
央部を光ファイバに直交する方向に平坦に抉り溝を作
る。図13(b)はこれを示す。溝の深さはV溝の深さ
以上とする。基板上V溝に直交する平坦なPD挿入溝7
7ができる。PD挿入溝77を切ることによって同時に
光ファイバ76も左右に切断される。左が第1光ファイ
バ62になり、右が第2光ファイバ65となる。
4を挿入し固定する。図13(c)の状態である。もと
もと1本の光ファイバ76が左右に切断されたのである
から軸心の方向は初めから合致している。レーザ70か
らでた送信光は光ファイバ65からPD64を通り光フ
ァイバ62に入る。この方法は図11のようにPDを固
定してから光ファイバ62、65をV溝に入れて固定す
る方法よりも光ファイバ62、65間の光軸のずれが少
ない。だから送信光がより低損失になるという長所があ
る。
ナ型:図14)]本発明は半透過型のPDを用いる。半
透過型PDは本発明者が初めて提案したものである。本
発明ではPD自体が対象ではないが半透過型PDが必須
の要件であるからその構造を説明する。通常のPDと異
なり一部の光を透過する。分配比率は任意であるが、例
えば約半分の光を吸収し検出し、残り約半分の光を透過
する。だからPDの表面裏面とも電極によって塞がれて
いない。受光層が極めて薄いなどの特徴がある。従来の
PDはInGaAs受光層の場合でもInGaAsP受
光層の場合でも受光層厚みは4μm〜6μmもある。と
ころが本発明のPDはInGaAs受光層の場合厚みは
約0.7μmである。InGaAsP受光層の場合厚み
は約1.0μmである。
Dを説明する。図14(A)は断面図、(B)は平面図
である。1.0μm〜1.6μmに感度をもつInGa
AsPDの例である。n−InP基板90の上に、n−
InPバッファ層91、n−InGaAs受光層92、
n−InP窓層93がこの順にエピタキシャル成長して
いる。基板は厚み300μmの硫黄Sドープのn−In
Pウエハ−である。キャリヤ濃度はn=5×1018cm
-3である。n−InPバッファ層91の厚みは2.5μ
mである。InGaAs受光層92は0.7μmの厚み
しかない。InGaAs層のキャリヤ濃度はn=1×1
015cm-3である。InP窓層の厚みは1.5μmであ
り、キャリヤ濃度はn=2〜3×1015cm-3である。
エピタキシャル成長は、塩化物を用いたクロライド気相
成長法(C−VPE)あるいは有機金属MO−CVD法
などによる。
iNx膜をマスクとして使った亜鉛選択拡散法によって
形成される。窓層93の中央部と受光層92の中央部の
一部がp型になる。n型部とp型部の境界にpn接合が
できる。InGaAs受光層92の上はp型、下はn型
でpn接合がその中に存在する。p型領域94の上面に
はリング上のp電極95が設けられる。たとえば、Au
Zn合金のp電極である。リングp電極95の内側は光
が入射すべき領域である。ここには反射防止膜96が形
成される。リングp電極95の外側はパッシベーション
膜97が被覆している。パッシベーション膜97は窓層
97とpn接合の端を覆いこれを保護する。
の厚みがあるが、裏面を研磨し100μmの厚さにす
る。これは光ファイバ62、65間の距離をできるだけ
短くし結合ロスを少なくするためである。研磨技術の限
界、そのあとの取扱い技術の限界から50μm程度が薄
層化の限界である。薄層化したInP基板の裏面には、
全面にではなく、外郭部のみにリング状のn電極98が
形成される。例えばAuGeNi合金の電極である。リ
ングn電極98によって囲まれる部分は、反射防止膜9
9によって覆われる。これはSiONのλ/4(λ=
1.3μm)の厚みの膜である。この受光素子において
は、p電極95、n電極98いずれもが中央部の開口し
た電極である。上部(表面)から入った入射光のほぼ5
0%が下側の開口から出て行く。
表面からの入射光の約半分が裏面から出て行く。そのよ
うになるのは二つの条件がある。ひとつは、p電極n電
極ともに中央部が開いており例えばリング状であるから
である。もう一つは受光層の厚みがその光を半分吸収す
る厚みにしてあるからである。半導体や絶縁体にはバン
ドギャップがある。バンドギャップに対応する波長より
も長い波長の光は透過するが、バンドギャップ波長より
短い波長の光は吸収される。InPはバンドギャップが
広く1.0〜1.6μmの光は透過する。エピタキシャ
ル層のうち最も狭いバンドギャップを持つのが受光層で
ある。だから受光層厚みによって吸収が決まる。
透過光強度はexp(−αx)に減っている。図15は
InGaAs厚みと透過率の関係を示すグラフである。
横軸は厚み、縦軸は透過率(%)である。光の透過率T
=exp(−αx)である。exp(−αx)=0.5
となる深さxで透過光強度が半分になる。こうなるxに
受光層厚みを決めると受光層は光を半分吸収することに
なる。exp(−0.7)=0.5である。d=0.7
/αとなる厚みdが半分透過、半分吸収を実現する。I
nGaAsの場合α=1μm-1であるから、受光層厚み
を0.7μmとすると丁度半分透過し半分は吸収するも
のが得られる。InGaAsPはα=0.7μm-1であ
るから、d=1.0μmとすると半分透過、半分吸収の
ものが得られる。
型:図16)]本発明はもちろんメサ型の受光素子にも
適用できる。図16はメサ型の半透過型PDを示す。図
16(A)は断面図、(B)は平面図である。n型In
P基板100の上に、n型InPバッファ層101、n
型InGaAs受光層102、p+ 型InP窓層103
がエピタキシャル成長している。Zn拡散によるのでは
なくてはじめからp+ 型InP窓層を成長させる。p+
型InP窓層のキャリヤ濃度はp=1〜5×1018cm
-3である。n型InGaAs受光層102の厚みは0.
7μmである。
01の周囲をエッチングによって除く。台形の形状をし
ているのでメサ型という。露呈した斜面はSiNxのパ
ッシベーション膜106によって覆う。InP基板は初
め300μmの厚みであるがこの場合も裏面研磨して1
00μmの厚みに減らしている。p+ 型窓層103の上
にはリング状のp電極104が取り付けられる。中央部
は反射防止膜105によって覆われる。InP基板の裏
面にはリング状のn電極109が取り付けられる。中央
部は同じく反射防止膜110によって被覆される。これ
も1.3μm光に対する透過率は50%であった。
ヤに固定:図17)]先述のプレーナ型半透過型PDを
用いた実施例を図17に示す。
はアルミナ製で、隆起した左台部122、右台部123
をもつ。PDキャリヤ121の中央部は凹部124があ
る。つまり左右台部122、123は一部でつながって
いるが中央部の上半は開口部(縦300μm×幅300
μm)124になっているのである。左前端面125と
左台部122には電極パターン127が印刷される。右
前端面126と右台部123には電極パターン128が
形成される。受光径200μmの半透過型PDチップ1
20をアルミナ製PDキャリヤ121の前端面125、
126にSnPb半田によってボンディングしている。
底面の電極は左電極パターン127に直接に接合してい
る。右前端面126には、電極パターン128とは別の
孤立したメタライズパターン(図17には現れない)が
あってPDの底面電極を半田付けできるようになってい
る。PDのp電極は20μmφのAuワイヤ129によ
って右側の電極パターン128に接続される。
角型Si基板130を用意する。角型のSi基板130
にダイシングソーによってファイバ固定用のV溝13
1、133を一直線状に切り込む。V溝内にコア径10
μm、クラッド径125μmφのシングルモードファイ
バ(SMF)135、136を接着剤によって固定す
る。次に、V溝に直角になるようにPDキャリヤ溝13
2をエッチングによって形成する。PDキャリヤ溝13
2は縦1mm×横3mm×深さ0.5mmである。これ
によってV溝は前後の二つの部分133、131に分離
する。光ファイバも二つの部分135、136に分離す
る。しかし、光ファイバの軸線は合致している。
キャリヤ121を、このPDキャリヤ溝132にはめ込
んで接着剤によって固定する。PDの受光面の前後に光
ファイバ135、136の端面が対向するようになる。
その後ファイバ(SMF)とPD表裏面の間に透光性
(透明)樹脂例えばシリコン系接着剤を充填する。これ
は空隙を無くして光ファイバやPDの端面での光の反射
を防ぐためである。Si基板に載せるものはPDだけで
も良いが、PD120の他に増幅器(AMP)を載せる
ようにしても良い。その場合はPDの光電流を直ちに増
幅する事ができる。一方の光ファイバは外部に光ファイ
バにつながり、他方の光ファイバは半導体レーザにつな
がるようにする。全体として光送受信モジュールとな
る。この部分だけであると光受信モジュールである。
って置き換える事ができる。初めにSi基板130の上
にV溝131を直線状に形成する。ついで中央部に、P
Dキャリヤ溝132をV溝131に直交するようにエッ
チングによって穿つ。PDキャリヤ溝132に、予めP
D120を取り付けたPDキャリヤ121をはめこんで
固定する。つぎにPDキャリヤ121の左右からV溝1
33、131にシングルモードファイバ135、136
を軽く押しつける。さらにPD120と、光ファイバ1
35、136の端面の間にシリコン系などの透光性樹脂
を充填する。さらにエポキシ系樹脂によって2本の光フ
ァイバ135、136をV溝133、131に固定す
る。この場合もPD単独でもよいし、さらにAMPをS
i基板に載せるようにしても良い。以下の実施例ではこ
の(3)の方法によって製作したものについて説明す
る。
127、128と基板130上の電極パターン(図示し
ない)を金線によって接続した。ついでSi基板130
をパッケージ140に収容した。外部に出ているリード
ピン141、142、143、144などとSi基板1
30の電極パターンとをAu線でつないだ。パッケージ
に金属製のキャップをかぶせた。こうして両側に光ファ
イバを持った図18(A)、(B)のような状態にな
る。中間部に本発明の光受信モジュール150がある。
両側に光ファイバ(SMF)153、154が延びてい
る。それぞれ長さは50cmである。両側にFCコネク
タ(光コネクタ)151、152が取り付けられてい
る。図18(A)の場合は同等の光コネクタ151、1
52を繋ぐが、図18(B)の場合は、一方にはLDモ
ジュール155がつながれる。PDモジュール150と
LDモジュール155が結合され光送受信モジュールと
なる。
0に搭載した時のデータを述べる。レーザLDの1.3
μm光を図18(A)の左側の光コネクタ151からP
Dモジュール150のPDに入射させる。PDには5V
の逆バイアスを掛けている。感度は0.45A/Wであ
った。100%光を吸収する従来のPDの場合最良の感
度は0.95A/Wである。本発明のPDは大体この半
分の感度である。吸収が半分になるように設定したので
あるから理論通りである。光コネクタによる吸収損失な
ども僅かに含まれるから半分より少し小さくなってい
る。また右側の光コネクタ152から1.3μm光を入
射させ、左側の光コネクタ151から出る光の強度を測
定する事によって透過率を求めた。その結果透過率は4
5%である事が分かった。以上の計測によって受光モジ
ュール150は、入射光をほぼ1:1に分け、半分を吸
収し、半分を透過している事が分かる。
0に収容したものについて実験した。AMPはSi−I
Cである。電源電圧は3.3Vである。右側のLDモジ
ュール155から1.3μmのパルス光を送り、左から
も1.3μmのパルス信号光を送るようにし50Mbp
sの速さのピンポン伝送の実験を行った。その結果図1
9(A)に示すような光ファイバ式のカップラを用いた
従来例にかかる光送受信モジュールと同じ伝送特性が得
られる事が分かった。
の構成を示す。図19(B)は本発明の光送受信モジュ
ールを示す。ピンポン伝送であるから一つの波長の光だ
けを用いる。たとえば1.3μmを送受信に使うことが
できる。両者を比較すれば(B)の方が著しく単純化さ
れている。本発明の卓越性、有用性が明らかになろう。
が1本のファイバ内に留まる。ために光カップラが不要
である。逆に光ファイバの曲げ易さを利用すれば、PD
モジュールとLDモジュールを自由に配置することがで
きる。受信信号が非常に微弱で送信信号のためのドライ
ブ信号が大電流で送信側から受信側へノイズが入りやす
いのであるが、本発明はPDモジュールとLDモジュー
ルを切り放しているからノイズ混入の心配がない。また
熱的にも切り放されている。新たにカップラを入手した
りカップラと一体化したようなモジュールを作ることな
く、LDモジュールさえあれば、本発明の受光素子モジ
ュールと組み合わせてピンポン伝送型の光送受信モジュ
ールを構成する事ができる。
そのままにして、新たに受信部だけを追加できるという
利点もある。以上のように、本発明は、いままでにな
い、安価で便利な受信モジュール、或いは送受信モジュ
ールを与えることができる。
ル;図20のPD)]以上の説明はピンポン伝送に関す
る改良であるが、本発明は同時双方向光送受信モジュー
ルにも適用する事ができる。異なる二波長の光を送信と
受信に分けて使う。この場合、半透過型PDの「半透過
型」という意味がこれまでと異なる。これまでは一波長
の光を送信にも受信にも使っていたのでこれを半分吸
収、半分透過するものが半透過型であった。ここでは受
信光λ1 を完全に吸収し、送信光を全部透過することを
半透過型と呼ぶのである。
〜4μmのInGaAsP系(λg=1.4μm)を用
いる。この受光層はλgが1.4μmであるから、1.
3μmを吸収し、1.55μmは全く吸収しない。図2
0にそのようなフォトダイオード164の構造を示す。
InGaAsP受光層(1.4μm)172が用いら
れ、p電極174もn電極177もリング状の電極であ
る。InGaAsP受光層は厚みが3μm〜4μmであ
るから、1.3μmはほぼ完全に吸収する。図21はそ
のようなPDの光透過率を表す。1.3μmは通さず、
1.55μmは透過する。だからこれは1.3μm帯選
択PDということができる。図22は1.3μm帯選択
PDの受光感度特性を示すグラフである。
1、図12、図13(c)のPDとして用いれば、同時
双方向通信用の光送受信モジュールとすることができ
る。半導体レーザは送信光として1.55μmを発す
る。これがPDをそのまま通過して光ファイバを通じて
局側へ送信される。局側からの光は1.3μm光であ
る。これが光ファイバから1.3μm帯選択PDに入る
が、全部吸収されるので半導体レーザまでは至らない。
2種類の波長1.3μm、1.55μmをそれぞれ受
信、送信に使うので同時双方向通信することができる。
す。図23(A)は、光ファイバを融着した波長選択カ
ップラとLD/PDを組み合わせた従来型の波長多重光
送受信モジュールである。図23(B)は本発明の1.
3μm吸収1.55μm透過のPDモジュールと、1.
55μmのLDモジュールを組み合わせた実施例であ
る。両方のモジュールにおいて、155Mbpsの伝送
速度で、同時双方向通信の特性を評価したが、両者に差
は無かった。
ファイバは一直線上に配置される構造であるのでカップ
ラや波長分波器が不要である。シングルモードファイバ
に結合でき部品点数がより少ない光受信モジュールを提
供できる。 (2)波長分波器不要で構造簡単であるから、小型で低
価額の光受信モジュールを提供することができる。 (3)基板にV溝を切って光ファイバを固定するので、
調芯箇所が少なく組み立てコストを低減することができ
る。 (4)受信モジュールの改良であるから、光ファイバの
あとにLDモジュールを接続することによって容易に光
送受信モジュールとすることができる。 (5)一波長を使うピンポン伝送だけでなくて、2波長
を使う同時双方向光通信にも本発明を利用する事ができ
る。その場合にも波長分波器が不要で構造簡単である。
信モジュールの構成例図。
ルの構成図。(a)は光送受信モジュール全体の構成
図、(b)は電気回路図。
成図。(a)が平面図、(b)が端面図である。
本発明の他の実施例に係る光受信モジュールの構成図。
製する手順を説明する為の図。(a)は基板にV溝を切
ったものを示す。(b)は基板の上にV溝に直交するP
D挿入溝を切ったものを示す。(c)はPD挿入溝にP
Dを固定したものを示す。
断面図と平面図。(a)が断面図、(b)が平面図であ
る。
光層の厚みと透過率の関係を示すグラフ。
図と平面図。(a)が断面図、(b)が平面図である。
Si基板の加工、PDの取り付けなどの工程を示す斜視
図。(a)はSi基板の加工を示す。(b)はPDをキ
ャリヤに取り付けた状態を示す斜視図。(c)はV溝に
光ファイバを固定した状態を示す図。(d)はPDキャ
リヤ溝にPDキャリヤを取り付けた状態を示す図。
両側に光コネクタ、レーザモジュールなどを接続した本
発明の光送受信モジュールの実施例を示す斜視図。
構成図。(A)が従来例の光送受信モジュールを、
(B)が本発明の光送受信モジュールを示す。
PDモジュールに使われるPDの断面図。
ル層の光透過特性を示すグラフ。
フ。
送受信モジュールの比較構成図。(A)が従来例の光送
受信モジュールを、(B)が本発明の光送受信モジュー
ルを示す。
Claims (8)
- 【請求項1】 同一波長の光を送信と受信の両方に利用
する光通信に用いられ、外部の光通信伝送路に接続され
被覆を有する第1光ファイバと、終端部に光コネクタあ
るいは送信部を設けた被覆を有する第2光ファイバと、
前記同一波長の送信光、受信光の一部を吸収し残りを透
過する半透過型受光素子と、第1光ファイバの被覆を除
去した終端部と半透過型受光素子と第2光ファイバの被
覆を除去した始端部を直線上に保持するマウントと、第
1光ファイバの終端と半透過型受光素子の接続部分、半
透過型受光素子、半透過型受光素子と第2光ファイバの
始端の接続部分を包囲するパッケージとよりなり、第2
光ファイバの被覆部はパッケージの外側へ延びているこ
とを特徴とする光受信モジュール。 - 【請求項2】 受光素子がInGaAs受光層をもちI
nGaAs(λg=1.67μm)受光層の厚みが約
0.7μmである事を特徴とする請求項1の光受信モジ
ュール。 - 【請求項3】 受光素子がInGaAsP受光層をもち
InGaAsP(λg=1.4μm)の厚みが約1μm
である事を特徴とする請求項1の光受信モジュール。 - 【請求項4】 λ1<λ2であって、λ1の波長を受信
に、λ2の波長を送信に利用する光通信に用いられ、外
部の光通信伝送路に接続され被覆を有する第1光ファイ
バと、終端部に光コネクタあるいは送信部を設けた被覆
を有する第2光ファイバと、λ1の受信光を吸収しλ2
の送信光を透過する半透過型受光素子と、第1光ファイ
バの被覆を除去した終端部と半透過型受光素子と第2光
ファイバの被覆を除去した始端部を直線上に保持するマ
ウントと、第1光ファイバの終端と半透過型受光素子の
接続部分、半透過型受光素子、半透過型受光素子と第2
光ファイバの始端の接続部分を包囲するパッケージとよ
りなり、第2光ファイバの被覆部はパッケージの外側へ
延びていることを特徴とする光受信モジュール。 - 【請求項5】 受光素子に近接する位置に増幅器を配置
してなる事を特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の
光受信モジュール。 - 【請求項6】 マウントがV溝を有するSi基板であっ
て、光ファイバがSi基板のV溝に固定されていること
を特徴とする請求項1、2又は3に記載の光受信モジュ
ール。 - 【請求項7】 光ファイバと受光素子の間に、透光性の
樹脂が充填されていることを特徴とする請求項1〜6の
いずれかに記載の光受信モジュール。 - 【請求項8】 同一波長の光を送信と受信の両方に利用
する光通信に用いられ、外部の光通信伝送路に接続され
被覆を有する第1光ファイバと、終端部に受信光と同じ
波長で発光する半導体レーザとこれを囲む送信部用パッ
ケージを含む送信部を設けた被覆を有する第2光ファイ
バと、前記同一波長の送信光、受信光の一部を吸収し残
りを透過する半透過型受光素子と、第1光ファイバの被
覆を除去した終端部と半透過型受光素子と第2光ファイ
バの被覆を除去した始端部を直線上に保持するマウント
と、第1光ファイバの終端と半透過型受光素子の接続部
分、半透過型受光素子、半透過型受光素子と第2光ファ
イバの始端の接続部分を包囲する受信部用パッケージと
よりなり、第2光ファイバの被覆部は受信部用パッケー
ジの外側へ延びていることを特徴とする光受信モジュー
ル。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP04894498A JP3348644B2 (ja) | 1998-02-12 | 1998-02-12 | 光受信モジュールと光送受信モジュール |
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JPH11231176A JPH11231176A (ja) | 1999-08-27 |
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- 1998-02-12 JP JP04894498A patent/JP3348644B2/ja not_active Expired - Fee Related
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