JPH11204823A - 光受信モジュ−ルおよび光送受信モジュ−ル - Google Patents

光受信モジュ−ルおよび光送受信モジュ−ル

Info

Publication number
JPH11204823A
JPH11204823A JP10017775A JP1777598A JPH11204823A JP H11204823 A JPH11204823 A JP H11204823A JP 10017775 A JP10017775 A JP 10017775A JP 1777598 A JP1777598 A JP 1777598A JP H11204823 A JPH11204823 A JP H11204823A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
optical
module
light receiving
optical fiber
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10017775A
Other languages
English (en)
Inventor
Miki Kuhara
美樹 工原
Mitsuaki Nishie
光昭 西江
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Electric Industries Ltd filed Critical Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority to JP10017775A priority Critical patent/JPH11204823A/ja
Publication of JPH11204823A publication Critical patent/JPH11204823A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Optical Communication System (AREA)
  • Optical Couplings Of Light Guides (AREA)
  • Light Receiving Elements (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 光分波器を不要とし構造が簡単で低コストの
光受信モジュールを提供すること。 【解決手段】 表面と裏面に透過窓を有するパッケージ
の中に、半透過型PDと増幅器とをそなえ、一方の透過
窓から入った光の一部が半透過型PDを通過して他方の
透過窓へと出るようにしてある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は光双方向通信に用
いられる光受信モジュール及び光送受信モジュールの改
良に関する。特に光を分岐する光分波器を不要とした光
受信モジュールを与える事を目的とする。
【0002】
【従来の技術】光ファイバの伝送損失が低下し、半導体
レ−ザ(LD)や半導体受光素子(PD)の特性が向上
したことによって、光を、特に1.3μmや1.55μ
mの波長の光を用いた光信号による(電話、ファクシミ
リ、テレビ画像など)通信が盛んになりつつある。これ
を一般に光通信という。なかでも最近は一本の光ファイ
バによって双方向に信号を同時にやり取りするシステム
が検討されている。この方式の利点は光ファイバが一本
で済むことである。図1はこのような方式のうち、一波
長(λ)による双方向通信の原理図である。このシステ
ムは局側、加入者側に光分波器2、4が必要である。局
側では電話やファクシミリの信号をデジタル信号あるい
はアナログ信号として増幅した後、半導体レ−ザLD1
を駆動し、波長λの光の強弱の信号として、光ファイバ
1に送り込む。
【0003】光信号は光分波器2によって光ファイバ3
に入る。この下り信号はファイバの中を伝搬して加入者
側へと分配される。光ファイバ3は加入者である各家
庭、オフィス、工場等に張り巡らされている。このよう
に局側から、加入者側に信号が送られる方向を下り系と
呼ぶ。加入者側では、光分波器4によって下り信号を光
ファイバ5に取りだし受光素子PD2により受信する。
PD2は受信した光信号を電気信号に変え増幅し、信号
処理を施し、電話の音声や、FAX信号として再生す
る。これは下り系の話しである。
【0004】上り系について述べる。加入者側は、電話
の音声信号やファクシミリの画像信号を局側に向けて送
信する。波長λの光を出す半導体レ−ザLD2を電話信
号やFAX信号によって変調し、光ファイバ6、光分波
器4、光ファイバ3を通して局側へ光信号として伝送す
る。局側は、この光信号を光分波器2によって光ファイ
バ7に取りだしPD1によって受信する。これを電気信
号に変えて交換器や信号処理回路に送り込む。このよう
に加入者側から局側へ信号を送る方向を上り系と呼ぶ。
一つの波長の光を使っているのでは、上り、下りの信号
伝送を同時にすることができない。そこで上り下りの信
号を異なる時刻に交互に伝送する。このような時分割の
伝送をピンポン伝送と呼ぶ。
【0005】このように、1本の光ファイバを使って、
一つの波長の光を用いて、双方向通信するには、局側、
加入者側のどちらにも光路を分離するための機能素子が
必要である。図1では光分波器2、4が光路分離の役割
を果たす。光分波器は波長λの光を一本の光ファイバに
まとめて導入することができる。反対に1本の光ファイ
バを伝搬する波長λの光を異なる2本の光ファイバに分
配することも可能である。1本の光ファイバを使う双方
向通信にはこのように光分波器が不可欠であった。しか
し光分波器に重大な問題がある。
【0006】光分波器としていくつかの種類のものが提
案されている。2本の光ファイバを用いたもの、光導波
路を用いたもの、多層膜ミラーを用いたものなどがあ
る。図2に示すものは光ファイバ又は光導波路型のもの
である。2本の光の導波部分を接近させエバネッセント
結合させ、エネルギーの交換を可能にする。結合部の距
離Dと長さLとを適当に選ぶことによって、光の分波・
合波機能を賦与することができる。図2では光ファイバ
8に入れた光が、光ファイバ11にP3となって出てく
る。但し約半分の光は光ファイバ12の方に移るので利
用されない。逆に光ファイバ11から光P4を入れると
これが半分ずつに分配されてファイバ8、ファイバ9に
出て行く。
【0007】このような光分波器は局側の光分波器に
も、加入者側の光分波器にも同様に利用できる。図3の
光分波器は二等辺三角柱ガラスブロックの対角面に誘電
体多層膜を蒸着し、もう一つ同等のガラスブロックを貼
り付けて正四角柱にしたものである。誘電体多層膜が干
渉フィルタになるので、貼り合わせ面に対して45度の
角度をなす光が入射すると約半分の光が反射し残りの半
分は透過するようになっている。このような光分波機能
は誘電体膜の厚み、屈折率を適当に選ぶことによって実
現することができる。その他にもいくつかの光分波器が
提案されている。
【0008】このように光をある強度比(例えば1:
1)にし異なる経路に分けてしまう素子は、光分波器、
分波・合波器と呼ばれる。光ファイバやガラスブロック
を用いたものは既に市販されている。以上の素子の機能
について強調すべきことは何れにおいても、約半分の光
量が無駄になるということである。これは一波長である
ことと、光の可逆性からやむを得ないことである。
【0009】図4は従来例に係る加入者側の光送受信モ
ジュールの構成例を示す概略図である。局側につながる
光ファイバ16の終端は光コネクタ17によって屋内の
光ファイバ18に接続される。これを光ファイバ型の光
分波器21によって上り光と下り光とに分離する。既に
述べたように二つの光ファイバの近接部20の近接長さ
によって1:1に光を分ける機能を与えることができ
る。光ファイバ18に半導体レ−ザ(LD)の上りの光
を入れ、光ファイバ19の側より下りの光を取り出し、
フォトダイオードモジュール27によって受信するよう
にしている。
【0010】光ファイバ18は光コネクタ22によって
LDモジュール25に接続される。LDモジュール25
は加入者側からのデジタル信号を光信号に変換し局に向
けて送信する為のものである。分波器の光ファイバ21
につながる光ファイバ19は光コネクタ23によって、
PDモジュール27に接続される。これは局側からの光
信号を電気信号に変換し、加入者側で受信するためのも
のである。その他にビームスプリッタと呼ばれる光分波
器を用いた例もある。例えばEP463214−B1な
どに記載されたシステムなどである。
【0011】図5は従来例に係る半導体発光素子モジュ
ール28の断面図である。ケースの中に半導体レ−ザチ
ップ29とこれの出力をモニタするためのフォトダイオ
ード30を備える。半導体レ−ザ29はサブマウントを
介してヘッダ32のポール31に取り付けられる。ヘッ
ダ32の上面にはフォトダイオード30が固定される。
ヘッダ32の底部からはリードピン33が複数本伸びて
いる。通し穴35を有する円筒形のキャップ34が半導
体レ−ザ29、フォトダイオード30を囲むように、ヘ
ッダ32に溶接される。ワイヤによってリードピンとL
Dチップ29、PD30の電極が外部回路と接続される
ようになっている。
【0012】ヘッダ32の上にはさらに円筒形のレンズ
ホルダ−36がある。レンズホルダ−36は中央の穴に
集光レンズ37を有する。レンズホルダ−36の上には
さらに円錐系のハウジング38が溶接される。ハウジン
グ38にはフェルール39とフェルール39によって先
端が固定された光ファイバ40が取り付けられる。半導
体レ−ザ29、レンズ37、光ファイバ40などを調芯
して、レンズホルダ−36、ハウジング38をそれぞれ
固着する。レンズは集光性を高めてレ−ザと光ファイバ
の結合効率を高める。モニタ用フォトダイオードによっ
て半導体レ−ザの後方からでる光をモニタして、フィー
ドバック回路によって駆動電流を制御するこれによって
温度変動があっても半導体レ−ザの出力を一定に保つこ
とができる。
【0013】本発明は、フォトダイオードの構造に関す
る。それ故従来例に係かる受光素子モジュールについて
説明する。図6は従来例に係る受光素子モジュールの断
面図である。PDチップ41が円盤状のヘッダ42の上
に固定されている。ヘッダ42は複数のリードピン43
を有する。レンズホルダ−46が集光レンズ47を保持
している。ハウジング48がレンズホルダ−46の上部
に溶接してある。ハウジング48には光ファイバ50の
先端を挟持したフェルール49が差し込まれている。端
面反射光がレ−ザに戻らない様に光ファイバ50の端面
は斜めに切断してある。光ファイバ50から出た光はレ
ンズによって集光されて受光素子41に入射する。受光
素子(PD)としては、1.3μm光や1.55μm光
を受光するには、InPを基板として、InGaAsや
InGaAsPを受光層とするPDが用いられる。先に
述べたように本発明は受光素子の構造にも関係するとこ
ろが多いので従来の受光素子の構造についてもさらに詳
しく説明する必要がある。
【0014】図7は従来例に係る半導体受光素子チップ
の断面図である。n−InP基板52の上に、n−In
Pバッファ層53、n−InGaAs受光層54、n−
InP窓層55がエピタキシャル成長している。n−I
nP窓層55、InGaAsに受光層54の中央部は亜
鉛拡散領域56(p型領域)になっている。このp型領
域の上にリング状のp電極57が作製されている。また
n−InP基板52の上にn電極61が形成される。p
電極57によって囲まれる領域は反射防止膜58が被覆
してある。またp電極57の外側はパッシベーション膜
59によって保護される。反射防止膜58があるInP
窓層の側より信号光が入射し、InGaAs光吸収層
(受光層)54で吸収され電気信号に変換される。
【0015】図8はこのような受光素子の感度特性を示
すグラフである。横軸は波長(μm)であって、縦軸は
感度(A/W)である。感度は立ち上がり部P、平坦部
Q、立ち下がり部Rを含む。高い感度を示す波長範囲は
この例では1.0μm〜1.6μmに渡っている。高感
度の波長範囲は光吸収層(受光層)と窓層の材料によっ
て決まる。受光層のバンドギャップと窓層のバンドギャ
ップの間にエネルギーを持つ光だけが吸収され検出され
る。この場合は、InP窓層とInGaAs受光層54
の材料特性によって決まる。このように広い感度特性を
持つフォトダイオードが従来の受光素子モジュールに使
われてきた。また光ファイバからでた光はほぼ円形に広
がるので円形の受光面をもつ受光素子が用いられる。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】従来の光分波器、発光
素子、受光素子を組み合わせた光送受信モジュールは図
4で示したように3つの主要部品(発光素子モジュー
ル、受光素子モジュール、WDMモジュール)からなっ
ている。3つの部品を持つので、大型になるし、価格も
高くなる。また分波器や、光ファイバの結合部分などで
光の損失が出るので長距離通信には使い難いという難点
があった。そのために一般家庭への光送受信モジュール
の普及が困難であるという問題があった。
【0017】光分波器を用いない双方向通信用モジュー
ルはいくつか既に提案されている。 (1)特公平7−58806号:これはマルチモード光
ファイバ+面発光LED+受光素子というふうにLE
D、PDの順にならべている。LEDがPDよりずっと
小さいのでPDの受光面の一部がふさがれるだけであ
る。残りの受光面は覆われないので光が入射するように
できる。 (2)特開昭57−172783号:これもマルチモー
ドファイバに近い方から面発光LED、PDと順に並べ
ている。PDの一部に小さいLEDを作製したものであ
る。
【0018】いずれも光ファイバはマルチモード光ファ
イバであり口径が広いし光の広がり角度も広い。出てく
る光の直径は100μm程度もある。これがN.A.
(開口数:コア、クラッド屈折率による)にしたがった
角度で広がるので受光面では大きなビームとなってい
る。(2)の場合小さいレ−ザを大きいPDの中央に付
けても殆どの光はレ−ザの廻りの部分の受光面に入り受
光素子によって感受される。マルチモード光ファイバか
らのビームは広く(200μm〜300μmの直径があ
る)レ−ザは小さいのでレ−ザ以外のPD受光面に入る
成分が十分にある。(1)ではレ−ザによって受信光が
吸収されないようにしている。いずれもマルチモードフ
ァイバを使い広がりの大きいビームを扱うのである。本
発明はシングルモードファイバを使いシングルモード光
を伝搬する。シングルモード光ファイバからの光の広が
りは狭い。従来技術(1)、(2)は本発明の光通信に
は用いることができない。
【0019】光通信に用いられる光ファイバはコア径が
10μmのシングルモードファイバである。マルチモー
ド光ファイバは多数のモードが立つので多くの情報を歪
ませることなく遠くまで伝送できないので遠距離の光通
信には不適である。シングルモードファイバはコア径が
小さいので軸合わせが難しく、レ−ザはファイバのコア
端面近くで位置合わせして固定しなければならない。レ
−ザチップは数百μmの厚みと数百μmの幅を持つか
ら、シングルモードファイバの前にLDを置くと光を全
く遮ってしまう。もしもその後ろにPDを置いても、P
Dには光が入らない。従って(1)や(2)で提案され
ているような構造は簡便であるがシングルモードファイ
バを使う光通信には使えない。シングルモードファイバ
に結合でき部品点数が少なく、小型で低価額の光受信モ
ジュールを提供することが本発明の第1の目的である。
光の損失の少ない光受信モジュールを提供する事が本発
明の第2の目的である。光加入者系の普及実用化に大き
く寄与できる光受信モジュールを提供することが本発明
の第3の目的である。調芯箇所が少なくて組立コストを
節減できる光受信モジュールを提供することが本発明の
第4の目的である。さらに本発明の光受信モジュールを
もちいて低コストの光送受信モジュールを提供する事が
本発明の第5の目的である。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明の光受信モジュー
ルは、一本の光軸にそって受信を行う光受信モジュール
において、光伝送路に近い側からみて、第1の透過窓
と、半透過型受光素子と、第2の透過窓があり、光伝送
路から出射された受信光の一部を受光素子が吸収し電気
信号に変換しこれを増幅し、残りの光は透過するように
したものである。つまり直線光路に挿入できるような光
受信モジュールである。発光素子と組み合わせる場合は
光軸にそって本発明の光受信モジュールの後方に発光素
子を置き発光素子の出す光が受光素子によって一部吸収
され残りが前方の光伝送路に入るようになっている。光
ファイバと組み合わせる場合は本発明の光受信モジュー
ルを対向する2本の光ファイバによって挟むようにすれ
ば良い。半透過型の受光素子を使い光路中に直列に挿入
できるところに長所がある。またモジュールの中に増幅
器を設け受信信号を増幅することができる。
【0021】信号光が一部透過するような特別な受光素
子と増幅器を一体化したものが本発明の受光素子モジュ
ールである。直線の光路に挿入する事ができ分岐を不要
とする。分岐が必要ないのは半透過型の受光素子を使う
からである。受信光と送信光を分岐によって分離しな
い。受信光と送信光は同じ直線上を伝搬する。分岐が不
要で送受信光を分離しないので光分波器は不要でありモ
ジュールの構造は単純化され安価になる。
【0022】本発明は、透過型の受光素子を使うという
点に一つの特徴がある。受光素子自体に著しい特徴があ
る。一部透過一部吸収というようなフォトダイオードを
使うので、フォトダイオードの後ろに発光素子を設ける
ことが可能になる。本発明では、受光素子と増幅器を一
体化させるので、受光素子の直後に発光素子を置く事
も、光ファイバを介して後方に発光素子を設ける事も可
能である。受光素子と増幅器を一体化しパッケージに収
容してあり、そのパッケージは表面と裏面の両方に窓が
あって、第1透過窓−受光素子−第2透過窓−(光ファ
イバ)−発光素子というように直列に部品を並べたこと
が特徴である。
【0023】本発明で用いる受光素子は、一部吸収、一
部透過という極めて特異なものであり、吸収:透過の比
率は有限であれば幾らでも良い。しかし以後簡単のため
吸収と透過が半分ずつとして説明する。従来からフォト
ダイオードは前面入射型(図7のようなもの)と背面入
射型(基板側から入射)がある。従来のフォトダイオー
ドは何れにしても入射側の反対側は電極によって完全に
覆われ光は反対側に洩れないようになっていた。光は全
て受光層で吸収された。そうすることが感度を上げるた
めにも有効だったのである。
【0024】しかし本発明の受光素子はそうではない。
光の半分がそのまま反対側へ透過するような受光素子で
ある。半透過型の受光素子そのものが新規である。本発
明はそれに留まらず、半透過型受光素子と増幅器を一体
化してパッケージに収容したものである。後方に直接或
いは光ファイバを介して発光素子を設けることができ
る。直列に受光素子と発光素子を設置できるから受信光
と送信光について光路を分離する必要がない。光路を分
離しなくて良いので光分波器は全く不要である。さらに
受光素子の信号をすぐさま増幅するのでノイズに強く受
信感度も高い。
【0025】
【発明の実施の形態】なぜ従来の光送受信モジュールが
サイズが大きく高価になるのか?本発明者はその原因に
ついて様々に考えた。従来の光送受信モジュールは例外
無く光分波器を使っている。一体光分波器はどうして必
要なのか?一本の光ファイバによって双方向通信をする
には行きの光と帰りの光を分離しなければならない。そ
のためには光路を分離しなければならず光分波器が必須
であったのである。
【0026】ところで図1、図2の光ファイバカプラに
おいても、図3の多層膜ミラーでも、必ず光強度は半分
若しくは設計した1以下の値になる。レ−ザから光ファ
イバに入る光の量の比と、光ファイバから出て受光素子
に入る光量の比は相補的である。つまりレ−ザの結合効
率Tを上げるとフォトダイオードの受光効率Rが下が
る。分岐を使うのでその幾何学的な制約から最良の場合
でもT+R=1である。全く無損失であってもこのよう
なサムルールがある。例えばレ−ザから光ファイバに入
る比率をT=0.5とすると、光ファイバから受光素子
に入る光量比率はR=0.5である。このような相補性
は一波長を使う系である限り不可避の欠点である。
【0027】ここでは簡単のために1:1の比率になる
分岐について話しを進める。そうでなくても同じ難点が
ある。さらになに故に光ファイバ光分波器やミラー光分
波器を使わなければならないか?というと、発光素子と
受光素子の光路をはっきりと区別しなければならないか
らである。図1〜図3の光分波器を使えば確かに光路は
明確に二分される。流れの方向が反対である光なのであ
るし、つながる素子が違うのであるから光路を二分する
のは当然のようにも思えよう。
【0028】しかしながら常識にはしばしば誤りがあ
る。先入観に捕らわれてはならない。本当にわざわざ分
岐を使ってまで光路を二分する必要があるのであろうか
?同時的に異なる信号を送受信するなら光路分離は必要
であるからもしれない。しかしここではピンポン伝送に
限定する。ピンポン伝送であれば送受信の時刻が相違す
る。送信時にはレ−ザが光り、受信時には受光素子だけ
が光電流を感じる様にすれば良いのである。
【0029】本発明者はピンポン伝送の場合、光路を分
離することは必須でないという事に気づいた。一本の光
路の上にPDとLDを直列に置いても、PDがいくらか
の光を透過するものであればレ−ザの光は光ファイバに
到達するはずである。つまりはPDを透過型にすれば良
いのである。このような着想に基づいて本発明がなされ
た。つまり本発明は、第1の透過窓、半透過型受光素
子、第2透過窓、を一本の直線上に並べ、増幅器を内蔵
し受光素子の光電流を増幅するようにしたものである。
従来のモジュールと違うところは、非分岐直線型、半透
過型受光素子、増幅器内蔵というところにある。本発明
の受光モジュールでは受光量は全入射光の半分になる。
しかし光分波器を使う従来の受光モジュールも光分波器
によって光量が半分に落ちていたのである。だから全光
量の半分しか受光できないという点では従来のものと全
く同じ事である。
【0030】本発明の基本的な思想は、光は直進すると
いう基本的な物理現象を素直に利用している。さらにフ
ォトダイオードとは全ての光を吸収しできるだけ100
%に近い感度を得るものがよいという従来の発想を覆
し、本発明は入射光の半分だけ光電気変換し残りの半分
は透過させるという全く新規なフォトダイオードを使っ
ている。従来の双方向モジュールは受光素子、発光素子
の光路を別個別異にしなければならないという牢固な先
入観に捕らわれていたので無理に光路を曲げていた。本
発明は分岐がないので光分波器は不要である。
【0031】本発明はこのように半透過型フォトダイオ
ードを光ファイバの軸線上にならべるのでつぎのような
効果がある。一つはカップラが不要だという事である。
光路の数も減り部品点数がすくなくなるので安価なモジ
ュールになる。光通信を広く普及させるためには安価で
あることがもっとも重要であるが本発明はそのような要
求に合致する。また図11のように現在製品化されてい
る半導体レ−ザと組み合わせて容易にピンポン伝送用の
光送受信モジュールを構成できる。また光ファイバを介
在させれば受信部と送信部をボード上の任意の位置に自
由に配置する事ができる。
【0032】これは受光素子モジュールの発明である
が、先述のように後方に半導体レ−ザをおけば送受信に
使うことができる。その場合、送信光も半分受光素子に
よって吸収される。送信光も半分損をしている。しかし
従来の光分波器を使うものもやはり光分波器のために送
信光が半分無駄になっていた。だから送信光の光量とい
う点でも従来の光送受信モジュールと同じなのである。
送受信光の強度は同じであるが光分波器が不要で構造が
極めて単純で位置合わせも簡単である。
【0033】
【実施例】[実施例1(光受信モジュール:PDモジュ
ール)]図9に本発明の光受光モジュールの実施例を示
す。図9(a)は縦断面図で、図9(b)は横断平面図
である。円形平型のパッケージ62の内部に平板状のリ
ードフレーム63がある。実際のリードフレームは放射
状の多数の金属板よりなるがここでは単純に四角形で表
現している。リードフレーム63の中央の開口部に半透
過型のPD64が固定される。PDの詳しい構造は後に
述べるが両面にある電極はいずれもリング状で中央部を
光が通過するのを妨げないようになっている。
【0034】またリードフレーム63の適当な箇所に増
幅器チップ65が取り付けられている。受光素子の光電
流を増幅するためのものである。Si半導体増幅器或い
はGaAs半導体増幅器チップなどである。パッケージ
62は金属平型であるが、中央部の表には第1透過窓6
6がある。中央部の裏面には第2透過窓67がある。窓
66、67にはガラスまたはレンズがはめ込まれ内部を
シールしている。リードフレーム63から外部にはそれ
ぞれリードピン68が張り出している。ここでは左右各
4本のリードピンがあるがピンの数は任意である。リー
ドフレームの適当なものと、受光素子チップ64の電極
がワイヤ70によって接続される。
【0035】受光素子64の出力の一つがワイヤ70に
より増幅器チップ65の入力に接続される。光ファイバ
69の先端が第1透過窓66の直前に置かれる。光ファ
イバ69の先端からでた光は、第1透過窓66、半透過
型PD64、第2透過窓67を通ってモジュールの反対
側へと通過できる。入射光の半分だけ受光層によって吸
収され感度に寄与する。残りの半分は透過してしまい無
駄な光となる。しかし従来のものでも光分波器で半分に
なっていたのであるから、本発明の光受光モジュールは
受光感度の点では同等である。
【0036】PD64やAMP65はここではリードフ
レームの上に直接にボンディングしてある。そうすると
部品点数を減らす事ができ、従来のIC実装技術を使う
事ができるなどという利点がある。またリードフレーム
が安価であるからコスト的にも望ましい。しかしもちろ
んPDやAMPをセラミックサブマウントに載せてパッ
ケージに固定するという事もできる。パッケージは金属
箱型のものを使っている。金属パッケージは安価であ
る。しかし、セラミックのパッケージにしても良い。こ
のような平型パッケージ62に半透過型受光素子とアン
プが収容され光が表から裏へと半分透過でき、或いは逆
に裏から表へと半分透過できるようにしたものが本発明
の光受光モジュールである。
【0037】パッケージは円形に限らず矩形状あるいは
正方形状であってもよい。リードピンも両側に突き出た
ものとは限らずインライン型であっても良い。パッケー
ジやリードピンの形状、個数などは任意である。図10
は光受光モジュール内部の等価回路図の一例である。受
光素子64がバイアス端子Vpdと増幅器65の入力の
間につながれこれによって逆バイアスされる。増幅器6
5には電源Vccとグランドがつながれる。さらに出力
out端子がでている。Vpd、グランド、OUTなど
がリードピン68の何れかに対応する。図10の回路で
あれば4つの独立なリードピンがあれば良い事になる。
図9(b)では8ピンになっているからグランドピンや
電源ピンを重複して設けても良い。
【0038】また図10より回路を複雑にして増幅器の
帰還抵抗などを変化させる為の端子を設けても良い。電
源ノイズを除くためコンデンサをパッケージ内に取り付
けても良い。このようにPDの光電流出力を直近におい
た増幅器によって増幅するようにするとワイヤは短く浮
遊容量が小さくノイズが少ない高感度の受信機とする事
ができる。このような形態をPIN−AMPという。こ
の形態にしておくと、その後は多少配線が長くなっても
ノイズは入らず受信回路の部品配置が非常に柔軟性を持
つようになる。PIN−AMP自体はこれまでも存在す
るがいずれも不透過型のものであって背後に光が出てこ
ない。本発明のPIN−AMPは背面に光が出てくる斬
新なものである。
【0039】[実施例2(光送受信モジュール:PDモ
ジュール+LDモジュール)]本発明は光受光モジュー
ルだけを独立させているから応用性が高い。表面側に光
ファイバを対向させ裏面側にレ−ザモジュールを対向さ
せる事によって直線型の光送受信モジュールを簡単に構
成する事ができる。図11はそのようなPDモジュール
とLDモジュールをくみあわせた実施例を示す。光受光
モジュールの部分は図9のものと同様である。パッケー
ジ62の内部に半透過型受光素子64とアンプ65を設
けている。表裏に透過窓66、67があって光ファイバ
69から出た光は、透過窓67、受光素子64、透過窓
67を通過して約半分の光量が反対側(裏面側)に出て
くる。この実施例はそこで裏面側にレ−ザモジュール7
1を対向させている。このレ−ザモジュール71は公知
のものであって、ヘッダ74の上にポール75が形成さ
れ側面に半導体レ−ザ76がサブマウント(図示しな
い)を介して固定される。その直下の位置にモニタ用の
受光素子77が固定される。ヘッダ74の上面を円筒形
のキャップ78が覆う。
【0040】キャップ78の上方には窓があるがここに
はレンズ79がはめ込まれている。ヘッダ74の下面に
は適当な数のリードピン81〜84が設けられる。半導
体レ−ザ76から出た送信光はレンズ79で集光され、
受光モジュールの裏面の第2透過窓67からパッケージ
62に入る。半透過型受光素子64を通過して半分のパ
ワーを失い、残りの半分のパワーが第1透過窓66を通
って出て行き光ファイバ69に入る。レンズ79は半導
体レ−ザ76を光ファイバに結合するためのものであ
る。送信光は受光素子によって半分吸収されて損をす
る。しかしそれは従来のものでは光分波器によって失わ
れるのと同じであり送信光の強度は従来のものと同等で
ある。
【0041】[半透過型PDの実施例1(プレーナ
型)]本発明の透過型受光素子モジュールを可能にした
ものは、もちろん特異な受光素子にある。通常のPD4
1は図7に示すようにn電極61が全面を覆い光を通さ
ない(受光層が4μmもある)が、ここで用いる半透過
型PDは一部の光を通す。例えば約半分の光を吸収して
検出し約半分の光を透過させる。図12によって本発明
の半透過型PDの実施例を説明する。
【0042】これは1.0μm〜1.6μmに感度のあ
るInGaAsフォトダイオードの例である。図7の従
来例と違う点は、約50%の光が透過できるようになっ
ているということである。n−InP基板90の上に、
n−InPバッファ層91、n−InGaAs受光層9
2、n−InP窓層93がこの順にエピタキシャル成長
してある。受光層がInGaAs(λg=1.67μ
m)の場合は吸収係数α=1μm-1である。その厚みを
0.7μmとすると丁度半分の光が吸収され半分の光が
透過する。受光層がInGaAsP(λg=1.4μ
m)の場合は1.3μm系にしか感度がない。α=0.
7μm-1であるから、その厚みを1μmにすると半分吸
収、半分透過ということになる。もちろん厚みを少し変
えて透過:吸収の比率を1:1からずらしても良い。
【0043】素子単位の上面中央部から円形の広がりを
持ったp型領域94が亜鉛拡散によって形成される。I
nP窓層93とInGaAs受光層92の一部がp型に
なる。n型の部分とp型の部分の境界にpn接合ができ
る。p型領域94の上面にはリング状のp電極95(A
uZn)が設けられる。リングp電極95の内側は光が
入射すべき領域である(受光面)。ここには反射防止膜
96が形成される。誘電体多層膜であって信号光を殆ど
反射することなく全てがp−InP窓層に入るようにし
ている。リングp電極95の外側はパッシベーション膜
97によって覆われる。これはpn接合とn−InP窓
層93を被覆している。
【0044】n−InP基板90の裏面には裏面前面で
なく一部だけにn電極(AuGeNi)が設けられる。
この例ではリング状のn電極98が形成される。リング
n電極98によって囲まれる部分は反射防止膜99(S
iON)によって覆われている。p電極、n電極ともに
中心部が開口になっている上部から入った光は受光層で
約半分吸収され、約半分の光が下面から出て行く。反対
に下面のn−InP基板90の側から入った光も約半分
になって上部のp型InP窓層から出て行く。
【0045】受光層のバンドギャップをE1、窓層のバ
ンドギャップをE2とすると、波長λが、E1<hc/
λ<E2の範囲の光のみが感受される。基板、窓層、バ
ッファ層はInPとするので、E2は決まる。受光層を
三元混晶InGaAsとするとλg(=hc/E1)が
1.67μmなので、感度範囲は1.0〜1.6μmと
なる。受光層をInGaAsPの四元とするとλg(h
c/E2)が1.4μmなので感度は狭く、1.0μm
〜1.4μmとなる。1.55μmは感じない。従来の
ものは受光層厚みは4μm以上(4〜6μm)であった
が、本発明ではInGaAsではd=0.7μm、In
GaAsPではd=1.0μmとする。
【0046】図13はInGaAs受光層の厚みと透過
率を示す。横軸は厚み(μm)で縦軸は透過率Tであ
る。透過率を1:1以外の所望の有限の値にしたい場合
はこのグラフから厚みを決める事ができる。InGaA
sPの場合でも同様のグラフを書く事ができる。受光層
厚みを適当に選んで、吸収と透過の比率を自在に与える
事が可能である。
【0047】[半透過型PDの実施例2(メサ型)]図
14(A)にメサ型の半透過型受光素子の断面図を示
す。図14(B)は平面図である。n−InP基板10
0の上に、n−InPバッファ層101、n−InGa
As受光層102、p+ −InP窓層103がエピタキ
シャル成長してある。InGaAsの厚みは0.7μm
である。1.3μmに対する透過率を50%にするため
である。窓層は初めからp型である。p+ −InP窓層
のキャリヤ濃度はp=1〜5×1018cm-3である。p
+ −InP窓層103の上にリングp電極104を設け
る。その内部では窓層が反射防止膜105によって覆わ
れる。リングp電極の外側をエッチングして除きメサ型
にする。露出した傾斜面をSiNxのパッシベーション
膜によって覆った。n−InP基板の裏面周辺部にはリ
ング状のn電極109が形成され、中央部には反射防止
膜110が設けられる。メサ型受光素子は受光層が狭く
なっており逆バイアスを掛けて空乏層ができたときに静
電容量がより小さくなるという利点がある。
【0048】受光層厚みが0.7μmの場合、表面から
入射した光は半分受光層で吸収されて、半分の光が裏面
から透過して行く。反対に裏面から送信光を入れると表
面から50%の光量の光が出て行く。
【0049】[実施例3(受信モジュールと送信モジュ
ールを一体化した光送受信モジュール)]本発明は受信
モジュールに関するが、図11でも説明したように、L
Dモジュールと直列に並べて簡単に受信送信の両方の機
能を備えたモジュールとする事ができる。図11の例
(実施例2)は双方が別個であったが、両方のモジュー
ルを纏めて一体化する事ができる。
【0050】図15にそのような一体化した光送受信モ
ジュールを示す。これまで説明したPDモジュールの裏
面側に、LDモジュールがついている。LDモジュール
は、ヘッダ74のポール75側面に半導体レ−ザ(L
D)76を、ポール75の基部にモニタPD77を取り
付けこれらをキャップ120によって覆ったものであ
る。キャップ上面の窓122には平坦な透明板123が
貼り付けられている。これは半導体レ−ザモジュールと
して市販されているし容易に入手できる。半導体レ−ザ
モジュールの方は集光作用がない。
【0051】LDモジュールのヘッダ74に円筒形のス
リーブ121の下端面を取付ける。スリーブ121の上
端はPDモジュールのパッケージ62の底面に固着され
る。スリーブ121によってLDとPDが一体化される
のである。PDモジュールの第1透過窓66が単なるガ
ラス板でなくて集光レンズ124が取り付けられる。こ
れは光ファイバ69から出た光を集光してPD64に入
れると言うのではなくて、半導体レ−ザ76の光を集光
して光ファイバ69に入れるためのものである。半導体
レ−ザ76からの光は広がりやすいのでレンズ124に
よって集光する必要がある。
【0052】[実施例4(受信モジュールと送信モジュ
ールを一体化した光送受信モジュール)]図16はもう
一つのLD、PD一体化モジュールをしめす。これはレ
ンズが半導体レ−ザモジュールの方に付いている。LD
モジュールの方は図11で説明したものと同じである。
ヘッダ74の上面にポール75があってこれの側面にL
D76が、ヘッダ中央にモニタPD77が実装される。
サブマウントを使うがここでは図示を略している。円筒
形のキャップ78の中央窓にはレンズ79がついてい
る。このような半導体レ−ザモジュールは良く知られた
ものである。ヘッダ74の上面に長い円筒形のスリーブ
130を溶接し、スリーブ130の上面をPDモジュー
ルのパッケージ62の底面に溶接する。このような固定
構造は図15の実施例と同様である。レンズがLD側に
ある。もっとも図15の実施例であってもレンズ124
はレ−ザ光を集光するためのものであり目的は同一であ
る。
【0053】この実施例の製造方法を述べる。LDモジ
ュールの方は公知のものであるからPDモジュールにつ
いてのみ説明する。 (1)チップサイズが550μm角で受光径が200μ
mの半透過型PDチップ64をコバール製のリードフレ
ームに半田によって固定する。50MHzまで応答し、
ゲインが30dBのSi−AMPチップ65をSnPb
半田によってリードフレーム63に固定する。つぎに2
0μm径の金線によってチップ電極とリードフレーム間
を接続する。その後リードフレーム63をセラミックの
窓つきのパッケージ62にエポキシ樹脂によって固定す
る。この時裏面よりTVカメラで観察し、PDの光出射
面とパッケージの裏面窓67が合致するように位置合わ
せする。この実施例ではセラミックパッケージを使って
いるが、金属であってアルミナ絶縁基板を底面に敷いた
ものであっても良い。
【0054】さらに入射面側のパッケージキャップの透
過窓66とPD受光面の位置合わせをして、窒素雰囲気
中でキャップをパッケージ本体にシールする。キャップ
シールは、電気溶接、シームシール、樹脂シールなどい
ずれであっても良い。ここでは樹脂シールを採用してい
る。一定した形状の金属、或いはセラミックパッケージ
を用いず、プラスチックモールドによることもできる。
その場合は、リードフレームにPDチップ、AMPチッ
プを取付けワイヤボンデイングし透明の樹脂で全体をモ
ールドする。これはもっとも安価なプラスチックパッケ
ージとなる。
【0055】(2)こうしてできた半透過型PDモジュ
ールの1.3μm光に対する透過率を実際に測定した。
透過率の測定値は45%であった。PDの受信感度も測
定した。感度は0.45A/Wであった。通常のPD
(受光層が4μm以上厚い)は最良のもので1A/Wの
感度がある。それの45%の感度である。本発明のPD
は約半分の光を吸収し感受するので従来のPDの約半分
の感度になるはずである。従来の最良のPDの45%の
感度であったのだから大体理論通りである。
【0056】増幅器を組み合わせたPIN−AMPの感
度を調べた。誤り率が10-8であるように50Mbps
のデジタル信号を受信できる最小の受信信号は−38d
Bmであった。通常の100%吸収PDを使ったPIN
−AMPより3〜4dB高い限界値である。感度が約半
分に低下するのであるから受信可能信号の限界が3dB
程度上がるのは当然でこれもほぼ理論通りである。
【0057】(3)さらに、図16のように球レンズ付
きの半導体レ−ザのヘッダ74を、ステンレスの円筒形
スリーブ130にYAGレ−ザによって溶接した。スリ
ーブ130をさらに受光素子のパッケージ62の底面に
エポキシ樹脂で接着した。スリーブ130の長さはレ−
ザ光が丁度光ファイバに効率よく結合できる長さになる
ようにしてある。
【0058】実際には光ファイバ69はフェルールに挿
入されフェルールが何らかのホルダ−に固定され、ホル
ダ−がある定位置に固定される訳である。スリーブ13
0を半導体レ−ザに固定した状態で、光ファイバを動か
して調芯し最適位置に光ファイバを固定する。そのあ
と、レ−ザと光ファイバの間にPIN−AMPを側方か
ら挿入し、レ−ザ光の光ファイバへの入射パワーをモニ
タしながら最適位置でPIN−AMPをスリーブ130
に対して固定する。
【0059】既に受信モジュール(PIN−AMP)の
性能は測定しているので、半導体レ−ザの特性を調べ
た。前もって、PIN−AMPを挿入する前の結合パワ
ーを測定した。30mAの駆動電流でレ−ザを光らせた
時の光ファイバの他端での光の出力は1mWであった。
PIN−AMPを挿入した後で同じように30mAの駆
動電流でレ−ザを光らせて光ファイバの他端での光出力
を測定したところ0.45mWであった。つまりPIN
−AMPによって0.45mWに光ファイバへの光入力
が減少している。PDの透過率測定結果と同じレ−ザ光
の出力結果である。これも理論通りの結果である。
【0060】(4)図4に示す従来の光送受信モジュー
ルと、図16に示す本発明の光送受信モジュールとを用
いて、50Mbpsのピンポン伝送の実験を行った。双
方とも受信モジュールには同じ3.3V動作のSi−A
MPを設けた。半導体レ−ザは同じ波長、同じ出力のも
のを用いた。その結果図16の本発明の光送受信モジュ
ールは、図4の従来の光送受信モジュールと同等の送受
信特性を与える事が分かった。
【0061】
【発明の効果】本発明は半透過型の受光素子を内蔵する
PDモジュールであり、その後ろにLDモジュールをつ
けることによって直線型の光送受信モジュール(LD・
PDモジュール)とすることができる。図4の従来のモ
ジュールと図16の本発明のモジュールを比較する事に
よって本発明の有用性が明らかになる。まず光カップラ
が不要である。図2、図3に光カップラの例を説明した
がいずれも製作が難しくコストを引上げるしモジュール
を大型化する。そのカップラを省く事ができるのでモジ
ュールは小型、低コストになる。
【0062】PDモジュールとLDモジュールが別異の
パッケージに収容されている。つまりLDとPDが電気
的に切り離されている。受信信号が非常に微弱で送信信
号のための(LD)ドライブ電流が大電流であることを
考えれば、ノイズの混入熱的条件の切り分け等を考えれ
ば極めて有利である。新たにカップラを入手したり或い
はカップラと一体化したようなモジュールを作らなくて
も、LDモジュールを結合することによってピンポン伝
送用光送受信モジュールを製作することができる。従来
の送信モジュールや送信機器をそのままにして新たに受
信部だけ追加できるというメリットも大きい。以上のよ
うに本発明は今までにない安価で便利な受信或いは送受
信モジュールを与える。
【図面の簡単な説明】
【図1】上り信号と下り信号を扱う従来の双方向光通信
の概念図。
【図2】光ファイバ型または光導波路型の光分波器の概
念図。
【図3】誘電体多層膜を使った光分波器の概念図。
【図4】従来の加入者系双方向光通信における加入者側
の光送受信モジュールの構成図。
【図5】従来例に係る半導体発光素子の断面図。
【図6】従来例に係る発光素子受光素子の断面図。
【図7】従来例に係るフォトダイオードチップの断面
図。
【図8】従来例に係るフォトダイオードチップの感度特
性を示すグラフ。横軸は波長(μm)、縦軸は感度(A
/W)。
【図9】(a)は本発明の実施例に係る光受信モジュー
ルの縦断面図。(b)は横断平面図。
【図10】受光素子と増幅器を含む本発明の光受信モジ
ュールの等価回路図。
【図11】本発明の光受信モジュールの後方に半導体レ
−ザをおいて光送受信モジュールを構成することができ
るということを示す断面図。
【図12】(A)は本発明の光受信モジュールに用いる
半透過型のPD(プレーナ型)の縦断面図。(B)は同
じものの平面図。
【図13】受光層であるInGaAs層の厚みと透過率
の関係を示すグラフ。
【図14】(A)は本発明の光受信モジュールにもちい
る半透過型のPD(メサ型)の断面図。(B)は同じも
のの平面図。
【図15】本発明の光受信モジュールにレンズのない半
導体レ−ザ素子を組み合わせて光送受信モジュールとし
たものの断面図。
【図16】本発明の光受信モジュールにレンズ付き半導
体レ−ザ素子を組み合わせて光送受信モジュールとした
ものの断面図。
【符号の説明】
1 光ファイバ 2 光分波器 3 光ファイバ 4 光分波器 5 光ファイバ 6 光ファイバ 7 光ファイバ 16 光ファイバ 17 光コネクタ 22 光コネクタ 23 光コネクタ 25 LDモジュール 27 PDモジュール 62 受光素子モジュールのパッケージ 63 リードフレーム 64 半透過型PD 65 増幅器 66 第1透過窓 67 第2透過窓 68 リードピン 69 光ファイバ 70 ワイヤ 74 ヘッダ 75 ポール 76 半導体レ−ザ 77 PD(モニタ用) 78 キャップ 79 レンズ 81〜84 リードピン 90 n−InP基板 91 n−InPバッファ層 92 InGaAs受光層 93 InP窓層 94 Zn拡散領域 95 p電極 96 反射防止膜 97 パッシベーション膜 99 反射防止膜

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 受光面及び光出射面を有し入射光の一部
    を吸収し残りを透過する半透過型の受光素子と、半透過
    型受光素子からの電気信号を増幅する増幅器と、これら
    を電気的に接続する機構と、これらを固定しかつ少なく
    とも受光素子の受光面および光出射面に対向する部分は
    透明であるようにしたパッケージとよりなる事を特徴と
    する光受信モジュール。
  2. 【請求項2】 パッケージの光入射側の一部に集光用の
    レンズを有することを特徴とする請求項1に記載の光受
    信モジュール。
  3. 【請求項3】 受光素子がInGaAs或いはInGa
    AsP系よりなるPIN−PDであることを特徴とする
    請求項1〜2の何れかに記載の光受信モジュール。
  4. 【請求項4】 InGaAs(λg=1.67μm)の
    受光層の厚みが約0.7μmであることを特徴とする請
    求項3に記載の光受信モジュール。
  5. 【請求項5】 InGaAsP(λg=1.4μm)の
    受光層の厚みが約1μmであることを特徴とする請求項
    3に記載の光受信モジュール。
  6. 【請求項6】 受光面及び光出射面を有し入射光の一部
    を吸収し残りを透過する半透過型の受光素子と、半透過
    型受光素子からの電気信号を増幅する増幅器と、これら
    を電気的に接続する機構と、これらを固定しかつ少なく
    とも受光素子の受光面および光出射面に対向する部分は
    透明であるようにしたパッケージとよりなる光受信モジ
    ュールと、光受信モジュールの光出射面側に固定された
    半導体レ−ザとよりなることを特徴とする光送受信モジ
    ュール。
JP10017775A 1998-01-13 1998-01-13 光受信モジュ−ルおよび光送受信モジュ−ル Pending JPH11204823A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10017775A JPH11204823A (ja) 1998-01-13 1998-01-13 光受信モジュ−ルおよび光送受信モジュ−ル

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10017775A JPH11204823A (ja) 1998-01-13 1998-01-13 光受信モジュ−ルおよび光送受信モジュ−ル

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11204823A true JPH11204823A (ja) 1999-07-30

Family

ID=11953102

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10017775A Pending JPH11204823A (ja) 1998-01-13 1998-01-13 光受信モジュ−ルおよび光送受信モジュ−ル

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11204823A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004226845A (ja) * 2003-01-24 2004-08-12 Sumitomo Electric Ind Ltd 光送受信モジュール及びその製造方法
WO2015146108A1 (ja) * 2014-03-26 2015-10-01 日本電気株式会社 受光素子、光モジュール及び光受信器
JP2017073669A (ja) * 2015-10-07 2017-04-13 株式会社フジクラ アクティブ光ケーブル
WO2019199936A1 (en) * 2018-04-12 2019-10-17 Raytheon Company Integrated optical resonant detector

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004226845A (ja) * 2003-01-24 2004-08-12 Sumitomo Electric Ind Ltd 光送受信モジュール及びその製造方法
WO2015146108A1 (ja) * 2014-03-26 2015-10-01 日本電気株式会社 受光素子、光モジュール及び光受信器
CN106165109A (zh) * 2014-03-26 2016-11-23 日本电气株式会社 光接收元件、光学模块和光学接收器
JP2017073669A (ja) * 2015-10-07 2017-04-13 株式会社フジクラ アクティブ光ケーブル
WO2019199936A1 (en) * 2018-04-12 2019-10-17 Raytheon Company Integrated optical resonant detector
US11101896B2 (en) 2018-04-12 2021-08-24 Raytheon Company Integrated optical resonant detector

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3937911B2 (ja) 光送受信モジュール及びこれを用いた光通信システム
US5764826A (en) PD/LD module and PD module
US6374021B1 (en) Light transmitting/receiving module
US7106980B2 (en) Optical receiver
JP3637228B2 (ja) 光送受信モジュール
EP0938007B1 (en) LD/PD module and LED/PD module
JP3277876B2 (ja) 光送受信モジュ−ル
JP3734939B2 (ja) 受光素子及び受光素子モジュ−ル
KR100526505B1 (ko) 광도파로와 광학소자의 결합 구조 및 이를 이용한 광학정렬 방법
KR100734874B1 (ko) 양방향성 광모듈
US7103238B2 (en) COB package type bi-directional transceiver module
JPH09269440A (ja) 光送受信モジュ−ル
JP3417200B2 (ja) 光送受信モジュ−ル
JP3356017B2 (ja) 光送受信モジュ−ル
JPH11204823A (ja) 光受信モジュ−ルおよび光送受信モジュ−ル
JP3324373B2 (ja) 光送受信モジュ−ル
Masuko et al. A low cost PON transceiver using single TO-CAN type micro-BOSA
JP3348644B2 (ja) 光受信モジュールと光送受信モジュール
JP3331828B2 (ja) 光送受信モジュ−ル
CN114690341B (zh) 一种带进光检测功能的to封装结构及其制造方法
KR100445917B1 (ko) 양방향 광송수신 모듈 및 그 구동 방법
JPH09166717A (ja) 光受信モジュ−ル及び光送受信モジュ−ル
Yoon et al. 622-Mb/s bidirectional SFP optical transceiver using an integrated WDM optical subassembly
JPH09191125A (ja) 光送受信モジュ−ル
Kuhara et al. A novel optical transceiver using an in-line PD/LD assembly for cost-effective single-fiber" ping-pong" optical data link