JP3232998B2 - 光送受信モジュ−ル - Google Patents
光送受信モジュ−ルInfo
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Description
いられる光送受信モジュールの改良に関する。
導体レ−ザ(以下LDと略す)や半導体受光素子(以下
PDと略す)の特性が向上したことによって、光、特に
波長1.3μm、や1.55μmの長波長帯の光を用い
た信号(電話、ファクシミリ、テレビ画像信号など)の
通信が盛んになりつつある。これを一般に光通信とい
う。中でも最近は1本の光ファイバによって双方向に信
号を同時にやり取りするシステムが検討されている。こ
の方式の利点はファイバが1本で済むことである。
る双方向通信の原理図である。これは局側、加入者側に
分波器2、4が必要である。局側では、電話やテレビの
信号をデジタル信号あるいはアナログ信号とし増幅した
後、半導体レ−ザLD1を駆動し、波長λ1 の光の強弱
の信号として、光ファイバ1に送り込む。光信号は波長
分波器2によって光ファイバ3に入り、この中を伝搬
し、加入者へと分配される。光ファイバ3は加入者であ
る各家庭、オフィス、工場などに張り巡らされている。
このように局側から、加入者側に信号が送られる方向を
下り系と呼ぶ。
光ファイバ5に取り出し受光素子PD2によって受信す
る。PD2は受信した光信号を電気信号に変え、増幅
し、信号処理を施し、電話の音声や、テレビ画像として
再生する。
画像信号を局側に向けて送信する。波長λ2 の光を出す
半導体レ−ザLD2を、電話信号や、画像信号によって
変調し、光ファイバ6、分波器4、光ファイバ3を通じ
て、局側へ光信号として伝送する。このように加入者側
から局側へ信号を送る方向を上り系と呼ぶ。局側は、こ
の光信号を分波器2によって光ファイバ7に取り出し、
PD1によって受信する。これを電気信号に変えて交換
機や信号処理回路に送り込む。
2波長の光を用いて、双方向通信を行うには、局側、加
入者側のどちらにも光の波長を識別し、光路を分離する
機能素子が必要である。図1では波長分波器2、4がそ
の役割を果たす。波長分波器は、波長λ1 とλ2 の光
を、1本の光ファイバにまとめて導入することができ
る。反対に、1本の光ファイバを伝搬する波長λ1 、λ
2 の光を異なる2本の光ファイバに排他的に分配するこ
ともできる。1本の光ファイバを使う双方向通信には、
波長分波器が不可欠である。
が提案されている。2本の光ファイバを用いたもの、光
導波路を用いたもの、多層膜ミラーを用いたものなどが
ある。図2に示すものは、光ファイバまたは光導波路型
のものである。2本の光の導波部分を接近させてエバネ
ッセント結合させ、エネルギーの交換を可能にする。結
合部の距離Dと長さLを適当に選ぶことによって、波長
選択性を賦与することができる。図2では異なる光ファ
イバ8、9にλ1 、λ2 の光を入れて、光ファイバ11
にλ1 、λ2 の光を導くようにしている。光ファイバ1
2には何れの光も出ないようになっている。作用は可逆
的であって、光ファイバ11にλ1 +λ2 の光を入れた
時に光ファイバ8、9に、それぞれλ1 、λ2 の光を排
他的に取り出すことができる。
に、光ファイバ11にλ2 の光を入れると、反対側の光
ファイバ9にのみ出るようになる。結合部10において
排他的な波長選択がなされる。光学系の可逆性によって
双方向に同じ波長選択ができる。このような波長分波器
は局側の波長分波器にも、加入者側の波長分波器にも同
様に利用することができる。
ブロックの対角面に誘電体多層膜を蒸着し、もうひとつ
同等のガラスブロックを張り付けて正四角柱にしたもの
である。誘電体多層膜が干渉フィルタになり、張り合わ
せ面に対して45度の角度をなす光が入射すると、波長
λ2 の光のみが反射し、λ1 の光は透過するようになっ
ている。このような波長選択性は誘電体膜の厚み、屈折
率を適当に選ぶ事によって実現される。その他にもいく
つかの波長分波器が提案されている。
分けてしまう素子は、波長分波器、或いは分波器、WD
M、分波・合波器と呼ばれる。光ファイバやガラスブロ
ックを用いたものは既に市販されている。
ジュールの構成例を示す概略図である。局側につながる
光ファイバ16の終端は光コネクタ17によって屋外の
光ファイバ18に接続される。これを光ファイバ型の波
長分波器(WDM)21によって波長の違う1.3μm
光と1.55μm光とに分離する。既に述べたように二
つの光ファイバの近接部20の近接距離長さによって波
長選択性を与える事ができる。光ファイバ18の側に
1.3μm光を、光ファイバ19の側に1.55μm光
を取り出すようにしている。
LDモジュール25に接続される。LDモジュールは加
入者側からのデジタル信号を電気光変換して局に向けて
送信するためのものである。光ファイバ19は光コネク
タ23によってPDモジュール27に接続される。これ
は局側からの光信号を電気信号に変換し、加入者側で受
信するためのものである。
ール28の断面図である。半導体レ−ザチップ29とこ
れの出力をモニタするためのフォトダイオード30を備
える。半導体レ−ザ29はサブマウントを介してヘッダ
32のポール31に取り付けられる。ヘッダ32の底部
には、フォトダイオード30が固定される。ヘッダ32
の底部にはリードピン33が複数本設けられる。通し穴
35を有する円筒形のキャップ34が半導体レ−ザ2
9、フォトダイオード30を囲むように、ヘッダ32に
溶接される。ワイヤによってリードピンとチップ29、
30の電極が外部回路と接続されるようになっている。
ダ−36がある。レンズホルダ−36は中央の穴に集光
レンズ37を有する。レンズホルダ−36の上にはさら
に円錐形のハウジング38が溶接される。ハウジング3
8にはフェルール39とフェルールによって先端が固定
された光ファイバ40が取り付けられる。半導体レ−ザ
29、レンズ、光ファイバなどを調芯して、レンズホル
ダ−36、ハウジング38をそれぞれ固着する。レンズ
は集光性を高めてレ−ザと光ファイバの結合効率を高め
る。モニタ用フォトダイオードによって半導体レ−ザの
後方から出る光をモニタして、フィードバック回路によ
って駆動電流を制御する。これによって温度変動があっ
ても半導体レ−ザの出力を一定に保つことができる。
1.55μm光を発光するには、基板にInPを、活性
層にInGaAsPを用いる。InGaAsPの組成を
決めるパラメータは二つある。InP基板に整合する条
件と発光波長によってパラメータの値が決められる。
るので半導体レ−ザの構造をより詳しく説明する。図7
は1.3μm光を発光するLDチップの概略模式図であ
る。n型InP基板108の上にn型クラッド層10
7、InGaAsP106活性層、p型InPクラッド
層105、InGaAsPキャップ層104などがエピ
タキシャル成長されている。ここでInGaAsPと簡
単に書いているが実際には混晶比を与える二つのパラメ
ータx,yがあってIn1-x Gax As1-y Pyと書く
事ができる。しかしここでは簡単のためにパラメータの
表記を省いている。InGaAsPキャップ層104の
上にはp電極103が設けられる。反対側のn−InP
基板108の底面には、n電極109が蒸着されてい
る。
の構造は様々である。例えば埋め込み型のばあいには活
性層106は狭いストライプ状になっていて、両側から
埋め込み層によって挟まれている。いずれの形態の場合
でも、1.3μm光を発光させるときは、1.3μm付
近に基礎吸収端を持つInPが用いられる。p電極から
n電極に向けてpn接合を越えて電流を流すことによっ
て光が発生する。波長は活性層の基礎吸収端のバンドギ
ャップによって決まるので、この場合は1.3μm光が
生ずる。
っている活性層に閉じこめられる。そしてチップの中を
長手方向に往復伝搬しながら誘導放出を引き起こしレ−
ザ発振を起こす。発振効率を高めるためにチップの端面
両側或いは片側に反射膜を形成するのが一般的である。
もともとInPは屈折率が高いので、チップの前端面
(光ファイバに対向する方の面)は何も付けなくても3
0%の反射率を持つ。であるから前端面は反射膜を形成
しない場合も多い。図7の例はそのようなものを示して
いる。後端面には反射膜110があるが前端面にはその
ようなものはない。
90%程度のものが採用される。後端面からレ−ザ光の
一部を取り出して、モニタ用のフォトダイオードによっ
てレ−ザ出力を監視する必要があるからである。反射膜
としては、SiO2 や、SiN、a−Si(アモルファ
スSi)などが良く用いられる。このような反射膜の構
成は発光波長のみに注目して設計されている。つまり発
光波長の光は所定の反射率で反射するが、それ以外の光
に対しては別の反射率をもつ。
く、フォトダイオードの構造にも関する。それ故、従来
例に係る受光素子モジュールについても説明する。図8
は従来例に係る受光素子モジュールの断面図である。P
Dチップ41が円盤状のヘッダ42の上に固着されてい
る。ヘッダ42は複数のリードピン43を有する。レン
ズホルダ−46が集光レンズ47を保持している。ハウ
ジング48がレンズホルダ−46の上部に溶接してあ
る。ハウジング48には光ファイバ50の先端を固定し
たフェルール49が差し込まれている。
る。光ファイバ50から出た光はレンズによって集光さ
れて受光素子41に入射する。受光素子(PD)として
は、1.3μm光や1.55μm光を受光するには、I
nPを基板として、InGaAsを受光層としたPDが
良く用いられる。先にも述べたように、本発明は受光素
子の構造に関係するところも多いので従来の受光素子の
構造についてさらに詳しく述べる。
の断面図である。n−InP基板52の上に、n−In
Pバッファ層53、n−InGaAs受光層54、n−
InP窓層55がエピタキシャル成長している。n−I
nP窓層55、InGaAs受光層54の中央部は亜鉛
拡散領域56になっている。このp−型領域の上にリン
グ状のp電極57が作製されている。またn−InP基
板52の上にn電極61が形成される。p電極57によ
って囲まれる領域には反射防止膜58が被覆してある。
またp電極57の外側はパッシベ−ション膜59によっ
て保護されている。反射防止膜58のあるInP窓層の
側より信号光が入射し、InGaAs光吸収層で吸収さ
れ電気信号に変換される。
示すグラフである。横軸は波長(μm)であって、縦軸
は感度(A/W)である。感度グラフは立ち上がり部
P、平坦部Q、たち下がり部Rを含む。高い感度を示す
波長範囲はこの例では、1.0μm〜1.6μmに渡っ
ている。高感度範囲は光吸収層の材料で決まる。この場
合は、InGaAs受光層54の材料特性によって決ま
る。このように広い感度特性を持つフォトダイオードが
従来の受光素子モジュールに使われてきた。
導体発光素子、受光素子を組み合わせた光送受信モジュ
ールは3つの主要部品からなっている。3つの部品を持
つので、大型になるし、価格も高くなる。また分波器
や、光ファイバの結合部分などで光の損失が出るので長
距離通信には使い難いという難点があった。そのために
一般家庭への光送受信モジュールの普及が困難であると
いう問題があった。
送受信モジュールを提供することが本発明の第1の目的
である。光の損失の少ない光送受信モジュールを提供す
ることが本発明の第2の目的である。光加入者系の実用
化に大きく寄与することのできる光送受信モジュールを
提供することが本発明の第3の目的である。
ールは、二つの波長の光λ1 <λ2 を使う光送受信モジ
ュールにおいて、ファイバに近い方から見て、前方にλ
1 の光を発するレ−ザを、後方にλ2 の光を感受する受
光素子を同一光軸上に設けるようにしたものである。さ
らに光ファイバとレ−ザの間に集光レンズを入れる事に
しても良い。或いはレ−ザの光量をモニタするためのフ
ォトダイオードをレ−ザのすぐ後に設置しても良い。
大きく、高価になるのか?本発明者はその原因について
様々に考えた。従来のものは必ず波長を選択するために
光路を分離するが、ここに原因があると考えるに至っ
た。従来の物は光路分離のために波長分波器が不可欠で
あるが、これが問題である。波長分波器自体大型であっ
て高価な素子であるという事もある。しかも現在のとこ
ろ利用し得る波長分波器は、何れも消光比が不十分であ
って、不要な波長の光が混入することを防ぐことができ
ない。1.3μm光用の光路に1.55μm光が一部混
ざってしまうとこれによって混信が起こりテレビの画質
が低下したり電話、ファクシミリなどにクロストークが
起こる。
に2つ以上の波長の異なる信号を送受信できないか?と
発想の転換を図った。その結果、発光素子、受光素子に
ある工夫をすることによって、光を直進させたまま、異
なる2つ以上の波長の信号を送受信できる事に思い至っ
た。それは、第1の波長帯のλ1 の光を発光させ、第2
の波長帯のλ2 の光を透過するLDを光ファイバの端面
の前方に配置し、その後方にλ2 の光を受光するPDを
配置した構造である。光が進行する一直線上に発光素子
と受光素子を配置するという誠に斬新な構成である。こ
れは半導体のバンドギャップによる波長選択性を巧妙に
利用した類例のないモジュールである。
制帯、価電子帯などのバンドを持っている。禁制帯の幅
をバンドギャップEgという。バンドギャップがある程
度の広がりを持ち、フェルミ面がバンドギャップ中にあ
るものを半導体という。光を吸収すると(光子一つを吸
収すると)、価電子帯の電子が、伝導帯に励起される。
光子のエネルギーはhνによって与えられる。これはh
c/λとも書ける。バンドギャップより小さいエネルギ
ーの光子が入ってきても、伝導帯まで電子をたたき上げ
る事ができない。だからこのようなエネルギーの光(h
ν<Eg)は吸収されない。バンドギャップに対応する
波長(hc/Eg)より長い波長の光に対してその半導
体は透明である。
光(hν>Eg)は半導体の内部で吸収される。十分な
厚さがあればそのような光は全て吸収される。だから境
界になるλg=hc/Egを半導体の基礎吸収端、或い
は単に吸収端ということもある。従来の受光素子の感度
特性は図10に示したようにかなり広い範囲に感度をも
つ。高い方の限界Rが、受光層54のバンドギャップE
gqによって決まる。低い方の限界Pは窓層55のバン
ドギャップEgwによって決まる。Egwより短い波長
の光は窓層によって吸収される。つまりEgq<hν<
Egwの光だけがフォトダイオードによって感受され
る。
場合は少し事情が違う。発光素子は活性層のバンドギャ
ップによって発光波長が決まってしまう。発光ダイオー
ドの場合は、バンドギャップの近傍のエネルギーで、あ
る程度の波長の広がりを持って発光する。レ−ザの場合
は誘導放出と、共振器による反射条件から発光波長がよ
り狭い範囲に局限され、しかも離散的になる。
発光体からの光を通すというような事はまず行われな
い。しかし、もしも発光素子に外部から光を入れるとし
ても、やはり半導体層のバンドギャップより短い波長の
光は吸収される。バンドギャップより長い波長の光は透
過する。本発明は発光素子に外部から光をとおし、選択
吸収、選択透過させる。これが優れて斬新である。半導
体レ−ザの場合は面と平行に光を通す。しかも光の経路
を同一にするために光は活性層に通す。すると活性層に
よる光の波長選択が行われる。活性層のバンドギャップ
より高いエネルギーの光は全て吸収され、低いエネルギ
ーの光は透過する。
(λa=hc/Ega)。Egaはここで活性層の吸収
端である。すると二つの波長λ1 、λ2 の光を用いて信
号を送受信する場合、λ1 ≦λa<λ2 とするようにす
れば、レ−ザはλ1 の光を吸収し、λ2 の光を透過する
ようにできる。しかしレ−ザ内部を光が通るようにし、
レ−ザから光を発するので、λ1 =λaになってしま
う。であるからλ1 を発する半導体レ−ザを光軸上に置
き、より長い波長の光λ2 に感じる受光素子をレ−ザの
背後の光軸上に置く事によって、λ1 による送信と、λ
2 による受信を行うモジュールを製作する事ができる。
発明の光送受信モジュールは、二つの波長の光λ1 <λ
2 を使う光送受信モジュールにおいて、前方にλ1 の光
を発するレ−ザを、後方にλ2 の光を感受する受光素子
を同一光軸上に設けるようにしたものである。この他
に、集光レンズを光ファイバとレ−ザの間に設けても良
い。また半導体レ−ザの光量をモニタするフォトダイオ
ードを半導体レ−ザと受光素子の間に設けることもでき
る。光ファイバを支持したレセプタクルと、レーザとフ
ォトダイオードを一直線上に配置したモジュールとを着
脱自在に結合するようにしてもよい。
11によって本発明の最も基本的な実施例を示す。簡単
のためチップの内部構造は簡略化されている。光ファイ
バの端面に対向するようにλ1 のレ−ザを設け、さらに
λ2 のフォトダイオードを設けている。
側へ送信する。そこで、λ2 を受信光、λ1 を送信光を
呼ぶことにする。光ファイバ62はコア63とクラッド
よりなる。局側からλ2 の光が送られ、加入者系におい
て受信される。光ファイバの端面に近接して、λ1 の光
を発する半導体レ−ザ70が設けられている。半導体レ
−ザ70は構造を簡略化して書いてあるが、InP基
板、InPクラッド層などの層71、活性層(発光部)
72、InPクラッド(キャップ層を含む)層73など
のエピタキシャル層を持つ。上方にはp電極75、下方
底面にはn電極74が設けられている。p電極からn電
極に向かって電流を注入すると、λ1 の光が誘導放出さ
れる。この活性層は、λ2 に対して透明の材料よりな
る。だから光ファイバから送られてきた受信光λ2 は活
性層を無損失で通り抜けることができる。
する受光素子85が設けられる。これも内部構造を簡略
化して描いてあるが、InP基板86(バッファ層を含
む)、InGaAs受光層87、環状のp電極88、n
電極89などを含んでいる。レ−ザ70の背後面にはλ
1 を完全に反射するような反射膜を設けておく。レ−ザ
はλ1 の光を発するが後端面からは出ないので、受光素
子にはλ2 のみが到達する。λ1 <λ2 とすることによ
ってこのような配置が可能となる。
層(発光部)の吸収端波長がλ1 だということである。
それより波長の長いλ2 は活性層を無損失で透過でき
る。レ−ザの活性媒質を他の光の窓に利用するというよ
うな思想はこれまでになかった。本発明は初めてそのよ
うな複合的な利用の可能性を提案する。
λ2 が1.55μmであるとする。この場合、半導体レ
−ザは基板をInPとし、InGaAsPを発光層とす
るものになる。活性層(発光層)は吸収端波長が1.3
μmである。これは1.55μm光を透過する。これま
で誰も気づかなかったが、この組成からなるレ−ザは
1.55μmに対しては窓となり得るのである。1.5
5μmを吸収しないからである。しかも、InGaAs
Pの活性層は、1.3μmに対して光導波路として機能
し得る。つまり活性層の内部に閉じ込め発散しないよう
にする。ために、光ファイバから出た1.55μmは、
レ−ザの前端面から入り、活性層を伝搬して後端面から
出てゆく。
信用のフォトダイオードは通常100μm〜200μm
の受光径を有する。だからレ−ザ後方から出た光は殆ど
全部フォトダイオードに入射する。従って、このように
1.3μmLDと、1.55μmPDを順に並べること
によって、1.3μmによって信号を伝送し、1.55
μmによって信号を受信するモジュールを、波長分波器
なしで作製することができる。
1.3μm光が、フォトダイオードに入射しないように
する必要がある。そのために、レ−ザの後端面に1.3
μmを反射し、1.55μmを通す選択性ある反射膜を
形成する。このような反射膜は1.3μmレ−ザにおい
て、従来後端面には、1.3μmに対して80%〜90
%の反射率を有する膜を被覆していた。これは屈折率の
異なる2種類以上の誘電体膜を繰り返し積層したもので
ある。層の数を増やすことによって1.3μmを100
%反射し、1.55μmを通すようにできる。選択性は
誘電体膜の厚み、屈折率によって与えられる。
2 )が何れであっても可能である。例えば1.3μm/
1.46μm、1.46μm/1.55μmなどの組み
合わせにも応用できる。実施例1に示したものは基本的
な構成である。双方向通信の性能をさらに高めるために
様々のバリエーションが可能である。
ォトダイオード)]図12に第2の実施例を示す。光フ
ァイバ62と、半導体レ−ザ70の間に、集光レンズ7
7を介挿している。これによって半導体レ−ザの1.3
μmを集光して効率よく光ファイバコア63に入射する
ようにしている。また反対に、光ファイバからの1.5
5μm光を活性層に効率よく導き、レ−ザ内を低損失で
通り抜ける事ができるようになる。受信光に対する感度
を高め、送信光強度を増すことができる。レンズを入れ
た以外の構成は図11と同じである。
トダイオード+λ2 フォトダイオード)]レ−ザダイオ
ードには、温度変動などに対して安定した出力を与える
ためにモニタ用のフォトダイオードを設ける事が多い。
例えば図6に示すようにレ−ザの背後にフォトダイオー
ドを設ける。後面からレ−ザ光の一部を取り出し、フォ
トダイオードによって受信する。光量が変動すると受光
素子によって検知し、駆動電流を反対方向に増減して光
量を一定に保持する。このようなフィードバックによる
駆動は良く知られたことである。
定化のためのフォトダイオードを設けたいものである。
しかしながらそのままではできない。なぜならモニタ用
のフォトダイオードをレ−ザの後ろに置く事によって光
が遮断されて、λ2 検出のためのフォトダイオードに光
が入らなくなるからである。図9に従来例に係る受光素
子の構造を示した。上面から光(λ1 +λ2 )を入れた
とする。底面にある広いn電極のために、全く光が出て
こないようになる。
nP基板の全面を覆うのではなくて、中央部が開口した
環状のn電極とすることによって、光を底面から取り出
せるように思える。しかしそうではない。そのように単
純な問題ではない。従来のモニタ用フォトダイオード
は、1.3μmにも1.55μmにも感度を有する。図
10に示した通りである。たとえ環状のn電極を底面に
形成し、光が透過するようにしたとしても、信号光であ
る1.55μmによる光電流と、レ−ザによる1.3μ
mの光電流が混ざるから、レ−ザの出力を正しく検出で
きない。また信号光の大部分を吸収してしまうという問
題がある。従来から用いられているフォトダイオードを
電極形状を改変することにより使えるというものではな
い。
設けるのが不可能であるわけではない。それには二つの
工夫が必要になる。一つは受光素子のn電極を環状にす
ることである。もう一つは受光素子の各層が信号光λ2
に関して透明であることである。つまり、各層の吸収端
波長が、λ2 よりも小さくなるようにすれば良い。
す。nーInP基板92に、nーInPバッファ層9
3、n−InGaAsP受光層94、n−InGaAs
P窓層95がエピタキシャル成長されている。窓層95
と受光層94の中央部にはp型領域(亜鉛拡散領域)9
6が形成される。その上に環状のp電極97が蒸着され
る。環状p電極97によって囲まれる中央部には入射光
に対して透明の反射防止膜98を被覆する。p電極97
の外側には、パッシベーション膜99を被覆する。さら
にn−InP基板92の裏面に環状のn電極101を形
成する。中央部は開口になっている。これを反射防止膜
102が覆っている。
部のみを覆う環状になっている。さらに窓層がInGa
AsP(λg=1.15μm)になっている。従来の素
子のように窓層をInP(λg=0.92μm)とする
のではない。窓層はその吸収端波長よりも短い波長の光
を遮断する作用がある。これは1.15μmよりも長い
波長の光のみを通すためのものである。透過できる光の
波長の下限を引き上げて透過光の波長範囲を狭くしてい
る。1.3μmも1.55μmも通すことができるが、
1.15μm以下のものは遮断する。
(λg=1.67μm)ではなくて、四元混晶のInG
aAsP(λg=1.42μm)になっている事であ
る。受光層の吸収端波長が1.42μmであるから、こ
れより短い1.3μmを感受できる。しかしこれより長
い1.55μmは感受しない。それだけでなく、1.5
5μmはそのまま無損失で透過してしまう。これは重要
なことである。このようなフォトダイオードを1.3μ
m発光半導体レ−ザの後ろに置く事によって、1.3μ
m光のみを感受し、1.55μmをそのまま透過させる
波長選択受光素子とすることができる。1.3μmは全
て吸収されるから、最終段の受光素子では、1.55μ
mしか入らない。1.3μmの混在によるクロストーク
の問題は回避できる。
ードは、受光層(吸収層)の吸収端波長を、1.3μm
と1.55μmの中間の値にする必要がある。従来の三
元混晶InGaAsでは無理である。これはパラメータ
を一つしか持たない。InP基板との整合性によってパ
ラメータを使ってしまうので、結局λg=1.67μm
のものしかできない。これは1.55μmよりも長いの
で、所望の波長選択性を実現する事ができない。四元混
晶In1-x GaxAs1-y Py にすると、InP基板と
の格子整合条件をいれても自由パラメータがなお一つ残
る。そこで自由にバンドギャップを与える事ができる。
この実施例では、λg=1.42μmのものを選んでい
る。これは1.3μmと1.55μmの丁度中間値であ
るが、これに限らず1.3μmより大きく1.55μm
より小さい値であれば良い。
ップに関しては、例えば、今井哲二他「化合物半導体デ
バイス(I)」株式会社工業調査会発行1984年p5
6,p87に記載がある。λg=1.42μmの場合、
x=0.34、y=0.24である。つまりIn0.66G
a0.34As0.76P0.27が具体的な組成である。このよう
にレ−ザ出力をモニタするフォトダイオードの構造自体
新規である。
のようにする。厚さ350μmのInP基板に、厚さ
2.5μmのInPバッファ層、厚さ4.5μmのIn
GaAsP(λg=1.42μm)の受光層(吸収
層)、厚さ1.5μmのInGaAsP(λg=1.1
5μm)窓層を液相エピタキシャル成長法によって成長
させた。図14はこのエピタキシャルウエハの透過率の
波長依存性を示すグラフである。横軸は波長、縦軸は透
過率(相対%)である。1.42μmを境に、それより
長い波長の光は全て通し、それより短い波長の光は全部
吸収するようになっている。このエピタキシャルウエハ
に、マスクをつけ、マスクを通して亜鉛(Zn)を熱拡
散し、pn接合を作製した。さらにフォトリソグラフィ
によって、パッシベーション膜、反射防止膜、環状p電
極、環状n電極などを形成した。こうして図13に示し
たようなフォトダイオードを得る事ができる。
ように中央部は広い開口になっており、円環状に形成し
てある。またこの開口部には、1.55μmに対する反
射防止膜(SiON)102を形成した。反対側の反射
防止膜98は、1.3μm、1.55μmの両方に対し
て反射防止作用がある。1.55μmに対する反射防止
膜の存在は、後段に置かれる1.55μm用の受光素子
に入る光量が減衰するのを防ぐのに有用である。
に分離しパッケージに実装する。こうしてできたフォト
ダイオードに電圧5Vを印加し感度特性を測定した。そ
の結果を図15に示す。横軸が波長、縦軸が感度(A/
W)である。図10の従来の物に比べて、感度範囲が狭
くなっている事が分かる。1.2μmの近傍(S)で感
度が立ち上がる。1.2μm程度以下では感度がない。
これは窓層の吸収による。1.4μm程度(U)におい
て立ち下がる。
らである。感度のある部分は1.2μm〜1.4μmの
極めて狭い範囲になる。つまりこのフォトダイオード
は、1.3μmには感度があるが、1.55μmには感
じないということである。のみならず、1.3μmは完
全に吸収されてしまう。だから裏面のn電極を抜けてで
る光は1.55μmだけである。このような狭い範囲だ
けに感受性があるのでこのフォトダイオードをここでは
波長選択性フォトダイオードと呼ぶ。
タキシャルウエハを作製している。しかしそれに限らな
い。エピタキシャルウエハの製造方法は任意である。ク
ロライドVPE法やMBE法によってもエピタキシャル
ウエハを作る事ができる。
ザ及び1.55μm用のフォトダイオードを組み合わせ
て、図16のような光送受信モジュールを作製できる。
図16において、光ファイバの出力端から、一直線上に
レンズ78、1.3μmレ−ザ70、1.3μm波長選
択フォトダイオード64、1.55μmフォトダイオー
ド85が順に並んでいる。レ−ザは1.3μmの信号を
発する。一部背面にでる光は背後のモニタ用フォトダイ
オード64によって出力が監視される。信号光は前方に
でて集光レンズ78によって集光され光ファイバに入
る。
ンズで絞られ、レ−ザ70、受光素子64を素通りし、
1.55μmフォトダイオード85に入る。ここで局側
から送られてきた光信号を電気信号に変換する。これ
は、レ−ザによって1.3μm信号を送信し、局から送
られた1.3μmをフォトダイオード85によって受信
するという点で、図11、12と共通する。特別な波長
選択フォトダイオードによってレ−ザ光のモニタもでき
るようにしている。
オード+レンズフォトダイオード)図17には、さらに
1.55μm光を集光させるためのレンズ80を追加し
たものを示す。このようにすると、LD70から、1.
55μmフォトダイオードの間が多少離れていても、十
分にフォトダイオード85に1.55μm光を集光でき
る。光学系の設計がより自由になる。
良)]以上に説明した物は何れも、本発明のモジュール
の改良である。さらにモジュールの性能を高めるための
レ−ザ自体の改良に付いて述べる。
つつ、前端面から効率よく光を発し、後端面にはより少
なく光を発するように前端面と後端面に反射膜が形成さ
れる。これは発振波長に対する反射膜である。もともと
InPの屈折率は3.5であって高いので、空気との境
界における反射率も高い。反射膜がなくても空気との間
の反射率は30%にもなる。それで前端面には反射膜を
形成しない事もある。しかし後端面は80〜90%の反
射膜を設けるのが普通である。
き半導体レ−ザにおいても、前端面後端面に反射膜を設
けると、1.55μm光の透過の妨げになる。従来から
用いられる反射膜は波長による反射率の変動が少なく、
全ての波長の光を反射してしまうからである。そのよう
な反射膜を持つ半導体レ−ザを利用すると、最後部にあ
る1.55μm用受光素子に到達する1.55μm光量
が著しく弱くなってしまう。
は少しでも少ない方がよい。さらに1.3μmを反射す
るということと、1.55μmは透過するということは
必ずしも矛盾するものではない。そういうことに気づい
た。本発明者は、レ−ザの両端面に、1.3μmには所
定の反射率を持ち、1.55μmは殆ど透過するような
膜を設けることに思い至った。つまり1.3μmには反
射膜、1.55μmには反射防止膜として機能するよう
な膜を、レ−ザの両端面に設けるのである。そのような
膜が存在するのか?誘電体膜の屈折率、厚みを適当に設
計する事によってそのような膜を製作する事ができると
いう事が分かった。
VD法の技術によって作製できる。一例を述べる。レ−
ザの前端面には、チップに付着する側から順に、 SiO2 :606nm/a−Si:24nm/SiO
2 :217nm という構成にする。これはプラズマCVD法によって作
製できる。この膜は、1.3μmに対しては、30%の
反射率になり、1.55μmに対しては0.5%の低反
射率になる。レ−ザの後端面には、チップ端面に付着す
る側から順に SiO2 :220nm/a−Si:56nm/SiO
2 :103nm/a−Si:84nm/SiO2 :47
0nm、 をプラズマCVD法によって形成する。
率を持ち、1.55μmに対しては0.5%の反射率で
ある。これらの膜は本発明のモジュールに使われる半導
体レ−ザの反射膜として最適である。もっとも薄膜の材
料、膜厚などにつては、これ以外にもいくつもの組み合
わせがある。このような多層膜を端面に形成したレ−ザ
を用いる事によって、より安定なLD送信動作、より高
感度の受信動作を実現することができる。
面図である。上面から順に、p電極113、InGaA
sPキャップ層114、P−InPクラッド層115、
InGaAsP活性層116、n−InPクラッド層1
17、n−InP基板118、n電極119よりなる。
もちろん活性層、クラッド層などの両側には埋め込み層
などがあるが、この図には現れない。後端面には、1.
3μm反射1.55μm透過膜120が設けられる。前
端面には同様に1.3μm反射1.55μm透過膜12
1が形成される。
物)]本発明の光送受信モジュールを箱型のパッケージ
に実装した実施例を図19、図20によって説明する。
コバールの箱型のパッケージに、図13に示した1.3
μm選択受光素子64と、図18に示したレ−ザチップ
125と、1.55μm受光素子85を収容した物であ
る。
ールよりなる。内部にサブマウント128が固定され
る。サブマウント128には切り欠きや段差があり、部
分的にメタライズがなされている。パッケージには、適
数のピン131、132、…が設けられる。サブマウン
トの最前にはレンズ130が三角形の切り欠き164に
固定される。レンズ130の後ろには、レ−ザチップ1
25がメタライズ129の上に固定される。さらにその
後に、1.3μmのみに感じる波長選択性フォトダイオ
ード64がレ−ザのモニタとしてメタライズ166の上
に設けられる。
D85がメタライズ167の上に固定される。光ファイ
バ138が、パッケージの前方の通し穴137に固定さ
れる。光ファイバは局側からの1.55μm光を伝送し
てくる。これはレンズ130によって集光され半導体レ
−ザ125の活性層を通り抜け、モニタPD64も通り
抜ける。これが最後端の1.55μmフォトダイオード
85によって感受される。
は、レンズによって集光され光ファイバに入り、局側へ
と伝送される。レ−ザ光強度はモニタPD64によって
検知される。
×400μmのチップを1.3μmPDとして500μ
m×500μmのチップと、1.55μmPDとして5
00μm×500μmのチップを用いている。1.3μ
mPDの受光径は、300μm、1.55μmPDの受
光径は200μmである。サブマウントは窒化アルミ製
である。サブマウントは先述のようにレンズの為の切り
欠き、1.3μmLD、1.3μmPD、1.55μm
PDを取り付けるためのメタライズ、溝などを有する。
1.55μmが1.3μmPDによって遮られないよう
に、1.3μmPDの受光径(300μm)を、1.5
5μmPDの受光径(200μm)よりも大きくしてい
る。
5、64、85を全て半田付けする。例えばAu−S
n、Sn−Pb半田を用いる。レンズはエポキシ樹脂に
よってサブマウントに接着する。さらにサブマウントを
パッケージの内側に半田によって固定する。次に、各チ
ップの電極パッドと、メタライズあるは、メタライズと
リードピンを、直径30μmの金線によってワイヤボン
デイングする。
を少し緩めにしておき、レ−ザチップ125を発光させ
る。光ファイバの他端で1.3μm光強度を観測し、結
合効率が最適になる位置で光ファイバをエポキシ系の樹
脂によってパッケージに対して固定する。その後、乾燥
した窒素雰囲気でパッケージにキャップをして密封す
る。これは例えばシームシール法による。
1.3μm選択モニタPDを、さらに後方に1.55μ
mPDを配置することによって、1.55μm光が、L
D、1.3μmPDを透過し、後方の1.55μmPD
に到達するようにできる。つまり全ての素子を直線上に
配置できる。
Dを発光させ、光ファイバとの結合効率を測定した。レ
−ザの前端面後端面に1.55μm透過膜のない場合と
ほぼ同じ程度の結合パワーを光ファイバに入れる事がで
きた。反対に、光ファイバから1.55μmを出射し、
PDによってこれを検知した。LD、1.3μmPDが
ない場合とほぼ同じ感度を得る事ができた。つまり、P
DとLDがそれぞれ独立に動作するという事が確認され
た。
箱型であるから、プリント基板に容易に実装できる。パ
ッケージの形状を大きくする事によって、パッケージ内
にレ−ザの駆動回路や、フォトダイオードの光電流の増
幅回路なども収容する事ができる。信号処理回路も含め
て全体を小型化することができる。
とLDは独立に動作し、個別に作製され波長分波器によ
って結合された従来のモジュール以上の性能を発揮す
る。本発明はこれらの実施例によって限定されるもので
はない。パッケージ、レンズ、キャップなどの形状は任
意である。二つの波長の組み合わせについても、例に述
べた、1.3μm/1.55μmの組み合わせに限らな
い。
1.46μm/1.55μm、0.9μm/1.3μm
などの組み合わせなども有力な候補である。何れにおい
ても、LDの発光領域(λ1 )と、PDの感度領域(λ
2 )が重ならないようにして、LDの光をPDが感受せ
ず、λ2 がレ−ザを透過するようにすれば本発明のモジ
ュールを作製し得る。光ファイバとレ−ザの結合は、以
上の例で説明した他に、光コネクタ(レセプタクル)を
用いるものであっても良い。
レ−ザを光ファイバの出射端面近くに設け、その後方に
λ2 の光を受信するPDを配置する。光は分岐する事な
く、直線上を伝搬する。波長分波器は不要である。従来
3個の主要部品(分波器、LDモジュール、PDモジュ
ール)を必要としていた光送受信モジュールが、わずか
1個の光送受信モジュールによって構成することができ
る。
用形態を略示する。波長分波器がなく、2系統にもなら
ない。小型化でき、部品点数が少なくなる。製造工数も
少ないので低価格化が可能になる。波長分波器がないの
で、波長分波器による損失がない。ファイバの接続点が
ないのでファイバ接続による損失もない。性能の優れた
光送受信モジュールを提供する事ができる。
を利用する光通信系であって、発光素子、受光素子を一
直線上に配置して波長分波器を省いたものである。しか
し本発明の線形構造はより多くの波長λ1 <λ2 <λ3
…<λn のものにも適用できる。λ1 を発する半導体レ
−ザ、λ2 、λ2 、λ3 、…、λn を選択的に受光する
受光素子をこの順に一直線上に並べて配置して、λj の
光はレ−ザと、λj-1までの受光素子によって吸収され
ず、λj のフォトダイオードによって初めて吸収され感
知されるようにする。つまりフォトダイオードの感度領
域を極めて狭くして、選択性を与える。
をそれぞれの専用のフォトダイオードによって検出する
ようにできる。n個の波長の異なる光を分離し統合する
ためにはすくなくともn−1個の波長分波器が必要であ
る。しかも波長分波器は1:(nー1)のような複数波
長の分離を完全に行うことはできないから、信号の混合
を完全に防ぐのは難しい。本発明は半導体の吸収端によ
る波長選択性を利用するから、波長分波器のような不完
全分離、混信の問題を解決できる。
であって同方向の2入力から異なる波長λ1 、λ2 を入
れると2出力の内の一つからλ1 +λ2 が出力される事
を示す概略構成図。
であって対向する2入力から異なる波長λ1 、λ2 を入
れると他の端部からλ2 が出力され、λ2 の入力端にλ
1 が出力されることを示す概略構成図。
者側の光送受信モジュールの構成例図。
図。
面図。
図。
感度特性グラフ。
光素子を一直線上に並べてなる本発明の第1実施例に係
る光送受信モジュールの概略構成図。
ザ、λ2 用受光素子を一直線上に並べてなる本発明の第
2実施例に係る光送受信モジュールの概略構成図。
体レ−ザの後背部に設けられ1.55μmを通しつつ、
1.3μm用半導体レ−ザの光量をモニタするために用
いる波長選択フォトダイオードチップの概略断面図。
1.3μm発光半導体レ−ザの出力をモニタするフォト
ダイオードを作製する際の出発材料となるエピタキシャ
ルウエハの波長透過率特性グラフ。
ォトダイオードの波長感度特性グラフ。
ザ、λ1 用受光素子、λ2 用受光素子を一直線上に並べ
てなる本発明の第3の実施例に係る光送受信モジュール
の概略構成図。
ザ、λ1 用受光素子、集光レンズ、λ2 用受光素子を一
直線上に並べてなる本発明の第4の実施例に係る光送受
信モジュールの概略構成図。
ザの中央縦断面図。
ザ、λ1 用受光素子、λ2 用受光素子を一直線上に並べ
て箱型パッケージに収納してなる本発明の第6の実施例
に係る光送受信モジュールの横断平面図。
ザ、λ1 用受光素子、λ2 用受光素子を一直線上に並べ
て箱型パッケージに収納してなる本発明の第6の実施例
に係る光送受信モジュールの縦断側面図。
側の構成略図。
Claims (8)
- 【請求項1】 第1の波長帯λ1の送信光と、それより
長い第2の波長帯λ2の受信光(λ1<λ2)とを用い
て双方向通信を行う光送受信モジュールにおいて、第1
波長帯λ1で送信光を発光する半導体レーザと、半導体
レーザの後方にあって電極を環状とし受光層の吸収端波
長を第2波長帯λ2より短く第1波長帯λ1より長くし
てあり第1波長帯λ1に感度を有し第2波長帯λ2を透
過させるモニタ用フォトダイオードと、モニタ用フォト
ダイオードの後方に設けられ第2波長帯λ2に感度を有
する受信用フォトダイオードとよりなり、送信光を発生
する半導体レーザの基礎吸収端のバンドギャップエネル
ギーEg1が受信用フォトダイオードの受光層のバンド
ギャップエネルギーEg2より大きく、受信すべき光の
進行方向にそって、半導体レーザ、モニタ用フォトダイ
オード、受信用フォトダイオードがこの順に配置され、
光ファイバから出た第2波長帯λ2の受信光が半導体レ
ーザの発光層とモニタ用フォトダイオードをほぼ無損失
で透過して後方のλ2受信用のフォトダイオードに到達
し、半導体レーザから前方に出た第1波長帯の送信光λ
1は光ファイバへ入射し、半導体レーザから後方に出た
第1波長帯の光λ1はモニタ用フォトダイオードによっ
て吸収されてλ2受信用フォトダイオードには入射しな
いようにしてある事を特徴とする光送受信モジュール。 - 【請求項2】 送信光を1.3μm帯、受信光を1.5
5μm帯とし、送信用半導体レーザが1.3μm帯で発
光し、受信用フォトダイオードが1.55μm帯に感度
を有し、モニタ用フォトダイオードが1.3μm帯に感
度を有し1.55μm帯には感度を持たない事を特徴と
する請求項1に記載の光送受信モジュール。 - 【請求項3】 モニタ用フォトダイオードチップが、I
nP基板の上にInPバッファ層、InGaAsP(λ
g=1.42μm)受光層、InGaAsP(λg=
1.15μm)窓層もしくはInP(λg=0.92μ
m)窓層からなり、p電極、n電極が光の透過を妨げな
いように中心部を除いた部分に形成されており1.55
μm光に感度をもたないことを特徴とする請求項2に記
載の光送受信モジュール。 - 【請求項4】 半導体レーザがInPを基板として、I
nGaAsPを発光層として1.3μm帯の光を発し、
その前面、後面ともに1.3μm帯に対しては所定の反
射率を有し、1.55μm帯の光に対しては反射防止と
なる膜が形成されている事を特徴とする請求項2又は3
に記載の光送受信モジュール。 - 【請求項5】 半導体レーザの両端面に形成された膜に
おいて、前面膜は、LDチップ側から順に、SiO2:
606nm/a−Si:24nm/SiO2:217n
mの層を形成することによって、1.3μmに対して略
30%の反射率を、1.55μmに関しては1%以下の
低反射率をもつものとし、後面膜は、LDチップ側から
順に、SiO2:220nm/a−Si:56nm/S
iO2:103μm/a−Si:84nm/SiO2:
470nmを形成することによって、1.3μmに対し
て略80%の反射率を、1.55μmに対しては1%以
下の低反射率を持つようにした事を特徴とする請求項4
に記載の光送受信モジュール。 - 【請求項6】 受信用フォトダイオードがInPを基板
とし、InGaAsを受光層とする事を特徴とする請求
項1又は2に記載の光送受信モジュール。 - 【請求項7】 光ファイバと、集光レンズと、1.3μ
m発光半導体レーザチップと、1.3μm帯選択モニタ
用フォトダイオードと、1.55μm受信用フォトダイ
オードがこの順にサブマウントの上に固定され、さらに
全体が金属製の箱型パッケージに収納され、金属製のキ
ャップによって気密封止されたことを特徴とする請求項
2〜6の何れかに記載の光送受信モジュール。 - 【請求項8】 第1の波長帯λ1の送信光と、それより
順に長くなる第2、第3、…第nの波長帯λ2、λ3、
…、λn(λ1<λ2<λ3<…<λn)を含む(n−
1)の受信光とを用いて双方向通信を行う光送受信モジ
ュールにおいて、第1波長帯λ1で送信光を発光する半
導体レーザと、半導体レーザの後方にあって電極を環状
とし受光層の吸収端波長λg1を第2波長帯λ2より短
く第1波長帯λ1より長く(λ1<λg1<λ2)して
あり第1波長帯λ1に感度を有し第2波長帯λ2に感度
がなくこれら波長の光を透過させるモニタ用フォトダイ
オードと、モニタ用フォトダイオードの後方に設けられ
電極を環状とし受光層の基礎吸収端波長λg2がλ2と
λ3の間に(λ2<λg2<λ3)あって第2波長帯λ
2のみに選択的に感度を有するλ2受信用フォトダイオ
ードと、λ2受信用フォトダイオードの後方に設けられ
電極を環状とし受光層の基礎吸収端波長λg3がλ3と
λ4の間に(λ3<λg3<λ4)あって第3波長帯λ
3のみに選択的に感度を有するλ3受信用フォトダイオ
ードと、…、λn−2受信用フォトダイオードの後方に
設けられ電極を環状とし受光層の基礎吸収端波長λg
n−1がλn−1とλnの間に(λn−1<λgn−1
<λn)あって第n−1波長帯λn−1のみに選択的に
感度を有するλn−1受信用フォトダイオードと、第n
波長帯λnに感度を有するλn受信用フォトダイオード
とよりなり、送信光を発生する半導体レーザの基礎吸収
端のバンドギャップエネルギーEg1が、λ2受信用フ
ォトダイオードの受光層のバンドギャップエネルギーE
g2より大きく、受信すべき光の進行方向にそって、半
導体レーザ、モニタ用フォトダイオード、λ2受信用フ
ォトダイオード、λ3受信用フォトダイオード、…、λ
n−1受信用フォトダイオード、λn受信用フォトダイ
オードがこの順に配置され、光ファイバから出た第j波
長帯λjの受信光(j=2,3,…,n)が半導体レー
ザの発光層とモニタ用フォトダイオード、λ2〜λ
j−1受信用フォトダイオードをほぼ無損失で透過して
後方のλj受信用のフォトダイオードに到達し、半導体
レーザから前方に出た第1波長帯の送信光λ1は光ファ
イバへ入射し、半導体レーザから後方に出た第1波長帯
の光λ1はモニタ用フォトダイオードによって吸収され
てλ2受信用フォトダイオードには入射しないようにし
てある事を特徴とする光送受信モジュール。
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