JPH09251119A - 光送受信モジュ−ル - Google Patents

光送受信モジュ−ル

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JPH09251119A
JPH09251119A JP8087382A JP8738296A JPH09251119A JP H09251119 A JPH09251119 A JP H09251119A JP 8087382 A JP8087382 A JP 8087382A JP 8738296 A JP8738296 A JP 8738296A JP H09251119 A JPH09251119 A JP H09251119A
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Miki Kuhara
美樹 工原
Hiromi Nakanishi
裕美 中西
Hitoshi Terauchi
均 寺内
Yasushi Fujimura
康 藤村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 双方向光通信を行うための安価で量産に適し
た光送受信モジュールを提供する事。 【解決手段】 フォトダイオードとレ−ザダイオードを
同じパッケージに収容し自由空間を光線が伝搬するよう
にして、フォトダイオードにもレ−ザダイオードにも光
ファイバを結合させる。レ−ザダイオードは光ファイバ
の光軸上に置き、フォトダイオードはレ−ザ・ファイバ
を結ぶ基線に側面が近接するような位置に置く。集光レ
ンズを使うと光ファイバから出た光の内半分近くをフォ
トダイオードによって受光できる。レ−ザから出た光は
半分近くを光ファイバに導入できる。空間自体の光の分
離作用を有効に利用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は光双方向通信に用
いられる光送受信モジュールの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】光ファイバの伝送損失が低下し、また半
導体レ−ザ(以下LDと略す)や半導体受光素子(以下
PDと略す)の特性が向上したことによって、光、特に
波長1.3μm、や1.55μmの長波長の光を用いた
信号(電話、ファクシミリ、テレビ画像信号など)の通
信が盛んになりつつある。これを一般に光通信という。
中でも最近は1本の光ファイバによって双方向に信号を
同時にやり取りするシステムが検討されている。この方
式の利点はファイバが1本で済むことである。
【0003】図1はこのような方式の内、一波長(λ)
による双方向通信の原理図である。これは局側、加入者
局側に分波器2、4が必要である。局側では、電話やF
AXの信号をデジタル信号あるいはアナログ信号とし増
幅した後、半導体レ−ザLD1を駆動し、波長λの光の
強弱の信号として、光ファイバ1に送り込む。光信号は
光分波器2によって光ファイバ3に入り、この中を伝搬
し、加入者へと分配される。光ファイバ3は加入者であ
る各家庭、オフィス、工場などに張り巡らされている。
このように局側から、加入者側に信号が送られる方向を
下り系と呼ぶ。
【0004】加入者側では光分波器4によって下り信号
を光ファイバ5に取り出し受光素子PD2によって受信
する。PD2は受信した光信号を電気信号に変え、増幅
し、信号処理を施し、電話の音声や、FAX信号として
再生する。
【0005】一方、加入者側は、電話やファクシミリの
画像信号を局側に向けて送信する。波長λの光を出す半
導体レ−ザLD2を、電話信号や、画像信号によって変
調し、光ファイバ6、光分波器4、光ファイバ3を通じ
て、局側へ光信号として伝送する。このように加入者側
から局側へ信号を送る方向を上り系と呼ぶ。局側は、こ
の光信号を光分波器2によって光ファイバ7に取りだ
し、PD1によって受信する。これを電気信号に変えて
交換機や信号処理回路に送り込む。
【0006】ここで上り下りの信号伝達は、一波長では
同時にはできない。そこでタイミングを異ならせ、上り
信号、下り信号を交互に伝送する。常に一つの信号が行
き来しているようになるのでピンポン伝送と呼ぶ。
【0007】このように、1本の光ファイバを使って、
1波長の光を用いて双方向通信を行うには、局側、加入
者側のどちらにも、光路を分離する機能素子が必要であ
る。図1では光分波器2、4がその役割を果たす。光分
波器は、波長λの光を、1本の光ファイバにまとめて導
入することができる。反対に、1本の光ファイバを伝搬
する波長λの光を異なる2本の光ファイバに分配するこ
ともできる。1本の光ファイバを使う双方向通信には、
光分波器が不可欠である。
【0008】光分波器として、いくつかの種類のものが
提案されている。2本の光ファイバを用いたもの、光導
波路を用いたもの、多層膜ミラーを用いたものなどがあ
る。図2に示すものは、光ファイバまたは光導波路型の
ものである。2本の光の導波部分を接近させてエバネッ
セント結合させ、エネルギーの交換を可能にする。結合
部の距離Dと長さLを適当に選ぶことによって、光の分
波・合波機能を賦与することができる。図2では光ファ
イバ8に入れた光が、光ファイバ11にP3となって出
てくる。但し、約半分の光はファイバ12の方へ移り、
利用されない。逆にファイバ11から光P4を入れる
と、これが約半分になりファイバ8と9から出てくる。
このような光分波器は、局側の波長分波器にも、加入者
側の波長分波器にも同様に利用することができる。
【0009】図3の波長分波器は、二等辺三角柱ガラス
ブロックの対角面に誘電体多層膜を蒸着し、もうひとつ
同等のガラスブロックを張り付けて正四角柱にしたもの
である。誘電体多層膜が干渉フィルタになり、張り合わ
せ面に対して45度の角度をなす光が入射すると、約半
分の光が反射し、残りの光は透過するようになってい
る。このような光分波機能は誘電体膜の厚み、屈折率を
適当に選ぶ事によって実現される。その他にもいくつか
の波長分波器が提案されている。
【0010】このように光をある強度比(主に1:1)
によって異なる経路に分けてしまう素子は光分波器、分
波・合波器と呼ばれる。光ファイバやガラスブロックを
用いたものは既に市販されている。以上述べた事で強調
したい点は、何れに於いても約半分の光は無駄になると
いうことである。これは一波長である事と、光が可逆性
を持つ事から帰結することでやむを得ない。
【0011】図4は従来例に係る加入者側の光送受信モ
ジュールの構成例を示す概略図である。局側につながる
光ファイバ16の終端は光コネクタ17によって屋外の
光ファイバ18に接続される。これを光ファイバ型の光
分波器21によって上り光と下り光とに分離する。既に
述べたように二つの光ファイバの近接部20の近接距離
長さによって1:1に光を分ける機能を与える事ができ
る。光ファイバ18の側に上りのLD光(発光ダイオー
ドからの光)を入れ、光ファイバ19の側より下りの光
を取り出し、PDによって受信するようにしている。
【0012】光ファイバ18は光コネクタ22によって
LDモジュール25に接続される。LDモジュールは加
入者側からのデジタル信号を電気光変換して局に向けて
送信するためのものである。光ファイバ19は光コネク
タ23によってPDモジュール27に接続される。これ
は局側からの光信号を電気信号に変換し、加入者側で受
信するためのものである。その他ビームスプリッタと称
される光分波器を用いた例もある。EP463214−
B1である。
【0013】図5は従来例に係る半導体発光素子モジュ
ール28の断面図である。半導体レ−ザチップ29とこ
れの出力をモニタするためのフォトダイオード30を備
える。半導体レ−ザ29はサブマウントを介してヘッダ
32のポール31に取り付けられる。ヘッダ32の底部
には、フォトダイオード30が水平よりやや傾いてに固
定される。ヘッダ32の底部にはリードピン33が複数
本設けられる。通し穴35を有する円筒形のキャップ3
4が半導体レ−ザ29、フォトダイオード30を囲むよ
うに、ヘッダ32に溶接される。ワイヤによってリード
ピンとチップ29、30の電極が外部回路と接続される
ようになっている。
【0014】ヘッダの上にはさらに円筒形のレンズホル
ダ−36がある。レンズホルダ−36は中央の穴に集光
レンズ37を有する。レンズホルダ−36の上にはさら
に円錐形のハウジング38が溶接される。ハウジング3
8にはフェルール39とフェルールによって先端が固定
された光ファイバ40が取り付けられる。半導体レ−ザ
29、レンズ、光ファイバなどを調芯して、レンズホル
ダ−36、ハウジング38をそれぞれ固着する。レンズ
は集光性を高めてレ−ザと光ファイバの結合効率を高め
る。モニタ用フォトダイオードによって半導体レ−ザの
後方から出る光をモニタしてフィードバック回路によっ
て駆動電流を制御する。これによって温度変動があって
も半導体レ−ザの出力を一定に保つことができる。
【0015】本発明は、半導体レ−ザの構造だけでな
く、フォトダイオードの構造にも関する。それ故、従来
例に係る受光素子モジュールについても説明する。図6
は従来例に係る受光素子モジュールの断面図である。P
Dチップ41が円盤状のヘッダ42の上に固着されてい
る。ヘッダ42は複数のリードピン43を有する。レン
ズホルダ−46が集光レンズ47を保持している。ハウ
ジング48がレンズホルダ−46の上部に溶接してあ
る。ハウジング48には光ファイバ50の先端を固定し
たフェルール49が差し込まれている。
【0016】光ファイバ50の先端は斜めに切断してあ
る。光ファイバ50からでた光はレンズによって集光さ
れて受光素子41に入射する。受光素子(PD)として
は、1.3μm光や1.55μm光を受光するには、I
nPを基板として、InGaAsを受光層としたPDが
良く用いられる。先にも述べたように、本発明は受光素
子の構造に関係するところも多いので従来の受光素子の
構造についてさらに詳しく述べる。
【0017】図7は従来例に係る半導体受光素子チップ
の断面図である。n−InP基板52の上に、n−In
Pバッファ層53、n−InGaAs受光層54、n−
InP窓層55がエピタキシャル成長している。n−I
nP窓層55、InGaAs受光層54の中央部は亜鉛
拡散領域56になっている。このp−型領域の上にリン
グ状のp電極57が作製されている。またn−InP基
板52の上にn電極61が形成される。p電極57によ
って囲まれる領域には反射防止膜58が被覆してある。
またp電極57の外側はパッシベ−ション膜59によっ
て保護されている。反射防止膜58のあるInP窓層の
側より信号光が入射し、InGaAs光吸収層で吸収さ
れ電気信号に変換される。
【0018】図8はこのような受光素子の感度特性を示
すグラフである。横軸は波長(μm)であって、縦軸は
感度(A/W)である。感度グラフは立ち上がり部P、
平坦部Q、たち下がり部Rを含む。高い感度を示す波長
範囲はこの例では、1.0μm〜1.6μmに渡ってい
る。高感度範囲は光吸収層の材料できまる。この場合
は、InGaAs受光層54の材料特性によって決ま
る。このように広い感度特性を持つフォトダイオードが
従来の受光素子モジュールに使われてきた。ここで光フ
ァイバから出射される光線はほぼ円形に広がるため受光
面の形状も円形のものが主に用いられている。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】従来の光分波器、半導
体発光素子、受光素子を組み合わせた光送受信モジュー
ルは図4で示したように3つの主要部品からなってい
る。3つの部品を持つので、大型になるし、価格も高く
なる。また分波器や、光ファイバの結合部分などで光の
損失が出るので長距離通信には使い難いという難点があ
った。そのために一般家庭への光送受信モジュールの普
及が困難であるという問題があった。
【0020】部品点数がより少なく、小型で低価額な光
送受信モジュールを提供することが本発明の第1の目的
である。光の損失の少ない光送受信モジュールを提供す
ることが本発明の第2の目的である。光加入者系の実用
化を大きく寄与することのできる光送受信モジュールを
提供することが本発明の第3の目的である。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明の光送受信モジュ
ールは、一本のファイバで送受信を行う光送受信モジュ
ールにおいて、ファイバに近い方から見て、前方に光フ
ァイバからの出射光の略半分を受光する受光素子を、後
方に出力光の略半分の光が結合するように発光素子を設
けるようにしたものである。さらに光ファイバと受光素
子或いは受光素子と発光素子の間に集光レンズを入れる
事にしても良い。或いは発光素子としてのレ−ザの光量
をモニタするためのモニタフォトダイオードをレ−ザの
すぐ後に設置しても良い。
【0022】光ファイバから出た光はある立体角Ωを持
って広がる。これを軸線を含む面で2分し、約半分のΩ
/2を送信光に、残りの約半分のΩ/2を受信光に割り
当てる。軸線上に発光素子を設置し、軸線近くに受光領
域の偏奇した受光素子を設ける。
【0023】
【発明の実施の形態】なぜ従来の光送受信モジュールが
大きく、高価になるのか?本発明者はその原因について
様々に考えた。従来のものは必ず、光分波器を使ってい
る。なぜこれが必要なのか?ということを考えてみる。
一本の光ファイバで双方向通信を実現する為に、行きと
帰りの光を分けるために光分波器が使用されている。往
復光の分離の為に光分波器が必要である。そう思われて
きたのである。
【0024】ところで、図1や図2の光ファイバカップ
ラでも、図3の多層膜ミラーでも、必ず光強度は半分若
しくは設計した分岐比になる。レ−ザの結合効率と、フ
ォトダイオードの受光効率は互いに減殺しあう関係にな
る。レ−ザの結合効率を上げようとすると、フォトダイ
オードの受光効率が下がる。これは一波長を使う限り避
けられない事である。
【0025】ここでは簡単のため1:1の分岐比になる
場合を例にして説明する。なぜわざわざ光ファイバ分波
器やガラスブロックのミラーを使うのかというと、レ−
ザとフォトダイオードの光路をはっきりと区別したいか
らである。確かに図1から図3の機構を用いると光路は
二分される。
【0026】しかしピンポン伝送の場合、分岐を使って
までして本当に光路を二分する必要があるのであろうか
?ピンポン伝送の場合、送信時間と受信時間が別々であ
る。送信受信が同時的でない。送信時にはレ−ザが光り
これが伝送され、受信時には受信光が伝搬しフォトダイ
オードに光が入れば良いのである。さらに考えれば、光
ファイバから出た光は自然に空間に広がって行くもので
ある。分岐などなくても連続的に空間的に広がる。見方
を変えればこれを分岐とみなすことができる。空間にお
ける幾何学的自然な分散を分岐と考える事に対して不都
合はない。損失が少し気になるであろう。しかしどのよ
うな高級な高品質の光分波器を使ってもどうせ半分の光
はロスになるのである。空間的な自然の光の広がりを分
岐としても効率の点では余り問題にならない。
【0027】空間自体を分岐に利用するという着想を得
れば、図9のような構成を思いつく。光ファイバ62の
端面63の前方軸線上にレ−ザ70を配置する。レ−ザ
と光ファイバの中心を結ぶ線分(基線と呼ぼう)の途中
の側方にフォトダイオード64を設置する。側方といっ
てもフォトダイオード64の側端66がレ−ザ・ファイ
バ間軸線(基線)に接近した位置に設ける。フォトダイ
オード64の受光層65はレ−ザ・ファイバ間軸線(基
線と呼ぶ)の側に偏っている。レ−ザから出る光は空間
的に広がる。基線に沿って進む光72は光ファイバ端面
63に当たり光ファイバ62に入射できる。
【0028】上方に進む光線73は光ファイバに入る事
ができず無駄になる。下方にそれた光線74はフォトダ
イオードの底面に当たる。これも無駄な光である。受光
面に入らないからフォトダイオードの信号にはならな
い。一方、受信光の内、光ファイバから出て基線より少
し下向きのビーム67〜68がフォトダイオード64の
受光面65に入る事ができる。これは受信され有効な信
号になる。上方へそれたビーム69は無駄になる。ピン
ポン伝送であるから送受信のタイミングが異なる。図9
のように空間を分岐として利用したモジュールでも十分
なパワーを送信受信できる。
【0029】もちろんこれは原理を明確にするための簡
略化した概念図に過ぎない。実際には、光ファイバの斜
めカット、集光レンズ、パッケージなどが必要である。
光ファイバから出てきた光(受信光)はその開口数N.
A.に従って拡がりながらフォトダイオードの方へ進ん
で行き、半分の光(67〜68)が受光され電気信号に
変わる。残りの半分(69)は通り過ぎて行く。
【0030】一方レ−ザからの光(送信光)は、光ファ
イバに向かって進行する。その半分(74)は、フォト
ダイオードの影になって光ファイバに届かない。残りの
一部(72)が図のように光ファイバに入る。これで、
光を分岐できている。特別な光分岐器は全く不要であ
る。送信光受信光を同じ光ファイバによって伝搬でき
る。しかし概念図に示すこのままではレ−ザ光の光ファ
イバに対する結合効率が悪い。実際には、レンズを介在
させる。集光レンズによって広がったレ−ザ光の約半分
を光ファイバに入射させることができる。
【0031】このように空間を分岐として利用すると光
カップラが要らない。一つのパッケージに全てを組み込
んでしまう事ができる。小型低コストの光送受信モジュ
ールとすることができる。
【0032】この発明の基本的な考えは、ほっておくと
自由空間において光は広がりながら直進するという物理
的な現象をそのまま素直に利用しようという発想にあ
る。これまでのモジュールは全て、何とか光を導波作用
のある経路に閉じ込めてから、光路を曲げたり、無理矢
理に分割しようとしたから光分波器などが必要になった
のである。初めから光路に閉じ込めなければ良いのであ
る。
【0033】そのような発想から従来技術を再び簡単に
振り返る。特開平7−168061号はレ−ザを斜めに
光ファイバに入射させるものである。斜めに配置しても
結合効率は著しく改善されるものではない。また量産時
にも斜め実装するというのは特別の工夫が必要である。
本発明はこれとは違い、全てを光軸に沿って直線上に配
置する。
【0034】
【実施例】
[実施例(フォトダイオード・レ−ザ間に集光レン
ズ)]図10によって本発明の第1の実施例を示す。フ
ォトダイオードとレ−ザの間に集光レンズを挿入した例
である。光ファイバ62とレ−ザ70を結ぶ基線に接す
るように受光層偏寄型フォトダイオード64を設ける。
これは図9の原理形と同じである。それに加えて集光レ
ンズ75をフォトダイオード64とレ−ザ70の中間に
設ける。
【0035】レ−ザ70から上下に分散して出射される
ビーム73、74も集光レンズ75によって屈折し、光
ファイバ62の端面63に焦点を結ぶようになってい
る。上方へそれたビーム73は屈折しビーム76となり
光ファイバ63に入る。下方へそれた半分74は屈折し
ビーム77となるがフォトダイオード64によって遮ら
れる。集光レンズ75によってほぼ半分のビーム(72
〜73)を光ファイバに集束入射できる。
【0036】レ−ザの活性領域は狭い。発振光の広がり
は大きい。従ってレ−ザ光を集光する必要性は高い。反
面受光素子は広い受光層を持つから広く分布する光を集
めることができる。レンズによって集光する必要性は低
い。この例はレ−ザ光のみを集光しているがこれで十分
である事も多い。ここでは球面レンズを使っているがこ
れは安価で取扱い容易であるからである。さらに結合効
率を上げたいという時は非球面レンズを使う。またロッ
ドレンズでも良い。
【0037】[実施例(光ファイバ・フォトダイオー
ド間に集光レンズ)]図11によって本発明の第2の実
施例を示す。光ファイバとフォトダイオードとの間に集
光レンズを挿入した例である。光ファイバ62とレ−ザ
70を結ぶ基線に接するように受光層偏寄型フォトダイ
オード64を設ける。集光レンズ78を光ファイバとフ
ォトダイオード64の中間に設ける。このレンズはレ−
ザ光を光ファイバ端面に集光する物である。レ−ザから
離れるから図10のものよりも大きい。レ−ザ70から
出た光の約半分を光ファイバに入れる事ができる。光フ
ァイバから出た光の下半分79をフォトダイオード64
に導く事ができる。しかしフォトダイオード面が焦点で
ないから焦点を結ばない。しかしフォトダイオードは広
い受光面を持つので焦点を結ぶ必要はなく、分散型受光
で十分である。
【0038】この例は受信光も幾分集光できるという利
点がある。さらにフォトダイオードとレ−ザの間にレン
ズを配置する空間的な余裕がない場合が多いので図11
のような配置が有効である。
【0039】[実施例(集光レンズ+モニタPD)]
図12にモニタPD81をレ−ザ70の背面に設けた第
3の実施例を示す。レ−ザ素子は通常レ−ザチップの背
後にモニタPDを備える。さらに集光レンズをも持って
いる事が多い。レ−ザ素子のレンズとレ−ザの間に、受
光層偏寄型フォトダイオード64を追加するだけで図1
2のような実施例を得る事ができる。レ−ザのパワーを
常時モニタするために、レ−ザ背面の共振器反射率を少
し下げて背面にも一部のレ−ザ光83が出るようにす
る。これが受光層82に入りパワーが検出される。通常
のモニタフォトダイオード付きの標準のレ−ザに光路を
半分だけ遮るようにフォトダイオードを配置するだけで
簡単に本発明のモジュールができるという事が分かる。
【0040】以上の実施例〜において、フォトダイ
オードと半導体レ−ザは、おおむね光ファイバ・レンズ
の光軸方向に並んでいれば良い。幾分光軸からフォトダ
イオード、レ−ザの位置をずらすこともできる。
【0041】[実施例(斜めカット光ファイバ)]図
13には光ファイバ端63を斜めカットした実施例を示
す。端面で反射された光がレ−ザに戻らないように光フ
ァイバ端を約8度に切断研磨することは良く行われる。
すると光ファイバから出るビームの光軸が切断面と反対
の方向に傾く。ビーム光軸(基線)上に集光レンズ7
8、レ−ザ70を設ける。これはこれまでの実施例と同
じ事である。フォトダイオードを光ファイバ軸線上に側
面が接するようにしたとしても、基線とフォトダイオー
ド側面が離れる。レ−ザ光を遮る程度が少なくなるか
ら、より多くのレ−ザ光量を光ファイバに入射できる。
受光素子光量はやや減るが広い受光面を持つので余裕が
あり差し支えない事である。
【0042】[実施例(斜めフォトダイオード)]図
14に示す第5の実施例では、レ−ザ70から出てフォ
トダイオードの背面に当たるビーム74が反射されてレ
−ザに戻らないようにしている。反射ビーム84がレ−
ザから遠ざかる方向にフォトダイオード64を傾けてい
る。戻り光によってレ−ザ発振が不安定にならないよう
にする。実際には図12〜図14のモニタフォトダイオ
ード81も傾いた状態で固定される。
【0043】[実施例(受光層偏寄型フォトダイオー
ド)]本発明において受光素子として、従来からある円
形の受光層をもつフォトダイオードを使う事もできる。
しかし円形受光面受光素子は、側面近くに偏在するビー
ムを効率よく検知できない。チップの側面近くに偏在す
るビームの殆どを受光できるように特別な工夫をするこ
とができる。半円、半楕円形の受光層を持つフォトダイ
オードを作製することである。矩形状でもよい。基線に
近い側面近くで広い受光面積を持つようにすれば良い。
【0044】図15にそのような受光素子の例を示す。
1.0μm〜1.6μm帯の光に対して高感度を有する
InGaAs受光層を持つフォトダイオードである。n
型InP基板86の上に、InPバッファ層87、In
GaAs受光層88、InP窓層89がエピタキシャル
成長している。半楕円型のp型領域90が、窓層89、
受光層88の一部に亜鉛(Zn)拡散によって形成され
る。p型領域の上が受光面Rになるが、ここには半楕円
型の反射防止膜93が被覆される。
【0045】受光面Rを囲む外周部はパッシベ−ション
膜91によって防護される。受光面Rの形状は半楕円、
半円であるが、弦95がチップの側面66のごく近傍に
存在する。弦95と側面の距離dは短いほど受信光をよ
り多く受光できる。しかしPN接合の表面露出部をパッ
シベ−ション膜によって保護する必要がある。距離dを
余り狭くできない。それでdは10μm〜20μm程度
とする。
【0046】p電極92は半楕円の周辺に付けても良い
が、p型不純物(例えば亜鉛)を高濃度に拡散できp型
領域90を十分低い抵抗率にできるから、受光面Rの一
方の片隅にp電極92を設けることにする。図15
(C)は光ファイバの出射光の広がりを示す。斜めカッ
トすると、出射光はカットの方向にやや長い楕円断面を
持つように広がる。これの半分の分布にふさわしいよう
に、受光面の幾何学的形状を工夫している。このような
半円、半楕円の受光面を持つフォトダイオードは市販さ
れていないが、従来の製造工程を少し変更することによ
って製造することができる。
【0047】[実施例(円筒形パッケージに収容した
物)]図16によってより具体的な実施例を説明する。
円板状の金属製ヘッダ111にフォトダイオード64、
レ−ザダイオード70、モニタ用のフォトダイオード8
1とを取り付けたものである。これは図13の例をより
具体化したものである。ヘッダ111は下面に4本のリ
ードピン112、113、114…を持つ。グランドピ
ン112はケース(ヘッダ)に直接に固着されている。
他のピンは通し孔に絶縁物118によって固定される。
ヘッダ111の上面には隆起したポール119が形成さ
れている。ポール119の側面にサブマウント122を
介してレ−ザダイオード(LD)70が取り付けられ
る。
【0048】レ−ザ70の上方の、ポールの頂面にPD
用のサブマウント120を取り付け、さらにフォトダイ
オード(PD)64がその上に固定される。PD64は
その側面が、レンズ126、レ−ザ(LD)70を結ぶ
光軸にほぼ接するように位置決めされる。LDからの光
が直進して光ファイバ62に入ることができ、しかもフ
ァイバ62から出射された光の半分近くがフォトダイオ
ード64に入るようにするための配置である。ヘッダ1
11の中央には傾斜面がありここにサブマウント123
とモニタフォトダイオード81が固定される。
【0049】円筒形のキャップ124の中央部には開口
があり、ここに球レンズ126が接着剤によって固定さ
れる。フォトダイオード64、レ−ザ70、フォトダイ
オード81の電極パッドとそれぞれのリードピンはワイ
ヤ(図示しない)によって結合される。
【0050】半導体レ−ザ70としては、InGaAs
Pの1.3μm用LDを用いた。チップサイズは300
μm(縦)×300μm(横)×100μm(厚み)で
ある。フォトダイオード64は図15で説明したもので
ある。受光層はInGaAsである。チップサイズは4
50μm×450μm×300μmである。受光部Rは
半楕円状であり、短軸長は約250μmである。長軸方
向半径は約200μmである。つまり受光部は長軸約4
00μm、短軸約250μmの楕円を短軸にそって二分
した形状になっている。
【0051】実装の工程について述べる。レ−ザチップ
70をAlNのサブマウント122にAuSnによって
半田付けした。フォトダイオードチップ64はアルミナ
Al23 サブマウント120にAuSn半田によって
固定する。モニタフォトダイオード81もサブマウント
123にAuSnによって半田付けした。
【0052】その後モニタPD81のサブマウント12
3、LD70のサブマウント122、PD64のサブマ
ウント120をこの順に、所定の位置へSnPb半田に
よって半田付けする。これらのチップの電極パッドとリ
ードピンをAu線によって結線する。ワイヤは簡単のた
め図示していない。全ての素子のアース(グランド)を
共通にすることによって、4本のリードピンがあれば各
素子(PD64、レ−ザ70、PD81)を独立に動作
させることができる。
【0053】ここでモニタフォトダイオード81は戻り
光がレ−ザ70に入るのを防ぐために、約12度傾けた
状態で固定される。その後レ−ザ70を固定し、さらに
フォトダイオード64を実装する。この時に注意が必要
である。顕微鏡によってレ−ザ70の端面近傍を観察し
ながら、レ−ザ(LD)70の発光位置となるチップ表
面のエピタキシャル層がPDによって隠れず、しかもP
Dの側面ができるだけ軸線に接近した位置で受信用のP
Dを固定する。
【0054】次に光ファイバとLDの結合効率を見なが
ら通常得られる最適時の結合パワーの略半分の結合パワ
ーになる位置でレンズ付きキャップ124を固定した。
これは電気溶接を用いた。こうやって完成した、フォト
ダイオード、レ−ザダイオード、フォトダイオードを含
む素子を送受信デバイスと呼ぶ。これだけでも光送受信
システムに有効な素子として利用でき、新規有用な発明
である。このようなヘッダに収容した素子をさらにレセ
プタクルタイプ或いはピグテイルタイプのモジュールと
することができる。
【0055】[実施例(ピグテイルタイプ型光送受信
モジュール)]図17に本発明をピグテイルタイプの光
送受信モジュールに応用した実施例を示す。ピグテイル
であるから光ファイバの他端に光コネクタがあってここ
で光ファイバの着脱ができるようになっている。ヘッダ
111にフォトダイオード64、レ−ザダイオード7
0、フォトダイオード81を実装した点は前例と同じで
ある。
【0056】金属製のフェルールホルダ−133の中心
軸孔を貫いてフェルール136が挿通される。この例で
はステンレスによってフェルールホルダーを作ってい
る。フェルール136は光ファイバ62の先端部を保持
する。光ファイバとフェルールの端面は8度の傾斜にな
るように研磨される。レ−ザ70を光らせて光ファイバ
の他端から出た光をパワーメータによって監視する。フ
ェルール136をホルダ−133に対して軸方向に動か
し、フェルールホルダ−をヘッダに対して面内で移動さ
せ、所望の光量が得られる位置を探す。最適位置が分か
るとA点、B点でYAGレ−ザによってヘッダ、ホルダ
−、フェルールを相互に溶接する。
【0057】調芯の時に、光ファイバ他端より他の発光
素子から1.3μm光を入れて、受信用フォトダイオー
ド64によってその光量を観察しながら、ホルダ−、フ
ェルールの位置を動かすとより望ましい結合効率の比に
設定する事ができる。
【0058】図17のピグテイル型モジュールに1.3
1μm光を入射させフォトダイオード64の感度を測定
した。印加電圧(逆バイアス)が5Vの時、0.4A/
Wという感度であった。ここで感度は光ファイバに入れ
たパワーによって光電流を割ったものとして定義され
る。通常のPDモジュールでは、0.85A/Wという
値が標準の感度である。これと比較して、狙いの通り光
ファイバ・PD間で約半分の結合が実現されていること
になる。
【0059】次にレ−ザダイオード70に30mAの電
流を流し発光させた。光ファイバの他端まで伝搬してき
た光の強度を測定したところ、0.25mWであった。
通常の球レンズを用いたLDモジュールでは、0.6m
Wという結合パワーが得られている。この値の約半分で
ある。つまり意図した通り、レ−ザ光についての光ファ
イバの結合も約半分になっている。
【0060】パルス信号光に対する動作も測定した。良
く使われる155Mbpsの光信号を受信する動作と、
155MbpsでLDを駆動し光信号を送信する動作を
交互に繰り返した。従来のPDモジュールとLDモジュ
ールを光ファイバカップラによって結合してなる光送受
信モジュールにおいて、LDとPDを交互に動作させた
場合に比較して同等の結果を得た。
【0061】[実施例(レセプタクルタイプ型光送受
信モジュール)]光ファイバを着脱自在としたレセプタ
クル型の光送受信モジュールの実施例を図18に示す。
これはモジュールにおいて直接に光ファイバの着脱がで
きる。フェルールホルダ−に代わりに円筒形状のLD固
定フランジ140があり、これが調芯されてヘッダに対
して固定される。フランジ140の他方には、反射戻り
光防止ダミーファイバ142がダミーファイバホルダ−
141によって光軸上に固定される。先端が斜めに切っ
てある。反射光がレ−ザに戻らないためである。
【0062】固定フランジ140の先端面には雌型のコ
ネクタのハウジング143が固着される。内部に軸方向
に穿孔された通し孔がある。ハウジング143の後端の
面が、前述のフランジ140に溶接される。ハウジング
143の前端には軸方向の凹部があり、ここへもう一方
のハウジング151の先端筒が挿入される。端部の外周
にはオネジ部147が刻設される。
【0063】雄型コネクタ150のハウジング151は
ファイバコード152が挿通される。これがフェルール
155によって固定される。位置決めの為にキイ156
が軸方向に設けてある。これが雌型コネクタの孔に嵌合
する。シングルモード光ファイバ154の先端は、嵌合
時にダミーファイバ142に密接する。嵌合用メネジ部
153をオネジ部147に螺合することによって光コネ
クタを結合できる。
【0064】[実施例(10)(非球面レンズタイプの場
合)]球レンズの代わりに非球面レンズを使うとより長
距離伝送することができる。図20に非球面レンズを利
用した本発明の他の実施例を示す。円板状のヘッダ16
0に、ポール161があって、ポール161の側面にサ
ブマウント162を介して半導体レ−ザ70が固定され
る。上面にはサブマウント163を介してフォトダイオ
ード64を設ける。モニタPDはヘッダの面に傾斜して
固定される。非球面レンズ166は予め金属製のキャッ
プ164の開口165に固定されている。光ファイバ6
2はレンズの上方に位置する。
【0065】寸法は次のようである。レンズ中心から光
ファイバの端面までが6.8mm、レンズ中心からレ−
ザ端面までが1.7mm、レ−ザ端面とヘッダ面までの
距離が1.2mm、ヘッダの直径は5.6φである。レ
−ザは0.3mm×0.4mm×0.1mmtである。
レ−ザ用サブマウントは厚さ0.3mmである。フォト
ダイオードは0.45mm×0.23mm×0.2mm
tである。PD用サブマウントは厚さ0.2mmであ
る。
【0066】キャップを固定しないで、ヘッダの面内で
キャップを動かしてフォトダイオードの感度と、レ−ザ
光の光ファイバへの結合を測定した。その結果を21図
に示す。横軸はキャップの横方向の変位である。フォト
ダイオードの感度(A/W)が最大になる位置を原点に
選んでいる。図21においてRがフォトダイオードの感
度(A/W)である。原点で感度は0.55A/Wでか
なり大きい。しかしレ−ザの光ファイバに入るパワーは
0.2mW程度で小さいものである。ヘッダを右方向に
移動させると、フォトダイオードへの光入力は減ってい
くが、レ−ザの光ファイバへの入力は増えていく。右方
向へのずれが130μmの程度でレ−ザの光ファイバに
対する結合は最大になる。
【0067】ここで1.5mWである。しかしフォトダ
イオードの感度(光入力)は小さくて利用できない。中
間点ではPDの光電流とレ−ザの光入力を共にある程度
の大きさにする事ができる。ずれが40μmの時に、フ
ォトダイオード感度が0.5A/W、光ファイバの出力
(レ−ザ光の出力)が0.6mWになった。両者を妥協
させる位置である。この位置167でキャップを電気溶
接によってヘッダに固定した。さらにこれをピグテイル
型のモジュールとし155Mbpsの信号伝送の試験を
行った。球レンズの場合と同じように双方向に信号伝送
を行う事ができた。
【0068】[実施例(11)(光軸に平行な遮蔽板を付加
する)]以上に述べたものはピンポン伝送には十分に使
用できる。本発明はしかしピンポン伝送に限るものでは
なくて、少し改良を加える事によって、常時双方向に通
信することができる。そのためにはレ−ザの光が前方の
フォトダイオードに入らないようにすれば良い。遮蔽板
を追加する事によってこの目的を達成することができ
る。図22はこれを示す。
【0069】フォトダイオード64とサブマウント12
0の側面に薄い遮蔽板170が接着されている。これは
単に長方形の板であるのではなくて、レンズの丸みに応
じて円弧171が切り欠いてある。光軸に平行な遮蔽板
170がレ−ザからの光を完全に遮断しフォトダイオー
ド64に入らないようにする。こうすればレ−ザが光っ
ている時でもフォトダイオードが受信動作を行う事がで
きるので、平行して送信受信することができる。
【0070】[実施例(12)(光軸に直角な遮蔽板を付加
する)]光軸に平行でなくて、直角の遮蔽板を追加する
事によっても同じ目的を達成することができる。図23
はこれを示す。遮蔽板172は開口部173を有する。
遮蔽板はサブマウントとしての機能も有する。遮蔽板の
適当な位置に開口部173を穿孔し、これに側面が接す
るようにフォトダイオードを固定する。これをポールの
頂上に取り付ける。レ−ザ光は開口部173を通ってレ
ンズ、光ファイバへと伝搬する。レ−ザ光がフォトダイ
オードに入らないから、送受信を同時的に行う事ができ
る。
【0071】以上に述べたものは、あくまでいくつかの
実施例にすぎない。その他にいくつものバリエーション
も考えられる。そのいくつかを述べる。 光の波長は任意である。LD、PDを適当に選ぶ事
によって多くの波長帯に本発明を応用できる。実施例で
は1.3μmを信号光にする場合を説明したが、1.3
μmに限らない。1.55μmでも良いし、0.8μm
帯でもよい。0.8μm帯では、GaAs系の半導体レ
−ザと低価格のSiフォトダイオードを使う事ができ
る。
【0072】 送受信波長を変えても良い。受信波長
が1.55μmで、送信波長が1.3μmであってもよ
い。 光ファイバはマルチモードファイバであっても良
い。 光結合を行う相手は、光ファイバに限らない。光導
波路であっても良い。信号光が、光導波路で複雑な処理
をされた後に本発明の光送受信モジュールに結合される
ということも可能である。
【0073】 光を自由空間で広がらせるという本発
明の思想は、空気中に限らない。ガラスやプラスチック
のような透明体が介在していても良い。このような媒質
は均一で本質的に自由空間であると言って良い。簡単な
原理に基づきながら、幅広い応用をもつ優れた発明であ
る。
【0074】
【発明の効果】いままで誰も注目しなかった光が空間に
広がるという自然現象を巧みに利用し、本発明は、サイ
ズが大きく高価な光カップラが不要で高価なフェルール
を1本減らせてしかもパッケージも一つで済むような光
送受信モジュールを提供する事に成功した。これによっ
て双方向光通信、特に光加入者系に不可欠の光送受信モ
ジュールを低価格で量産できるようになる。
【0075】図19は、従来例のものと本発明のモジュ
ールの構成を比較する図である。図19(A)は従来の
加入者系の構成例である。局につながるシングルモード
ファイバ16と加入者側のモジュールが光コネクタ17
によって接続される。送信光と受信光を別異の経路に導
くために光ファイバ光分波器21を利用している。送信
光は1.55μmであってレ−ザモジュール25から光
ファイバ24、コネクタ22を通り、光分波器21から
光ファイバ16に入る。
【0076】受信光は光分波器で分岐路の方に入り、光
ファイバ19から光コネクタ23、光ファイバ26を経
由してPDモジュール27に入り光電変換される。この
ようにモジュールが二つ、光分波器がひとつ、コネクタ
が3つ必要になる。図19(B)は本発明による光送受
信モジュールの構成例である。LDとPDを内蔵したこ
れまでに説明してきた光送受信モジュール220が加入
者系にあり、光コネクタ17によって局につながる光フ
ァイバ16と結合される。
【図面の簡単な説明】
【図1】双方向光通信を説明する概略図。局側にも加入
者側にも光分波器があり、光分波器の分岐の先にはそれ
ぞれPD、LDモジュールが設けられる。
【図2】光ファイバまたは光導波路を用いた光分波器で
あって、送信光P1と受信光P2が同じ光ファイバを伝
搬し光分波器によって分離される状態を示す原理図。
【図3】三角柱ガラスブロックと誘電体多層膜ミラーを
使った光分波器の構成図。
【図4】従来例に係る光加入者系通信において、加入者
側の光送受信モジュールの構成例図。
【図5】従来例に係る半導体発光素子モジュールの断面
図。
【図6】従来例に係る半導体受光素子モジュールの断面
図。
【図7】従来例に係るフォトダイオード(PD)チップ
の中央縦断面図。
【図8】従来例に係るフォトダイオードチップの感度特
性を表すグラフ。
【図9】本発明の光送受信モジュール原理図。
【図10】本発明の第1の実施例を示す光送受信モジュ
ール構成図。
【図11】本発明の第2の実施例を示す光送受信モジュ
ールの構成図。
【図12】本発明の第3の実施例に係る光送受信モジュ
ールの構成図。
【図13】本発明の第4の実施例に係る光送受信モジュ
ールの構成図。
【図14】本発明の第5の実施例に係る光送受信モジュ
ールの構成図。
【図15】本発明に用いるフォトダイオードの構成例を
示す図。(A)は断面図、(B)は平面図、(C)は光
ファイバから見た光線の広がりを示す図。
【図16】パッケージに3つの素子を収容した本発明の
第6の実施例に係る光送受信モジュールの構成図。
【図17】ピグテイル型にした本発明の第7の実施例に
係る光送受信モジュールの縦断面図。
【図18】レセプタクル型にした本発明の第8の実施例
に係る光送受信モジュールの縦断面図。
【図19】従来例に係る光送受信モジュールと、本発明
の光送受信モジュールを比較するための図。
【図20】非球面レンズを集光レンズに用いた実施例の
断面図。
【図21】光ファイバ出力(Pf)と感度(R)のレン
ズ位置依存性を示すグラフ。
【図22】光軸に平行な遮蔽板を設けた実施例を示す断
面図。
【図23】光軸に直角で開口部を有する遮蔽板を設けた
実施例を示す断面図。
【符号の説明】
1 光ファイバ 2 光分波器 3 光ファイバ 4 光分波器 5 光ファイバ 6 光ファイバ 7 光ファイバ 8 光ファイバ 9 光ファイバ 10 近接部 11 光ファイバ 12 光ファイバ 13 ガラスブロック 14 ガラスブロック 15 多層膜ミラー 16 光ファイバ 17 光コネクタ 18 光ファイバ 19 光ファイバ 20 近接部 21 光ファイバ光分波器 22 光コネクタ 23 光コネクタ 25 半導体レ−ザモジュール 27 受光素子モジュール 28 半導体レ−ザモジュール 29 半導体レ−ザチップ 30 フォトダイオードチップ 31 ポール 32 ヘッダ 33 リードピン 34 キャップ 35 窓 36 レンズホルダ− 37 集光レンズ 38 ハウジング 39 フェルール 40 光ファイバ 41 受光素子チップ 42 ヘッダ 43 リードピン 44 キャップ 45 窓 46 レンズホルダ− 47 集光レンズ 48 ハウジング 49 フェルール 50 光ファイバ 51 光ファイバ端面 52 n−InP基板 53 n−InPバッファ層 54 n−InGaAs受光層 55 n−InP窓層 56 亜鉛拡散層 57 p電極 58 反射防止膜 59 パッシベーション膜 60 入射光 62 光ファイバ 63 光ファイバ端面 64 フォトダイオード 65 受光層 66 フォトダイオードの光軸に近い方の側面 67 光ファイバから受光素子に至る遠軸光線 68 光ファイバから受光素子に至る近軸光線 69 光ファイバから受光素子と反対の方向に出た遠軸
光線 70 半導体レ−ザ 71 発光層 72 レ−ザから光ファイバに至る軸線に沿う光線 73 レ−ザから軸から離れた方向にでた光線 74 レ−ザから出て受光素子の背面に当たった光線 75 集光レンズ 76 レンズによって集光されて光ファイバに入射する
光線 78 集光レンズ 81 モニタフォトダイオード 82 受光層 86 n型InP基板 87 n型InPバッファ層 88 InGaAs受光層 89 InP窓層 90 p領域 91 パッシベーション膜 92 p−電極 93 反射防止膜 94 n−電極 95 半楕円形の受光面の弦 96 半楕円形の受光面の円弧部 111 ヘッダ 112 リードピン 119 ポール 120 PD用サブマウント 122 LD用サブマウント 123 モニタPD用サブマウント 124 キャップ 126 レンズ 166 非球面レンズ 170 遮蔽板 171 円弧状の切り欠き 172 遮蔽板 173 開口部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤村 康 大阪府大阪市此花区島屋一丁目1番3号住 友電気工業株式会社大阪製作所内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 信号光を一定の経路に沿って双方向に伝
    搬させる光学媒体と、光学媒体の光学経路の延長上に設
    置される発光素子と、光学媒体経路と発光素子を結ぶ基
    線に側面が接近するように設けられる受光素子とを含む
    ことを特徴とする光送受信モジュール。
  2. 【請求項2】 信号を運ぶ光学媒体が光ファイバであっ
    て、光ファイバと発光素子と受光素子とよりなる事を特
    徴とする請求項1に記載の光送受信モジュール。
  3. 【請求項3】 信号を運ぶ光学媒体が光導波路であっ
    て、光導波路と発光素子と受光素子とよりなる事を特徴
    とする請求項1に記載の光送受信モジュール。
  4. 【請求項4】 受光素子の受光面が半円、半楕円形状で
    あって、半円、半楕円の弦のある方の側面が、基線の近
    傍に位置するように配置されていることを特徴とする請
    求項1〜3の何れかに記載の光送受信モジュール。
  5. 【請求項5】 光学媒体と受光素子の間にレンズを設け
    てあることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の
    光送受信モジュール。
  6. 【請求項6】 受光素子と発光素子との間にレンズを設
    けてあることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載
    の光送受信モジュール。
  7. 【請求項7】 発光素子の後方にモニタ用受光素子を配
    置してなることを特徴とする請求項1〜6の何れかに記
    載の光送受信モジュール。
  8. 【請求項8】 発光素子が、InGaAsP系の材料よ
    りなる1.3μm若しくは1.5μm帯の半導体レ−ザ
    であり、受光素子がInGaAs或いはInGaAsP
    系よりなるPINフォトダイオードであることを特徴と
    する請求項1〜7の何れかに記載の光送受信モジュー
    ル。
  9. 【請求項9】 隆起したポールと適数のリードピンを有
    するヘッダと、ポールの側面に固定されたレ−ザダイオ
    ードと、光ファイバの先端を保持するフェルールと、フ
    ェルールを保持しヘッダの上に固定されるフェルールホ
    ルダ−と、レ−ザと光ファイバを結ぶ光軸に近接した位
    置に側面が位置するようにヘッダのポールの頂面に取り
    付けられたフォトダイオードと、ヘッダに固定されるレ
    ンズ付きキャップと、レ−ザのパワーをモニタするため
    にヘッダに固定されたフォトダイオードとよりなること
    を特徴とする光送受信モジュール。
  10. 【請求項10】 光ファイバの先端を把持するフェルー
    ルを保持する雄型のコネクタと、雄型のコネクタに着脱
    できる雌型コネクタと、端面が斜めに切断されたダミー
    光ファイバを保持しヘッダに固着されるLD固定フラン
    ジと、LD固定フランジに固定され隆起したポールと適
    数のリードピンを有するヘッダと、ポールの側面に固定
    されたレ−ザダイオードと、レ−ザのパワーをモニタす
    るためにヘッダに固定されたモニタ用フォトダイオード
    と、ヘッダに固定されるレンズ付きキャップと、ダミー
    光ファイバとレ−ザダイオードを結ぶ光軸に近接した位
    置に側面が位置するようにヘッダのポール頂面に固定さ
    れるフォトダイオードとよりなる事を特徴とする光送受
    信モジュール。
  11. 【請求項11】 光学媒体・受光素子の光路と光学媒体
    ・発光素子の光路を光軸に平行な方向で分離する遮蔽板
    を受光素子の側面に設置した事を特徴とする請求項1〜
    10の何れかに記載の光送受信モジュール。
  12. 【請求項12】 光学媒体・受光素子の光路と光学媒体
    ・発光素子の光路を光軸に直交する方向で分離するため
    に、開口部を有する遮蔽板を受光素子と発光素子の間に
    設置した事を特徴とする請求項1〜10の何れかに記載
    の光送受信モジュール。
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